JP3142928B2 - 可撓管用硬度可変装置 - Google Patents

可撓管用硬度可変装置

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    • A61B1/00064Constructional details of the endoscope body
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    • A61B1/00078Insertion part of the endoscope body with stiffening means

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば内視鏡挿入部や
カテーテル等の可撓管に組み込んでその可撓管の硬さを
可変する可撓管用硬度可変装置に関する。
【0002】
【従来の技術】特開昭60−156431号公報におい
て、例えば大腸等の体腔内へ内視鏡挿入部を挿入する際
の挿入性を向上させるため、その可撓管の硬度を可変に
する機構が提案されている。これは、芯材としてのコイ
ル状部材のピッチ間に、形状記憶合金製のコイル体を配
設してなり、そのコイル体に通電することにより加熱
し、記憶形状である密巻きコイル形状、またはピッチ間
隔を決める形状に回復変形させ、その結果として挿入部
の硬度を上げるものである。
【0003】また、直線形状を記憶させた形状記憶合金
製の線材を内視鏡挿入部内に配設し、これに通電加熱す
ることで、その挿入部を直線化するとともに、挿入部の
硬度を上げる方式のものも考えられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前記構成ではその形状
記憶合金製部材を太くしなければならないから、非加熱
時においてそれの硬度が高くなり、可撓性を低下して患
者の苦痛を与えるなどの欠点があった。しかも、その形
状記憶合金部材の低温時における弾性が低く塑性変形し
易いことから低温時に不必要な曲がり癖が付いてしまう
というような事情があった。
【0005】本発明は前記課題に着目してなされたもの
で、その目的とするところは、特に、形状記憶合金を用
いた可撓管用硬度可変装置において、低温時の可撓性を
向上できるとともにその挿入性等の使用性を向上するこ
とにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に本発明は、可撓管内に配設されるコイルと、このコイ
ルの内側に配設される電気的絶縁性チューブと、この電
気的絶縁性チューブ内にその軸方向に沿って配置される
とともにそのコイルに対して両端が固定され、軸方向伸
縮型2方向性の形状記憶合金製ワイヤと、この形状記憶
合金製ワイヤを通電する通電加熱手段とを具備した可撓
管用硬度可変装置である。
【0007】
【作用】前記通電加熱手段により加熱した高温側で形状
記憶合金製ワイヤは収縮して可撓管を硬くし、低温では
形状記憶合金製ワイヤが伸長してその可撓管を柔らかく
する。
【0008】
【実施例】図1ないし図3は本発明の第1の実施例を示
すものである。この実施例は、大腸用内視鏡1に適用し
たものである。図2はその内視鏡システムの構成を示し
ている。内視鏡1は長尺な挿入部2を有しており、この
挿入部2の手元側端には操作部3が連結されている。操
作部3にはユニバーサルケーブル4が連結されており、
このユニバーサルケーブル4はこの延出先端にあるコネ
クタ5を光源装置6に対して着脱自在に連結される。
【0009】前記挿入部2は、先端側から先端チップ部
7、湾曲部8、長尺な可撓管9を順次連結してなり、可
撓管9の内部にはその略全長にわたって硬度可変部10
が配設されている。
【0010】また、操作部3には前記硬度可変部10へ
通電するためのリード線33a,33bに通じる硬度可
変スイッチ12が設けられている。この硬度可変スイッ
チ12は前記リード線33a,33bを通じて硬度可変
部10への通電をオン/オフ操作する。光源装置6内に
は、ユニバーサルケーブル4を介して電気的に接続され
る通電制御部13が設けられている。
【0011】図3は前記可撓管9の内部に硬度可変部1
0を配設した状態を示している。湾曲部8の最後端の湾
曲駒15と可撓管9の螺旋管16の先端とは繋ぎ管(口
金)17を介して固定的に接続される。湾曲部8におけ
る湾曲駒15の外周にはブレードと外皮からなる外装部
材18が設けられ、可撓管9における螺旋管16の外周
には同じくブレードと外皮からなる外装部材19が設け
られている。前記硬度可変部10は可撓管9の内面上壁
部に沿って近接配置されている。さらに、前記挿入部2
内には観察用CCD信号ケーブル21、照明用ライトガ
イドファイバ22、及び処置具挿通用チャンネルチュー
ブ(図示せず)を配設してある。
【0012】前記硬度可変部10は、図1で示すように
構成される。すなわち、外側に密巻きのコイル23と内
側に電気的絶縁性チューブ24を配設してなる長尺な二
重管部材25を有し、この二重管部材25の先端と後端
には、半田などのろう付け、接着、ねじ止め等の固定手
段で、前側固定部26と後側固定部27が固着されてい
る。この前側固定部26は前記繋ぎ管17に前述したよ
うな固定手段で固着されている。なお、前記コイル23
の素材断面は角形となっており、これが好ましいが、通
常の丸形であってもよいものである。また、コイル23
は密巻きとして圧縮力で極力硬くなるようにしたが、粗
巻きのものでもよく、この場合、そのコイルが収縮する
と、密巻き状態になるようにしてもよい。
【0013】さらに、二重管部材25の内部には、2方
向性形状記憶合金からなる1本のワイヤ30が挿通さ
れ、そのワイヤ30の先端は前側固定部26の貫通孔に
貫通し、この貫通端には管状のかしめ部材31を固着し
ている。また、ワイヤ30の後端は後側固定部27の貫
通孔を貫通し、この貫通端には管状のかしめ部材32を
固着している。
【0014】そして、ワイヤ30の両端に取着したかし
め部材31,32は前側固定部26と後側固定部27に
対し、ワイヤ30に張力が生じた際に係止されるように
なっている。また、形状記憶合金製ワイヤ30の先端に
は、チューブ24の内部に挿通したリード線33aが電
気的に接続され、ワイヤ30の後端には、別のリード線
33bが電気的に接続されている。管状のかしめ部材3
1,32はそのワイヤ30とリード線33a,33bを
かしめて固着している。なお、リード線33aは後方の
かしめ部材32を貫通して後方へ導出している。
【0015】前記形状記憶合金製ワイヤ30は、例えば
TiNi合金からなり、低温時には、その長さが伸長
し、高温時には、収縮する2方向性形状記憶合金からな
る。変態点(Af)は、45〜55℃が好適である。そ
して、この形状記憶合金製ワイヤ30には、低温のとき
において、可撓管9の通常の屈曲作用に伴って二重管部
材25が湾曲したときでも、突っ張ることがない程度の
弛みがある。二重管部材25内に挿通するリード線33
aにはそれ以上の弛みを持たしている。
【0016】次に、この内視鏡1の作用を説明する。硬
度可変部10における形状記憶合金製ワイヤ30に通電
しない低温時においては、そのワイヤ30は図1の
(a)、(b)で示す如くその長さが伸びて弛んだ状態
にある。したがって、可撓管9を屈曲させたとき、それ
に伴って二重管部材25が湾曲したときでも、そのワイ
ヤ30は突っ張ることがない。このため、可撓管9の硬
さは柔軟な状態にある。
【0017】一方、使用中において、可撓管9を硬くし
たい場合には、操作部3にある硬度可変スイッチ12を
オンし、リード線33a,33bを通じて硬度可変部1
0の形状記憶合金製ワイヤ30に通電することにより、
そのワイヤ30を加熱する。この通電加熱により、形状
記憶合金製ワイヤ30は高温側に変態し、図1の(c)
で示すごとくその長さ方向へ収縮し、力Fを生じさせ
る。この力Fは、両かしめ部材31,32にかかり、前
側固定部26と後側固定部27を介して密巻きコイル2
3に圧縮力fをかける。すると、コイル23には突張り
力が加わり、見かけ上、硬度が高まる。そして、挿入部
2の可撓管9を硬くするのである。
【0018】しかして、形状記憶合金製ワイヤ30に対
する通電の有無によって挿入部2の可撓管9を硬くした
り柔らかくしたりすることができる。このため、例え
ば、大腸等の体腔内へ挿入部2を挿入するときには、そ
の挿入部2の可撓管9を硬くして押込み力を先端側へ伝
達しやすくする。また、挿入し終わったときには、挿入
部2の可撓管9を柔らかくしてその管腔の形に自然に沿
わせることができる。また、挿入部2の可撓管9を柔ら
かくしておけば、挿入部2を回転させる際に生体に無理
をかけないで済む。
【0019】なお、形状記憶合金製ワイヤ30に対する
通電は、直流でも交流でもよいが、パルス幅変調(PW
M)通電を行ない、デューティ比を変えることで、形状
記憶合金製ワイヤ30の収縮量をコントロールし、コイ
ル23の突張り量を変えることも可能である。可撓管9
内に硬度可変部10を1本配置してあるが、必要に応じ
て複数本を設けてもよい。また、形状記憶合金ワイヤ3
0は単線でなく、複数本を並べて配設したり、より線状
に束ねたものでもよい。
【0020】図4は、本発明の第2の実施例を示すもの
である。この実施例での硬度可変部40はその硬度の可
変を部分的に行うものである。すなわち、硬度可変部4
0はその中間に中間固定部41を設け、ここに設けたか
しめ部材42に形状記憶合金製ワイヤ30の中間部をか
しめ付けて固定する。このかしめ部材42には、コイル
23およびチューブ24を固定している。さらに、この
中間のかしめ部材42の位置において、その形状記憶合
金製ワイヤ30の中間部分には、第3のリード線33c
が電気的に接続している。また、形状記憶合金製ワイヤ
30の先端と後端には前述した第1の実施例の場合と同
様にリード線33a,33bが接続している。各リード
線33a,33b,33cの基端には選択スイッチ43
の各接点a,b,cを介して通電制御部13に接続され
ている。
【0021】しかして、選択スイッチ43の接点a,
b,cを適宜選択してそれをオンにすることにより硬度
可変部40の硬度の可変を部分的に行うことができる。
例えば、接点a,bをオンすれば、前述した第1の実施
例の場合と同様、リード線33a,33bを通じて形状
記憶合金製ワイヤ30の全長を加熱することができる。
したがって、この場合には硬度可変部40の全長を硬く
することができる。
【0022】一方、接点a,cのみをオンすることによ
り、リード線33aとリード線33cを通じて前側固定
部26と中間固定部41の間の形状記憶合金製ワイヤ3
0の部分にのみ通電する。このため、前側固定部26と
中間固定部41の間の部分のみ加熱されてその部分が収
縮し、前側固定部26と中間固定部41の間の形状記憶
合金製ワイヤ30に収縮力が働き、そのコイル23の前
方半分の部分に突張り力が与えられ、その部分に対応し
た可撓管9の硬度を上げる。
【0023】また、接点b,cのみをオンすることによ
りリード線33bとリード線33cを通じてリード線3
3bとリード線33cの間に通電することで、後側固定
部27と中間固定部41の間の部分のみ加熱されてその
部分の形状記憶合金ワイヤ30に収縮力が働き、そのコ
イル23の後方半分の部分に突張り力を与えてその部分
に対応した可撓管9の硬度を上げる。しかして、硬度可
変部40の全長ではなく硬くする部分を選択してそれに
対応した可撓管9の部分の硬さを可変することができ
る。
【0024】なお、この場合の選択スイッチ43は、第
1の実施例と同様に操作部3に設けてもよいし、光源装
置6に配設してもよいものである。また、中間固定部4
1を適宜、複数個所に設けて、可撓管9の複数個所の硬
度を選択的に変化させるようにしてもよい。
【0025】図5は本発明の第3の実施例を示すもので
ある。この第3の実施例では、内視鏡の挿入部における
可撓管51の内部に設けた処置具挿通用チャンネルチュ
ーブ52の内部に挿通して使用するようにした硬度可変
装置を示す。すなわち、内視鏡挿入部における可撓管5
1の内部には、処置具挿通用チャンネルチューブ52や
イメージガイドファイバ53等が配設されている。そし
て、処置具挿通用チャンネルチューブ52内に前述した
ような構成の硬度可変部54を差し込んで配置するよう
になっている。
【0026】硬度可変部54のチューブ24とコイル2
3の先端は、先端固定部55に対して共に固定され、先
端固定部55の中央には形状記憶合金製ワイヤ56の先
端が突き抜け、この貫通先端はかしめ部材57に機械的
に固定されている。かしめ部材57にはリード線33a
の先端を接続している。先端固定部55の先端側は充填
部58とし、接着剤等を充填している。後方側において
は前述した実施例と同様に形状記憶合金製ワイヤ56の
後端が固定されている。
【0027】しかして、内視鏡挿入部の処置具挿通チャ
ンネルチューブ52に、硬度可変部54を挿入して内視
鏡挿入部の可撓管51の硬度を可変させる。それの基本
動作は前述した実施例のものと同じである。硬度可変部
54が内視鏡挿入部の可撓管51の長さより短ければ、
その可撓管51に位置する部分を変えることにより硬度
を可変させる部分を任意に変更することができる。
【0028】図6は本発明の第4の実施例を示すもので
ある。この実施例のものでは内視鏡挿入部における可撓
管61の内周にコイル62を配置し、このコイル62の
先端側に前側固定部63、後方側に後側固定部64を設
け、この両固定部63,64間に複数本の形状記憶合金
製ワイヤ65を架設して固定する。前側固定部63には
リード線65aを電気的に接続し、後側固定部64には
リード線65bを電気的に接続してある。また、可撓管
61の中央には、イメージガイドファイバ66と、この
外周に被嵌した状態でライトガイドフアィバ67を配設
してある。これによる作用は前述した第1の実施例のも
のと同じである。
【0029】本発明は前述した実施例のものに限定され
るものではない。血管用内視鏡などの細径内視鏡や内視
鏡以外のカテーテル等の可撓管の硬度を変化させる場合
に用いてもよい。また、低温側にあるときの形状記憶合
金製ワイヤのたるみ量は可撓管が湾曲しても硬度に影響
を与えない量が望ましい。さらに、可撓管内に配設する
硬度可変部は可撓管内の中央に配設したり(マルチルー
メンチューブではその中央のルーメンに設けるとよ
い。)、内周面上に配設する。周面上の場合は1個所で
もよいが、収縮で可撓管が湾曲する影響を考慮して均
等、例えば上下、上下左右120°間隔で設けた方が望
ましい。
【0030】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、前
記通電加熱手段により加熱した高温側で形状記憶合金製
ワイヤは収縮して可撓管を硬くし、低温では形状記憶合
金製ワイヤが伸長してその可撓管を柔らかくする。した
がって、低温時においても充分な可撓性を有し、挿入性
等の性能を損なうことがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明の第1の実施例の硬度可変部の
断面図、(b)はその一部の低温時の拡大断面図、
(c)はその一部の高温時の拡大断面図。
【図2】本発明の第1の実施例を適用した内視鏡の全体
的システムの構成図。
【図3】本発明の第1の実施例の硬度可変部を組み込ん
だ内視鏡の挿入部の断面図。
【図4】本発明の第2の実施例の硬度可変部の断面図。
【図5】本発明の第3の実施例の硬度可変部を組み込ん
だ内視鏡の挿入部の断面図。
【図6】本発明の第4の実施例の硬度可変部を組み込ん
だ内視鏡の挿入部の断面図。
【符号の説明】
1…内視鏡、2…挿入部、9…可撓管、10…硬度可変
部、12…硬度可変スイッチ、13…通電制御部、23
…コイル、24…チューブ、26…前側固定部、27…
後側固定部、30…ワイヤ、33a,33b,33c…
リード線、40…硬度可変部、43…選択スイッチ、5
4…硬度可変部、56…形状記憶合金製ワイヤ。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】イ)可撓管内に配設されるコイルと、 ロ)このコイルの内側に配設される電気的絶縁性チュー
    ブと、 ハ)この電気的絶縁性チューブ内にその軸方向に沿って
    配置されるとともにそのコイルに対して両端が固定さ
    れ、軸方向伸縮型2方向性の形状記憶合金製ワイヤと、 ニ)この形状記憶合金製ワイヤを通電する通電加熱手段
    とを具備したことを特徴とする可撓管用硬度可変装置。
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