JP3959829B2 - 冷凍装置および空調装置 - Google Patents

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    • B60H1/32Cooling devices
    • B60H1/3201Cooling devices using absorption or adsorption
    • B60H1/32014Cooling devices using absorption or adsorption using adsorption, e.g. using Zeolite and water

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
吸着式冷凍サイクルの吸着熱および凝縮熱を、蒸気圧縮式冷凍サイクルの蒸発器にて吸熱する冷凍装置に関し、特に、ハイブリッド車(HV)の車両用空調装置に用いて好適なものである。なお、ハイブリッド車とは、走行用電動モータと内燃機関とを有する車両である。
【0002】
【従来の技術】
従来より、吸着式冷凍装置としては、冷却されると冷媒を吸着し、加熱されると冷媒を脱着する吸着コアと、冷媒を蒸発、凝縮させる蒸発凝縮器とを、連通状態で設けたものが提案されている。そして、吸着コアが冷媒を吸着すると、蒸発凝縮器にて冷媒が蒸発され、この蒸発凝縮器にて冷却された熱交換流体を室内熱交換器に循環させることにより、室内冷却を行なっている。また、吸着コアは冷媒を脱着することにより再生し、脱着された冷媒は、蒸発凝縮器にて凝縮される。なお、通常は、室外熱交換器からの比較的低温な(例えば30℃程度の)熱交換流体や、室内熱交換器からの比較的低温な(例えば30℃程度の)熱交換流体を、吸着コアに循環させることにより、吸着コアを冷却している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、本発明者等は、吸着コアの吸着時における冷媒吸着率を向上する目的で、蒸気圧縮式冷凍サイクルを別に設け、この蒸気圧縮式冷凍サイクルの低圧側冷媒(例えば20〜25℃程度)にて冷却された熱交換流体を上記吸着コアに循環させることにより、吸着コアを冷却することを検討している。
【0004】
一方、近年、ハイブリッド車(HV)に備えられる電子機器、モータ類、バッテリ等の発熱機器を冷却することが必要とされている。
本発明は上記問題に鑑みてなされたもので、吸着式冷凍サイクルの吸着コアにおける冷媒の吸着熱を、蒸気圧縮式冷凍サイクルの低温冷媒に吸熱させる冷凍装置において、発熱機器を冷却可能とすることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するために、以下の技術的手段を用いる。
請求項1〜5に記載の発明では、吸着コア(20、30)が冷媒を吸着するとき蒸発器(60、70)にて冷媒を蒸発させ、吸着コア(20、30)が冷媒を脱着するとき第1凝縮器(70、60)にて冷媒を凝縮させる吸着式冷凍サイクル(100)と、
圧縮機(21)からの冷媒を第2凝縮器(22)にて凝縮し、この凝縮器(22)からの冷媒を減圧手段(24、240)にて減圧し、吸着コア冷却器(25)において、減圧手段(24、240)からの冷媒に、吸着コア(20、30)における冷媒の吸着熱を吸熱させて、冷媒を蒸発させ、発熱機器冷却器(26)において、減圧手段(24、240)からの冷媒に、発熱機器(260)の発する熱を吸熱させて、冷媒を蒸発させる蒸気圧縮式冷凍サイクル(200)とを備え、
吸着コア冷却器(25)に吸着熱を吸熱させることにより、吸着コア(20、30)を冷却し、発熱機器冷却器(26)に発熱機器(260)の発する熱を吸熱させることにより、発熱機器(260)を冷却することを特徴としている。
【0006】
これにより、蒸気圧縮式冷凍サイクル(200)の低温冷媒(換言すれば、減圧手段(24、240)の下流側の冷媒、または、圧縮機(21)の吸入側冷媒)に、吸着式冷凍サイクル(100)の吸着熱を吸熱させる冷凍装置において、発熱機器(260)を冷却できる。
請求項3に記載の発明では、冷却用流体循環路(c、g)に第1凝縮器(70、60)を接続し、冷却用流体循環路(c、d、g)を流れる熱交換流体を介して、吸着熱、および、第1凝縮器(70、60)における冷媒の凝縮熱を、吸着コア冷却器(25)に移動させることにより、吸着コア冷却器(25)に吸着熱および凝縮熱を吸熱させることを特徴としている。
【0007】
このように、第1凝縮器(70、60)の凝縮熱を、吸着コア冷却器(25)に吸熱させることにより、第1凝縮器(70、60)も冷却できる。
請求項4に記載の発明では、空冷式の放熱器(56)を冷却用流体循環路(c、d、g)に接続し、冷却用流体循環路(c、d、g)において、放熱器(56)をバイパスするバイパス回路(57)を設け、バイパス回路(57)における熱交換流体流れを断続する開閉手段(57a)を設け、冷却用流体循環路(c)を流れる熱交換流体の温度が所定温度以上のとき、開閉手段(57a)を閉じて、放熱器(56)に熱交換流体を循環させ、冷却用流体循環路(c)を流れる熱交換流体の温度が所定温度よりも小さいときは、開閉手段(57a)を開いてバイパス回路(57)に熱交換流体を循環させることを特徴としている。
【0008】
したがって、熱交換流体の温度が所定温度以上のとき、冷却用流体循環路(c)を流れる熱交換流体を介して、吸着熱および凝縮熱を放熱器(56)に移動させることにより、この放熱器(56)にて吸着熱および凝縮熱を放熱できるので、この放熱した熱量分だけ、吸着コア冷却器(25)の吸熱量が減る。したがって、吸着コア冷却器(25)に必要とされる冷却能力が減るため、蒸気圧縮式冷凍サイクル(200)に循環させる冷媒量も少なくて済み、圧縮機(21)の消費動力を低減できる。
【0009】
請求項5に記載の発明では、空冷式の放熱器(72)と、第1凝縮器(70、60)との間に熱交換流体を循環させる放熱用流体循環路(d)を設け、放熱用流体循環路(d)を流れる熱交換流体を介して、第1凝縮器(70、60)における冷媒の凝縮熱を放熱器(72)に移動させることにより、放熱器(72)にて凝縮熱を放熱させることを特徴としている。
【0010】
このため、吸着コア冷却器(25)に凝縮熱を吸熱させる場合に比べて、放熱器(72)にて凝縮熱を放熱する分だけ、吸着コア冷却器(25)の吸熱量が減る。したがって、吸着コア冷却器(25)に必要とされる冷却能力が減るため、蒸気圧縮式冷凍サイクル(200)に循環させる冷媒量も少なくて済み、圧縮機(21)の消費動力を低減できる。
【0011】
請求項6に記載の発明では、蒸気圧縮式冷凍サイクル(200)の蒸発器として、減圧手段(24、240)からの冷媒に吸着熱を吸熱させて冷媒を蒸発させる蒸気圧縮式用蒸発器(25)を備えており、この蒸気圧縮式用蒸発器(25)に吸着熱を吸熱させることにより、吸着コア(20、30)を冷却するとともに、空冷式の放熱器(72)にて吸着熱を放熱させることにより、吸着コア(20、30)を冷却することを特徴としている。
【0012】
このように、吸着熱を放熱器(72)にて放熱できるため、この放熱した熱量分だけ、蒸気圧縮式用蒸発器(25)の吸熱量が減る。したがって、蒸気圧縮式用蒸発器(25)に必要とされる冷却能力が減るため、蒸気圧縮式冷凍サイクル(200)に循環させる冷媒量も少なくて済み、圧縮機(21)の消費動力を低減できる。
【0013】
請求項7に記載の発明では、蒸気圧縮式用蒸発器(25)に吸着熱を吸熱させることにより、吸着コア(20、30)を冷却するとともに、空冷式の放熱器(72)にて凝縮熱を放熱させることにより、第1凝縮器(70、60)を冷却することを特徴としている。
このため、吸着コア冷却器(25)に凝縮熱を吸熱させる場合に比べて、放熱器(72)にて凝縮熱を放熱する分だけ、蒸気圧縮式用蒸発器(25)の吸熱量が減る。したがって、蒸気圧縮式用蒸発器(25)に必要とされる冷却能力が減るため、蒸気圧縮式冷凍サイクル(200)に循環させる冷媒量も少なくて済み、圧縮機(21)の消費動力を低減できる。
【0014】
請求項8に記載の発明では、吸着コア(20、30)が冷媒を脱着するとき、吸着コア(20、30)にエンジン冷却水を循環させる冷却水循環路(a)と、圧縮機(21)の吐出側の冷媒からエンジン冷却水に放熱して、エンジン冷却水を加熱する冷却水加熱器(75)とを備え、エンジン冷却水の温度が低いとき、冷却水加熱器(75)においてエンジン冷却水を加熱することを特徴としている。
【0015】
したがって、エンジン冷却水の温度が異常に低くなることを抑制でき、吸着コア(20、30)の加熱温度が異常に低くなることを抑制できるので、吸着コア(20、30)の脱着を良好に行なうことができる。よって、次回の冷媒の吸着も良好に行なうことができる。
また、エンジン冷却水を暖房用熱源として用いる場合に本発明を適用することにより、暖房能力を良好に維持できる。
【0016】
請求項9に記載の発明では、必要冷凍能力が所定能力以上の場合に、吸着工程にある吸着剤(S)を前記蒸気圧縮式冷凍サイクル(200)により冷却することを特徴とする。
これにより、吸着式冷凍サイクル(100)の冷凍能力不足を補うことができる。
【0017】
請求項10に記載の発明では、必要冷凍能力が所定能力以上の場合に、脱着工程にある吸着剤(S)を蒸気圧縮式冷凍サイクル(200)内を循環する冷媒により加熱することを特徴とする。
これにより、吸着式冷凍サイクル(100)の冷凍能力不足を補うことができる。
【0018】
請求項11に記載の発明では、必要冷凍能力が所定能力以上の場合に、蒸気圧縮式冷凍サイクル(200)が発揮する冷凍能力を室内熱交換器(16)に供給することを特徴とする。
これにより、吸着式冷凍サイクル(100)の冷凍能力不足を補うことができる。
【0019】
みに、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【0020】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
図1(a)は本発明の第1実施形態の空調装置のシステム構成を示すものであり、この第1実施形態の空調装置は、吸着式冷凍サイクル100と、蒸気圧縮式冷凍サイクル200とを備えている。
【0021】
図1(a)において、1は車両用空調ユニットであり、ハイブリッド車(HV)の車室内計器盤下方部に搭載される。空調ユニット1の空調ダクト2は、車室内に空調空気を導く空調用通路を構成しており、この空調ダクト2の一端側に内外気を吸入する吸入口4、5が設けられている。内気吸入口4と外気吸入口5は内外気切替ドア6により切替開閉される。
【0022】
上記吸入口4、5に隣接して、空調ダクト2内に空気を送風する送風機3が設置されており、この送風機3はモータ3aとこのモータ3aにより駆動される遠心ファン3bとにより構成されている。一方、空調ダクト2の他端側には車室内へ通ずる複数の吹出用開口部7、8、9が形成されている。これらの開口部7、8、9は開口部切替ドア10、11、12によりそれぞれ切替開閉される。
【0023】
また、送風機3より空気下流側における空調ダクト2内には、室内熱交換器16と、ヒータコア31とが設けられている。室内熱交換器16は、後述する吸着式冷凍サイクル200の蒸発凝縮器60、70にて冷却される熱交換流体が空調ダクト2内の空気から吸熱することにより、空気を冷却するものである。ヒータコア31は、エンジン冷却水が空調ダクト2内の空気へ放熱することにより、空気を加熱するものである。なお、エアミックスドア31aにより、ヒータコア31を通過する空気量と、ヒータコア31をバイパスする空気量とを調整している。
【0024】
次に、吸着式冷凍サイクル100について図1(b)を用いて詳しく説明する。
吸着式冷凍サイクル100は、第1、第2吸着コア20、30、および、第1、第2蒸発凝縮器(蒸発器、凝縮器)60、70を備えており、第1吸着コア20と第1蒸発凝縮器60は、第1密閉容器601の内部に収容され、第2吸着コア30と第2蒸発凝縮器70は、第2密閉容器602の内部に収容されている。これら第1、第2密閉容器601、602の内部にはそれぞれ、所定量の冷媒(例えば水)が封入されている。
【0025】
なお、密閉容器601、602は、第1、第2吸着コア20、30を収容する第1、第2吸着コア室62、63と、第1、第2蒸発凝縮器60、70を収容する第1、第2蒸発凝縮器室66、67と、吸着コア室62、63と蒸発凝縮器6、7とを連通する第1、第2連通部86、87とから構成されている。
第1、第2蒸発凝縮器60、70は、周知の熱交換器形状をなし、冷媒を蒸発・凝縮可能なものであり(つまり、本実施形態の吸着式冷凍サイクル100は、蒸発・凝縮一体型の吸着式冷凍サイクルであり)、一方が冷媒を蒸発させる蒸発器としてはたらくとき、他方が冷媒を凝縮する凝縮器としてはたらく。
【0026】
また、第1、第2吸着コア20、30は、周知の熱交換器形状をなす熱交換部201、301の周囲に、多数の吸着剤Sを設けてなる。なお、図1(b)には、蒸発凝縮器60、70、および、吸着コア20、30の熱交換部201、301のうち、チューブのみを単純化して示してある。
そして、エンジン(液冷内燃機関)Eと、第1吸着コア20(または第2吸着コア30)の熱交換部201(または301)と、ヒータコア31と、ラジエータ(放熱器)32とを、この順に流体配管にて直列に接続して、第1流体循環路aを構成している。また、上記した室内熱交換器16と、第1蒸発凝縮器60(または第2蒸発凝縮器70)とを、この順に流体配管にて直列に接続して、第2流体循環路bを構成している。
【0027】
また、後述する吸着コア・蒸発凝縮器冷却器(吸着コア冷却器)25と、第1吸着コア20(または第2吸着コア30)の熱交換部201(または202)とを、この順に流体配管にて直列に接続して、第3流体循環路(冷却用流体循環路)cを構成している。また、後述する蒸気圧縮式冷凍サイクル200の第1蒸発器25と、第1蒸発凝縮器60(または第2蒸発凝縮器70)とを、この順に流体配管にて直列に接続して、第4流体循環路(冷却用流体循環路)dを構成している。なお、第3流体循環路cおよび第4流体循環路dは、合流部eにて合流するとともに、分岐部fにて分岐しており、合流部eの下流で、かつ、分岐部fの上流の合流路(冷却用流体循環路)gに、上記吸着コア・蒸発凝縮器冷却器25が備えられている。
【0028】
そして、第1流体循環路aには電動ポンプ33が設けてあり、この電動ポンプ33により、第1流体循環路aにおける図1中矢印方向への熱交換流体流れを断続させている。また、第3流体循環路cと第4流体循環路dとの合流路gには電動ポンプ34が設けてあり、この電動ポンプ34により、第3、第4流体循環路c、dにおける図1中矢印方向への熱交換流体流れを断続させている。また、第2流体循環路bには電動ポンプ35が設けてあり、この電動ポンプ35により、第2流体循環路bにおける図1中矢印方向への熱交換流体流れを断続させている。
【0029】
また、流体循環路aおよびcの途中には、四方弁36、37が設けられており、この四方弁36、37により、第1、第2吸着コア20、30に流入する熱交換流体の供給源を、エンジンEまたは吸着コア・蒸発凝縮器冷却器25に切り替えるようになっている(換言すれば、四方弁36、37により、第1、第2吸着コア20、30の吸着、脱着行程を切り替えるようになっている)。
【0030】
また、流体循環路bおよびdの途中には、四方弁38、39が設けられており、この四方弁38、39により、第1、第2蒸発凝縮器60、70から流出される熱交換流体の供給先を、室内熱交換器16または吸着コア・蒸発凝縮器冷却器25に切り替えるようになっている(換言すれば、四方弁38、39により、第1、第2蒸発凝縮器60、70による冷媒の蒸発、凝縮を切り替えるようになっている)。
【0031】
また、流体循環路aには、周知のように、ラジエータ32をバイパスするバイパス回路41が設けられており、サーモスタット42により、エンジン冷却水の水温が第1所定温度(例えば90℃)より低いときにはエンジン冷却水をバイパス回路41に循環させ、水温が第1所定温度以上のときにはエンジン冷却水をラジエータ32に循環させている。
【0032】
なお、ラジエータ32は、電動送風ファン43により送風される外気と熱交換して冷却される。また、ラジエータ32、電動送風ファン43、および、サーモスタット42も、車室の外部に設置されている。
次に、蒸気圧縮式冷凍サイクル200について図1(a)を用いて詳しく説明する。
【0033】
蒸気圧縮式冷凍サイクル200には、ガス冷媒を吸入圧縮する圧縮機21、高圧のガス冷媒を凝縮させる凝縮器(第2凝縮器、放熱器)22、気液分離を行なうレシーバ(気液分離器)23、液冷媒を減圧する温度式膨張弁(減圧手段)24、吸着側の吸着コア20、30、および、凝縮側の蒸発凝縮器(第1凝縮器)60、70を冷却する吸着コア・蒸発凝縮器冷却器25、および、発熱機器260を冷却する発熱機器冷却器26が備えられている。
【0034】
これらの冷媒圧縮機21、凝縮器22、レシーバ23、温度式膨張弁24、吸着コア・蒸発凝縮器冷却器25、および、発熱機器冷却器26は、この順に直列的に冷媒配管にて接続されており、もって冷媒回路Rを構成している。なお、蒸気圧縮式冷凍サイクル200の全ての機器(21、22、23、24、25、26)は、車室の外部(走行用モータが搭載される室)に設置されている。
【0035】
そして、圧縮機21は、モータ21a(図2参照)をケース内に一体に内蔵しており、モータ21aにより駆動されて、冷媒の吸入、圧縮、吐出を行なうものである。冷媒圧縮機21のモータ21aにはインバータ48により交流電圧が印加され、このインバータ48により交流電圧の周波数を調整することによってモータ21aの回転速度を連続的に変化させるようになっている。
【0036】
インバータ48には車載のバッテリー49からの直流電圧が印加される。また、インバータ48は、電子制御装置44によって通電制御されるようになっている。この電子制御装置44は、マイクロコンピュータとその周辺回路にて構成されたものである。なお、エンジンEの稼働時には、エンジンEにて図示しない発電機を発電させ、この発電した電力をバッテリー49に蓄電するようになっている。
【0037】
凝縮器22は、電動送風ファン22aにより送風される外気と熱交換することにより(換言すれば、冷媒の凝縮熱を外気に放熱することにより)冷却される。温度式膨張弁24の感温部は、発熱機器冷却器26の下流側に設けてあり、これにより、上記両冷却器25、26にて蒸発した分の冷媒を、上記両冷却器25、26に送り込むことができる。
【0038】
吸着コア・蒸発凝縮器冷却器25は、膨張弁24の下流側(換言すれば、圧縮機21の吸入側)に設けられ、上記した第3流体循環路cと第4流体循環路dとの合流路gに冷媒を接触させるように、冷媒通路を構成している。そして、吸着コア・蒸発凝縮器冷却器25を流れる冷媒(膨張弁24の下流側の低温冷媒)に、吸着コア20、30における冷媒の吸着熱、および、蒸発凝縮器60、70における冷媒の凝縮熱を、第3、第4流体循環路c、dを流れる熱交換流体を介して移動させることにより、吸着コア・蒸発凝縮器冷却器25を流れる冷媒に吸着熱および凝縮熱を吸熱させて、冷媒を蒸発させている。
【0039】
発熱機器冷却器26は、膨張弁24の下流側(換言すれば、圧縮機21の吸入側)で、さらに、吸着コア・蒸発凝縮器冷却器25の下流側に設けられており、発熱機器260と接触するように冷媒通路を構成している。なお、上記発熱機器260としては、例えばHV車両の走行用モータ、その他のモータ類、そのモータ回転数制御用インバータの半導体スイッチ素子(パワートランジスタ)、車載バッテリー等である。
【0040】
発熱機器冷却器26の具体的構成は、発熱機器250の種類に応じて種々な形態で設定される。例えば、発熱機器250がインバータの半導体スイッチ素子である場合は、半導体スイッチ素子の放熱フィンと冷却器25の冷媒通路とを接触させる。
なお、上記した空調制御装置4は、凝縮器22の送風ファン22aの回転数、送風機3の回転数、エアミックスドア31aの回動位置、四方切替弁36、37、38、39の回動位置、電動ポンプ33、34、35の作動停止等も制御するものである。なお、図2には、出力側として、機器そのものの符号(22a、3、31a、36、37、38、39、33、34、35)を付したが、これらの機器を駆動するモータ等が、電子制御装置44にて実際に出力制御される。
【0041】
また、電子制御装置44には、室内熱交換器16の吹き出し直後の空気温度を検出する室内熱交換器後センサ45、外気温度を検出する外気温センサ46、内気温度を検出する内気温センサ47、圧縮機1の吸入圧を検出する圧力センサ50、日射量を検出する日射センサ51からの検出信号、および、空調コントロールパネル52の各レバー、スイッチからの空調操作信号が入力される。空調コントロールパネル52は車室内計器盤の周辺に設置され、レバー、スイッチ等の操作部材が乗員により手動操作される。
【0042】
次に、上記構成による作動を説明する。
まず、蒸気圧縮式冷凍サイクル200の作動について説明すると、圧縮機21から吐出された高温高圧のガス冷媒は、凝縮器22で冷却ファン22aにより送風される外気と熱交換して、冷却され、凝縮する。凝縮器22から流出した高圧の液冷媒は、レシーバ23にて確実に気液分離された後、液冷媒のみが温度式膨張弁24へ供給される。この温度式膨張弁24では低圧側圧力まで減圧され、気液二相状態となった後に、吸着コア・蒸発凝縮器冷却器25に流入する。
【0043】
ここで、吸着コア20、30における冷媒の吸着熱、および、蒸発凝縮器60、70における冷媒の凝縮熱が、流体循環路c、dを流れる熱交換流体を介して冷却器25へ移動され、この吸着熱および凝縮熱が、冷却器25を流れる気液二相冷媒に吸熱されることにより、気液二相冷媒中の液冷媒が蒸発する。換言すれば、吸着熱および凝縮熱にて加熱された熱交換流体を、流体循環路c、dを経て冷却器25に循環させることにより、冷却器25の液冷媒が、上記加熱された熱交換流体から、吸着熱および凝縮熱に対応する熱を吸熱して蒸発する。これにより、吸着側の吸着器20、30、および、凝縮側の蒸発凝縮器60、70は冷却される。
【0044】
この冷却器25から流出した気液二相冷媒は、次に発熱機器冷却器26に流入する。この冷却器26では、気液二相冷媒中の液冷媒が、発熱機器260の発する熱を吸熱し、蒸発する。これにより、発熱機器260が冷却される。なお、上記温度式膨張弁24にて冷媒流量を調整しているので、冷却器26から流出する冷媒は全て蒸発してガス冷媒となり、このガス冷媒が、再び圧縮機21に吸入される。
【0045】
次に、吸着式冷凍サイクル100について説明する。この吸着式冷凍サイクル100は、第1吸着コア2が吸着行程、第2吸着コア3が脱着行程を行なう第1行程と、第1吸着コア2が脱着行程、第2吸着コア3が吸着行程を行なう第2行程とを、所定時間(例えば60秒)毎に交互に行なう。
すなわち、電動ポンプ33、34、35が作動して、上記各流体循環路a、b、c、dに熱交換流体を循環させるとともに、四方弁36、37、38、39を図1(b)中実線位置とすることにより、上記第1行程が行なわれる。
【0046】
この第1行程では、エンジンEのエンジン冷却水(加熱用熱交換流体)が、流体循環路aを経て第2吸着コア30の熱交換部301に循環されるので、第2吸着コア30の吸着剤Sが加熱されて気体冷媒を脱着し、この吸着剤Sから脱着された気体冷媒が第2蒸発凝縮器室67へ流入する。
これに対して、第2蒸発凝縮器70は、上記した吸着コア・蒸発凝縮器冷却器25にて冷却されているため、第2蒸発凝縮器室67において気体冷媒が凝縮される。
【0047】
また、第1吸着コア20は、上記した吸着コア・蒸発凝縮器冷却器25にて冷却されているため、この第1吸着コア20の吸着剤Sが気体冷媒を吸着し、これにより、吸着コア室62、連通部86、および、蒸発凝縮器室66にて形成される空間の圧力が下がり、蒸発凝縮器室66内の液体冷媒が蒸発する。
そして、蒸発凝縮器60では、熱交換流体が蒸発潜熱を奪われて冷却され、この冷却された熱交換流体を、流体循環路bを経て室内熱交換器16に循環することにより、空調ダクト2内を流れる空気(つまり、室内熱交換器16に送風される空気)を冷却、除湿する。換言すれば、蒸発凝縮器60における冷媒の蒸発潜熱を、流体循環路c、dを流れる熱交換流体を介して、空調ダクト2内を流れる空気から吸熱することにより、空気を冷却、除湿する。
【0048】
そして、四方弁36、37、38、39を図1(b)中点線位置とすることにより、第2行程が実行される。この第2行程では、上記した第1行程の吸着と脱着、蒸発と凝縮が入れ替わるだけであるため、第2行程の作動説明は省略する。
次に、発熱機器260の冷却温度、および、室内冷房の具体的制御方法を図3に示すフローチャートに基づいて説明する。
【0049】
空調コントロールパネル52に設けられた空調作動スイッチ(図示せず)の投入により図3の制御ルーチンがスタートし、まず、ステップS101にて空調コントロールパネル52の温度コントロールレバーの設定位置(設定温度)を読み込み、ステップS102で、室内熱交換器後センサ45、外気温センサ46、内気温センサ47、圧力センサ50、日射センサ51から、室内熱交換器後温度Te、外気温度To、内気温度Ti、圧縮機吸入圧P、日射量Qを読み込む。
【0050】
次のステップS103では、ステップS101で読み込んだ温度コントロールレバー位置と、ステップS102で読み込んだ室内熱交換器後温度Te、外気温度To、内気温度Ti、日射量Qから、目標吹出空気温度TAOを算出する。次のステップS104では、実際の目標吹出空気温度と、ステップS103にて算出した目標吹出空気温度TAOとが一致するように、送風ファン3の回転数、および、エアミックスドア31aの回動位置が、図示しないファジー制御マップにより制御される。これにより、冷房能力は、温度コントロールレバーで設定される設定温度に応じた値に常に制御可能となる。
【0051】
そして、次のステップS105では、ステップS102で読み込んだ実際の圧縮機吸入圧Pと、目標圧縮機吸入圧Poとが一致するように、インバータ制御により圧縮機21の回転数が制御される。ここで、発熱機器冷却器26の冷却する発熱機器260が例えばインバータ等の電子機器である場合は、電子機器の漏電防止等のために、電子機器表面での結露を確実に防止する必要がある。そこで、目標圧縮機吸入圧Poは、発熱機器冷却器26を流れる冷媒の温度が、発熱機器260表面での結露を防止可能な温度(例えば、発熱機器260の周囲温度よりも所定温度(例えば5℃程度)高い温度。例えば20℃〜30℃)となるように設定してあり、予め電子制御装置44に記憶させてある。
【0052】
この回転数制御は、例えば、実際の圧縮機吸入圧Pと、目標圧縮機吸入圧Poとの偏差に応じて、図示しないファジー制御マップにより制御される。これにより、発熱機器冷却器26を流れる冷媒の温度(換言すれば、発熱機器260の冷却温度)が、発熱機器260表面での結露を防止可能な温度に常に制御可能となる。
【0053】
(第2実施形態)
図4に示す本実施形態では、上記第1実施形態における流体循環路c、dのうち、上記合流路gに、ラジエータ56が直列的に接続されており、さらに、ラジエータ56をバイパスするバイパス回路57が設けられている。ラジエータ56は、電動送風ファン58により送風される外気と熱交換して冷却される、いわゆる空冷式の放熱器である。バイパス回路57には電磁弁(開閉手段)57aが設けてあり、この電磁弁57aを開閉することにより、バイパス回路57における熱交換流体の流れを断続している。
【0054】
また、合流路gには、吸着コア・蒸発凝縮器冷却器25をバイパスするバイパス回路59が設けられており、このバイパス回路59には電磁弁(開閉手段)59aが設けてある。
電動送風ファン58、および、電磁弁57a、59aは、電子制御装置44にて駆動制御される。また、本実施形態では、流体循環路cと流体循環路dとの合流路gを流れる熱交換流体の温度を検出するセンサ61が、合流路gに設けてあり、このセンサ61の検出信号も、上記した電子制御装置44に入力されるようになっている。
【0055】
次に、本実施形態の作動を説明する。なお、上記したラジエータ56、電動送風ファン58、電磁弁57a、および、電磁弁59aに係わる作動のみが、上記第1実施形態と異なるため、この作動のみを説明する。
まず、夏期のように外気温度が高い(例えば35℃以上)場合の作動について説明する。この場合、センサ61の検出する熱交換流体の温度が所定温度(例えば外気温、35℃程度)よりも高いときは、ラジエータ56にて放熱する必要があるとして、電磁弁57aを閉じて、熱交換流体をラジエータ56に循環させるとともに、電動送風ファン58を作動させる。
【0056】
これにより、流体循環路c、dを流れる熱交換流体は、上記冷却器25にて冷媒に吸熱されて(冷媒へ放熱して)冷却されるとともに、ラジエータ56にて室外へ放熱して冷却される(換言すれば、流体循環路c、dを流れる熱交換流体を介して、吸着熱および凝縮熱をラジエータ56に移動させることにより、このラジエータ56にて吸着熱および凝縮熱を放熱できる)。このように、ラジエータ56にて放熱した熱量分だけ、上記冷却器25の吸熱量が減る。したがって、冷却器25に必要とされる冷却能力が減るため、蒸気圧縮式冷凍サイクル200に循環させる冷媒量も少なくて済み、圧縮機21の消費動力を低減できる。
【0057】
そして、センサ61の検出する熱交換流体の温度が上記所定温度以下となったとき、ラジエータ56にて放熱する必要がないとして、電磁弁57aを開いて、熱交換流体をバイパス回路57に循環させるとともに、電動送風ファン58を停止する。ここで、バイパス回路57に比べてラジエータ56の方が圧損が大きいため、電磁弁57aを開いたときは、主にバイパス回路57に熱交換流体が循環する。
【0058】
次に、春秋期のように外気温度がさほど高くない(例えば30℃程度)場合の作動を説明する。この場合は、上記した吸着熱および凝縮熱を、ラジエータ56にて放熱可能であるので、電磁弁57aを閉じ、電磁弁59aを開くことにより、熱交換流体をバイパス回路59およびラジエータ56に循環させるとともに、電動送風ファン58を作動させる。ここで、バイパス回路59に比べて、吸着コア・蒸発凝縮器冷却器25の方が圧損が大きいため、電磁弁59aを開いたときは、主にバイパス回路59に熱交換流体が循環する。
【0059】
(第3実施形態)
図5(a)および(b)に示す本実施形態では、上記第1実施形態における流体循環路c、dを完全に並列に設けた(つまり、合流路gを有さない)ものであり、さらに、流体循環路dには、電動送風ファン71により送風される外気と熱交換して冷却されるラジエータ(放熱器)72が、第1、第2蒸発凝縮器60、70と直列的に接続されている。また、流体循環路dには電動ポンプ73が設けられており、この電動ポンプ73により、流体循環路dにおける図5(a)中矢印方向への熱交換流体流れを断続させている。なお、上記した電動ポンプ34は、流体循環路cのみにおいて、図5(a)中矢印方向への熱交換流体流れを断続させている。電動送風ファン58および電動ポンプ73は、電子制御装置44にて駆動制御される。
【0060】
そして、本実施形態では、上記した冷却器25を流れる気液二相冷媒中の液冷媒が、吸着側の吸着コア20、30における吸着熱にて加熱された熱交換流体から吸熱して蒸発することにより、熱交換流体を冷却するとともに、凝縮側の蒸発凝縮器60、70における凝縮熱にて加熱された熱交換流体を、ラジエータ72に循環させることにより放熱して、熱交換流体を冷却する。換言すれば、流体循環路dを流れる熱交換流体を介して、凝縮側の蒸発凝縮器60、70における冷媒の凝縮熱をラジエータ72に移動させることにより、ラジエータ72にて凝縮熱を放熱させている。
【0061】
本実施形態によれば、上記第1実施形態に比べて、ラジエータ72にて凝縮熱を放熱する分だけ冷却器25の吸熱量が減る。したがって、冷却器25に必要とされる冷却能力が減るため、蒸気圧縮式冷凍サイクル200に循環させる冷媒量も少なくて済み、圧縮機21の消費動力を低減できる。
(第4実施形態)
図6に示す本実施形態は、圧縮機21の吐出側の高温冷媒により、流体循環路aを流れるエンジン冷却水を過熱する冷却水加熱器75を備えている。冷却水加熱器75は、圧縮機21の吐出側の冷媒通路を、流体循環路aを流れるエンジン冷却水に接触させるように構成してなる。また、冷媒回路Rには、凝縮器22をバイパスするバイパス回路76を設け、このバイパス回路76に電磁弁(開閉手段)76aを設け、この電磁弁76aを開閉することにより、バイパス回路76における冷媒流れを断続する。
【0062】
また、流体循環路aには、冷却水加熱器75に接触する部位をバイパスするバイパス回路78を設け、このバイパス回路78に電磁弁(開閉手段)78aを設け、この電磁弁78aを開閉することにより、バイパス回路78におけるエンジン冷却水の流れを断続する。また、エンジン冷却水の水温を検出するセンサ79が、流体循環路aに設けてあり、このセンサ79の検出信号が、上記した電子制御装置44に入力されるようになっている。
【0063】
ここで、ハイブリッド車では、車両走行中であってもエンジンEが停止する場合があり、このとき、エンジン冷却水の水温が低下してしまう。この結果、冷房性能の不足(換言すれば、吸着コア20、30の加熱不足)や、燃費の悪化や、暖房性能の不足(換言すれば、ヒータコア31での放熱量不足)をもたらす恐れがある。
【0064】
これに対して本実施形態では、エンジン冷却水の水温が、上記第1所定温度(エンジン冷却水をバイパス回路41に流すか、ラジエータ32に流すかを、サーモスタット42にて切り替える温度)よりもさらに低い第2所定温度(例えば外気温、50℃程度)以下であるときは、エンジン冷却水を加熱する必要があるとして、電磁弁78aを閉じてエンジン冷却水を冷却水加熱器75に循環させるとともに、電磁弁76aを開いて冷媒を主にバイパス回路76に循環させる。
【0065】
これにより、圧縮機1の吐出側の高温高圧冷媒によりエンジン冷却水を加熱できるので、上記恐れを抑制できる。このとき、高温高圧冷媒の凝縮は冷却水加熱器75においてのみ行なわれるが、圧縮機1の吐出圧が上昇するときは、電磁弁76aを閉じることにより冷媒を凝縮器22にも循環させ、この凝縮器22においても冷媒を凝縮させるとよい。
【0066】
そして、エンジン冷却水の水温が上記第2所定温度よりも高いときは、エンジン冷却水を加熱する必要がないとして、電磁弁78aを開くことによりエンジン冷却水をバイパス回路77に循環させるとともに、電磁弁76aを閉じることにより冷媒を凝縮器22に循環させる。
(第5実施形態)
図7に示す本実施形態では、上記第4実施形態の冷媒加熱器75を採用するとともに、上記第3実施形態のように、流体循環路c、dを完全に並列に設けたものである。なお、本実施形態の作動は、上記第1、第3、第4実施形態の作動の組合せである。これにより、圧縮機1の消費動力を低減できるとともに、エンジン冷却水の水温が下がりすぎることを抑制できる。
【0067】
(第6実施形態)
図8に示す本実施形態では、蒸気圧縮式冷凍サイクル200において、上記したレシーバ23の代わりに、圧縮機21の吸込側(蒸発器26の下流側)にアキュムレータタンク230を用いており、さらに、上記した温度式膨張弁24の代わりに、弁開度の調整機能のない細径チューブからなるキャピラリチューブ(固定絞り、減圧手段)240を用いており、これ以外の構造は、上記第1実施形態と同様である。本実施形態によっても、上記第1実施形態と同様の効果が得られる。
【0068】
(第7実施形態)
本実施形態は、上記実施形態に対して冷暖房能力向上および省動力化を図ったものである。そして、図9は本実施形態に係る車両用空調装置のシステムを示すものであり、上記実施形態と等しい構成部品については、等しい符号を付した。以下、上記実施形態と相違点を中心に本実施形態を説明する。
【0069】
図9中、21bは圧縮機21の吸入側に配設されて圧縮機21に液冷媒が吸入されることを防止するとともに、余剰冷媒を蓄えるアキュームレータ(タンク手段)である。
また、22bは凝縮器22を迂回するバイパス回路22cを開閉する電磁弁であり、72aはラジエータ72を迂回するバイパス回路72bを開閉する電磁弁である。、そして、25aは吸着コア冷却器25を迂回するバイパス回路25bを開閉する電磁弁であり、31bはヒータコア(暖房用熱交換器)31に流入するエンジン冷却水(冷却液)の流通状態を制御する電磁弁であり、これら電磁弁22b、72a、25a、31aの開閉は電子制御装置44により制御される。
【0070】
因みに、26aは発熱機器260の温度を検出する温度センサ(温度検出手段)であり、電子制御装置44は、温度センサ26aの検出値に基づいて発熱機器260の温度が所定温度以上に上昇することがないように圧縮機21の稼働状態を制御している。
また、50aは圧縮機21の吐出側の冷媒温度を検出する温度センサ(温度検出手段)であり、34aは電動ポンプ34によって循環させられる熱交換流体の温度を検出する温度センサであり、これらセンサ50a、34aの検出信号は電子制御装置44に入力されている。
【0071】
ところで、図10は空調コントロールパネル52の正面図であり、52aは開口部切替ドア10、11、12の作動設定をする吹出口切替レバーであり、52bは内外気切替ドア6の作動設定をする内外気切替レバーである。52cは車室内に吹き出す空調風の温度を設定する温度コントロールレバーであり、52dは送風機3の送風量を設定する風量設定レバーである。
【0072】
また、52eは蒸気圧縮式冷凍サイクル200または吸着式冷凍サイクル100を稼働させるエアコンスイッチ(A/Cスイッチ)であり、52fは後述するエコノミーモード運転をするか否かの指示設定を行うエコノミースイッチ(ECOスイッチ)である。そして、これらスイッチ52e、52fおよび各レバー52a〜52dは車両乗員(操作員)の手動操作により設定される。
【0073】
次に、本実施形態の概略作動を説明する(図11参照)。
先ず、図示しない車両のイグニッションスイッチ(IGスイッチ)がON状態であるか否かを判定し(S101)、IGスイッチがON状態でない(OFF状態である)ときは、車両が停止しているとみなして車両用空調装置も停止させる(S111)。
【0074】
一方、IGスイッチがON状態であるときには、モータ3aに通電されているか否かを判定することにより送風機3(ブロワ)が稼働中であるか否か(ON状態であるかOFF状態であるか)を判定し(S102)、送風機3がOFF状態であると判定されたときには、冷房運転又は暖房運転を行わないものとみなして、発熱機器260の冷却のみを行うノーマル機器冷却モードを実行する(S112)。なお、ノーマル機器冷却モードの詳細については後述する。
【0075】
また、送風機3がON状態であると判定されたときには、A/Cスイッチ52eおよびECOスイッチ52fのON−OFF状態により、乗員が希望する車両空調装置の稼働状態を判定する(S103)。
そして、両スイッチが共にOFF状態であるときには、乗員が暖房運転を希望しているものとみなして、ヒータコア31において必要とされる必要暖房能力が不足しているか否を判定し(S104)、必要暖房能力が足りているもの判定されたときには、ノーマル暖房モードを実行し(S113)、必要暖房能力が不足しているものと判定されたときには、エンジン冷却水加熱モードを実行する(S114)。なお、ノーマル暖房モードおよびエンジン冷却水加熱モードの詳細については後述する。
【0076】
因みに、必要暖房能力が不足しているか否を判定は、温度コントロールレバー52cの設定値等から電子制御装置44にて決定される必要暖房能力に応じたエアミックスドア31aの開度、およびセンサ79により検出されたエンジン冷却水温度に基づいて判定されるものである。具体的には、図12に示すように、エアミックスドア31aについてのフラグ、およびエンジン冷却水温度についてのフラグが共に1の場合にのみ必要暖房能力が不足しているものと判定し、その他の場合は必要暖房能力が足りているものと判定する。
【0077】
また、図11のS103にて乗員によりECOスイッチ52fが投入(ON)されたものと判定されたときには、車両用空調装置が冷房運転状態にあるのか、暖房運転状態にあるのかを判定し(S105)、暖房運転状態にあると判定されたときにはS104を実行し、一方、冷房運転状態にあると判定されたときにはノーマル吸着冷房モードを実行する(S115)。なお、ノーマル吸着冷房モードの詳細については後述する。
【0078】
因みに、本実施形態では、エアミックスドア31aの開度が所定開度(例えば50%)以上であるか否かによって、車両用空調装置が冷房運転状態にあるのか、暖房運転状態にあるのかを判定している。
また、S103にてA/Cスイッチ52eが投入(ON)されたものと判定されたときには、S105と同様な手法により車両用空調装置が冷房運転状態にあるのか、暖房運転状態にあるのかを判定し(S106)、暖房運転状態にあると判定されたときにはS104を実行し、一方、冷房運転状態にあると判定されたときには、室内熱交換器16において必要とされる必要冷凍能力が不足しているか否を判定する(S107)。
【0079】
そして、必要冷凍能力が足りていると判定されたときにはノーマル吸着冷房モードを実行し(S115)、必要冷凍能力が不足している判定されたときには、温度センサ80(図9参照)によって検出された実際に車室内に吹き出される空気の温度(実吹出空気温度)が所定温度(例えば35℃)未満であるか否かを判定する(S108)。
【0080】
因みに、必要冷凍能力が不足しているか否を判定は、温度コントロールレバー52cの設定値等から電子制御装置44にて決定される目標吹出空気温度と実吹出空気温度との温度差に基づいて判定されるものである。具体的には、図13に示すように、両吹出空気温度の差についてのフラグが1の場合に必要冷凍能力が不足しているものと判定し、フラグが0の場合は必要冷凍能力が足りているものと判定する。
【0081】
また、図11のS108にて実吹出空気温度が所定温度(35℃)未満であると判定されたときには、蒸気圧縮式冷凍サイクル200により吸着式冷凍サイクル100の冷凍能力を補完(サポート)する必要があるものとみなして、吸着コア冷却冷房モード(S116)、水加熱・吸着コア冷却モード(S117)およびエンジン冷却水加熱冷房モード(S118)のうちいずれの補完モード(サポートモード)を実行するかを決定する(S109)。
【0082】
一方、実吹出空気温度が所定温度(35℃)以上であると判定されたときには、急速に車室内を冷却(冷房)する必要があるものとみなして、クールダウンモードを実行する(S119)。なお、吸着コア冷却冷房モード、水加熱・吸着コア冷却モード(S117)、エンジン冷却水加熱冷房モードおよびクールダウンモードの詳細については後述する。
【0083】
因みに、S109における判定は、図14に示すように、外気温度(外気温センサ46の検出温度)についてのフラグ、およびエンジン冷却水温度(センサ79の検出温度)についてのフラグに基づいて決定される。具体的には、エンジン冷却水温度についてのフラグが1の場合には吸着コア冷却冷房モードが選定され、外気温度についてのフラグおよびエンジン冷却水温度についてのフラグが共に0の場合にはエンジン冷却水加熱冷房モードが選定され、外気温度についてのフラグが1、かつ、エンジン冷却水温度についてのフラグが0の場合には水加熱・吸着コア冷却モードが選定される。
【0084】
以下、各モードについて説明する。
1.ノーマル機器冷却モード(図15、16参照)
ノーマル機器冷却モードは、発熱機器260の冷却だけを蒸気圧縮冷凍サイクル200で行うモードである。
具体的には、蒸気圧縮式冷凍サイクル200の冷媒(以下、この冷媒を循環冷媒と呼ぶ。)を、圧縮機21、冷却水加熱器75、凝縮器22、温度式膨張弁24、吸着コア・蒸発凝縮器冷却器25、発熱機器冷却器26およびアキュームレータ21bに循環させる。
【0085】
このとき、電磁弁35が開いているため、エンジン冷却水が冷却水加熱器75内に流入しないので、循環冷媒とエンジン冷却水との間で熱交換が行われず、循環冷媒が凝縮器22にて冷却されて凝縮する。
また、電動ポンプ34が停止しているため、吸着剤Sと循環冷媒との間で熱交換が行われないので、循環冷媒は吸着コア・蒸発凝縮器冷却器25にて蒸発することなく発熱機器冷却器26に流入し、発熱機器冷却器26にて発熱機器260から熱を奪って蒸発する。
【0086】
なお、ノーマル機器冷却モードは、発熱機器260を冷却するものであるので、車両が走行可能状態にあるときは、必ず実行されるモードである。
2.ノーマル暖房モード(図15、16参照)
ノーマル暖房モードは、エンジン排熱を利用して暖房を行うモードである。
具体的には、エンジンEで加熱されたエンジン冷却水をヒータコア31に循環させるものであり、エンジンEの稼働時にはエンジンE内に内蔵されたウォータポンプ(図示しない)によりエンジン冷却水を循環させ、エンジンE停止時には電動ポンプ33によりエンジン冷却水を循環させる。
【0087】
これにより、走行用電動モータを有していない通常の車両と同様な暖房運転を行いながら発熱機器260の冷却が行われる。
3.エンジン冷却水加熱暖房モード(図15、16参照)
エンジン冷却水加熱暖房モードは、蒸気圧縮式冷凍サイクル200の排熱により暖房能力の補助(補完)を行うモードである。
【0088】
具体的には、電磁弁22bを開くとともに、電磁弁78aを閉じることによりエンジン冷却水と循環冷媒との間で熱交換を行い、蒸気圧縮式冷凍サイクル200の排熱をエンジン冷却水に吸熱させて暖房能力の補助(補完)を行う。
これにより、エンジン冷却水温度が低く暖房能力が不足するときには、発熱機器260の排熱および圧縮機21の圧縮仕事に相当する熱により、暖房能力が補助される。
【0089】
4.ノーマル吸着冷房モード(図15、16参照)
ノーマル吸着冷房モードは、吸着式冷凍サイクル100のみにて冷房運転を行うモードである。
なお、吸着式冷凍サイクル100の作動は上記実施形態と同様であるため、本実施形態では、吸着式冷凍サイクル100の作動説明は省略する。
【0090】
これにより、ノーマル吸着冷房モードでは、エンジン排熱による吸着剤Sの加熱および外気による吸着剤Sの冷却のみによって冷房運転が行われるので、消費動力0で冷房運転をすることができる。
5.吸着コア冷却冷房モード(図15、16参照)
吸着コア冷却冷房モードは、蒸気圧縮冷凍サイクル100で冷却された熱交換流体にて吸着工程にある吸着剤Sを冷却することで、吸着剤Sの吸着作用を促進させて吸着工程にある密閉容器内の冷媒(以下、この冷媒を吸着冷媒と呼ぶ。)の蒸発を促進させ、吸着式冷凍サイクル100の冷凍能力不足を補助(補完)するものである。
【0091】
具体的には、電磁弁72aを開き、電磁弁25aを閉じる。これにより、蒸気圧縮冷凍サイクル100で冷却された熱交換流体は、ラジエータ72を迂回して外気にて加熱されることなく、吸着工程にある吸着コアの熱交換部を流通するので、吸着剤Sが効率良く冷却される。
したがって、このモードでは、外気温度が高いときであっても、吸着式冷凍サイクルの冷凍能力が低下することを防止して、安定的に冷凍能力を発揮させながら冷房運転をすることができる。
【0092】
なお、蒸気圧縮式冷凍サイクル200にて冷却された熱交換流体の温度(温度センサ34aの検出温度)が外気温度より高いときには、電磁弁72aを開くことにより、ラジエータ72にて熱交換流体をさらに冷却してもよい。
6.エンジン冷却水加熱冷房モード(図15、16参照)
エンジン冷却水加熱冷房モードは、吸着式冷凍サイクル100において吸着剤に吸着された吸着冷媒を脱着(脱離)させるに必要な熱(エンジン排熱)が不足したときに、蒸気圧縮冷凍サイクル200の排熱(発熱機器260の排熱および圧縮機21の圧縮仕事分の熱)をエンジン冷却水に向けて放熱することにより、吸着冷媒を脱着を促進させ、吸着式冷凍サイクル100の冷凍能力が低下することを防止するものである。
【0093】
具体的には、電磁弁78aを閉じるとともに、電磁弁25aを開くことにより、エンジン冷却水加熱暖房モードと同様に、循環冷媒とエンジン冷却水との間で熱交換が行われてエンジン冷却水が加熱されるので、脱着工程にある吸着剤Sの脱着作用が促進される。
したがって、エンジン排熱が不足し、吸着式冷凍サイクル100の脱着工程が抑制されて冷凍能力が不足したときであっても、発熱機器260の排熱等により吸着式冷凍サイクル100の冷凍能力を補助(補完)することができる。
【0094】
7.水加熱・吸着冷却モード(図15、16参照)
水加熱・吸着冷却モードは、吸着コア冷却冷房モードとエンジン冷却水加熱冷房モードを組み合わせたモードである。
具体的には、電磁弁72aを開き、電磁弁25aを閉じ、かつ、電磁弁78aを閉じることで、蒸気圧縮式冷凍サイクル200により吸着工程にある吸着剤Sの冷却を補助しつつ、脱着工程にある吸着剤Sの加熱を補助する。
【0095】
これにより、外気温度が高くかつエンジン排熱が不足するときであっても、蒸気圧縮冷凍サイクルの補助(サポート)により吸着式冷凍サイクル100の冷凍能力の低下を補助(補完)することができる。
8.クールダウンモード(図15、16参照)
クールダウンモードは、吸着式冷凍サイクルの冷凍能力を利用ぜず、蒸気圧縮冷凍サイクル200にて冷却された熱交換流体を直接に室内熱交換器16に流通させることにより、車室内の急速冷房を図るものである。。
【0096】
つまり、四方弁36、38、37を図1(B)中の実線位置、四方弁39を破線位置に固定するとともに(第1、第2行程の交互運転は行わない)、電磁弁72aを開き、かつ、電磁弁25aを閉じることで、熱交換流体が、四方弁38、第2蒸発凝縮器70、四方弁39、電動ポンプ35、室内熱交換器16、四方弁38、第1蒸発凝縮器60、電磁弁72a、吸着コア・蒸発凝縮器冷却器25および電動ポンプ34間を循環する。
【0097】
一方、循環冷媒は、エンジン冷却水と熱交換することなく凝縮器22に流入して凝縮器22にて凝縮する。その後、温度式膨張弁24にて減圧された循環冷媒は、吸着コア・蒸発凝縮器冷却器25にて蒸発して熱交換流体を冷却するとともに、発熱機器冷却器26にて発熱機器260を冷却する。
これにより、蒸気圧縮冷凍サイクル100により車室内を急速に冷却することができる。
【0098】
なお、本実施形態では、実吹出空気温度が所定温度以上の場合にクールダウンモードを実行することとしているが、エンジン始動直後等のエンジン冷却水の温度が低く、吸着式冷凍サイクル100の冷凍能力が小さいときに、クールダウンモードを実行するように構成してもよい。
次に、本実施形態の特徴を述べる。
【0099】
本実施形態によれば、S107にて室内熱交換器16において必要とされる必要冷凍能力を検出する必要冷凍能力検出手段を構成しているとともに、必要冷凍能力が所定能力以上の場合に、吸着状態にある吸着剤Sを蒸気圧縮式冷凍サイクル200により冷却する吸着コア冷却冷房モードおよび水加熱・吸着冷却モード(冷凍能力補完手段)を有しているので、前述のごとく、吸着式冷凍サイクル100の冷凍能力不足を補うことができる。
【0100】
また、必要冷凍能力が所定能力以上の場合に、前述のごとく、蒸気圧縮式冷凍サイクル200が発揮する冷凍能力を室内熱交換器16に供給するクールダウンモード(冷凍能力補完手段)を有しているので、車室内を急速に冷却することができる。
また、必要冷凍能力が所定能力以上の場合に、脱着工程にある吸着剤Sを循環冷媒により加熱するエンジン冷却水加熱冷房モードおよび水加熱・吸着冷却モード(冷凍能力補完手段)を有しているので、前述のごとく、吸着式冷凍サイクル100の冷凍能力不足を補うことができる。
【0101】
以上に述べたように、本実施形態では、外気温度が高い場合やエンジン排熱が不足するときに発生する冷房能力(冷凍能力)不足に対しても、その不足する冷凍能力に応じて蒸気圧縮冷凍サイクル200にて補助(サポート)するので、冷凍能力不足を補うことができる。
また、本実施形態に係る車両用空調装置では、吸着式冷凍サイクル100では十分な冷凍能力を発揮することが困難なエンジン始動直後においても、十分な冷凍能力を車室内に対して供給することができる。
【0102】
また、発熱機器260の冷却を蒸気圧縮式冷凍サイクル200で行っているので、外気温度やエンジン冷却水温度等に影響されることなく、発熱機器260を安定的に冷却することができる。
また、吸着式冷凍サイクル100の冷凍能力が不足したときに、蒸気圧縮式冷凍サイクル200にて冷房運転の補助を行うので、車両用空調の省動力化を図ることができる。
【0103】
また、エンジン冷却水温度が低く暖房能力が不足したときには、発熱機器260の排熱を暖房に利用しているので、省動力(省エネルギ)化を図りつつ、暖房能力不足を補うことができる。
さらに、本実施形態では、ECOスイッチ52fのON−OFF状態を判定するS103(冷凍能力補完手段)を有しているので、冷凍能力が不足したときに、蒸気圧縮式冷凍サイクル200による冷凍能力補助を実行するか否の選択を乗員がすることができる。したがって、乗員の選択により冷房運転時の省動力(省エネルギ)化をさらに進めることができる。
【0104】
(他の実施形態)
第1〜6実施形態では、発熱機器260と発熱機器冷却器26とを接触するように配置して、この接触部位を経て、発熱機器260の発する熱を発熱機器冷却器26にて吸熱させていたが、発熱機器260と発熱機器冷却器26との間に熱交換流体を循環させる流体循環路を設け、この流体循環路を流れる熱交換流体を介して、発熱機器260の発する熱を発熱機器冷却器26に移動させることにより、熱を発熱機器冷却器26に吸熱させてもよい。
【0105】
また、吸着コア・蒸発凝縮器冷却器25を、発熱機器冷却器26よりも上流に設けていたが、吸着コア・蒸発凝縮器冷却器25を、発熱機器冷却器26よりも下流に設けてもよい。
また、発熱機器260の冷却温度(換言すれば、発熱機器冷却器26を流れる冷媒温度)を検出する冷却温度センサを設け、この冷却温度センサの検出値と、目標冷却温度(発熱機器260表面での結露を防止可能な温度)との比較により、圧縮機21の回転数を制御してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明の第1実施形態における空調装置の全体構成図、(b)は第1実施形態の吸着式冷凍サイクルの構成図である。
【図2】第1実施形態における空気制御装置の電気ブロック図である。
【図3】第1実施形態における作動を示すフローチャートである。
【図4】第2実施形態における空調装置の全体構成図である。
【図5】(a)は第3実施形態における空調装置の全体構成図、(b)は第3実施形態の吸着式冷凍サイクルの構成図である。
【図6】第4実施形態における空調装置の全体構成図である。
【図7】第5実施形態における空調装置の全体構成図である。
【図8】第6実施形態における空調装置の全体構成図である。
【図9】第7実施形態における空調装置の全体構成図である。
【図10】空調コントロールパネルの正面図である。
【図11】第7施形態の概略作動を示すフローチャートである。
【図12】S104の説明図である。
【図13】S107の説明図である。
【図14】S109の説明図である。
【図15】電磁弁の作動を示す図表である。
【図16】電動ポンプの作動を示す図表である。
【符号の説明】
100…吸着式冷凍サイクル、20、30…吸着コア、
60、70…蒸発凝縮器(蒸発器、凝縮器)、
200…蒸気圧縮式冷凍サイクル、21…圧縮機、22…凝縮器、
24…膨張弁(減圧手段)、
25…吸着コア・蒸発凝縮器冷却器(吸着コア冷却器)、
26…発熱機器冷却器、260…発熱機器。

Claims (11)

  1. 冷却されることにより冷媒を吸着し、加熱されることにより冷媒を脱着する吸着コア(20、30)と、この吸着コア(20、30)が冷媒を吸着するとき冷媒を蒸発させる蒸発器(60、70)と、前記吸着コア(20、30)が冷媒を脱着するとき冷媒を凝縮させる第1凝縮器(70、60)とを包含する吸着式冷凍サイクル(100)と、
    冷媒を圧縮する圧縮機(21)と、この圧縮機(21)からの冷媒を凝縮する第2凝縮器(22)と、この第2凝縮器(22)からの冷媒を減圧する減圧手段(24、240)と、この減圧手段(24、240)からの冷媒に、前記吸着コア(20、30)における冷媒の吸着熱を吸熱させて、冷媒を蒸発させる吸着コア冷却器(25)と、前記減圧手段(24、240)からの冷媒に、発熱機器(260)の発する熱を吸熱させて、冷媒を蒸発させる発熱機器冷却器(26)とを包含する蒸気圧縮式冷凍サイクル(200)とを備え、
    前記吸着コア冷却器(25)に前記吸着熱を吸熱させることにより、前記吸着コア(20、30)を冷却し、前記発熱機器冷却器(26)に前記発熱機器(260)の発する熱を吸熱させることにより、前記発熱機器(260)を冷却することを特徴とする冷凍装置。
  2. 前記吸着コア(20、30)と、前記吸着コア冷却器(25)との間に熱交換流体を循環させる冷却用流体循環路(c、g)を備え、
    前記冷却用流体循環路(c、g)を流れる熱交換流体を介して、前記吸着熱を前記吸着コア冷却器(25)へ移動させることにより、前記吸着コア冷却器(25)に前記吸着熱を吸熱させることを特徴とする請求項1に記載の冷凍装置。
  3. 前記冷却用流体循環路(c、g)に前記第1凝縮器(70、60)を接続し、
    前記冷却用流体循環路(c、d、g)を流れる熱交換流体を介して、前記吸着熱、および、前記第1凝縮器(70、60)における冷媒の凝縮熱を、前記吸着コア冷却器(25)に移動させることにより、前記吸着コア冷却器(25)に前記吸着熱および前記凝縮熱を吸熱させることを特徴とする請求項2に記載の冷凍装置。
  4. 空冷式の放熱器(56)を備えており、この放熱器(56)を、前記冷却用流体循環路(c、d、g)に接続し、
    前記冷却用流体循環路(c、d、g)において、前記放熱器(56)をバイパスするバイパス回路(57)を設け、
    前記バイパス回路(57)における熱交換流体流れを断続する開閉手段(57a)を設け、
    前記冷却用流体循環路(c)を流れる熱交換流体の温度が所定温度以上のとき、前記開閉手段(57a)を閉じて、前記放熱器(56)に熱交換流体を循環させ、
    前記冷却用流体循環路(c)を流れる熱交換流体の温度が所定温度よりも小さいときは、前記開閉手段(57a)を開いてバイパス回路(57)に熱交換流体を循環させることを特徴とする請求項3に記載の冷凍装置。
  5. 空冷式の放熱器(72)を備えており、この放熱器(72)と、前記第1凝縮器(70、60)との間に熱交換流体を循環させる放熱用流体循環路(d)を設け、
    前記放熱用流体循環路(d)を流れる熱交換流体を介して、前記第1凝縮器(70、60)における冷媒の凝縮熱を前記放熱器(72)に移動させることにより、前記放熱器(72)にて前記凝縮熱を放熱させることを特徴とする請求項1または2に記載の冷凍装置。
  6. 冷却されることにより冷媒を吸着し、加熱されることにより冷媒を脱着する吸着コア(20、30)と、この吸着コア(20、30)が冷媒を吸着するとき冷媒を蒸発させる蒸発器(60、70)と、前記吸着コア(20、30)が冷媒を脱着するとき冷媒を凝縮させる第1凝縮器(70、60)とを包含する吸着式冷凍サイクル(100)と、
    冷媒を圧縮する圧縮機(21)と、この圧縮機(21)からの冷媒を凝縮する第2凝縮器(22)と、この第2凝縮器(22)からの冷媒を減圧する減圧手段(24、240)と、この減圧手段(24、240)からの冷媒に、前記吸着コア(20、30)における冷媒の吸着熱を吸熱させて、冷媒を蒸発させる蒸気圧縮式用蒸発器(25)とを包含する蒸気圧縮式冷凍サイクル(200)と、
    前記吸着熱を放熱させる空冷式の放熱器(72)とを備え、
    前記蒸気圧縮式用蒸発器(25)に前記吸着熱を吸熱させることにより、前記吸着コア(20、30)を冷却するとともに、前記放熱器(72)にて前記吸着熱を放熱させることにより、前記吸着コア(20、30)を冷却することを特徴とする冷凍装置。
  7. 冷却されることにより冷媒を吸着し、加熱されることにより冷媒を脱着する吸着コア(20、30)と、この吸着コア(20、30)が冷媒を吸着するとき冷媒を蒸発させる蒸発器(60、70)と、吸着コア(20、30)が冷媒を脱着するとき冷媒を凝縮させる第1凝縮器(70、60)とを包含する吸着式冷凍サイクル(100)と、
    冷媒を圧縮する圧縮機(21)と、この圧縮機(21)からの冷媒を凝縮する第2凝縮器(22)と、この第2凝縮器(22)からの冷媒を減圧する減圧手段(24、240)と、この減圧手段(24、240)からの冷媒に、前記吸着コア(20、30)における冷媒の吸着熱を吸熱させて、冷媒を蒸発させる蒸気圧縮式用蒸発器(25)とを包含する蒸気圧縮式冷凍サイクル(200)と、
    前記第1凝縮器(70、60)における冷媒の凝縮熱を放熱させる空冷式の放熱器(72)とを備え、
    前記蒸気圧縮式用蒸発器(25)に前記吸着熱を吸熱させることにより、前記吸着コア(20、30)を冷却するとともに、前記放熱器(72)にて前記凝縮熱を放熱させることにより、前記第1凝縮器(70、60)を冷却することを特徴とする冷凍装置。
  8. 冷却されることにより冷媒を吸着し、加熱されることにより冷媒を脱着する吸着コア(20、30)と、この吸着コア(20、30)が冷媒を吸着するとき冷媒を蒸発させる蒸発器(60、70)と、前記吸着コア(20、30)が冷媒を脱着するとき冷媒を凝縮させる第1凝縮器(70、60)とを包含する吸着式冷凍サイクル(100)と、
    冷媒を圧縮する圧縮機(21)と、この圧縮機(21)からの冷媒を凝縮する第2凝縮器(22)と、この第2凝縮器(22)からの冷媒を減圧する減圧手段(24、240)と、この減圧手段(24、240)からの冷媒に、前記吸着コア(20、30)における冷媒の吸着熱を吸熱させて、冷媒を蒸発させる蒸気圧縮式用蒸発器(25)とを包含する蒸気圧縮式冷凍サイクル(200)と、
    前記吸着コア(20、30)が冷媒を脱着するとき、前記吸着コア(20、30)にエンジン冷却水を循環させる冷却水循環路(a)と、
    前記圧縮機(21)の吐出側の冷媒から前記エンジン冷却水に放熱して、前記エンジン冷却水を加熱する冷却水加熱器(75)とを備え、
    前記エンジン冷却水の温度が低いとき、前記冷却水加熱器(75)において前記エンジン冷却水を加熱することを特徴とする冷凍装置。
  9. 冷媒を圧縮蒸発させることにより冷凍能力を得とともに、発熱機器(260)を冷却する蒸気圧縮式冷凍サイクル(300)と、
    冷凍能力を発揮するとともに、蒸発した蒸気冷媒を吸着する吸着剤(S)が収納された吸着器(20、30)を有する吸着式冷凍サイクル(100)と、
    前記吸着式冷凍サイクル(100)より冷凍能力を得て、室内の冷房を行う室内熱交換器(16)と、
    前記室内熱交換器(16)において必要とされる必要冷凍能力を検出する必要冷凍能力検出手段(S107)と、
    前記必要冷凍能力が所定能力以上の場合に、吸着工程にある前記吸着剤(S)を前記蒸気圧縮式冷凍サイクル(200)により冷却する冷凍能力補完手段(S116、S117)とを有することを特徴とする空調装置。
  10. 冷媒を圧縮蒸発させることにより冷凍能力を得とともに、発熱機器(260)を冷却する蒸気圧縮式冷凍サイクル(200)と、
    冷凍能力を発揮するとともに、蒸発した蒸気冷媒を吸着する吸着剤(S)が収納された吸着器(20、30)を有する吸着式冷凍サイクル(100)と、
    前記吸着式冷凍サイクル(100)より冷凍能力を得て、室内の冷房を行う室内熱交換器(16)と、
    前記室内熱交換器(16)において必要とされる必要冷凍能力を検出する必要冷凍能力検出手段(S107)と、
    前記必要冷凍能力が所定能力以上の場合に、脱着工程にある前記吸着剤(S)を前記蒸気圧縮式冷凍サイクル(200)内を循環する冷媒により加熱する冷凍能力補完手段(S117、S118)とを有することを特徴とする空調装置。
  11. 冷媒を圧縮蒸発させることにより冷凍能力を得とともに、発熱機器(260)を冷却する蒸気圧縮式冷凍サイクル(200)と、
    冷凍能力を発揮するとともに、蒸発した蒸気冷媒を吸着する吸着剤(S)が収納された吸着器(20、30)を有する吸着式冷凍サイクル(100)と、
    前記吸着式冷凍サイクル(100)より冷凍能力を得て、室内の冷房を行う室内熱交換器(16)と、
    前記室内熱交換器(16)において必要とされる必要冷凍能力を検出する必要冷凍能力検出手段(S107)と、
    前記必要冷凍能力が所定能力以上の場合に、前記蒸気圧縮式冷凍サイクル(200)が発揮する冷凍能力を前記室内熱交換器(16)に供給する冷凍能力補完手段(S119)とを有することを特徴とする空調装置。
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