JP3140597U - 直動軸受装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】通常の金属板を折り曲げ加工し、レール体底部3Bと、途中にV字形部を有するレール体左側部3Lおよびレール体右側部3Rとから成るレール体3を構成する。V字形部同士の間の空間にベアリング2A等を摺動嵌合する。ベアリングの外輪体の外周面は、前記V字形部に嵌まり合う形状とし、レール体3とは線接触させる。線接触なので力が分散され、表面に生ずる凸凹変形量は小さい。
【選択図】図1
Description
図7の(1)は摺動基体40を示し、(2)はレール体60を示している。この例の直動軸受装置は、摺動基体40とレール体60とで構成されている。
図8は、従来の直動軸受装置の摺動基体40の断面を示す図であり、内側の各斜面にそれぞれボール転動体48,49,50,51が設けられている様子を示している。
レール体上部61は、平坦な上面64の両側に断面を凹状に成形したボール転走溝65,66を有し、そこより垂直に下りる側面67,68の下方に、やはり断面を凹状に成形したボール転走溝69,70を有する形状とされている。ボール転走溝65,66は、図8に示したボール転動体50,51を転走させるための溝であり、ボール転走溝69,70は、ボール転動体48,49を転走させるための溝である。
図9は、上記のように摺動嵌合させた時のボール転動体の接触状況を示す図である。符号は図7のものに対応し、40T,69Tは接触点である。ボール転動体48は、ボール転走溝69の壁面と1つの接触点69Tで接触し、循環路40Rの壁面と1つの接触点40Tで接触している。即ち、荷重は双方とも1点接触で支えられている。
第1の問題点は、製造コストが高いという点である。
第2の問題点は、作動時に生ずる音が大きいという点である。
まず第1の問題点について説明する。
摺動基体40の内側に装備されているボール転動体は、レール体60のボール転走溝の表面とは点接触で接触している。従って、摺動基体40自体の重量および摺動基体40に固着されている第1の部材の重量は、レール体60のボール転走溝の表面に点状に集中してかかることになる。
そのため、摺動基体40並びにレール体60の材料としては、表面にそのような荷重がかかっても、出来るだけ凹んだりしないような硬度大の材質のものであることが望ましい。もし硬度が小で大きく凹んだりするような材料であれば、たちまちのうちに滑らかに摺動することが出来なくなってしまうからである。
そのため、前記したような直動軸受装置は、製造コストが高いものとなっていた。
摺動基体40とレール体60との摺動は、前記したように摺動基体40のボール転動体が、レール体60のボール転走溝の表面と点接触しながら行われる。点接触しているため、一個のボール転動体が負っている荷重の全てが、点状の小さな面積に集中してかかることになる。そのため、ボール転走溝の表面には、小さな凹状変形箇所が多数生じて来て、結局、表面が凸凹状になってしまう。
また、ボール転動体の循環路40Rが楕円形状の複雑な循環路になっている為、ボール転動体同士が直接ぶつかり合い易く、ぶつかる時に衝撃音が発生したり、ゴロ付き音が発生したりすることになる。
本考案は、以上のような問題点を解決することを課題とするものである。
また、それらの直動軸受装置において、直動板取付部の外表面に、直動板の取付穴壁面への食い込み作用を奏せしめるためのセレーションキーを施してもよい。
レール体の左右の側部に断面V字形の部分を設けると共に、ベアリング外周面の断面を前記V字形部分に嵌まり合うV字形とし、両者の接触を線接触としたので、点接触の場合に比べて接触部分への荷重が分散される。従って、レール体の材料としては硬度小の安価な通常鉄板を用いることが出来る。その上、本考案の如き構造のレール体は安価な折曲加工で出来るし、研磨工程も不用なので、加工費も従来と比べて格段に安くなる。
レール体とベアリングとの接触が線接触でなされ、点接触に比べて荷重が分散されるので、接触部分に生ずる凸凹は点接触の場合に比べて小となる。そのため、摺動させる際の作動音が小さくなる。
また、内輪体および外輪体のボール転走溝の断面を、それぞれゴシックアーク形状とした場合、ボール転動体は各転走面とは2点づつで接触し、全体としては4点接触ゴシックアーク溝形状を形成することとなる。このようになると、従来の1点接触もの(図9参照)に比べて接触点にかかる荷重は分散されるので、上記と同様の理由により作動音は更に小となる。
更に、ベアリングとして、リテーナによりボール転動体が互いに分離配置されているタイプのベアリングを用いることにすれば、ボール転動体同士がぶつかり合う衝撃音が発生することはなく、作動音はいよいよ小となる。
(3)耐久性が向上する。
レール体とベアリングとの接触が線接触でなされ、接触部分への荷重が分散されることにより、接触面の傷みが少なく、直動軸受装置の耐久性が向上する。また、各ボール転走溝の断面をゴシックアーク形状とし、全体として4点接触ゴシックアーク溝形状とすれば、ボール転動体との接触点の荷重が分散されるので、転走面の傷みが少なく、やはりこれも耐久性の向上に資する。
図1は、本考案にかかわる直動軸受装置の斜視図である。図1において、1は直動軸受装置、2A,2B,2Cはベアリング、3はレール体、3Bはレール体底部、3Lはレール体左側部、3Rはレール体右側部、4は直動板、14は直動板取付部である。
本考案の直動軸受装置1は、レール体3とそれに摺動嵌合された複数個のベアリング(図1では2A,2B,2Cの3個のみを示している)とで構成される。ベアリング2A,2B,2Cは上部に直動板取付部14を具えており、これに直動板4が取付けられる。直動板4に第1の部材(図示せず)を固着し、レール体3を第2の部材(図示せず)に固着しておくと、該第1の部材を第2の部材に対して直線的に滑らかに移動させることが可能となる。
レール体3は、平坦な長方形のレール体底部3Bと、その短手方向両側よりそれぞれ同じ垂直方向(図では上方)に向かって延設されたレール体左側部3Lおよびレール体右側部3Rとから成っている。レール体左側部3Lおよびレール体右側部3Rは、一部に断面V字形部分(くの字形部分と言ってもよいが)を有するよう左右対称の形状に作られる。レール体V字部内表面3Nは、断面V字形部分の表面のうち、レール体3の内側方向へ向いている表面を意味している。
このようなレール体3は、金属の板材を折曲加工またはローリング加工することにより作ることが出来るが、折曲加工やローリング加工は容易に出来、加工費は安いので、安価なコストで容易に製造することが出来る。
図4(1)はベアリング2を一部断面を用いて示した図であり、(2)はボール転動体10の周囲を拡大して示した図であり、(3)はベアリングのボール転動体部分を上から見下ろした図(図4(1)のX−X断面を示す図)である。
一方、外輪体8はドーナツ状にされており、その内周面には外輪体ボール転走溝9が施されている。また、外輪体外周面8Sの断面形状は、図2で示したレール体3のレール体V字部内表面3Nに嵌まり合い、線的に接触するようなV字形とされている。
リテーナ11は、ボール転動体10を保持すると共に、図4(3)に示す如くボール転動体10同士がぶつかり合わないよう、互いに分離するためのものである。なお、ここではリテーナ11がこのような役割を果すようにされたベアリングを示したが、これは作動音を出来るだけ少なくしようとした為である。
内輪体ボール転走溝7および外輪体ボール転走溝9の表面の断面形状は、図9に示したような1つの円弧の形状にすることも考えられるが、図4(2)に示す内輪体ボール転走溝7および外輪体ボール転走溝9のように、それぞれの溝をいわゆるゴシックアーク(Gothic Arc)の形状に形成し、全体として4点接触ゴシックアーク溝形状とするのが望ましい。これは、2つの円弧が組み合わされ、全体としては尖った頂点を有する弧となるような形状であり、ゴシック建築等によく見られる形状である。
なお図5では、ベアリング2はレール体左側部3Lの方に接触するよう(レール体右側部3Rには接触しないよう)描いてあるが、これは、ベアリング2がレール体3に沿って摺動する際には、外輪体8がレール体左側部3Lまたはレール体右側部3Rの何れか一方と接触しつつ回転するからである(両方に接触していたのでは回転出来ない。)。
このような配置関係は、ベアリング2A,2B,2Cを直動板4に取り付ける際に決定される。なお、図3では直動板4に3個のベアリングを取付けたものを示しているが、ベアリングの個数は3個に限られるわけではなく、更に多く取り付けるようにしてもよいことは勿論である。
Claims (4)
- 金属板を折り曲げ加工することにより、長方形のレール体底部と、該レール体底部の短手方向両側より同じ垂直方向へ延設され、途中に断面V字形部分を有し且つ互いに左右対称形状となるようされたレール体左側部およびレール体右側部とが形成されて成るレール体と、
外周面の断面形状が前記レール体のV字形部分に嵌まり合うV字形とされ、内周面に外輪体ボール転走溝が施されたドーナツ型の外輪体と、
外周面に内輪体ボール転走溝が施された円柱状の内輪体と、
該内輪体と前記外輪体との間に介在せしめられたボール転動体と、
前記内輪体に一体に形成された直動板取付基部および直動板取付部と
を具えたベアリングと
で構成され、
該ベアリングの外輪体が前記レール体の断面V字形部分同士の間の空間に嵌まるよう挿入されて成ることを特徴とする直動軸受装置。
- 内輪体ボール転走溝および外輪体ボール転走溝の断面形状を、ゴシックアーク形状としたことを特徴とする請求項1記載の直動軸受装置。
- ベアリングとして、リテーナにより互いに分離配置されたボール転動体を有するタイプのベアリングを用いたことを特徴とする請求項1または2記載の直動軸受装置。
- 直動板取付部の外表面に、直動板の取付穴壁面への食い込み作用を奏せしめるためのセレーションキーを施したことを特徴とする請求項1,2または3記載の直動軸受装置。
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JP2009250078A (ja) * | 2008-04-03 | 2009-10-29 | Ozak Seiko Co Ltd | 燃料噴射ポンプ装置 |
CN107906192A (zh) * | 2017-12-18 | 2018-04-13 | 泰尔重工股份有限公司 | 一种传动轴润滑装置 |
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