JP3145757B2 - 自動車用空調装置 - Google Patents

自動車用空調装置

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JP3145757B2 JP34390691A JP34390691A JP3145757B2 JP 3145757 B2 JP3145757 B2 JP 3145757B2 JP 34390691 A JP34390691 A JP 34390691A JP 34390691 A JP34390691 A JP 34390691A JP 3145757 B2 JP3145757 B2 JP 3145757B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車に装備される空
調装置に関するもので、特に、室内熱交換器と室外熱交
換器とを備え、それらの熱交換器の間で気相・液相の相
変化を生じさせながら冷媒を循環させることにより冷房
あるいは暖房などを行うようにした自動車用空調装置に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、自動車の冷房装置は、車室内に
供給される空気と熱交換を行う室内熱交換器のエバポレ
ータ、車外から取り入れられる外気と熱交換を行う室外
熱交換器のコンデンサ、そして、そのエバポレータから
コンデンサに流れる冷媒を圧縮するコンプレッサ、及び
コンデンサからエバポレータに流れる冷媒を減圧する膨
張弁などの減圧手段によって構成されている。その冷房
装置においては次のような冷凍サイクルが行われる。ま
ず、コンプレッサにより圧縮された気相冷媒は、高温高
圧となってコンデンサに導かれる。そのコンデンサには
クーリングファンによって外気が吹き付けられており、
その外気によって冷媒が冷却されて液化する。液化した
高圧冷媒は、次いで膨張弁により減圧され、エバポレー
タに送られる。そのエバポレータにおいては、冷媒は周
囲から熱を奪うことによって気化する。したがって、車
外あるいは車室内から取り入れられて車室内に供給され
る空気をそのエバポレータに吹き付けるようにすれば、
その空気が冷却され、車室内の冷房が行われる。そし
て、気化した冷媒は、再びコンプレッサに送られて圧縮
される。通常の自動車用空調装置は、このような冷凍サ
イクルを行う蒸気圧縮式冷房装置とエンジン冷却水を利
用したヒータとを組み合わせることによって構成されて
いる。
【0003】また、最近では、例えば特開昭60−179322
号公報に示されているように、自動車用空調装置にもヒ
ートポンプ方式を採用することが検討されるようになっ
てきている。そのヒートポンプ式空調装置においても、
室内熱交換器と室外熱交換器とが設けられ、それらの間
で上述の冷凍サイクルと同様に冷媒を循環させることに
より、冷房が行われる。一方、暖房は、冷媒の流れ方向
を切り換え、その冷凍サイクルを逆として室内熱交換器
から放熱させるようにすることによって行われる。この
ようなヒートポンプ式空調装置によれば、外気から熱が
吸収されて暖房が行われるので、上述のエンジン冷却水
を利用するもののようにエンジン温度に左右されること
がなくなり、暖房の立ち上がりが早くなる。また、内燃
エンジンを備えていない電気自動車にも適用することが
できる。
【0004】このように、自動車用空調装置において
は、蒸気圧縮式あるいはヒートポンプ式のいずれの場合
にも、室内熱交換器と室外熱交換器とが用いられる。そ
の室内熱交換器は車室内に供給される空気と熱交換する
ものであるので、車室内側に配置される。一般には、そ
の室内熱交換器は車室前部のインストルメントパネル内
に設置される。一方、室外熱交換器は、外気と熱交換を
行う関係上、車外から空気を取り入れやすい車体前端部
のエンジンルーム内に設置される。通常、その室外熱交
換器が設置されるエンジンルームは、室内熱交換器が設
置される車室内側からはダッシュボードによって仕切ら
れるようになっている。
【0005】ところで、自動車においては、その空調は
換気しながら行われることが多い。その場合には、車室
内に供給される空気は車外から取り入れられる。そし
て、その分だけ車室内の空気が車室の後部から車外に排
出される。その排出空気は調温されている。特に暖房時
には、その空気は外気よりもかなり高い温度となってい
る。したがって、その空気とともに車室内の熱が放出さ
れることになる。しかしながら、上述のように車室の前
方に熱交換器を設置するものでは、その熱を回収すると
いうことはできない。そのために、空調時に換気をする
と熱効率が低下するという問題がある。
【0006】そこで、上記公報に記載されたものでは、
車体前端部のエンジンルーム内に室外熱交換器を、ま
た、そのエンジンルームから仕切られた車室前部のイン
ストルメントパネル内に室内熱交換器をそれぞれ設ける
とともに、車室後方に第3の熱交換器を設け、車室内か
ら流出する空気がその第3熱交換器を通るようにしてい
る。その空調装置においては、各熱交換器はそれぞれ冷
媒配管を介してコンプレッサに接続されている。また、
各熱交換器間は、冷媒を断熱膨張させる減圧装置を備え
た冷媒配管により互いに結ばれている。コンプレッサと
各熱交換器との間には四方弁が設けられており、その四
方弁によって冷媒の流れ方向が切り換えられるようにな
っている。そして、冷房時には、コンプレッサによって
圧縮された冷媒が室外熱交換器に送られるとともに、室
内熱交換器及び第3熱交換器から気化した冷媒がコンプ
レッサに戻され、暖房時には、コンプレッサから冷媒が
室内熱交換器に送られるとともに、第3熱交換器から気
化した冷媒がコンプレッサに戻されるようになってい
る。室外熱交換器には、車外から取り入れられて車外に
排出される外気が吹き付けられる。また、室内熱交換器
には、車外あるいは車室内から導入された空気が吹き付
けられ、その熱交換器を通過した空気が車室内に導かれ
る。そして、車室内から流出して第3熱交換器を通過し
た空気は、冷房時には車室内に戻され、暖房時には車外
に排出される。すなわち、第3熱交換器は、冷房時には
室内熱交換器として働き、暖房時には室外熱交換器とし
て作用するようにされている。このような空調装置によ
れば、その第3熱交換器において冷媒が気化するので、
その熱交換器を通過する空気中の熱が吸収される。した
がって、暖房時に車室内から車外に排出される空気がそ
の第3熱交換器を通るようにすることにより、その空気
中の熱が回収されるようになる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、そのよ
うに車室後方の第3熱交換器において常に吸熱を行わせ
るようにした空調装置では、冷房時に換気を行おうとす
ると、車室内の冷気がその第3熱交換器により更に冷却
されて車外に排出されることになる。したがって、その
冷却のためのエネルギが無駄になる。そのために、換気
しながら冷房を行うときには第3熱交換器への冷媒の流
れを停止させることが必要となるが、そのようにして
も、車室内の冷気はそのまま排出されることになり、冷
房に費やしたエネルギを回収するということはできな
い。また、その空調装置においては、上述のように第3
熱交換器は冷房時には室内熱交換器として用いられる。
一方、冷房が行われるのは外気温の高いときである。そ
のようなときには外気中への放熱効率が低下する。した
がって、第3熱交換器はむしろ室外熱交換器として働く
ことが望まれる。上述のように三つの熱交換器を並列的
に配置した空調装置では、そのようにしようとすると、
各熱交換器に流れる冷媒の流れ方向をそれぞれ制御する
ことが必要となり、その回路が極めて複雑となる。
【0008】このように、従来の自動車用空調装置で
は、冷房効率を高めることは難しいこととなっている。
自動車用空調装置の冷房時における消費エネルギは極め
て大きい。特に電気自動車の場合には、搭載される電力
量が限られているので、そのように冷房によって電力を
消費すると、走行可能距離が短くなってしまう。したが
って、その効率の向上は大きな課題となっている。
【0009】本発明は、このような実情に鑑みてなされ
たものであって、その目的は、冷暖房時のいずれにおい
ても、換気するときには車室内から排出される空気中の
エネルギを回収することができ、また、室外熱交換器の
熱交換面積が十分に確保されるようにしながら簡単に冷
暖房を切り換えることのできる、冷暖房効率の高い自動
車用空調装置を得ることである。
【0010】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に、本発明では、車室の前方に互いに仕切られた第1室
及び第2室を、また、車室の後方に第3室をそれぞれ設
けるとともに、それら第1ないし第3室に第1熱交換
器、第2熱交換器、及び第3熱交換器をそれぞれ配置
し、その各熱交換器間を冷媒配管により直列に接続する
ようにしている。第1熱交換器と第2熱交換器とを結ぶ
冷媒配管には冷媒を減圧する減圧手段が設けられてい
る。また、第2熱交換器と第3熱交換器とを結ぶ冷媒配
管には冷媒を圧縮するコンプレッサが設けられている。
第1室には外気導入口が設けられ、導入された外気がそ
の第1室内の第1熱交換器に吹き付けられるようになっ
ている。また、第2室には空気吹き出し口が設けられ、
第2熱交換器を通過した空気がその空気吹き出し口から
車室内に導かれるようになっている。そして、第3室に
は空気排出口が設けられ、第3熱交換器を通過した空気
はその空気排出口から車外に排出されるようになってい
る。更に、第1室と第2室との間には、開閉可能な連通
路が設けられている。
【0011】
【作用】このように構成された空調装置においては、コ
ンプレッサによって圧縮された高温高圧の気相冷媒を第
3熱交換器側に送ると、冷媒はその第3熱交換器におい
て第3室内に導入された空気と熱交換することにより凝
縮し、更に、第1熱交換器に送られて外気と熱交換する
ことによりその第1熱交換器においても凝縮する。そし
て、液化した高圧冷媒は、減圧手段によって減圧された
後、第2熱交換器において第2室内に導入された空気と
熱交換することにより気化する。したがって、その第2
熱交換器を通して車室内に供給される空気が冷却され、
車室内の冷房が行われる。このように、冷房時には第1
及び第3熱交換器において冷媒中の熱が放出される。す
なわち、それらの熱交換器が室外熱交換器として作用す
る。したがって、見かけ上、室外熱交換器の熱交換面積
が増大することになり、放熱量が増大するので冷房効率
が向上する。また、換気時に車室内の空気がその第3熱
交換器を通して排出されるようにすれば、車室内の冷気
によってその熱交換器を流れる冷媒が冷却されるように
なるので、その凝縮効率が向上する。すなわち、車室か
ら排出される空気中のエネルギが回収される。したがっ
て、換気による冷房効率の低下が防止される。暖房時に
は、コンプレッサによって圧縮された冷媒は第2熱交換
器側に送られる。それにより、その第2熱交換器におい
て車室内に供給される空気が加熱され、車室内の暖房が
行われる。そして、冷媒は、その熱交換によって凝縮
し、減圧手段により減圧された後、第1熱交換器及び第
3熱交換器に順に送られて、それらの熱交換器において
外部から吸熱することにより気化する。したがって、こ
のときにも第1及び第3熱交換器は室外熱交換器として
働くことになり、暖房効率が向上する。また、暖房中の
換気時にはその第3熱交換器を通して車室内の空気が排
出されるようにすることにより、その空気中の熱が回収
される。こうして、冷暖房効率の高い空調装置となる。
そして、冷媒の流れ方向を逆転させるのみで冷暖房が切
り換えられるようになるので、その冷媒回路の構成も単
純となる。
【0012】
【実施例】以下、図面を用いて本発明の実施例を説明す
る。図中、図1は本発明による自動車用空調装置の一実
施例を示す概略構成図である。この図から明らかなよう
に、この自動車1の車内空間は、車室2の前後がインス
トルメントパネル3及び後部隔壁4によってそれぞれ仕
切られている。そして、そのインストルメントパネル3
より前方の空間は、更に垂直隔壁5によって前後に仕切
られている。こうして、車室2の前方に第1室6及び第
2室7が形成され、車室2の後方に第3室8が形成され
ている。また、インストルメントパネル3前方の空間は
水平隔壁9によって上下にも仕切られており、第1室6
及び第2室7の下方に第4室10が形成されている。そ
の第4室10は車室2と連通するようにされている。こ
の自動車1は電気自動車であって、その動力源であるバ
ッテリ11及びモータ(図示せず)は後部の第3室8内
に設置されている。
【0013】車体最前部の第1室6内には、第1熱交換
器12と、その熱交換器12に空気を導く第1電動ファ
ン13とが設けられている。また、その第1室6と車室
2との間の第2室7内には、第2熱交換器14と、その
熱交換器14に空気を導く第2電動ファン15とが設け
られている。更に、車室2後方の第3室8内には、第3
熱交換器16と、その熱交換器16に空気を導く第3電
動ファン17とが設けられている。バッテリ11等はそ
の第3熱交換器16の直前に配置されており、第3熱交
換器16に導かれる空気がその上方を通過するようにさ
れている。そして、第1室6及び第2室7の下方の第4
室10内には、コンプレッサ18及びその駆動モータ
(図示せず)と、その第4室10内に空気を導入する第
4電動ファン19とが設けられている。
【0014】第1熱交換器12と第2熱交換器14とは
冷媒配管20を介して接続されている。また、第2熱交
換器14と第3熱交換器16とは冷媒配管21を介して
接続されている。そして、第3熱交換器16と第1熱交
換器12とは冷媒配管22を介して接続されている。こ
うして、各熱交換器12,14,16は互いに直列に接
続され、ループ状の冷媒回路が形成されるようになって
いる。第1熱交換器12と第2熱交換器14との間の冷
媒配管20には、冷媒を減圧する減圧手段としての膨張
弁23が設けられている。その膨張弁23はキャピラリ
チューブと呼ばれる細管からなるもので、いずれの側に
流れる冷媒をも同様に減圧する可逆式のものである。ま
た、コンプレッサ18は、第2熱交換器14と第3熱交
換器16との間の冷媒配管21に四方弁24を介して接
続されている。したがって、その四方弁24を切り換え
ることにより、コンプレッサ18によって圧縮された冷
媒が第2熱交換器14あるいは第3熱交換器16のいず
れか側に導かれるようになっている。すなわち、この実
施例では、その四方弁24によって、冷媒の流れ方向を
切り換える切換手段が構成されている。こうして、これ
ら第1熱交換器12、第2熱交換器14、第3熱交換器
16、コンプレッサ18、冷媒配管20,21,22、
膨張弁23、及び四方弁24によって、ヒートポンプサ
イクルが構成されるようになっている。
【0015】膨張弁23が設けられる冷媒配管20に
は、更に、その膨張弁23をバイパスするバイパス通路
25が設けられている。そして、そのバイパス通路25
に開閉弁26が設けられている。したがって、その開閉
弁26を開いたときには、冷媒は膨張弁23を迂回して
流れるようになっている。すなわち、その開閉弁26に
よって、膨張弁23とバイパス通路25とが切り換えら
れるようになっている。また、コンプレッサ18が設け
られる冷媒配管21には、そのコンプレッサ18と第3
熱交換器16との間に、方向切換弁27が設けられてい
る。そして、その切換弁27に、一端が第3熱交換器1
6と第1熱交換器12との間の冷媒配管22に接続され
たバイパス配管28の他端が接続されている。こうし
て、方向切換弁27をバイパス配管28側に切り換えた
ときには、冷媒が第3熱交換器16を迂回して流れるよ
うにされている。
【0016】車体の前端面には、第1室6内に外気を取
り入れる外気導入口29が設けられている。その外気導
入口29は、開度調整可能な外気導入ダンパ30によっ
て開閉されるようになっている。また、第1室6の後部
上面には、排熱ダンパ31によって開閉される空気排出
口32が設けられている。更に、第1室6の底面をなす
第4室10との間の水平隔壁9には、その第1室6内に
設置されている第1熱交換器12の前後位置に、その熱
交換器12を通して第4室10内の空気を循環させるた
めの開口33,34がそれぞれ設けられている。そし
て、それらの開口33,34も、ダンパ35,36によ
ってそれぞれ開閉されるようになっている。
【0017】第1室6と第2室7との間の垂直隔壁5に
は、それらの間を連通させる連通路をなす連通口37が
設けられている。その連通口37は連通ダンパ38によ
って開閉されるようになっている。また、第2室7の車
外に面する上壁には、車外から外気を取り入れる外気取
入れ口39が設けられている。その外気取入れ口39は
外気導入ダンパ40によって開閉されるようになってい
る。更に、第2室7の底面をなす水平隔壁9の中間部に
は、第2熱交換器14の配設位置より前方に、車室2内
の空気を取り入れる内気導入口41が設けられている。
その内気導入口41は、下方に回動する内気循環ダンパ
42によって開閉されるようになっている。そして、そ
の内気循環ダンパ42を下方に回動させて内気導入口4
1を開いたときには、第4室10のコンプレッサ18設
置部と車室2との間が仕切られるようになっている。水
平隔壁4には、更にその後部、すなわち車室2側にも、
下方に回動するダンパ43によって開閉される開口44
が設けられている。その開口44は第2熱交換器14の
配設位置より後方に位置するようにされている。そし
て、そのダンパ43は、開口44を開いたときには、車
室2から第2室7の内気導入口41に流れる空気を遮断
するものとされている。したがって、そのときには、第
2熱交換器14を通過した空気がその開口44を通って
車室2側へ流れることもないようになっている。すなわ
ち、そのダンパ43によって、第2室7を車室2から遮
断する遮蔽手段が構成されている。第2室7の車室2に
面する壁面をなすインストルメントパネル3には、通常
の自動車と同様に、その上面、上部、及び下部にそれぞ
れ空気吹き出し口45,46,47が設けられている。
それらの空気吹き出し口45,46,47もそれぞれ開
閉可能とされている。こうして、第2室7内には、外気
取入れ口39あるいは内気導入口41から車外あるいは
車室2内の空気が取り入れられ、また、連通口37から
第1室6内の第1熱交換器12を通過した空気が取り入
れられるようになっている。そして、その空気が、第2
熱交換器14によって熱交換された後、空気吹き出し口
45,46,47から車室2内に導かれ、また、開口4
4から第4室10内に導かれるようになっている。
【0018】一方、車体の後端面には、第3室8内の第
3熱交換器16を通った空気を車外に排出する空気排出
口48が設けられている。その空気排出口48は排気ダ
ンパ49によって開閉されるようになっている。そし
て、その空気排出口48が閉じられているときには、第
3熱交換器16を通った空気は第3室8内で循環するよ
うにされている。また、第3室8の車外に面する外壁に
は、自動車1の走行中に正圧のかかる位置に、外気導入
ダンパ50によって開閉される外気導入口51が設けら
れている。更に、車室2と第3室8との間を仕切る後部
隔壁4には、それらの間を連通させる換気口52が設け
られている。その換気口52は、換気ダンパ53によっ
て開閉されるようになっている。
【0019】第4室10の前面にも、外気導入ダンパ5
4によって開閉される冷却空気取入れ口55が設けられ
ている。また、その第4室10のコンプレッサ18設置
部より後方の位置には、コンプレッサ18やその駆動モ
ータによって加熱された空気を車外に排出するための排
熱口56が設けられている。その排熱口56は、上方に
回動する排熱ダンパ57によって開閉されるようになっ
ている。
【0020】次に、このように構成された自動車用空調
装置の作用について説明する。 イ)冷房 通常は、バイパス通路25の開閉弁26は閉じられてい
る。また、方向切換弁27は、コンプレッサ18と第3
熱交換器16とを接続する状態にセットされている。車
室2内の冷房を行うときには、図2に示されているよう
に、四方弁24を、コンプレッサ18によって圧縮され
た冷媒が第3熱交換器16に導かれるようにセットす
る。そして、第1室6の外気導入口29及び空気排出口
32、第2室7の内気導入口41及びインストルメント
パネル3上部の空気吹き出し口46、第3室8の外気導
入口51及び空気排出口48を開く。また、第4室10
の冷却空気取入れ口55及び排熱口56も開く。更に、
換気を同時に行うときには、第2室7の外気取入れ口3
9及び車室2と第3室8との間の換気口52を半開とす
る。その他の開口は閉じておく。この状態で、コンプレ
ッサ18及び電動ファン13,15,17,19を駆動
する。第1電動ファン13を駆動すると、第1室6内
に、その前面の外気導入口29から外気が走行風ととと
もに取り入れられ、その外気が第1室6内の第1熱交換
器12を通過した後、空気排出口32から車外に排出さ
れる。また、第2電動ファン15を駆動すると、第2室
7の外気取入れ口39から外気が取り入れられるととも
に、内気導入口41から車室2内の空気が吸入される。
そして、その混合空気が第2室7内の第2熱交換器14
に吹き付けられ、その熱交換器14を通過した空気が空
気吹き出し口46から車室2内に供給される。更に、第
3電動ファン17の駆動により、第3室8内には、その
外気導入口51から外気が取り入れられるとともに、換
気口52から車室2内の空気が吸入され、その混合空気
が第3熱交換器16に吹き付けられる。そして、その熱
交換器16を通過した空気が空気排出口48から車外に
排出される。第4電動ファン19を駆動すると、第4室
10内には、その前面の冷却空気取入れ口55から外気
が走行風とともに取り入れられる。そして、その空気
は、コンプレッサ18の周囲を流れた後、排熱口56か
ら車外に流出する。一方、コンプレッサ18を駆動する
と、そのコンプレッサ18により圧縮されて高温高圧と
なった気相冷媒が第3室8内の第3熱交換器16に導か
れる。その熱交換器16には上述のように車外から取り
入れられた外気と車室2から排出される内気との混合空
気が吹き付けられている。したがって、その第3熱交換
器16において、冷媒と第3室8内に導入された空気と
の熱交換が行われ、その熱交換によって冷媒が冷却され
る。その結果、その冷媒は凝縮する。冷媒と熱交換して
高温となった空気は空気排出口48から車外に排出され
る。そして、冷媒は冷媒配管22を通して第1室6内の
第1熱交換器12に導かれ、その熱交換器12において
第1室6内に導入された外気と熱交換することにより更
に冷却される。こうして、冷媒は高圧液体となる。次い
で、液体冷媒は膨張弁23によって減圧され、蒸発しや
すい状態とした上で第2室7内の第2熱交換器14に導
かれる。その第2熱交換器14においては、冷媒は、急
速に膨張することによって周囲から熱を奪いながら気化
する。したがって、その第2熱交換器14に吹き付けら
れる空気が冷却される。そして、その冷却空気が空気吹
き出し口46から車室2内に吹き出される。車室2内に
供給される空気から吸熱することにより昇温された冷媒
は、再びコンプレッサ18に導かれて圧縮される。
【0021】このようにして、第2熱交換器14を通し
て車室2内に空気を供給することにより、車室2内の冷
房が行われる。また、第2室7を通して車室2内に外気
を取り入れ、その分だけ車室2内の空気を第3室8から
車外に排出することにより、車室2内の換気が行われ
る。車室2内の温度、すなわち車室2内に供給される空
気の温度は、コンプレッサ18の回転数と第2電動ファ
ン15の送風量とによって調節される。また、換気量
は、換気口52のダンパ53の開度あるいは電動ファン
15,17の回転数によって制御される。
【0022】この間において、コンプレッサ18及びそ
の駆動モータは独立した第4室10内に設置されてい
る。そして、その第4室10には冷却空気が車外から導
入されるようになっている。したがって、コンプレッサ
18はその冷却空気によって直接冷却されることにな
り、その冷却は効率よく行われる。その結果、冷媒を圧
縮したときの冷媒の温度上昇が低く抑えられるようにな
る。その冷媒は第1及び第3熱交換器12,16におい
て冷却されるものである。したがって、その温度上昇が
低く抑えられるようになれば、冷房効率が向上する。ま
た、冷媒は、第3熱交換器16において冷却された後、
第1熱交換器12において再び冷却される。すなわち、
第1熱交換器12及び第3熱交換器16はともに室外熱
交換器として作用する。したがって、室外熱交換器の見
かけ上の熱交換面積が増大することになり、温度の高い
外気中にも冷媒の熱が確実に放出され、その冷媒が十分
に冷却されるようになる。更に、第3熱交換器16に吹
き付けられる空気には、車室2内から排出される冷気が
混合される。したがって、その空気は外気よりも低温と
なり、その熱交換器16内を流れる冷媒が効率よく冷却
される。しかも、その第3熱交換器16は、コンプレッ
サ18及びその駆動モータが設置される第4室10から
離れた第3室8内に設置されているので、コンプレッサ
18等からの輻射熱の影響を受けることがない。したが
って、冷房効率は一層向上する。また、第3熱交換器1
6の効率も向上することになり、その熱交換器16の小
形化を図ることができる。一方、車室2内から排出され
る冷気がバッテリ11の周囲を流れることにより、その
バッテリ11が冷却される。すなわち、換気のために車
室2から排出される空気はバッテリ11等の冷却にも利
用されることになる。こうして、車室2から排出される
冷気が有効に活用されるようになり、その空気の冷却の
ために費やされたエネルギが回収されるようになる。
【0023】換気は行わず、冷房のみを行うときには、
図3に示されているように、第2室7の外気取入れ口3
9及び車室2と第3室8との間の換気口52を閉じる。
そのようにすれば、車室2と第2室7との間で空気が循
環することによって車室2内が冷房される。すなわち、
内気循環の冷房が行われる。その場合には、車外から取
り入れられる高温の外気を冷却する必要がなく、また、
車室2内の冷気が排出されることもないので、車室2内
の冷房は効率よく行われ、その立ち上がりも早くなる。
【0024】ロ)暖房 車室2内の暖房を行うときには、図4に示されているよ
うに、四方弁24を切り換えて、コンプレッサ18によ
って圧縮された冷媒が第2熱交換器14に導かれるよう
にする。そして、第1室6の外気導入口29及び空気排
出口32、第4室10の冷却空気取入れ口55及び排熱
口56は閉じ、その代わりに第1室6と第4室10との
間の開口33,34を開く。また、第2室7の内気導入
口41及びインストルメントパネル3の下部の空気吹き
出し口47、第3室8の外気導入口51及び空気排出口
48を開く。換気を同時に行うときには、更に第2室7
の外気取り入れ口39及び車室2と第3室8との間の換
気口52を半開とする。その他の開口は閉じておく。こ
の状態で、コンプレッサ18及び電動ファン13,1
5,17を駆動する。第4室10内の電動ファン19は
停止あるいは逆転させる。第1室6内の第1電動ファン
13を駆動すると、その第1室6と第4室10との間で
空気が開口33,34を通して循環し、第4室10内の
コンプレッサ18及びその駆動モータの発熱によって加
熱された高温空気が第1熱交換器12に吹き付けられ
る。また、第2電動ファン15を駆動すると、車室2内
の空気が第2室7の内気導入口41から第2室7内に吸
入されるとともに、外気取入れ口39から外気が取り入
れられる。そして、その混合空気が第2室7内の第2熱
交換器14を通過した後、空気吹き出し口47から車室
2内に供給される。一方、電動ファン17の駆動によっ
て、第3室8内には、その外気導入口51から外気が取
り入れられるとともに、換気口52から車室2内の空気
が吸入され、その混合空気が第3熱交換器16に吹き付
けられる。そして、その第3熱交換器16を通過した空
気が空気排出口48から車外に排出される。一方、コン
プレッサ18が作動すると、そのコンプレッサ18によ
り圧縮されて高温高圧となった気相冷媒が第2室7内の
第2熱交換器14に導かれる。そして、その熱交換器1
4において、第2室7内に導入された空気と熱交換され
る。したがって、その空気は加熱される。その高温空気
は、空気吹き出し口47から車室2内に吹き出される。
また、車室2内に供給される空気と熱交換した冷媒は、
冷却されて高圧液体となり、膨張弁23によって減圧さ
れた後、第1室6内の第1熱交換器12及び第3室8内
の第3熱交換器16に順に導かれる。そして、それら第
1及び第3熱交換器12,16に吹き付けられる空気と
熱交換することにより、その空気中の熱を奪って気化す
る。次いで、その冷媒は、再びコンプレッサ18に導か
れて圧縮される。第1熱交換器12において冷媒と熱交
換して低温となった空気は、第4室10内に導かれ、そ
の第4室10内のコンプレッサ18等を冷却することに
より加熱される。また、第3熱交換器16において冷媒
と熱交換して低温となった空気は、第3室8の空気排出
口48から車外に排出される。
【0025】このようにして、冷房時とはヒートポンプ
サイクルを逆転させ、第2熱交換器14から放熱させな
がら、その熱交換器14を通して車室2内に空気を供給
することにより、車室2内の暖房が行われる。その場
合、冷媒は第1熱交換器12において吸熱した後、第3
熱交換器16において再び吸熱する。すなわち、この場
合にも、第1熱交換器12及び第3熱交換器16はとも
に室外熱交換器として働くことになる。したがって、室
外熱交換器の熱交換面積が増大することになり、外気温
が低いときにも十分な吸熱が行われる。しかも、第1熱
交換器12に吹き付けられる空気は第4室10内のコン
プレッサ18等によって加熱され、第3熱交換器16に
吹き付けられる空気はその上流側に設置されているバッ
テリ11等によって加熱される。そして、それらの熱が
冷媒に吸収される。その結果、バッテリ11やコンプレ
ッサ18等の排熱が積極的に利用されることになり、暖
房効率が著しく向上する。また、第2室7を通して取り
入れられた外気が車室2内に供給され、その分だけ車室
2内の空気が換気口52及び第3室8を通して空気排出
口48から車外に排出されることにより、車室2内の換
気が行われる。その場合、車室2内から排出される空気
は温度が高いが、その空気は第3室8内の第3熱交換器
16に通される。そして、その熱交換器16によってそ
の空気中の熱が吸収され、コンプレッサ18に送られる
気相冷媒の温度が高められる。車室2内に供給される空
気はそのコンプレッサ18通過後の冷媒と熱交換するこ
とによって加熱されるので、その供給空気には換気のた
めに車室2内から排出される空気中の熱が加えられるこ
とになる。こうして、車室2から排出される空気中の熱
が回収される。そして、冷房と暖房との切り換えは、四
方弁24によって冷媒の流れ方向を逆転させるのみで行
われる。すなわち、三つの熱交換器12,14,16が
すべて冷暖房時のいずれにおいても有効に働くようにす
るために、冷媒の流れ方向を個々に制御するという必要
がない。したがって、多数の制御弁などを用いる必要が
なく、その冷媒回路は単純なものとなる。
【0026】この暖房モードにおいても、図5に示され
ているように、第2室7の外気取入れ口39及び車室2
後部の換気口52をともに閉じて運転することもでき
る。そのようにすれば、内気循環式の暖房が行われるこ
とになり、車室2内の暖房が効率よく行われ、その立ち
上がりが早くなる。なお、これらの暖房モードにおいて
は外気温が極めて低いときを想定して、コンプレッサ1
8等の排熱が積極的に利用されるようにしているが、外
気温がそれほど低くないときには、第1室6の外気導入
口29及び空気排出口32を開き、第1室6内に取り入
れられる外気から吸熱させるようにすることもできる。
その場合には、第4室10の冷却空気取入れ口55及び
排熱口56も開き、コンプレッサ18等の冷却が外気に
よって行われるようにする。
【0027】ハ)換気 車室2内の換気のみを行うときには、コンプレッサ18
を停止してヒートポンプサイクルを停止させる。そし
て、図6に示されているように、第1室6の外気導入口
29、第1室6と第2室7との間の垂直隔壁5に設けら
れている連通口37、インストルメントパネル3上部の
空気吹き出し口46、車室2と第3室8との間の隔壁4
に設けられている換気口52、及び第3室8後部の空気
排出口48を開く。また、インストルメントパネル3上
面の空気吹き出し口45をも開くようにしてもよい。こ
の場合、一般には、第3室8の外気導入口51は閉じて
おく。電動ファン13,15,17,19は、自動車1
の高速走行時には停止させておく。また、低速走行時あ
るいは停車時は、第1ないし第3電動ファン13,1
5,17を駆動する。このようにすると、自動車1の高
速走行時には、前端の外気導入口29から走行風が第1
室6内に流入し、第1室6と第2室7との間の連通口3
7から第2室7を経て、インストルメントパネル3の空
気吹き出し口45あるいは46から車室2内に流入す
る。そして、車室2内の空気は後部の換気口52から第
3室8を経て車外に流出する。したがって、車室2内の
換気が行われる。このときの風量は、外気導入口29を
開閉する外気導入ダンパ30の開度によって調整され
る。その開度調整は、例えば第1電動ファン13のモー
タに生ずる逆起電力によりそのときの風量を検出し、そ
の信号によりダンパ30を作動させる電磁モータ等を制
御するようにすることによって行うことができる。ま
た、自動車1の停車時あるいは低速走行時には、第1電
動ファン13によって外気導入口29から外気が取り入
れられ、その外気が第2電動ファン15によって車室2
内に供給される。そして、その分だけ車室2内の空気が
第3電動ファン17により車外に排出される。したがっ
て、車室2内の換気が行われる。このときの風量は、電
動ファン13,15,17の回転数によって調整され
る。
【0028】この場合、第2室7の内気導入口41は内
気循環ダンパ42によって閉じられるので、車室2とコ
ンプレッサ18の収容室である第4室10とが互いに連
通することになる。しかしながら、このときにはコンプ
レッサ18は停止しているので、第4室10内が高温と
なることはなく、それによって車室2内の温度に影響が
及ぼされることはない。コンプレッサ18の長時間の駆
動後、直ちに換気モードに移行するような場合には、第
4室10の冷却空気取入れ口55及び排熱口56を開放
状態に保つようにすればよい。第3室8内に設置されて
いるバッテリ11等は、その第3室8を経て空気排出口
48から車外に排出される車室2内の空気によって冷却
される。その空気のみではバッテリ11等が十分に冷却
されない場合には、第3室8の外気導入口51を開いて
その第3室8内に外気を導入し、その外気がバッテリ1
1等の冷却空気に加えられるようにする。
【0029】ニ)除湿 車室2内の湿度が上昇し、フロントガラス等が曇るよう
なときには、除湿モードで運転する。その除湿モードに
は二つの運転状態がある。その一つは弱冷房モードの運
転状態である。図7に示されているように、その場合に
は方向切換弁27を切り換えて、コンプレッサ18と第
1熱交換器12とが直接接続されるようにする。そし
て、四方弁24を、コンプレッサ18によって圧縮され
た冷媒が第1熱交換器12側に流れる方向に切り換え
る。また、第1室6の外気導入口29及び空気排出口3
2、第2室7の内気導入口41、第3室8の外気導入口
51及び空気排出口48、第4室10の冷却空気取入れ
口55及び排熱口56を開く。また、このときには、イ
ンストルメントパネル3の上面の空気吹き出し口45を
開く。この状態で、コンプレッサ18及び電動ファン1
3,15,17,19を低速駆動する。コンプレッサ1
8が作動すると、そのコンプレッサ18によって圧縮さ
れた冷媒が方向切換弁27からバイパス配管28を通し
て第1熱交換器12に導かれる。そして、その熱交換器
12において放熱した後、膨張弁23によって減圧さ
れ、第2熱交換器14において気化する。その第2熱交
換器14には車室2内から導入された空気が吹き付けら
れている。したがって、その空気が冷却され、その冷却
によって空気中の水分が凝縮する。その結果、インスト
ルメントパネル3上面の空気吹き出し口45から車室2
内に吹き出す空気は比較的乾燥した空気となる。こうし
て、乾燥空気がフロントガラスに吹き付けられることに
より、そのフロントガラスの曇りが除去される。この場
合、コンプレッサ18によって圧縮された冷媒は第3熱
交換器16をバイパスして直接第1熱交換器12に導か
れるので、その第3熱交換器16は働かない。また、第
1電動ファン13は低速駆動されるので、第1熱交換器
12に吹き付けられる空気量も少ない。したがって、通
常の冷房時より冷媒の放熱量は少なく抑えられる。その
結果、車室2内に供給される空気の温度は外気温に近く
維持され、車室2内の温度が大幅に変化することが防止
される。また、第3室8内に設置されているバッテリ1
1等は、第3電動ファン17によってその第3室8内に
導入される外気により冷却される。
【0030】しかしながら、この除湿モードでは、車室
2内に供給される空気はある程度は冷却されることにな
る。そこで、車室2内に冷気が吹き込むことが好ましく
ない場合には、図8に示されているように運転する。す
なわち、方向切換弁27を通常状態に戻し、四方弁24
を、コンプレッサ18によって圧縮された冷媒が第2熱
交換器14側に流れるように切り換えて、ヒートポンプ
サイクルを暖房モードとする。そして、第1室6の空気
排出口32を閉じるとともに、第1室6と第2室7との
間の連通口37を開く。また、車室2と第3室8との間
の換気口52を開く。一方、第3室8の外気導入口51
は閉じる。この状態で、コンプレッサ18及び電動ファ
ン13,15,17,19を低速駆動する。すると、第
1室6の外気導入口29から導入された外気は、まず、
第1熱交換器12によって冷却されて水分が除去され
る。次いで、その乾燥空気は連通口37を通して第2室
7に流入し、第2熱交換器14によって加熱される。そ
して、その空気がインストルメントパネル3上面の空気
吹き出し口45から車室2内に流入する。したがって、
フロントガラスには乾燥空気が吹き付けられることにな
り、そのフロントガラスの曇りが除去される。一方、車
室2内の湿度の高い空気は換気口52から第3室8の空
気排出口48を通して車外に排出される。この場合、冷
媒の吸熱は第1熱交換器12及び第3熱交換器16の両
方で行われるのに対し、放熱は第2熱交換器14のみで
行われる。したがって、外気導入口29から取り入れら
れた外気は、第1熱交換器12で冷却される温度よりも
第2熱交換器14において大きく加熱される。すなわ
ち、車室2内には外気温よりも高温の空気が供給される
ことになり、車室2内が暖房される。こうして、除湿し
ながらの暖房が可能となる。このときにも、車室2内か
ら排出される高温空気中の熱は第3熱交換器16によっ
て回収される。また、第3室8内に設置されているバッ
テリ11等の排熱もその暖房に利用される。したがっ
て、熱効率は十分に高く維持される。
【0031】ホ)解氷 暖房が行われるのは外気温の低いときである。そして、
上述したように、暖房モードでの運転時には第1熱交換
器12及び第3熱交換器16において吸熱が行われる。
すなわち、冷媒が気化することによって、その熱交換器
12,16に吹き付けられる空気から熱が奪われる。そ
のために、それらの熱交換器12,16に外気を吹き付
けると、その周囲が外気温より更に低温となり、湿度が
高い場合には、外気中の水分が結露してその熱交換器1
2,16に結氷が生じることがある。特に車体前部に設
けられる第1熱交換器12は雨水等が降り懸かりやすい
ので、氷が付着しやすい。また、第3熱交換器16に
は、換気しながらの暖房時に車室2内の高温空気が吹き
付けられるとしても、暖房効率を維持するために、その
換気量をあまり多くすることができないので、その第3
熱交換器16にも結氷が生じることは避けられない。そ
して、そのように熱交換器12,16に氷が付着する
と、その熱交換器12,16の効率が著しく低下してし
まう。そこで、そのようなときには次のように運転す
る。
【0032】まず、図9に示されているように、方向切
換弁27を切り換えて、コンプレッサ18と第1熱交換
器12とが直接接続されるようにする。そして、冷媒の
流れ方向を暖房モードと同じ方向とする。すなわち、四
方弁24は、コンプレッサ18によって圧縮された冷媒
が第2熱交換器14側に流れるようにセットしたままと
する。また、暖房時と同様に、第1室6と第4室10と
の間の開口33,34、第2室7の内気導入口41、及
びインストルメントパネル3下部の空気吹き出し口47
は開いておく。一方、第3室8の外気導入口51及び空
気排出口48はともに閉じ、車室2との間の換気口52
も閉じておく。そして、このときには、膨張弁23のバ
イパス通路25に設けられている開閉弁26を開く。こ
の状態で、電動ファン13,15,17を駆動する。そ
の場合、第2電動ファン15は低速回転させる。する
と、第2熱交換器14において冷媒と熱交換する空気量
が少なく抑えられるので、冷媒は、その熱交換器14を
通過した後も比較的高温のまま保たれる。そして、その
冷媒が、膨張弁23を迂回するバイパス通路25を通
り、第1熱交換器12に流入する。したがって、その第
1熱交換器12には比較的高温高圧の冷媒が導かれるこ
とになる。しかも、その第1熱交換器12には、コンプ
レッサ18及びその駆動モータの発熱によって加熱され
た第4室10内の高温空気が吹き付けられる。その結
果、第1熱交換器12に付着した氷が解かされる。一
方、このときには、冷媒は第1熱交換器12からバイパ
ス配管28を通して直接コンプレッサ18に戻されるの
で、第3熱交換器16において吸熱は行われない。すな
わち、その周囲の空気が冷却されることはない。そし
て、第3室8は密閉されているので、第3電動ファン1
7が駆動されることによって、その第3室8内では空気
が循環している。その空気は、バッテリ11等の発熱に
よって加熱される。したがって、その第3熱交換器16
に吹き付けられる空気によって、その熱交換器16に付
着した氷が解かされる。また、このとき、第2熱交換器
14に吹き付けられる空気は、第2電動ファン15の回
転数が低いために少量ではあるが、その熱交換器14に
よって少なくとも加熱される。そして、その加熱された
空気が車室2内に供給される。したがって、車室2内は
暖房されるには至らないとしても、少なくともその温度
低下は防止される。こうして、車室2内の温度を維持し
たまま、第1及び第3熱交換器12,16の解氷が行わ
れる。
【0033】このモードでも解氷ができない場合には、
図10に示されているように、方向切換弁27を通常状
態に戻すとともに、四方弁24を切り換えてヒートポン
プサイクルを冷房モードで運転する。その場合、第2熱
交換器14によって冷却された空気が車室2内に流出す
ることのないようにするために、第2室7から車室2内
に空気を吹き出す空気吹き出し口45,46,47をす
べて閉じるとともに、第2室7の底壁をなす隔壁9に設
けられた車室2側の開口44を開く。すると、その開口
44を開閉するダンパ43によって第2室7が車室2側
から遮断され、その第2室7部分が密閉される。そし
て、第2熱交換器14を通過した空気は、その開口44
から流出した後、内気導入口41を通して再び第2室7
内に戻される。したがって、乗員に冷気を感じさせるよ
うなことが防止される。そして、このように冷房モード
で運転することにより、第1熱交換器12及び第3熱交
換器16において冷媒が放熱するので、その熱交換器1
2,16の周囲が高温となる。また、このときにも、コ
ンプレッサ18等の発熱によって高温となった第4室1
0内の空気が第1室6との間で循環するようにされるの
で、その第1室6内に設置された第1熱交換器12には
温風が吹き付けられる。その結果、第1熱交換器12に
付着した氷は急速に解かされる。更に、バッテリ11等
の発熱源が収容された第3室8が密閉され、その第3室
8内で空気が循環するようにされるので、第3熱交換器
16にも温風が吹き付けられることになる。その結果、
第3熱交換器16に付着した氷も急速に解かされる。こ
のように、第1熱交換器12あるいは第3熱交換器16
に結氷が生じたときにも、ヒートポンプサイクルを作動
させるとともに、バッテリ11やコンプレッサ18等の
排熱を利用することによって、その氷を除去することが
可能となる。
【0034】なお、上記実施例においては、冷媒の流れ
方向を切り換える切換手段として四方弁24を用いるも
のについて説明したが、コンプレッサ18として特開昭
55−8588号公報に示されているように逆転可能なものを
用いるようにすれば、そのような四方弁24等は省くこ
とができる。また、冷媒を減圧する減圧手段としては、
上記実施例のようにキャピラリチューブからなる単一の
膨張弁23のほか、冷房サイクルで働く膨張弁と暖房サ
イクルで働く膨張弁とを別個に備えたものを用いること
もできる。更に、上記実施例においては、コンプレッサ
18が設置される第4室10を第1室6及び第2室7の
下方に配置するものとしているが、その第4室10は、
例えば第1及び第2室6,7の側方に配置するようにす
ることもできる。また、バッテリ11等の発熱源をもそ
の第4室10内に配設するようにすることも、逆に、コ
ンプレッサ18等を車室2後方の第3室8内に配置する
ようにすることも可能である。
【0035】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、第1熱交換器と第2熱交換器とを車室の前方
に配置するとともに、第3熱交換器を車室の後方に配置
し、冷房時及び暖房時のいずれにおいてもその第3熱交
換器を室外熱交換器として作用させるようにしているの
で、車室内の冷房あるいは暖房中における換気時に、そ
の車室から排出される空気中のエネルギを回収すること
ができる。したがって、消費エネルギの少ない空調装置
とすることができる。また、第1熱交換器と第2熱交換
器とを車室の前方に設けられた二つの独立した室内にそ
れぞれ配置するようにしているので、その第1熱交換器
を室外熱交換器として作用させるとともに第2熱交換器
を室内熱交換器として作用させることができ、それらの
熱交換器が配置される室間を連通・遮断可能とすること
により、暖房中の除湿というような特殊なモードでの運
転が可能となり、車室内を常に快適な環境に保持するこ
とが可能となる。更に、三つの熱交換器を直列に接続す
るようにしているので、冷房と暖房との切り換えは冷媒
の流れ方向を切り換えるのみでよくなり、その冷媒回路
を単純化することができる。しかも、冷房時あるいは暖
房時のいずれにおいても、すべての熱交換器を働かせる
ことができる。そして、三つの熱交換器のうちの二つを
室外熱交換器として用いるようにすることにより、室外
熱交換器の見かけ上の熱交換面積が増大するので、外気
温の高いときの放熱量、あるいは外気温が低いときの吸
熱量を確保することができ、極めて効率の高い空調装置
とすることができる。したがって、電気自動車にも適用
することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による自動車用空調装置の一実施例を示
す概略構成図である。
【図2】その空調装置における冷房モードの一形態を示
す説明図である。
【図3】その空調装置における冷房モードの異なる形態
を示す説明図である。
【図4】その空調装置における暖房モードの一形態を示
す説明図である。
【図5】その空調装置における暖房モードの異なる形態
を示す説明図である。
【図6】その空調装置における換気モードの一形態を示
す説明図である。
【図7】その空調装置における除湿モードの一形態を示
す説明図である。
【図8】その空調装置における除湿モードの異なる形態
を示す説明図である。
【図9】その空調装置における解氷モードの一形態を示
す説明図である。
【図10】その空調装置における解氷モードの異なる形
態を示す説明図である。
【符号の説明】
1 自動車 2 車室 3 インストルメントパネル 4 後部隔壁 5 垂直隔壁 6 第1室 7 第2室 8 第3室 12 第1熱交換器 14 第2熱交換器 16 第3熱交換器 18 コンプレッサ 20,21,22 冷媒配管 23 膨張弁(減圧手段) 24 四方弁 25 バイパス通路 26 開閉弁 27 方向切換弁 28 バイパス配管 29 外気導入口 37 連通口(連通路) 45,46,47 空気吹き出し口 48 空気排出口
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60H 1/00 B60H 1/22 B60H 1/32

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車室の前方に、車外から空気を取り入れ
    る外気導入口を有する第1室と車室内に空気を吹き出す
    空気吹き出し口を有する第2室とを互いに仕切って設け
    るとともに、車室の後方に、車外に空気を排出する空気
    排出口を有する第3室を設け、 それら第1室、第2室、及び第3室に、それらの室を通
    過する空気と熱交換を行う第1熱交換器、第2熱交換
    器、及び第3熱交換器をそれぞれ配置し、 その第1熱交換器と第2熱交換器との間、第2熱交換器
    と第3熱交換器との間、及び第3熱交換器と第1熱交換
    機との間をそれぞれ冷媒配管により直列に接続して、 前記第1熱交換器と第2熱交換器との間の冷媒配管にそ
    の冷媒配管を流れる冷媒を減圧する減圧手段を、また、
    第2熱交換器と第3熱交換器との間の冷媒配管にその冷
    媒配管を流れる冷媒を圧縮するコンプレッサを、それぞ
    設け、 前記第1熱交換器が配置される第1室と前記第2熱交換
    器が配置される第2室との間に、その第1熱交換器を通
    過した空気を第2熱交換器に導く開閉可能な連通路を
    けたことを特徴とする、 自動車用空調装置。
  2. 【請求項2】 前記第1熱交換器と第2熱交換器との間
    の冷媒配管に、前記減圧手段をバイパスする切り換え可
    能なバイパス通路が設けられている、 請求項1記載の自動車用空調装置。
  3. 【請求項3】 前記第1熱交換器とコンプレッサとの間
    に、前記第3熱交換器をバイパスする切り換え可能なバ
    イパス配管が接続されている、 請求項1記載の自動車用空調装置。
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