JP4231568B2 - 管状挿入具 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は例えば内視鏡を通して体腔内に挿入されたり、或いは血管内に挿入される細径の医療用のカテーテルとして使用され、体腔内に挿入される挿入部の先端側に細径な湾曲機構を備えた管状挿入具に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、医療用のカテーテルとして使用される細径な管状挿入具には体腔内に挿入される管状挿入具の挿入部の先端部に湾曲変形可能な湾曲部が配設されている。この湾曲部を湾曲操作する細径湾曲機構として従来から、例えば特開平6−63004号公報に示されているように形状記憶合金ワイヤを湾曲用アクチュエータとして用いた構成のものが知られている。
【0003】
ここで、管状挿入具の管壁部には2つずつ対になって例えば2組のワイヤ配設孔が形成されている。これらのワイヤ配設孔は管状挿入具の軸方向に沿って略全長に亙り延設されている。
【0004】
また、形状記憶合金ワイヤは中央部位で折り返され、ここで折り返されたワイヤ折り返し部の両側の2本のワイヤ構成要素が管状挿入具の管壁部の各組の2つのワイヤ配設孔内にそれぞれ挿入されている。そして、形状記憶合金ワイヤのワイヤ折り返し部は管状挿入具の管壁部端面に形成される2つのワイヤ配設孔の各端縁部間に固定されている。
【0005】
さらに、形状記憶合金ワイヤの両端部はそれぞれ接続部材を介してリード線に接続されている。このリード線は形状記憶合金ワイヤへの通電量を制御する通電制御装置に接続されている。
【0006】
また、湾曲部の2組の形状記憶合金ワイヤは例えば加熱することにより、長さが収縮し、冷却することにより、伸長して元の長さに復元する2方向性の形状記憶効果を備えたものである。そして、湾曲部の2組の形状記憶合金ワイヤは常時は非通電状態で保持されている。この状態では湾曲部の2組の形状記憶合金ワイヤはそれぞれ所定の長さの自然長状態で保持され、湾曲部は真っ直ぐに伸びた直線状態で保持されるようになっている。
【0007】
そして、湾曲部を湾曲操作する際には2組の形状記憶合金ワイヤのうちのいずれか一方が通電加熱されるようになっている。このとき、通電加熱された形状記憶合金ワイヤは長さが収縮する状態に変形することにより、形状記憶合金ワイヤのワイヤ折り返し部が手元側に引張り操作される。これにより、管状挿入具の湾曲部は収縮する形状記憶合金ワイヤ側に向けて湾曲されるようになっている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来構成のものにあっては湾曲用アクチュエータとして用いた形状記憶合金ワイヤの先端部のワイヤ折り返し部は管状挿入具の管壁部端面に形成される2つのワイヤ配設孔の各端縁部間に直接固定されている。そのため、形状記憶合金ワイヤの先端部のワイヤ折り返し部と管状挿入具の管壁部端面との間には遊びがないので、湾曲部が湾曲操作されていない状態でも挿入部が湾曲すると、この挿入部の湾曲によって形状記憶合金ワイヤが手元側に引張られるなどして、それにつれて湾曲部が使用者の意に反して不必要に湾曲してしまうおそれがある。さらに、このときに形状記憶合金ワイヤに作用する引張り力により、形状記憶合金ワイヤの先端部のワイヤ折り返し部と管状挿入具の管壁部端面との間の固定部が破損するおそれもある。
【0009】
また、形状記憶合金ワイヤは大きな負荷をかけながら伸縮動作を繰り返すと、全長に伸びが生じるという特性を持っている。上記従来構成のものでも使用しているうちに湾曲用アクチュエータである形状記憶合金ワイヤに多少の伸びが生じることが考えられる。このように形状記憶合金ワイヤの長さが最初の組立て時よりも長くなった場合、湾曲部と挿入部の接続部など、管状挿入具の各部位に余計な張力がかかることになり、それによって管状挿入具の各部位が破損するおそれもある。
【0010】
本発明は上記事情に着目してなされたもので、その目的は、必要なときだけに湾曲部を湾曲させることができ、挿入部の湾曲時にそれにつれて湾曲部が使用者の意に反して不必要に湾曲してしまうことを確実に防止することができるとともに、湾曲部などの管状挿入具の各部位の破損を防止できる管状挿入具を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は体腔内に挿入される挿入部を備えた管状挿入具の本体と、この管状挿入具本体の先端側に配設された湾曲変形可能な湾曲部と、形状記憶合金ワイヤによって形成され、上記形状記憶合金ワイヤの収縮変形動作により上記管状挿入具本体の管壁を牽引して上記湾曲部を上記形状記憶合金ワイヤの方向に湾曲操作するアクチュエータと、上記アクチュエータの非変形時に上記挿入部の変形にともない上記湾曲部に作用する牽引力と上記アクチュエータの不要伸びによってこの管状挿入具の各部位に作用する張力を吸収する不要力吸収手段とを具備したことを特徴とする管状挿入具である。
そして、アクチュエータの非変形時には挿入部の変形にともない湾曲部に作用する牽引力や、アクチュエータの不要伸びによって管状挿入具各部位に作用する張力を不要力吸収手段によって吸収させることにより、挿入部の湾曲によってアクチュエータの形状記憶合金ワイヤが手元側に引張られる動作や、アクチュエータの不要伸びを吸収させる。これにより、湾曲部が湾曲操作されていない状態で、挿入部が湾曲した際に、この挿入部の湾曲動作に連動して湾曲部が使用者の意に反して不必要に湾曲してしまうことと、アクチュエータに起因する不要な力による管状挿入具の各部位の破損を防止するようにしたものである。
請求項2の発明は、上記不要力吸収手段は、上記アクチュエータの2つの端部のうちの少なくとも一方が、上記管状挿入具本体に対して摺動可能に構成されている事を特徴とする請求項1に記載の管状挿入具である。
請求項3の発明は、上記不要力吸収手段は、上記形状記憶合金ワイヤが折り返された折り返し部と、上記管状挿入具本体の先端部に設けられ、上記形状記憶合金ワイヤの折り返し部が上記管状挿入具本体の長手方向にスライド可能なスライド空間と、を有することを特徴とする請求項2に記載の管状挿入具である。
請求項4の発明は、上記不要力吸収手段は、上記挿入部の基端部に上記形状記憶合金ワイヤの後端部と上記形状記憶合金ワイヤに通電するリード線との接続部を上記管状挿入具本体の長手方向にスライド可能なスライド空間を設けて構成されていることを特徴とする請求項2に記載の管状挿入具である。
請求項5の発明は、上記不要力吸収手段は、上記形状記憶合金ワイヤの先端に設けられたカシメ部材と、上記管状挿入具本体の先端部に設けられ、上記カシメ部材が上記管状挿入具本体の長手方向にスライド可能なスライド空間と、を有することを特徴とする請求項2に記載の管状挿入具である。
請求項6の発明は、上記湾曲部は、上記形状記憶合金ワイヤが上記管状挿入具本体の周方向に沿って複数配置され、上記管状挿入具本体は、上記スライド空間内に隣接する上記形状記憶合金ワイヤ間を分離する仕切り壁を有することを特徴とする請求項3〜5のいずれか1に記載の管状挿入具である。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1の実施の形態を図1乃至図3を参照して説明する。図1は本実施の形態の管状挿入具であるカテーテル(管状挿入具本体)1とそのコントローラ2のシステム全体の概略構成を示すものである。
【0013】
本実施の形態のカテーテル1には体腔内に挿入される細長い挿入部3と、体腔内に挿入されない手元側の体外配置部4とが設けられている。ここで、体外配置部4には分岐部5が配設されている。この分岐部5には基端チューブ6の一端部と、配線ケーブル7の一端部とが連結されている。さらに、基端チューブ6の他端部には処置具挿入口金8の一端部が連結されている。この処置具挿入口金8の他端部には処置具導入口9が形成されている。なお、配線ケーブル7の他端部はコントローラ2に連結されている。
【0014】
また、カテーテル1の挿入部3には細長い可撓管部10の先端部に湾曲変形可能な湾曲部11が配設されている。ここで、可撓管部10には比較的硬度が高い例えばテフロン製の第1のマルチルーメンチューブ12が配設されている。
【0015】
この第1のマルチルーメンチューブ12の軸心部には図2(A),(B)に示すようにチャンネルチューブ挿通孔13が軸心方向に沿って延設されている。さらに、このチャンネルチューブ挿通孔13の周囲のチューブ壁には周方向に沿って2つずつ対になって複数、例えば3組(合計6個)のワイヤ配設孔14が並設されている。これらのワイヤ配設孔14はチャンネルチューブ挿通孔13と略平行に、それぞれ軸心方向に沿って延設されている。
【0016】
また、湾曲部11には第1のマルチルーメンチューブ12よりも柔らかい樹脂材料、例えばポリウレタン製の第2のマルチルーメンチューブ15が配設されている。
【0017】
この第2のマルチルーメンチューブ15には第1のマルチルーメンチューブ12のチャンネルチューブ挿通孔13および3組(合計6個)のワイヤ配設孔14とそれぞれ連通するチャンネルチューブ挿通孔16および3組(合計6個)のワイヤ配設孔17がそれぞれ形成されている。
【0018】
さらに、本実施の形態のカテーテル1の軸心部には図2(A),(B)に示すようにチャンネルチューブ18が配設されている。このチャンネルチューブ18は例えばテフロン等の樹脂材料で形成されている。そして、このチャンネルチューブ18は第2のマルチルーメンチューブ15のチャンネルチューブ挿通孔16および第1のマルチルーメンチューブ12のチャンネルチューブ挿通孔13内に挿通されている。
【0019】
また、チャンネルチューブ18の先端開口部18aはカテーテル1の先端部に配設されている。さらに、このチャンネルチューブ18の基端部は分岐部5を介して基端チューブ6に連結されている。そして、このチャンネルチューブ18のチューブ内腔部分によって例えば細径内視鏡や、処置具等を挿通するチャンネル19が形成されている。このチャンネル19はカテーテル1の先端部に形成された先端開口部18aから挿入部3内、分岐部5内および基端チューブ6内を経て処置具挿入口金8の処置具導入口9まで連通されている。そして、処置具挿入口金8の処置具導入口9からこのチャンネル19内に挿入された細径内視鏡や、処置具等をカテーテル1の先端部の先端開口部18aから外部側に突出できるようになっている。
【0020】
また、チャンネルチューブ18の先端部にはフランジ状のスぺーサ20が固定されている。このスぺーサ20の外径寸法は第2のマルチルーメンチューブ15の外径寸法と略同径に設定されている。
【0021】
さらに、本実施の形態のカテーテル1の湾曲部11の外周面には例えばシリコーン製の薄肉チューブ21が被覆されている。この薄肉チューブ21の前端部はチャンネルチューブ18のスぺーサ20の前方まで延出され、このスぺーサ20の前方位置でチャンネルチューブ18の外周面に固定されている。そして、薄肉チューブ21のチューブ内にはチャンネルチューブ18の外周面との間で、かつチャンネルチューブ18のスぺーサ20と、第2のマルチルーメンチューブ15の先端面との間にリング状のスライド空間22が形成されている。
【0022】
また、本実施の形態のカテーテル1では湾曲部11の湾曲用アクチュエータとして3組の形状記憶合金ワイヤ(SMAワイヤ)23が用いられている。これらの形状記憶合金ワイヤ23は例えば加熱することにより、長さが収縮し、冷却することにより、伸長して元の長さに復元する2方向性の形状記憶効果を備えたものである。
【0023】
また、各組の形状記憶合金ワイヤ23は1本の形状記憶合金のワイヤ素線が中央部位で折り返され、ここで折り返されたワイヤ折り返し部23aの両側の2本のワイヤ構成要素23b,23cが第2のマルチルーメンチューブ15の各組のワイヤ配設孔17および第1のマルチルーメンチューブ12の各組のワイヤ配設孔14内にそれぞれ挿入されている。
【0024】
さらに、各組の形状記憶合金ワイヤ23の2本のワイヤ構成要素23b,23cにはそれぞれ先端側に形状記憶合金として機能するアクチュエータ部24が配置され、これらのアクチュエータ部24の後方側にリード線として機能するリード線部25が配置されている。ここで、リード線部25は形状記憶合金のワイヤ素線を過加熱することにより、形状記憶合金の形状記憶を消し去り、通電用のリード線としての機能のみを残したものである。そして、図2(B)に示すようにこれらの各組の形状記憶合金ワイヤ23の2本のワイヤ構成要素23b,23cにおける先端側のアクチュエータ部24と後端側のリード線部25との間の境界部分が第1のマルチルーメンチューブ12の各組のワイヤ配設孔14の内周面にそれぞれ接着剤26を介して接着固定されている。なお、各組の形状記憶合金ワイヤ23のアクチュエータ部24と後端側のリード線部25との間の境界部分を別体のかしめ部材を介して第1のマルチルーメンチューブ12の各組のワイヤ配設孔14の内周面に固定させる構成にしても良い。
【0025】
また、各組の形状記憶合金ワイヤ23のリード線部25は配線ケーブル7を介してコントローラ2内の図示しない通電制御装置に接続されている。そして、このコントローラ2内の通電制御装置によって各組の形状記憶合金ワイヤ23のアクチュエータ部24への通電量が制御されるようになっている。
【0026】
ここで、湾曲部11の各組の形状記憶合金ワイヤ23のアクチュエータ部24は常時は非通電状態で保持されている。この状態では各組の形状記憶合金ワイヤ23のアクチュエータ部24はそれぞれ同じ長さで保持され、湾曲部11は真っ直ぐに伸びた直線形状の初期状態で保持されるようになっている。
【0027】
さらに、湾曲部11を湾曲操作する際には各組の形状記憶合金ワイヤ23のアクチュエータ部24のうちのいずれか1組、或いは2組が通電加熱されるようになっている。このとき、通電加熱された形状記憶合金ワイヤ23のアクチュエータ部24は長さが収縮する状態に変形することにより、形状記憶合金ワイヤ23のワイヤ折り返し部23aが手元側に引張り操作される。そして、この引張り力により、第1のマルチルーメンチューブ12よりも柔らかい第2のマルチルーメンチューブ15のみが収縮する形状記憶合金ワイヤ23のアクチュエータ部24側に向けて湾曲される状態で、カテーテル1の湾曲部11が湾曲操作されるようになっている。
【0028】
また、各組の形状記憶合金ワイヤ23のワイヤ折り返し部23aは薄肉チューブ21とチャンネルチューブ18の外周面との間で、かつチャンネルチューブ18のスぺーサ20と、第2のマルチルーメンチューブ15の先端面との間のスライド空間22内にカテーテル1の軸心方向にスライド自在に収容されている。ここで、湾曲部11の各組の形状記憶合金ワイヤ23のアクチュエータ部24が非通電状態で保持され、湾曲部11が真っ直ぐに伸びた直線状態で保持されている場合には各組の形状記憶合金ワイヤ23のワイヤ折り返し部23aがスライド空間22内に予め設定された適宜の長さ突出された状態で保持されている。そして、形状記憶合金ワイヤ23のアクチュエータ部24の非変形時に挿入部3の変形にともない湾曲部11の形状記憶合金ワイヤ23に牽引力や突出力が作用した場合にはスライド空間22内におけるワイヤ折り返し部23aのスライド動作によって形状記憶合金ワイヤ23への牽引力、突出力を吸収するようになっている。これにより、形状記憶合金ワイヤ23のアクチュエータ部24の非変形時に挿入部3の変形にともない湾曲部11に作用する不要な力を吸収する不要力吸収手段27が形成されている。
【0029】
また、形状記憶合金ワイヤは負荷をかけた状態で伸縮を繰り返すと、形状記憶合金ワイヤの全長に伸びが生じることがあるが、本実施の形態でもカテーテル1の湾曲動作を繰り返すうちに形状記憶合金ワイヤ23に伸びが生じることがありうる。形状記憶合金ワイヤ23に不要な伸びが生じた場合に、カテーテル1の湾曲部11や、湾曲部11と挿入部3の接続部などのカテーテル1の各部位に不要な張力が作用する可能性があるが、この不要な張力も不要力吸収手段27によって吸収されるようになっている。
【0030】
なお、スライド空間22内におけるワイヤ折り返し部23aの突出長さ(スライド量)の設定方法は次の通りである。すなわち、図3に示すように湾曲部11が湾曲するとき、湾曲の内側と外側で湾曲部11の長さが異なり、外側が長くなる。そして、湾曲の外側が長くなる分、外側の形状記憶合金ワイヤ23ではスライド空間22内におけるワイヤ折り返し部23aの突出長さを長めに設定する必要がある。
【0031】
よって、最低でもこの湾曲の外側の長さ増加分程度のワイヤ折り返し部23aの突出長さが必要である。ここで、湾曲部11の非湾曲時の長さがLで、この湾曲部11の目標湾曲角θが45°、湾曲部11の伸びがΔL、カテーテル1の中心Oから形状記憶合金ワイヤ23までの距離をrとした場合、
L=(2π/8)・R
また、
L+ΔL=(2π/8)・(R+r)
である。したがって、湾曲部11の伸びΔLの下限値は
ΔL=(2π/8)・r=(π/4)・r
であり、これが湾曲部11の伸びに必要な長さΔL
ΔL=(π/4)・r
となる。なお、目標湾曲角をA°とした場合には
ΔL=2πr×(A/360)=(π/180)・r・A
となる。
【0032】
また、湾曲部11の伸びΔLの上限値の設定は次の通りである。すなわち、カテーテル1の先端部に設けられるスライド空間22は、硬質部材でつくられる。ここで、湾曲部11の先端側にある硬質部が長いとカテーテル1の挿入性を著しく低下させる。そのため、本実施の形態のカテーテル1では経験的にスライド空間22の長さを湾曲部11の長さの1/4以下に設定するようにした。そして、上述した説明に沿って設定した実施例は次の通りである。
【0033】
(実施例)
カテーテル1の全長:1.5m、外径φ:1.5mm(カテーテル1の中心と形状記憶合金ワイヤ23との間の距離r:0.525mm)、湾曲部11の長さ:16mm、形状記憶合金ワイヤ23の外径φ:0.075mm、長さが3mとした場合、カテーテル1のスライド空間22の下限値は約0.4mm、上限値は4mmとなる。
【0034】
次に、上記構成の作用について説明する。本実施の形態のカテーテル1は細長い挿入部3が例えば内視鏡を通して体腔内に挿入されたり、或いは血管内に挿入される。ここで、湾曲部11の湾曲用アクチュエータである3組の形状記憶合金ワイヤ23のアクチュエータ部24は常時は非通電状態で保持される。この状態では各組の形状記憶合金ワイヤ23のアクチュエータ部24はそれぞれ同じ長さで保持され、湾曲部11は真っ直ぐに伸びた初期状態で保持される。
【0035】
また、カテーテル1の挿入部3の挿入作業中に、湾曲部11を湾曲操作する場合にはコントローラ2が操作される。そして、このコントローラ2の操作にともないコントローラ2内の図示しない通電制御装置が制御される。このとき、通電制御装置ではコントローラ2の操作によって指示された通り、湾曲部11の湾曲操作方向の形状記憶合金ワイヤ23のアクチュエータ部24に指示された量だけ通電を行う。
【0036】
ここでは各組の形状記憶合金ワイヤ23のアクチュエータ部24のうちのいずれか1組、或いは2組が通電加熱される。このとき、通電加熱された形状記憶合金ワイヤ23のアクチュエータ部24は長さが収縮する状態に変形することにより、形状記憶合金ワイヤ23のワイヤ折り返し部23aが手元側に引張り操作される。そして、この引張り力により、第1のマルチルーメンチューブ12よりも柔らかい第2のマルチルーメンチューブ15のみが収縮する形状記憶合金ワイヤ23のアクチュエータ部24側に向けて湾曲される状態で、カテーテル1の湾曲部11が湾曲操作される。
【0037】
また、形状記憶合金ワイヤ23のアクチュエータ部24への通電加熱が停止されると、このアクチュエータ部24は冷却されるため、伸長して元の長さに復元する。そのため、この状態では湾曲部11の3組の形状記憶合金ワイヤ23のアクチュエータ部24はそれぞれ同じ長さで保持されるので、湾曲部11は真っ直ぐに伸びた初期状態に戻される。
【0038】
また、湾曲部11の3組の形状記憶合金ワイヤ23のアクチュエータ部24が非変形の初期状態で保持されているままの状態で挿入部3が変形した場合にはその挿入部3の変形動作にともない湾曲部11の各組の形状記憶合金ワイヤ23に手元側に引張る引張り力や、先端側に突出する突出力が作用する。この場合には本実施の形態の不要力吸収手段27が次のように動作する。
【0039】
すなわち、湾曲部11の各組の形状記憶合金ワイヤ23に作用する不要な力によって各組の形状記憶合金ワイヤ23のワイヤ折り返し部23aがカテーテル1の先端部のスライド空間22内で手元側あるいは先端側にスライドする。そして、湾曲部11の各組の形状記憶合金ワイヤ23に作用する不要な力がこのときのワイヤ折り返し部23aのスライド動作によって吸収される。
【0040】
そこで、上記構成のものにあっては次の効果を奏する。すなわち、本実施の形態ではカテーテル1の先端部にスライド空間22を設け、形状記憶合金ワイヤ23のワイヤ折り返し部23aをこのスライド空間22内にスライド自在に収納したので、湾曲部11が湾曲操作されていない状態で、挿入部3が湾曲した際に、あるいは使用過程において形状記憶合金ワイヤ23に不要な伸びが生じてしまった際に、このときのワイヤ折り返し部23aのスライド動作によって湾曲部11の各組の形状記憶合金ワイヤ23に作用する不要な力を吸収させることができる。そのため、湾曲部11などのカテーテル1の各部位の破損を防止することができる。さらに、湾曲部11が湾曲操作されていない状態で、挿入部3が湾曲した際に、この挿入部3の湾曲動作に連動して湾曲部11が使用者の意に反して不必要に湾曲することを防止することができる。
【0041】
また、本実施の形態ではチャンネルチューブ18の先端部にフランジ状のスぺーサ20を固定し、カテーテル1の湾曲部11の外周面を被覆する薄肉チューブ21のチューブ内にチャンネルチューブ18の外周面との間で、かつチャンネルチューブ18のスぺーサ20と、第2のマルチルーメンチューブ15の先端面との間にリング状のスライド空間22を形成したので、このリング状のスライド空間22内に湾曲部11の各組の形状記憶合金ワイヤ23のワイヤ折り返し部23aを全て挿入することができる。そのため、湾曲部11の各組の形状記憶合金ワイヤ23のワイヤ折り返し部23aを個別に収容する複数のスライド空間を形成する場合に比べてカテーテル1のスライド空間22の構成を簡素化することができるので、加工性が良く、経済的である。
【0042】
また、スライド空間22は、スぺーサ20と、チャンネルチューブ18と、第2のマルチルーメンチューブ15の先端面とによって構成されるのではなく、図2(C)に示すようにスぺーサ部分98と、チューブ部分97と、折り返し部96が一体になった先端部材99をチャンネルチューブ18に挿通する構成でも良い。この場合、先端部材99はセラミックなどの硬質の絶縁体でつくられている。このような構成にすると、組み立て時にスライド空間22の長さを調整する必要がなく、組み立てが容易になる。また、先端部材99が硬質であるため、比較的軟質な材料を用いている第2のマルチルーメンチューブ15の先端面を形状記憶合金ワイヤ23の牽引力から保護できる。
【0043】
なお、上記実施の形態では各組の形状記憶合金ワイヤ23の先端側のアクチュエータ部24と後端側のリード線部25との間の境界部分を第1のマルチルーメンチューブ12の各組のワイヤ配設孔14の内周面にそれぞれ接着剤26を介して接着固定した構成を示したが、各組の形状記憶合金ワイヤ23の先端側のアクチュエータ部24と後端側のリード線部25との間の境界部分は必ずしも第1のマルチルーメンチューブ12の各組のワイヤ配設孔14の内周面に接着固定する必要はない。この場合、形状記憶合金ワイヤ23には上記実施の形態のように過加熱して通電用のリード線部25を形成せず、形状記憶合金ワイヤ23全体で変形させるようにしてもよい。
【0044】
また、図4は本発明の第2の実施の形態を示すものである。本実施の形態は第1の実施の形態(図1乃至図3参照)のカテーテル1の構成を次の通り変更したものである。
【0045】
すなわち、本実施の形態ではチャンネルチューブ18の先端部外周面に略円筒状の先端部材31が配設されている。この先端部材31の外周面には湾曲部11に配設される形状記憶合金ワイヤ23のワイヤ折り返し部23aの数と同数の溝状の切欠部32が形成されている。
【0046】
さらに、この先端部材31の切欠部32の開口部は薄肉チューブ21によって被覆されている。そして、薄肉チューブ21のチューブ内には先端部材31の切欠部32の部分に湾曲部11の各組の形状記憶合金ワイヤ23のワイヤ折り返し部23aをそれぞれ個別にスライド可能に収容する複数のスライド空間33が形成されている。
【0047】
そこで、本実施の形態では薄肉チューブ21のチューブ内のスライド空間33内に湾曲部11の各組の形状記憶合金ワイヤ23のワイヤ折り返し部23aをそれぞれスライド可能に収容したので、湾曲部11が湾曲操作されていない状態で、挿入部3が湾曲した際に、このときのワイヤ折り返し部23aのスライド動作によって湾曲部11の各組の形状記憶合金ワイヤ23に作用する引張り力を吸収させることができる。そのため、湾曲部11の破損を防止することができる。さらに、湾曲部11が湾曲操作されていない状態で、挿入部3が湾曲した際に、この挿入部3の湾曲動作に連動して湾曲部11が使用者の意に反して不必要に湾曲することを防止することができる。
【0048】
また、本実施の形態では先端部材31の隣接する切欠部32間に絶縁性の仕切り壁34が形成されている。そのため、この仕切り壁34によって隣接する形状記憶合金ワイヤ23のワイヤ折り返し部23a間が直接接触してショートすることを確実に防止することができる効果もある。なお、仕切り壁34は先端部材31とは別部材で構成しても良い。
【0049】
また、図5は第2の実施の形態(図4参照)の変形例を示すものである。本変形例では第2の実施の形態における先端部材31の外周面の切欠部32に代えて先端部材31の先端面にスライド空間33を形成するための複数の穴部35を設けたものである。そして、先端部材31の各穴部35には湾曲部11に配設される各組の形状記憶合金ワイヤ23のワイヤ折り返し部23aがそれぞれ個別にスライド可能に収容されている。
【0050】
そこで、本実施の形態では先端部材31の各穴部35によって形成されるスライド空間33内に湾曲部11の各組の形状記憶合金ワイヤ23のワイヤ折り返し部23aをそれぞれスライド可能に収容したので、湾曲部11が湾曲操作されていない状態で、挿入部3が湾曲した際に、このときのワイヤ折り返し部23aのスライド動作によって湾曲部11の各組の形状記憶合金ワイヤ23に作用する引張り力を吸収させることができる。そのため、湾曲部11などのカテーテル1の各部位の破損を防止することができる。さらに、湾曲部11が湾曲操作されていない状態で、挿入部3が湾曲した際に、この挿入部3の湾曲動作に連動して湾曲部11が使用者の意に反して不必要に湾曲することを防止することができる。
【0051】
また、本実施の形態では先端部材31の隣接する穴部35間に絶縁性の仕切り壁36が形成されている。そのため、この仕切り壁36によって隣接する形状記憶合金ワイヤ23のワイヤ折り返し部23a間が直接接触してショートすることを確実に防止することができる効果もある。
【0052】
また、図6は本発明の第3の実施の形態を示すものである。本実施の形態は第1の実施の形態(図1乃至図3参照)のカテーテル1の不要力吸収手段27の構成を次の通り変更したものである。
【0053】
すなわち、第1の実施の形態ではカテーテル1における挿入部3の先端部に不要力吸収手段27を設けたのに対し、本実施の形態ではカテーテル1における挿入部3の基端部側の分岐部5に不要力吸収手段41を設けたものである。
【0054】
ここで、本実施の形態の分岐部5には挿入部3との連結部側に小径部5aが形成され、この小径部5aの後端部に大径部5bが形成されている。そして、分岐部5の大径部5bの外周面には湾曲部11に配設される3つの形状記憶合金ワイヤ23のワイヤ折り返し部23aの数と同数の溝状の切欠部42が形成されている。
【0055】
また、本実施の形態では湾曲部11に配設される各形状記憶合金ワイヤ23のワイヤ折り返し部23aの両側の2本のワイヤ構成要素23b,23cの基端部は分岐部5側に延出されている。なお、本実施の形態の各形状記憶合金ワイヤ23はワイヤ折り返し部23aの両側の2本のワイヤ構成要素23b,23c全体が2方向性の形状記憶効果を備えた形状記憶合金として機能するアクチュエータ部になっている。さらに、各ワイヤ構成要素23b,23cの基端部にはエナメル線等のリード線43がカシメ部材44を介して接続されている。カシメ部材44の外径は切欠部42の先端側にある形状記憶合金ワイヤ23の挿通孔の内径よりも大きくなっており、形状記憶合金ワイヤ23の収縮等によりカシメ部材44が先端側に引張られても、カシメ部材44は切欠部42の先端側壁面に突き当たり、それ以上進まないようになっている。
【0056】
また、リード線43の中途部にはコイルばね状の伸縮部45が形成されている。そして、分岐部5の各切欠部42には各ワイヤ構成要素23b,23cの基端部に接続されたリード線43の伸縮部45が収納されている。ここで、リード線43の伸縮部45は分岐部5の各切欠部42内でカテーテル1の軸心方向に伸縮可能になっている。そして、各切欠部42内のリード線43の伸縮部45によって本実施の形態の不要力吸収手段41が形成されている。
【0057】
また、本実施の形態の分岐部5の小径部5aには各ワイヤ構成要素23b,23cの基端部とリード線43との間のカシメ部材44による接続部をそれぞれ個別に収容する複数の収容溝46が形成されている。そして、各ワイヤ構成要素23b,23cの基端部とリード線43との間のカシメ部材44は各収容溝46内でカテーテル1の軸心方向に沿って移動可能になっている。
【0058】
なお、本実施の形態では湾曲部11に配設される各形状記憶合金ワイヤ23のワイヤ折り返し部23aは第2のマルチルーメンチューブ15の先端面に固定されている。
【0059】
次に、上記構成の作用について説明する。本実施の形態のカテーテル1の使用時に湾曲部11を湾曲操作する場合には第1の実施の形態と同様にコントローラ2の操作にともないコントローラ2内の図示しない通電制御装置が制御される。このとき、通電制御装置ではコントローラ2の操作によって指示された通り、湾曲部11の湾曲操作方向の形状記憶合金ワイヤ23に指示された量だけ通電を行う。
【0060】
ここでは各組の形状記憶合金ワイヤ23のうちのいずれか1組、或いは2組が通電加熱される。このとき、通電加熱された形状記憶合金ワイヤ23は長さが収縮する状態に変形することにより、形状記憶合金ワイヤ23のワイヤ折り返し部23aが手元側に引張り操作される。そして、この引張り力により、第1のマルチルーメンチューブ12よりも柔らかい第2のマルチルーメンチューブ15のみが収縮する形状記憶合金ワイヤ23側に向けて湾曲される状態で、カテーテル1の湾曲部11が湾曲操作される。
【0061】
また、形状記憶合金ワイヤ23への通電加熱が停止されると、この形状記憶合金ワイヤ23は冷却されるため、伸長して元の長さに復元する。そのため、この状態では湾曲部11の3組の形状記憶合金ワイヤ23はそれぞれ同じ長さで保持されるので、湾曲部11は真っ直ぐに伸びた初期状態に戻される。
【0062】
また、湾曲部11の3組の形状記憶合金ワイヤ23が非変形の初期状態で保持されているままの状態で挿入部3が変形した場合、あるいは形状記憶合金ワイヤ23に不要な伸びが生じた場合には、湾曲部11の各組の形状記憶合金ワイヤ23および各組の形状記憶合金ワイヤ23のワイヤ構成要素23b,23cにカシメ部材44を介して接続されたリード線43に手元側、あるいは先端側に引張る引張り力が作用する。この場合には本実施の形態の不要力吸収手段41が次のように動作する。
【0063】
すなわち、湾曲部11の各組の形状記憶合金ワイヤ23および各組の形状記憶合金ワイヤ23のワイヤ構成要素23b,23cにカシメ部材44を介して接続されたリード線43に作用する引張り力によってリード線43の伸縮部45がカテーテル1の分岐部5の各切欠部42内でカテーテル1の軸心方向に沿って引き伸ばされる。そして、湾曲部11の各組の形状記憶合金ワイヤ23に作用する引張り力がこのときのリード線43の伸縮部45の引き伸ばし動作によって吸収される。また、リード線43に作用する力が逆向きの場合は、伸縮部45が収縮動作することによって不要な力が吸収される。
【0064】
そこで、本実施の形態ではカテーテル1の手元側の分岐部5の各切欠部42内にリード線43の伸縮部45を収容したので、湾曲部11が湾曲操作されていない状態で、挿入部3が湾曲した際に、カテーテル1の分岐部5の各切欠部42内でリード線43の伸縮部45の引き伸ばし、あるいは収縮動作によって湾曲部11の各組の形状記憶合金ワイヤ23に作用する引張り力などの不要な力を吸収させることができる。そのため、本実施の形態でも第1の実施の形態と同様に湾曲部11などのカテーテル1の各部位の破損を防止することができる。さらに、湾曲部11が湾曲操作されていない状態で、挿入部3が湾曲した際に、この挿入部3の湾曲動作に連動して湾曲部11が使用者の意に反して不必要に湾曲することを防止することができる。
【0065】
また、本実施の形態では分岐部5の小径部5aの各収容溝46間に絶縁性の仕切り壁47が形成されている。そのため、隣接する各ワイヤ構成要素23b,23cの基端部とリード線43との間のカシメ部材44間が直接接触してショートすることをこの仕切り壁47によって確実に防止することができる効果もある。
【0066】
また、図7は本発明の第4の実施の形態を示すものである。本実施の形態は第3の実施の形態(図6参照)のカテーテル1の不要力吸収手段41の構成を次の通り変更したものである。
【0067】
すなわち、本実施の形態の不要力吸収手段51ではカテーテル1の分岐部5における大径部5bの外周面にはリング状の切欠部52が形成されている。この切欠部52には湾曲部11に配設される3つの形状記憶合金ワイヤ23の各ワイヤ構成要素23b,23cの基端部に接続されたリード線43の伸縮部45が収納されている。
【0068】
また、分岐部5における小径部5aの外周面には湾曲部11に配設される3つの形状記憶合金ワイヤ23のワイヤ折り返し部23aの数と同数の溝状の切欠部53が形成されている。この切欠部53には各形状記憶合金ワイヤ23におけるワイヤ折り返し部23aの両側の2本のワイヤ構成要素23b,23cの基端部とリード線43との間のカシメ部材44がカテーテル1の軸心方向に沿って移動可能に収容されている。
【0069】
さらに、各切欠部53内に配設された2つのワイヤ構成要素23b,23cの基端部とリード線43との間の接続部の周囲には透明な絶縁チューブ54が装着されている。そして、この絶縁チューブ54によって各切欠部53内に配設された2つのワイヤ構成要素23b,23cの基端部とリード線43との間の接続部同士が接触してショートすることが防止されている。
【0070】
そこで、上記構成の本実施の形態ではカテーテル1の手元側の分岐部5の切欠部52内にリード線43の伸縮部45を収容したので、湾曲部11が湾曲操作されていない状態で、挿入部3が湾曲した際などに、この分岐部5の切欠部52内でリード線43の伸縮部45の引き伸ばし、あるいは収縮動作によって湾曲部11の各組の形状記憶合金ワイヤ23に作用する不要な力を吸収させることができる。そのため、本実施の形態でも第3の実施の形態と同様に湾曲部11の破損を防止することができるとともに、湾曲部11が湾曲操作されていない状態で、挿入部3が湾曲した際に、この挿入部3の湾曲動作に連動して湾曲部11が使用者の意に反して不必要に湾曲することを防止することができる。
【0071】
また、図8乃至図10は本発明の第5の実施の形態を示すものである。本実施の形態は第1の実施の形態(図1乃至図3参照)のカテーテル1の構成を次の通り変更したものである。
【0072】
すなわち、本実施の形態ではカテーテル1における挿入部3の先端部に接触センサ61を設けたものである。ここで、カテーテル1の挿入部3の先端部には図8に示すように硬質な先端部材62が配設されている。この先端部材62の先端部外周面には先細状のテーパ面63が形成されている。
【0073】
また、接触センサ61には図9に示すように薄膜歪センサ64が設けられている。この薄膜歪センサ64は先端部材62の先端部外周面にシリコン接着剤65によって接着されている。そして、このシリコン接着剤65が硬化されることにより、薄膜歪センサ64と先端部材62の先端部外周面との間に介設される弾性体が形成されている。さらに、薄膜歪センサ64の外表面には略半球状の受圧部66が突設されている。
【0074】
そして、本実施の形態ではカテーテル1の先端部の受圧部66が押圧力を受けると、シリコン接着剤65が硬化されたシリコンゴムである弾性体とともに歪センサ64が変形する。このとき、歪センサ64は変形量(歪量)を出力して、この歪センサ64に接続されたコントローラ2内の図示しない処理回路がその出力を押圧力に変換する。そして、コントローラ2ではその押圧力を回避するように湾曲部11を湾曲させる。
【0075】
また、図10はカテーテル1の動作例として、人間の血管の中にカテーテル1の挿入部3を挿入している状態を示すものである。ここで、カテーテル1の挿入部3は図示しない人間の太腿部の動脈から挿入され、図示しない心臓へと向かう動脈71中を進んでいる。なお、動脈71は心臓に達する前に、大動脈弓72で大きく湾曲している。さらに、動脈71はこの大動脈弓72の部分でいくつかに分岐し、頭部へと向かう血管73につながっている。
【0076】
この大動脈弓72中にカテーテル1の挿入部3を挿入し、進めていくとき、血管が大きく湾曲しているためカテーテル1の先端部材62は図10中に実線で示すように血管壁に当たってしまう。このとき、先端部材62の接触センサ61が押圧値を検出し、上述の一連の押圧回避湾曲動作を行う。この動作によってカテーテル1の挿入部3は図10中に点線で示すように血管壁への押圧を回避する方向に湾曲され、これ以後はスムーズに挿入されていく。
【0077】
そこで、上記構成のものにあっては次の効果を奏する。すなわち、接触センサ61に薄膜歪センサ64を設け、カテーテル1の先端部の受圧部66が押圧力を受けた際に、シリコン接着剤65が硬化されたシリコンゴムである弾性体とともに歪センサ64が変形することにより、歪センサ64からの変形量の出力を押圧力に変換して、コントローラ2によってその押圧力を回避するように湾曲部11を湾曲させるようにしたので、簡単な構成で押圧回避湾曲カテーテル1が実現できる。
【0078】
また、図11(A)〜(C)は第5の実施の形態(図8乃至図10参照)のカテーテル1における接触センサ61の取付け状態の第1の変形例を示すものである。本変形例では図11(B)に示すように第5の実施の形態の硬質な先端部材62の外周面における接触センサ61の取付け部と対応する部分に深溝のセンサ取付け溝部81が形成されている。このセンサ取付け溝部81には図11(C)に示すように第5の実施の形態と同様のシリコン接着剤65が埋め込まれ、その上に接触センサ61の薄膜歪センサ64が貼り付けられている。
【0079】
そこで、本変形例では先端部材62の外周面における接触センサ61の取付け部と対応する部分に深溝のセンサ取付け溝部81を設けたので、接触センサ61を受けるシリコン接着剤65のシリコンゴムの量を多くできる。そのため、接触センサ61を受けるシリコン接着剤65の弾性体の量が大きいので、接触センサ61の薄膜歪センサ64の変形量を大きくできる。その結果、カテーテル1における接触センサ61のセンサ感度を高くすることができるので、高感度な押圧回避挿入が可能となる。
【0080】
また、図12(A),(B)は第5の実施の形態(図8乃至図10参照)のカテーテル1における接触センサ61の取付け状態の第2の変形例を示すものである。本変形例は先端部材62の先端部外周縁部に丸みを帯びた面取り部91を形成し、この面取り部91の部分に接触センサ61の受圧部66を配置したものである。本変形例でも第5の実施の形態と同様の効果が得られる。
【0081】
また、図13は本発明の第6の実施の形態を示すものである。本実施の形態は第1の実施の形態(図1乃至図3参照)のカテーテル1における湾曲部11の湾曲用アクチュエータとして使用される形状記憶合金ワイヤ(SMAワイヤ)23の構成を次の通り変更したものである。
【0082】
すなわち、第1の実施の形態では1本の形状記憶合金のワイヤ素線が中央部位で折り返され、ここで折り返されたワイヤ折り返し部23aがスライド空間22内にカテーテル1の軸心方向にスライド自在に収容された構成のものを示したが、本実施の形態では直線状の形状記憶合金ワイヤ素線101の先端部がスライド空間22内に突出され、手元側から延出されたリード線102の先端部がこの突出端部にカシメ部材103を介してカシメ固定された状態で接続されている。
【0083】
そして、本実施の形態の湾曲部11の湾曲操作時には形状記憶合金ワイヤ素線101とリード線102との間に通電することにより、形状記憶合金ワイヤ素線101が通電加熱される。このとき通電加熱された形状記憶合金ワイヤ素線101は長さが縮小する状態に変形することにより、形状記憶合金ワイヤ素線101の先端部のカシメ部材103が手元側に引張り操作される。そして、この引張り力により、第1のマルチルーメンチューブ12よりも柔らかい第2のマルチルーメンチューブ15のみが収縮する形状記憶合金ワイヤ素線101側に向けて湾曲される状態で、カテーテル1の湾曲部11が湾曲操作される。
【0084】
また、湾曲部11の3組の形状記憶合金ワイヤ素線101が非変形の初期状態で保持されているままの状態で挿入部3が変形した場合にはその挿入部3の変形動作にともない湾曲部11の各組の形状記憶合金ワイヤ素線101に手元側に引張る引張り力が作用する。この場合には湾曲部11の各組の形状記憶合金ワイヤ素線101に作用する引張り力によって各組の形状記憶合金ワイヤ素線101の先端部のカシメ部材103がカテーテル1の先端部のスライド空間22内で手元側にスライドする。そして、湾曲部11の各組の形状記憶合金ワイヤ素線101に作用する引張り力がこのときのカシメ部材103のスライド動作によって吸収される。
【0085】
そこで、上記構成のものにあっては次の効果を奏する。すなわち、本実施の形態ではカテーテル1の先端部にスライド空間22を設け、形状記憶合金ワイヤ素線101の先端部のカシメ部材103をこのスライド空間22内にスライド自在に収納したので、湾曲部11が湾曲操作されていない状態で、挿入部3が湾曲した際や、形状記憶合金ワイヤ素線101に不要伸びが生じた際に、このときのカシメ部材103のスライド動作によって湾曲部11の各組の形状記憶合金ワイヤ素線101に作用する引張り力や圧縮力を吸収させることができる。そのため、湾曲部11やカテーテル1の各部位の破損を防止することができる。さらに、湾曲部11が湾曲操作されていない状態で、挿入部3が湾曲した際などに、湾曲部11が使用者の意に反して不必要に湾曲することを防止することができる。
【0086】
また、本実施の形態では特に形状記憶合金ワイヤ素線101の使用量が第1の実施の形態のカテーテル1の略半分で済む為、消費電力が少なくて済む効果がある。
【0087】
また、図14は第6の実施の形態(図13参照)のカテーテル1の第1の変形例を示すものである。すなわち、本変形例ではスライド空間22内に突出された直線状の形状記憶合金ワイヤ素線101の先端部と、手元側から延出されたリード線102の先端部との間を結び、この結び目104をハンダ付けにより、固定された状態で接続したものである。
【0088】
そこで、上記構成の本変形例では第6の実施の形態のカシメ部材103を省略することができるので、カテーテル1全体の構成部品数を減らして構成の簡素化を図ることができる。
【0089】
また、図15は第6の実施の形態(図13参照)のカテーテル1の第2の変形例を示すものである。すなわち、本変形例では第6の実施の形態の3本の形状記憶合金ワイヤ素線101の先端部間を共通の1本のリード線102の先端部に接続したものである。
【0090】
そこで、上記構成の本変形例では第6の実施の形態の3本の形状記憶合金ワイヤ素線101のリード線102が1本ですむので、カテーテル1全体の構成部品数を減らして構成の簡素化を図ることができる。
【0091】
また、図16は第6の実施の形態(図13参照)のカテーテル1の第3の変形例を示すものである。すなわち、本変形例では湾曲部11の第2のマルチルーメンチューブ15の先端部にステンレス等の導電体によって形成されたリング状の先端部材111を配設し、この先端部材111に1本のリード線102の先端部を接続したものである。そして、第6の実施の形態の3本の形状記憶合金ワイヤ素線101の先端部はこの先端部材111を介して共通の1本のリード線102に接続されている。
【0092】
そこで、上記構成の本変形例でも第2の変形例(図15参照)と同様に第6の実施の形態の3本の形状記憶合金ワイヤ素線101のリード線102が1本ですむので、カテーテル1全体の構成部品数を減らして構成の簡素化を図ることができる。
【0093】
また、図17は第6の実施の形態(図13参照)のカテーテル1の第4の変形例を示すものである。すなわち、本変形例では第6の実施の形態の形状記憶合金ワイヤ素線101のアクチュエータ部分のみに加熱用のヒーター121を配設したものである。このヒーター121は例えば半導体薄膜ヒーターや、ニクロム線などによって形成されている。さらに、本変形例のカテーテル1の管壁には形状記憶合金ワイヤ素線101の基端部を固定する固定部122が設けられている。
【0094】
そこで、上記構成の本変形例では加熱用のヒーター121によって形状記憶合金ワイヤ素線101のアクチュエータ部分のみを集中的に加熱することができるので、効率的である。
【0095】
さらに、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施できることは勿論である。
次に、本出願の他の特徴的な技術事項を下記の通り付記する。

(付記項1) 体腔内に挿入される管状挿入具において、管状挿入具の先端にある湾曲部と、上記湾曲部の先端にある先端部と、管状挿入具の管壁内を通り、先端部内で折り返された少なくとも一本の形状記憶合金ワイヤと、上記先端部に設けられ、上記形状記憶合金ワイヤの折り返し部がスライド可能な空間を持つスライド部とからなることを特徴とする管状挿入具。
【0096】
(付記項2) 上記要件に加え、カテーテルの外径がφ1.5mm、湾曲部長が16mm、全長が1.5m、上記形状記憶合金ワイヤの外径がφ0.075mm、長さが3mのとき、上記スライド部の長さは0.4mm以上でかつ4mm以下であることを特徴とする付記項1の管状挿入具。
【0097】
(付記項3) カテーテルの中心からアクチュエータまでの距離をr、目標湾曲角度をA°としたとき、スライド部の長さの下限値はπrA/180で、また、湾曲部長がLのとき、スライド部の長さの上限値はL/4であり、かつ上限値が下限値を下回る場合はスライド部の長さは上記下限値を使用することを特徴とする付記項1の管状挿入具。
【0098】
(付記項4) 形状記憶合金ワイヤの後端部にも形状記憶合金ワイヤとリード線の接続部が長手方向にスライド可能な空間を持つスライド部を設けたことを特徴とする付記項1の管状挿入具。
【0099】
(付記項1〜4の従来技術) 従来から、形状記憶合金ワイヤを湾曲用アクチュエータとして用いた細径湾曲機構がある。
【0100】
(付記項1〜4が解決しようとする課題) 従来のものは、湾曲部先端部でアクチュエータを直接接続しているため、遊びがなく、挿入部が湾曲すると、それにつれて湾曲部が湾曲してしまうという問題点があった。
【0101】
(付記項1〜4の目的) 必要なときだけ湾曲部が湾曲する細径湾曲機構の提供。
【0102】
(付記項1〜4の課題を解決するための手段) 体内に挿入される管状挿入具において、湾曲部と、湾曲先端にある先端部と、挿入具管壁内を通り、湾曲部の先端部で折り返えされた少なくとも1本の形状記憶合金ワイヤと、上記先端部に設けられ、上記形状記憶合金ワイヤの折り返し部がスライド可能なスライド部とからなることを特徴とする湾曲機構。
【0103】
(付記項1〜4の効果) 必要時に湾曲部のみ湾曲する。
【0104】
(付記項5) 先端部分に湾曲部を設けた管状挿入具において、湾曲部の遠位端側にある先端部と、上記湾曲部を湾曲させる湾曲アクチュエータと、上記先端部の周囲に設けた少なくとも一つの半導体薄膜歪センサと、上記先端部と上記半導体薄膜歪センサの間に設けた弾性部材と、上記先端部に加わった押圧力を上記歪センサからの出力信号から検出する信号処理手段と、上記信号処理手段が検出した押圧力に応じて湾曲アクチュエータを駆動する制御手段とを備えたことを特徴とする管状挿入具。
【0105】
(付記項5の従来技術) 従来、先端部分に湾曲機能を備えた湾曲カテーテルにおいて、面発光レーザを用いた押圧感知用のセンサを先端部に設けたものがある。
【0106】
(付記項5が解決しようとする課題) しかしながら、面発光レーザを用いた押圧感知センサは構造が複雑で小型化が困難であった。
【0107】
(付記項5の目的) 簡単な構成でありながら押圧検知機能を備えた細径湾曲カテーテルの提供。
【0108】
(付記項5の効果) 簡単な構成で押圧回避湾曲カテーテルが実現できる。
【0109】
【発明の効果】
本発明によれば形状記憶合金ワイヤによって形成されるアクチュエータの非変形時に挿入部の変形にともない湾曲部に作用する牽引力と、アクチュエータの不要伸びによって管状挿入具の各部位に作用する張力を吸収する不要力吸収手段を設けたので、必要なときだけに湾曲部を湾曲させることができ、挿入部の湾曲時にそれにつれて湾曲部が使用者の意に反して不必要に湾曲してしまうことを確実に防止することができるとともに、湾曲部などの管状挿入具の各部位の破損を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施の形態を示すカテーテル全体の概略構成を示す斜視図。
【図2】 (A)は第1の実施の形態のカテーテルの湾曲部を示す要部の断面斜視図、(B)は第1の実施の形態のカテーテルのワイヤ固定部を示す要部の断面斜視図、(C)は第1の実施の形態のカテーテルの先端部材を示す断面斜視図。
【図3】 第1の実施の形態のカテーテルの湾曲部の湾曲状態を示す要部の側面図。
【図4】 本発明の第2の実施の形態を示すカテーテルの要部の断面斜視図。
【図5】 第2の実施の形態の変形例を示すカテーテルの要部の断面斜視図。
【図6】 本発明の第3の実施の形態のカテーテルの要部の斜視図。
【図7】 本発明の第4の実施の形態のカテーテルの要部の斜視図。
【図8】 本発明の第5の実施の形態のカテーテルの要部の斜視図。
【図9】 第5の実施の形態のカテーテルにおける接触センサの取付け状態を示す要部の斜視図。
【図10】 第5の実施の形態のカテーテルの動作状態を示す要部の斜視図。
【図11】 (A)は第5の実施の形態のカテーテルにおける接触センサの取付け状態の第1の変形例を示す要部の斜視図、(B)は第1の変形例の接触センサの取付け溝を示す斜視図、(C)は第1の変形例の接触センサの取付け部を示す要部の縦断面図。
【図12】 (A)は第5の実施の形態のカテーテルにおける接触センサの取付け状態の第2の変形例を示す要部の斜視図、(B)は第2の変形例の接触センサの取付け部を示す要部の縦断面図。
【図13】 本発明の第6の実施の形態のカテーテルの要部の斜視図。
【図14】 第6の実施の形態のカテーテルの第1の変形例を示す要部の斜視図。
【図15】 第6の実施の形態のカテーテルの第2の変形例を示す要部の斜視図。
【図16】 第6の実施の形態のカテーテルの第3の変形例を示す要部の斜視図。
【図17】 第6の実施の形態のカテーテルの第4の変形例を示す要部の斜視図。
【符号の説明】
1 カテーテル(管状挿入具本体)
3 挿入部
11 湾曲部
22 スライド空間
23 形状記憶合金ワイヤ
23a ワイヤ折り返し部
27 不要力吸収手段

Claims (6)

  1. 体腔内に挿入される挿入部を備えた管状挿入具の本体と、
    この管状挿入具本体の先端側に配設された湾曲変形可能な湾曲部と、
    形状記憶合金ワイヤによって形成され、上記形状記憶合金ワイヤの収縮変形動作により上記管状挿入具本体の管壁を牽引して上記湾曲部を上記形状記憶合金ワイヤの方向に湾曲操作するアクチュエータと、
    上記アクチュエータの非変形時に上記挿入部の変形にともない上記湾曲部に作用する牽引力と上記アクチュエータの不要伸びによってこの管状挿入具の各部位に作用する張力を吸収する不要力吸収手段と
    を具備したことを特徴とする管状挿入具。
  2. 上記不要力吸収手段は、上記アクチュエータの2つの端部のうちの少なくとも一方が、上記管状挿入具本体に対して摺動可能に構成されている事を特徴とする請求項1に記載の管状挿入具。
  3. 上記不要力吸収手段は、上記形状記憶合金ワイヤが折り返された折り返し部と、
    上記管状挿入具本体の先端部に設けられ、上記形状記憶合金ワイヤの折り返し部が上記管状挿入具本体の長手方向にスライド可能なスライド空間と、
    を有することを特徴とする請求項2に記載の管状挿入具。
  4. 上記不要力吸収手段は、上記挿入部の基端部に上記形状記憶合金ワイヤの後端部と上記形状記憶合金ワイヤに通電するリード線との接続部を上記管状挿入具本体の長手方向にスライド可能なスライド空間を設けて構成されていることを特徴とする請求項2に記載の管状挿入具。
  5. 上記不要力吸収手段は、上記形状記憶合金ワイヤの先端に設けられたカシメ部材と、
    上記管状挿入具本体の先端部に設けられ、上記カシメ部材が上記管状挿入具本体の長手方向にスライド可能なスライド空間と、
    を有することを特徴とする請求項2に記載の管状挿入具。
  6. 上記湾曲部は、上記形状記憶合金ワイヤが上記管状挿入具本体の周方向に沿って複数配置され、
    上記管状挿入具本体は、上記スライド空間内に隣接する上記形状記憶合金ワイヤ間を分離する仕切り壁を有することを特徴とする請求項3〜5のいずれか1に記載の管状挿入具。
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