JP2896407B1 - 慣性航法装置 - Google Patents

慣性航法装置

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JP2896407B1
JP2896407B1 JP10086499A JP8649998A JP2896407B1 JP 2896407 B1 JP2896407 B1 JP 2896407B1 JP 10086499 A JP10086499 A JP 10086499A JP 8649998 A JP8649998 A JP 8649998A JP 2896407 B1 JP2896407 B1 JP 2896407B1
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Abstract

【要約】 【課題】 航走体の姿勢及び方位の初期化においてカル
マンフィルタを用いて取付誤差を推定するように構成さ
れた慣性航法装置(INS)において、船体の歪に起因
した誤差を考慮して取付誤差を推定すること目的をとす
る。 【解決手段】 航走体に搭載された慣性航法装置(航走
体INS)によって検出された角速度及び加速度と艦船
に搭載された慣性航法装置(マスタINS)によって検
出された角速度及び加速度の差に基づいて、即ち、角速
度差及び加速度差をカルマンフィルタの観測値として取
付誤差を推定する。例えば、X軸及びY軸周りの取付誤
差の推定において、航走体INS及びマスタINSによ
って検出された角速度の差よりも加速度の差に基づいた
推定に重みを付ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は艦船より発射される
航走体に搭載する慣性航法装置(INS)に関し、より
詳細には、トランスファアラインメント法を用いて初期
姿勢及び初期方位を算出(初期化)するように構成され
た慣性航法装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図1及び図2に艦船1に搭載された航走
体2の配置状態を示す。図示のように、航走体2は、典
型的には艦船1に装備された航走体発射装置3にセット
されている。艦船1には艦船1の姿勢及び方位を演算す
る主慣性航法装置10(以下に「マスタINS」と称す
る。)が搭載され、航走体2にも航走体2自身の姿勢及
び方位を演算する小型慣性航法装置20(以下に「航走
体INS」と称する。)が搭載されている。
【0003】尚、図3及び図4に示すように、航走体発
射装置3に近接して航走体発射装置3の姿勢及び方位を
演算する従慣性航法装置30(以下に「スレーブIN
S」と称する。)を搭載してもよい。
【0004】航走体INS20に設定した座標系(以下
に「航走体座標」と称する。)とマスタINS10に設
定した座標系(以下に「マスタ座標」と称する。)との
間には直線的偏差及び回転偏差が存在する。この回転偏
差を取付誤差又は取り付けミスアラインメントφと称す
る。取付誤差φは、X,Y,Z軸周りの取付誤差φX
φY ,φZ を含み、航走体2を艦船に機械的に装着する
際に生ずる誤差である。
【0005】一般に、ロール、ピッチ及び方位は姿勢及
び方位と称されるが、ここでは随時、両者を纏めて単に
姿勢と称することがある。又、ロール角、ピッチ角及び
方位角は姿勢角及び方位角と称されるが、ここでは、両
者を纏めて単に姿勢角と称することがある。
【0006】航走体2の慣性誘導は航走体2自身に搭載
された航走体INS20によってなされるが、航走体2
を所定の軌道に沿って正確に誘導するためには航走体2
の発射前に、航走体2又は航走体INS20の姿勢及び
方位を正確に求める必要がある。これを航走体INS2
0の初期化と称する。
【0007】航走体INS20の初期化は、航走体IN
S20自身によって実行することはできない。航走体I
NS20の初期化には数十分の時間を要するが、航走体
INS20の電源は航走体発射直前に投入されるからで
ある。また、航走体INS20に使用されるセンサは一
般に低価格且つ低精度だからである。
【0008】一方、マスタINS10は常に運転状態に
あり、マスタINS10自身の姿勢及び方位は常に正確
に求められている。従って、航走体INS20を初期化
するには、取付誤差又は取り付けミスアラインメントφ
が求められればよい。
【0009】航走体INS20の姿勢及び方位を高速に
推定する方式としてトランスファアラインメント法と呼
ばれる手法が使用されている。トランスファアラインメ
ント法によると、マスタINS10より航走体INS2
0へ信号が転送され、マスタINS10からの信号を使
用して取付誤差φが推定される。
【0010】より詳細には、航走体INS20によって
検出された加速度及び角速度とマスタINS10によっ
て検出された加速度及び角速度とを比較することによっ
て取付誤差φが推定される。又は、航走体INS20に
よって検出された速度及び姿勢角とマスタINS10に
よって検出された速度及び姿勢角とを比較することによ
って取付誤差φが推定される。取付誤差φの推定演算
は、カルマンフィルタを使用し、航走体INS20によ
ってなされる。尚、航走体INS20の代わりにスレー
ブINS30によってなされてもよい。
【0011】以下にトランスファアラインメント法によ
る取付誤差φの推定法について具体的に説明する。取付
誤差φが存在するために、マスタINS10の加速度計
及びジャイロに入力する加速度及び角速度と航走体IN
S20の加速度計及びジャイロに入力する加速度及び角
速度との間に偏差が生じる。速度及び姿勢角は加速度及
び角速度に基づいて演算されるため、これらの値もマス
タINS10と航走体INS20では異なる値となる。
【0012】航走体INS20は、マスタINS10の
加速度計及びジャイロによって検出された加速度及び角
速度と航走体INS20の加速度計及びジャイロによっ
て検出された加速度及び角速度の差を演算し、これらの
差をカルマンフィルタにおける観測値に用いる。又は、
加速度及び角速度より速度差及び姿勢差を演算し、これ
らの差をカルマンフィルタにおける観測値に用いる。
【0013】ここで、カルマンフィルタの概要を簡単に
説明する。システムは1次の微分方程式によって記述さ
れることができるものとする。
【0014】
【数1】d〔x〕/dt=〔A〕〔x〕+〔C〕〔w〕
【0015】この式の各項は次のようなものである。 〔x〕:推定値の状態ベクトル 〔A〕:システム行列 〔w〕:システム外乱ベクトル 〔C〕:システム外乱係数行列(一般的に単位行列が使
われる場合が多い) この式を遷移行列法によって離散形に変形すると次のよ
うになる。
【0016】
【数2】〔x(t+Δt)〕=〔Φ〕〔x(t)〕+
〔G〕〔w〕
【0017】観測系は次の式によって表される。
【0018】
【数3】〔y〕=〔H〕〔x〕+〔v〕
【0019】この式の各項は次のようなものである。 〔y〕:観測ベクトル 〔H〕:観測行列 〔v〕:観測外乱ベクトル システムが数1の式〜数3の式によって記述されること
ができる場合には、推定値〔x〕は次の式によって求め
られる。
【0020】
【数4】 PE (t+Δt,t)=Φ・PE (t,t)ΦT +G
(QE /Δt)GT K(t+Δt)=PE (t+Δt,t)HT 〔H・PE
(t+Δt,t)HT+RE -1 x(t+Δt,t)=Φ・x(t,t) x(t+Δt,t+Δt)=x(t+Δt,t)+K
(t+Δt)〔y−H・x(t+Δt,t)〕 PE (t+Δt,t+Δt)=〔I−K(t+Δt)・
H〕PE (t+Δt,t)
【0021】
【数5】 Φ=I+AΔt+Δt2 /2・A2 G={ΦΔt(I−Δt/2・A)}C
【0022】Iは単位行列である。PE は状態ベクトル
の誤差共分散行列、QE はシステム外乱ベクトルの誤差
共分散行列、RE は観測外乱ベクトルの誤差共分散行列
であり、それぞれ次のように表される。尚、右辺のEは
期待値を表す。
【0023】
【数6】 PE =E〔x,xT 〕 QE =E〔w,wT 〕 RE =E〔v,vT
【0024】尚、PE ,QE ,RE については後に詳細
に説明する。Kはカルマンゲインであり、システム誤差
と観測ノイズとの統計量を比較し、システムと観測値の
どちらに重みを付けるかを決定する量である。
【0025】数4の式の各項は次のような意味を有す
る。PE (t+Δt,t)は現時刻tでのシステム誤差
の統計量がΔt秒後にどの程度変化するのかを予想する
ものである。x(t+Δt,t)は、時刻tにおける時
刻t+Δtの予測値である。x(t+Δt,t+Δt)
は最適推定値であり、観測値と予測値との偏差とカルマ
ンゲインKを用いて計算する。PE (t+Δt,t+Δ
t)は誤差共分散行列P E の修正値である。
【0026】次に、カルマンフィルタを用いて取付誤差
φの推定演算を行う。カルマンフィルタの観測値として
(1)マスタ座標系と航走体座標系の間の加速度差又は
角速度差を用いる場合と、(2)マスタ座標系と航走体
座標系の間の速度差又は姿勢差を使用する場合がある。
【0027】(1)マスタ座標系と航走体座標系の間の
加速度差又は角速度差を観測値とする場合:取付誤差φ
は時間変化しない固定値であるため、次の式が成り立
つ。
【0028】
【数7】〔dφ/dt〕=0+〔w〕
【0029】図5を参照して、マスタINSによって検
出された角速度又はマスタ座標系の角速度ωX ,ωY
航走体INSによって検出された角速度又は航走体座標
系の角速度ωX ’,ωY ’の間の関係を求める。尚、説
明の簡単化のため2次元の場合を考える。
【0030】
【数8】 ωX ’=ωX ・cosφZ +ωY ・sinφZ ωY ’=−ωX ・sinφZ +ωY ・cosφZ ωX ,ωY :マスタ座標系の角速度 ωX ’,ωY ’:航走体座標系の角速度 φZ :Z軸周りの取付誤差
【0031】Z軸周りの取付誤差φZ が微小であるとす
ると、次の近似式が成り立つ。
【0032】
【数9】 sinφZ ≒φZ cosφZ ≒1
【0033】従って数8の式は次のようになる。
【0034】
【数10】 ωX −ωX ’=−ωY ・φZ ωY −ωY ’=ωX ・φZ
【0035】数10の式より、Z軸周りの取付誤差φZ
は、X軸周りの角速度差又はY軸周りの角速度差を観測
値として推定可能であることが判る。これを三次元に拡
張すると、次のように表される。
【0036】
【数11】ω−ω’=φ×ω ω:マスタ座標系の角速度 ω’:航走体座標系の角速度
【0037】加速度についても同様な関係式が得られ
る。結局、角速度差Δω及び加速度差Δaは次のように
表される。
【0038】
【数12】 Δω=φ×ω+v Δa=φ×a+v Δω:マスタ座標系の角速度と航走体座標系の角速度の
差 Δa:マスタ座標系の加速度と航走体座標系の加速度の
差 ω:マスタ座標系の角速度 a:マスタ座標系の加速度 φ:取付誤差 v:観測外乱ベクトル
【0039】この式を展開すると次のようになる。
【0040】
【数13】 ΔωX =φY ωZ −φZ ωY ΔωY =φZ ωX −φX ωZ ΔωZ =φX ωY −φY ωX ΔaX =φY Z −φZ Y ΔaY =φZ X −φX Z ΔaZ =φX Y −φY X
【0041】数13の式より、X,Y,Z軸周りの取付
誤差φX ,φY ,φZ は、それぞれ以下の観測値に基づ
いて推定可能であることが判る。 X軸周りの取付誤差φX :Y・Z加速度差、Y・Z角速
度差 Y軸周りの取付誤差φY :X・Z加速度差、X・Z角速
度差 Z軸周りの取付誤差φZ :X・Y加速度差、X・Y角速
度差
【0042】しかし、艦船には大きな加速度運動がな
く、加速度差は重力加速度の影響が支配的である。つま
り、X,Y軸周りに取付誤差φX ,φY が存在し、重力
成分が他軸に現れる場合に、加速度差が発生する。ただ
し、Z加速度差は取付誤差φX,φY を微小角とすれ
ば、近似的に0である。結局X,Y,Z軸周りの取付誤
差φX ,φY ,φZ は次の表1のような観測値に基づい
て推定可能である。
【0043】
【表1】 X軸周りの取付誤差φX :Y加速度差、Y・Z角速度差 Y軸周りの取付誤差φY :X加速度差、X・Z角速度差 Z軸周りの取付誤差φZ :X・Y角速度差
【0044】(2)マスタ座標系と航走体座標系の間の
速度差と姿勢差(ここで姿勢差は方位角差を含む。)を
観測値とする場合:先ず、マスタINS10と航走体I
NS20の姿勢差Δψ及び速度差Δvを求める。
【0045】
【数14】 dΔψ/dt=−〔ω’×〕Δψ+〔ω’×〕φ dΔv/dt=−CL 〔a’×〕Δψ+CL 〔a’×〕
φ ω’:航走体座標系の角速度 a’:航走体座標系の加速度、 CL :マスタINSの方向余弦行列
【0046】行列〔ω’×〕及び〔a’×〕は次のよう
に表される。
【0047】
【数15】
【0048】従って、数14の式を行列形式によって表
すと、次のようになる。
【0049】
【数16】
【0050】この式を数1の式と比較すると次の関係が
得られる。
【0051】
【数17】
【0052】観測値は速度差y(Δv)と姿勢差y(Δ
ψ)である。従って、数3の式の形に表される。
【0053】
【数18】
【0054】ここでI3 は3×3の単位行列、03 は3
×3の0行列である。この式を数3の式と比較すると次
の関係が得られる。
【0055】
【数19】
【0056】数16の式より、X, , Z軸周りの取付
誤差φX ,φY ,φZ は、それぞれ次のような観測値に
基づいて推定可能であることが判る。 X軸周りの取付誤差φX :VY ・VZ 速度差、ピッチ角
・方位差 Y軸周りの取付誤差φY :VX ・VZ 速度差、ロール角
・方位差 Z軸周りの取付誤差φZ :VX ・VY 速度差、ロール角
・ピッチ角差
【0057】しかし、艦船には大きな加速度運動がな
く、速度差は重力成分による加速度の影響が支配的であ
る。つまり、X, Y軸周りに取付誤差φX ,φY が存在
し、重力成分が他軸に現れる場合に、速度差が発生す
る。ただし、VZ 速度差は取付誤差φX ,φY を微小角
とすれは、近似的に0である。結局、X, Y,Z軸周り
の取付誤差φX ,φY ,φZ は次のような観測値に基づ
いて推定可能である。
【0058】
【表2】 X軸周りの取付誤差φX :VY 速度差、ピッチ角・方位差 Y軸周りの取付誤差φY :VX 速度差、ロール角・方位差 Z軸周りの取付誤差φZ :ロール角・ピッチ角差 ところで、観測値として用いることができる速度差は、
ΔVn (南北速度差)、ΔVe (東西速度差)、ΔVd
(鉛直速度差)である。(ΔVX ,ΔVY ,ΔVZ )を
座標変換行列(CL )で座標変換すると(ΔVn ,ΔV
e ,ΔVd )になる。
【0059】
【発明が解決しようとする課題】マスタINS10と航
走体INS20の間には固定的な取付誤差φの他に、艦
船の動揺によって生ずる船体の歪δ(取付誤差φの変動
成分)に起因した偏差が存在する。今、艦船の動揺が次
のように表されるものとする。
【0060】
【数20】 R=RO ・sin(ωR ・t+αR ) P=PO ・sin(ωP ・t+αP ) A=AO ・sin(ωA ・t+αA ) R:ロール角 P:ピッチ角 A:方位角 RO :ロール角の振幅 PO :ピッチ角の振幅 AO :方位角の振幅 ωR :=2π/TR (TR :ロールの動揺周期) ωP :=2π/TP (TP :ピッチの動揺周期) ωA :=2π/TA (TA :方位の動揺周期) αR :ロールの動揺の位相 αP :ピッチの動揺の位相 αA :方位の動揺の位相
【0061】また、船体の歪δが次のように表されるも
のとする。
【0062】
【数21】 δR =δRO・sin(ωR ・t+βR ) δP =δPO・sin(ωP ・t+βP ) δA =δAO・sin(ωA ・t+βA ) δR :ロール歪 δP :ピッチ歪 δA :方位歪 δRO:ロール歪の振幅 δPO:ピッチ歪の振幅 δAO:方位歪の振幅 ωR :=2π/TR (TR :ロール歪の周期) ωP :=2π/TP (TP :ピッチ歪の周期) ωA :=2π/TA (TA :方位歪の周期) βR :ロール歪の位相 βP :ピッチ歪の位相 βA :方位歪の位相
【0063】マスタINS10と航走体INS20によ
って検出される角速度の差は、X,Y,Z軸周りの取付
誤差φX ,φY ,φZ に起因するが、先ず、Z軸周りの
取付誤差φZ のみを考える。また、方位の動揺A及び方
位歪δA は微小とし、方位の動揺及び方位歪の位相
αA ,βA が0であるとする。数12の式より次の式が
得られる。
【0064】
【数22】 ΔωX =−δRO・ωR ・cos(ωR ・t)−φZ ・P
O ・ωP ・cos(ω P ・t)・cosR ΔωY =−δPO・ωP ・cos(ωP ・t)・cosR
+φZ ・RO ・ωR ・cos(ωR ・t)
【0065】これは実際に観測される値である。カルマ
ンフィルタでは、歪をモデル化していないため、観測さ
れる角速度差は取付誤差φのみによって生じたものと判
断して推定を行う。カルマンフィルタのモデル式では次
のようになる。
【0066】
【数23】 ΔωX =−φZ ・PO ・ωP ・cos(ωP ・t)・c
osR ΔωY =+φZ ・RO ・ωR ・cos(ωR ・t)
【0067】ロール及びピッチの動揺と歪の角振動数ω
R ,ωP が等しく(ωR =ωP )、ロール角Rは小さい
(cosR=1)ものとすると、Z軸周りの取付誤差φ
Z の推定値は、X角速度差及びY角速度差をそれぞれ観
測値として次のように推定される。
【0068】
【数24】 φZ (推定値)=φZ (真値)+δRO/PO φZ (推定値)=φZ (真値)−δPO/RO
【0069】以上の議論はZ軸周りの取付誤差φZ につ
いて考えたが、X,Y軸周りの取付誤差φX ,φY を考
慮した場合も同様に求められる。
【0070】
【数25】 φX (推定値)=φX (真値)+δPO/AO φX (推定値)=φX (真値)−δAO/PO
【0071】
【数26】 φY (推定値)=φY (真値)−δRO/AO φY (推定値)=φY (真値)+δAO/RO
【0072】数24の式〜数26の式は角速度差及び加
速度差を観測値として取付誤差φを推定したが、速度差
及び姿勢角差を観測値とした場合(詳細は省略)も、同
様な式が得られる。
【0073】以上のように、従来のトランスファアライ
ンメント法では、X,Y,Z軸周りの取付誤差φX ,φ
Y ,φZ の推定値は、船体の歪みδに起因した誤差(数
24の式〜数26の式の右辺の第2項)を含む。
【0074】本発明は、斯かる点に鑑み、トランスファ
アラインメント法により取付誤差及び航走体の姿勢及び
方位を推定する慣性航法装置において、船体の歪δによ
って生ずる取付誤差φの推定値の誤差を低減することを
目的とするものである。
【0075】
【課題を解決するための手段】本発明によると、航行体
に装備された航走体の姿勢及び方位の初期化における取
付誤差の推定をカルマンフィルタを用いて行うように構
成された慣性航法装置において、X軸及びY軸周りの取
付誤差の推定において、該慣性航法装置及び上記航行体
に装着された主慣性航法装置によって求められた角速度
の差よりも加速度の差に基づいた推定に重みをおき、カ
ルマンフィルタの観測外乱ベクトルの誤差共分散行列R
E の角速度差を標準値より大きな値に設定したことを特
徴とする。
【0076】本発明によると、慣性航法装置において、
Z軸周りの取付誤差の推定において、上記2つの慣性航
法装置によって求められたY角速度差よりもX角速度差
に基づいた推定に重みをおき、上記行列RE のY角速度
差とX角速度差の値を、 RE (X角速度差)<RE (Y角速度差) とすることを特徴とする。
【0077】本発明によると、航行体に装備された航走
体の姿勢及び方位の初期化における取付誤差の推定をカ
ルマンフィルタを用いて行うように構成された慣性航法
装置において、X軸及びY軸周りの取付誤差の推定にお
いて、該慣性航法装置及び上記航行体に装着された主慣
性航法装置によって求められたロール角差、ピッチ角
差、方位角差よりも速度差に基づいた推定に重みをお
き、カルマンフィルタの観測外乱ベクトルの誤差共分散
行列RE のロール角差、ピッチ角差及び方位角差を標準
値より大きな値に設定したことを特徴とする。
【0078】本発明によると、慣性航法装置において、
Z軸周りの取付誤差の推定において、上記2つの慣性航
法装置によって求められたピッチ角差よりもロール角差
に基づいた推定に重みをおき、上記行列RE のロール角
差及びピッチ角差を、 RE(ロール角差)<RE (ピ
ッチ角差) とすることを特徴とする。更に、Z軸周りの取付誤差の
推定において、該慣性航法装置及び上記航行体に装着さ
れた主慣性航法装置によって求められたピッチ角差に基
づいて取付誤差φZ を推定するよりもピッチ角差そのも
のを推定するようにカルマンフィルタのシステム外乱ベ
クトルの誤差共分散行列QE の取付誤差φ Z とピッチ角
差を、 QE (取付誤差φZ )<QE (ピッチ角差) とすることを特徴とする。
【0079】
【発明の実施の形態】上述の表1及び表2に示したよう
に、カルマンフィルタによって取付誤差φを推定する場
合に、観測値として複数のパラメータを選択することが
できる。本発明ではこれらのパラメータに対して重み付
けをする。本発明によると、観測値からの推定に重み付
けをし、どの観測値に対してどの程度推定の重み付けを
するかを配分し、それによって取付誤差φに含まれる船
体の歪みδに起因した誤差を最小化する。
【0080】推定の重み付けに関係するパラメータはカ
ルマンゲインKである。カルマンゲインKは、どの観測
値からどの状態ベクトルをどの程度に推定するかを表
す。カルマンゲインKは上述の誤差共分散行列PE ,Q
E ,RE によって変化する。従って数6の式に示した誤
差共分散行列PE ,QE ,RE を設計値とすればよい。
より詳細には、設計値として、状態ベクトルの誤差共分
散行列PE の初期値PEI、システム外乱ベクトルの誤差
共分散行列QE 、観測外乱ベクトルの誤差共分散行列R
E の値を設定する。
【0081】図6を参照してカルマンゲインKと行列P
EI,QE ,RE の関係を説明する。図6は、カルマンゲ
インKの応答曲線を表すグラフである。例として、X角
速度差ΔωX を観測値として、Z軸周りの取付誤差φZ
を推定する場合について説明する。図6にて、縦軸はカ
ルマンゲインK(φZ ,ΔωX )〔min/(rad/
sec)〕であり、観測値ΔωX が観測された時に、取
付誤差φZ をどの程度推定するかを表す。横軸は時間
〔sec〕である。
【0082】図示のように、一般に、初期(時間t1
のカルマンゲインKは大きく、その後減少し、定常状態
(時間t2 )では一定となる。
【0083】(a)状態ベクトルの誤差共分散行列PE
の初期値PEI:この初期値PEIによって、対応する状態
ベクトルの初期のカルマンゲインKを決定することがで
きる。行列PEIの要素の値が大きいほど初期のカルマン
ゲインKが大きくなる。
【0084】(b)システム外乱ベクトルの誤差共分散
行列QE :行列QE によって、対応する状態ベクトルの
カルマンゲインKを決定することができる。行列QE
要素の値が大きいほど定常状態におけるカルマンゲイン
Kが大きくなる。
【0085】(c)観測外乱ベクトルの誤差共分散行列
E :カルマンゲインKの全体的な値を決定するのが行
列RE である。例えば、実線の曲線は行列RE の要素が
大きく、破線の曲線は行列RE の要素が小さい。行列R
E は、対応する観測値の精度を表す。行列RE の要素の
値が大きいほど、観測値は多くの誤差を含むことを示
す。従って行列RE の要素の値が大きい場合には、その
観測値を用いないようにする。
【0086】ここで、観測値の精度によって決定した行
列RE を標準値と称することとする。観測値のΔω、Δ
a、Δψ及びΔvの精度はセンサ等の性能によって決ま
るが、船体の歪みδに起因した誤差を含む。この誤差δ
が含まれない値が標準値である。
【0087】角速度差及び加速度差を観測値として取付
誤差φZ を推定する場合、6個のパラメータΔωX ,Δ
ωY ,ΔωZ ,ΔaX ,ΔaY ,ΔaZ を観測値とする
ことができる。従って、それに対応して6個のカルマン
ゲインK(φZ ,ΔωX ),K(φZ ,ΔωY ),K
(φZ ,ΔωZ ),K(φZ ,ΔaX ),K(φZ ,Δ
Y ),K(φZ ,ΔaZ )が存在する。
【0088】各行列PEI,RE ,QE の要素を設定する
ことによって、6個のカルマンゲインKの大小関係が決
まる。即ち、行列PEI,RE ,QE を設計することによ
って、どの観測値から、どの状態ベクトルを、どの程度
推定するかを決定することができる。
【0089】まず航走体座標系とマスタ座標系の加速度
差及び角速度差を観測値として取付誤差φを推定する場
合について説明し、次に航走体座標系とマスタ座標系の
速度差及び姿勢角差を観測値として取付誤差φを推定す
る場合について説明する。
【0090】(1)加速度差及び角速度差を観測値とし
て取付誤差φを推定する場合:数3の式の推定値の状態
ベクトル〔x〕、観測ベクトル〔y〕は次のように表さ
れる。
【0091】
【数27】
【0092】数1の式及び数7の式よりシステム行列
〔A〕はゼロとなる。
【0093】
【数28】
【0094】数3の式及び数12の式より観測行列
〔H〕は次のようになる。
【0095】
【数29】
【0096】状態ベクトルの誤差共分散行列の初期値P
EI、システム外乱ベクトルの誤差共分散行列QE 及び観
測外乱ベクトルの誤差共分散行列RE はそれぞれ次のよ
うになる。
【0097】
【数30】
【0098】
【数31】
【0099】
【数32】
【0100】ここに、小文字p,q,rは、それぞれ行
列PEI,QE ,RE の対角要素であることをを示す。
【0101】上述の表1に示したように、X,Y,Z周
りの取付誤差φX ,φY ,φZ は2種類以上の観測値に
基づいて推定が可能である。どの観測値からの推定に重
みをおくかは、カルマンフィルタの設計値のうち観測外
乱ベクトルの誤差共分散行列RE によって決定する。行
列RE は観測値の精度を表し、行列RE の要素のうち、
小さな値に設定したパラメータに対して推定に重みが付
けられる。
【0102】(1−A)X,Y軸周りの取付誤差φX
φY :表1に示したように、X,Y軸周りの取付誤差φ
X ,φY は加速度差又は角速度差を観測値として推定が
可能である。角速度差と比べて、加速度差は船体の歪δ
による影響が小さいため、X,Y軸周りの取付誤差
φX ,φY は加速度差からの推定に重みをおく。本例で
は、加速度差からの推定に重みを付けることを、観測外
乱ベクトルの誤差共分散行列RE によって決定する。行
列RE は観測値の精度を表すため、この値の小さい観測
値に重みをおくことにする。
【0103】即ち、数32の式に示す行列RE の要素の
うち、角速度差rΔωX ,rΔωY,rΔωZ の値を加
速度差rΔaX ,rΔaY ,rΔaZ の値より大きくす
る。両者は次元が異なるため直接比較することはできな
いが、角速度差rΔωX ,rΔωY ,rΔωZ の値をそ
の標準値より大きくする。それによって、加速度差Δa
X ,ΔaY ,ΔaZ からの推定に重みが付けられる。
【0104】(1−B)Z軸周りの取付誤差φZ :表1
に示したように、Z軸周りの取付誤差φZ はX・Y角速
度差を観測値として推定が可能である。しかし、姿勢角
が船体の歪δに起因した誤差を含むと、Z軸周りの取付
誤差φZ の推定値も誤差を含む。X角速度差及びY角速
度差を観測値として推定した取付誤差φZ は、数24の
式に示したように、誤差δRO/PO,δPO/RO を含
む。
【0105】X角速度差とY角速度差からの推定の重み
付けが等しければ、カルマンフィルタによる取付誤差φ
Z の推定値は、次のような経験式(実験式)によって表
される。
【0106】
【数33】
【0107】一般に、艦船の歪δにおいて、ロール軸周
りの船体の歪δR よりもピッチ軸周りの船体の歪δP
かなり大きい。従って、船体の歪δの影響が大きいY角
速度差を観測値として用いると取付誤差φZ の推定値に
含まれる誤差が大きくなる。従って取付誤差φZ の推定
値に含まれる誤差に関して次の関係式が成り立つ。
【0108】
【数34】ERR(φZ ,ΔωX )<ERR(φZ ,Δ
ωX +ΔωY )<ERR(φZ ,ΔωY
【0109】ここに、各記号は次のような意味である。 ERR(φZ ,ΔωX ):X角速度差のみから推定した
取付誤差φZ に含まれる誤差 ERR(φZ ,ΔωX +ΔωY ):X・Y角速度差から
推定した取付誤差φZに含まれる誤差 ERR(φZ ,ΔωY ):Y角速度差のみから推定した
取付誤差φZ に含まれる誤差
【0110】以上より、船体の歪δの影響が大きいY角
速度差よりも船体の歪δの影響が小さいX角速度差を観
測値としてZ軸周りの取付誤差φZ を推定する。X角速
度差からの推定に重みを付けることを、観測外乱ベクト
ルの誤差共分散行列RE によって決定する。行列RE
観測値の精度を表すため、この値の小さい観測値に重み
をおくことにする。
【0111】即ち、数32の式に示す行列RE の要素の
うち、X角速度差rΔωX の値をY角速度差rΔωY
り小さくする。それによって、X角速度差からの推定に
重みが付けられる。
【0112】
【数35】rΔωX <rΔωY
【0113】2つの設計値rΔωX ,rΔωY の間に、
例えば、次のような比率を設定する。
【0114】
【数36】rΔωX :rΔωY =1:100
【0115】(2)速度差と姿勢角差(ロール角差、ピ
ッチ角差及び方位角差)を観測値として取付誤差φを推
定する場合:数3の式の推定値の状態ベクトル〔x〕、
観測ベクトル〔y〕は次のように表される。
【0116】
【数37】
【0117】数1の式及び数16の式よりシステム行列
〔A〕は次のようになる。
【0118】
【数38】
【0119】数3の式及び数18の式より観測行列
〔H〕は次のようになる。
【0120】
【数39】
【0121】状態ベクトルの誤差共分散行列の初期値P
EI、システム外乱ベクトルの誤差共分散行列QE 及び観
測外乱ベクトルの誤差共分散行列RE はそれぞれ次のよ
うになる。
【0122】
【数40】
【0123】
【数41】
【0124】
【数42】
【0125】上述の表2に示したように、X,Y,Z周
りの取付誤差φX ,φY ,φZ は2種類以上の観測値に
基づいて推定が可能である。どの観測値からの推定に重
みをおくかは、カルマンフィルタの設計値PEI,QE
E のうち観測外乱ベクトルの誤差共分散行列RE によ
って決定する。行列RE は観測値の精度を表し、行列R
E の要素のうち、小さな値に設定したパラメータに対し
て推定に重みが付けられる。
【0126】(2−A)X,Y軸周りの取付誤差φX
φY :姿勢角差Δψ(ロール角差、ピッチ角差及び方位
角差)と比べて、速度差Δvは歪δによる影響が少ない
から、X,Y軸周りの取付誤差φX ,φY は速度差Δv
からの推定に重みを付ける。
【0127】即ち、数42の式に示す行列RE の要素の
うち、姿勢角差rΔψR ,rΔψP,rΔψA の値より
速度差rΔvn ,rΔve ,rΔvd の値を小さくす
る。両者は次元が異なるため直接比較することはできな
いが、姿勢角差rΔψR ,rΔψP ,rΔψA の値をそ
の標準値より大きくする。それによって、速度差Δ
n,Δve ,Δvd からの推定に重みが付けられる。
【0128】(2−B)Z軸周りの取付誤差φZ :表2
に示したように、Z軸周りの取付誤差φZ はロール差及
びピッチ差を観測値として推定が可能である。しかし、
ロール角又はピッチ角に船体の歪δに起因した誤差が含
まれると、Z軸周りの取付誤差φZ の推定値は誤差を含
む。角速度差を観測値として推定した場合と同様に、ロ
ール差及びピッチ差を観測値とした取付誤差φZ の推定
値は数22の式に示したように誤差δRO/PO ,δPO
Oを含む。
【0129】ロール差とピッチ差からの推定の重み付け
が等しい場合に、カルマンフィルタによる取付誤差φZ
の推定値の場合も、数33の式の経験式(実験式)によ
って表される。ここで、艦船の歪δに関して、ロール軸
周りの船体の歪δR よりもピッチ軸周りの歪δP がかな
り大きいことが判明した。従って、船体の歪δの影響が
大きいピッチ差を観測値として用いると誤差が大きくな
る。取付誤差φZ に含まれる誤差に関して次の関係式が
成り立つ。
【0130】
【数43】ERR(φZ ,ΔR)<ERR(φZ ,ΔR
+ΔP)<ERR(φZ ,ΔP)
【0131】ここに、各記号は次のような意味である。 ERR(φZ ,ΔR):ロール差のみから推定した取付
誤差φZ に含まれる誤差 ERR(φZ ,ΔR+ΔP):ロール差及びピッチ差か
ら推定した取付誤差φ Z に含まれる誤差 ERR(φZ ,ΔP):ピッチ差のみから推定した取付
誤差φZ に含まれる誤差
【0132】以上より、船体の歪δの影響が大きいピッ
チ差よりもロール差を観測値としてZ軸周りの取付誤差
φZ を推定する。具体的には、カルマンフィルタの観測
値の精度を表すRE の値を次のように設定し、ロール差
からの推定に重みを大きくつける。
【0133】
【数44】rΔψR <rΔψP
【0134】(2−C)Z軸周りの取付誤差φZ :ま
た、QE の値によってもロール差の観測値からの推定に
重みをつけることができる。QE の値は、どの推定項目
をより推定するかを決定するものであり、大きいほどそ
の推定項目を推定するようになる。
【0135】速度差及びロール差、ピッチ差、方位差を
観測値として推定する場合、取付誤差φの他に速度差と
ロール差、ピッチ差、方位差という推定項目が存在す
る。従って、ピッチ差を観測値とする場合、取付誤差φ
Z に起因したピッチ差の他に船体の歪δ等に起因するピ
ッチ差が多く含まれるから、取付誤差φZ よりもピッチ
差そのものを推定するような設計値にする。
【0136】
【数45】qφZ <qΔψP
【0137】数22の式の第1式に示したように、ロー
ル差又はX角速度差を観測値としてZ軸周りの取付誤差
φZ を推定した場合に、誤差δRO/PO を含む。しかし
ながら、ロール軸周りの歪δROは微小であるため、次の
ようになる。
【0138】
【数46】φZ (推定値)≒φZ (真値)
【0139】従って、本発明により取付誤差φを精度良
く求めることが可能となる。以上の議論にて、角速度差
又は加速度差を観測値とする場合及び速度差又は姿勢角
差を観測値とする場合を説明したが、これらのパラメー
タを組み合わせたものを観測値としてもよい。
【0140】以上本発明の実施の形態について詳細に説
明したが、本発明はこれらの例に限定されることなく特
許請求の範囲に記載された発明の範囲にて様々な変更等
が可能であることは当業者にとって理解されよう。
【0141】以上にて艦船に搭載された航走体INSを
例として説明したが、本発明は、トランスファアライン
メント法を用いて初期化を行うように構成された慣性航
法装置であればどのような慣性航法装置にも適用可能で
ある。例えば、艦船に搭載された水中航走体、無人機、
無人潜水艇等の航走体に適用可能である。
【0142】更に、本発明は、航走体に搭載された慣性
航法装置ばかりでなく、トランスファアラインメント法
を用いて初期化を行うように構成された慣性航法装置で
あればよく、艦船に搭載された航走体発射装置等の航走
体の発射装置に搭載された慣性航法装置にも適用可能で
ある。
【0143】
【発明の効果】本発明によると、トランスファアライン
メント法を用いて初期化を行う場合に、船体の歪δが存
在しても取付誤差φの推定を精度良く行うことができ、
航走体の初期化性能を向上することができる利点があ
る。
【0144】本発明によると、トランスファアラインメ
ント法を用いて初期化を行う場合に、船体の歪δが存在
しても取付誤差φの推定を精度良く行うことができるか
ら、荒天航行時のように船体歪みが比較的大きい場合に
も、航走体の運用が可能となる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】艦船及び航走体に搭載された慣性航法装置の配
置状態を示す図である。
【図2】艦船に搭載された航走体の配置状態を示す図で
ある。
【図3】艦船及び航走体に搭載された慣性航法装置の配
置状態を示す図である。
【図4】艦船に搭載された航走体の配置状態を示す図で
ある。
【図5】マスタINSの検出角速度と航走体INSの検
出角速度の間の関係を示す図である。
【図6】カルマンゲインの応答を説明するための説明図
である。
【符号の説明】
1 艦船、 2 航走体、 3 航走体発射管、 10
マスタINS、 20 航走体INS、 30 スレ
ーブINS
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 南木 真一 東京都大田区南蒲田2丁目16番46号 株 式会社トキメック内 (72)発明者 人見 亮 東京都大田区南蒲田2丁目16番46号 株 式会社トキメック内 (56)参考文献 特開 平9−89585(JP,A) 特開 平6−18276(JP,A) 特開 平6−11354(JP,A) 特公 平7−31063(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G01C 21/16 B64C 13/18 F41G 7/36 F42B 15/01

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 航行体に装備された航走体の姿勢及び方
    位の初期化における取付誤差の推定をカルマンフィルタ
    を用いて行うように構成された慣性航法装置において、 X軸及びY軸周りの取付誤差の推定において、該慣性航
    法装置及び上記航行体に装着された主慣性航法装置によ
    って求められた角速度の差よりも加速度の差に基づいた
    推定に重みをおき、カルマンフィルタの観測外乱ベクト
    ルの誤差共分散行列RE の角速度差を標準値より大きな
    値に設定したことを特徴とする慣性航法装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の慣性航法装置において、
    Z軸周りの取付誤差の推定において、上記2つの慣性航
    法装置によって求められたY角速度差よりもX角速度差
    に基づいた推定に重みをおき、上記行列RE のY角速度
    差とX角速度差の値を、 RE (X角速度差)<RE (Y角速度差) とすることを特徴とする慣性航法装置。
  3. 【請求項3】 航行体に装備された航走体の姿勢及び方
    位の初期化における取付誤差の推定をカルマンフィルタ
    を用いて行うように構成された慣性航法装置において、 X軸及びY軸周りの取付誤差の推定において、該慣性航
    法装置及び上記航行体に装着された主慣性航法装置によ
    って求められたロール角差、ピッチ角差、方位角差より
    も速度差に基づいた推定に重みをおき、カルマンフィル
    タの観測外乱ベクトルの誤差共分散行列RE のロール角
    差、ピッチ角差及び方位角差を標準値より大きな値に設
    定したことを特徴とする慣性航法装置。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の慣性航法装置において、
    Z軸周りの取付誤差の推定において、上記2つの慣性航
    法装置によって求められたピッチ角差よりもロール角差
    に基づいた推定に重みをおき、上記行列RE のロール角
    差及びピッチ角差を、 RE (ロール角差)<RE (ピ
    ッチ角差) とすることを特徴とする慣性航法装置。
  5. 【請求項5】 請求項3記載の慣性航法装置において、 Z軸周りの取付誤差の推定において、該慣性航法装置及
    び上記航行体に装着された主慣性航法装置によって求め
    られたピッチ角差に基づいて取付誤差φZ を推定するよ
    りもピッチ角差そのものを推定するようにカルマンフィ
    ルタのシステム外乱ベクトルの誤差共分散行列QE の取
    付誤差φZ とピッチ角差を、 QE (取付誤差φZ )<QE (ピッチ角差) とすることを特徴とする慣性航法装置。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれか1項記載の慣性
    航法装置において、該慣性航法装置は上記航走体自身又
    は上記航走体の発射装置の近傍に装着されていることを
    特徴とする慣性航法装置。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれか1項記載の慣性
    航法装置において、上記航走体の代わりに上記航行体に
    固定的な装置が装備されていることを特徴とする慣性航
    法装置。
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