JP5517641B2 - 車両の空調装置 - Google Patents
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Description
このように電気を用いて暖房を行う場合、例えば電気ヒータを用いる方式では、COP(成績係数)が最大1であって電力消費量が大きく、電気自動車の航続距離が短くなるという問題がある。また、例えばヒートポンプ方式の冷凍回路では、COPを1以上にすることが可能であるが、低温の外気から熱を汲み上げる場合には暖房能力やCOPが低下するという問題がある。
当該ガスインジェクションを十分に機能させるためには、冷媒を気化させて圧縮機の中間圧領域に供給する必要があり、例えばガスインジェクション回路の途中に蓄熱槽を設け、液状態或いは気液二相状態の冷媒を加熱して気化させる構成の装置が公知である(特許文献1参照)。
しかしながら、上述したように、電気ヒータを用いる場合には電力消費量が大きく、車両の走行中に電気ヒータを使用すると電気自動車の航続距離が短くなるという問題がある。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、ヒートポンプ方式の冷凍回路を用いつつ暖房能力の向上を図りCOPのさらなる向上を図ることの可能な車両の空調装置を提供することにある。
請求項3の車両の空調装置では、請求項1または2において、車室内から車室外に換気される空気の流れ方向で視て前記換気熱交換器よりも上流側には、前記換気熱交換器による冷媒の気化の促進を補助する気化促進補助手段を備えたことを特徴とする。
請求項5の車両の空調装置では、請求項3または4において、前記気化促進補助手段は、蓄熱材を含み、該蓄熱材を加熱して蓄熱しておき、該蓄熱した熱で冷媒を昇温させることを特徴とする。
請求項7の車両の空調装置では、請求項1乃至5のいずれかにおいて、前記インジェクション回路に、前記換気熱交換器の下流に位置して気液分離器を設け、気化した冷媒のみを前記圧縮機の中間圧領域に供給することを特徴とする。
請求項10の車両の空調装置では、請求項1乃至9のいずれかにおいて、前記インジェクション回路における冷媒の気化の度合いを制御するインジェクション制御手段を備え、車室内から車室外に換気される空気流量を調節する換気ファンを有し、前記インジェクション制御手段は、少なくとも車室内への外気吸入量に応じて前記換気ファンの作動を制御することを特徴とする。
請求項11の車両の空調装置では、請求項10において、前記インジェクション制御手段は、車室内から車室外に換気される空気流量が車室内への外気吸入量と等しくなるように前記換気ファンの作動を制御することを特徴とする。
請求項2の車両の空調装置によれば、車両は電気自動車またはハイブリッド自動車である場合には、圧縮機をも電力で作動させることになるが、インジェクション回路に換気熱交換器を設けて廃熱を回収し、COPのさらなる向上を図ることができるので、バッテリの電力消費を抑えて車両のバッテリによる航続距離の低下を好適に防止することができる。
請求項4の車両の空調装置によれば、気化促進補助手段は電気部品の排熱源またはハイブリッド自動車の内燃機関の排熱源または電気ヒータであるので、車室内の空気の温度が低い場合であっても、電気部品の排熱源またはハイブリッド自動車の内燃機関の排熱源または電気ヒータによって車室外に換気される空気を暖めて換気熱交換器による吸熱を増大させ、圧縮機の中間圧領域に供給される冷媒を十分に気化させるようにでき、暖房能力の向上を図ることができる。
請求項6の車両の空調装置によれば、換気熱交換器と直列に放熱後の冷媒と熱交換を行う内部熱交換器を設けたので、圧縮機の中間圧領域に供給される冷媒を十分に気化させるようにでき、暖房能力の向上を図ることができる。
請求項8の車両の空調装置によれば、冷房時または車室内の温度が低いときには膨張弁を遮断してインジェクション回路の使用を停止するので、無駄な圧縮機の動力が必要となることを防止してCOPの悪化を防止することができる。
請求項10の車両の空調装置によれば、車室内から車室外に換気される空気流量を調節する換気ファンを備え、外気吸入量に応じて換気ファンの作動を制御するので、例えば外気吸入量に等しい量の空気が換気熱交換器を通るようにでき、換気熱交換器における吸熱を最大限に行うことができる。
請求項11の車両の空調装置によれば、車室内から車室外に換気される空気流量が車室内への外気吸入量と等しくなるように換気ファンの作動を制御するので、外気吸入量に等しい量の空気が確実に換気熱交換器を通るようにでき、換気熱交換器における吸熱を最大限に行うことができる。
[第1実施例]
図1乃至図4には、本発明の第1実施例に係る車両の空調装置の概略構成図が示されており、以下これらの図に基づき説明する。
ここに、車両は例えばエンジン(内燃機関)を有さない電気自動車(EV)であって、バッテリの電力で走行用電動モータを作動させて走行するよう構成されており(共に図示せず)、空調装置もバッテリの電力で作動するように構成されている。即ち、本発明の第1実施例に係る車両の空調装置は、暖房にエンジンの熱を利用せずにヒートポンプ方式の冷凍回路を用いることで、冷房と暖房さらには除湿暖房を適宜選択的に実施可能に構成されている。なお、車両はエンジン(内燃機関)と走行用電動モータとを併有する所謂ハイブリッド自動車であってもよい。
また、換気ダクト44には、換気ファン48が設けられている。
以下、このように構成された本発明の第1実施例に係る車両の空調装置の作用について説明する。
図2に冷房時の状態を示すように、冷房時には、ECUは圧縮機10、通気ファン46を起動させ、開閉弁22、28を開弁するとともに開閉弁24、26を閉弁し、第3膨張弁32を閉弁し、エアミックスダンパ47を内気や外気の放熱器12への流通が遮断されるように作動させる。
これより、冷媒は、図中太線で示すように圧縮機10、放熱器12、バイパス路4、車室外熱交換器16、第2膨張弁18及び吸熱器20を循環し、吸熱器20による吸熱により車室内の冷房が行われる。
また、放熱器12では若干の熱漏れがあるものの、内気や外気の放熱器12への流通はエアミックスダンパ47により遮断されているので、車室内への放熱器12からの熱の移動は抑止され、やはり冷房能力の悪化を防止することができる。
図3に暖房時の状態を示すように、暖房時には、ECUは圧縮機10、通気ファン46、換気ファン48を起動させ、開閉弁26を開弁するとともに開閉弁22、24、28を閉弁し、第3膨張弁32については開弁し、エアミックスダンパ47を内気や外気の全てが放熱器12を流通するように作動させる。
これより、冷媒は、図中太線で示すように圧縮機10、放熱器12、第1膨張弁14、車室外熱交換器16とともにインジェクション回路30を循環し、放熱器12による放熱により車室内の暖房が行われる。
この際、換気ダクト44を通過する空気量と通気ダクト42を通過する外気量とが等しくなるよう換気ファン48の作動を通気ファン46の作動及び内外気切換ダンパ45の開度に応じて制御するのがよく、これにより換気ダクト44以外の隙間から外気を吸い込んだり吐き出したりすることを防止して、通気ダクト42からの外気吸入量に等しい量の空気が確実に換気熱交換器34を通るようにでき、換気熱交換器34による吸熱を最大限に行うことができる。
従って、車両が電気自動車(EV)であっても、空調装置によるバッテリの電力消費を抑えるようにでき、車両の航続距離の低下を好適に防止することができる。
なお、車室内から換気される空気の温度が所定温度より低いときには、上記冷房時と同様、第3膨張弁32を閉弁してインジェクション回路30を機能させないようにしてもよい。
図4に除湿暖房時の状態を示すように、除湿暖房時には、ECUは圧縮機10、通気ファン46、換気ファン48を起動させ、開閉弁24、26を開弁するとともに開閉弁22、28を閉弁し、第3膨張弁32については開弁し、エアミックスダンパ47を内気や外気の全てが放熱器12を流通するように作動させる。
この場合、冷媒は、図中太線で示すように圧縮機10、放熱器12、第1膨張弁14、車室外熱交換器16とともに第2膨張弁18、吸熱器20及びインジェクション回路30を循環し、放熱器12による放熱により車室内の暖房が行われるとともに吸熱器20による吸熱により車室内の除湿が行われる。
なお、車室内から換気される空気の温度が所定温度より低いときには、やはり上記冷房時と同様、第3膨張弁32を閉弁してインジェクション回路30を機能させないようにしてもよい。
図5乃至図9には、本発明の第1実施例の変形例に係る車両の空調装置の概略構成図が暖房時の状態で示されており、以下これらの図に基づき説明する。
図5に示す変形例では、インジェクション回路30の換気熱交換器34の下流側に冷媒を加熱するための電気ヒータ50を設けるようにしている。なお、電気ヒータ50を設けることに伴い、サーミスタ38の位置を電気ヒータ50の下流側に移動している。
このように電気ヒータ50を設け、未だ車室内の空気が十分に暖まっていない場合に当該電気ヒータ50を作動させることで、車室外への廃熱を有効に冷媒の気化に利用できない場合であっても、電気ヒータ50の熱によって十分に気化した状態の冷媒を圧縮機10の中間圧領域に供給するようにでき、暖房能力の向上を図ることができる。
このように蓄熱材52を設け当該蓄熱材52を電気ヒータ50で加熱し蓄熱するようにすると、バッテリへの充電中、即ち車両の停車中に電気ヒータ50で蓄熱材52に蓄熱しておき、車両の走行中には蓄熱した熱で冷媒を気化させるようにでき、未だ車室内の空気が十分に暖まっておらず、車室外への廃熱を有効に冷媒の気化に利用できない場合であっても、バッテリの電力を使用することなく十分に気化した状態の冷媒を圧縮機10の中間圧領域に供給するようにでき、暖房能力の向上を図り、COPのさらなる向上を図ることができ、車両の航続距離の低下を好適に防止することができる。
このように換気ダクト44内に蓄熱材54を設け当該蓄熱材54を電気ヒータ50で加熱し蓄熱するようにすると、上記同様、バッテリへの充電中、即ち車両の停車中に電気ヒータ50で蓄熱材54に蓄熱しておき、車両の走行中には蓄熱した熱で換気ダクト44内の空気を暖めながら換気熱交換器34を介して冷媒を気化させるようにでき、未だ車室内の空気が十分に暖まっていない場合であっても、やはりバッテリの電力を使用することなく十分に気化した状態の冷媒を圧縮機10の中間圧領域に供給するようにでき、暖房能力の向上を図り、COPのさらなる向上を図ることができ、車両の航続距離の低下を好適に防止することができる。
このように換気ダクト44内にインバータ58を設けるようにすると、車両の走行中にはインバータ58の発する熱をも有効に冷媒の気化に利用しながら、十分に気化した状態の冷媒を圧縮機10の中間圧領域に供給するようにでき、より一層暖房能力の向上を図り、COPのさらなる向上を図ることができる。
また、図7の電気ヒータ50や図8のインバータ58に代えて、走行用電動モータの熱を排熱する放熱器(電気部品の排熱源、気化促進補助手段)や、車両がハイブリッド自動車である場合にはエンジンの熱を排熱する放熱器(エンジンの排熱源、気化促進補助手段)を用いるようにしてもよい。また、換気ダクト44内に換気ダクト44の上流側に位置して電気ヒータ50を直接設けるようにしてもよい。
このように第3膨張弁32と換気熱交換器34との間に内部熱交換器60を設けるようにすると、内部熱交換器60の吸熱する熱をも有効に冷媒の気化に利用しながら、十分に気化した状態の冷媒を圧縮機10の中間圧領域に供給するようにでき、より一層暖房能力の向上を図り、COPのさらなる向上を図ることができる。
図10に示す参考例では、インジェクション回路30の換気熱交換器34の下流側に気液分離器62を設けるとともに放熱器12と第1膨張弁14との間に電磁式の開閉弁64を設け、気液分離器62により分離した気体状の冷媒を圧縮機10の中間圧領域に供給し、液状の冷媒を管路2に戻すようにしている。
なお、図10に示す参考例に上記図5〜図8に示す変形例の構成を組み合わせるようにしてもよい。
図11乃至図14には、本発明の第2実施例に係る車両の空調装置の概略構成図が示されており、以下これらの図に基づき説明する。なお、上記第1実施例との共通部分については説明を省略し、第1実施例と異なる部分について説明する。
図11に基本構成を示すように、本発明の第2実施例に係る車両の空調装置は、圧縮機10の下流側に四方弁70を備えるとともにインジェクション回路30’を備えて冷凍回路1’が構成されている。
なお、第2実施例に上記図5〜図8に示す第1実施例の変形例の構成を組み合わせるようにしてもよい。
以下、このように構成された本発明の第2実施例に係る車両の空調装置の作用について説明する。
図12に冷房時の状態を示すように、冷房時には、ECUは圧縮機10、通気ファン46を起動させ、四方弁70を圧縮機10からの冷媒が放熱器12を通らず車室外熱交換器16に向かうように切り換え、開閉弁33を開弁するとともに開閉弁35を閉弁し、第1膨張弁14を閉弁する。
これより、冷媒は、図中太線で示すように圧縮機10、車室外熱交換器16、第2膨張弁18及び吸熱器20を循環し、吸熱器20による吸熱により車室内の冷房が行われる。
これにより、冷房時であってもCOPの向上を図ることが可能である。
また、開閉弁35を閉弁して冷媒を換気熱交換器34に流さないようにしており、これにより車室外に排気される車室内の空気を冷やす無駄な圧縮機10の動力が必要となることを防止して冷房能力の悪化を防止することができる。
なお、この場合、上記第1実施例の場合と異なり放熱器12では放熱が行われることがないため、第1実施例の場合に増して冷房能力の悪化を防止することができる。
図13に暖房時の状態を示すように、暖房時には、ECUは圧縮機10、通気ファン46、換気ファン48を起動させ、四方弁70を圧縮機10からの冷媒が放熱器12を通って車室外熱交換器16に向かうように切り換え、開閉弁35を開弁するとともに開閉弁33を閉弁し、第2膨張弁18を閉弁する。
これより、冷媒は、図中太線で示すように圧縮機10、放熱器12、第1膨張弁14、車室外熱交換器16とともにインジェクション回路30’を循環し、放熱器12による放熱により車室内の暖房が行われる。
従って、車両が電気自動車(EV)であっても、空調装置によるバッテリの電力消費を抑えるようにでき、車両の航続距離の低下を好適に防止することができる。
なお、車室内から換気される空気の温度が所定温度より低いときには、上記冷房時と同様、開閉弁35を閉弁して冷媒を換気熱交換器34に流さないようにしてもよい。
図14に除湿暖房時の状態を示すように、除湿暖房時には、ECUは圧縮機10、通気ファン46、換気ファン48を起動させ、四方弁70を圧縮機10からの冷媒が放熱器12を通って車室外熱交換器16に向かうように切り換え、開閉弁35を開弁するとともに開閉弁33を閉弁し、第1膨張弁14及び第2膨張弁18については開弁する。
これより、冷媒は、図中太線で示すように圧縮機10、放熱器12、第1膨張弁14、車室外熱交換器16とともに第2膨張弁18、吸熱器20及びインジェクション回路30’を循環し、放熱器12による放熱により車室内の暖房が行われるとともに吸熱器20による吸熱により車室内の除湿が行われる。
なお、車室内から換気される空気の温度が所定温度より低いときには、やはり上記冷房時と同様、開閉弁35を閉弁して冷媒を換気熱交換器34に流さないようにしてもよい。
図15乃至図18には、参考例に係る車両の空調装置の概略構成図が示されており、以下これらの図に基づき説明する。なお、上記第2実施例との共通部分については説明を省略する。
図15に基本構成を示すように、当該参考例では、インジェクション回路30”の第3膨張弁32の下流側且つ換気熱交換器34の下流側に位置して気液分離器62’を設け、気液分離器62’により分離した気体状の冷媒を圧縮機10の中間圧領域に供給し、液状の冷媒を管路2に戻すように冷凍回路1”を構成している。
以下、このように構成された当該参考例に係る車両の空調装置の作用について説明する。
図16に冷房時の状態を示すように、冷房時には、ECUは圧縮機10、通気ファン46を起動させ、四方弁70を圧縮機10からの冷媒が放熱器12を通らず車室外熱交換器16に向かうように切り換え、開閉弁33を開弁するとともに開閉弁35を閉弁し、第1膨張弁14を閉弁する。
これより、冷媒は、図中太線で示すように圧縮機10、車室外熱交換器16、第2膨張弁18及び吸熱器20を循環し、吸熱器20による吸熱により車室内の冷房が行われる。
これにより、冷房時であってもCOPのさらなる向上を図ることが可能である。
この場合にも、開閉弁35を閉弁して冷媒を換気熱交換器34に流さないようにしており、冷房能力の悪化を防止することができ、また、放熱器12では放熱が行われることがないため、第1実施例の場合に増して冷房能力の悪化を防止することができる。
図17に暖房時の状態を示すように、暖房時には、ECUは圧縮機10、通気ファン46、換気ファン48を起動させ、四方弁70を圧縮機10からの冷媒が放熱器12を通って車室外熱交換器16に向かうように切り換え、開閉弁35を開弁するとともに開閉弁33を閉弁し、第2膨張弁18を閉弁する。
これより、冷媒は、図中太線で示すように圧縮機10、放熱器12、第1膨張弁14、車室外熱交換器16とともにインジェクション回路30”を循環し、放熱器12による放熱により車室内の暖房が行われる。
図18に除湿暖房時の状態を示すように、除湿暖房時には、ECUは圧縮機10、通気ファン46、換気ファン48を起動させ、四方弁70を圧縮機10からの冷媒が放熱器12を通って車室外熱交換器16に向かうように切り換え、開閉弁35を開弁するとともに開閉弁33を閉弁し、第1膨張弁14及び第2膨張弁18については開弁する。
これより、冷媒は、図中太線で示すように圧縮機10、放熱器12、第1膨張弁14、車室外熱交換器16とともに第2膨張弁18、吸熱器20及びインジェクション回路30”を循環し、放熱器12による放熱により車室内の暖房が行われるとともに吸熱器20による吸熱により車室内の除湿が行われる。
以上説明したように、本発明に係る車両の空調装置によれば、ヒートポンプ方式の冷凍回路1、1’、1”にインジェクション回路30、30’、30”を備え、換気熱交換器34により換気ダクト44を経て車室外に流出する車室内の暖かい空気の熱を冷媒に吸熱するようにしているので、車室外への廃熱を有効に冷媒の気化に利用しながら、インジェクション回路30、30’、30”において十分に気化した状態の冷媒を圧縮機10の中間圧領域に供給するようにでき、暖房能力の向上を図り、COPのさらなる向上を図ることができる。
例えば、上記実施形態では、換気ダクト44に換気ファン48を設けるようにしているが、換気ファン48はなくてもよい。
また、換気ダクト44については、HVACユニット40と一体に設けるようにしてもよい。
また、上記実施形態では、インジェクション回路30、30’、30”において冷媒を圧縮機10の中間圧領域に供給するようにしているが、圧縮機を2機設けた2段圧縮方式で冷凍回路を構成する場合には、2機の圧縮機間に冷媒を供給するようインジェクション回路を構成すればよい。
また、デシカント等の除湿装置をHVACユニット40内に備えるようにした場合には、放熱器12と吸熱器20とを兼用し、これら放熱器12と吸熱器20とを一つの車室内熱交換機で構成するようにしてもよい。
また、圧縮機10の比較的低圧の中間圧領域と比較的高圧の中間圧領域とを選択可能にインジェクション回路を構成してもよい。例えば、車室内の温度が低い場合には比較的低圧の中間圧領域へ冷媒を供給し、高い場合には比較的高圧の中間圧領域へ冷媒を供給するようにしてもよい。
2 管路
10 圧縮機
12 放熱器
14 第1膨張弁
16 車室外熱交換器
18 第2膨張弁
20 吸熱器
30、30’、30” インジェクション回路
32 第3膨張弁
34 換気熱交換器
37、38 サーミスタ(冷媒温度変化検出手段)
40 HVACユニット
44 換気ダクト
48 換気ファン
50 電気ヒータ(気化促進補助手段)
52、54 蓄熱材(気化促進補助手段)
58 インバータ(気化促進補助手段)
60、60’ 内部熱交換器
62、62’ 気液分離器
Claims (11)
- 冷媒を圧縮する圧縮機と、車室内に設けられ少なくとも暖房時に該圧縮機で昇圧された冷媒から放熱を行う放熱器と、暖房時には前記放熱器にて放熱し且つ減圧膨張された冷媒への吸熱を行う一方、冷房時には圧縮機で昇圧された冷媒から放熱を行う車室外熱交換器と、車室内に設けられ冷房時及び除湿時に前記放熱器または前記車室外熱交換器にて放熱し且つ減圧膨張された冷媒への吸熱を行う吸熱器とからなる冷凍回路を備え、
該冷凍回路は、前記放熱器にて放熱した冷媒の一部を膨張弁を介して気化させ前記圧縮機の中間圧領域に供給するインジェクション回路を含み、
該インジェクション回路に、車室内から車室外に換気される空気から吸熱を行い冷媒の気化を促進させる換気熱交換器を設け、
暖房時に、前記放熱器にて放熱した冷媒を前記車室外熱交換器と前記換気熱交換器とに分岐させて流通させることを特徴とする車両の空調装置。 - 車両はバッテリの電力により走行用電動モータを駆動させて走行する電気自動車またはハイブリッド自動車であって、前記圧縮機は前記バッテリの電力により作動することを特徴とする、請求項1記載の車両の空調装置。
- 車室内から車室外に換気される空気の流れ方向で視て前記換気熱交換器よりも上流側には、前記換気熱交換器による冷媒の気化の促進を補助する気化促進補助手段を備えたことを特徴とする、請求項1または2記載の車両の空調装置。
- 前記気化促進補助手段は、車両に搭載された電気部品の排熱源または前記ハイブリッド自動車の内燃機関の排熱源または電気ヒータであることを特徴とする、請求項3記載の車両の空調装置。
- 前記気化促進補助手段は、蓄熱材を含み、該蓄熱材を加熱して蓄熱しておき、該蓄熱した熱で冷媒を昇温させることを特徴とする、請求項3または4記載の車両の空調装置。
- 前記インジェクション回路に、前記換気熱交換器と直列に放熱後の冷媒と熱交換を行う内部熱交換器を設けたことを特徴とする、請求項1乃至5のいずれか記載の車両の空調装置。
- 前記インジェクション回路に、前記換気熱交換器の下流に位置して気液分離器を設け、気化した冷媒のみを前記圧縮機の中間圧領域に供給することを特徴とする、請求項1乃至5のいずれか記載の車両の空調装置。
- 前記インジェクション回路における冷媒の気化の度合いを制御するインジェクション制御手段を備え、
前記インジェクション制御手段は、冷房時または車室内の温度が低いときには前記膨張弁を遮断して前記インジェクション回路の使用を停止することを特徴とする、請求項1乃至7のいずれか記載の車両の空調装置。 - 前記インジェクション回路における冷媒の気化の度合いを制御するインジェクション制御手段を備え、
前記インジェクション回路は、前記換気熱交換器を迂回するバイパス路を有し、
前記インジェクション制御手段は、冷房時または車室内の温度が低いときには前記バイパス路を介して冷媒を前記圧縮機の中間圧領域に供給することを特徴とする、請求項1乃至7のいずれか記載の車両の空調装置。 - 前記インジェクション回路における冷媒の気化の度合いを制御するインジェクション制御手段を備え、
車室内から車室外に換気される空気流量を調節する換気ファンを有し、
前記インジェクション制御手段は、少なくとも車室内への外気吸入量に応じて前記換気ファンの作動を制御することを特徴とする、請求項1乃至9のいずれか記載の車両の空調装置。 - 前記インジェクション制御手段は、車室内から車室外に換気される空気流量が車室内への外気吸入量と等しくなるように前記換気ファンの作動を制御することを特徴とする、請求項10記載の車両の空調装置。
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