JP4963429B2 - 追尾アンテナ装置、姿勢角推定方法およびそのプログラム - Google Patents
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Description
図1は、本発明の追尾アンテナ装置の第1の実施形態を示す。
図において、移動体に搭載されるアンテナ11の指向方向は、指向方向駆動部12により設定される。指向方向駆動部12は、アンテナ11の仰角および方位角を機械的に設定する場合には例えばモータを駆動し、アンテナ11として電気的に指向方向を可変できるフェーズドアレイアンテナを用いる場合には各アンテナ素子に対応する移相器の位相を設定する構成である。指向方向制御部13は、オープンループ方式およびクローズドループ方式を併用し、アンテナ11の指向方向を制御する制御値を生成して指向方向駆動部12に与える。目標物方向記憶部14は、目標物の方向である絶対方位角と絶対仰角を記憶する。指向方向計測部15は、アンテナ11が目標物を捕捉したときに、移動体の方向に対するアンテナ11の相対的な指向方向である相対方位角と相対仰角を計測する。
Θ= [φ θ ψ] T
と表される。角速度計測部16として用いる3軸角速度計(ジャイロ)の計測値ωは
ω= [ωx ωy ωz ] T
と表される。
角速度計測部16の計測値ωは、以下の公知の式を用いて姿勢角Θへ変換される。
sin(ψ+AZ)cos(EL)=cosφsin(az)cos(el)+sinφsin(el) …(2)
cosθcos(ψ+AZ)cos(EL)−sinθsin(EL) =cos(az)cos(el) …(3)
すなわち、衛星の捕捉状態では、上記のようにAZ、ELとaz、elはほぼ正確に得られるため、姿勢角のロール角φ、ピッチ角θ、ヨー角ψのうちいずれか1つの角度が正確に分かれば、残りの2つの角度も正確に計算することができる。本発明では、式(2) と式(3) を用いて、1つの姿勢角を基準として残りの2つの姿勢角を求め、得られた2つの姿勢角の低域成分を使って高域成分と加算し、計測値とする。
図2は、本発明の追尾アンテナ装置の第2の実施形態を示す。
本実施形態の特徴は、ヨー角推定部21において、ロール角計算部20で得られたロール角を利用せず、目標物方向記憶部14に記憶された絶対方位角と、指向方向計測部15で計測された相対方位角とを入力して移動体のヨー角を推定するところにある。その他の構成は第1の実施形態と同様である。
sin(ψ+AZ)cos(EL)=sin(az)cos(el) …(4)
となり、
ψ+AZ=az …(5)
となる。
図3は、本発明の追尾アンテナ装置の第3の実施形態を示す。
第1の実施形態の構成におけるピッチ角推定部24では、絶対方位角AZ、絶対仰角EL、相対方位角az、相対仰角elと、ヨー角計算部23で求めたヨー角ψを式(3) に代入してピッチ角θを推定していた。
cosθcos(ψ1+AZ)cos(EL)−sinθsin(EL) =cos(az)cos(el) …(6)
を用いることを特徴とする。これは、第2の実施形態の構成にも同様に適用することができる。
図4は、本発明の追尾アンテナ装置の第4の実施形態を示す。
第1の実施形態の構成におけるピッチ角推定部24では、絶対方位角AZ、絶対仰角EL、相対方位角az、相対仰角elと、ヨー角計算部23で求めたヨー角ψを式(3) に代入してピッチ角θを推定していた。
cosθcos(ψ1LPF+AZ)cos(EL)−sinθsin(EL) =cos(az)cos(el) …(7)
を用いることを特徴とする。これは、第2の実施形態の構成にも同様に適用することができる。
衛星を捕捉していない状態では、式(2) と式(3) は成立しないため、特にヨー角の低域成分を補償することかできない。そのため、未捕捉直前のヨー角を初期値として式(1) の計算を行い、得られたヨー角を計測値としてオープンループ方式に使用すればよい。また、ピッチ角については、同様に未捕捉直前のピッチ角を初期値として式(1) の計算を行ってもよいし、例えばトンネル内では大きく減速する状況はあまり生じないので、ピッチ方向の傾斜計を使用してピッチ角の低域成分を求めてもよい。いずれの方法でも、未捕捉直前まで精度よく姿勢角を計測しているため、オープンループ方式の誤差が小さくなっており、再捕捉時間を短縮することができる。
12 指向方向駆動部
13 指向方向制御部
14 目標物方向記憶部
15 指向方向計測部
16 角速度計測部
17 姿勢角高域成分抽出部
18 ロール傾斜角計測部
19 ロール角低域成分抽出部
20 ロール角計算部
21 ヨー角推定部
22 ヨー角低域成分抽出部
23 ヨー角計算部
24 ピッチ角推定部
25 ピッチ角低域成分抽出部
26 ピッチ角計算部
27 姿勢角記憶部
Claims (9)
- 移動体に搭載されるアンテナの指向方向を設定する指向方向駆動部と、
前記移動体の姿勢計測値に基づいて前記アンテナの指向方向を制御するオープンループ方式および前記アンテナの受信信号に基づいて前記アンテナの指向方向を制御するクローズドループ方式を併用し、前記アンテナの指向方向を電波を発する目標物の方向に制御する制御値を生成して前記指向方向駆動部に与える指向方向制御部と
を備えた追尾アンテナ装置において、
前記目標物の方向である絶対方位角と絶対仰角を記憶する目標物方向記憶部と、
前記アンテナが前記目標物を捕捉したときに、前記移動体の方向に対する前記アンテナの相対的な指向方向である相対方位角と相対仰角を計測する指向方向計測部と、
前記移動体の姿勢角であるロール角、ピッチ角、ヨー角を記憶する姿勢角記憶部と、
前記移動体の3軸方向の角速度を計測する角速度計測部と、
前記角速度計測部で得られた移動体角速度と、前記姿勢角記憶部に記憶された姿勢角を入力し、移動体角速度を姿勢角方向の角速度に座標変換した後に積分し、姿勢角高域成分を抽出する姿勢角高域成分抽出部と、
前記移動体のロール角方向の水平面からの傾きであるロール傾斜角を計測するロール傾斜角計測部と、
前記ロール傾斜角計測部で計測されたロール傾斜角からロール角低域成分を抽出するロール角低域成分抽出部と、
前記姿勢角高域成分抽出部で抽出された姿勢角高域成分のロール角高域成分と、前記ロール角低域成分抽出部で抽出されたロール角低域成分とを加算してロール角として出力するロール角計算部と、
前記目標物方向記憶部に記憶された絶対方位角および絶対仰角と、前記指向方向計測部で計測された相対方位角および相対仰角と、前記ロール角計算部で得られたロール角とを入力し、前記移動体のヨー角を推定するヨー角推定部と、
前記ヨー角推定部で推定されたヨー角からヨー角低域成分を抽出するヨー角低域成分抽出部と、
前記姿勢角高域成分抽出部で抽出された姿勢角高域成分のヨー角高域成分と、前記ヨー角低域成分抽出部で抽出されたヨー角低域成分とを加算してヨー角として出力するヨー角計算部と、
前記目標物方向記憶部に記憶された絶対方位角および絶対仰角と、前記指向方向計測部で計測された相対方位角および相対仰角と、前記ヨー角計算部で得られたヨー角とを入力して移動体のピッチ角を推定するピッチ角推定部と、
前記ピッチ角推定部で推定されたピッチ角からピッチ角低域成分を抽出するピッチ角低域成分抽出部と、
前記姿勢角高域成分抽出部で抽出された姿勢角高域成分のピッチ角高域成分と、前記ピッチ角低域成分抽出部で抽出されたピッチ角低域成分とを加算してピッチ角として出力するピッチ角計算部と
を備え、前記移動体の姿勢角として前記ロール角計算部、前記ヨー角計算部、前記ピッチ角計算部からそれぞれ出力されるロール角、ヨー角、ピッチ角を前記姿勢角記憶部に記憶するとともに、前記指向方向制御部のオープンループ方式による制御に供する構成である
ことを特徴とする追尾アンテナ装置。 - 移動体に搭載されるアンテナの指向方向を設定する指向方向駆動部と、
前記移動体の姿勢計測値に基づいて前記アンテナの指向方向を制御するオープンループ方式および前記アンテナの受信信号に基づいて前記アンテナの指向方向を制御するクローズドループ方式を併用し、前記アンテナの指向方向を電波を発する目標物の方向に制御する制御値を生成して前記指向方向駆動部に与える指向方向制御部と
を備えた追尾アンテナ装置において、
前記目標物の方向である絶対方位角と絶対仰角を記憶する目標物方向記憶部と、
前記アンテナが前記目標物を捕捉したときに、前記移動体の方向に対する前記アンテナの相対的な指向方向である相対方位角と相対仰角を計測する指向方向計測部と、
前記移動体の姿勢角であるロール角、ピッチ角、ヨー角を記憶する姿勢角記憶部と、
前記移動体の3軸方向の角速度を計測する角速度計測部と、
前記角速度計測部で得られた移動体角速度と、前記姿勢角記憶部に記憶された姿勢角を入力し、移動体角速度を姿勢角方向の角速度に座標変換した後に積分し、姿勢角高域成分を抽出する姿勢角高域成分抽出部と、
前記移動体のロール角方向の水平面からの傾きであるロール傾斜角を計測するロール傾斜角計測部と、
前記ロール傾斜角計測部で計測されたロール傾斜角からロール角低域成分を抽出するロール角低域成分抽出部と、
前記姿勢角高域成分抽出部で抽出された姿勢角高域成分のロール角高域成分と、前記ロール角低域成分抽出部で抽出されたロール角低域成分とを加算してロール角として出力するロール角計算部と、
前記目標物方向記憶部に記憶された絶対方位角と、前記指向方向計測部で計測された相対方位角とを入力し、前記移動体のヨー角を推定するヨー角推定部と、
前記ヨー角推定部で推定されたヨー角からヨー角低域成分を抽出するヨー角低域成分抽出部と、
前記姿勢角高域成分抽出部で抽出された姿勢角高域成分のヨー角高域成分と、前記ヨー角低域成分抽出部で抽出されたヨー角低域成分とを加算してヨー角として出力するヨー角計算部と、
前記目標物方向記憶部に記憶された絶対方位角および絶対仰角と、前記指向方向計測部で計測された相対方位角および相対仰角と、前記ヨー角計算部で得られたヨー角とを入力して移動体のピッチ角を推定するピッチ角推定部と、
前記ピッチ角推定部で推定されたピッチ角からピッチ角低域成分を抽出するピッチ角低域成分抽出部と、
前記姿勢角高域成分抽出部で抽出された姿勢角高域成分のピッチ角高域成分と、前記ピッチ角低域成分抽出部で抽出されたピッチ角低域成分とを加算してピッチ角として出力するピッチ角計算部と
を備え、前記移動体の姿勢角として前記ロール角計算部、前記ヨー角計算部、前記ピッチ角計算部からそれぞれ出力されるロール角、ヨー角、ピッチ角を前記姿勢角記憶部に記憶するとともに、前記指向方向制御部のオープンループ方式による制御に供する構成である
ことを特徴とする追尾アンテナ装置。 - 請求項1または請求項2に記載の追尾アンテナ装置において、
前記ピッチ角推定部は、前記ヨー角計算部で求めたヨー角に代えて、前記ヨー角推定部で推定したヨー角を用いる構成である
ことを特徴とする追尾アンテナ装置。 - 請求項1または請求項2に記載の追尾アンテナ装置において、
前記ピッチ角推定部は、前記ヨー角計算部で求めたヨー角に代えて、前記ヨー角低域成分抽出部で抽出したヨー角低域成分を用いる構成である
ことを特徴とする追尾アンテナ装置。 - 移動体に搭載されるアンテナの指向方向を電波を発する目標物に自動追尾させる追尾アンテナ装置で、移動体の姿勢計測値に基づいてアンテナの指向方向を制御するオープンループ方式に用いる移動体の姿勢角を推定する姿勢角推定方法において、
前記目標物の方向である絶対方位角と絶対仰角を有し、
前記アンテナが前記目標物を捕捉したときに、前記移動体の方向に対する前記アンテナの相対的な指向方向である相対方位角と相対仰角を計測しておき、さらに、
前記移動体の3軸方向の移動体角速度を計測し、前記移動体の姿勢角であるロール角、ピッチ角、ヨー角と、前記移動体角速度とを入力し、前記移動体角速度を姿勢角方向の角速度に座標変換した後に積分して姿勢角高域成分を抽出する第1のステップと、
前記移動体のロール角方向の水平面からの傾きであるロール傾斜角を計測し、前記ロール傾斜角の低域成分であるロール角低域成分を抽出する第2のステップと、
前記姿勢角高域成分のロール角高域成分と、前記ロール角低域成分とを加算してロール角として算出する第3のステップと、
前記目標物の絶対方位角および絶対仰角と、前記相対方位角および相対仰角と、前記ロール角とを入力して前記移動体のヨー角を推定する第4のステップと、
前記ヨー角の低域成分であるヨー角低域成分を抽出する第5のステップと、
前記姿勢角高域成分のヨー角高域成分と、前記ヨー角低域成分とを加算してヨー角として算出する第6のステップと、
前記目標物の絶対方位角および絶対仰角と、前記相対方位角および相対仰角と、前記第6のステップで求めた前記ヨー角とを入力して移動体のピッチ角を推定する第7のステップと、
前記ピッチ角の低域成分であるピッチ角低域成分を抽出する第8のステップと、
前記姿勢角高域成分のピッチ角高域成分と、前記ピッチ角低域成分とを加算してピッチ角として算出する第9のステップとを有し、
前記第3のステップ、前記第6のステップ、前記第9のステップで移動体の姿勢角として算出されたロール角、ヨー角、ピッチ角を前記オープンループ方式による制御に供することを特徴とする姿勢角推定方法。 - 移動体に搭載されるアンテナの指向方向を電波を発する目標物に自動追尾させる追尾アンテナ装置で、前記移動体の姿勢計測値に基づいて前記アンテナの指向方向を制御するオープンループ方式に用いる移動体の姿勢角を推定する姿勢角推定方法において、
前記目標物の方向である絶対方位角と絶対仰角を有し、
前記アンテナが前記目標物を捕捉したときに、前記移動体の方向に対する前記アンテナの相対的な指向方向である相対方位角と相対仰角を計測しておき、さらに、
前記移動体の3軸方向の移動体角速度を計測し、前記移動体の姿勢角であるロール角、ピッチ角、ヨー角と、前記移動体角速度とを入力し、前記移動体角速度を姿勢角方向の角速度に座標変換した後に積分して姿勢角高域成分を抽出する第1のステップと、
前記移動体のロール角方向の水平面からの傾きであるロール傾斜角を計測し、前記ロール傾斜角の低域成分であるロール角低域成分を抽出する第2のステップと、
前記姿勢角高域成分のロール角高域成分と、前記ロール角低域成分とを加算してロール角として算出する第3のステップと、
前記目標物の絶対方位角と、前記相対方位角とを入力して前記移動体のヨー角を推定する第4のステップと、
前記ヨー角の低域成分であるヨー角低域成分を抽出する第5のステップと、
前記姿勢角高域成分のヨー角高域成分と、前記ヨー角低域成分とを加算してヨー角として算出する第6のステップと、
前記目標物の絶対方位角および絶対仰角と、前記相対方位角および相対仰角と、前記第6のステップで求めた前記ヨー角とを入力して移動体のピッチ角を推定する第7のステップと、
前記ピッチ角の低域成分であるピッチ角低域成分を抽出する第8のステップと、
前記姿勢角高域成分のピッチ角高域成分と、前記ピッチ角低域成分とを加算してピッチ角として算出する第9のステップとを有し、
前記第3のステップ、前記第6のステップ、前記第9のステップで移動体の姿勢角として算出されたロール角、ヨー角、ピッチ角を前記オープンループ方式による制御に供することを特徴とする姿勢角推定方法。 - 請求項5または請求項6に記載の姿勢角推定方法において、
前記第7のステップは、前記第6のステップで求めたヨー角に代えて、前記第4のステップで推定したヨー角を用いる
ことを特徴とする姿勢角推定方法。 - 請求項5または請求項6に記載の姿勢角推定方法において、
前記第7のステップは、前記第6のステップで求めたヨー角に代えて、前記第5のステップで抽出したヨー角低域成分を用いる
ことを特徴とする姿勢角推定方法。 - コンピュータに、請求項5〜請求項8のいずれかに記載の各ステップを実行させるためのコンピュータ読み取り可能なプログラム。
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