JP3141157B2 - 結晶変換によるチタニルフタロシアニンの製造方法 - Google Patents
結晶変換によるチタニルフタロシアニンの製造方法Info
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- JP3141157B2 JP3141157B2 JP02014429A JP1442990A JP3141157B2 JP 3141157 B2 JP3141157 B2 JP 3141157B2 JP 02014429 A JP02014429 A JP 02014429A JP 1442990 A JP1442990 A JP 1442990A JP 3141157 B2 JP3141157 B2 JP 3141157B2
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はチタニルフタロシアニンの結晶構造を特定の
有用な形に変換するための方法に関するものである。
有用な形に変換するための方法に関するものである。
〔従来技術〕 電子写真感光体としては、古くからセレン、酸化亜
鉛、硫化カドミウム等の無機光導電性物質を主成分とす
る感光層を設けた無機感光体が広く使用されてきたが、
このような無機感光体は例えば、セレンは熱や指紋の汚
れ等によって結晶化するために特性が劣化しやすく、硫
化カドミウムは耐湿性、耐久性に劣り、酸化亜鉛もまた
耐久性に劣る等の問題があって、近年は種々の利点を有
する有機光導電性物質が広く電子写真感光体に用いられ
るようになってきた。なかでもフタロシアニン化合物は
光電変換の量子効率が高く、また近赤外領域まで高い分
光感度を示すため、特に半導体レーザ光源に対応する電
子写真感光体用として注目されてきた。
鉛、硫化カドミウム等の無機光導電性物質を主成分とす
る感光層を設けた無機感光体が広く使用されてきたが、
このような無機感光体は例えば、セレンは熱や指紋の汚
れ等によって結晶化するために特性が劣化しやすく、硫
化カドミウムは耐湿性、耐久性に劣り、酸化亜鉛もまた
耐久性に劣る等の問題があって、近年は種々の利点を有
する有機光導電性物質が広く電子写真感光体に用いられ
るようになってきた。なかでもフタロシアニン化合物は
光電変換の量子効率が高く、また近赤外領域まで高い分
光感度を示すため、特に半導体レーザ光源に対応する電
子写真感光体用として注目されてきた。
そのような目的に対して、銅フタロシアニン、無金属
フタロシアニン、クロルインジウムフタロシアニン、ク
ロルガリウムフタロシアニンなどを用いた電子写真感光
体が報告されているが、近年特にチタニルフタロシアニ
ンが注目されるようになり、例えば特開昭61−239248
号、同62−670943号、同62−272272号、同63−116158号
のようにチタニルフタロシアニンの種々の結晶型を用い
た電子写真感光体が多く技術公開されている。
フタロシアニン、クロルインジウムフタロシアニン、ク
ロルガリウムフタロシアニンなどを用いた電子写真感光
体が報告されているが、近年特にチタニルフタロシアニ
ンが注目されるようになり、例えば特開昭61−239248
号、同62−670943号、同62−272272号、同63−116158号
のようにチタニルフタロシアニンの種々の結晶型を用い
た電子写真感光体が多く技術公開されている。
一般にフタロシアニン化合物を電子写真感光体に用い
る場合、その結晶状態によって特性は著しく変化するた
め結晶状態の制御が重要な技術となる。このためチタニ
ルフタロシアニンにおいても上述の公開公報に見られる
ように種々の結晶型のものが開発されている。前記のよ
うに電子写真感光体としての特性は結晶型によって著し
く変化し、また製造条件によっても変化するため、電子
写真感光体用のチタニルフタロシアニンとしては高感度
で帯電能に優れた結晶型が必要であると同時にそれが安
定した状態で製造できることが必要である。そのような
状況のなかで、Cu−Kα線に対するX線回折スペクトル
の9.5±0.2゜、24.1±0.2゜、27.2±0.2゜にピークを示
す結晶状態において、特に著しく高い感度が達成される
ことが見いだされた。しかしながらこの特定の結晶状態
は通常の溶媒処理やミリングでは安定した製造をするこ
とができなかった。
る場合、その結晶状態によって特性は著しく変化するた
め結晶状態の制御が重要な技術となる。このためチタニ
ルフタロシアニンにおいても上述の公開公報に見られる
ように種々の結晶型のものが開発されている。前記のよ
うに電子写真感光体としての特性は結晶型によって著し
く変化し、また製造条件によっても変化するため、電子
写真感光体用のチタニルフタロシアニンとしては高感度
で帯電能に優れた結晶型が必要であると同時にそれが安
定した状態で製造できることが必要である。そのような
状況のなかで、Cu−Kα線に対するX線回折スペクトル
の9.5±0.2゜、24.1±0.2゜、27.2±0.2゜にピークを示
す結晶状態において、特に著しく高い感度が達成される
ことが見いだされた。しかしながらこの特定の結晶状態
は通常の溶媒処理やミリングでは安定した製造をするこ
とができなかった。
本発明の目的は、電子写真感光体に有用な、Cu−Kα
線に対するX線回折スペクトルの9.5±0.2゜、24.1±0.
2゜、27.2±0.2゜にピークを示す結晶状態を有するチタ
ニルフタロシアニンの製造法を提供することにある。
線に対するX線回折スペクトルの9.5±0.2゜、24.1±0.
2゜、27.2±0.2゜にピークを示す結晶状態を有するチタ
ニルフタロシアニンの製造法を提供することにある。
本発明の目的とする製造法はオキシチタニルフタロシ
アニンをアモルファス状態もしくはその他の熱的に非平
衡な結晶状態にした後、水の存在下にi)ニトロ基、i
i)シアノ基、iii)エステル基、iv)トリフルオルメチ
ル基のいづれかを有する芳香族有機溶媒で処理すること
によってえられる。
アニンをアモルファス状態もしくはその他の熱的に非平
衡な結晶状態にした後、水の存在下にi)ニトロ基、i
i)シアノ基、iii)エステル基、iv)トリフルオルメチ
ル基のいづれかを有する芳香族有機溶媒で処理すること
によってえられる。
オキシチタニルフタロシアニンは次の一般式で表され
る。
る。
一般式 但し、X1、X2、X3、X4は水素原子、ハロゲン原子、ア
ルキル基、或はアルコキシ基を表し、n、m、l、kは
0〜4の整数を表す。
ルキル基、或はアルコキシ基を表し、n、m、l、kは
0〜4の整数を表す。
X線回折スペクトルは次の条件で測定され、ここでの
ピークは、明瞭にノイズとは異なった鋭角の錐状突起で
ある。
ピークは、明瞭にノイズとは異なった鋭角の錐状突起で
ある。
X線管球 Cu 電 圧 40.0 kV 電 流 100 mA スタート角度 6.0 deg. ストップ角度 35.0 deg. ステップ角度 0.02 deg. 測定時間 0.50 sec. 本発明において、アモルファス状態とは、X線回折ス
ペクトルにおいて全体にピークがブロードであるか若し
くはピークがみられない状態であり、例えばチタニルフ
タロシアニンを硫酸に溶解させた後、水中にあけて析出
させることによって得ることができる。この方法はアシ
ッドペースト処理と呼ばれるが、アシッドペースト処理
によって得られたアモルファスのチタニルフタロシアニ
ンは一般に、X線回折スペクトルの6〜8゜の領域にピ
ークをもつことが多い。
ペクトルにおいて全体にピークがブロードであるか若し
くはピークがみられない状態であり、例えばチタニルフ
タロシアニンを硫酸に溶解させた後、水中にあけて析出
させることによって得ることができる。この方法はアシ
ッドペースト処理と呼ばれるが、アシッドペースト処理
によって得られたアモルファスのチタニルフタロシアニ
ンは一般に、X線回折スペクトルの6〜8゜の領域にピ
ークをもつことが多い。
使用水量は広い範囲に選ぶことができる。水はチタニ
ルフタロシアニンの直ぐ近傍での濃度が重要であり、し
たがってアシッドペースト処理直後のウェットペースト
(通常固形分濃度5〜50%)を用いた場合などは、チタ
ニルフタロシアニンの表面が水で潤されているため溶媒
全体量に対して非常に少量の水で十分となる。
ルフタロシアニンの直ぐ近傍での濃度が重要であり、し
たがってアシッドペースト処理直後のウェットペースト
(通常固形分濃度5〜50%)を用いた場合などは、チタ
ニルフタロシアニンの表面が水で潤されているため溶媒
全体量に対して非常に少量の水で十分となる。
本発明に係るi)ニトロ基、ii)シアノ基、iii)エ
ステル基、iv)トリフルオルメチル基のいづれかを有す
る芳香族有機溶媒でなくて、芳香族炭化水素溶媒を用い
て同様の結晶型に変換する方法がすでに知られている。
しかしながら、芳香族炭化水素溶媒を用いて得た、本発
明と同様の結晶型のチタニルフタロシアニンは、i)ニ
トロ基、ii)シアノ基、iii)エステル基、iv)トリフ
ルオルメチル基のいづれかを有する有機溶媒を用いて得
たものより、電子写真感光体にした時の性能が悪い。こ
れは、i)ニトロ基、ii)シアノ基、iii)エステル
基、iv)トリフルオルメチル基のいづれかを有する有機
溶媒の洗浄効果によって、微量の不純物の残留が少ない
ためと思われる。
ステル基、iv)トリフルオルメチル基のいづれかを有す
る芳香族有機溶媒でなくて、芳香族炭化水素溶媒を用い
て同様の結晶型に変換する方法がすでに知られている。
しかしながら、芳香族炭化水素溶媒を用いて得た、本発
明と同様の結晶型のチタニルフタロシアニンは、i)ニ
トロ基、ii)シアノ基、iii)エステル基、iv)トリフ
ルオルメチル基のいづれかを有する有機溶媒を用いて得
たものより、電子写真感光体にした時の性能が悪い。こ
れは、i)ニトロ基、ii)シアノ基、iii)エステル
基、iv)トリフルオルメチル基のいづれかを有する有機
溶媒の洗浄効果によって、微量の不純物の残留が少ない
ためと思われる。
本発明に係る溶媒としては、例えば、以下のものをあ
げることができる。
げることができる。
i)ニトロ基を有する芳香族有機溶媒としては、ニトロ
ベンゼン、1−フルオル−2−ニトロベンゼン、1−フ
ルオル−3−ニトロベンゼン、1−フルオル−4−ニト
ロベンゼンなどがあげられる。
ベンゼン、1−フルオル−2−ニトロベンゼン、1−フ
ルオル−3−ニトロベンゼン、1−フルオル−4−ニト
ロベンゼンなどがあげられる。
ii)シアノ基を有する芳香族有機溶媒としては、ベンゾ
ニトリル、1−ベンゾシクロブテンカルボニトリル、3
−クロルベンゾニトリル、2−フルオルベンゾニトリ
ル、3−フルオルベンゾニトリル、4−フルオルベンゾ
ニトリルなどがあげられる。
ニトリル、1−ベンゾシクロブテンカルボニトリル、3
−クロルベンゾニトリル、2−フルオルベンゾニトリ
ル、3−フルオルベンゾニトリル、4−フルオルベンゾ
ニトリルなどがあげられる。
iii)エステル基を有する芳香族有機溶媒としては、メ
チルベンゾエート、エチルベンゾエート、プロピルベン
ゾエート、メチル−2−メチルベンゾエート、メチル−
3−メチルベンゾエート、メチル−4−メチルベンゾエ
ート、フェニルアセテートなどがあげられる。
チルベンゾエート、エチルベンゾエート、プロピルベン
ゾエート、メチル−2−メチルベンゾエート、メチル−
3−メチルベンゾエート、メチル−4−メチルベンゾエ
ート、フェニルアセテートなどがあげられる。
iv)トリフルオルメチル基を有する芳香族有機溶媒とし
ては、α,α,α−トリフルオルトルエン、α,α,α
−トリフルオル−m−トルニトリル、2−フルオルベン
ゾトリフルオライド、3−フルオルベンゾトリフルオラ
イド、4−フルオルベンゾトリフルオライドなどがあげ
られる。
ては、α,α,α−トリフルオルトルエン、α,α,α
−トリフルオル−m−トルニトリル、2−フルオルベン
ゾトリフルオライド、3−フルオルベンゾトリフルオラ
イド、4−フルオルベンゾトリフルオライドなどがあげ
られる。
処理の方法としては一般的な撹拌装置で撹拌するもの
であるが、その他にホモミキサー、ディスパーザ、アジ
ター或はボールミル、サンドミル、アトライタ、超音波
分散装置等を用い機械的な力を利用することもできる。
であるが、その他にホモミキサー、ディスパーザ、アジ
ター或はボールミル、サンドミル、アトライタ、超音波
分散装置等を用い機械的な力を利用することもできる。
このようにして得られたチタニルフタロシアニンは電
子写真感光体のキャリア発生物質として用いた時に特に
優れた特性を発揮する。そのような用途においては、ま
ず、チタニルフタロシアニンを適当な溶媒中にサンドミ
ル、ボールミル等を用いて分散し、導電性の支持体上に
塗布してキャリア発生層を形成し、その上にキャリア輸
送物質をバインダとともに溶媒に溶解した液を塗布して
キャリア輸送層を形成して電子写真感光体を作ることが
できる。
子写真感光体のキャリア発生物質として用いた時に特に
優れた特性を発揮する。そのような用途においては、ま
ず、チタニルフタロシアニンを適当な溶媒中にサンドミ
ル、ボールミル等を用いて分散し、導電性の支持体上に
塗布してキャリア発生層を形成し、その上にキャリア輸
送物質をバインダとともに溶媒に溶解した液を塗布して
キャリア輸送層を形成して電子写真感光体を作ることが
できる。
次に本発明における具体的な実施例をしめす。
(オキシチタニルフタロシアニンの合成) 1,3−ジイミノイソインドリン;29.2gとα−クロルナ
フタレン;200mlを混合し、チタニウムテトラブトキシ
ド;20.4gを加えて、窒素雰囲気下に140〜150℃で2時間
加熱し、続いて180℃で3時間反応させた。放冷した後
析出物を濾取し、α−クロルナフタレンで洗浄、次いで
クロロホルムで洗浄し、さらに2%塩酸水溶液で洗浄、
水洗、最後にメタノール洗浄して、乾燥の後26.2g(91.
0%)のオキシチタニルフタロシアニンを得た。
フタレン;200mlを混合し、チタニウムテトラブトキシ
ド;20.4gを加えて、窒素雰囲気下に140〜150℃で2時間
加熱し、続いて180℃で3時間反応させた。放冷した後
析出物を濾取し、α−クロルナフタレンで洗浄、次いで
クロロホルムで洗浄し、さらに2%塩酸水溶液で洗浄、
水洗、最後にメタノール洗浄して、乾燥の後26.2g(91.
0%)のオキシチタニルフタロシアニンを得た。
(実施例1) オキシチタニルフタロシアニン;100gを2kgの濃硫酸に
溶解し、20の水にあけて析出させて濾取し、アモルフ
ァス状態のウェットペーストを得た。
溶解し、20の水にあけて析出させて濾取し、アモルフ
ァス状態のウェットペーストを得た。
またこのウェットペーストの一部を乾燥させてアモル
ファス状態の乾燥粉を得た。乾燥粉のX線回折スペクト
ルを第1図に示す。
ファス状態の乾燥粉を得た。乾燥粉のX線回折スペクト
ルを第1図に示す。
アモルファス状態のウェットペースト(固形分濃度10
%);100gにニトロベンゼン;200mlを加え室温において
2時間撹拌した。その後メタノール;400mlで希釈して濾
過しメタノールで洗浄して乾燥し、第2図のX線回折パ
ターンをもつ結晶を得た。
%);100gにニトロベンゼン;200mlを加え室温において
2時間撹拌した。その後メタノール;400mlで希釈して濾
過しメタノールで洗浄して乾燥し、第2図のX線回折パ
ターンをもつ結晶を得た。
(実施例2) 実施例1で用いたアモルファス状態のウェットペース
ト;20gに1−フルオル−2−ニトロベンゼン;200mlを加
え、氷冷下に1時間の撹拌を行った。メタノールで希釈
して濾過し、メタノール洗浄後乾燥して第3図のX線回
折パターンをもつ結晶を得た。
ト;20gに1−フルオル−2−ニトロベンゼン;200mlを加
え、氷冷下に1時間の撹拌を行った。メタノールで希釈
して濾過し、メタノール洗浄後乾燥して第3図のX線回
折パターンをもつ結晶を得た。
(実施例3) 実施例1で得たアモルファス状態の乾燥粉1gに1−フ
ルオル−4−ニトロベンゼン;100mlを加え、撹拌下に
水;100mlを滴下した後50℃で3時間撹拌した。放冷の後
メタノール;400mlで希釈して濾過しメタノール洗浄して
乾燥し、第4図のX線回折パターンをもつ結晶を得た。
ルオル−4−ニトロベンゼン;100mlを加え、撹拌下に
水;100mlを滴下した後50℃で3時間撹拌した。放冷の後
メタノール;400mlで希釈して濾過しメタノール洗浄して
乾燥し、第4図のX線回折パターンをもつ結晶を得た。
(応用例1) 実施例1で得た第2図のチタニルフタロシアニン;2g
とシリコーン樹脂「KR−5240,15%キシレン−ブタノー
ル溶液」(信越化学社製)の30gをイソプロパノール;10
0ml中にサンドミルを用いて分散し、これをアルミニウ
ムを蒸着したポリエステルベース上にワイヤバーで塗布
して厚さ0.3μmのキャリア発生層を形成した。次い
で、その上にキャリア輸送物質としてN,N−ジエチルア
ミノ−p−ベンズアルデヒドジフェニルヒドラゾン;1.2
gとポリカーボネート樹脂「ユーピロンZ−200」(三菱
瓦斯化学社製);1.5kgとを1,2−ジクロルエタン;10mlに
溶かした液をブレード塗布機で塗布して厚さ20μmのキ
ャリア輸送層を形成して、電子写真感光体とした。
とシリコーン樹脂「KR−5240,15%キシレン−ブタノー
ル溶液」(信越化学社製)の30gをイソプロパノール;10
0ml中にサンドミルを用いて分散し、これをアルミニウ
ムを蒸着したポリエステルベース上にワイヤバーで塗布
して厚さ0.3μmのキャリア発生層を形成した。次い
で、その上にキャリア輸送物質としてN,N−ジエチルア
ミノ−p−ベンズアルデヒドジフェニルヒドラゾン;1.2
gとポリカーボネート樹脂「ユーピロンZ−200」(三菱
瓦斯化学社製);1.5kgとを1,2−ジクロルエタン;10mlに
溶かした液をブレード塗布機で塗布して厚さ20μmのキ
ャリア輸送層を形成して、電子写真感光体とした。
このようにして得られた感光体は、ペーパアナライザ
EPA−8100(川口電気社製)を用いて次のような評価を
行った。すなわち、表面に負のコロナ帯電を行って約12
00Vとし、5秒間の電位減衰率Dを求め、続いて表面照
度が2(lux)となるような露光を行って、表面電位を
露光開始時の1/2値まで低下させるのに必要な露光量E
1/2を求めた。その結果、D=21%であり、E1/2=0.7
(lux・sec)であって、帯電能、感度ともに優れた特性
を示した。
EPA−8100(川口電気社製)を用いて次のような評価を
行った。すなわち、表面に負のコロナ帯電を行って約12
00Vとし、5秒間の電位減衰率Dを求め、続いて表面照
度が2(lux)となるような露光を行って、表面電位を
露光開始時の1/2値まで低下させるのに必要な露光量E
1/2を求めた。その結果、D=21%であり、E1/2=0.7
(lux・sec)であって、帯電能、感度ともに優れた特性
を示した。
(実施例4) 乾燥粉のX線回折スペクトルが第1図で示される実施
例1のアモルファス状態のウェットペースト(固形分濃
度10%);100gにベンゾニトリル;200mlを加え室温にお
いて2時間撹拌した。その後メタノール;400mlで希釈し
て濾過しメタノールで洗浄して乾燥し、第5図のX線回
折パターンをもつ結晶を得た。
例1のアモルファス状態のウェットペースト(固形分濃
度10%);100gにベンゾニトリル;200mlを加え室温にお
いて2時間撹拌した。その後メタノール;400mlで希釈し
て濾過しメタノールで洗浄して乾燥し、第5図のX線回
折パターンをもつ結晶を得た。
(実施例5) 実施例4で用いたアモルファス状態のウェットペース
ト;20gに2−フルオルベンゾニトリル;200mlを加え、氷
冷下に1時間の撹拌を行った。メタノールで希釈して濾
過し、メタノール洗浄後乾燥して第6図のX線回折パタ
ーンをもつ結晶を得た。
ト;20gに2−フルオルベンゾニトリル;200mlを加え、氷
冷下に1時間の撹拌を行った。メタノールで希釈して濾
過し、メタノール洗浄後乾燥して第6図のX線回折パタ
ーンをもつ結晶を得た。
(実施例6) 実施例1で得たアモルファス状態の乾燥粉1gに3−ク
ロルベンゾニトリル;100mlを加え、撹拌下に水;100mlを
滴下した後50℃で3時間撹拌した。放冷の後メタノー
ル;400mlで希釈して濾過しメタノール洗浄して乾燥し、
第7図のX線回折パターンをもつ結晶を得た。
ロルベンゾニトリル;100mlを加え、撹拌下に水;100mlを
滴下した後50℃で3時間撹拌した。放冷の後メタノー
ル;400mlで希釈して濾過しメタノール洗浄して乾燥し、
第7図のX線回折パターンをもつ結晶を得た。
(応用例2) 実施例4で得た第6図のチタニルフタロシアニン;2g
を用い応用例1と全く同条件で電子写真感光体を作成し
た。
を用い応用例1と全く同条件で電子写真感光体を作成し
た。
このようにして得られた感光体に応用例1と同様の測
定を行った結果、D=21%であり、E1/2=0.7(lux・s
ec)であって、帯電能、感度ともに優れた特性を示し
た。
定を行った結果、D=21%であり、E1/2=0.7(lux・s
ec)であって、帯電能、感度ともに優れた特性を示し
た。
(実施例7) 乾燥粉のX線回折スペクトルが第1図で示される実施
例1のアモルファス状態のウェットペースト(固形分濃
度10%);100gにメチルベンゾエート;200mlを加え室温
において2時間撹拌した。その後メタノール;400mlで希
釈して濾過しメタノールで洗浄して乾燥し、第8図のX
線回折パターンをもつ結晶を得た。
例1のアモルファス状態のウェットペースト(固形分濃
度10%);100gにメチルベンゾエート;200mlを加え室温
において2時間撹拌した。その後メタノール;400mlで希
釈して濾過しメタノールで洗浄して乾燥し、第8図のX
線回折パターンをもつ結晶を得た。
(実施例8) 実施例7で用いたアモルファス状態のウェットペース
ト;20gにメチル−2−メチルベンゾエート;200mlを加
え、氷冷下に1時間の撹拌を行った。メタノールで希釈
して濾過し、メタノール洗浄後乾燥して第9図のX線回
折パターンをもつ結晶を得た。
ト;20gにメチル−2−メチルベンゾエート;200mlを加
え、氷冷下に1時間の撹拌を行った。メタノールで希釈
して濾過し、メタノール洗浄後乾燥して第9図のX線回
折パターンをもつ結晶を得た。
(実施例9) 実施例1で得たアモルファス状態の乾燥粉1gにフェニ
ルアセテート;100mlを加え、撹拌下に水;100mlを滴下し
た後50℃で3時間撹拌した。放冷の後メタノール;400ml
で希釈して濾過しメタノール洗浄して乾燥し、第10図の
X線回折パターンをもつ結晶を得た。
ルアセテート;100mlを加え、撹拌下に水;100mlを滴下し
た後50℃で3時間撹拌した。放冷の後メタノール;400ml
で希釈して濾過しメタノール洗浄して乾燥し、第10図の
X線回折パターンをもつ結晶を得た。
(応用例3) 実施例7で得た第8図のチタニルフタロシアニン;2g
を用い応用例1と全く同条件で電子写真感光体を作成し
た。
を用い応用例1と全く同条件で電子写真感光体を作成し
た。
このようにして得られた感光体に、応用例1と同様の
測定を行った結果、D=21%であり、E1/2=0.7(lux
・sec)であって、帯電能、感度ともに優れた特性を示
した。
測定を行った結果、D=21%であり、E1/2=0.7(lux
・sec)であって、帯電能、感度ともに優れた特性を示
した。
(実施例10) 乾燥粉のX線回折スペクトルが第1図で示される実施
例1のアモルファス状態のウェットペースト(固形分濃
度10%);100gにα,α,α−トリフルオルトルエン;20
0mlを加え室温において2時間撹拌した。その後メタノ
ール;400mlで希釈して濾過しメタノールで洗浄して乾燥
し、第11図のX線回折パターンをもつ結晶を得た。
例1のアモルファス状態のウェットペースト(固形分濃
度10%);100gにα,α,α−トリフルオルトルエン;20
0mlを加え室温において2時間撹拌した。その後メタノ
ール;400mlで希釈して濾過しメタノールで洗浄して乾燥
し、第11図のX線回折パターンをもつ結晶を得た。
(実施例11) 実施例10で用いたアモルファス状態のウェットペース
ト;20gに4−フルオルベンゾトリフルオライド;200mlを
加え、氷冷下に1時間の撹拌を行った。メタノールで希
釈して濾過し、メタノール洗浄後乾燥して第12図のX線
回折パターンをもつ結晶を得た。
ト;20gに4−フルオルベンゾトリフルオライド;200mlを
加え、氷冷下に1時間の撹拌を行った。メタノールで希
釈して濾過し、メタノール洗浄後乾燥して第12図のX線
回折パターンをもつ結晶を得た。
(実施例12) 実施例1で得たアモルファス状態の乾燥粉1gに2−フ
ルオルベンゾトリフルオライド;100mlを加え、撹拌下に
水;100mlを滴下した後50℃で3時間撹拌した。放冷の後
メタノール;400mlで希釈して濾過しメタノール洗浄して
乾燥し、第13図のX線回折パターンをもつ結晶を得た。
ルオルベンゾトリフルオライド;100mlを加え、撹拌下に
水;100mlを滴下した後50℃で3時間撹拌した。放冷の後
メタノール;400mlで希釈して濾過しメタノール洗浄して
乾燥し、第13図のX線回折パターンをもつ結晶を得た。
(応用例4) 実施例10で得た第11図のチタニルフタロシアニン;2g
を用いて応用例1と全く同条件で電子写真感光体を作成
した。
を用いて応用例1と全く同条件で電子写真感光体を作成
した。
このようにして得られた感光体に、応用例1と同様の
測定を行った結果、D=21%であり、E1/2=0.7(lux
・sec)であって、帯電能、感度ともに優れた特性を示
した。
測定を行った結果、D=21%であり、E1/2=0.7(lux
・sec)であって、帯電能、感度ともに優れた特性を示
した。
(比較例) 実施例1で用いたニトロベンゼンを、フルオルベンゼ
ンにかえた他は、同様に処理を行い、第14図のX線回折
パターンをもつ結晶を得た。
ンにかえた他は、同様に処理を行い、第14図のX線回折
パターンをもつ結晶を得た。
(比較応用例) 応用例で用いた実施例1で得た第2図のチタニルフタ
ロシアニンを、比較例で得た第14図のチタニルフタロシ
アニンにかえた他は、応用例1と同様にして感光体を作
成した。
ロシアニンを、比較例で得た第14図のチタニルフタロシ
アニンにかえた他は、応用例1と同様にして感光体を作
成した。
同様に評価した結果、D=21%、E1/2=1.0(lux−s
ec)であった。
ec)であった。
第1図はアモルファス状態のチタニルフタロシアニンの
X線回折図、第2図〜第13図は本発明に係るチタニルフ
タロシアニンのX線回折図である。第14図は比較試料の
X線回折図である。
X線回折図、第2図〜第13図は本発明に係るチタニルフ
タロシアニンのX線回折図である。第14図は比較試料の
X線回折図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−185075(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07D 487/22 C07F 7/28 CAPLUS(STN) REGISTRY(STN)
Claims (4)
- 【請求項1】水の存在下に、アモルファスのオキシチタ
ニルフタロシアニンをニトロ基を有する芳香族有機溶媒
で処理することにより、Cu−Kα線に対するX線回折ス
ペクトルの9.5±0.2゜、24.1±0.2゜、27.2±0.2゜にピ
ークを示す結晶状態に変換することを特徴とするチタニ
ルフタロシアニンの製造方法。 - 【請求項2】水の存在下に、アモルファスのオキシチタ
ニルフタロシアニンをシアノ基を有する芳香族有機溶媒
で処理することにより、Cu−Kα線に対するX線回折ス
ペクトルの9.5±0.2゜、24.1±0.2゜、27.2±0.2゜にピ
ークを示す結晶状態に変換することを特徴とするチタニ
ルフタロシアニンの製造方法。 - 【請求項3】水の存在下に、アモルファスのオキシチタ
ニルフタロシアニンをエステル基を有する芳香族有機溶
媒で処理することにより、Cu−Kα線に対するX線回折
スペクトルの9.5±0.2゜、24.1±0.2゜、27.2±0.2゜に
ピークを示す結晶状態に変換することを特徴とするチタ
ニルフタロシアニンの製造方法。 - 【請求項4】水の存在下に、アモルファスのオキシチタ
ニルフタロシアニンをトリフルオロメチル基を有する芳
香族有機溶媒で処理することにより、Cu−Kα線に対す
るX線回折スペクトルの9.5±0.2゜、24.1±0.2゜、27.
2±0.2゜にピークを示す結晶状態に変換することを特徴
とするチタニルフタロシアニンの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP02014429A JP3141157B2 (ja) | 1990-01-24 | 1990-01-24 | 結晶変換によるチタニルフタロシアニンの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP02014429A JP3141157B2 (ja) | 1990-01-24 | 1990-01-24 | 結晶変換によるチタニルフタロシアニンの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH03220193A JPH03220193A (ja) | 1991-09-27 |
JP3141157B2 true JP3141157B2 (ja) | 2001-03-05 |
Family
ID=11860781
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP02014429A Expired - Fee Related JP3141157B2 (ja) | 1990-01-24 | 1990-01-24 | 結晶変換によるチタニルフタロシアニンの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3141157B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH07103322B2 (ja) * | 1990-03-20 | 1995-11-08 | 富士ゼロックス株式会社 | チタニルフタロシアニン結晶の製造方法 |
DE69928896T2 (de) * | 1998-10-28 | 2006-08-24 | Sharp K.K. | Elektrophotographischer Photorezeptor, der kristallines Oxotitanylphthalocyanin enthält |
WO2007108488A1 (ja) | 2006-03-20 | 2007-09-27 | Mitsubishi Chemical Corporation | フタロシアニン結晶、並びにそれを用いた電子写真感光体、電子写真感光体カートリッジ、及び画像形成装置 |
-
1990
- 1990-01-24 JP JP02014429A patent/JP3141157B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH03220193A (ja) | 1991-09-27 |
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