JP3484871B2 - 車両用空調装置 - Google Patents

車両用空調装置

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JP3484871B2 JP10296596A JP10296596A JP3484871B2 JP 3484871 B2 JP3484871 B2 JP 3484871B2 JP 10296596 A JP10296596 A JP 10296596A JP 10296596 A JP10296596 A JP 10296596A JP 3484871 B2 JP3484871 B2 JP 3484871B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、走行用機器等の発
熱部品の廃熱を回収する機能を持った車両用空調装置に
関するもので、寒冷地向け電気自動車、あるいは車両駆
動源として電気モータと内燃機関の双方を備えたハイブ
リッド車の空調用ヒートポンプシステムとして好適なも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来、電気自動車のように、暖房熱源を
持たない車両においては、空調装置として、ヒートポン
プシステムを採用したものが多く提案(例えば、特開平
5ー319077号公報等)されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来装置では、使用環境の外気温度が低くなると、暖房時
に蒸発器として作用する室外熱交換器での吸熱量が減少
して圧縮機吸入圧力が低下するため、冷媒比容積が大き
くなり、冷媒循環量が減少する結果、暖房能力が低下す
るという問題があった。
【0004】また、圧縮機吸入圧力が低下すると、冷媒
圧縮比が大きくなり、冷媒吐出温度が上昇するので、圧
縮機保護のため、圧縮機を最大能力(最大回転数)で使
用できないので、より一層暖房能力が低下するという問
題があった。以上の理由から、上記従来装置では、外気
温度が−10°C以下となるような寒冷地では、車室の
暖房能力が不足してしまう。
【0005】また、冷媒圧縮比の増大により圧縮効率も
悪化し、圧縮機の消費電力が増加するため、車両の1充
電当たりの走行距離の低下につながるという問題を引き
起こす。なお、特開昭54−14027号公報では、低
外気温時の暖房能力向上の対策として、中間圧まで減圧
された冷媒の気液を分離する気液分離器を設け、この気
液分離器で分離されたガス冷媒を圧縮機の圧縮過程にイ
ンジョクションするガスインジョクション方式のヒート
ポンプを構成するとともに、気液分離器の上流側に空気
で冷媒を加熱する補助熱交換器を設けた空調装置が提案
されている。
【0006】しかし、この従来のものは空気熱源の補助
熱交換器にて冷媒に吸熱させるようにしているので、低
外気温時には冷媒への吸熱効果を発揮できない場合が生
じ、十分な暖房能力を期待できない。また,電気自動車
においては、車両搭載の発熱部品、例えば、車両走行用
電気モータの回転数制御用インバータの半導体スイッチ
素子等を冷却するために、一般に、発熱部品の廃熱を冷
却水に吸熱させ、そして、この冷却水を水ポンプにて放
熱器(ラジエータ)に循環し、この放熱器にて大気中に
放熱するという冷却システムを採用しているが、このシ
ステムでは冷却水の循環による放熱を行うため、構成が
煩雑であり、かつ車両搭載スペースも増大し、搭載スペ
ースの確保に苦慮する。
【0007】本発明は上記点に鑑みてなされたもので、
低外気温時における暖房能力を、消費電力を抑制しつ
つ、効果的に向上できる車両用空調装置を提供すること
を目的とする。本発明の他の目的は、車両搭載の発熱部
品の冷却を簡素な構成で達成できる車両用空調装置を提
供することを目的とする。
【0008】本発明のさらに他の目的は、低外気温時に
おける暖房能力を向上できるとともに、車両搭載発熱部
品の冷却システムを簡素化できる車両用空調装置を提供
することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するために案出されたものであり、第1には、車両搭載
の発熱部品(例えば、車両走行用電気モータの回転数制
御用インバータの半導体スイッチ素子等)からの廃熱に
注目し、この廃熱を直接、ガスインジョクション用の中
間圧冷媒に回収、吸熱させることにより、低外気温時に
おける暖房能力を向上させることを特徴としている。
【0010】また、第2には、車両搭載の発熱部品から
の廃熱を直接、冷媒に回収、吸熱させる熱交換器を有す
るサイクル構成とすることにより、車両搭載の発熱部品
の冷却を簡素な構成で達成できるようにしたことを特徴
としている。本発明では、これら第1、第2の特徴に基
づく技術的手段を以下の通り採用している。
【0011】すなわち、請求項1〜4記載の発明では、
圧縮機(20)に、冷凍サイクル低圧側の冷媒を吸入す
る吸入ポート(20b)、冷凍サイクル中間圧のガス冷
媒を導入するガスインジェクションポート(20c)、
および圧縮された冷媒を吐出する吐出ポート(20a)
を備えるとともに、室内熱交換器(22、22a、22
b)と室外熱交換器(23)との間に、冷媒を減圧する
第1減圧器(25)を配置し、冷凍サイクル高圧側の凝
縮後の冷媒を第2減圧器(27、27a〜27c)によ
り中間圧に減圧し、この中間圧の冷媒を熱交換器(2
8、28a〜28c)にて車両搭載の発熱部品(30、
30a〜30b)から吸熱して蒸発させ、この熱交換器
(28、28a〜28c)で蒸発したガス冷媒をガスイ
ンジェクション通路(20d)によりガスインジェクシ
ョンポート(20c)に導入するよにうしたことを特徴
としている。
【0012】請求項1〜4記載の発明によれば、暖房時
に、圧縮機(20)の圧縮過程途中にガスインジェクシ
ョンしているので、ガスインジェクションされた冷媒流
量が圧縮機(20)の吸入冷媒流量に加わり、室内熱交
換器(凝縮器)(22)への冷媒流量が増加するととも
に、熱交換器(28、28a〜28c)において各発熱
部品(30、30a〜30b)の廃熱を中間圧の液冷媒
中に回収(吸熱)して、中間圧の冷媒を蒸発させて、圧
縮機(20)にガスインジェクションしているので、室
内熱交換器(凝縮器)(22)での冷媒放熱量を増加さ
せて、暖房能力を増加させることが可能である。
【0013】しかも、中間圧の冷媒を各発熱部品(3
0、30a〜30b)の廃熱で蒸発させて、圧縮機(2
0)にガスインジェクションすることにより、ガスイン
ジェクション分の冷媒について圧縮機(20)は中間圧
から吐出圧まで圧縮するだけでよく、従来の通常のサイ
クルのように吸入圧から吐出圧まで圧縮する必要がな
い。それ故、圧縮機(20)での平均吸入圧力が上昇し
て、圧縮比を低減できるため、圧縮動力を押さえること
ができ、成績係数が増大する。従って、暖房能力の向上
と同時に、サイクルの効率も向上でき、消費電力を抑制
できる。
【0014】さらに、冷房、暖房いずれのモードでも、
熱交換器(28、28a〜28c)において冷媒により
各発熱部品(30、30a〜30b)を直接冷却できる
ため、従来技術のような冷却水循環回路を持った冷却シ
ステムに比して、構成を大幅に簡素化できる。また、特
に請求項3記載の発明によれば、発熱部品(30、30
a〜30b)が複数個搭載されている車両において、熱
交換器(28、28a〜28c)を発熱部品(30、3
0a〜30b)に対応して複数個設け、この複数個の熱
交換器(28、28a〜28c)出口側に、冷媒の蒸発
温度を制御する絞り手段(29a、29b、29c)を
設けているから、複数個の各熱交換器による冷却温度を
複数個の発熱部品にそれぞれ適合した温度に設定でき
る。
【0015】請求項5記載の発明では、冷凍サイクル高
圧側の凝縮後の冷媒を第1減圧器(31)により中間圧
まで減圧し、この中間圧冷媒の気液を気液分離器(24
0)により分離し、この気液分離器(240)で分離さ
れたガス冷媒を第2減圧器(32)を介して第1ガスイ
ンジェクション通路(20e)により圧縮機(20)の
ガスインジェクションポート(20c)に導入する。
【0016】また、気液分離器(240)で分離された
液冷媒を第3減圧器(25)により減圧して室内熱交換
器(22、22a、22b)または室外熱交換器(2
3)に供給するとともに、気液分離器(240)で分離
された液冷媒を第4減圧器(27、27a〜27c)に
より減圧して熱交換器(28、28a〜28c)に供給
し、この熱交換器では、冷媒が車両搭載の発熱部品(3
0、30a〜30c)から吸熱して蒸発し、この熱交換
器(28、28a〜28c)で蒸発したガス冷媒を第2
ガスインジェクション通路(20d)によりガスインジ
ェクションポート(20c)に導入することを特徴とし
ている。
【0017】これにより、請求項1に記載の発明と同様
に、暖房能力を効果的に向上できるとともに、発熱部品
冷却システムの構成を大幅に簡素化できる。さらに、こ
れに加え、気液分離器(240)で分離されたガス冷媒
も第1ガスインジェクション通路(20e)により直接
ガスインジェクションすることにより、発熱部品冷却用
の熱交換器および室内熱交換器を流れる冷媒のエンタル
ピ差を拡大(図6(b)参照)できるので、サイクル効
率をより一層向上できる。
【0018】また、請求項6記載の発明によれば、空調
空気通路(2)の上流側の冷房用蒸発器(11)と、下
流側の暖房用凝縮器(12)への冷媒流れを切り替える
ことにより、暖房、冷房、除湿の3つの運転モードを良
好に実現できるとともに、暖房時には、圧縮機(22)
の圧縮過程途中にガスインジェクションするとともに、
発熱部品(33)からの廃熱回収による中間圧冷媒の吸
熱により、暖房能力を効果的に向上できる。
【0019】 また、請求項7記載の発明によれば、冷
凍サイクル高圧側の凝縮後の冷媒を第1減圧器(31)
により中間圧まで減圧し、この中間圧冷媒を熱交換器
(28、28a〜28c)に流入させ、この熱交換器で
は冷媒が車両搭載の発熱部品(30、30a〜30c)
から吸熱するようになっており、この熱交換器(28、
28a〜28c)で吸熱した冷媒の気液を気液分離器
(240)にて分離し、ここで分離された液冷媒を第2
減圧器(25)により減圧して室内熱交換器(22、2
2a、22b)または室外熱交換器(23)に供給する
とともに、気液分離器(240)で分離されたガス冷媒
をガスインジェクション通路(20e)により圧縮機
(20)のガスインジェクションポート(20c)に導
入することを特徴としている。
【0020】これにより、請求項1、5に記載の発明と
同様に、暖房能力を効果的に向上できるとともに、発熱
部品冷却システムの構成を大幅に簡素化できる。また、
請求項8に記載の発明では、空調空気通路(2)に、空
気を冷却する蒸発器(22)を設置するとともに、空調
空気通路(2)の外部に、外気と熱交換して冷媒を凝縮
させる凝縮器(23)を設置した冷房用の冷凍サイクル
において、中間圧の冷媒を熱交換器(28、28a〜2
8c)において車両搭載の発熱部品(30、30a〜3
0b)から吸熱して蒸発させ、この蒸発後のガス冷媒を
ガスインジェクション通路(20d)によりガスインジ
ェクションポート(20c)に導入することを特徴とし
ており、これにより、冷房用の冷凍サイクルを利用して
発熱部品の冷却を良好に行うことができ、発熱部品冷却
システムの構成を大幅に簡素化できる。
【0021】さらに、請求項10に記載の発明では、請
求項8または9に記載の冷房用の冷凍サイクルにおい
て、熱交換器(28、28a〜28c)の出口側を吸入
ポート(20b)に連通させる連通路(34)を、ガス
インジェクション通路(20d)と並列的に設けるとと
もに、この連通路(34)および蒸発器(22)への冷
媒通路に、冷媒流れを断続する弁手段(33c、33
d)を設け、冷房モード未使用時には、連通路(34)
を弁手段(33d)により開放するとともに、蒸発器
(22)への冷媒通路を弁手段(33c)により閉塞す
ることにより、熱交換器(28、28a〜28c)にて
発熱部品(30、30a〜30b)を冷却することを特
徴としている。
【0022】これにより、冷房モード時および冷房モー
ド未使用時の双方において、冷房用の冷凍サイクルを利
用して発熱部品の冷却を良好に行うことができる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図に基
づいて説明する。 (第1実施形態)図1は本発明を電気自動車用空調装置
に適用した第1実施形態を示すもので、空調ユニット1
は電気自動車の車室内に設置される室内ユニットであ
り、その空調ダクト2は、車室内に空調空気を導く空調
空気通路を構成するものである。この空調ダクト2の一
端側に内外気を吸入する吸入口4、5が設けられてい
る。内気吸入口4と外気吸入口5は、内外気切替ドア6
により切替開閉される。
【0024】上記吸入口4、5に隣接して、空調ダクト
2内に空気を送風する送風機3が設置されており、この
送風機3はモータ3aとこのモータ3aにより駆動され
る遠心ファン3bとにより構成されている。一方、空調
ダクト2の他端側には車室内へ通ずる複数の吹出口、す
なわち車室内乗員の上半身に向かって空調空気を吹き出
すフェイス吹出口7、車室内乗員の足元部に向かって空
調空気を吹き出すフット吹出口8、および車両フロント
ガラスの内面に空調空気を吹き出すデフロスタ吹出口9
が形成されている。これらの吹出口7、8、9の空気流
路はドア10〜12によりそれぞれ開閉される。
【0025】また、送風機3よりも空気下流側における
空調ダクト2内には冷凍サイクルの室内熱交換器22が
設けられている。この室内熱交換器22は、冷凍サイク
ルの冷媒と空気との熱交換を行って、空気を冷却または
加熱するものである。ところで、図1の冷凍サイクル
は、上記室内熱交換器22により車室内の冷房および暖
房を行うヒートポンプ式冷凍サイクルとして構成されて
おり、上記室内熱交換器22の他に以下の機器を備えて
いる。
【0026】すなわち、冷凍サイクルには、冷媒圧縮機
20、冷房時と暖房時とで冷媒の流れを切り替える電磁
式四方弁21、電動室外ファン23aにより送風される
外気と熱交換を行う室外熱交換器23、冷媒の気液を分
離するとともに液冷媒を溜める機能を果たすアキューム
レータ24、冷媒の減圧膨張を行う減圧器25、逆止弁
26a〜26c、車両搭載の発熱部品30a、30bを
冷却する冷却器をなす熱交換器28a、28b、この熱
交換器28a、28bに流入する冷媒を減圧、膨張させ
る減圧器27a、27b、および熱交換器28a、28
bの冷媒蒸発圧力(冷媒蒸発温度)を調整する蒸発圧力
調整弁(絞り手段)29a、29bがさらに備えられて
いる。
【0027】上記発熱部品30a、30bとしては、例
えば、電気自動車走行用交流モータ(図示せず)の回転
速度制御用インバータの半導体スイッチ素子(パワート
ランジスタ)、車載の電池類等であり、図2は熱交換器
28a、28bの具体的構造の一例を示す。図2に示す
ように、熱交換器28a、28bは冷媒通路を構成する
箱状の本体ケース280を有し、この本体ケース280
の対角線上の位置に冷媒入口281および冷媒出口28
2が設けてあり、冷媒入口281には減圧器27a、2
7bで減圧膨張した冷媒が流入する。また、冷媒出口2
82から流出した冷媒は蒸発圧力調整弁29a、29b
に流入する。
【0028】本体ケース280の上蓋283はアルミニ
ュウム等の熱伝導性の良好な金属で形成して、上蓋28
3に伝熱促進用のフィン284が一体成形されている。
このフィン284は、本体ケース280内部の冷媒通路
を図2(c)に示すように、蛇行状に仕切る仕切り部材
の役割を兼ねている。本体ケース280もアルミニュウ
ム等の金属で形成することにより、本体ケース280と
上蓋283はろう付け等の接合手段にて気密に接合され
ている。
【0029】また、上蓋283には発熱部品30a、3
0bがネジ止め等の締結手段にて密着固定されている。
従って、発熱部品30a、30bの熱は、上蓋283か
らフィン284を通して本体ケース280内を蛇行状に
流れる冷媒中に良好に伝達できる。減圧器27a、27
bは、図1の例では、熱交換器28a、28b出口側通
路における冷媒の過熱度を所定値に調整する温度作動式
膨張弁を使用しており、27a′、27b′は、この膨
張弁の感温筒である。また、蒸発圧力調整弁29a、2
9bは、熱交換器28a、28bの冷媒蒸発圧力を調整
して、冷媒蒸発温度が、発熱部品30a、30bの種類
(発熱温度の高低)に適合したそれぞれ異なる所定値に
なるように調整するものであって、蒸発圧力に応動する
弁部材にて冷媒通路の開度を調整する周知のものであ
る。
【0030】ところで、上記冷媒圧縮機20は、電動式
圧縮機であって、図示しない交流モータを一体に密封ケ
ース内に内蔵し、このモータにより駆動されて冷媒の吸
入、圧縮、吐出を行う。また、冷媒圧縮機20には圧縮
した冷媒を吐出する吐出ポート20a、サイクル低圧側
の冷媒を吸入する吸入ポート20b、および中間圧のガ
ス冷媒を圧縮過程の途中にインジェションするガスイン
ジェションポート20cが備えられている。このガスイ
ンジェションポート20cは、逆止弁26cを有するガ
スインジェクション用通路20dを介して、蒸発圧力調
整弁29a、29bの下流側に連通している。
【0031】また、冷媒圧縮機20の交流モータにはイ
ンバータ40により交流電圧が印加され、このインバー
タ40により交流電圧の周波数を調整することによって
モータ回転速度を連続的に変化させるようになってい
る。このインバータ40には、車載バッテリ41からの
直流電圧が印加される。また、インバータ40は、空調
用制御装置42によって通電制御されるようになってお
り、この空調用制御装置42はマイクロコンピータとそ
の周辺回路にて構成される電子制御装置であって、四方
弁21の切替、送風機3の回転数等も制御するものであ
る。
【0032】空調用制御装置42には、外気温度を検出
する外気温センサ、冷房用蒸発器11の吹出直後の空気
温度を検出する蒸発器温度センサ、圧縮機21の吐出冷
媒圧力(サイクル高圧圧力)を検出する吐出圧センサ等
を含む空調用センサ群43からセンサ信号が入力される
ようになっている。また、車室内運転席近傍に設けられ
た空調コントロールパネルの各レバー、スイッチ群44
からの空調操作信号も制御装置42に入力される。
【0033】次に、上記構成において作動を説明する。
いま、空調コントロールパネルからの空調操作信号によ
り暖房モードが設定されると、制御装置42により圧縮
機20が起動されるとともに、四方弁21により図1の
冷凍サイクルにおいて、冷媒が実線矢印に示す経路で流
れる。すなわち、圧縮機20から吐出されたガス冷媒
は、四方弁21を通って、室内熱交換器22に流入し、
ここで送風機3により送風される空気と熱交換(放熱)
してガス冷媒が凝縮、液化する。ガス冷媒の放熱により
加熱された温風は主にフット吹出口8から車室内へ吹出
し、車室内の暖房を行う。
【0034】そして、室内熱交換器22から流出した液
冷媒の一部は、減圧器25で減圧、膨張して、気液2相
状態となり、室外熱交換器23に流入する。この室外熱
交換器23で液冷媒が室外ファン23aの送風空気(外
気)から吸熱して蒸発し、ガス冷媒となる。このガス冷
媒は、四方弁21およびアキュームレータ24を通っ
て、圧縮機20の吸入ポート20bに吸入される。
【0035】また、室内熱交換器22から流出した液冷
媒の残りは、逆止弁26aを通り、減圧器27a、27
bで中間圧まで減圧されて、気液2相状態となった後
に、2つの熱交換器28a、28bに分配される。この
中間圧の気液2相冷媒は熱交換器28a、28b内にお
いて各発熱部品30a、30bから吸熱して蒸発すると
同時に、各発熱部品30a、30bを冷却する。
【0036】熱交換器28a、28b内において蒸発し
たガス冷媒は、蒸発圧力調整弁29a、29bを通過し
た後、逆止弁26cを有するガスインジェクション用通
路20dを通過して、ガスインジェクションポート20
cから圧縮機20内に吸入される。ここで、温度式膨張
弁からなる減圧器27a、27bにて、熱交換器28
a、28b出口冷媒が所定の過熱度を持つように、熱交
換器28a、28bへの冷媒流量が調整されるため、ガ
スインジェクションポート20cから圧縮機20の圧縮
過程途中にガス冷媒のみを吸入(インジェクショッン)
することができる。また、蒸発圧力調整弁29a、29
bにより熱交換器28a、28bの冷媒蒸発温度をそれ
ぞれ各発熱部品30a、30bの種類(発熱温度の高
低)に適合した所定温度に独立に設定できる。
【0037】従って、発熱部品30a、30bが過度に
冷却されて、その表面に結露を生じ、発熱部品30a、
30bの故障を誘発するといった不具合の発生を未然に
防止できる。第1実施形態では暖房時に上記した作動を
行うものであるため、熱交換器28a、28bにおいて
液冷媒により各発熱部品30a、30bを直接冷却で
き、そのため従来技術のような冷却水循環回路を持った
冷却システムに比して、構成を大幅に簡素化できる。こ
れと同時に、暖房能力も効果的に向上できる。
【0038】この暖房能力の向上効果について図3に基
づいて詳述すると、図3(a)は従来の通常の冷凍サイ
クルのモリエル線図で、図3(b)は本発明による熱交
換器28a、28bをガスインジェクションポート20
cに通ずるガスインジェクション用通路20dの上流に
設けた冷凍サイクルのモリエル線図を示す。従来の通常
の冷凍サイクルのように室外熱交換器(蒸発器)だけ
で、外気より吸熱するタイプのものでは、暖房時に外気
温度が低くなると、吸入圧力が低下して冷媒比容積が大
きくなるため、圧縮機20で吸入する冷媒循環量G1が
減少し、暖房能力が低下する。また、吸入圧力の低下に
より圧縮比が大きくなるため、圧縮動力の増加も招く。
【0039】これに対し、本実施形態では、ガスインジ
ェクションされた冷媒流量Ginが圧縮機20の吸入冷
媒流量G1に加わり、室内熱交換器(凝縮器)22への
冷媒流量が増加するとともに、熱交換器28a、28b
において各発熱部品30a、30bの廃熱を中間圧の液
冷媒中に回収(吸熱)して、中間圧の冷媒を蒸発させ
て、圧縮機20にガスインジェクションしているので、
室内熱交換器(凝縮器)22での冷媒放熱量を増加させ
て、暖房能力を増加させることが可能である。
【0040】しかも、中間圧の冷媒を各発熱部品30
a、30bの廃熱で蒸発させて、圧縮機20にガスイン
ジェクションすることにより、ガスインジェクション分
の冷媒について圧縮機20は中間圧から吐出圧まで圧縮
するだけでよく、従来の通常のサイクルのように吸入圧
から吐出圧まで圧縮する必要がない。さらに、各発熱部
品30a、30bからの吸熱により、ガスインジェクシ
ョンされるガス冷媒量を一層増大できる。
【0041】それ故、圧縮機20での平均吸入圧力が上
昇して、圧縮比を低減できるため、圧縮動力を押さえる
ことができ、成績係数が増大する。従って、暖房能力の
向上と同時に、サイクルの効率も向上でき、消費電力を
抑制できる。この圧縮機20での消費電力の抑制は、電
気自動車の1充電当たりの走行距離延長に貢献でき、そ
の実用上の効果は大である。
【0042】次に、空調コントロールパネルからの空調
操作信号により冷房モードが設定されると、四方弁21
により図1の冷凍サイクルにおいて、冷媒が破線矢印に
示す経路で流れる。すなわち、圧縮機20から吐出され
た高温高圧の過熱ガス冷媒は、四方弁21を通って、室
外熱交換器23に流入し、ここで室外ファン23aによ
り送風される外気と熱交換してガス冷媒が凝縮、液化す
る。この液冷媒の一部は、減圧器25で減圧、膨張さ
れ、次に、室内熱交換器22に流入する。この室内熱交
換器22で冷媒が送風機3の送風空気から吸熱して蒸発
する。この吸熱により冷却された冷風は、通常、フェイ
ス吹出口7から車室内へ吹き出して車室内を冷房する。
室内熱交換器22から流出したガス冷媒は、四方弁21
およびアキュームレータ24を通って、圧縮機20に吸
入される。
【0043】一方、室外熱交換器23で液化した液冷媒
の残りは、逆止弁26bを通り、減圧器27a、27b
で中間圧まで減圧されて、気液2相状態となった後に、
2つの熱交換器28a、28bに分配される。この中間
圧の気液2相冷媒は熱交換器28a、28b内において
各発熱部品30a、30bから吸熱して蒸発すると同時
に、各発熱部品30a、30bを冷却する。
【0044】従って、冷房時においても、発熱部品30
a、30bを冷却することができ、発熱部品30a、3
0bを常に冷媒のみで冷却することが可能であるため、
発熱部品30a、30bの冷却のための冷却水循環シス
テムを廃止できる。 (第2実施形態)図4は第2実施形態を示すもので、第
1実施形態では2つの熱交換器28a、28bを冷媒通
路に対して並列に設けたが、第2実施形態では2つの熱
交換器28a、28bを冷媒通路に対して直列に設けて
いる。これにより、減圧器(温度式膨張弁)27として
直列回路の入口に1つのみ設けて、下流側の熱交換器2
8b出口の冷媒が所定の過熱度を持つように冷媒流量を
減圧器27により調整する。
【0045】一方、蒸発圧力調整弁29a、29bは2
つの熱交換器28a、28bの下流側にそれぞれ設け
て、熱交換器28a、28bの冷媒蒸発温度をそれぞれ
独立に設定している。但し、本例では、2つの熱交換器
28a、28bのうち、上流側の熱交換器28aの冷媒
蒸発温度が下流側の熱交換器28bに比して必然的に高
くなるので、上流側の熱交換器28aにより必要冷却温
度の高い発熱部品30aを冷却し、下流側の熱交換器2
8bにより必要冷却温度の低い発熱部品30bを冷却す
るようにしてある。27′は減圧器(温度式膨張弁)2
7の感温筒である。他の点は第1実施形態と同じであ
る。なお、第1、第2実施形態のいずれの場合でも、蒸
発圧力調整弁29a、29bの代わりに、外部から冷媒
通路の開度(絞り量)を調整可能な可変絞り装置(流量
制御弁)を用い、この可変絞り装置にて、発熱部品30
a、30bの発熱温度(発熱量)に応じて熱交換器28
a、28bの冷媒蒸発温度(冷却温度)を調整するよう
にしてもよい。 (第3実施形態)図5は第3実施形態を示すもので、第
3実施形態では第1、第2実施形態における圧縮機吸入
側に位置するアキュームレータ24を廃止し、その代わ
りに冷媒の気液を分離し、液冷媒を溜めるレシーバ(気
液分離器)240をサイクル高圧側に設置した、いわゆ
るレシーバサイクルを構成している。
【0046】このレシーバ240からの液冷媒が流れる
通路に温度式膨張弁からなる減圧器25を設けている。
この減圧器(温度式膨張弁)25は、圧縮機20の吸入
配管に感温筒25aを有し、圧縮機20の吸入冷媒が所
定の過熱度を持つように冷媒流量を調整する。また、減
圧器25の出口側の通路は、逆止弁26d、26eによ
り分岐され、その一方は室内熱交換器22に接続され、
他方は室外熱交換器23に接続されている。
【0047】第3実施形態の作動を説明すると、暖房モ
ードが設定されると、図5の冷凍サイクルにおいて、四
方弁21により冷媒が実線矢印に示す経路で流れる。す
なわち、圧縮機20から吐出されたガス冷媒は、四方弁
21を通って、室内熱交換器22に流入し、ここで送風
機3の送風空気と熱交換(放熱)して凝縮、液化する。
この冷媒の放熱により加熱された温風は主にフット吹出
口8から車室内へ吹出し、車室内の暖房を行う。
【0048】そして、室内熱交換器22から流出した冷
媒は、逆止弁26aを通って、レシーバ240に流入す
る。ここで、冷媒は気液分離され、レシーバ240から
出た液冷媒の一部は減圧器25で減圧、膨張し、気液2
相状態となる。この減圧後の冷媒は逆止弁26dを通過
した後に、室外熱交換器23に流入する。この室外熱交
換器23で冷媒が外気から吸熱して蒸発する。
【0049】室外熱交換器23で蒸発したガス冷媒は、
四方弁21を通って、圧縮機20の吸入ポート20bに
吸入される。一方、レシーバ240から出た液冷媒の残
りは、減圧器27a、27bで中間圧まで減圧されて、
気液2相状態となった後に、2つの熱交換器28a、2
8bに分配される。この中間圧の気液2相冷媒は熱交換
器28a、28b内において各発熱部品30a、30b
から吸熱して蒸発すると同時に、各発熱部品30a、3
0bを冷却する。
【0050】熱交換器28a、28b内において蒸発し
たガス冷媒は、蒸発圧力調整弁29a、29bを通過し
た後、逆止弁26cを有するガスインジェクション用通
路20dを通過して、ガスインジェクションポート20
cから圧縮機20内に吸入される。ここで、第3実施形
態においても、温度式膨張弁からなる減圧器27a、2
7bにて、熱交換器28a、28b出口冷媒が所定の過
熱度を持つように、冷媒流量を調整するため、ガスイン
ジェクションポート20cにガス冷媒のみを吸入(イン
ジェクショッン)させることができる。また、蒸発圧力
調整弁29a、29bにより熱交換器28a、28bの
冷媒蒸発温度をそれぞれ各発熱部品30a、30bの種
類(発熱温度の高低)に適合した所定温度に独立に設定
できる。
【0051】次に、冷房モードが設定されると、図5の
冷凍サイクルにおいて、四方弁21により冷媒が破線矢
印に示す経路で流れる。すなわち、圧縮機20から吐出
されたガス冷媒は、四方弁21を通って、 室外熱交換
器23に流入し、ここで外気と熱交換してガス冷媒が凝
縮、液化する。この液冷媒は逆止弁26bを通り、レシ
ーバ240に流入する。そして、レシーバ240から出
た液冷媒の一部は減圧器25で減圧、膨張し、気液2相
状態となる。この減圧後の冷媒は逆止弁26eを通過し
た後に、室内熱交換器22に流入する。
【0052】この室内熱交換器22で冷媒が送風機3の
送風空気から吸熱して蒸発する。この吸熱により冷却さ
れた冷風は、通常、フェイス吹出口7から車室内へ吹き
出して車室内を冷房する。室内熱交換器22で蒸発した
ガス冷媒は、四方弁21を通って、圧縮機20の吸入ポ
ート20bに吸入される。一方、レシーバ240から出
た液冷媒の残りは、減圧器27a、27bで中間圧まで
減圧されて、気液2相状態となった後に、2つの熱交換
器28a、28bに分配される。この中間圧の気液2相
冷媒は熱交換器28a、28b内において各発熱部品3
0a、30bから吸熱して蒸発すると同時に、各発熱部
品30a、30bを冷却する。従って、冷房時において
も、発熱部品30a、30bを冷却することができ、発
熱部品30a、30bを常に冷媒のみで冷却することが
可能である。 (第4実施形態)図6は第4実施形態を示すもので、上
記第3実施形態によるレシーバサイクルを変形したもの
であり、レシーバ240の冷媒入口部に減圧器31を設
けて、中間圧まで減圧し、この中間圧の冷媒をレシーバ
240内で気液分離し、ここで発生したガス冷媒は減圧
器32を有するガスインジェクション通路20eより逆
止弁26cを介してガスインジェクションポート20c
に吸入させる。
【0053】また、レシーバ240内で気液分離された
液冷媒の一部は、減圧器25によりさらに減圧された後
に、暖房時は逆止弁26dを介して室外熱交換器23側
へ、また冷房時は逆止弁26eを介して室内熱交換器2
2側へ流れるとともに、液冷媒の残りは減圧器27を介
して熱交換器28に流入し、発熱部品30を冷却する。
【0054】ところで、ガスインジェクション通路20
eの減圧器32は、適宜の絞り手段から構成され、レシ
ーバ240からのガス冷媒通路を絞ることにより、並列
接続された2つのガスインジェクション通路20d、2
0e間の圧力バランスをとるものである。第4実施形態
によれば、レシーバ240内のガス冷媒をも直接ガスイ
ンジェクションすることにより、発熱部品冷却用の熱交
換器28および室内熱交換器22を流れる冷媒のエンタ
ルピ差を拡大(図6(b)参照)できるので、サイクル
効率をより一層向上できる。 (第5実施形態)図7は第5実施形態を示すもので、第
4実施形態による図6(a)のレシーバサイクルにおい
て、減圧器31の出口側とレシーバ240の冷媒入口部
との間に、発熱部品30の熱交換器28と蒸発圧力調整
弁29とを直列に挿入したものである。
【0055】これにより、減圧器31により中間圧に減
圧された冷媒にて発熱部品30の冷却を行うことができ
る。発熱部品30を冷却した後に、冷媒は蒸発圧力調整
弁29を通り、レシーバ240内に流入し、ここで冷媒
の気液分離が行われる。ガス冷媒は逆止弁26cを有す
るガスインジェクション通路20eよりガスインジェク
ションポート20cに吸入される。
【0056】発熱部品30の熱交換器28下流側の蒸発
圧力調整弁29は、熱交換器28内の冷媒圧力を調整し
て、熱交換器28内の冷媒蒸発温度を調整するものであ
る。 (第6実施形態)図8は第6実施形態を示すもので、冷
凍サイクルを除湿暖房可能なヒートポンプサイクルとし
て構成するとともに、空調ユニット1の構成も変更して
いる。
【0057】以下、この変更部分を重点的に説明する
と、空調ユニット1の空調ダクト2の一端側に内気吸入
口4と外気吸入口5と、これらを切替開閉する内外気切
替ドア6と、常時開口している内気吸入口4aとが設け
られている。。送風機3にはモータ3aにより駆動され
る2つの遠心ファン3b、3bが設けられている。送風
機3よりも空気下流側における空調ダクト2内には冷房
用蒸発器22aが設けられている。この冷房用蒸発器2
2aは、冷凍サイクルの一部を構成する室内熱交換器で
あり、冷房運転および除湿運転モード時に、内部を流れ
る冷媒の吸熱作用によって、空調ダクト2内の空気を除
湿、冷却する熱交換器として機能する。
【0058】また、冷房用蒸発器22aよりも空気下流
側における空調ダクト2内には暖房用凝縮器22bが設
けられている。この暖房用凝縮器22bは、冷凍サイク
ル21の一部を構成する室内熱交換器であり、暖房運転
および除湿運転モード時に、内部を流れる冷媒の放熱作
用によって、空調ダクト2内の空気を加熱する加熱器と
して機能する。
【0059】また、空調ダクト2内の空気流路は、仕切
り壁2aによりフット吹出口8側の第1空気流路2b
と、フェイス吹出口9およびデフロスタ吹出口10側の
第2空気流路2cとに分離されており、この空気流路2
b、2cの2分割は、冬季にフット吹出口8側の空気流
路2bには内気吸入口4aから温度の高い内気を吸入し
て足元へ温風を吹き出すことにより暖房負荷を軽減する
と同時に、デフロスタ吹出口10側の空気流路2cには
外気吸入口5から湿度の低い外気を吸入して、フロント
ウインドの曇りを確実に防止するために行っている。
【0060】ドア2dは第2空気流路2cを開閉するも
ので、ドア2eは第1、第2空気流路2b、2c間の仕
切り部分を開閉するものである。一方、冷凍サイクル
は、冷房用の蒸発器22aと暖房用の凝縮器22bとで
車室内の冷房、暖房および除湿を行うヒートポンプ式冷
凍サイクルとして構成されているため、上述した第1〜
第5実施形態とは以下の点で構成を異にしている。
【0061】すなわち、逆止弁26d、26eの出口側
を合流させて、室外熱交換器23の冷媒入口側に接続し
ており、またヒートポンプの運転モード切替のための電
磁弁33a、33bを追加設置している。冷凍サイクル
として、他の点は、図6に示す第4実施形態と同じであ
り、従って、冷凍サイクルの基本的作動は図6(b)の
モリエル線図で表すことができる。
【0062】次に、本実施形態の各運転モード毎の作動
を概略的に説明すると、冷房モードでは、四方弁21お
よび電磁弁33a、33bが制御装置42により図9の
冷房モードの状態に設定されるので、図8の冷凍サイク
ルにおいて、冷媒が破線矢印に示す経路で流れる。すな
わち、圧縮機20から吐出された高温高圧の過熱ガス冷
媒は、四方弁21、逆止弁26dを通って、室外熱交換
器23に流入し、ここで外気と熱交換してガス冷媒が凝
縮する。次に、室外熱交換器23から流出した冷媒は、
電磁弁33aが閉じているため、逆止弁26bを通っ
て、減圧器(固定絞り)31で減圧され、中間圧の気液
2相状態となる。
【0063】この中間圧の気液2相冷媒はレシーバ24
0内に流入し、ここで冷媒は飽和ガス冷媒と飽和液冷媒
とに分離される。ガス冷媒はレシーバ240上部のガス
冷媒出口から減圧器(固定絞り)32を通り、ここで再
度減圧された後に、逆止弁26cを有するガスインジェ
ション通路20eを通って、ガスインジェションポート
20cに吸入される。
【0064】一方、レシーバ240内の液冷媒の一部
は、レシーバ240底部近くに開口している液冷媒出口
より流出して減圧器(温度作動式膨張弁)25で減圧さ
れ、電磁弁33bを通過した後に、蒸発器22aに流入
する。この蒸発器22aで冷媒が送風機3の送風空気か
ら吸熱して蒸発する。この蒸発器22aで吸熱されて冷
却された冷風は、通常フェイス吹出口7から車室内へ吹
き出して車室内を冷房する。
【0065】蒸発器22aで蒸発したガス冷媒は、圧縮
機20の吸入ポート20bに吸入される。このとき、圧
縮機20の冷媒吸入通路に設置された感温筒25aによ
り圧縮機吸入冷媒の温度が感知され、減圧器(温度作動
式膨張弁)25に伝達されるので、減圧器25は圧縮機
吸入冷媒が所定の過熱度を持つように蒸発器22aへの
流入冷媒の流量を調整する。
【0066】また、レシーバ240内の液冷媒の残り
は、減圧器(温度作動式膨張弁)27を通って熱交換器
28内に流入し、発熱部品30から吸熱して蒸発する。
これにより、発熱部品30の冷却が行われる。次に、暖
房モードでは、四方弁21および電磁弁33a、33b
が制御装置42により図9の暖房モードの状態に設定さ
れるので、図8の冷凍サイクルにおいて、冷媒が実線矢
印に示す経路で流れる。
【0067】すなわち、圧縮機20から吐出されたガス
冷媒は、四方弁21を通って、室内側の凝縮器22bに
流入し、ここで送風機3の送風空気と熱交換(放熱)し
てガス冷媒が凝縮する。ガス冷媒の放熱により加熱され
た温風は主にフット吹出口8から車室内へ吹出し、車室
内の暖房を行う。そして、凝縮器22bから流出した冷
媒は、逆止弁26aを通って、減圧器31で減圧され、
中間圧の気液2相状態となる。
【0068】この中間圧の気液2相冷媒はレシーバ24
0内に流入し、ここで分離されたガス冷媒はレシーバ2
40上部のガス冷媒出口から減圧器32を通り、ここで
再度減圧された後に、逆止弁26cを有するガスインジ
ェション通路20eを通って、ガスインジェションポー
ト20cに吸入される。一方、レシーバ240内の液冷
媒の一部は、液冷媒出口より流出して減圧器(温度作動
式膨張弁)25で減圧され、逆止弁26eを通過した後
に、室外熱交換器23に流入する。この室外熱交換器2
3で冷媒が外気から吸熱して蒸発する。室外熱交換器2
3で蒸発したガス冷媒は、電磁弁33aを通って、圧縮
機20の吸入ポート20bに吸入される。
【0069】また、レシーバ240内の液冷媒の残り
は、減圧器(温度作動式膨張弁)27を通って熱交換器
28内に流入し、発熱部品30から吸熱して蒸発する。
これにより、発熱部品30の冷却が行われる。次に、除
湿モードでは、四方弁21および電磁弁33a、33b
が制御装置42により図9の除湿モードの状態に設定さ
れるので、図8の冷凍サイクルにおいて、冷媒が一点鎖
線矢印に示す経路で流れる。
【0070】すなわち、圧縮機20から吐出されたガス
冷媒は、四方弁21を通って、室内側の凝縮器22bに
流入し、ここで送風機3の送風空気と熱交換(放熱)し
てガス冷媒が凝縮する。そして、凝縮器22bから流出
した冷媒は、逆止弁26aを通って、減圧器31で減圧
され、中間圧の気液2相状態となる。この中間圧の気液
2相冷媒はレシーバ240内に流入し、ここで分離され
たガス冷媒はレシーバ240上部のガス冷媒出口から減
圧器32を通り、ここで再度減圧された後に、逆止弁2
6cを有するガスインジェション通路20eを通って、
ガスインジェションポート20cに吸入される。
【0071】一方、レシーバ240内の液冷媒の一部
は、レシーバ240の液冷媒出口より流出して減圧器
(温度作動式膨張弁)25で減圧された後、開弁してい
る電磁弁33bを通って、蒸発器22aに流入する。こ
のとき、電磁弁33aが閉弁しているので、減圧器(温
度作動式膨張弁)25で減圧された冷媒が室外熱交換器
23側へ流れることはない。
【0072】蒸発器22aに流入した冷媒は送風機3の
送風空気から吸熱して蒸発した後に、圧縮機20に吸入
される。上述したように、除湿時では、室内空調ユニッ
ト1内に設置された蒸発器22aおよび凝縮器22bの
いずれにも冷媒が流れて、送風機7の送風空気はまず蒸
発器22aで冷却、除湿され、その後に凝縮器22bに
て再加熱される。ここで、凝縮器22bでの冷媒放熱量
は、蒸発器22aでの吸熱量に圧縮機20の消費電力を
加えたものであるため、凝縮器22b吹出側の空気温度
は、吸入口4、4a、5からの吸入空気温度より高くな
る。従って、除湿を行いながら、暖房を行うことが可能
となる。
【0073】発熱部品30の冷却および暖房効果の向上
に関しては、第1〜第5実施形態と同じである。 (第7実施形態)図10は第7実施形態を示しており、
第1〜第6実施形態では冷房、暖房の両モードに切替可
能なヒートポンプサイクルについて述べたが、第7実施
形態では、暖房モードへの切替を行わない、冷房専用の
冷凍サイクルに本発明を適用している。
【0074】第7実施形態では、室外熱交換器である凝
縮器23の下流側に、減圧器(温度式膨張弁)27a、
27b、27cを介して発熱部品30a、30b、30
cの冷却器である熱交換器28a、28b、28cを並
列接続し、熱交換器28b、28cの下流側には蒸発圧
力調整弁29b、29cを設けて、これらの下流側をZ
点にて合流させている。
【0075】そして、この合流点Zを、逆止弁26cを
有するガスインジェクション通路20dに接続してい
る。また、合流点Zは連通路34を介してアキュームレ
ータ24の冷媒入口に接続されている。従って、ガスイ
ンジェクション通路20dと連通路34とは並列的にな
っており、この連通路34には冷媒流れを断続する電磁
弁(弁手段)33dが設けてある。
【0076】一方、凝縮器23の下流側は、上記熱交換
器28a、28b、28cの冷媒通路と並列に、電磁弁
(弁手段)33cおよび減圧器(温度式膨張弁)25を
介して室内熱交換器である蒸発器22に接続されてい
る。この蒸発器22は、図10では図示を省略したが、
図1等に示す空調ユニット1の空調ダクト2内に設置さ
れるものであって、送風機3の送風空気を冷却して車室
内を冷房するものである。蒸発器22の冷媒下流側は前
記した電磁弁33dの下流側と合流してアキュームレー
タ24の冷媒入口に接続されている。他の冷凍サイクル
構成は図1〜図3の第1実施形態と同じである。
【0077】次に、第7実施形態の作動を説明すると、
冷房モードが設定されると、空調用制御装置42により
電磁弁33cが開弁され、電磁弁33dが閉弁される。
このため、図10の冷凍サイクルにおいて、冷媒が実線
矢印に示す経路で流れる。すなわち、圧縮機20から吐
出された高温高圧の過熱ガス冷媒は、凝縮器23に流入
し、ここで室外ファン23aにより送風される外気と熱
交換してガス冷媒が凝縮、液化する。
【0078】この液冷媒の一部は、開弁状態にある電磁
弁33cを通って、減圧器25で低圧まで減圧され、次
に、蒸発器22に流入する。この蒸発器22で冷媒が空
調ダクト2(図1参照)内の送風空気から吸熱して蒸発
する。この吸熱により冷却された冷風は、通常、フェイ
ス吹出口7(図1参照)から車室内へ吹き出して車室内
を冷房する。
【0079】そして、蒸発器22から流出したガス冷媒
は、アキュームレータ24を通って、圧縮機20の吸入
ポート20bに吸入される。一方、凝縮器23で液化し
た液冷媒の残りは、減圧器27a、27b、27cで中
間圧まで減圧されて、気液2相状態となった後に、複数
の熱交換器28a、28b、28cに分配される。この
中間圧の気液2相冷媒は熱交換器28a、28b、28
c内においてそれぞれ発熱部品30a、30b、30c
から吸熱して蒸発すると同時に、それぞれ発熱部品30
a、30b、30cを冷却する。
【0080】複数の熱交換器28a、28b、28cで
蒸発したガス冷媒は、蒸発圧力調整弁29b、29cを
通過した後、合流点Zで合流する。このとき、電磁弁3
3dが閉弁しているので、ガス冷媒は合流点Zから逆止
弁26cを通り、ガスインジェクション通路20dを経
て圧縮機20のガスインジェクションポート20cに吸
入される。
【0081】図10(b)は上記冷凍サイクルの作動を
示すモリエル線図であり、図3(b)の第1実施形態と
基本的に同じであるので、詳細な説明は省略する。ま
た、冬季のように,冷房を必要としない場合において
も、発熱部品30a、30b、30cの冷却を行うこと
ができる。すなわち、冷房モードの未使用時には、空調
用制御装置42により電磁弁33cが閉弁され、電磁弁
33dが開弁される。このため、図10の冷凍サイクル
において、冷媒が破線矢印に示す経路で流れる。
【0082】すなわち、圧縮機20から吐出された高温
高圧の過熱ガス冷媒は、凝縮器23に流入し、ここで室
外ファン23aにより送風される外気と熱交換してガス
冷媒が凝縮、液化する。この液冷媒は、電磁弁33cが
閉弁しているため、すべて減圧器27a、27b、27
cで減圧されて、気液2相状態となった後に、複数の熱
交換器28a、28b、28cに分配される。この気液
2相冷媒は上述したように、熱交換器28a、28b、
28c内で、それぞれ発熱部品30a、30b、30c
から吸熱して蒸発し、発熱部品30a、30b、30c
を冷却する。 複数の熱交換器28a、28b、28c
で蒸発したガス冷媒は、蒸発圧力調整弁29b、29c
を通過した後、合流点Zで合流し、このとき、電磁弁3
3dが開弁しているので、ガス冷媒は合流点Zから連通
路34を通り、アキュームレータ24を通って、圧縮機
20の吸入ポート20bに吸入される。このようにし
て、冷房モードの未使用時においても、発熱部品30
a、30b、30cを確実に冷却することができる。
【0083】従って、図10に示す冷房専用サイクルに
おいても、発熱部品30a、30b、30cを常に冷媒
のみで冷却することが可能であるため、発熱部品30
a、30b、30cの冷却のための冷却水循環システム
を廃止できる。その他の構成、作用効果はすべて第1実
施形態と同じである。 (第8実施形態)図11は第8実施形態を示しており、
第7実施形態に対して、圧縮機吸入側に位置するアキュ
ームレータ24を廃止し、その代わりに冷媒の気液を分
離し、液冷媒を溜めるレシーバ240を凝縮器23の下
流側(サイクル高圧側)に設置した、いわゆるレシーバ
サイクルを構成している。その他の構成、作用効果はす
べて第7実施形態と同じである。 (第9実施形態)図12は第9実施形態を示しており、
第8実施形態をさらに変形したものであり、凝縮器23
の下流側とレシーバ240の上流側との間に固定絞りか
らなる減圧器31を設置して、レシーバ240内が中間
圧となるようにしてある。そして、レシーバ240内で
気液分離されたガス冷媒を導出するガスインジェクショ
ン通路20eを設けるとともに、このガスインジェクシ
ョン通路20eに減圧器32(図6、8の減圧器32と
同じもの)を設け、このガスインジェクション通路20
eを、発熱部品冷却用熱交換器28a〜28cの下流側
に設けられたガスインジェクション通路20dと合流さ
せて、逆止弁26cを介してガスインジェクションポー
ト20cに連通させている。
【0084】従って、第9実施形態では、冷房モード時
には、上記の両ガスインジェクション通路20d、20
eからのガス冷媒を合流させて、圧縮機20にガスイン
ジェクションすることになる。第9実施形態によれば、
レシーバ240内のガス冷媒をも直接ガスインジェクシ
ョンすることにより、発熱部品冷却用の熱交換器28a
〜28cおよび蒸発器22を流れる冷媒のエンタルピ差
を拡大(図6(b)参照)できるので、サイクル効率を
より一層向上できる。その他の構成、作用効果は第8実
施形態と同じである。 (他の実施形態)なお、上記の各実施形態では、複数の
発熱部品30a〜30cに対応してそれぞれ冷却用の熱
交換器28a〜28cを設置する場合について述べた
が、複数の発熱部品30a〜30cの発熱温度が近似し
ている場合は、複数の発熱部品30a〜30cを一体的
に集結しても支障がないので、この一体的に集結した複
数の発熱部品30a〜30cを1つの冷却用熱交換器に
て冷却するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態を示す冷凍サイクル図で
ある。
【図2】(a)は第1実施形態で使用する発熱部品冷却
用熱交換器の一部断面正面図、(b)は同熱交換器の斜
視図、(c)は同熱交換器の横断面図である。
【図3】(a)は従来装置の作動を示すモリエル線図、
(b)は第1実施形態の作動を示すモリエル線図であ
る。
【図4】(a)は本発明の第2実施形態を示す冷凍サイ
クル図、(b)は第2実施形態の作動を示すモリエル線
図である。
【図5】(a)は本発明の第3実施形態を示す冷凍サイ
クル図、(b)は第3実施形態の作動を示すモリエル線
図である。
【図6】(a)は本発明の第4実施形態を示す冷凍サイ
クル図、(b)は第4実施形態の作動を示すモリエル線
図である。
【図7】(a)は本発明の第5実施形態を示す冷凍サイ
クル図、(b)は第5実施形態の作動を示すモリエル線
図である。
【図8】本発明の第6実施形態を示す冷凍サイクル図で
ある。
【図9】第6実施形態における弁の作動状態を示す図表
である。
【図10】(a)は本発明の第7実施形態を示す冷凍サ
イクル図、(b)は第7実施形態の作動を示すモリエル
線図である。
【図11】本発明の第8実施形態を示す冷凍サイクル図
である。
【図12】本発明の第9実施形態を示す冷凍サイクル図
である。
【符号の説明】
2…空調ダクト、20…圧縮機、20c…ガスインジェ
クションポート、20d、20e…ガスインジェクショ
ン通路、22…室内熱交換器、23…室外熱交換器、2
5、27、27a、27b、27c、31、32…減圧
器、240…レシーバ(気液分離器)、28a、28
b、28c…熱交換器、30a、30b、30c…発熱
部品。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石井 勝也 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本 電装株式会社内 (72)発明者 伴在 慶一郎 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本 電装株式会社内 (56)参考文献 特開 平6−293210(JP,A) 特開 昭60−111851(JP,A) 特開 昭61−64526(JP,A) 特開 平5−270252(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60H 1/00 - 1/34

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一端側に空気の吸入口(4、4a、5)
    を有し、他端側に車室内への吹出口(7、8、9)を有
    する空調空気通路(2)と、 この空調空気通路(2)に設置され、この空調空気通路
    (2)を通して空気を前記吸入口(4、4a、5)側か
    ら前記吹出口(7、8、9)側へ送風する送風機(3)
    と、 前記空調空気通路(2)に設置され、前記空気と熱交換
    を行う室内熱交換器(22、22a、22b)と、 前記空調空気通路(2)の外部に設置され、外気と冷媒
    との間で熱交換を行う室外熱交換器(23)と、 前記室内熱交換器(22、22a、22b)と前記室外
    熱交換器(23)との間に配置され、冷媒を減圧する第
    1減圧器(25)と、 冷凍サイクル低圧側の冷媒を吸入する吸入ポート(20
    b)、冷凍サイクル中間圧のガス冷媒を導入するガスイ
    ンジェクションポート(20c)、および圧縮された冷
    媒を吐出する吐出ポート(20a)を有する圧縮機(2
    0)と、 冷凍サイクル高圧側の凝縮後の冷媒を中間圧に減圧する
    第2減圧器(27、27a〜27c)と、 この中間圧の冷媒が流入するとともに、この中間圧の冷
    媒が車両搭載の発熱部品(30、30a〜30b)から
    吸熱して蒸発するように構成された熱交換器(28、2
    8a〜28c)と、 この熱交換器(28、28a〜28c)で蒸発したガス
    冷媒を前記ガスインジェクションポート(20c)に導
    くガスインジェクション通路(20d)とを備え、 少なくとも、前記室内熱交換器(22、22a、22
    b)が凝縮器として作用する暖房モードと、前記室内熱
    交換器(22、22a、22b)が蒸発器として作用す
    る冷房モードとが設定可能に構成されていることを特徴
    とする車両用空調装置。
  2. 【請求項2】 前記第2減圧器(27、27a〜27
    c)は、前記熱交換器(28、28a〜28c)出口で
    冷媒が蒸発を完了するように冷媒流量を制御する膨張弁
    であることを特徴とする請求項1に記載の車両用空調装
    置。
  3. 【請求項3】 前記発熱部品(30、30a〜30b)
    が複数個搭載されている車両において、 前記熱交換器(28、28a〜28c)を前記発熱部品
    (30、30a〜30b)に対応して複数個設け、 この複数個の熱交換器(28、28a〜28c)出口側
    に、冷媒の蒸発温度を制御する絞り手段(29a、29
    b、29c)を設けることを特徴とする請求項1または
    2に記載の車両用空調装置。
  4. 【請求項4】 冷凍サイクル高圧側の凝縮後の冷媒が導
    入され、この冷媒の気液を分離する気液分離器(24
    0)を有し、 この気液分離器(240)で分離された液冷媒の一部を
    前記第1減圧器(25)に流入させるとともに、この液
    冷媒の一部を前記第2減圧器(27、27a〜27c)
    に流入させることを特徴とする請求項1ないし3のいず
    れか1つに記載の車両用空調装置。
  5. 【請求項5】 一端側に空気の吸入口(4、4a、5)
    を有し、他端側に車室内への吹出口(7、8、9)を有
    する空調空気通路(2)と、 この空調空気通路(2)に設置され、この空調空気通路
    (2)を通して空気を前記吸入口(4、4a、5)側か
    ら前記吹出口(7、8、9)側へ送風する送風機(3)
    と、 前記空調空気通路(2)に設置され、前記空気と熱交換
    を行う室内熱交換器(22、22a、22b)と、 前記空調空気通路(2)の外部に設置され、外気と冷媒
    との間で熱交換を行う室外熱交換器(23)と、 冷凍サイクル低圧側の冷媒を吸入する吸入ポート(20
    b)、冷凍サイクル中間圧のガス冷媒を導入するガスイ
    ンジェクションポート(20c)、および圧縮された冷
    媒を吐出する吐出ポート(20a)を有する圧縮機(2
    0)と、 冷凍サイクル高圧側の凝縮後の冷媒を中間圧まで減圧す
    る第1減圧器(31)と、 この第1減圧器(31)で減圧された中間圧冷媒の気液
    を分離する気液分離器(240)と、 この気液分離器(240)で分離されたガス冷媒を第2
    減圧器(32)を介して前記ガスインジェクションポー
    ト(20c)に導く第1ガスインジェクション通路(2
    0e)と、 前記気液分離器(240)で分離された液冷媒を減圧し
    て前記室内熱交換器(22、22a、22b)または前
    記室外熱交換器(23)に供給する第3減圧器(25)
    と、 前記気液分離器(240)で分離された液冷媒を減圧す
    る第4減圧器(27、27a〜27c)と、 この第4減圧器(27、27a〜27c)で減圧された
    冷媒が流入するとともに、この冷媒が車両搭載の発熱部
    品(30、30a〜30c)から吸熱して蒸発するよう
    に構成された熱交換器(28、28a〜28c)と、 この熱交換器(28、28a〜28c)で蒸発したガス
    冷媒を前記ガスインジェクションポート(20c)に導
    く第2ガスインジェクション通路(20d)と を備え、少なくとも、前記室内熱交換器(22、22
    a、22b)が凝縮器として作用する暖房モードと、前
    記室内熱交換器(22、22a、22b)が蒸発器とし
    て作用する冷房モードとが設定可能に構成されているこ
    とを特徴とする車両用空調装置。
  6. 【請求項6】 前記室内熱交換器として、前記空調空気
    通路(2)に設置され、前記空気を冷却する蒸発器(2
    2a)と、前記空調空気通路(2)において前記蒸発器
    (22a)の下流側に設置され、前記空気を加熱する凝
    縮器(22b)とを備え、 暖房時には、前記圧縮機(20)、前記凝縮器(22
    b)、前記第1減圧器(31)、前記気液分離器(24
    0)、前記第3減圧器(25)、および前記室外熱交換
    器(23)の順に冷媒が循環し、 冷房時には、前記圧縮機(20)、前記室外熱交換器
    (23)、前記第1減圧器(31)、前記気液分離器
    (240)、前記第3減圧器(25)、および前記蒸発
    器(22a)の順に冷媒が循環し、 除湿時には、前記圧縮機(20)、前記凝縮器(22
    b)、前記第1減圧器(31)、前記気液分離器(24
    0)、前記第3減圧器(25)、および前記蒸発器(2
    2a)の順に冷媒が循環し、 暖房時、冷房時、および除湿時のいずれにおいても、前
    記気液分離器(240)で分離されたガス冷媒を前記第
    2減圧器(32)を介して前記第1ガスインジェクショ
    ン通路(22e)により前記ガスインジェクションポー
    ト(22c)に導入し、 かつ、前記気液分離器(240)で分離された液冷媒の
    一部を前記第4減圧器(27、27a〜27c)で減圧
    した後、前記熱交換器(28、28a〜28c)で蒸発
    させ、この蒸発したガス冷媒を前記第2ガスインジェク
    ション通路(22d)により前記ガスインジェクション
    ポート(22c)に導入することを特徴とする請求項5
    に記載の車両用空調装置。
  7. 【請求項7】 一端側に空気の吸入口(4、4a、5)
    を有し、他端側に車室内への吹出口(7、8、9)を有
    する空調空気通路(2)と、 この空調空気通路(2)に設置され、この空調空気通路
    (2)を通して空気を前記吸入口(4、4a、5)側か
    ら前記吹出口(7、8、9)側へ送風する送風機(3)
    と、 前記空調空気通路(2)に設置され、前記空気と熱交換
    を行う室内熱交換器(22、22a、22b)と、 前記空調空気通路(2)の外部に設置され、外気と冷媒
    との間で熱交換を行う室外熱交換器(23)と、 冷凍サイクル低圧側の冷媒を吸入する吸入ポート(20
    b)、冷凍サイクル中間圧のガス冷媒を導入するガスイ
    ンジェクションポート(20c)、および圧縮された冷
    媒を吐出する吐出ポート(20a)を有する圧縮機(2
    0)と、 冷凍サイクル高圧側の凝縮後の冷媒を中間圧まで減圧す
    る第1減圧器(31)と、 この第1減圧器(31)で減圧された中間圧冷媒が流入
    するとともに、この中間圧冷媒が車両搭載の発熱部品
    (30、30a〜30c)から吸熱するように構成され
    た熱交換器(28、28a〜28c)と、 この熱交換器(28、28a〜28c)で吸熱した冷媒
    の気液を分離する気液分離器(240)と、 この気液分離器(240)で分離された液冷媒を減圧し
    て前記室内熱交換器(22、22a、22b)または前
    記室外熱交換器(23)に供給する第2減圧器(25)
    と、 前記気液分離器(240)で分離されたガス冷媒を前記
    ガスインジェクションポート(20c)に導くガスイン
    ジェクション通路(20e)とを備え、 少なくとも、前記室内熱交換器(22、22a、22
    b)が凝縮器として作用する暖房モードと、前記室内熱
    交換器(22、22a、22b)が蒸発器として作用す
    る冷房モードとが設定可能に構成されていることを特徴
    とする車両用空調装置。
  8. 【請求項8】 一端側に空気の吸入口(4、4a、5)
    を有し、他端側に車室内への吹出口(7、8、9)を有
    する空調空気通路(2)と、 この空調空気通路(2)に設置され、この空調空気通路
    (2)を通して空気を前記吸入口(4、4a、5)側か
    ら前記吹出口(7、8、9)側へ送風する送風機(3)
    と、 前記空調空気通路(2)に設置され、前記空気を冷却す
    る蒸発器(22)と、 前記空調空気通路(2)の外部に設置され、外気との間
    で熱交換を行って冷媒を凝縮する凝縮器(23)と、 前記凝縮器(23)と前記蒸発器(22)との間に配置
    され、冷媒を減圧する第1減圧器(25)と、 冷凍サイクル低圧側の冷媒を吸入する吸入ポート(20
    b)、冷凍サイクル中間圧のガス冷媒を導入するガスイ
    ンジェクションポート(20c)、および圧縮された冷
    媒を吐出する吐出ポート(20a)を有する圧縮機(2
    0)と、 前記凝縮器(23)で凝縮した高圧側冷媒を中間圧に減
    圧する第2減圧器(27、27a〜27c)と、 この中間圧の冷媒が流入するとともに、この中間圧の冷
    媒が車両搭載の発熱部品(30、30a〜30b)から
    吸熱して蒸発するように構成された熱交換器(28、2
    8a〜28c)と、 この熱交換器(28、28a〜28c)で蒸発したガス
    冷媒を前記ガスインジェクションポート(20c)に導
    くガスインジェクション通路(20d)とを備えること
    を特徴とする車両用空調装置。
  9. 【請求項9】 前記凝縮器(23)の出口側に、冷媒の
    気液を分離する気液分離器(240)を有し、 この気液分離器(240)で分離された液冷媒の一部を
    前記第1減圧器(25)に流入させるとともに、この液
    冷媒の一部を前記第2減圧器(27、27a〜27c)
    に流入させることを特徴とする請求項8に記載の車両用
    空調装置。
  10. 【請求項10】 前記熱交換器(28、28a〜28
    c)の出口側を前記吸入ポート(20b)に連通させる
    連通路(34)を、前記ガスインジェクション通路(2
    0d)と並列的に設けるとともに、 この連通路(34)および前記蒸発器(22)への冷媒
    通路に、冷媒流れを断続する弁手段(33c、33d)
    を設け、 冷房モード未使用時には、前記連通路(34)を前記弁
    手段(33d)により開放するとともに、前記蒸発器
    (22)への冷媒通路を前記弁手段(33c)により閉
    塞することにより、前記熱交換器(28、28a〜28
    c)にて前記発熱部品(30、30a〜30b)を冷却
    することを特徴とする請求項8または9に記載の車両用
    空調装置。
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JPH1134640A (ja) * 1997-07-24 1999-02-09 Denso Corp 車両用空調装置

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