JP3146042B2 - 窒化珪素焼結体の製造方法 - Google Patents

窒化珪素焼結体の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、特に緻密な大型形状の
窒化珪素焼結体を製造するのに好適な窒化珪素焼結体の
製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】窒化珪素焼結体は、耐熱性、耐熱衝撃
性、耐摩耗性、耐食性等に優れていることから、ガスタ
ービン用部材、ノズル等の高温構造用部材への応用が試
みられている。このような部材は、大型化かつ複雑形状
になる場合が多く、従来、これを工業的に製造するに
は、適切な酸化物系焼結助剤の添加された窒化珪素成形
体を窒素等の不活性ガス雰囲気中で焼結する液相焼結法
が採用されている。
【0003】液相焼結法においては、焼結過程におい
て、窒化珪素の一部が分解したり、窒化珪素表面に存在
する二酸化珪素により酸化されたり、さらには焼結助剤
の分解・揮散等によって発生したガスによって焼結体の
緻密化が阻害されたりする。特に大型形状の場合、成形
体の表面と内部との温度差によって、フクレや割れ等が
生じやすく厚肉品の焼結が困難であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題点
を解決し、大型形状の窒化珪素焼結体であってもフクレ
や割れ等の欠陥のない緻密な窒化珪素焼結体を製造する
ことを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、
窒化珪素粉末を含む成形体を不活性ガス雰囲気下、温度
1630〜1750℃で焼結した後、1600℃までを
50℃/Hr未満の速度で降温することを特徴とする窒
化珪素焼結体の製造方法である。
【0006】以下、さらに詳しく本発明について説明す
る。
【0007】本発明で使用される窒化珪素粉末は、その
製法には何ら制約を受けず、金属珪素の直接窒化法、二
酸化珪素の還元法、含窒素シラン化合物又は非晶質窒化
珪素の加熱結晶化法等によって得られたものが使用され
る。粒径は2 μm 以下、α率は50%以上、純度は97%以
上が望ましい。
【0008】本発明で使用される窒化珪素粉末には、酸
化物系焼結助剤及び/又は窒化物系焼結助剤が添加され
ていることが好ましい。酸化物系焼結助剤としては、酸
化マグネシウム(MgO)、酸化アルミニウム(Al2O3 )、
酸化イットリウム(Y2O3) 、アルミン酸マグネシウム
(MgAl2O4)、フオルステライト(Mg2SiO4)、アルミン酸
コバルト(CoAl2O4)等を、また、窒化物系焼結助剤とし
ては、窒化アルミニウム(AlN)等をあげることができ
る。焼結助剤の添加量は、窒化珪素粉末に対し1 〜15重
量%程度である。
【0009】窒化珪素粉末又は窒化珪素粉末と焼結助剤
の混合粉末を所定形状に成形する方法としては、プレス
成形、CIP成形、射出成形、押出し成形、スリップキ
ャスト成形等を採用することができる。通常、成形時に
添加したバインダーは予め脱脂炉にて脱脂される。
【0010】焼結工程において、上記成形体は、900 ℃
近傍までは真空加熱されてバインダーが除去される。次
いで、窒素、アルゴン等の不活性ガスが導入され、該雰
囲気中、1600℃以上の温度で0 〜20時間保持されて焼結
される。焼結温度は、成形体の肉厚や焼結助剤の種類と
量によって異なるが、通常、1600〜1800℃である。焼結
温度が1600℃未満では、たとえその温度で長時間保持し
ても緻密化が不十分となり、一方、1800℃を越えると成
形体表面に緻密層が生成し、成形体内部で窒化珪素の分
解や焼結助剤の分解・揮散等によって発生したガスが容
易に抜けなくなって内圧が高まり、緻密化を著しく阻害
させたり、大きなフクレや割れを生じさせたりする。好
ましい焼結温度は1630〜1750℃である。
【0011】焼結温度までの昇温速度は成形体の形状等
によって異なるが、通常、焼結開始温度近傍(1200〜13
50℃)より、10〜100 ℃/Hrの昇温速度で行う。その際
の不活性ガスの圧力は絶対圧力で 1.1〜9.8 kg/cm2
するのが望ましい。肉厚 100mm以上の大型成形体では昇
温速度が 150℃/Hrを越えると割れ等が生じやすくなる
ので注意が必要である。
【0012】本発明の大きな特徴は、成形体を上記温度
で焼結した後は1600℃までの温度を50℃/Hr未満の速度
で降温することである。この条件は、焼結後電源を切り
自然冷却した場合における従来の降温速度200 〜500 ℃
/Hrに比べて著しく緩やかである。本発明において、上
記降温速度が50℃/Hrを越えると緻密化速度が減少し、
全体の焼結時間が短かくなって焼結不足となる。降温速
度の下限については特に制約はないが 0.5℃/Hrが好ま
しい。 0.5℃/Hr未満では焼結時間が長くなり不経済と
なる。降温速度の調節は、プログラムコントローラにあ
らかじめ降温速度条件を入力しておき電力コントロール
によって行うことができる。
【0013】さらに詳しく説明すると、本発明において
は、上記降温速度の範囲内にあっても、成形体の肉厚に
応じて適切な降温速度を選定することが望ましく、焼結
温度から1600℃までの温度における降温速度v(℃/H
r)とグリーン成形体の肉厚t(mm)とが、v=(7000
〜10000)/t2 の関係を満たす条件で降温するのが望まし
い。具体的には、グリーン成形体の肉厚が15mm以下の場
合は45〜50℃/Hr、15〜30mmの場合は10〜45℃/Hr、30
〜50mmの場合は5 〜10℃/Hr、50〜70mmの場合は2 〜5
℃/Hr、70〜100mm の場合は1 〜2 ℃/Hr、100mm 以上
の場合は0.5 〜1℃/Hrである。
【0014】上記降温速度の必要な温度領域は、焼結温
度から1600℃までの温度であり、それよりも低い温度領
域ではその条件で降温する必要はない。1600℃未満の温
度領域では、例えば電源を切り自然放冷した場合におけ
る200 〜500 ℃/Hr、さらには不活性ガスの供給量を増
してそれ以上に強制冷却することもできる。
【0015】
【実施例】以下、実施例と比較例をあげてさらに具体的
に本発明を説明する。 実施例1 Si3N4粉末(電気化学工業社製商品名「SN−9S」:平均
粒径1μm :α率90%以上)89重量%及びMg2SiO4 粉末
(市販品の粉砕物:平均粒径 1.3μm )9 重量%、CoO
粉末(市販品の粉砕物:平均粒径 1.5μm )2 重量%に
水系バインダー(中京油脂社製商品名「WD-830」)及び
水をボールミルにて混合しスラリーとした。
【0016】このスラリーをスプレードライヤにて造粒
し、それをゴム型に充填して 2.7t/cm2の圧力下、直径
150mm×長さ 170mmの円柱体に成形した。次いで、この
成形体を大気雰囲気の脱脂炉に入れ、10℃/Hrの昇温速
度で 450℃まで昇温しその温度で8時間保持してバイン
ダーの除去を行った。
【0017】上記窒化珪素の脱脂体を、焼結時の分解抑
制のため、成形体と類似組成の焼結助剤を含む Si3N4
BN系詰粉で覆って黒鉛容器に収納し、それを常圧焼結炉
に入れ焼結した。焼結は、 900℃までは0.2torr の真空
中で 600℃/Hrで昇温し、その温度で1時間保持後、次
いで、N2ガスを9 kg/cm2 まで導入し、900 〜1200℃を
300℃/Hrで、1200〜1630℃を75℃/Hrでそれぞれ昇温
し、1630℃の焼結温度に到達後直ちに 0.6℃/Hrの速度
で降温し、1600℃で加熱電源を切ることによって行っ
た。
【0018】得られた焼結体について、フクレと割れの
外観観察及び相対密度をアルキメデス法により測定した
結果、フクレや割れは全くなく、相対密度98.1%の良好
な窒化珪素焼結体が得られた。
【0019】実施例2 窒化珪素の脱脂体の大きさを直径70mm×長さ100mm 、焼
結温度を1680℃とし、そして1680℃から1630℃までの温
度を5 ℃/Hr、1630℃から1600℃までの温度を3 ℃/Hr
の速度で1600℃まで降温し加熱電源を切ったこと以外は
実施例1と同様にして行った。その結果、得られた窒化
珪素焼結体にはフクレや割れは全くなく、相対緻密度は
99.0%と良好であった。
【0020】比較例1 焼結温度を1830℃とし、その温度における保持時間を50
時間としてから加熱電源を切り1830℃から1600℃までの
降温速度がおよそ450 ℃/Hrとなったこと以外は実施例
1と同様にして行った。その結果、得られた窒化珪素焼
結体には著しいフクレが生じ、また、相対密度も78%と
著しく低くかった。
【0021】比較例2 焼結温度を1630℃とし、その温度における保持時間を50
時間としてから加熱電源を切り1630℃から1600℃までの
降温速度がおよそ200 ℃/Hrとなったこと以外は実施例
1と同様にして行った。その結果、得られた窒化珪素焼
結体にはフクレや割れはなかったが、相対密度は95%と
実施例1に比べて小さいものであった。
【0022】比較例3 焼結温度1550℃で50時間保持してから加熱電源を切った
こと以外は実施例2と同様にして行った。その結果、得
られた窒化珪素焼結体にはフクレや割れはなかったが、
相対密度は85.2%と低く、著しく緻密化不足であった。
【0023】比較例4 焼結温度を1680℃とし、その温度における保持時間を30
時間としてから加熱電源を切り1680℃から1600℃までの
降温速度がおよそ300 ℃/Hrとなったこと以外は実施例
2と同様にして行った。その結果、得られた窒化珪素焼
結体にはフクレや割れはなかったが、相対密度が95.3%
と低く、実施例2に比べて緻密化が阻害された。
【0024】
【発明の効果】本発明によれば、特に大型形状の成形体
に生じやすいフクレや割れ等の欠陥がなく、かつ緻密な
窒化珪素焼結体を製造することができる。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 窒化珪素粉末を含む成形体を不活性ガス
    雰囲気下、温度1630〜1750℃で焼結した後、1
    600℃までを50℃/Hr未満の速度で降温すること
    を特徴とする窒化珪素焼結体の製造方法。
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