JP3288116B2 - 内視鏡 - Google Patents

内視鏡

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JP3288116B2
JP3288116B2 JP08339093A JP8339093A JP3288116B2 JP 3288116 B2 JP3288116 B2 JP 3288116B2 JP 08339093 A JP08339093 A JP 08339093A JP 8339093 A JP8339093 A JP 8339093A JP 3288116 B2 JP3288116 B2 JP 3288116B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子内視鏡、ファイバ
ースコープ等の内視鏡に係り、特に、大腸用スコープを
備えた電子内視鏡に関する。
【0002】
【従来の技術】内視鏡は、患者の体腔内、例えば消化
管、大腸等にスコープを挿入することにより、スコープ
先端付近に位置する体腔内を観察可能になっている。
【0003】図11は、電子内視鏡を示した全体斜視図
である。
【0004】同図でわかるように、電子内視鏡1は、ス
コープ2、本体3およびモニター4を備え、スコープ2
は、固体撮像素子や洗浄ノズル等を設けた硬性部5と呼
ばれる先端部分と、硬性部5を所望の方向に差し向ける
湾曲部6と、硬性部5を体腔内の所望の位置まで挿入す
るための導中管7と呼ばれる中間部分と、様々な操作を
行う操作部8とを順次接続して構成してある。
【0005】導中管7は、図12に示すように、金属螺
旋管11、網目状金属ブレード12およびゴム製外皮1
3を積層した中空構造体で形成してある。
【0006】ここで、外皮13およびブレード12は接
着剤等で互いに固着してあるが、ブレード12および螺
旋管11は、互いにすべり自在に形成してあり、導中管
21に曲げが作用したとき、導中管21は自在に撓むよ
うになっている。
【0007】螺旋管11内に形成された中空部分には、
図示しない照明用光ファイバー、電気ケーブル、送気送
水チューブ等が通してある。導中管7の曲げ硬さは、螺
旋管11のフレックスピッチ、外皮13の厚さ、ゴム硬
度等を調整することにより、製造時に所定の硬さに形成
してあり、例えば、スコープ先端部から30乃至40c
mまでは柔らかめにそれより後側では硬めに形成してあ
る。
【0008】電子内視鏡1を用いて体腔内例えば大腸内
の患部をモニターに表示するには、操作部8を手で保持
しながら少しずつ導中管7を大腸内に挿入し、硬性部5
を所望の患部位置まで送り込む。次に、硬性部5のTV
カメラで体腔内を撮像する。撮像された体腔内の画像
は、ユニバーサルコード9を介して本体3に送られ、本
体3で適宜画像処理された後、モニター4に表示され
る。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ここで、スコープ2を
挿入してS状結腸を通過させた後、脾屈曲部への挿入に
備えてスコープ2を真っ直ぐにしようとしても、導中管
7が撓んでしまうためにスコープの直線化が困難である
という問題があった。
【0010】また、直線化後、スコープ2の先端を、脾
屈曲部を経て横行結腸に挿入しようとしても、導中管7
が途中で撓んでしまって挿入力をスコープ先端まで伝達
することができない場合がある。このような状況でさら
に挿入しようとしても、導中管7が途中でループ状にな
るだけでかえって患者に苦痛を与える。
【0011】かかる導中管7の撓みによる挿入不能を回
避するため、従来は、中空のスライディングチューブを
用いて導中管7が撓まないようにしながらスコープ2を
挿入することにより、脾屈曲部から奥にスコープ2を挿
入するようにしていた。
【0012】しかしながら、スライディングチューブを
使用する方法では、スライディングチューブとスコープ
2との間に腸壁を挟んだり、腸壁を傷付けて出血を来
し、患者に多大の苦痛を与えるおそれがある。
【0013】そのため、例えばX線透視を行いながらス
コープ2を慎重に挿入するといった難度の高い手技を行
う必要があり、スコープ2を挿入するだけで非常に長い
時間を要していた。
【0014】本発明は、上述した事情を考慮してなされ
たもので、内視鏡スコープをS状結腸、脾屈曲部等の曲
がりくねった体腔内に容易に挿入可能な内視鏡を提供す
ることを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明に係る内視鏡は、
上述した課題を解決するために、請求項1に記載したよ
うに、被検体の体腔内を観察可能な観察手段を前記体腔
内の所望の位置まで挿入可能な導中管を有する内視鏡ス
コープと、この内視鏡スコープに接続された本体とを備
えた内視鏡において、前記導中管は、螺旋状に巻回され
た第1の中空部材と、この第1の中空部材の内側に設け
られ、かつ、所定の温度範囲で前記第1の中空部材の内
径より大きな外径形状となるように記憶された形状記憶
合金で形成された螺旋状の第2の中空部材と、この第2
の中空部材の内側に上記第2の中空部材に沿って設けら
れ、前記導中管の先端付近で互いに接続され、冷却水が
循環する一対の螺旋状水冷用パイプとを有し、前記本体
は、前記第2の中空部材の温度をジュール熱により所定
のセグメント単位に変化させる電源部と、前記水冷用パ
イプおよび前記内視鏡スコープの先端に設けられた送水
ノズルに送水可能な送水手段とを有するものである。
【0016】本発明に係る内視鏡は、上述した課題を解
決するために、請求項2に記載したように、前記本体
は、前記第2の中空部材のセグメント毎の通電状態を表
示する表示手段をさらに有するものである。
【0017】
【0018】
【作用】本発明の内視鏡においては、スコープを挿入し
て例えばS状結腸内を通過させようとする際、S状結腸
に沿って挿入しようとしているスコープの先端付近につ
いては、S状結腸のカーブに沿って挿入されやすいよう
に導中管の曲げ剛性を小さくしておく。一方、すでに挿
入された部分については、直線化した状態で導中管の曲
げ剛性を大きくしておくことにより、挿入力を先端に伝
えやすいようにする。
【0019】ここで、導中管の曲げ剛性を大きくするに
は、第2の中空部材を所定の温度範囲に加熱あるいは冷
却してその外径を第1の中空部材の内径よりも大きく
し、第2の中空部材を第1の中空部材の内面に押し付け
る。かかる状態においては、第2の中空部材の外面と第
1の中空部材の内面との摩擦が大きくなって曲げに対し
ほぼ一体となり、導中管の曲げ剛性が増大する。
【0020】一方、導中管の曲げ剛性を小さくするに
は、第2の中空部材を所定の温度範囲外になるように冷
却あるいは加熱してその外径を第1の中空部材の内径と
ほぼ同一にし、第2の中空部材と第1の中空部材との摩
擦をほぼ零にする。
【0021】このように、導中管の先端部分の曲げ剛性
を小さく、手前部分の曲げ剛性を高くしながらスコープ
を挿入し、S状結腸を抜ける。
【0022】次に、S状結腸を完全に抜けたとき、導中
管の曲げ剛性を、導中管を直線化した状態で所定の区間
例えば全区間にわたって大きくする。この状態では、導
中管は途中で撓むことなく容易に挿入される。
【0023】次に、スコープをさらに挿入して、例えば
下行結腸と横行結腸との間の脾屈曲部を通過させようと
する場合には、脾屈曲部を通過する部分に相当する導中
管の曲げ剛性だけを小さくする。かかる状態では、導中
管は、脾屈曲部の手前では撓みにくいままであるが、屈
曲部に沿った部分ではその脾屈曲部に沿って撓みやすく
なっているので、スコープは脾屈曲部に沿って容易に挿
入される。
【0024】次いで、導中管の曲げ剛性を小さくする領
域を、先端付近から順次手前にシフトさせながらスコー
プを挿入していく。
【0025】
【実施例】以下、本発明の内視鏡の実施例について、添
付図面を参照して説明するが、従来技術と実質的に同一
の部品については、同一の符号を付してその説明を省略
する。
【0026】本実施例の電子内視鏡に備えたスコープ
は、図11と同様、固体撮像素子、洗浄ノズル、鉗子等
を設けた硬性部5と、硬性部5を所望の方向に差し向け
る湾曲部6と、硬性部5を体腔内の所望の位置まで挿入
するための導中管21と、アングル操作等の様々な操作
を行う操作部8とを順次接続して構成してある。
【0027】図1は、本実施例の導中管21を部分切除
斜視図として示したものである。同図でわかるように、
導中管21は、第1の中空部材としての金属螺旋管1
1、網目状金属ブレード12およびゴム製外皮13を積
層した従来の導中管7の内側にさらに、第2の中空部材
としての螺旋管22を配置してある。
【0028】螺旋管22は、所定の温度範囲例えば摂氏
50度乃至60度を上回った範囲で螺旋管11の内径よ
りも実質的に大きくなり、摂氏50度乃至60度を下回
った範囲で螺旋管11の内径と実質的に同一となるよう
にしてある。換言すれば、螺旋管22は、外径が螺旋管
11の内径よりも大きい形状を記憶している。逆変態温
度Af 、変態終了温度Mf をもった形状記憶合金を加熱
していくと、逆変態温度Af を境としてマルテンサイト
相(低温相)からオーステナイト相(高温相)に変化
し、形状記憶合金は形状記憶状態を示すが、逆に冷却し
ていくと、変態終了温度Mf を境としてオーステナイト
相(高温相)からマルテンサイト相(低温相)に変化し
て元の寸法に戻る。ここで、螺旋管22を例えばNi-Ti
合金でつくった形状記憶合金で形成する場合、Niの濃度
を48乃至50重量%にすると、上述の変態温度に設定
することが可能となる。
【0029】螺旋管11および螺旋管22は、導中管2
1をいずれの方向にもねじりやすくするため、螺旋方向
を互いに逆方向にしておくのがよい。
【0030】また、螺旋管22の内側には、水冷用パイ
プ23a,23bを配置してあり、螺旋管22を冷却可
能になっている。水冷用パイプ23a,23bは、熱伝
導率の良い金属、例えば銅を用いて形成するのがよい。
【0031】図2は、導中管21の軸線方向断面図であ
る。
【0032】図3は、水冷用パイプ23a,23bを含
む冷却系統図を示したものである。同図でわかるよう
に、水冷用パイプ23a、23bは、それぞれ往路用、
復路用であって、導中管21の先端付近で互いに接続さ
れており、本体3に内蔵してある容器31から所定のポ
ンプを介して送られてきた冷却水32は、往路用の水冷
用パイプ23aを通って導中管21の操作部8側から湾
曲部6側へと送られた後、今度は、復路用の水冷用パイ
プ23bを通って逆の経路を辿り本体3内の容器31に
戻るようになっている。
【0033】冷却水32は、スコープ先端に取り付けた
レンズ(図示せず)を洗浄するための送水ノズルに送る
水と兼用するのがよい。また、冷却水32は、送水ノズ
ルへは送水バルブ33を作動させることによって所望の
タイミングで、水冷用パイプ23aへは容器31内を大
気圧を上回る一定圧に維持しておくことによって常時送
られるようにしておくのがよい。
【0034】導中管21は、螺旋管22の温度を変化さ
せる温度制御手段を備える。温度制御手段は、所定のセ
グメントに分割された螺旋管22を、各セグメントごと
に選択的に通電可能になっており、通電によって供給さ
れた電気エネルギーがジュール熱に変換されて螺旋管2
2を各セグメントごとに加熱するようになっている。セ
グメント長さは例えば10cmとするのがよい。
【0035】図4は、螺旋管22を分割した様子を示し
たものであり、同図でわかるように、螺旋管22は、S
1,S2,・・・・Sk-1,Sk,Sk+1,・・Sn のn個のセグ
メントに分割してあり、各セグメントにリード線を接続
してある。
【0036】図5は、螺旋管22に関する電気系統を示
したブロック図である。
【0037】本実施例の電子内視鏡の本体3には、スコ
ープからの画像を処理してモニター4に出力可能な画像
処理部41と、螺旋管22を各セグメントSi ごとに通
電可能な電源部42とを内蔵してあり、画像処理部41
は、各セグメントが通電されているかどうかの識別表示
を体腔内の画像とともにモニター41に表示するように
なっている。また、本体3にはキーボード43を取り付
けてあり、通電されるセグメントを指定可能になってい
る。
【0038】螺旋管22は、螺旋管21および中空部分
に通してある導線等との電気絶縁を確保するとともに温
度変化にも十分耐えられるよう、電気絶縁性の耐熱樹脂
あるいは電気絶縁性セラミックで全体を被覆しておくの
がよい。
【0039】次に、本実施例の電子内視鏡の作用を説明
する。
【0040】スコープを挿入して例えばS状結腸内を通
過させようとする際、S状結腸に沿って挿入しようとし
ているスコープの先端付近については、S状結腸のカー
ブに沿って挿入されやすいように導中管21の曲げ剛性
を小さくしておく。一方、すでに挿入された部分につい
ては、直線化した状態で導中管21の曲げ剛性を大きく
しておくことにより、挿入力を先端に伝えやすいように
する。
【0041】ここで、導中管の曲げ剛性を大きくするに
は、キーボード43を用いて通電したい所望のセグメン
トを指定し、それらのセグメントを電源部42で通電す
る。通電されたセグメントは電気エネルギーがジュール
熱に変わり、そのセグメント位置の螺旋管22が加熱さ
れる。
【0042】螺旋管22を加熱すると、その構成材料で
ある形状記憶合金の組成が逆変態温度Af を境としてマ
ルテンサイト相(低温相)からオーステナイト相(高温
相)に変化し、螺旋管22の外径は形状記憶状態、すな
わち、螺旋管11の内径よりも実質的に大きくなる。
【0043】すると、螺旋管22は螺旋管11の内面に
押し付けられ、螺旋管22の外面と螺旋管11の内面と
の摩擦が大きくなり、その結果、螺旋管22は螺旋管1
1と一体になって曲げ剛性が大きくなる。また、内部組
成がオーステナイト相(高温相)に変化したことも曲げ
剛性の増大に寄与する。
【0044】一方、導中管21の曲げ剛性を小さくする
には、キーボード43を用いて通電を止めるセグメント
を指定し、電源部42は指定されたセグメントへの通電
を止める。
【0045】螺旋管22の内面には常時冷却水が循環し
ているので、通電が中断されたセグメント位置では螺旋
管22が冷却される。
【0046】螺旋管22を冷却すると、その構成材料で
ある形状記憶合金の組成が変態終了温度Mf を境として
オーステナイト相(高温相)からマルテンサイト相(低
温相)に変化し、螺旋管22の外径は、螺旋管11の応
力を受けて元の寸法に戻る、すなわち、螺旋管11の内
径と実質的に同一となる。
【0047】すると、螺旋管22は、螺旋管11に対し
て自在に滑り移動ができるようになり、螺旋管22の曲
げ剛性が小さくなる。また、内部組成がマルテンサイト
相に変化したことも曲げ剛性の低下に寄与する。
【0048】このように、導中管21の先端部分の曲げ
剛性を小さく、手前部分の曲げ剛性を高くしながらスコ
ープを挿入し、S状結腸を抜ける。
【0049】次に、S状結腸を完全に抜けたとき、導中
管21の曲げ剛性を、導中管21を直線化した状態で全
区間にわたって大きくする。この状態では、導中管21
は途中で撓むことなく容易に挿入される。
【0050】図6(a) は、スコープを大腸内に挿入し、
S状結腸51を抜けた後、スコープを直線化した様子を
示したものである。
【0051】次に、スコープをさらに挿入して、下行結
腸52と横行結腸53との間の脾屈曲部54を通過させ
ようとする場合には、脾屈曲部54を通過する部分に相
当する導中管21の曲げ剛性だけを小さくする。かかる
状態では、導中管21は、脾屈曲部54の手前では撓み
にくいままであるが、脾屈曲部54に沿った部分ではそ
の脾屈曲部54に沿って撓みやすくなっているので、ス
コープは脾屈曲部54に沿って容易に挿入される。
【0052】図6(b) は、モニター4の表示画面を示し
たものである。
【0053】同図でわかるように、モニター4には、体
腔内の画像60とともに、各セグメントが通電されてい
るかどうかの識別表示61を表示してある。識別表示6
1は、導中管21を表す表示62と、導中管21全体に
対する各セグメント位置を表す目盛り63とで構成さ
れ、表示62の例えば濃淡レベルを通電されている状態
と通電されていない状態とで変えることにより、各セグ
メントの通電状態が一目でわかるようになっている。
【0054】次いで、導中管21の曲げ剛性を小さくす
る領域を、先端付近から順次手前にシフトさせ、そのシ
フトの様子をモニター4の識別表示61で確認しながら
スコープを挿入していく。
【0055】以上説明したように、本実施例の内視鏡
は、形状記憶合金を用いて導中管の曲げ剛性を自在に変
化させることができるように構成したので、S状結腸を
容易に抜けることができる。また、大腸の屈曲部の奥に
スコープを挿入する前に、導中管の曲げ剛性を高くして
撓みにくくしておくことができるので、挿入力をスコー
プ先端に伝えやすくなり、スコープの挿入が容易にな
る。
【0056】したがって、スライディングチューブを使
用する必要がなくなり、スコープの挿入が非常に容易に
なる。かくして、検査時間が大幅に短縮され、患者に与
える苦痛も低減されるとともに、X線透視による被曝量
も少なくなる。
【0057】上述の実施例では、螺旋管22を図4のよ
うにセグメント分割し、各セグメントへの通電を行う電
気回路を図5のように構成したが、螺旋管22を図7に
示すように電気絶縁体71を介して各セグメントに分割
し、図8のように電源部72に接続することにより、各
セグメントを独立通電可能に構成してもよい。
【0058】また、上述の実施例では、通電させたいセ
グメントをキーボード43で指定するように構成した
が、操作部8にセグメント指定スイッチを設ける構成と
してもよい。この場合には、挿入操作を行いながら通電
されるセグメントを容易に変更することができる。ま
た、セグメントの指定をキーボード、指定スイッチ等を
使って手動で行うのではなく、自動的に行う構成として
もよい。
【0059】図9は、セグメント指定を自動で行う変形
例を示したブロック図である。
【0060】本変形例に係る内視鏡は、導中管21の患
者への挿入長さを検出可能な検出部81を備え、電源部
42は、通電されるセグメントを上述の挿入長さに応じ
て切換え制御可能になっている。検出部81は、導中管
21近傍に配置されたエンコーダ83の出力信号から挿
入長検出回路82で挿入長さを求めるようになってい
る。
【0061】図10は、エンコーダ83とスコープの導
中管21との相対的位置関係を示したものである。
【0062】本変形例の内視鏡のスコープを大腸内に挿
入していくと、導中管21とエンコーダ83との相互作
用によって、所定の回転位置信号をエンコーダ83が出
力し、この出力信号を用いて脾屈曲部からの挿入長さを
挿入長検出回路82で算出し、算出データを電源部42
に送る。
【0063】電源部42は、挿入長さに相当する螺旋管
22のセグメントの曲げ剛性だけを順次小さくしていく
ので、オペレーターはスコープを挿入するだけでよい。
【0064】上述の実施例および変形例では、本発明の
スコープおよび内視鏡を電子内視鏡に適用した例を説明
したが、いわゆるファイバースコープに適用してもよ
い。
【0065】
【発明の効果】以上述べたように、本発明に係る内視鏡
は、導中管に備えられる第2の中空部材を各セグメント
毎に加熱して導中管の曲げ剛性を各セグメント毎に正確
に精度よくコントロールすることができる一方、第2の
中空部材の内側に内装された一対の螺旋状水冷用パイプ
内に冷却水を循環させることで冷却し、各セグメントに
おける曲げ剛性を元の状態に迅速に変化させ、復帰させ
ることができ、内視鏡スコープの操作性を大幅に向上さ
せ、内視鏡スコープをS状結腸、脾屈曲部等の曲がりく
ねった体腔内に容易にかつスムーズに挿入させることが
できる等の効果を奏する。
【0066】
【0067】
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例の導中管を示した部分切除斜視図。
【図2】導中管の軸線方向断面図。
【図3】水冷用パイプを含む冷却系統図。
【図4】螺旋管をセグメントに分割した様子を示した
図。
【図5】螺旋管に関する電気系統を示したブロック図。
【図6】(a) は、スコープを大腸内に挿入し、S状結腸
を抜けた後、スコープを直線化した様子を示した図、
(b) は、モニターの表示画面を示した図。
【図7】螺旋管のセグメント分割の変形例を示した図。
【図8】螺旋管に関する電気回路の変形例を示した図。
【図9】セグメント指定を自動で行う変形例を示したブ
ロック図。
【図10】エンコーダとスコープの導中管との相対的位
置関係を示した図。
【図11】従来の内視鏡を示した全体斜視図。
【図12】従来の内視鏡に備えたスコープの導中管を示
した部分切除斜視図。
【符号の説明】
3 本体 4 モニター 5 硬性部 6 湾曲部 11 螺旋管 12 金属性ブレード 13 ゴム製外皮 21 導中管 22 螺旋管(形状記憶合金で形成したもの) 23 冷却パイプ 41 画像処理部 42 電源部 43 キーボード 81 検出部

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被検体の体腔内を観察可能な観察手段を
    前記体腔内の所望の位置まで挿入可能な導中管を有する
    内視鏡スコープと、この内視鏡スコープに接続された本
    体とを備えた内視鏡において、 前記導中管は、螺旋状に巻回された第1の中空部材と、 この第1の中空部材の内側に設けられ、かつ、所定の温
    度範囲で前記第1の中空部材の内径より大きな外径形状
    となるように記憶された形状記憶合金で形成された螺旋
    状の第2の中空部材と、 この第2の中空部材の内側に上記第2の中空部材に沿っ
    て設けられ、前記導中管の先端付近で互いに接続され、
    冷却水が循環する一対の螺旋状水冷用パイプとを有し、 前記本体は、前記第2の中空部材の温度をジュール熱に
    より所定のセグメント単位に変化させる電源部と、 前記水冷用パイプおよび前記内視鏡スコープの先端に設
    けられた送水ノズルに送水可能な送水手段とを有するこ
    とを特徴とする内視鏡。
  2. 【請求項2】 前記本体は、前記第2の中空部材のセグ
    メント毎の通電状態を表示する表示手段をさらに有する
    ことを特徴とする請求項1記載の内視鏡。
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Cited By (1)

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