JP3075306B2 - 湾曲可能な可撓管 - Google Patents

湾曲可能な可撓管

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JP3075306B2
JP3075306B2 JP03299022A JP29902291A JP3075306B2 JP 3075306 B2 JP3075306 B2 JP 3075306B2 JP 03299022 A JP03299022 A JP 03299022A JP 29902291 A JP29902291 A JP 29902291A JP 3075306 B2 JP3075306 B2 JP 3075306B2
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康夫 平田
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、先端側を湾曲操作でき
る湾曲可能な可撓管に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、内視鏡は操作部と、この操作部
に連結された挿入部とを備えている。この挿入部は可撓
管部と、この可撓菅部の先端に設けられた湾曲管部と、
この湾曲管部の先端に設けられた先端構成部とからな
る。前記湾曲管部は多数の管状体を上下左右方向に回動
自在に連結して形成されていて、前記操作部で湾曲操作
することができるようになっている。
【0003】従来、前記湾曲管部湾曲操作する構造とし
て、形状記憶合金からなる形状記憶ワイヤの一端を前記
可撓菅部の先端側に固定し、他端を前記湾曲管部先端に
固定して設け、この形状記憶ワイヤに通電することで形
状記憶ワイヤを伸縮変形させることにより、前記湾曲管
部湾曲操作する構造が、特開昭62−26041号公報
により提案されている。
【0004】以下、従来例を図面を参照して説明する。
図34は従来例に係る可撓管先端の湾曲管部部の動作を
説明する説明図である。
【0005】図34(a)に示すように従来例の可撓管
200は、湾曲管部201と軟性部202より構成され
ていて、可撓管200内に湾曲操作機構が複数設けられ
ている。この湾曲操作機構は、軟性部202の先端部内
に設けられた固定部206に一端を固定し接続した形状
記憶合金よりなる形状記憶ワイヤ203が付設されてい
て、この形状記憶ワイヤ203の他端が、湾曲管部20
1の先端に設けられた固定部205に一端を固定し接続
された湾曲ワイヤ204の他端に接続されることにより
構成されている。
【0006】このように構成された従来例の可撓管20
0は、図34(b)に示すように、形状記憶ワイヤ20
3に通電することで形状記憶ワイヤ203を伸縮変形さ
せることにより湾曲ワイヤ204を介して湾曲管部20
1を湾曲させることができるようになっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来例の可撓管200は、図34(c)に示すよう
に、軟性部202が湾曲した状態になると、形状記憶ワ
イヤ203にたわみが生じ、図34(d)に示すように
形状記憶ワイヤ203に通電することで形状記憶ワイヤ
203を伸縮変形させるても、前記のたわみにより相殺
され、所望の湾曲操作ができない虞がある。
【0008】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
であり、湾曲可能な可撓管が如何なる湾曲状態でも於い
て、たわみの影響を受けずに、所望の湾曲操作を行うこ
とのできる湾曲可能な可撓管を提供することを目的とし
ている。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の湾曲可能な可撓
管は、湾曲可能な可撓管に於いて、一端を前記可撓管先
端側に固定し、他端を自由端とし、全長を変化させるこ
とのできる操作部材と、先端側を前記可撓管内面に固定
され、基端側を前記操作部材の自由端に固定された、径
方向は柔軟であるが長手方向は非圧縮性である連結部材
とを具備している。
【0010】
【作 用】前記操作部材の全長を変化させることによ
り、湾曲可能な前記可撓管の先端部を湾曲操作する。
【0011】
【実施例】以下、図面を参照しながら本発明の実施例に
ついて述べる。
【0012】図1ないし図14は本発明の第1実施例に
係わり、図1は工業用内視鏡装置の構成を示す構成図、
図2は可撓管の先端部の断面を示す断面図、図3は可撓
管の変形例の先端部の断面を示す断面図、図4はワイヤ
連結部材の構成を示す拡大図、図5はプラグの構成を示
す拡大図、図6は工業用内視鏡の湾曲機構を説明するブ
ロック図、図7はSMAワイヤの構造を示す構造図、図
8はSMAワイヤ素線の温度による伸縮状態を説明する
説明図、図9はSMAワイヤのバネ特性を説明する説明
図、図10はSMAワイヤの変形例の構造を示す構造
図、図11は可撓管の先端部の湾曲動作を説明する説明
図、図12は形状記憶合金部材の変形例を示す断面図、
図13は湾曲ワイヤの可撓管の先端側の固定部材の変形
例を示す構造図、図14は非圧縮部材の変形例の構造を
示す構造図である。
【0013】図1に示すように、工業用内視鏡1は、長
尺な可撓管2と、この可撓管2先端に設けられた湾曲部
4と、この湾曲部4の先端に設けられた図示しない光学
系を備えた硬性部6とより構成されていて、前記可撓管
2は回転自在なドラム8に巻かれ収納されている。
【0014】前記ドラム8から前記可撓管2に接続され
たユニバーサルコード10が延出されていて、このユニ
バーサルコード10は、コネクタ12を介してビデオプ
ロッセッサ14及び光源装置16、湾曲制御装置18に
接続されている。前記ビデオプロッセッサ14には表示
モニタ20が接続されていて、工業用内視鏡1が撮像し
た像を表示できるようになっていて、前記湾曲制御装置
18には湾曲動作を指示するジョイスティック22aと
湾曲表示スイッチ22bを備えた湾曲操作装置22が接
続されていて、前記湾曲部4を湾曲操作できるようにな
っている。
【0015】図2に示すように、複数の湾曲管より構成
されている湾曲部4は、例えば、上下方向に湾曲させる
ことのできる湾曲機構部39、41により湾曲できるよ
うになっている。また、前記湾曲部4の内壁30は、前
記可撓管2の先端部に設けられた可撓管口金33にリン
グ状の連結部材42を介して連結されている。
【0016】前記湾曲機構部39、41は、前記湾曲部
4の先端に固定された固定部材31に鑞付固定したワイ
ヤ32がワイヤ連結部材34を介して形状記憶合金ワイ
ヤ(以下、SMAワイヤと略記する)36に連結されて
いる。さらに、このSMAワイヤ36とワイヤ32の一
部は非圧縮性部材、例えば、コイルシース38内に挿通
されていて、このコイルシース38及び前記SMAワイ
ヤ36の基端はプラグ40に固定されていて、このプラ
グ40は前記可撓管2の湾曲による長手方向の応力に対
して長手方向に関しての自由端になっている。また、前
記コイルシース38の先端側は、前記連結部材42に鑞
付されている。
【0017】前記ワイヤ32と前記SMAワイヤ36を
合わせた全長は、前記湾曲部4が一方に湾曲したときに
他方の側のワイヤが突っ張らないように、前記湾曲機構
部39、41よりわずかに長くし、ゆるませている。ま
た、前記コイルシース38の内側には、このコイルシー
ス38とSMAワイヤ36との絶縁を保つために、耐熱
性を備えた絶縁チューブ44が嵌められている。
【0018】尚、上述したように、SMAワイヤ36
は、わずかに長くしゆるませているとしたが、図3
(A)に示すように、わずかに長くして生じたたるみと
同じ長さだけコイルシース38を疎巻にしてもよい。こ
のようにすることにより、SMAワイヤ36は、たるみ
なく張られた状態になる。ここで、図3(B)に示すよ
うに、一方のSMAワイヤ36を加熱収縮させると、加
熱収縮した側ではコイルシース38を軸方向に引っ張
り、密巻バネの状態となる。さらに、加熱収縮させる
と、図3(C)に示すように、SMAワイヤ36の収縮
長さ分ワイヤ32を引っ張り湾曲部4を湾曲させる。こ
のとき、加熱していない側の湾曲機構部(図3(C)に
おいて上側)は、湾曲に必要なたるみを、コイルシース
38と密着状態まで縮めることで得ている。したがっ
て、SMAワイヤ36に一定のたるみを持たせる必要が
なく、コイルシース38の疎巻によりたるみ長さをあら
かじめ設定しているので、組立が容易になる。
【0019】図4に示すように、前記ワイヤ連結部材3
4は、絶縁部材46を挟んで金属部材48を両側に貼り
付けた構成になっていて、金属部材46の一方には前記
ワイヤ32が固定され、他方には前記SMAワイヤ36
とリード線50が固定され電気的に接続されている。
尚、このリード線50は、前記金属部材46との接続部
以外は絶縁性のチューブに覆われている。
【0020】図5(a)に示すように、前記プラグ40
は、絶縁部材からなる外層37と金属部材からなる内層
35により構成されていて、この内層35の一端にはS
MAワイヤ36が固定され、他端にはリード線52が固
定され電気的に接続されている。A−A’線断面である
図5(b)に示すように、前記プラグ40はリード線挿
通孔60及び複数の通風孔62が設けられていて、この
リード線挿通孔60内を前記リード線50が挿通されて
いる。前記プラグ40の一端には前記コイルシース38
が接続されていて、他端にはエアーチューブ54の一端
が接続されている。このエアーチューブ54の他端には
コネクタ56が接続されていて、このコネクタ56の設
けられた側孔58より前記リード線50、52を前記エ
アーチューブ54外に引き出せるようになっていて、さ
らにこのコネクタ56を後述する電磁弁に接続できるよ
うになっている。尚、前記側孔58は気密性を保つため
に図示しないシールが設けられている。
【0021】図6に示すように、前記湾曲制御装置18
は、前記SMAワイヤ36に通電することにより加熱制
御を行うことのできる通電制御回路64と、前記コネク
タ56を接続した4個の電磁弁68と、この電磁弁68
の開閉を制御できる電磁弁制御回路66とより構成され
ている。前記電磁弁68は図示しない流体管路を介して
冷却空気を供給できるコンプッレサ70に接続されてい
て、前記電磁弁制御回路66は電磁弁68の開閉を制御
することにより、前記SMAワイヤ36の冷却制御を行
うことのできるようになっている。また、前記通電制御
回路64は、例えば、SMAワイヤ36に対してPWM
(パルス幅変調)方式の通電加熱制御を行っている。さ
らに、前記SMAワイヤ36の抵抗値を常時検出し前記
通電制御回路64へフィードバックすることにより、精
度の高い制御を行っている。また、さらに、前記通電制
御回路64及び前記電磁弁制御回路66は、湾曲制御装
置18に接続された湾曲操作装置22の前記ジョイステ
ィク22aにより容易に操作、制御できるようになって
いる。
【0022】前記ジョイスティク22aによる制御につ
いて説明する。尚、図6において、たとえば、SMAワ
イヤ36は、上からUP,DOUN,LEFT,RIG
HTの湾曲方向に対応するものである。ここで、UPと
DOUNさらにLEFTとRIGHTとはそれぞれ相対
する湾曲方向である。
【0023】図6において、湾曲操作装置22の前記ジ
ョイスティク22aをある方向に倒すと、該ジョイステ
ィク22からの信号が通電制御回路64に入力されるた
め、該信号の方向のSMAワイヤ36が通電加熱され
る。同時に電磁弁制御回路にも信号が入力されるため、
通常開放されている、該信号に対応する方向の電磁弁6
8が閉じるように制御される。つまり、湾曲操作装置2
2により、たとえば、UP方向のSMAワイヤ36(図
6において1番上)を加熱するように信号が送られると
同時に、UP方向の電磁弁68を閉じるように制御され
る。したがって、加熱されているSMAワイヤ36は冷
却しないように制御され、SMAワイヤ36への加熱効
率を高めて、湾曲操作性の向上を計ることができる。
【0024】尚、電磁弁38は通常開放されているとし
たが、これに限らず、たとえば、電磁弁38は通常閉じ
ているとしても良い。この場合のジョイスティク22a
による制御は、ジョイスティク22からの信号が通電制
御回路64に入力されるため、該信号の方向のSMAワ
イヤ36が通電加熱される。同時に電磁弁制御回路にも
信号が入力されるため、通常閉じている、該信号に対応
する方向と相対する方向の電磁弁68が閉じるように制
御される。つまり、湾曲操作装置22により、たとえ
ば、UP方向のSMAワイヤを加熱するように信号が送
られると同時に、UP方向と相対するDOUN方向の電
磁弁68を開放するように制御される。したがって、加
熱収縮されたSMAワイヤ36を強制的に冷却するとと
もに、冷却する必要のないSMAワイヤ36は冷却しな
いように制御する。すなわち、加熱収縮制御する方向の
SMAワイヤ36を加熱するとともに、相対する方向の
SMAワイヤ36を強制的に冷却するので、相対する方
向のSMAワイヤ36を確実に冷却でき、湾曲操作性の
向上を計ることができる。
【0025】ここで、SMAワイヤ36の形状は単線の
でも良く、また図7に示すように、単線の形状記憶合金
を編んだ編み紐状のもの、あるいはロープ状によったも
のでも良い。
【0026】すなわち、SMAワイヤ36は、図7
(A)に示すように、例えば、SMAワイヤ素線36a
を編み紐状にした構造で、SMAワイヤ素線36aは、
図8に示すように、例えば、Mt点以下に冷却したとき
の長さL0と、At(Mt<At)点以上に加熱したときの
長さL1(L1<L0)とを記憶していて、これらの変化
は可逆的である。
【0027】従って、このSMAワイヤ素線36aより
なる編み紐状のSMAワイヤ36も同様に、温度変化に
より可逆的に長さが変化する。内視鏡1には、湾曲機構
のほかに、照明用ライトガイドケーブル、TVカメラ用
信号線等が内蔵されており、ワイヤ32を牽引して湾曲
させるためには数Kgの牽引力を必要とするが、このよ
うにSMAワイヤ36をSMAワイヤ素線36aの編み
紐状とすることにより、SMAワイヤ素線36aの1本
あたりの牽引力が弱くても、SMAワイヤ36全体で十
分な牽引力を得ることができるとともに、SMAワイヤ
素線36aに比べ柔軟性を有し、表面積が大きいので放
熱特性がよく、通電加熱を止めた後の冷却速度が早く、
湾曲応答速度を高めることができる。また、SMAワイ
ヤ素線36aの内1本が切れても残りのSMAワイヤ素
線36aにより牽引力を得ることができる。さらに、S
MAワイヤ36をSMAワイヤ素線36aよりなる編み
紐状にすることにより、図9に示すように、SMAワイ
ヤ36自体がバネ性を有するため、非加熱時には外力に
より容易に伸び、加熱時には収縮する。したがって、編
み紐状にすることにより、非通電側に必要なSMAワイ
ヤ36にたるみは、バネの収縮特性により得ることがで
き、SMAワイヤ36の形状が単線の場合に必要であっ
たSMAワイヤ36にたるみを持たしたり、、あるいは
図3で示したようにコイルシース38を疎巻にしたりす
る必要がなく組立が容易になる。
【0028】尚、図7(B)に示すように、SMAワイ
ヤ36はSMAワイヤ素線36aをロープ状にしたもの
でも同様である。
【0029】また、図10(A)に示すように、SMA
ワイヤ36はSMAワイヤ素線36a3本のより線をさ
らに3本よりした構成でもよく、さらに、図10(B)
に示すように、SMAワイヤ素線36aを複数本束ね、
適当間隔毎に拘束部材36b、たとえば、金属のカシメ
あるいは樹脂チューブ等により拘束して構成したもので
も良い。
【0030】尚、上述のようなSMAワイヤ素線36a
を複数本用いて構成したSMAワイヤ36(図7、図1
0参照)の各SMAワイヤ素線36aは同一の変態温度
でなくても良い。すなわち、それぞれのSMAワイヤ素
線36aの変態温度が異なっていても、湾曲動作をさせ
る高温側において、ほとんどのSMAワイヤ素線36a
がAt点以上に達していればよく、また、湾曲動作を解
除する低温側においても、到達順序の差があっても最終
的にMt点いかに達していればよい。言い換えれば、各
SMAワイヤ素線36aの変態温度が異なっていても、
これらSMAワイヤ素線36aを複数本用いて構成した
SMAワイヤ36を湾曲動作させるとき、設定された高
温側、低温側でSMAワイヤ36が予定の伸縮を行えれ
ば良い。
【0031】このように構成された内視鏡1は、SMA
ワイヤ36を通電制御回路64により通電加熱を行うこ
とによりSMAワイヤ36を収縮させると、湾曲機構部
39、41は長手方向に非圧縮性のコイルシース38に
より構成されているので、非圧縮性のコイルシース38
の部分では全長は変化せず、SMAワイヤ36の収縮に
よる張力は湾曲部4にすべてかかり、湾曲部4を湾曲さ
せる。また、電磁弁制御回路66により電磁弁68を開
きコンプレッサ70からの冷却空気をSMAワイヤ36
に供給することにより、SMAワイヤ36を冷却するこ
とにより伸張させる。
【0032】さらに、図11に示すように、可撓管2が
湾曲した状態であっても、湾曲機構部39、41の長手
方向に非圧縮性のコイルシース38の基端側は、湾曲に
よる長手方向の応力に対して長手方向に関しての自由端
である前記プラグ40に固定されているので、湾曲機構
部39及び湾曲機構部41は全長lを変えることなくプ
ラグ40が長手方向に移動させ、SMAワイヤ36の通
電或いは冷却による伸張の張力は湾曲部4にすべてかか
る。
【0033】このように本発明の第1実施例によれば、
可撓管2が如何なる湾曲状態であっても、通電制御回路
64及び電磁弁制御回路により湾曲操作装置22を用い
て容易に正確にかつ短時間で所望の向きに湾曲部4を湾
曲させることができる。また可撓管2と湾曲部4は、連
結部材42により連結されていて、ワイヤ32とSMA
ワイヤ36はワイヤ連結部材34により連結されている
ので、連結部材42及びワイヤ連結部材34を着脱可能
な構造にすることにより、内視鏡1の組立及び保守等の
作業性を向上させることができる。
【0034】尚、SMAワイヤ36を用いたが、本第1
実施例はこれに限らず、例えば、図12に示すように、
高温時に密になり低温時で疎となりSMAワイヤ36に
比べ伸縮量を大きくでき湾曲機構部を短く或いは湾曲量
を大きくできるSMAバネ72を用いても良い。
【0035】さらに、ワイヤ32の一端は湾曲部4の先
端に固定された固定部材31に鑞付固定されているとし
たが、図13(a)に示すように、湾曲部4の先端側に
内蔵物76がある場合、ワイヤ32をつなぎ部材78を
用いてU字状のワイヤ74に接続する(B−B’線断面
を示す図13(b)参照)ことにより、内蔵物76を避
ける構造とすれば良い。
【0036】さらにまた、非圧縮部材としてコイルシー
ス38を用いたが、本第1実施例はこれに限らず、図1
4に示すようなコの字に成形され、長手方向の非圧縮力
に対しては変形せず、曲げモーメントに対しては容易に
曲がる性質を有した弾性板80を用いても良く、このよ
うな弾性板80を用いることにより、コイルシース38
を用いた場合に比べ肉厚がを細くなるので可撓管を細径
にすることができる。
【0037】尚、さらに、上下方向の湾曲機構について
述べたが、左右方向についても同様な湾曲機構がなされ
ているのは言うまでもなく、各方向の湾曲機構は互いに
独立して操作できるようになっている。
【0038】また、湾曲させるための機構部材として形
状記憶合金部材を用いたが、これに限らず、形状記憶樹
脂からなる部材でも良く、また、他のアクチュエータで
も良い。
【0039】さらに、内視鏡は、湾曲動作を行う内視鏡
ならば、直視型でも側視型でも良く、また、イメージフ
ァイバー式内視鏡でも電子内視鏡でも良い。さらに、工
業用内視鏡に限らず、医療用内視鏡でも良い。
【0040】図15及び図16は第2実施例に係わり、
図15は可撓管の先端部の断面を示す断面図、図16は
プラグの構成を示す拡大図である。
【0041】第2実施例は第1実施例とほとんど同じで
あり、すなわち、第1実施例において、リング上の連結
部材42とコイルシース38の先端側での固定は鑞付さ
れてなされるとしたが、第2実施例では、図15に示す
ように、連結部材42にパイプ42aを鑞付し、このパ
イプ42aにコイルシース38の先端を圧入して固定す
る。
【0042】さらに、第2実施例のプラグ40aは、図
16(B)に示すように、外層300と外層300の内
側に3本パイプ301a,301b,301cとを備え
た構造となっていて、SMAワイヤ36の基端部の固定
は、図16(A)に示すように、SMAワイヤ36に絶
縁ワイヤ302を結合して端部を端部カシメ部材303
により固定する。この端部カシメ部材303は、たとえ
ば、先端がテーパ状になっていて、パイプ301aに対
してほぼ中央になるように設けられている。また、コイ
ルシース38の基端部は前記の3本パイプ301a,3
01b,301cに鑞付により固定されている。さらに
SMAワイヤ36に通電するリード線50、52は、残
り2本のパイプ、たとえば、パイプ301b、301c
内を挿通して設けられている。
【0043】その他の構成は第1実施例と同じであるの
で説明は省略する。
【0044】第2実施例は、第1実施例で連結部材42
に直接鑞付されたコイルシース38の固定方法の改良で
あり、連結部材42に鑞付されたパイプ42aに圧入し
てコイルシース38を固定しているので、SMAワイヤ
36が破断する等により、SMAワイヤ36をコイルシ
ース38から取り出して行うSMAワイヤの交換修理等
が、圧入されたコイルシース38を後方に引き、パイプ
42aから引き抜くだけで容易に行うことができ、修理
性向上できる。また、SMAワイヤ36に通電するリー
ド線50、52は、パイプ301b、301c内に挿通
されているので、基端部でリード線が折れたり、ショー
トしたりするのを防止できる。
【0045】その他の作用、効果は第1実施例と同じで
ある。
【0046】図17は本発明の第3実施例に係る可撓管
の先端部の断面を示す断面図である。
【0047】図17に示すように、可撓管2bの先端部
は、長さの異なるワイヤ81及び83がワイヤ連結部材
34によりコイルシース82、84で覆われたSMAワ
イヤ36に連結されている。プラグ85及び87は前記
ワイヤ81と83の長さの量だけ長手方向に移動されて
いて、前記SMAワイヤ36の長さが変わらないように
なっている。ワイヤ連結部材34の部分の膨径状の継ぎ
手86及び88はSMAワイヤ36の伸張に対して十分
摺動できるスペースを有していて、互いにワイヤ81と
83の長さの量だけ長手方向にずらして設けられてい
る。その他の構成及び作用は第1実施例と同じである。
【0048】このように構成された可撓管2bでは、径
を太くするワイヤ連結部材34を包む膨径状の継ぎ手8
6及び88を互いにずらして設けているので、可撓管2
b断面に対するコイルシース82、84の断面の占有率
を小さくでき、可撓管2bを細径化できる。その他の効
果は第1実施例と同じである。
【0049】図18及び図19は本発明の第4実施例に
係わり、図18は可撓管の先端部の断面を示す断面図、
図19はC−C’線断面を示す断面図である。
【0050】図18に示すように、例えば、湾曲機能の
ない図示しない長尺内視鏡或いは図示しない検査用プロ
ーブを挿通できるガイドチューブ102は、可撓管10
4とこの可撓管104の先端に設けられた耐熱性を有す
る樹脂、例えば、シリコン或いはテフロン等からなるマ
ルチルーメンチューブ98より構成されていて、前記可
撓管104と前記マルチルーメンチューブ98は、この
可撓管104先端で、例えば、接着固定されている。ま
たこのマルチルーメンチューブ98は長手方向には圧縮
しにくく、径方向には柔軟であるという特性を有してい
る。
【0051】前記マルチルーメンチューブ98の先端に
は固定部材92が設けられていて、このマルチルーメン
チューブ98及び前記可撓管104先端部内を挿通する
SMAワイヤ94及びこのSMAワイヤ94に通電する
ための図示しないリード線の一端が前記固定部材92に
固定接続されている。このSMAワイヤ94の一部は非
圧縮性部材、例えば、コイルシース100内に挿通され
て、SMAワイヤ94の他端及びコイルシース100の
基端は、長手方向の応力に対して長手方向に関しての自
由端であるプラグ106に固定接続されている。このプ
ラグ100には図示しない複数のリード線挿通孔及び複
数の通風孔が設けられていて、このリード線挿通孔内を
前記の図示しないリード線が挿通されているとともに通
風孔を介してマルチルーメンチューブ98内に冷却空気
を供給できるようになっている。また、マルチルーメン
チューブ98な先端は被覆部材90で覆われていて先端
を保護している。
【0052】図19に示すように、マルチルーメンチュ
ーブ98のC−C’線断面は、周方向に8個の小径ルー
メン108と、中心に1個の大ルーメン112より構成
されている。この8個の小径ルーメン108は、2個1
組で90°間隔で配置されていて、2個の内一方はSM
Aワイヤ94が挿通されていて、他方には前述のSMA
ワイヤ94に通電するためのリード線110が挿通され
ている。その他の構成及び作用は第1実施例と同じであ
る。
【0053】このように構成されたガイドチューブ10
2の中心孔に湾曲機能のない図示しない長尺内視鏡或い
は図示しない検査用プローブを挿通することにより、ガ
イドチューブ102の湾曲機構を用いて観察或いは検査
を行うことできる。さらに、湾曲部が樹脂製のマルチル
ーメンチューブ98により構成されているので、SMA
ワイヤ94の絶縁が容易になり、第1実施例で示したよ
うな絶縁を保つためのワイヤ及びワイヤ連結部材が不要
となる。その他の効果は第1実施例と同じである。
【0054】図20は本発明の第5実施例に係る可撓管
の先端部の斜視図である。
【0055】図20に示すように、可撓管の先端部は、
耐熱性を有する樹脂、例えば、シリコン或いはテフロン
等からなるマルチルーメンチューブ120より構成され
ていて、このマルチルーメンチューブ120の先端部断
面は前述の第3実施例で示した構造になっている。この
マルチルーメンチューブ120の基端側では、図示しな
い2個1組の4組の小径ルーメンが残るように4カ所に
切り欠き128を設けている。このような構造によりマ
ルチルーメンチューブ120は、切り欠き128を有す
るマルチルーメン棒部124と、それ以外の湾曲部12
2の2つの構成要素から構成されたことになる。また、
図示しない2個1組である小径ルーメンには、SMAワ
イヤ126をマルチルーメンチューブ120先端で折り
返して挿通してあり、マルチルーメンチューブ120他
端で固定している。その他の構成は第1実施例と同じで
ある。
【0056】このように構成に於いては、SMAワイヤ
126を通電加熱するとSMAワイヤ126は記憶長さ
まで収縮する。このときマルチルーメン棒部124で
は、SMAワイヤ126はほぼマルチルーメン棒部12
4の中心軸上に配置されているので、この中心軸方向の
みの応力が発生し曲げモーメントは発生しない。また、
湾曲部122では、SMAワイヤ126は湾曲部122
中心軸から偏心した位置に配置されているのでSMAワ
イヤ126の収縮力を湾曲動作に変換しやすくなってい
る。従って、SMAワイヤ126の縮量はすべて湾曲部
122の湾曲動作に変換されることになる。その他の作
用は第1実施例と同じである。
【0057】このようにすると、湾曲部と湾曲機構部を
一体的に製作することができるので、接続絶縁等の構造
が簡単になり、細径化をはかることができる。その他の
効果は第1実施例と同じである。
【0058】図21ないし図25は第6実施例に係わ
り、図21は可撓管の断面を示す断面図、図22は段差
付き湾曲部の断面を示す断面図、図23は従来例の段差
付き湾曲部の断面を示す断面図、図24は湾曲部と可撓
管との接続を説明する説明図、図25は可撓管内でのコ
イルシースの状態を説明する説明図である。
【0059】第6実施例の可撓管は、第1実施例とほと
んど同じなので、異なる部分のみ説明し、同等の構成に
は同じ符号をつけ、説明は省略する。
【0060】図21(A)に示すように、第6実施例の
可撓管2の先端部の湾曲部4は、複数の湾曲駒4aより
構成され、湾曲部4先端に設けられた固定部材31に固
定されたワイヤ32が、ワイヤ連結部材41により後述
するSMAワイヤ130の先端に連結されている。この
SMAワイヤ130の基端は、連結部材131によりワ
イヤ132の先端に連結されている。このワイヤ132
に基端は、可撓管2の基端側に固定された中空部に雌ネ
ジを切った中空部材134に螺合された雄ネジ133の
先端に接続されて、雄ネジ133を基端側で回転させる
ことにより、ワイヤ32、SMAワイヤ130及びワイ
ヤ132で構成される湾曲伝達系の張り具合を調整でき
るようになっている。これらの湾曲伝達系は、前記湾曲
部4を上下左右に湾曲するように4組設けられていて、
図21(A)のD−D’線断面である図21(B)に示
すように、中空部材134は90°間隔で設けられてい
る。
【0061】前記湾曲部4の湾曲駒4aは、例えば、図
22(A)に示すように、段差付き湾曲駒4aである。
図22(A)のE−E’線断面である図22(B)に示
すように、内視鏡1の内蔵物の収納の関係上、ワイヤ3
2を鑞付固定した固定部材31の位置が対称になってい
ない場合、図23に示すような従来の湾曲部の段差付き
湾曲駒4a’では、湾曲駆動する際にワイヤ32がa部
で湾曲駒4a’に接触してしまうという問題があった
が、本実施例では、図22(A)に示すようにa部に切
り欠きを入れることによりワイヤ32と湾曲駒4aとの
干渉が生じないようにしている。
【0062】図24に示すように、湾曲部4と、フレッ
クス141とブレード142とを具備した可撓管2との
連結は、口金部材140によりなされている。この口金
部材140は可撓管2側で、スエージング加工を行って
いるため、従来、スエージング加工部と非スエージング
部との境界部にバリ及び内径部への膨らみが生じるとい
う問題があったので、境界部であるA部を面取りし、加
工による変形を吸収するようにしている。
【0063】図25(A)に示すように、コイルシース
38は、可撓管2がまっすぐな状態の場合には、ゆるみ
を持たして設けている。このようにすることにより、内
視鏡1を蛇行した管路に挿入した場合、図25(B)に
示すように、可撓管2は曲がり、それにともなってコイ
ルシース38も内側のものはよりゆるみ、外側のものは
ゆるみがなくなった状態となる。このような場合でも非
圧縮部材であるコイルシース38内に設けられたSMA
ワイヤ130は応力を受けず全長を維持している。ま
た、SMAワイヤ130は柔軟性を有しているので、コ
イルシース38の形状に沿って、その曲がり状態のまま
伸縮動作を行うことができるようになっている。
【0064】その他の構成、作用、効果は第1実施例と
同じである。
【0065】図26ないし図28は第7実施例に係わ
り、図26は工業用内視鏡装置の構成を示す構成図、図
27はドラムに設けられた排気栓の作用を説明する説明
図、図28は保管時のドラムに設けられた排気栓の保管
状態を説明する説明図である。
【0066】第7実施例の工業用内視鏡装置は、第1実
施例の工業用内視鏡装置とほとんど同じであり、第1実
施例の工業用内視鏡装置において、制御装置18を取り
除いて、制御装置18内に設けられた機能の一部をドラ
ム8a内に設けて構成したものである。
【0067】すなわち、図26に示すように、第7実施
例の工業用内視鏡装置は、第1実施例の制御装置18内
に設けられた図6に示した電磁弁68、通電制御回路6
4、電磁弁制御回路66の機能を内部に備えたドラム8
aと、冷却流体である冷却空気を外チューブ312を介
して前記ドラム8aに供給するコンプレッサ310と、
このコンプレッサ310と前記ドラム8a内にもうけら
れた図示しない電磁弁、通電制御回路、電磁弁制御回路
と湾曲操作装置22とに電源を供給する中継装置311
とを備えている。この中継装置311は、湾曲操作装置
22からの信号を前記コンプレッサ310と前記ドラム
8a内にもうけられた図示しない電磁弁、通電制御回
路、電磁弁制御回路に伝達できるようになっている。ま
た、前記ドラム8aの側面に排気栓313が設けられ、
工業用内視鏡1内及びドラム8a内に供給された冷却空
気を排気できるようになっている。
【0068】図27(A)に示すように、排気栓313
として、軸方向に溝を設けたボルトを用い、これをドラ
ム8a側面の排気口に螺合させて取り付け、保管時には
排気栓313を締め付けてOリング314によって密閉
し、図27(B)に示すように、使用時には排気栓31
3をゆるめOリング314をドラム8a側面から離すこ
とにより矢印に示すように冷却空気を排気させるように
なっている。
【0069】その他の構成は第1実施例と同じである。
【0070】このように構成された第7実施例の工業用
内視鏡装置は、第1実施例に比べ各装置の小型化が可能
となるとともに、たとえば、第1実施例において供給さ
れた冷却空気を排気する図示しない開口部が工業用内視
鏡1の挿入部の基端部に設けられている場合、工業用内
視鏡1の使用環境により開口部が汚泥等により塞がれ
て、冷却空気を排気することができない虞があるが、ド
ラム8aの側面に作業中に触れることのない排気栓31
3を設けることにより、確実に冷却空気を排気すること
ができ、工業用内視鏡1内及びドラム8a内を高圧にす
ることなくSMAワイヤ36を冷却することができる。
【0071】尚、図28に示すように、排気栓313の
代わりにゴム状の栓316または317を取り付けて保
管するようにしても良い。
【0072】その他の作用、効果は第1実施例と同じで
ある。
【0073】図29は第8実施例に係る工業用内視鏡装
置の構成を示す構成図である。
【0074】第8実施例の工業用内視鏡装置は第7実施
例の工業用内視鏡装置とほとんど同じであり、第7実施
例の工業用内視鏡装置におけるコンプレッサ310と中
継装置311の機能をドラム8b内に設けたものであ
り、すなわち、第1実施例における制御装置18の機能
をドラム8b内に設けたものである。
【0075】その他構成は第7実施例と同じである。
【0076】このような第8実施例に係る工業用内視鏡
装置では、第1実施例における制御装置18の機能とド
ラム8の機能とが一体となったドラム8bを用いている
ので、第1実施例及び第7実施例に比べて、少ない構成
でシステムを構築することができる。
【0077】図30は第9実施例に係るカテーテル先端
部の斜視図である。
【0078】図30に示すように、可撓管であるカテー
テル150は、シリコン製のマルチルーメンチューブ1
50aよりなり、中央のルーメン155は図示しない細
径スコープ、処置具等を挿入したり、薬液を注入したり
するために設けられている。周囲のルーメン152は、
2つで1対になっていて、1つのルーメン152を挿通
するSMAワイヤ151をカテーテル150先端で折り
返して、対となっているルーメン152に挿通してい
る。SMAワイヤ151の両端部はかしめ部材153を
介して、リード線154に接続されていて、このかしめ
部材153はルーメン152内に固定されている。
【0079】リード線154に通電することによりSM
Aワイヤ151は加熱され、収縮する。かしめ部材15
3はルーメン153内に固定されているので、かしめ部
材153の位置は動かず、その結果、カテーテル150
が湾曲するようになっている。
【0080】ここで、SMAワイヤ151はルーメン1
52に挿通されているので、伸縮の際に摩擦が生じ、伸
縮動作をさせるためには大きな伸縮力を有する必要があ
る。そのため、図7に示したように、SMAワイヤ15
1はSMAワイヤ素線を編んだ編み紐上の構造になって
いて、第1実施例の内視鏡に比べ、本第7実施例のカテ
ーテル150はより径が細い構造となっているため、こ
のSMAワイヤ151は、より柔軟性が求められるの
で、きわめて細いSMAワイヤ素線で構成されている。
【0081】ところで、図31に示すような長手方向の
断面を有する側視型内視鏡を用いて、図7に示したSM
Aワイヤの第1の応用例を説明する。ここで、側視型内
視鏡は、カニョレーションの操作性向上のため、先端硬
性部160の長さAを27mmから31mmとし、湾曲
部161の長さBを38mmから42mmとしている。
【0082】この側視型内視鏡の異なる長手方向の断面
である図32に示すように、側視型内視鏡は内部に鉗子
チャンネル167を有している。この鉗子チャンネル1
67内を破線で示す鉗子163が挿通している。鉗子チ
ャンネル167先端部には側視方向に鉗子163を起上
させるためのカム164よりなる鉗子起上台162が設
けられている。このカム164の1部に図7に示すよう
なSMAワイヤ165の一端が接続され、このSMAワ
イヤ165の他端は側視型内視鏡内に固定された固定部
材166に接続されている。図示しないリード線より固
定部材166を介してSMAワイヤ165を通電加熱す
ることにより、このSMAワイヤ165を収縮させ鉗子
起上台162を駆動するようになっている。
【0083】従来は、このSMAワイヤ160の代わり
に、操作ワイヤを用いているが、側視型内視鏡の可撓部
の曲がり状態によっては、十分ストロークが取れないと
いう問題があるが、SMAワイヤ160を用いることに
より、側視型内視鏡の可撓部がいかなる曲がり状態にな
っても鉗子起上操作を行うことができる。SMAワイヤ
165は編み紐上の構造となっているので、柔軟性を有
するとともに鉗子起上操作を行うのに十分な伸縮力を有
している。
【0084】次に、図7に示したSMAワイヤの第2の
応用例を説明する。
【0085】図33はSMAワイヤの第2の応用例に係
る内視鏡先端部の断面図である。
【0086】図33に示すように、内視鏡170は、図
示しない光源からの照明光を伝送するライトガイド17
1と、観察像を撮像する固体撮像素子176を備えてい
る。ライトガイド176を伝送する照明光は、内視鏡1
70先端の照明窓172より図示しない被写体を照明す
る。被写体からの反射光は、内視鏡170先端の観察窓
173を介して、対物レンズ174を備えた光学系に入
射し固体撮像素子176の端面に結像するようになって
いる。対物レンズ174には固体撮像素子176の端面
に結像する像のフォーカス動作を行うフォーカス機構部
175が設けられている。このフォーカス機構部175
には、図7に示すような構造のSMAワイヤ177が接
続され、また、フォーカス機構部175にはSMAワイ
ヤ177と対向してバイアススプリング178が設けら
れている。
【0087】このような構成により、図示しないリード
線を介して、このSMAワイヤ177を通電加熱し任意
に収縮させることにより、対物レンズ174を所定の方
向に移動させ所望のフォーカス動作を行うことができる
ようになっている。
【0088】従って、図7に示すような編み紐構造のS
MAワイヤ177を用いることにより、コンパクトなフ
ォーカス機構部が実現できる。
【0089】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、本
発明の湾曲可能な可撓管は、湾曲可能な可撓管に於い
て、一端を前記可撓管先端側に固定し、他端を自由端と
し、全長を変化させることのできる操作部材と、先端側
を前記可撓管内面に固定され、基端側を前記操作部材の
自由端に固定された、径方向は柔軟であるが長手方向は
非圧縮性である連結部材とを具備しているので、前記操
作部材の全長を変化させることにより、湾曲可能な前記
可撓管の先端部を湾曲操作でき、湾曲可能な可撓管が如
何なる湾曲状態でも於いて、たわみの影響を受けずに、
所望の湾曲操作を行うことができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施例に係る工業用内視鏡装置
の構成を示す構成図である。
【図2】 本発明の第1実施例に係る可撓管の先端部の
断面を示す断面図である。
【図3】 本発明の第1実施例に係る可撓管の変形例の
先端部の断面を示す断面図である。
【図4】 本発明の第1実施例に係るワイヤ連結部材の
構成を示す拡大図である。
【図5】 本発明の第1実施例に係るプラグの構成を示
す拡大図である。
【図6】 本発明の第1実施例に係る工業用内視鏡の湾
曲機構を説明するブロック図である。
【図7】 本発明の第1実施例に係るSMAワイヤの構
造を示す構造図である。
【図8】 本発明の第1実施例に係るSMAワイヤ素線
の温度による伸縮状態を説明する説明図である。
【図9】 本発明の第1実施例に係るSMAワイヤのバ
ネ特性を説明する説明図である。
【図10】本発明の第1実施例に係るSMAワイヤの変
形例の構造を示す構造図である。
【図11】本発明の第1実施例に係る可撓管の先端部の
湾曲動作を説明する説明図である。
【図12】本発明の第1実施例に係る形状記憶合金部材
の変形例を示す断面図である。
【図13】本発明の第1実施例に係る湾曲ワイヤの可撓
管の先端側の固定部材の変形例を示す構造図である。
【図14】本発明の第1実施例に係る非圧縮部材の変形
例の構造をを示す構造図である。
【図15】本発明の第2実施例に係る可撓管の先端部の
断面を示す断面図である。
【図16】本発明の第2実施例に係るプラグの構成を示
す拡大図である。
【図17】本発明の第3実施例に係る可撓管の先端部の
断面を示す断面図である。
【図18】本発明の第4実施例に係る可撓管の先端部の
断面を示す断面図である。
【図19】本発明の第4実施例に係るC−C’線断面を
示す断面図である。
【図20】本発明の第5実施例に係る可撓管の先端部の
斜視図である。
【図21】本発明の第6実施例に係る可撓管の断面を示
す断面図である。
【図22】本発明の第6実施例に係る段差付き湾曲部の
断面を示す断面図である。
【図23】本発明の第6実施例に係る従来例の段差付き
湾曲部の断面を示す断面図である。
【図24】本発明の第6実施例に係る湾曲部と可撓管と
の接続を説明する説明図である。
【図25】本発明の第6実施例に係る可撓管内でのコイ
ルシースの状態を説明する説明図である。
【図26】本発明の第7実施例に係る工業用内視鏡装置
の構成を示す構成図である。
【図27】本発明の第7実施例に係るドラムに設けられ
た排気栓の作用を説明する説明図である。
【図28】本発明の第7実施例に係る保管時のドラムに
設けられた排気栓の保管状態を説明する説明図である。
【図29】本発明の第8実施例に係る工業用内視鏡装置
の構成を示す構成図である。
【図30】本発明の第9実施例に係るカテーテル先端部
の斜視図である。
【図31】SMAワイヤの第1の応用例に係る側視型内
視鏡先端部の断面図である。
【図32】SMAワイヤの第1の応用例に係る側視型内
視鏡の先端部の鉗子チャンネルの断面図である。
【図33】SMAワイヤの第2の応用例に係る内視鏡先
端部の断面図である。
【図34】本発明の従来例に係る可撓管先端の湾曲管部
部の動作を説明する説明図である。
【符号の説明】
2…可撓管 4…湾曲部 32…ワイヤ 34…ワイヤ連結部材 36…SMAワイヤ 38…コイルシース 40…プラグ 42…連結部材
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−164349(JP,A) 特開 昭63−21065(JP,A) 特開 昭62−211039(JP,A) 特開 平1−304416(JP,A) 特開 昭62−26041(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61B 1/00 - 1/32 G02B 23/24 - 23/26

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 湾曲可能な可撓管に於いて、一端を前記
    可撓管先端側に固定し、他端を自由端とし、少なくとも
    一部分を加熱することで全長が変化する形状記憶部材か
    らなる操作部材と、 先端側を前記可撓管内面に固定され、基端側を前記操作
    部材の自由端に固定された、径方向は柔軟であるが長手
    方向は非圧縮性である連結部材と、を具備したことを特
    徴とする湾曲可能な可撓管。
  2. 【請求項2】 前記連結部材が、前記操作部材を挿通す
    る管状部材であり、前記管状部材の基端側に冷却流体を
    供給する管路が接続され、前記操作部材に前記冷却流体
    を送ることを特徴とする請求項1記載の湾曲可能な可撓
    管。
  3. 【請求項3】 湾曲部と軟性部とからなる湾曲可能な可
    撓管に於いて、前記湾曲部と前記軟性部とを接続する接
    続口金と、 一端を前記湾曲部先端側に固定し、他端を自由端とし、
    進退し前記湾曲部を湾曲させる駆動部材と、 先端側を前記接続口金に固定され、基端側で前記駆動部
    材の自由端に固定され、径方向は柔軟であるが長手方向
    は非圧縮性である連結部材と、を具備したことを特徴と
    する湾曲可能な可撓管。
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