JP3137477B2 - クリームはんだ用フラックス - Google Patents
クリームはんだ用フラックスInfo
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Description
電子部品の表面実装に用いられる「クリームはんだ(ソ
ルダーペースト)」に関し、より詳しくは、無洗浄可能
にするクリームはんだ用フラックスに関する。
ックスとを混ぜ合わせて(混練して)クリーム状にした
ものであり、各種のものがある(例えば、影山信夫:
「SMTおけるクリームはんだの現況と利用法」、電子
技術、1988年12月別冊、pp. 47−53、大野隆
生:「ファイン化対応のソルダーペーストと現状」、電
子技術、1988年12月別冊、pp. 33−38参
照)。はんだの合金には、Sn/Pb、Sn/Pb/A
g、Sn/Pb/BiなどのSn基合金、In/Pbな
どのIn基合金、Pb/AgなどのPb基合金があり、
ガス噴霧法ないし遠心噴霧法によって粉末化される。フ
ラックスは、母材表面の酸化膜を除去するロジン(松
脂)、はんだ粉末とフラックスとの分離を抑制する粘性
剤、はんだ付け性を促進する活性剤、印刷性に関与する
溶剤などで構成されている。クリームはんだを使用する
際には、スクリーン印刷やディスペンサーによって基板
上に塗布するので、クリーム状態での流動特性、特に、
粘性を適切に調節維持して、適切な塗布性を有するよう
にしている。
はんだ付け時に、はんだ粉末および被接合金属表面の酸
化物を除去し、再酸化を防止する必要があり、従来より
ロジンと活性剤とからなるフラックスが使用されてい
る。そして、この活性剤は、クリームはんだの印刷性、
はんだ付け性、はんだ付け後の絶縁性に影響を与えるも
のであり、これらの特性を改善すること考慮して各種の
活性剤およびそれを含んだフラックスないしクリームは
んだが提案されている。例えば、特開昭63-278695 号公
報においては、ジフェニル酢酸またはトリフェニル酢酸
の活性剤によってはんだ付け性および有機溶剤での洗浄
性を向上させ、トリエタノールアミンやモノエチルアミ
ン臭化水素塩などのアミン系活性剤の併用でさらにはん
だ付け性および洗浄性を向上させている。特開平1-1548
97号公報では、フラックスにカルボン酸とアミンから誘
導される塩を添加して、得られるクリームはんだを腐食
性がなく、粘着持続時間が長く、経時変化が起こりにく
く、はんだボールの発生が極めて少ないものとしてい
る。
ス残渣が水分を吸収すると、絶縁性の低下、腐食を招く
ことがあるので、有機溶剤などの洗浄(例えば、クロロ
セン洗浄)によって除去している。
洗浄は、従来多用されてきたフロン洗浄を行うと、オゾ
ン層の破壊問題があり、また、その代用として実用化さ
れつつある水洗浄を行う場合でも、洗浄液の廃棄に際し
て環境への悪影響が懸念される。そこで、洗浄しなくて
も良いフラックスの開発が進められている。この場合
に、多くは、はんだ付け雰囲気を大気から遮断して窒素
(N2)保護雰囲気にすることを伴っている。雰囲気制御
が完全であれば、少量の低い活性のフラックスによって
はんだ付けを行うことは可能であるが、そのための設
備、はんだ付時間などでコスト面に大きな問題を招く。
するフラックスの腐食性を向上させたクリームはんだ用
フラックスが、特開平3-221295号公報にて提案されてい
る。この場合に、洗浄が省略できるというものの、フラ
ックスの強すぎる活性力により、はんだ粉末等の酸化被
膜を除去する上では良いが、粉末とフラックスとの化学
反応が常温でも発生してしまい、フラックスが短期に劣
化してしまう。その結果、クリームはんだの保存性等の
劣化を招いてしまう。
浄にすると、はんだ付け後にフラックス残渣が残ること
になるが、この残渣により回路基板やはんだ付け部に腐
食が発生したり、残渣の付着状況によっては絶縁性が劣
化したり、残渣にヒビ・割れ等が発生することで他の品
質問題を起こしたりすることがあった。本発明の目的
は、印刷性およびはんだ付け性を確保しつつ、はんだ付
け後の洗浄を行わなずにフラックス残渣が付着した状態
でも腐食および絶縁性低下を招くことがなく、電子機器
の長期使用時の信頼性を高めるクリームはんだ用フラッ
クスを提供することである。
よび活性剤を含むクリームはんだ用フラックスにおい
て、前記活性剤が前記フラックス全体に対する割合で、 ジフェニル酢酸とジエチルアミンの塩: 2.0〜2
0.0wt% セバシン酸: 1.0〜1
5.0wt%および ジフェニル酢酸: 2.0〜2
0.0wt% からなることを特徴とするクリームはんだ用フラックス
によって達成される。
のフタル酸および/または12.0wt%以下の安息香酸
を添加することが好ましい。
めに、活性剤がはんだ付け温度領域範囲で活性力を示す
こと、(2)はんだ付け後の絶縁性を確保するために、
水への溶解度が1.0%以下の活性剤がはんだ付け時に
蒸発して残渣として残らないこと、(3)塗布前の保存
時、印刷塗布時に活性剤がはんだ粉末と反応して経時変
化を起こさないこと、および(4)印刷性を良好に維持
することの条件を満たす活性剤を組合せ選定している。
成分の物性値およびその他の活性剤に用いられている化
合物の物性値は表1に示すようなものである。
度領域は図1に示すようなものである。このように、一
次フラックスとしてのロジンのフラックス作用を増強す
る活性剤は、はんだ付け温度範囲では活性であり、一
方、少なくとも50℃までは不活性である。本発明にお
ける活性剤組成成分の限定理由は次の通りである。
温度範囲ではんだ付け温度全域にわたって活性力を示す
が、1.0wt%未満でははんだ付け性が悪くなり、一
方、20wt%を越えると、はんだ粉末と反応し経時変化
を招き、印刷性が低下する。ジフェニル酢酸もカルボキ
シル基を有し、2.0wt%未満でははんだ付け性が悪く
なり、一方、20wt%を越えると、はんだ付け後の残渣
フラックスの絶縁性が悪くなる。
はんだ付け温度で分解してOH基を有する水に可溶なア
ミンになり、2.0wt%未満でははんだ付け性が悪くな
り、一方、20wt%を越えると、はんだ付け後の残渣フ
ラックスの絶縁性が悪くなる。フタル酸および安息香酸
は共にカルボキシル基を有し、はんだ付け性および印刷
性を向上させる働きがある。しかし、フタル酸が8wt%
を越え、また安息香酸が12wt%を越えると、印刷性が
低下する。これらを同時に添加すると、はんだ付け性お
よび印刷性をより一層高めることができる。
って本発明を詳細に説明する。先ず、クリームはんだの
原料として下記のものを用意した。 はんだ粉末: Sn63−Pb37の共晶はんだ合金 ロジン: 重合ロジン 溶剤: エタノール系溶剤 粘性剤: 硬化ひまし油、ひまし油 活性剤: ジフェニル酢酸とジエチルアミンの塩 セバシン酸 ジフェニル酢酸 フタル酸 安息香酸 そして、表2に示す組成比のフラックス試料Nos.1〜1
5として、それぞれのフラックス(10wt%)とはんだ
粉末(90wt%)とを充分に混練して、クリームはんだ
を得た。試料Nos.1〜4、11、13および15が本発
明に係るフラックスであり、試料Nos.5〜10、12お
よび14が比較例のフラックスである。
付け性および絶縁性について調べ、その結果を表2に示
す。
基板に転写する際の作業性、欠陥発生の低さなどを総称
であり、特に、ローリング性とダレ性が良好であれば
「○」とした。「×」というのは、印刷時にはんだクリ
ームが回転せず、転写できない場合(ローリング性不
良)、あるいは、印刷後にはんだ形状がくずれて隣接す
るランドとつながる場合(ダレ不良)である。
基板の金属表面を清浄にして、はんだ粉末どうしが溶融
合体し、金属表面と良くぬれてはんだ付けされることで
あり、特に、銅(Cu)系金属層(被接合基板)に溶け
たはんだを載せたときのぬれ角度(接触角)で、90°
より小さい場合を「○」とした。「×」はぬれ角度が9
0°以上の場合である。
渣の絶縁であり、JISC3197で規定されるくし歯
電極基板上にはんだ付けを行い、その後に絶縁性(電気
抵抗)を測定し、低下がない場合か、少ししか低下しな
い場合を「○」とした。絶縁性が著しく低下する場合を
「×」とした。この絶縁性が低下しないで良好な場合
に、フラックス残渣の洗浄を敢えて必要としないで、は
んだ付けを完了することができ、無洗浄化が図れる。
バシン酸の規定量よりも多いと、印刷性が低下する。は
んだ付け性が試料6(ジフェニル酢酸とジエチルアミン
の塩が規定量より少ない)、試料7(セバシン酸が規定
量より少ない)および試料7(ジフェニル酢酸が規定量
より少ない)において低下する。そして、絶縁性が試料
9(ジフェニル酢酸とジエチルアミンの塩が規定量より
多い)および試料10(ジフェニル酢酸が規定量より多
い)において低下する。
12のように印刷性が少し低下し、安息香酸を多くして
も、試料14のように印刷性が同様に少し低下する。さ
らに、比較例として、活性剤にアジピン酸またはトリエ
タノールアミンを用いて、表3に示す組成比のフラック
スとして、上述したようにしてクリームはんだを製造し
た。
16のクリームはんだは絶縁性が悪く(NG)、はんだ
付け後に洗浄を必要とする。また、トリエタノールアミ
ンは融点および沸点が高く、試料17のクリームはんだ
では残渣中に残り絶縁性が悪く(NG)、この場合にも
洗浄を必要とする。その他の実施例として、上記実施例
の共晶はんだ粉末に代え、他の合金成分としてSn61-In
1.0-Sb0.5-Ag1.0-Pb 残部からなるはんだ粉末と本発明
のフラックスを混練して用いたところ、同様に優れた結
果が得られた。尚、本発明の主旨の範囲で各種はんだ粉
末に適用できることは勿論である。
の活性剤を用いたフラックスによるクリームはんだで
は、印刷性、はんだ付け性および絶縁性を確保しなが
ら、はんだ付け後の洗浄を省略することができる。はん
だ付けの際に、窒素の保護雰囲気を設けることなく、空
気中ではんだ付けを行え、設備・コストの面で削減・低
減できる。さらに、洗浄装置の必要がなく、この点から
も設備・コストの面で好ましい。
Claims (2)
- 【請求項1】 ロジンおよび活性剤を含むクリームはん
だ用フラックスにおいて、前記活性剤が前記フラックス
全体に対する割合で、 ジフェニル酢酸とジエチルアミンの塩: 2.0〜2
0.0wt% セバシン酸: 1.0〜1
5.0wt%および ジフェニル酢酸: 2.0〜2
0.0wt% からなることを特徴とするクリームはんだ用フラック
ス。 - 【請求項2】 請求項1記載のクリームはんだ用フラッ
クスが、さらに8.0wt%以下のフタル酸および/また
は12.0wt%以下の安息香酸を含んでいることを特徴
とする請求項1記載のクリームはんだ用フラックス。
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