JP3146292B2 - カーテンウオールの支持装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、カーテンウオール構
造の建築物において、建物の構造躯体へ取り付けられる
外壁パネルの支持装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】カーテンウオール構造の建築物におい
て、梁等の構造躯体へ取付ける外壁パネルを、その梁等
へ吊り下げ状に取り付けることによって、壁体の層間変
位に対応できるようにすることが考えられている。この
場合、外壁パネルの下端部分は、水平方向に対する揺動
を防止できる程度に、ボルト等によって比較的ルーズに
固定するようにしている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上記のように、上端部
を吊り下げ支持した外壁パネルは、揺動を防止できる程
度に下端部分を固定する必要があるが、従来において
は、この固定を特別の固定部材で行なっていたため、そ
れだけ部品数が増加するとともに取付け工数も多くなる
欠点があった。

【０００４】この発明は、このような従来の欠点を解消
して、上記のように、外壁パネル上端を梁などの構造躯
体へ吊り下げ状に取り付けたものにおいて、その外壁パ
ネルの下端を、特別の支持部材を用いることなく取り付
けできるようにすることを目的とするものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、この発明は、梁などの構造躯体より外方に突出させ
た支持部材の下方に外壁パネルのフレームを配置して、
それらフレーム及び支持部材へ下側から差し込んだボル
トにて前記外壁パネルを吊り下げ支持するものにおい
て、そのボルトの先端に一体形成したピン部を上方の外
壁パネル下端の位置決め穴へ挿入してなることを特徴と
する。

【０００６】

【作用】外壁パネルを取り付ける際、その下側に予め取
り付けられた外壁パネル固定ボルト先端のピン部へ、取
り付けようとする上部側の外壁パネル下端のピン挿入穴
へ挿入することによって、特別の固定部材を用いること
なく下端部分を取り付けることができる。

【０００７】

【実施例】図１は、この発明の外壁パネルを裏面から見
たもので、（２）は、ＰＣ板からなるパネル本体であ
り、このパネル本体（２）の裏面に、溝型鋼からなる左
右一対の縦枠（３）（３）と、同じく溝型鋼からなる上
下一対の横枠（４）（４）とによって長方形状に形成さ
れたフレーム（５）が一体に取付けられている。パネル
本体（２）の上端は、前記上部側の横枠（４）よりも上
方に突出している。そして、この上部横枠（４）の左右
の両端部においては、支持プレート（６）（６）の一端
が、その横枠（４）へ差し込んだ垂直方向のボルト
（７）（７）によって、予め取付けられている。上記垂
直方向のボルト（７）は、図６で示すように、横枠
（４）のウエブへ形成したボルト穴へ下側から差し込ま
れとともに、その先端を、前記支持プレート（６）のボ
ルト穴（８）へ挿入し、その上部側において、このボル
ト（７）へ螺合したナット（９）によって、支持プレー
ト（６）を梁（10）側へ取付けた時、フレーム（５）を
介して、外壁パネル（１）全体を吊下げ状に支持するよ
うになっている。

【０００８】図６の（11）は、側面から見てコの字形に
折曲げ形成された弾性金属板からなる隙間保持金具で、
この保持金具（11）の上下片に形成した切欠部分を、支
持プレート（６）と上下横枠（４）との間においてボル
ト（７）へ嵌合させて、支持プレート（６）を所定の高
さ位置に予め保持させている。なお、この保持金具（1
1）は、現場へ搬入する際の概略の高さ保持のために用
いられるもので、取付け後は取外しされる。

【０００９】上記支持プレート（６）は、図２で示すよ
うに、フレーム（５）へ取付けた状態における先端側
に、長手方向に長い長穴（13）を形成しており、この図
２の２点鎖線で示すように、工場での取付けから現場へ
の搬入までの間は、上部横枠（４）の上面に沿って、フ
レーム（５）よりも外方に突出しないような状態で保持
されている。この場合、支持プレート（６）の幅は、横
枠（４）の幅よりも小さく、これにより、支持プレート
（６）は横枠（４）の幅内に収納された状態で搬入され
る。

【００１０】図３以下は、上記支持プレート（６）を用
いた梁（16）側への取付け方法を施工順に従って示して
いる。まず、図３で示すように、支持プレート（６）
を、梁（10）方向へ突出するように回転して引出した
後、その先端部を、その梁（10）の上部フランジ（15）
の上面へ載せるとともに、その先端のボルト穴（13）
を、梁（16）の前記上部フランジ（15）に予め形成され
たボルト穴（16）へ合致させ、この状態で、下側から取
付けボルト（17）を差し込むとともに、その先端に螺合
したナット（18）を締付けて取付ける。この時、長穴
（13）の長さの範囲内で、支持プレート（６）即ち外壁
パネル（１）を内外方向に移動させて、その内外の出入
りを調整する。更に図５のように、支持プレート（６）
を、梁（10）側のボルト（17）を支点として左右方向に
回転させながら、外壁パネル（１）の左右方向の位置の
調整を行い、これによって、左右の縦目地の幅を調整す
る。また、外壁パネル（１）の上下の調整は、その外壁
パネル（１）側のボルト（７）に螺合したナット（９）
を回転させて調整し、正確な高さが決まると、前記保持
金具（11）を取外しする。

【００１１】そして、上記外壁パネル（１）側のボルト
（７）の上端には位置決めピン部（20）が一体に突設さ
れており、このピン部（20）は、前記外壁パネル（１）
の上部側に設置される外壁パネル（１）の下部横枠
（４）に形成した位置決め穴（21）へ差し込まれ、これ
によって、その上部側の外壁パネル（１）の水平方向の
位置決めと振れを防止するようにしている。

【００１２】

【発明の効果】上記のように、この発明によれば、外壁
パネル下端のピン挿入穴へ、下側の外壁パネルを固定し
たボルト先端のピン部を差し込むのみで、特別の固定部
材を用いることなく、下端部を支持することができ、部
品数及び取付け工数がそれだけ少なくて済むという効果
がある。勿論、そのように外壁パネルの上端を固定する
前に下端を支持することによって、パネルの位置決めが
行なわれることになり、その上端の取付け作業が容易と
なる効果も得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の外壁パネルを裏面から見た斜視図で
ある。

【図２】外壁パネル裏面における支持プレートの取付け
部分の斜視図である。

【図３】同じく支持プレートを梁上へ設置した状態を示
す要部の斜視図である。

【図４】同じく支持プレートを梁上へ設置してボルトで
固定した状態を示す要部の斜視図である。

【図５】同じく外壁パネルの左右方向の位置の調整方法
を示す要部の平面図である。

【図６】外壁パネルの梁への固定部分の要部縦断面図で
ある。

【図７】同じく外壁パネルの梁への固定部分を裏面側か
ら見た要部の斜視図である。

【符号の説明】

（１） 外壁パネル （６） 支持プレート （７） 取付けボルト （９） ナット （10） 梁 （20） ピン部 （21） ピン挿入穴

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 梁などの構造躯体より外方に突出させた
   支持部材の下方に外壁パネルのフレームを配置して、そ
   れらフレーム及び支持部材へ下側から差し込んだボルト
   にて前記外壁パネルを吊り下げ支持するものにおいて、
   そのボルトの先端に一体形成したピン部を上方の外壁パ
   ネル下端の位置決め穴へ挿入してなることを特徴とする
   カーテンウオールの支持装置。