JP3145857B2 - 水性温感貼付剤 - Google Patents
水性温感貼付剤Info
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Description
続するトウガラシエキスを含有した水性温感貼付剤に関
する。
等すると、その刺激成分であるカプサイシンの作用によ
り、局部に温熱感を生じ、毛細血管を拡張し、血行を盛
んにして組織の新陳代謝を高め、消炎鎮痛等の効果を発
揮するため、古くから神経痛、リウマチ等の治療に用い
られてきた。
糊料や含水ゲルからなる水性基剤に配合した水性温感貼
付剤が、主として慢性疾患の治療用として製造されてい
る。
性温感貼付剤は、主としてゴム質弾性体を主成分とした
基剤にトウガラシエキスを配合した非水系のアドヒ−シ
ブ・プラスタ−剤に比べて、大がかりな生産設備を必要
としないうえ、かぶれ等の副作用がなく、また基剤中の
水分がトウガラシエキスの皮膚吸収性を促進し、優れた
治療効果を発現すると共に、ソフトな感触で温感を患部
に与え、サイコレオロジカルな効果を皮膚に及ぼすなど
の特性を備えている。
性温感貼付剤の刺激強度は、年齢、性差、貼付部位等に
より刺激の感じ方がまちまちであるため、最適強度を決
定するのはなかなかむずかしい。
まで持続させようとしてトウガラシエキスの配合量を定
めると、貼付後10分〜1時間にかけて強い刺激となり
過ぎ、貼付することが困難となる。他方、刺激を弱める
ためにトウガラシエキスの配合量を少なくすると、貼付
後10分〜1時間は適度な刺激が得られるが、貼付後6
〜8時間では全く温感刺激が感じられなくなるという問
題がある。また、トウガラシエキスの配合量が少ない
と、経時安定性の点から長期間経時したときに所望の刺
激強度を得ることが困難であるという問題があった。
点を補い、貼付直後から6〜8時間後まで適度な温感刺
激が持続し、長期間経時しても刺激強度が変わらない水
性温感貼付剤の開発が望まれていた。
に、本発明者らはトウガラシエキスに可溶で水に不溶な
物質にトウガラシエキスを溶解し水層に分散することに
より、トウガラシエキス中の刺激成分であるカプサイシ
ンの放出速度を調整し、刺激を緩和できると考え、鋭意
研究した結果、トウガラシエキスを含有する水性温感貼
付剤にアルコ−ルに可溶で水不溶性の界面活性剤である
モノステアリン酸グリセリンおよび/またはトリオレイ
ン酸ポリオキシエチレンソルビタン(20E0)を配合
すると、貼付直後から6〜8時間後まで適度な温感刺激
が持続し、長期間経時しても刺激強度が変わらないこ
と、さらにモノステアリン酸グリセリンおよび/または
トリオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン(20E
0)と共にカンフルおよびメント−ルを配合すると適度
な温感刺激を一層容易に持続できることを見出し、本発
明を完成するに至った。
としては、モノラウリン酸ソルビタン、モノオレイン酸
ソルビタン、セスキオレイン酸ソルビタン、モノオレイ
ン酸グリセリン、テトラオレイン酸ポリオキシエチレン
ソルビット、モノステアリン酸ポリオキシエチレングリ
セリン、モノオレイン酸ポリエチレングリコ−ル、ポリ
オキシエチレンラウリルエ−テル、ポリオキシエチレン
セチルエ−テル、ポリオキシエチレンステアリルエ−テ
ル、ポリオキシエチレンオレイルエ−テル、ポリオキシ
エチレンノニルフェニルエ−テル、ポリオキシエチレン
オクチルフェニルエ−テル、ポリオキシエチレン硬化ヒ
マシ油等があるが、これらにはトウガラシエキスに対し
満足できるほどの刺激緩和作用はない。
界面活性剤のうち、モノステアリン酸グリセリンはトウ
ガラシエキスに対し強力な刺激緩和作用があり、またト
リオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン(20E
0)は刺激緩和作用があると共に刺激持続作用を有す
る。したがって、これらを適量のトウガラシエキスと共
に配合することにより、トウガラシエキスの刺激を緩和
し、貼付直後から長時間温感刺激を維持させることがで
きる。
セリン、トリオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン
(20E0)は、これらのうちの1種または2種を配合
する。その配合量は、トウガラシエキスの配合量にもよ
るが、トウガラシエキス中の刺激成分であるカプサイシ
ンの含有量の20〜60重量倍を配合するとき、貼付直
後から6〜8時間後まで適度な温感刺激を持続し、また
長時間経時しても刺激強度に変化を生じない。
セリンおよび/またはトリオレイン酸ポリオキシエチレ
ンソルビタン(20E0)とを含む水性温感貼付剤は、
それ自体、本発明の目的を満足させるものであるが、さ
らにカンフルおよびメント−ルを付加して配合すると、
より容易かつ確実に貼付直後から6〜8時間後までの適
度な温感刺激性を持続させることができる。
貼付剤である湿布剤の主薬として一般に用いられている
が、前記の界面活性剤同様にアルコ−ル可溶性で水不溶
性であると同時に有機物質を溶解する性質がある。この
ため、カンフルを貼付剤の膏体全量の0.3から1.0
重量%配合するとトウガラシエキスの刺激の強さを調整
することができるが、0.4重量%以上を配合するとカ
ンフルに特有のにおいが強くなり、使用時品質を損な
う。しかし、カンフルをモノステアリン酸グリセリンお
よび/またはトリオレイン酸ポリオキシエチレンソルビ
タン(20E0)と併用して配合すると、カンフルのも
つ前記性質により、品質を損なわないで適度な刺激強度
により容易に調整することができる。
セリンおよび/またはトリオレイン酸ポリオキシエチレ
ンソルビタン(20E0)、カンフルの各配合量を、貼
付後6〜8時間経過時に適当な強さの刺激を持続できる
ように調整するとき、年齢、性差、貼付部位等により貼
付10分〜1時間後の刺激がやや強く感じられることが
ある。
後に適度な刺激となるようにトウガラシエキス、モノス
テアリン酸グリセリンおよび/またはトリオレイン酸ポ
リオキシエチレンソルビタン(20E0)の配合量を調
整し、メント−ルを貼付剤の膏体全量の0.05〜0.
2重量%配合すると、貼付後10分〜1時間の間のやや
強い刺激時にメント−ルが冷感を刺激し、適度な温感刺
激とすることができる。
と、メント−ルによる冷感刺激は1〜2時間しか持続せ
ず、貼付開始時から貼付6〜8時間後まで適度な温感を
容易に持続することができる。メント−ルを0.2重量
%以上配合すると冷感刺激が長時間持続し、かえって貼
付6〜8時間後の温感が得られなくなる。
は、一般的に水性貼付剤を製造する場合に用いられる基
剤成分であれば特に限定されないが、必要に応じ、ポリ
アクリル酸ナトリウム、アクリル酸・アクリル酸ナトリ
ウム共重合体、カルボキシビニルポリマ−、ゼラチン、
アルギン酸ナトリウム、ポリビニルアルコ−ル、ポリビ
ニルピロリドン、カルボキシメチルセルロ−スナトリウ
ム、ヒドロキシエチルセルロ−ス、ヒドロキシプロピル
セルロ−ス、メチルセルロ−ス等の増粘剤、濃グリセリ
ン、プロピレングリコ−ル、ソルビト−ル、水アメ、還
元麦芽糖水アメ等の保湿剤、カオリン、酸化チタン、軽
質無水ケイ酸、含水二酸化ケイ素等の増量剤、軽質流動
パラフィン、ポリブテン、スクワラン等の油成分、乾燥
水酸化アルミニウムゲル、メタケイ酸アルミン酸マグネ
シウム等のゲル化剤、酒石酸、乳酸、リン酸等のpH調
整剤等を配合することができる。
明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
性温感貼付剤を下記製法により製造した。
ンを分散後、ゼラチンを加え溶解し、これにカルボキシ
メチルセルロ−スナトリウム、乾燥水酸化アルミニウム
ゲルをグリセリンに分散した液を加える。次にポリアク
リル酸ナトリウムをグリセリンに分散した液を加え、充
分練合した後、カルボキシビニルポリマ−を軽質流動パ
ラフィンに分散した液を加える。さらに、あらかじめモ
ノステアリン酸グリセリン、トリオレイン酸ポリオキシ
エチレンソルビタン(20E0)、ポリソルベ−ト8
0、l−メント−ル、dl−カンフルを酢酸トコフェロ
−ル、トウガラシエキスに溶解した液を加えた後、乳酸
を加えて充分練合し、得られた膏体を不織布に展延し、
ポリプロピレンフィルムでカバ−して10cm×14c
mに裁断し水性温感貼付剤を得る。
リンを加えない以外は実施例1と同じ製法。 実施例4の製法:トリオレイン酸ポリオキシエチレンソ
ルビタン(20E0)およびdl−カンフルを加えない
以外は実施例1と同じ製法。 実施例5の製法:l−メント−ルおよびdl−カンフル
を加えない以外は実施例1と同じ製法。
重量%)の水性温感貼付剤を実施例1に準ずる方法で製
造した。
1、2の各水性温感貼付剤をアルミニウム袋に密封し2
5℃で1週間熟成した後、肩に貼り刺激の強さを比較し
た。
4の貼付剤は貼付後約10分で適度な温感を感じ、8時
間後まで持続した。また、実施例5の貼付剤は貼付後約
10分で適度な温感を感じ、30分から1時間までは実
施例1〜4よりもやや強目の刺激を感じたが、その後8
時間まで適度な刺激が持続した。これに対し、比較例1
および2は貼付後約10分で温感を感じ出したが、約3
0分で刺激が強すぎて貼り続けることが出来なかった。
5℃で6ヶ月保存後に前記同様の官能試験を実施した結
果、刺激の強さに変化を認めなかった。
Claims (2)
- 【請求項1】 トウガラシエキスとモノステアリン酸グ
リセリンおよびトリオレイン酸ポリオキシエチレンソル
ビタン(20E0)のうちの1種または2種とを含有す
ることを特徴とする水性温感貼付剤。 - 【請求項2】 カンフルおよびメント−ルを含有するこ
とを特徴とする請求項1記載の水性温感貼付剤。
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1994
- 1994-02-17 JP JP04317194A patent/JP3145857B2/ja not_active Expired - Fee Related
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