JP2017161108A - 吸着式冷凍システム、および車両用の空調装置 - Google Patents

吸着式冷凍システム、および車両用の空調装置 Download PDF

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Abstract

【課題】稼働頻度を高めた吸着式冷凍システムを提供する。【解決手段】温度に応じて冷媒M1の吸着/脱着が可能な吸着材が充填された複数の吸着器5A、5Bと、吸着器5A、5Bの各々に供給する熱交換媒体を、循環路7を循環する熱交換媒体M3と、循環路6を循環する熱交換媒体の間で切り換えて、吸着器5A、5Bの各々での冷媒M1の吸着/脱着を制御する制御装置と、を有する吸着式冷凍システム2において、制御装置は、循環路7を循環する熱交換媒体M3の温度が、所定温度未満である場合に、循環路7を循環する熱交換媒体M3を吸着器5A、5Bの各々に供給すると共に、吸着器5A、5Bの各々で冷媒M1の吸着を平行して実施して、循環路7を循環する熱交換媒体M3を、冷媒M1を吸着した吸着材の吸着熱で加熱する構成とした。【選択図】図2

Description

本発明は、吸着式冷凍システム、および車両用の空調装置に関する。
特許文献1には、車両のラジエータから排熱される熱量を利用して駆動する吸着式冷凍システムが開示されている。
特開平4−194561号公報
この吸着式冷凍システムでは、車両のラジエータから排熱されていたエンジンの熱量を、温度に応じて冷媒の脱着/吸着を行う吸着材の加熱に利用している。
そして、この吸着式冷凍システムでは、吸着材への冷媒の吸着を利用して、エバポレータでの冷媒の蒸発を行っており、この吸着式冷凍システムを備える車両用の空調装置では、エバポレータとクーラコアとの間を循環する熱交換媒体を、エバポレータでの冷媒の蒸発を利用して冷却し、冷却された熱交換媒体とクーラコアを通過する空気との間での熱交換により、車室内に供給される空気を冷却している。
しかし、吸着式冷凍システムは、車両用の空調装置の冷房運転時での使用を前提としており、例えば冬季のように冷房運転の機会がないときには、稼動されずに停止している。
そのため、冷房運転時以外での吸着式冷凍システムの稼働頻度を高めることが求められている。
本発明は、
温度に応じて冷媒の吸着/脱着が可能な吸着材が充填された複数の吸着器と、
加熱用の熱交換媒体が循環する第1循環路と、
冷却用の熱交換媒体が循環する第2循環路と、
前記吸着器の各々に供給する熱交換媒体を、前記第1循環路を循環する熱交換媒体と、前記第2循環路を循環する熱交換媒体の間で切り換えて、前記吸着器の各々での前記冷媒の吸着/脱着を制御する制御手段と、を有する吸着式冷凍システムにおいて、
前記制御手段は、
前記第1循環路を循環する熱交換媒体の温度が、所定温度未満である場合に、前記第1循環路を循環する熱交換媒体を前記吸着器の各々に供給すると共に、前記吸着器の各々で前記冷媒の吸着を平行して実施して、前記第1循環路を循環する熱交換媒体を、吸着熱で加熱することを特徴とする吸着式冷凍システム。
本発明によれば、第1循環路を循環する熱交換媒体が、吸着器を通過する際に吸着熱で加熱されるので、第1循環路を循環する熱交換媒体の温度が上昇することになる。
そして、吸着器の各々で平行して冷媒の吸着が実施されるので、各吸着器に分配された第1循環路の熱交換媒体は、吸着器の各々で加熱された後に回収されることになる。
よって、吸着熱による熱交換媒体の加熱効率が向上するので、吸着器を通過する熱交換媒体の温度を、速やかに上昇させることができる。
よって、第1循環路を循環する加熱された熱交換媒体により、他の機器を暖機することができるので、例えば、冬季における起動直後の他の機器の暖機を速やかに行うことができ、冷房運転時以外での吸着式冷凍システムの稼働頻度を高めることができる。
実施の形態にかかる吸着式冷凍システムを備える車両用の空調装置の概略図である。 吸着式冷凍システムをクールダウンモードで使用している場合を説明する図である 吸着式冷凍システムを暖機モードで使用している場合を説明する図である。 吸着式冷凍システムを遷移モード1で使用している場合を説明する図である。 吸着式冷凍システムを蓄熱モードで使用している場合を説明する図である。 吸着式冷凍システムを遷移モード2で使用している場合を説明する図である。 吸着式冷凍システム2の使用例を説明するフローチャートである。
以下、本発明の実施の形態を説明する。
図1は、実施の形態にかかる吸着式冷凍システム2を備える車両用の空調装置1の概略図であって、(a)は、吸着式冷凍システム2を通常冷房モードで使用している場合の冷媒M1や熱交換媒体M2、M3の流れを説明する図であり、(b)は、空調装置1が備える制御装置9を説明する図である。
なお、図1の(a)では、吸着器5の容器51に収容された吸着材Sの一部のみを示している。
車両用の空調装置1では、車室内に吹き出す空気Air(空調空気)の流路R1上にクーラコア79とヒータコア73とが設けられており、クーラコア79を通過する空気Airと、クーラコア79内を通流する熱交換媒体M4との間での熱交換により、クーラコア79を通過する空気Airを冷却するようになっている。
そして、空気Airとの熱交換により暖められた熱交換媒体M4は、クーラコア79からエバポレータ3に戻されて、エバポレータ3が備える蒸発コア3aで冷却されたのち、クーラコア79に再び供給されて、クーラコア79を通過する空気Airとの間での熱交換に利用されるようになっている。
エバポレータ3では、循環路20を介してコンデンサ4側から供給された冷媒M1を減圧下で蒸発させて、冷媒M1が蒸発する際の気化熱で、クーラコア79側から戻された熱交換媒体M4を冷却するように構成されている。
冷媒M1の循環路20では、エバポレータ3の下流側に、2つの吸着器5(5A、5B)が並列に設けられている。
なお、以下の説明においては、吸着器5A、5Bを特に区別しない場合には、単純に吸着器5と標記する。
吸着器5では、吸着材Sが充填された容器51の内部に、熱交換コア52が設けられている。
この熱交換コア52は、循環路6側から供給された冷却用の熱交換媒体M2と、循環路7側から供給された加熱用の熱交換媒体M3のうちの一方が通流するようになっており、容器51内の吸着材Sは、熱交換コア52を通流する熱交換媒体M2、M3との熱交換により、冷却/加熱されるようになっている。
吸着材Sは、温度に応じて冷媒M1の吸着/脱着が可能な有機系、または無機系の吸着材であり、熱交換媒体M2、M3との間での熱交換により、吸着材Sを冷却/加熱すると、吸着材Sに対する冷媒M1の吸着/脱着が行えるようになっている。
ここで、本明細書における用語「吸着材」は、冷媒M1を保持(吸着)する特性を有する有機系の高分子材料や無機材料であって、この材料の表面に、冷媒M1を吸着させるもの(一般的な吸着材)だけではなく、材料の内部に冷媒M1を収容するもの(いわゆる収着材)の両方を意味している。
また、実施の形態では、循環路20を通流する冷媒M1として、例えば水を用いており、循環路6、7を通流する熱交換媒体M2、M3、M4として、例えば、水にエチレングリコール系の不凍液を混合した流体を用いている。
この吸着器5を備える吸着式冷凍システム2では、吸着器5において吸着材Sへの冷媒M1の吸着を実施すると、冷媒M1の吸着で生じた負圧により、エバポレータ3側から冷媒M1が吸引されて、エバポレータ3での冷媒M1の蒸発が行われるようになっている。
ここで、吸着材Sへの冷媒M1の吸着量が飽和して、冷媒M1の吸着ができなくなると、エバポレータ3側から冷媒M1を吸引できなくなって、エバポレータ3での冷媒M1の蒸発が停止してしまう。
そのため、吸着式冷凍システム2には、2つの吸着器5(5A、5B)が設けられており、空調装置1の冷房運転時(通常冷房モード)には、一方の吸着器5Aで冷媒M1の吸着を行っている間、他方の吸着器5Bで吸着材Sからの冷媒M1の脱着が行われるようになっている。
そして、制御装置9(図1の(b)参照)が、温度センサや圧力センサの出力信号などに基づいて、切替弁21、22と、開閉弁23(23A、23B)、24(24A、24B)を制御することで、冷媒M1の吸着を行う吸着器5を、吸着器5Aと吸着器5Bの間で交互に切り替えて、エバポレータ3での冷媒M1の蒸発を連続して行えるようにしている。
冷媒M1の循環路20では、吸着器5の下流側にコンデンサ4が設けられており、吸着材Sから脱着した気体状の冷媒M1が、このコンデンサ4のコア4aにおける熱交換媒体M2との熱交換により冷却されて、気体状態から液体状態に凝縮するようになっている。
さらに、循環路20では、コンデンサ4の下流側に、コンデンサ4からの冷媒M1を溜めると共に、冷媒M1を気液に分離するリキッドタンク(図示せず)と、冷媒M1を減圧する膨張弁(図示せず)と、が設けられており、膨張弁で減圧された低温低圧の冷媒M1は、前記したエバポレータ3に再び供給されて、エバポレータ3内で蒸発するようになっている。
このように、吸着式冷凍システム2では、冷媒M1が、吸着材Sへの冷媒M1の吸着と脱着を利用して、循環路20内を循環するようになっており、循環路20に沿って吸着式冷凍サイクルが形成されている。
吸着式冷凍システム2では、吸着器5の熱交換コア52を通流する熱交換媒体が、冷却用の熱交換媒体M2と、加熱用の熱交換媒体M3との間で切り替えられて、吸着器5内の吸着材Sの冷却/加熱が行われるようになっている。
そのため、吸着器5(5A、5B)の熱交換コア52の上流側と下流側には、各吸着器5(5A、5B)の熱交換コア52の接続先を、冷却用の熱交換媒体M2が通流する循環路6と、加熱用の熱交換媒体M3が通流する循環路7との間で切り替えるための切替弁55、56が設けられている。
実施の形態では、熱交換コア52の接続先の切り替えを、空調装置1が備える制御装置9が、切替弁55、56を操作することで実施している。
冷却用の熱交換媒体M2の循環路6には、熱交換器60(サブラジエータ)と、コンデンサ4と、図示しないポンプと、が設けられており、熱交換器60での熱交換により冷却された熱交換媒体M2が、循環路6を通って吸着器5(5A、5B)側に供給されるようになっている。
この循環路6では、吸着器5(5A、5B)の下流側に、CAC(Charge Air Cooler)が設けられており、吸着器5(5A、5B)を通過した熱交換媒体M2が、CACを通って、熱交換器60に循環して、熱交換器60において冷却されるようになっている。
循環路6では、吸着器5(5A、5B)をバイパスするバイパス路61が設けられており、吸着器5(5A、5B)側に熱交換媒体M2を供給する必要がない場合には、熱交換器60で冷却された熱交換媒体M2が、バイパス路61を通ってCAC側に供給されるように、制御装置9が切替弁65、66を操作するようになっている。
加熱用の熱交換媒体M3の循環路7は、エンジンENGの冷却用の媒体が通流する循環路であり、実施の形態では、エンジンENGの排熱で加熱された高温の熱交換媒体M3で、吸着器5(5A、5B)内の吸着材Sが加熱されるようになっている。
循環路7では、エンジンENGの下流側に、排熱回収器81が設けられている。
この排熱回収器81は、エンジンENGから延びる排気ガス管8の途中に設けられており、循環路7を通流する熱交換媒体M3と、排気ガス管8から排出される高温の排気ガスとの熱交換により、熱交換媒体M3の加熱が行えるようになっている。
排熱回収器81の下流側には、ヒータコア73が設けられており、このヒータコア73は、前記した流路R1内で、クーラコア79の下流側に設置されている。
そのため、流路R1内を通流する空気Airが、ヒータコア73を通過する際に、排熱回収器81で加熱された熱交換媒体M3との熱交換により、加熱されるようになっている。
循環路7には、エンジンENGの上流側と下流側を接続する流路71が設けられている。この流路71には、熱交換器70(ラジエータ)と、図示しないポンプと、が設けられている。そして、吸着器5(5A、5B)側に熱交換媒体M3を供給する必要がない場合には、制御装置9が、切替弁77、78を操作して、熱交換媒体M3を、流路71側のみを通流させることができるようになっている。
さらに、循環路7では、排熱回収器81とヒータコア73を迂回するバイパス路72が設けられており、例えばエンジンENGの暖機時に、切替弁75、76で流路を切り替えて、バイパス路72内を熱交換媒体M3が通流するようにすることで、エンジンENGを通過した熱交換媒体M3が、吸着器5側に直接供給されるようになっている。
また、前記した切替弁55、56の間に、吸着器5Bを迂回するバイパス路59が設けられており、制御装置9が、切替弁57、58を操作して、熱交換媒体M3がバイパス路59を通流するようにすると、熱交換媒体M3が、吸着器5Bを通らずに、エンジンENG側に到達するようになっている。
空調装置1では、制御装置9が、各吸着器5(5A、5B)の熱交換コア52に供給される熱交換媒体を、循環路7を通流する熱交換媒体M3と、循環路6を通流する熱交換媒体M2との間で切り替えつつ、各吸着器5(5A、5B)での冷媒M1の吸着/脱着を制御するようになっている。
実施の形態では、空調装置1での吸着式冷凍システム2の使用態様として、前記した(1)通常冷房モードの他に、(2)クールダウンモードと、(3)暖機モードと、(4)暖機モードを終了した時点で実施される遷移モード1と、(4)蓄熱モードと、(6)蓄熱モードを終了した時点で実施される遷移モード2と、が用意されている。
以下、各モード(2)〜(6)の制御態様を説明する。
図2は、吸着式冷凍システム2をクールダウンモードで使用している場合における冷媒M1や熱交換媒体M2、M3の流れを説明する図である。
図3は、吸着式冷凍システム2を暖機モードで使用している場合における冷媒M1や熱交換媒体M2、M3の流れを説明する図である。
図4は、吸着式冷凍システム2を遷移モード1で使用している場合における冷媒M1や熱交換媒体M2、M3の流れを説明する図である。
図5は、吸着式冷凍システム2を蓄熱モードで使用している場合における冷媒M1や熱交換媒体M2、M3の流れを説明する図である。
図6は、吸着式冷凍システム2を遷移モード2で使用している場合における冷媒M1や熱交換媒体M2、M3の流れを説明する図である。
(2)クールダウンモード
クールダウンモードは、夏季における冷房運転の開始時に実施される。
夏季における冷房運転の開始直後では、車室内が高温になっていることが多いので、冷房運転の開始直後の車室内の温度Trが、クールダウンモードを実施するか否かの判定用の閾値温度Th_rよりも高い場合に、車室内を適温まで速やかに冷房するために、クールダウンモードが実施される。
このクールダウンモードでは、吸着材Sへの冷媒M1の吸着が、吸着器5A、5Bで同時に実施される。
具体的には、制御装置9が、切替弁55、56、57、58を操作して、吸着器5A、5Bの熱交換コア52を、冷却用の熱交換媒体M2が通流する循環路6に接続する。
これにより、吸着器5A、5B内の吸着材Sが、冷却用の熱交換媒体M2により冷却されることになる。
そして、吸着器5A、5Bへの冷却用の熱交換媒体M2の供給と同時に、制御装置9が、切替弁21と開閉弁23(23A、23B)を操作して、吸着器5A、5Bと、エバポレータ3側とを連通させる。
これにより、吸着器5A、5Bにおいて、吸着材Sへの冷媒M1の吸着が平行して行われて、吸着により生じた負圧により、冷媒M1がエバポレータ3側から吸引される。
この吸引力は、一方の吸着器5A、5Bのみで吸着材Sへの冷媒M1の吸着を行う場合よりも強いので、エバポレータ3での冷媒M1の蒸発量が、一方の吸着器5A、5Bのみで吸着材Sへの冷媒M1の吸着を行う場合よりも多くなる。
その結果、エバポレータ3を通過する空気Airがより低温度に冷却されることになるので、車室内に供給される冷房(冷却)された空気の温度が、一方の吸着器5(吸着器5Aまたは吸着器5B)のみで吸着材Sへの冷媒M1の吸着を行う場合よりも低くなり、高温の車室内が、より速やかに適温まで冷房されることになる。
(3)暖機モード
暖機モードは、低温環境下でのエンジン始動時に実施される。
例えば冬季におけるエンジン始動直後では、エンジンENGが低温になっていることが多いので、エンジン始動直後のエンジンENGの冷却水(熱交換媒体M3)の温度T_M3が、暖機モードを実施するか否かの判定用の閾値温度Th_wよりも低い場合には、エンジンENGを速やかに暖機するために、暖機モードが実施される。
この暖機モードでは、吸着材Sへの冷媒M1の吸着による吸着熱で、熱交換媒体M3を加熱して、加熱された熱交換媒体M3でエンジンENGを暖める(暖機する)ようになっており、吸着材Sへの冷媒M1の吸着が、吸着器5A、5Bで平行して実施される。
具体的には、制御装置9が、切替弁21と開閉弁23(23A、23B)を操作して、吸着器5A、5Bと、エバポレータ3側とを連通させる。
これにより、吸着器5A、5Bにおいて、吸着材Sへの冷媒M1の吸着が平行して行われて、吸着により生じた負圧により、冷媒M1がエバポレータ3側から吸引される。
そして、吸着器5A、5Bでの吸着材Sへの冷媒M1の吸着開始と同時に、制御装置9が、切替弁55、56、57、58を操作して、吸着器5A、5Bの熱交換コア52を、熱交換媒体M3が通流する循環路7に接続する。
これにより、熱交換媒体M3が、熱交換コア52を通過する際に、吸着熱で発熱した吸着材Sとの熱交換により加熱されることになる。
そして、吸着器5A、5Bで加熱された熱交換媒体M3は、循環路7において吸着器5の後段に位置するエンジンENG内を通流するので、この際に、エンジンENGが熱交換媒体M3により暖められて暖機されることになる。
ここで、暖機モードの実施時には、エンジンENGの暖機を速やかに実施するために、制御装置9が、切替弁75、76を操作して、熱交換媒体M3が、排熱回収器81とヒータコア73を通らずに、バイパス路72を通って、エンジンENGと吸着器5の間のみを循環するようにしている。
冬季におけるエンジンENGの始動直後は、排気ガス管8を通流する排気ガスの温度も低いことが多いので、吸着器5A、5Bでの熱交換により加熱された熱交換媒体M3の熱量が、エンジンENGの暖機にのみ用いられるようにするためである。
そして、制御装置9が、排気ガス管8を通流する排気ガスの温度Tgが、当該排気ガスとの熱交換による熱交換媒体M3の加熱が可能な閾値温度Th1以上であるか否かを確認し、排気ガスの温度Tgが、閾値温度Th1以上となった時点で、熱交換媒体M3が排熱回収器81とヒータコア73を通流するように、制御装置9が、切替弁75、76を操作する。
これにより、熱交換媒体M3は、エンジンの排熱との熱交換に加えて、排気ガスとの熱交換により加熱されるので、排熱回収器81よりも下流側を通流する熱交換媒体M3の温度が、速やかに上昇することになる。
また、排気ガスとの熱交換により加熱された熱交換媒体M3は、ヒータコア73を通過する際に、当該ヒータコア73を通過する空気Airとの間で熱交換を行うので、ヒータコア73を通って車室内に供給される空気Airが、加熱されるようになっている。
なお、この暖機モードの実施時には、循環路6内の熱交換媒体M2を吸着器5(5A、5B)に供給する必要がないので、熱交換媒体M2が、熱交換器60と、コンデンサ4と、CAC(Charge Air Cooler)との間のみを循環するように、制御装置9が、切替弁65、66を操作することになる。
暖機モードでのエンジンENGの暖機が進むと、エンジンENG出口での熱交換媒体M3の温度T_M3が上昇する。
実施の形態では、エンジンENG出口での熱交換媒体M3の温度T_M3が、吸着器5の出口での熱交換媒体M3の温度Txよりも高くなった時点で、吸着器5A、5Bでの熱交換による熱交換媒体M3の加熱を終了して、吸着式冷凍システム2の運転モードが、暖機モードから遷移モード1に切り替えられることになる。
吸着器5の熱交換コア52を通流する熱交換媒体M3の温度のほうが、吸着材Sの温度よりも高くなると、吸着器5での熱交換により、吸着器5の出口での熱交換媒体M3の温度が、吸着器5の入口での熱交換媒体M3の温度よりも低くなる。そうすると、吸着器5での熱交換により熱交換媒体M3を加熱することができなくなり、エンジンENGの暖機を妨げてしまうからである。
(4)遷移モード1
遷移モード1は、吸着器5A、5Bでの熱交換による熱交換媒体M3の加熱を終了したのち、熱交換媒体M3の温度が、吸着器5A、5Bでの冷媒の脱着を行うのに適した温度(閾値温度Th_r)になるまで、待機するために実施される。
そのため、遷移モード1では、制御装置9が、切替弁55、56、57、58を制御して、熱交換媒体M3が、吸着器5(5A、5B)を通らずに、吸着器5を迂回するバイパス路59を通流するようにする。
そして、遷移モード1を実施している間に、熱交換媒体M3の温度T_M3が、吸着器5A、5Bでの冷媒の脱着を行うのに適した温度(閾値温度Th_r)になると、吸着式冷凍システム2の運転モードが、遷移モード1から蓄熱モードに切り替えられることになる。
(5)蓄熱モード
蓄熱モードは、前記した暖機モードを実施できるようにするために実施される。
ここで、暖機モードを実施するためには、吸着材Sが冷媒M1を吸着していない状態にしておく必要がある。そのため、蓄熱モードは、エンジンENGが起動している間の熱交換媒体M3の温度が高いときに、吸着材Sから冷媒M1を脱着させるために実施される。
実施の形態において蓄熱モードは、吸着式冷凍システム2の運転モードが、暖機モードから遷移モード1に切り替えられたのち、この遷移モード1に引き続いて実施される。
この蓄熱モードでは、吸着材Sからの冷媒M1の脱着が、吸着器5A、5Bで平行して実施される。
具体的には、エンジンENG出口の熱交換媒体M3の温度T_M3が、蓄熱モードを開始するか否かの判定用の閾値温度Th_r以上である場合に、制御装置9が、切替弁55、56、57、58を操作して、吸着器5A、5Bの熱交換コア52を、熱交換媒体M3の循環路7に接続する。
これにより、吸着器5A、5B内の吸着材Sが、熱交換コア52を通過する熱交換媒体M3との熱交換により加熱されることになる。
そして、吸着器5A、5Bでの吸着材Sの加熱開始後に、制御装置9が、切替弁21と開閉弁23(23A、23B)を操作して、吸着器5A、5Bと、エバポレータ3側との連通を遮断すると共に、切替弁22と開閉弁24(24A、24B)を操作して、吸着器5A、5Bと、コンデンサ4側とを連通させる。
これにより、吸着器5A、5Bにおいて、吸着材Sからの冷媒M1の脱着が平行して行われて、脱着により生じた圧力で、吸着材Sから脱着した気体状態の冷媒M1が、コンデンサ4側に排出されることになる。
そして、吸着器5A、5B側から排出された気体状の冷媒M1は、コンデンサ4において凝縮されて、液体状体の冷媒M1となる。
なお、吸着器5A、5Bに供給される熱交換媒体M3は、排熱回収器81との熱交換で加熱されているので、熱交換媒体M3がエンジンENGの排熱のみで加熱されている場合に比べて、吸着材Sをより高温に加熱に加熱することができる。よって、吸着式冷凍システム2の最大限に発揮することができるようになっている。特に、エンジンENGの放熱が厳しくなる夏季においては、排熱回収器81で回収された熱量が熱交換媒体M3との熱交換に消費されるので、排熱回収器81を設置した場合に、回収した熱を放熱するための放熱器の大型化を好適に防止できる。
なお、この蓄熱モードの実施時には、循環路6内の熱交換媒体M2を吸着器5(5A、5B)に供給する必要がないので、熱交換媒体M2が、熱交換器60と、コンデンサ4と、CAC(Charge Air Cooler)との間のみを循環するように、制御装置9が、切替弁65、66を操作することになる。
そして、制御装置9は、吸着器5出口での熱交換媒体M3の温度Txが、吸着材Sからの冷媒M1の脱着終了を判定するための閾値温度Th_fよりも高くなった時点で、吸着器5A、5Bにおける冷媒M1の吸着材Sからの脱着を終了して、吸着式冷凍システム2の運転モードが、蓄熱モードから遷移モード2に切り替えられることになる。
(5)遷移モード2
遷移モー2ドは、蓄熱モードの終了後に実施されるモードであり、このモードでは、吸着器5A、5Bが、暖機モードを速やかに開始できる状態で保持され続けるようになっている。
蓄熱モード2により、吸着器5A、5Bにおける冷媒M1の吸着材Sからの脱着が終了したのちは、吸着器5A、5Bでの冷媒の吸着/脱着が行われない。
そのため、制御装置9は、切替弁22と開閉弁24(24A、24B)を操作して、吸着器5A、5Bと、コンデンサ4側との連通を遮断する。
これにより、開閉弁23(23A、23B)、24(24A、24B)が閉じられた状態の吸着器5A、5Aでは、容器51内の吸着材Sが脱着状態のままで保持されることになる。
そのため、冬季における長時間のエンジンENGの停止などにより、エンジンENGの冷却水である熱交換媒体M3が冷えたのちに、エンジンENGが始動された場合に、前記した暖機モードを速やかに開始して、吸着器5A、5Bにおける吸着材Sへの冷媒M1の吸着を行って、エンジンENGの暖機を速やかに行うことができるようになっている。
以下、冬季における空調装置1での吸着式冷凍システム2の使用例を説明する。
図7は、吸着式冷凍システム2の使用例を説明するフローチャートである。
エンジンENGが始動されると(ステップS101、Yes)、ステップS102において制御装置9が、吸着器5内の吸着材Sが冷媒M1を吸着していない脱着状態であるか否かを確認する。暖機モードの実施が可能な状態であるか否かを確認するためである。
ここで、吸着材Sが脱着状態であるか否かは、図示しない記憶部に記憶された吸着式冷凍システム2の使用履歴や、吸着器5内の圧力や温度などに基づいて確認される。
吸着材Sが脱着状態である場合には(ステップS102、Yes)、暖機モードの実施が可能な状態であるので、制御装置9が、エンジンENGの冷却水(熱交換媒体M3)の温度に基づいて、暖機モードの実施が必要であるか否かを確認する。
具体的には、ステップS103において制御装置9が、エンジンENGの冷却水(熱交換媒体M3)の温度T_M3が、暖機モードを実施するか否かの判定用の閾値温度Th_wよりも低いか否かを確認し、閾値温度Th_wよりも低い場合には、暖機モードの実施が制御装置9により判断される。
実施の形態では、閾値温度Th_wは、例えば冬季におけるエンジンENGの始動直後の熱交換媒体M3の平均的な温度などに基づいて決定されており、熱交換媒体M3の温度T_M3が閾値温度Th_w未満である場合には、例えば冬季におけるエンジンENGの起動直後のような暖機が必要な状況であると判断されるようになっている。
そして、暖機モードが実施されると、両方の吸着器5(5A、5B)において、吸着材Sへの冷媒M1の吸着が平行して行われることになる。
これにより、吸着器5(5A、5B)の熱交換コア52を通流する熱交換媒体M3が、吸着材Sとの熱交換により加熱された後、エンジンENG内を通流することになるので、エンジンENGが、熱交換媒体M3により暖められて暖機されることになる。
そして、エンジンENGの暖機が進んで、エンジンENG出口での熱交換媒体M3の温度T_M3が、吸着器5の出口での熱交換媒体M3の温度Txよりも高くなった時点で、制御装置9が暖機モードの終了を判定する(ステップS105、Yes)。
これにより、続くステップS106において制御装置9が、吸着式冷凍システム2の運転モードを、暖機モードから遷移モード1に切り替えることになる。
具体的には、制御装置9が、切替弁55、56、57、58を操作して、吸着器5への熱交換媒体M3の供給を停止する。
そして、ステップS107において、蓄熱モードの実施が可能であるか否かが確認される。
暖機モードの終了時点で、吸着材Sに冷媒M1が吸着されているので、吸着材Sから冷媒M1を脱着させる蓄熱モードの実施が必要となるからである。
ここで、エンジン始動直後の暖機モード終了時点では、熱交換媒体M3の温度が、吸着材Sからの冷媒M1の脱着が可能な温度まで上昇していない場合もある。
そこで、実施の形態では、制御装置9が、熱交換媒体M3の温度T_M3が、吸着材Sからの冷媒M1の脱着が可能な閾値温度Th_r以上の温度になるのを待って(ステップS106、Yes)、蓄熱モードを実施(ステップS107)するようにしている。
なお、このステップS107の蓄熱モードの実施が可能であるか否かの確認は、前記したステップS102において、制御装置9が、吸着材Sが脱着状態でないと判定していた場合にも(ステップS102、No)実施される。
ステップS108の蓄熱モードでは、制御装置9が、切替弁55、56、57、58を操作して、吸着器5への加熱用の熱交換媒体M3の供給を開始すると共に、切替弁22、開閉弁24(24A、24B)を操作して、吸着器5(5A、5B)とコンデンサ4側とを連通させる。
よって、吸着器5(5A、5B)では、加熱用の熱交換媒体M3との熱交換により吸着材Sが加熱されて、両方の吸着器5(5A、5B)の吸着材Sからの冷媒M1の脱着が平行して行われることになる。
そして、吸着材Sに吸着されていた冷媒M1の脱着が完了すると、脱着時の吸熱による熱交換媒体M3の温度低下が生じなくなって、吸着器5の出口での熱交換媒体M3の温度Txが上昇することになる。
実施の形態では、吸着器5の出口での熱交換媒体M3の温度Txが、吸着材Sからの冷媒M1の脱着終了を判定するための閾値温度Th_fよりも高くなった時点で、蓄熱モードの終了が判定されて(ステップS109、Yes)、ステップS110において遷移モード2が開始されることになる。
これにより、吸着器5(5A、5B)は、エバポレータ3側とも、コンデンサ4側とも連通が遮断された状態で保持されるので、吸着器5(5A、5B)は、エンジンの駆動中だけでなく、エンジンの停止後(ステップS111、Yes)も、エバポレータ3側との連通が再開された時点で冷媒M1の吸着を速やかに開始できる状態で、保持され続けることになる。
そして、停止中のエンジンが起動されると(ステップS101、Yes)、吸着器5(5A、5B)は、エンジンの停止後も冷媒M1の吸着を速やかに開始できる脱着状態で保持されているので(ステップS102、Yes)、エンジン起動時点の熱交換媒体M3の温度T_M3が、暖機モードの要否を判定する閾値温度Th_w未満である場合には(ステップS103、Yes)、速やかに暖機モードが開始され(ステップS104)、閾値温度Th_w未満でない場合には、遷移モード2が実施されることになる(ステップS110)。
以上の通り、実施の形態では、
(1)温度に応じて冷媒M1の吸着/脱着が可能な吸着材Sが充填された複数の吸着器5(5A、5B)と、
加熱用の熱交換媒体M3が循環する循環路7(第1循環路)と、
冷却用の熱交換媒体M2が循環する循環路6(第2循環路)と、
吸着器5(5A、5B)の各々に供給する熱交換媒体を、循環路7を循環する熱交換媒体M3と、循環路6を循環する熱交換媒体の間で切り換えて、吸着器5(5A、5B)の各々での冷媒M1の吸着/脱着を制御する制御装置9(制御手段)と、を有する吸着式冷凍システム2において、
制御装置9は、
循環路7を循環する熱交換媒体M3の温度T_M3が、所定の閾値温度Th_w未満である場合に、循環路7を循環する熱交換媒体M3を吸着器5(5A、5B)の各々に供給すると共に、吸着器5(5A、5B)の各々で冷媒M1の吸着を平行して実施して、循環路7を循環する熱交換媒体M3を、冷媒M1を吸着した吸着材Sの吸着熱で加熱する構成とした。
このように構成すると、循環路7を循環する熱交換媒体M3が、吸着器5(5A、5B)を通過する際に吸着熱で加熱されるので、循環路7を循環する熱交換媒体M3の温度が上昇することになる。
そして、吸着器5(5A、5B)の各々で平行して冷媒M1の吸着が実施されるので、各吸着器5(5A、5B)に分配された循環路7の熱交換媒体M3は、吸着器5(5A、5B)の各々で加熱された後に回収されることになる。
よって、吸着熱による熱交換媒体M3の加熱効率が向上するので、吸着器5(5A、5B)を通過する熱交換媒体M3の温度を、速やかに上昇させることができる。
よって、循環路7を循環する加熱された熱交換媒体M3により、他の機器を暖機することができるので、例えば、冬季における起動直後の他の機器の暖機を速やかに行うことができ、冷房運転時以外での吸着式冷凍システム2の稼働頻度を高めることができる。
(2)循環路7を循環する熱交換媒体M3は、エンジンENG冷却用の熱交換媒体である構成とした。
このように構成すると、エンジンENGの始動直後に、エンジンENGの冷却用の熱交換媒体M3を暖めることができ、暖められた熱交換媒体M3がエンジンENGの内部を通過することで、エンジンENGの暖機が促進される。
これにより、エンジンENGの暖機に要する時間を短縮でき、特に熱交換媒体M3の温度が低温になる冬季において、エンジンENGの暖機に要する時間を短縮できるので、燃費の向上が期待できる。
(3)循環路7には、
当該循環路7を循環する熱交換媒体M3との間での熱交換を行う機器(排熱回収器81、ヒータコア73)が、少なくとも1つ以上設けられていると共に、これらの機器の少なくとも1つ以上をバイパスするバイパス路72(第1バイパス路)が設けられており、
制御装置9は、循環路7を循環する熱交換媒体M3を吸着熱で加熱している間、熱交換媒体M3を、バイパス路72を通流させて、熱交換媒体M3との間での熱交換を行う機器の少なくとも1つ以上を迂回させる構成とした。
このように構成すると、エンジンENGの始動直後に、吸着熱で加熱された熱交換媒体M3が、エンジンENG以外の機器との熱交換を行って、熱交換媒体M3の温度が低下することを好適に防止できるので、エンジンENGのみを速やかに暖機することが可能になる。
(4)循環路7には、吸着器5(5A、5B)をバイパスするバイパス路59(第2バイパス路)が設けられており、
制御装置9は、
循環路7を循環する熱交換媒体M3を吸着熱で加熱している際に、エンジンENG通過後の熱交換媒体M3の温度Txが、吸着器5(5A、5B)で加熱された後の熱交換媒体M3体の温度T_M3よりも高くなると、熱交換媒体M3を、バイパス路59を通流させて、吸着器5(5A、5B)を迂回させる構成とした。
このように構成すると、エンジンENG通過後の熱交換媒体M3の温度が、吸着器5(5A、5B)での熱交換により低下することを好適に防止できる。
(5)吸着器5(5A、5B)では、熱交換媒体が通流する1つの熱交換コア52(通流路)が、吸着材Sとの間で熱交換可能に設けられている構成とした。
このように構成すると、吸着器5(5A、5B)の各々に供給される熱交換媒体が、循環路7を循環する加熱用の熱交換媒体M3と、循環路6を循環する冷却用の熱交換媒体M2の間で切り替えられるたびに、吸着器5(5A、5B)の熱交換コア52を通流する熱交換媒体が入れ替わるので、吸着材Sの加熱/冷却を速やかに行うことができる。
吸着器が、加熱用の熱交換媒体が通流する加熱用通流路と、冷却用の熱交換媒体が通流する冷却用通流路の両方を備えている場合には、加熱用通流路への加熱用の熱交換媒体の供給を止めて、冷却用通流路への冷却用の熱交換媒体の供給を開始すると、加熱用通流路に残留する熱交換媒体の熱が、冷却用通流路を通流する冷却用熱交換媒体による吸着材の冷却を阻害する。
また、冷却用通流路への冷却用の熱交換媒体の供給を止めて、加熱用通流路への加熱用の熱交換媒体の供給を開始すると、冷却用通流路に残留する熱交換媒体の熱が、加熱用通流路を通流する加熱用熱交換媒体による吸着材の加熱を阻害する。
そのため、吸着材Sの加熱/冷却の速度が、熱交換媒体が通流する熱交換コア52(通流路)を1つのみ備えている本願発明に係る吸着器5(5A、5B)は、加熱用の熱交換媒体Mが通流する加熱用の通流路と、冷却用の熱交換媒体が通流する冷却用の通流路の両方を備えている吸着器よりも、吸着材に対する冷媒の吸着/脱着の切替えを速やかに実施することが可能になる。
(6)冷媒M1が循環する循環路20に、冷媒M1を冷却して液化させるコンデンサ4と、液化した冷媒M1を減圧下で気化させるエバポレータ3と、温度に応じて冷媒の吸着/脱着が可能な吸着材が充填された複数の吸着器5(5A、5B)と、が設けられており、吸着器5(5A、5B)での冷媒M1の吸着材Sへの吸着により生じた負圧を利用して、エバポレータ3における冷媒M1の蒸発が行われるように構成された吸着式冷凍システム2を備えており、エバポレータ3を、車室内に供給する空気の冷却に用いた構成の車両用の空調装置1とした。
このように構成すると、車両用の空調装置1の冷房運転に、コンプレッサを必要としていないので、コンプレッサの駆動に消費される電力量を低減することができる。
よって、車両用の空調装置1が、バッテリ駆動されるモータを搭載した車両(例えば、電気自動車)である場合には、バッテリの消耗を抑えることができるので、1回の充電での車両の走行可能距離の向上が期待できる。
(7)温度に応じて冷媒M1の吸着/脱着が可能な吸着材Sが充填された複数の吸着器5(5A、5B)と、
エンジンENGの内部を通流する加熱用の熱交換媒体M3が循環する循環路7(第1循環路)と、
冷却用の熱交換媒体M2が循環する循環路6(第2循環路)と、
吸着器5(5A、5B)の各々に供給する熱交換媒体を、循環路7を循環する熱交換媒体M3と、循環路6を循環する熱交換媒体の間で切り換えて、吸着器5(5A、5B)の各々での冷媒M1の吸着/脱着を制御する制御装置9(制御手段)と、を有する吸着式冷凍システム2の制御方法であって、
制御装置9が、
循環路7を循環する熱交換媒体M3の温度T_M3が、所定の閾値温度Th_r以上である高い場合に、循環路7を循環する熱交換媒体M3を吸着器5(5A、5B)の各々に供給して、吸着器5(5A、5B)の各々で冷媒M1の脱着を平行して実施する蓄熱ステップと、
吸着器5(5A、5B)の各々で冷媒M1の脱着が完了すると、吸着材Sを脱気された状態で保持する遷移ステップと、
循環路7を循環する熱交換媒体M3の温度T_M3が、所定の閾値温度Th_w未満である場合に、循環路7を循環する熱交換媒体M3を吸着器5(5A、5B)の各々に供給すると共に、吸着器5(5A、5B)の各々で冷媒M1の吸着を平行して実施して、循環路7を循環する熱交換媒体M3を、冷媒M1を吸着した吸着材Sの吸着熱で加熱して、加熱された熱交換媒体M3によりエンジンENGを暖機する暖機ステップと、
を実施することを特徴とする吸着式冷凍システムの制御方法とした。
このように構成すると、エンジンENGの始動直後に、エンジンENGの冷却用の熱交換媒体M3を暖めることができ、暖められた熱交換媒体M3がエンジンENGの内部を通過することで、エンジンENGの暖機が促進される。
これにより、エンジンENGの暖機に要する時間を短縮でき、特に熱交換媒体M3の温度が低温になる冬季において、エンジンENGの暖機に要する時間を短縮できるので、燃費の向上が期待できる。
また、蓄熱ステップの実行後に、エンジンENGの排熱で加熱された熱交換媒体M3により、各吸着器5(5A、5B)で冷媒M1の脱着を行うことで、常に蓄熱モードを実施可能な状態で保持し続けることができる。
前記した実施の形態では、吸着式冷凍システム2が二つの吸着器5(5A、5B)を備える場合を例示したが、吸着式冷凍システム2が備える吸着器5の数は、2つに限定されるものではなく、少なくとも2つ備えていれば良い。
また、吸着熱で暖められた熱交換媒体M3をエンジンENGの暖機に用いた場合を例示したが、熱交換媒体M3を他の暖機が必要な機器の暖機に用いても良い。
また、吸着熱で暖められた熱交換媒体M3の熱量を、空調装置1のヒータコア73での空調空気の加温に用いても良い。
さらに、実施の形態では、バイパス路72が、ヒータコア73と排熱回収器81とを迂回している場合を例示したが、バイパス路72が、ヒータコア73と排熱回収器81のうちの一方を迂回するように設けられていれば良い。
1 空調装置
2 吸着式冷凍システム
3 エバポレータ(蒸発器)
4 コンデンサ(凝縮器)
5(5A、5B) 吸着器
6、7 循環路
8 排気ガス管
9 制御装置
20 循環路
21、22 切替弁
23(23A、23B)、24(24A、24B) 開閉弁
51 容器
52 熱交換コア
55〜58 切替弁
59 バイパス路
60 熱交換器(サブラジエータ)
61 バイパス路
65、66 切替弁
70 熱交換器(ラジエータ)
71 流路
72 バイパス路
73 ヒータコア
75〜78 切替弁
79 クーラコア
81 排熱回収器
ENG エンジン
M1 冷媒
M(M2、M3) 熱交換媒体
R1 流路
S 吸着材

Claims (6)

  1. 温度に応じて冷媒の吸着/脱着が可能な吸着材が充填された複数の吸着器と、
    加熱用の熱交換媒体が循環する第1循環路と、
    冷却用の熱交換媒体が循環する第2循環路と、
    前記吸着器の各々に供給する熱交換媒体を、前記第1循環路を循環する熱交換媒体と、
    前記第2循環路を循環する熱交換媒体の間で切り換えて、前記吸着器の各々での前記冷媒の吸着/脱着を制御する制御手段と、を有する吸着式冷凍システムにおいて、
    前記制御手段は、
    前記第1循環路を循環する熱交換媒体の温度が、所定温度未満である場合に、前記第1循環路を循環する熱交換媒体を前記吸着器の各々に供給すると共に、前記吸着器の各々で前記冷媒の吸着を平行して実施して、前記第1循環路を循環する熱交換媒体を、吸着熱で加熱することを特徴とする吸着式冷凍システム。
  2. 前記第1循環路を循環する熱交換媒体は、エンジン冷却用の熱交換媒体であることを特徴とする請求項1に記載の吸着式冷凍システム。
  3. 前記第1循環路には、
    当該第1循環路を循環する熱交換媒体との間での熱交換を行う機器が、少なくとも1つ以上設けられていると共に、前記機器の少なくとも1つをバイパスする第1バイパス路が設けられており、
    前記制御手段は、前記第1循環路を循環する熱交換媒体を前記吸着熱で加熱している間、前記熱交換媒体を、前記第1バイパス路を通流させて、前記機器の少なくとも1つを迂回させることを特徴とする請求項2に記載の吸着式冷凍システム。
  4. 前記第1の循環路には、前記吸着器をバイパスする第2バイパス路が設けられており、
    前記制御手段は、
    前記第1循環路を循環する熱交換媒体を前記吸着熱で加熱している際に、前記エンジン通過後の前記熱交換媒体の温度が、前記吸着器で加熱された後の前記熱交換媒体の温度よりも高くなると、前記熱交換媒体を、前記第2バイパス路を通流させて、前記吸着器を迂回させることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の吸着式冷凍システム。
  5. 前記吸着器では、前記熱交換媒体が通流する1つの通流路が、前記吸着材との間で熱交換可能に設けられていることを特徴とする請求項1から請求項4の何れか一項に記載の吸着式冷凍システム。
  6. 請求項1から請求項5の何れか一項に記載の吸着式冷凍システムを備える車両用の空調装置であって、
    前記吸着式冷凍システムでは、前記冷媒が循環する循環路に、前記冷媒を冷却して液化させるコンデンサと、液化した前記冷媒を減圧下で気化させるエバポレータと、前記吸着器と、が設けられて、
    前記吸着器での前記冷媒の前記吸着材への吸着により、前記エバポレータにおける前記冷媒の気化が行われるように構成されており、
    エバポレータを、車室内に供給する空気の冷却に用いた構成の車両用の空調装置。
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