JP3137261U - 溶接用セラミックタブ固定具 - Google Patents

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Abstract

【課題】自動溶接を可能にするように、セラミックタブを長時間安定に固定状態に保ち得るセラミックタブ固定具の提供
【解決手段】セラミックタブ2を固定するための溶接用セラミックタブ固定具1は、セラミックタブ2の頂面の厚さ方向外側の一部を押える剛性頂壁部53と、セラミックタブ2の外側主面に当接して該主面を支えるべく、頂壁部53の基端から実際上直角に延びた剛性外側壁部51と、頂壁部53よりも長く、外側壁部51の端部54から頂壁部53に対面する側に延び、セラミックタブ2の底面42が表面32側に載置される裏当て金30の背面33に対面する部位55bにねじ孔56を備えた剛性底壁部55とを有する固定具本体部50、並びに該固定具本体部の剛性底壁部のねじ孔に螺合され先端部が溶接部の裏当て金30の裏面に押付けられる雄ねじ部材60を具備する。
【選択図】図1

Description

本考案は、溶接用セラミックタブを固定するための溶接用セラミックタブ固定具に係る。
二つの部材同士を突き合わせ溶接等により接合する場合に、溶接の際に生じる溶融金属を溶接部の両端において堰き止めるタブは、知られている。また、タブとして、溶接の際に共に溶けるスチール系のタブとは異なり、溶接後に打撃等により溶接金属から分離可能なようにセラミック材料からなるタブも知られている。この種のタブを、この明細書では、「溶接用セラミックタブ」という。
溶接用セラミックタブは、溶接の際だけ溶融金属の流出を防ぐべく溶接部の両端に対応する部位に固定され、溶接後は取外されるものであることから、簡単に着脱可能であることが望まれる。
従来、典型的には、溶接される鋼材に取外し可能に磁石で固定され且つ該磁石と一体的なバネ部を介して溶接用セラミックタブを所望の部位に押付けて支えるようにした溶接用セラミックタブ固定具が、知られている(特許文献1〜3等)。
しかしながら、磁石の吸着力は余り大きくないので、磁石による固定では磁石の吸着位置が吸着面に沿う方向にずれ易かったり剥離方向の外力によって剥がされ易い等、溶接用セラミックタブの固定が不安定である。また、高温になると磁石の吸着力が低下する虞れもある。
一方、溶接部の両端に延びるU字状の針金を取付金具として備え、該取付金具の各先端をセラミックタブの背面に形成した凹部に嵌合させ押付けて、両端のセラミックタブを同時に支えるようにした溶接用セラミックタブ固定具もエンドタブ取付金具(クリップ)として知られている(特許文献4)。
しかしながら、このエンドタブ取付金具は、針金の曲げ弾性を利用すべく針金で形成するもので、大径であっても長くなると撓み易く、しかも点で押えるので、溶接用セラミックタブの固定が不安定である。
なお、以上のような磁石や針金による固定具では、溶接線の延在方向に沿って内向きにタブを被溶接母材の側縁に押付けるものであるのに対して、溶接線の延在方向に対して直角な向きにセラミックタブの如きタブを挟んで固定することも提案されている(特許文献5〜7)
この厚さ方向にタブを挟持するタイプの固定具では、U字状の板ばねによってタブの頂面と該タブの底面が載置されている板部(裏当て金等)の裏面とを弾性的に挟んでタブを固定している。
しかしながら、このバネにより挟持するタイプの固定具でも、Uの一対の先端で挟むことになるので、挟持方向に対して垂直な面に沿う方向には位置ずれし易い。
なお、以上のような従来の固定具は、いずれもバネ弾性によりタブを押えるもので、不測の振動等による位置ずれの虞れを避け易い。
以上のように、種々のタブ固定具が開発・提案されているけれども、本考案者が、SRC(鉄骨・鉄筋コンクリート)用の大組立柱(すなわち鉄骨建築物の柱であって、建物の各階の高さを確保するために長柱材であるシャフトないし鉄骨柱(H型ないしI字型鋼、T字型鋼、又は十字型鋼からなる柱)と仕口(柱と梁との接合部であって、仕口コアと梁連結用ブラケットないし羽根からなるもの)の仕口コアとを交互に接続し典型的には一端にベースを接続してなるもの)を形成するためにロボットによる自動溶接を行おうとしたところ、実際上、使用に耐えるセラミックタブ固定具は、なかった。
すなわち、本考案者は、例えば、ベース、第一の階間梁(二階のフロア)接続用仕口コア及び第二の階間梁(三階のフロア)接続用仕口コアの夫々と各階の高さ確保用の鉄骨柱とを夜間の間に、アーク溶接ロボットによって自動的に溶接するために、一晩中回転され続けても、位置ずれすることなくセラミックタブを確実に固定状態に保持し得る溶接用セラミックタブ固定具を求めて、上記のような各種の溶接用セラミックタブ固定具を試用したけれども、いずれも、上述のような理由により、溶接用セラミックタブを自動溶接に用いられる程度に長時間安定に且つ確実に固定状態に保持し得るものではなかった。
なお、SRC用の大組立柱を形成する場合、溶接用セラミックタブは、組立溶接の際に裏当て金により形成されるルート間隔をおいて、鍔状板(ベースや仕口コアのダイアフラム等)の外面に対して細長い板状部の一端を溶接する際に生じる溶融金属を該溶接部の両端において堰き止めるべく、底面で裏当て金の表面に載置され且つ溶接領域に対面する内側主面が板状部の側面に当接された状態で、固定される必要がある。ところが、裏当て金の側方への突出は、各種の理由により、溶接不良が生じ易い溶接線の溶接端を板状部の幅の範囲外に位置させ得る限り短いことが好ましく、実際には、セラミックタブを載せるに必要な最小限の長さ(例えば最大10mm程度で、典型的には、例えば7mm程度)に抑えられており、溶接用セラミックタブの底面はその厚さ方向の一部が裏当て金の表面に載置され底面の残りの部分は支えなく側方に突出してしまう。また、溶接線の端における溶接不良の影響を受けるのを避けるべく、開先のある板状部の先端と鍔状部の対向面との間の溶接領域において板状部の側面よりも多少外側まで溶接線が延びるように、セラミックタブの内側表面のうち溶接線の端を規定する表面領域は、該セラミックタブの内側表面のうち板状部の側面に当接する表面領域よりも、多少凹んでいる。従って、溶接用セラミックタブの底面のうち裏当て金の表面に載置され得る領域は更に小さくなる。また、セラミックタブの内側表面のうち板状部の側面に当接する領域もあまり大きくない。その結果、セラミックタブが、その固定具によって、板状部の側面や裏当て金の表面に強固に固定されない限り、セラミックタブを強固に保持することは意外に難しい。
なお、タブ自体を直接固定するのではないけれども、タブを背面から支えることは、提案されている(特許文献8)。
但し、これは、タブ自体を固定するものではなく、また、相当のスペースを要し、この技術自体はそのまま利用され難い。
特開平8−294797号公報 特開平8−281489号公報 特開平5−285695号公報 特公平6−79796号公報 特開2005−211978号公報 登録実用新案第3081662号公報 実開平6−54482号公報 特開平6−285693号公報
本考案は、前記諸点に鑑みなされたものであって、その目的とするところは、ロボットによる自動溶接を可能にするように、溶接用セラミックタブを、長時間、安定に固定状態に保持し得る溶接用セラミックタブ固定具を提供することにある。
本考案の溶接用セラミックタブは、前記目的を達成すべく、溶接用セラミックタブを固定するための溶接用セラミックタブ固定具であって、セラミックタブの頂面のうち厚さ方向外側の一部の領域に当接して該頂面を押える剛性頂壁部と、セラミックタブの二つの主面のうち溶接領域に面する内側主面とは反対側に位置する外側主面に当接して該外側主面を支えるべく、前記頂壁部の基端から該頂壁部に対して実際上直角に延びた剛性外側壁部と、前記頂壁部よりも長さが長く、前記外側壁部のうち前記頂壁部につながった端部とは反対側の端部から前記頂壁部に対面する側に延び、セラミックタブの底面が表面側に載置される裏当て金の背面に対面する部位にねじ孔を備えた剛性底壁部とを有する固定具本体部、及び該固定具本体部の剛性底壁部のねじ孔に螺合され先端部が溶接部の裏当て金の裏面に押付けられる雄ねじ部材を具備する。
本考案の溶接用セラミックタブ固定具では、「溶接用セラミックタブの頂面に当接する・・・剛性頂壁部と、セラミックタブの・・・外側主面に当接する・・・剛性外側壁部と、前記頂壁部よりも長さが長く・・・セラミックタブの底面が表面側に載置される裏当て金の背面に対面する部位にねじ孔を備えた剛性底壁部とを有する固定具本体部」及び「該固定具本体部の剛性底壁部のねじ孔に螺合され先端部が溶接部の裏当て金の裏面に押付けられる雄ねじ部材」を具備するので、セラミックタブの支持領域が小さくても、該セラミックタブを長時間確実に固定状態で保持し得る。すなわち、本考案の溶接用セラミックタブ固定具では、「固定具本体部の剛性頂壁部」、「固定具本体部の剛性側壁部」及び「固定具本体の剛性底壁部に螺合された雄ねじ部材の先端部」が、夫々、セラミックタブの頂面、外側面、及び底面(裏当て金を介して)を、位置決めして固定する。従って、溶接用セラミックタブは、遊びなく固定・位置決めされるから、不測の振動や不測の外力によって固定具がずれたり、固定具によって固定された溶接用セラミックタブが位置ずれしたり外れたりする虞れが少ない。なお、セラミックタブは、表面が相当程度粗面であるので、雄ねじ部の先端がセラミックタブの表面にある程度以上の力で押付けられると、当該押付け部だけでなくセラミックタブの表面が当接している他の部分でも、セラミックタブが対応する当接部に対して実際上不動の状態になる。
また、本考案の溶接用セラミックタブ固定具では、「固定具本体部の剛性底壁部が
固定具本体部の頂壁部よりも長さが長く、セラミックタブの底面が表面側に載置される裏当て金の背面に対面する部位にねじ孔を備え、雄ねじ部材が該ねじ孔に螺合され先端部で溶接部の裏当て金の裏面に押付けられる」ので、「固定具本体部の剛性頂壁部」及び「固定具本体部の剛性側壁部」を溶接用セラミックタブの対応する表面(頂面及び外側主面)におしつけた状態で該雄ねじを締め付けるだけで、セラミックタブの固定及び該固定の解除を容易に行い得る。ここで、雄ねじ部材は、締付け及びその解除が容易になるように、典型的には、蝶状のつまみ部を備える。つまみ部は、つまみやすくてねじ込み力及び同解除力を加え易い限り、例えば製造コストを最低限に抑え得るように、蝶状の代わりに他の形状でもよい。
更に、本考案の溶接用セラミックタブ固定具では、「固定具本体部の剛性頂壁部が、セラミックタブの頂面のうち厚さ方向外側の一部の領域に当接して該頂面を押える」ので、アーク溶接の際に、溶接用セラミックタブ固定具に対する放電が生じる虞れが最低限に抑えられ得る。すなわち、本考案の溶接用セラミックタブ固定具のうち溶接されるべき板状部及び鍔状部の被溶接部に最も近接して位置するのは、実際上剛性頂壁部になるけれども、典型的には鋼の如き金属からなる固定具本体部の剛性頂壁部が溶接領域から離れた外側に位置するので、アーク溶接の際に剛性頂壁部に対して放電が生じる虞れが少ない。
なお、剛性頂壁部をこのように後退させて位置させても溶接用セラミックタブを強固に固定・保持し得るのは、セラミックタブの頂面及び外側主面を溶接用セラミックタブ固定具によって位置決めしていることに加えて、底壁側において、剛性底壁部が剛性頂壁部よりも長く延在し且つ該延在部のねじ孔に雄ねじ部材が螺合されて該雄ねじ部材の先端部を裏当て金の底面に押付けることにより、セラミックタブの固定・保持を行うようにしたことによる。
以上のような溶接用セラミックタブ固定具の構造は、比較的簡単であるけれども、従来のタブ固定具と同程度又はそれ以下のコストで、従来のタブ固定具よりも狭い占有スペースでしかも従来のタブ固定具よりも長時間安定に溶接用セラミックタブを固定・保持し得る。すなわち、本考案のタブ固定具は、一見ありふれた構造・形状に見えるかもしれないけれども、昭和50年代頃から25年以上にわたってなされてきたタブ固定具に関する種々の提案・改良にもかかわらず、本考案の溶接用セラミックタブ固定具のように、姿勢にかかわらず長時間安定に溶接用セラミックタブを固定・保持し得るものはなかった。即ち、昭和50年代頃から25年以上にわたってなされてきたタブ固定具に関する種々の提案・改良にもかかわらず、SRC用コラム等を製造するための溶接用ロボットによる自動溶接を可能にするものが未だなく、溶接用ロボットの適用可能範囲が限られていたのが実情であったところ、本考案の溶接用セラミックタブ固定具によって、溶接用ロボットの適用可能範囲が拡がり、溶接作業の効率が大幅に高められ得るようになったものである。
本考案の溶接用セラミックタブ固定具では、典型的には、溶接用セラミックタブが、裏当て金付きの突き合わせ継手のところにおいて、細長い板状部の一端を該板状部よりも幅の広い表面を備えた別の部材に対して溶接する際に生じる溶融金属を該溶接部の両端において堰き止めるためのものであって、前記二つの主面、該主面に対して直角な頂面及び底面、並びにこれら四つの面に対して直角な一対の側面を備えたものであり、前記固定具本体部の剛性底壁部が、溶接の際に溶融金属を底面側で支える裏当て金の背面側に対面するように前記頂壁部と実質的に平行に延びており、溶接用セラミックタブの一対の側面のうちの一方の側面が前記別の部材の前記表面に当接した状態で、前記雄ねじ部材が、前記固定具本体部の剛性底壁部のねじ孔に螺合されて裏当て金に対して先端で締め付けられるように構成される。
この場合、特に、「溶接用セラミックタブの一対の側面のうちの一方の側面が(板状部よりも幅の広い表面を備えた)前記別の部材の前記表面に当接した状態で、前記雄ねじ部材が、前記固定具本体部の剛性底壁部のねじ孔に螺合されて裏当て金に対して先端で締め付けられる」ので、セラミックタブが、更に、側面で前記別の部材の表面によって支持されることになるから、セラミックタブの固定・保持が一層確実に行われ得る。
以上において、本考案の本考案の溶接用セラミックタブ固定具では、典型的には、前記別の部材の表面が鍔状板の表面である。
また、以上において、本考案の本考案の溶接用セラミックタブ固定具では、典型的には、前記鍔状板が柱と梁との仕口を構成する仕口コアのダイアフラム部又はベースであり、前記板状部がH型、T字型若しくは十字型鋼の形態の鉄骨柱のフランジ部である。
この場合、SRC用の大組立柱を形成するように、H型(即ちI字型)、T字型若しくは十字型鋼の形態の鉄骨柱ないしシャフトが、ロボットを用いた自動溶接により、仕口のうち梁連結用ブラケットないし羽根の取付けられた仕口コアと接続され得るので、溶接ロボットによる自動溶接により、夜の間に大組立柱を形成することが可能になる。
なお、本考案の溶接用セラミックタブは、上述のような構造や形状の部位であれば、鉄骨柱ないしシャフトと仕口の仕口コアとの自動溶接だけでなく、他のところでも同様に効果的に利用され得る。
本考案の好ましい一実施の形態を添付図面に示した好ましい実施例に基づいて説明する。
図1には、本考案の好ましい一実施例の溶接用セラミックタブ固定具1によりセラミックタブ2を固定して鍔状板部10と板状部20の先端部21とを溶接する例が示されている。
図1において、鍔状板部10は、例えば、仕口コアF(図4の(a)で示した要素F2又はF3)のダイアフラム又はベースBであり、板状部20は、鉄骨柱ないしシャフトPを構成するI字型鋼すなわちH型鋼P1の一対のフランジすなわち側板P11,P11(図4の(b)も参照)である。
より詳しくは、例えば、図4の(a)に示したように、一端でベースBに接続された鉄骨柱ないしシャフトPは、仕口Sと交互に接続されて、柱すなわち大組立柱Cが形成される。鉄骨柱ないしシャフトPは、各階の高さを確保するものである。仕口Sは、鉄骨柱Pと梁(図示せず;各階の床とその下の階の天井と規定する)との接合部を形成するものであって、仕口コアFと梁連結用ブラケットないし羽根Jとを有する。図4の(a)に示した例では、柱Cは、仕口コアFとして、1階と2階との階間形成用仕口コアF2及び2階と3階との階間形成用仕口コアF3を有する。以下の説明の簡明化のために、大組立柱C及び鉄骨柱Pの延在方向をZとし、鉄骨柱PがH型鋼P1の場合には該H型鋼P1のフランジP11に相当する板状部20の幅方向又は水平方向をXとするX,Y,Z直交座標系を採る(なお、後述のように大組立柱Cの形成のために水平に載置された柱P等が軸線Aのまわりで回転されるような場合には、説明の便宜上、フランジP11等の主面が水平に延びた状態について、X,Y,Z直交座標系を採って説明することもある)。
鉄骨柱ないしシャフトPは、図1や図4の(b)に示したように断面が「H」状(または「I」字状)のH型鋼(I字型鋼)P1、図4の(c)に示したように断面が「T」状のT型鋼P2、又は図4の(d)に示したように断面が「+」状の十字型鋼P3であり得る。板状部20は、T型鋼P2の場合には三つのフランジないし側板P21,P21,P21を指し、十字型鋼の場合には四つのフランジないし側板P31、P31,P31,P31を指す。
再度、図1において、H型鋼P1の側板P11からなる板状部20の先端21の開先部22が、ベースB(又は仕口Sの仕口コアFのダイアフラム)をなす鍔状板部10の表面11に対して間隙Gを介して対向配置されている。側板P11からなる板状部20の背面23側で且つ鍔状板部10の表面11には、ルート間隙をなす間隙Gの底を規定する裏当て金30が背面側で組立溶接ないし仮溶接されている。
裏当て金30は、図1のIIA−IIA線断面を示す図2の(a)からわかるように、板状部20の側縁24よりもX方向に長さΔだけ突出している。
裏当て金30は、溶接の際に間隙Gにできる溶融金属の漏洩を背面側で防ぐ。裏当て金30は、板状部20の側縁24よりもある程度以上X方向に突出することにより、溶接端を板状部20の側縁24よりも外に形成することを可能にし、板状部20の幅の範囲内に溶接不良が生じるのを避けることを可能にする。従って、裏当て金30が板状部20の側縁24よりもある程度以上の長さ突出することは、不可欠である。
一方、この突出長Δは、他の観点ではできるだけ短いことが好ましく、SRC用の柱Cの場合、最大でも例えば10mm程度で、典型的には7mm程度と短い。
従って、セラミックタブ2は、一方では、板状部20の幅方向側縁24よりもX方向外側の位置で溶接端を規定すべく板状部20の幅方向側縁24よりもX方向外側の位置において裏当て金30の表面31上に載置される必要があり、他方では、裏当て金30の突出長Δが小さいことから、適切に固定されない限り、安定に支持され難いことになる。
セラミックタブ2は、例えば、図1並びに図2の(a)及び(b)に示したように、ほぼ矩形厚板40状で、頂面41,底面42及び両側面43a,43bに加えて、一対の厚板主面45a,45bと、該厚板主面45a,45bに対して凹んだ凹部表面46a,46bを有する。主面45a,45bと表面46a,46bとの境界は、開先と同様な傾斜面47a,47bになっている。セラミックタブ2の厚板主面45a,45b間の厚さT1は、例えば2cm程度で、凹部表面46a,46b間の厚さT2は厚さT1よりも1cm程度小さい。当然ながら、これらの長さは、異なっていてもよい。
従って、セラミックタブ2は、例えば、図1並びに図2の(a)及び(b)からわかるように、底面42の一部42aが裏当て金30の表面31のうち板状部20の幅方向側縁24よりもX方向外側に位置する表面部分32上に載置され、厚板主面45a,45bのうちの内側に向いた一方の厚板主面45aの一部45a1において板状部20の側縁24の先端部近傍部分24aに当接し、且つ側面43aにおいて鍔状板部10の表面11に当接した状態で、固定・保持されるべきものである。即ち、ほぼ矩形板状のセラミックタブ2は、三つの相互に直交する面42,43a,45aのうち面43aについてはその全体であるけれども、他の二つの面42,45aについてはそのごく一部の領域42a,45a1において対向面部分に当接・支持されて固定されるべきことになる。
セラミックタブ固定具1は、図1並びに図2の(a)及び(b)に加えて、特に、図3に示したように、断面が「コ」の字状の折曲鋼板からなる固定具本体部50と、雄ねじ部材60とを有する。
固定具本体部50は、剛性側壁部51と、該剛性側壁部51の一端52側において該側壁部51に対して直角に長さL1だけ延びた剛性頂壁部53と、側壁部51の他端54側において該側壁部51に対して直角に長さL2だけ延びた剛性底壁部55とを備える。固定具本体部50の頂壁部53の長さL1は、セラミックタブ2の厚板主面間の厚さT1の半分程度又はそれ以下である。また、固定具本体部50の底壁部55の長さL2は、典型的には、セラミックタブ2の厚板主面間の厚さT1と同程度又は該厚さT1よりも大きい。雄ねじ部材60のねじ込み深さに過度に依存しない限り、剛性側壁部51の高さ(長さ)は、図3の(a)及び(b)において想像線で示したように、より長くてもより短くてもよい。
セラミックタブ固定具1の剛性側壁部51、頂壁部53及び底壁部55の幅Wは、典型的には、同一であり、セラミックタブ2の側面43a,43b間の幅と同程度である。但し、セラミックタブ固定具1の剛性側壁部51、頂壁部53及び底壁部55は、その少なくとも一部又は夫々が相互に異なる幅を有していてもよい。
セラミックタブ固定具1の底壁部55のうち延在端55a側に偏った部位55bには、雄ねじ部材60の雄ねじ部61が螺合されるねじ孔56が形成されている。従って、図3の(a)や(d)からわかるように、雄ねじ部材60の雄ねじ部61の中心軸線が頂壁部53と交わらないだけでなく、典型的には、同図からわかるように、頂壁部53は、雄ねじ部61の延長線上にはない。
また、図2の(a)からわかるように、セラミックタブ固定具1の頂壁部53は、裏当て金30の突出端部35の表面32に対して、Y方向には、実際上対面しない。すなわち、頂壁部53の先端部53aは表面32に対してY方向に対面しないか、対面するとしても、その領域は、裏当て金30の端部35の先端35aの近傍に限られる。頂壁部53と裏当て金30とのこの相対配置も、セラミックタブ2の保持・固定に限っていえば、効果的ではなく、むしろ好ましくない。しかしながら、頂壁部53の先端部53aは、アークの放電を避けるべく、溶接領域から極力離れるように幅方向外側に後退して位置すべきことがセラミックタブ2の保持よりも優先され、そのために短くなっているものである。
すなわち、このセラミックタブ固定具1は、通常、対象物を固定する場合とは異なり、効率的な固定方法にはなっていない。従って、一見、通常の固定方法の延長上にあるように見えながら、一種の盲点になっていたものと考えられる。
雄ねじ部材60は、手指で螺着及び同解除が可能なように蝶羽根状つまみ部62を有する。つまみ部62は、手指による螺着及び同解除が可能である限り、蝶羽根状である代わりにローレット加工等によりスベリ止めされた大径部や多角柱状部からなっていてもよい。雄ねじ部材62の先端部63の直径は、この例では、6〜8mm程度である。但し、より大きくてもより小さくてもよい。
この溶接用セラミックタブ固定具1では、溶接用セラミックタブ2の頂面41に当接する剛性頂壁部53と、セラミックタブ2の外側主面45bに当接する剛性外側壁部51と、頂壁部53よりも長さが長く、セラミックタブ2の底面42が表面32側に載置される裏当て金30の背面33に対面する部位55bにねじ孔56を備えた剛性底壁部55とを有する固定具本体部50、並びに該固定具本体部50の剛性底壁部55のねじ孔56に螺合され先端部63が溶接部の裏当て金30の裏面33に押付けられる雄ねじ部材60を具備するので、セラミックタブ2の支持領域が小さくても、該セラミックタブ2を長時間確実に固定状態で保持し得る。すなわち、この溶接用セラミックタブ固定具1では、固定具本体部50の剛性頂壁部53、固定具本体部50の剛性側壁部51及び固定具本体部50の剛性底壁部55に螺合された雄ねじ部材60の先端部63が、夫々、セラミックタブ2の頂面41、外側面45b、及び底面42(裏当て金30を介して)を、位置決めして固定する。従って、溶接用セラミックタブ2は、遊びなく固定・位置決めされるから、不測の振動や不測の外力によって固定具1がずれたり外れたり、該固定具1によって固定された溶接用セラミックタブ2が位置ずれしたりする虞れが少ない。
また、この溶接用セラミックタブ固定具1では、固定具本体部50の剛性底壁部55が固定具本体部50の頂壁部53よりも長さが長く(L2>L1)、セラミックタブ2の底面42が表面32側に載置される裏当て金30の背面33に対面する部位55bにねじ孔56を備え、雄ねじ部材60が該ねじ孔56に螺合され先端部63で溶接部の裏当て金30の裏面33に押付けられるので、固定具本体部50の剛性頂壁部53及び固定具本体部50の剛性側壁部51を溶接用セラミックタブ2の対応する表面(頂面41及び外側主面45bにおしつけた状態で該雄ねじ部材60を締め付けるだけで、セラミックタブ2の固定及び該固定の解除を容易に行い得る。ここで、雄ねじ部材60は、典型的には、締付け及びその解除が容易になるように、蝶状のつまみ部62を備える。
更に、この溶接用セラミックタブ固定具1では、固定具本体部50の剛性頂壁部53が、セラミックタブ2の頂面41のうち厚さ方向外側の一部の領域41aに当接して該頂面41を押えるので、アーク溶接の際に、溶接用セラミックタブ固定具1に対する放電が生じる虞れが最低限に抑えられ得る。すなわち、この溶接用セラミックタブ固定具1のうち溶接されるべき板状部20及び鍔状部10の(被)溶接領域に最も近接して位置するのは、頂壁部53になる虞れが高いけれども、該頂壁部53が溶接領域から極力離れるように外側に位置するので、アーク溶接の際に頂壁部53に対して放電が生じる虞れが少ない。
なお、この溶接用セラミックタブ固定具1では、底壁側において剛性底壁部55が剛性頂壁部53よりも長く延在し且つ該延在部のねじ孔56に雄ねじ部材60が螺合されて該雄ねじ部材60の先端部63が裏当て金30の底面33に押付けられることによりセラミックタブ2の固定・保持が行われるから、剛性頂壁部53をこのように後退させて位置させても、溶接用セラミックタブ2を強固に固定・保持し得る。
なお、以上のような溶接用セラミックタブ固定具1の構造は、比較的簡単で、従来のタブ固定具と同程度又はそれ以下のコストで、従来のタブ固定具よりも狭い占有スペースでしかも従来のタブ固定具よりも長時間安定に溶接用セラミックタブを固定・保持し得る。すなわち、このタブ固定具1は、一見ありふれた構造・形状に見えるかもしれないけれども、昭和50年代頃から25年以上にわたってなされてきた種々の提案にもかかわらず、この溶接用セラミックタブ固定具1のように、姿勢にかかわらず長時間安定に溶接用セラミックタブ2を固定・保持し得、SRC用コラム等を製造するための溶接用ロボットによる自動溶接を可能にするものが未だなく、溶接用ロボットの適用可能範囲が限られていたのを、この溶接用セラミックタブ固定具1によって、溶接用ロボットの適用可能範囲が拡がったものである。
また、この溶接用セラミックタブ固定具1では、溶接用セラミックタブ2が、二つの主面45a,45b、該主面45a,45bに対して直角な頂面41及び底面42、並びにこれら四つの面に対して直角な一対の側面43a,43bを備えたものであり、固定具本体部50の剛性底壁部55が、溶接の際に溶融金属を底面側で支える裏当て金30の背面側33に対面するように前記頂壁部53と実質的に平行に延びており、溶接用セラミックタブ2の一対の側面43a,43bのうちの一方の側面43aが鍔状板部10の表面11に当接した状態で、雄ねじ部材60が、固定具本体部50の剛性底壁部55のねじ孔56に螺合されて裏当て金30に対して先端で締め付けられるように構成される。この場合、特に、「溶接用セラミックタブ2の一対の側面43a,43bのうちの一方の側面43aが(板状部20よりも幅の広い表面11を備えた)鍔状板部10の該表面11に当接した状態で、雄ねじ部材60が、固定具本体部50の剛性底壁部55のねじ孔56に螺合されて裏当て金30に対して先端で締め付けられる」ので、セラミックタブ2が、更に、側面43aで鍔状板部10の表面11によって支持されることになるから、セラミックタブ2の固定・保持が一層確実に行われ得る。
次に、このセラミックタブ固定具1を用いてSRC用の(大組立)柱を形成する場合を例にとって、溶接ロボットによる自動溶接の概略を図1〜図3及び図4に加えて、図5に基づいて、説明する。
ロボット溶接設備80は、図4の(a)において想像線で示し図5において実線で示したように、柱Cの鉄骨柱ないし柱シャフトP,Pを保持する一対の回転ポジショナー81a,81bと、溶接用ロボット本体82とを備える。
ポジショナー81a,81b(両者を区別しないとき又は総称するときは符号81で表す)は、夫々、レール83a,83b(両者を区別しないとき又は総称するときは符号83で表す)上を長手方向Zに移動可能な台車84a,84b(両者を区別しないとき又は総称するときは符号84で表す)に支持され、開閉可能な把持部85a,85b(両者を区別しないとき又は総称するときは符号85で表す)において、鉄骨柱Cのコラム本体P,Pを保持する。ポジショナー81a,81bの把持部85a,85bは、夫々回転中心軸線Aの周りで回転可能であり、該把持部85a,85bによって把持された柱Cを、中心軸線Aの周りで回転させ得る。
図5において実線で示したように柱Cの鉄骨柱(柱シャフト)PがH型鋼P1である場合、把持部85は、H型鋼P1のフランジないし板状部P11,P11が鉛直方向上向きになる位置を採るように、図5において示した位置、及び当該位置に対して中心軸線Aの周りで180度だけ回転したもう一つの回転位置を溶接位置として採る。
一方、柱Cの鉄骨柱(柱シャフト)Pが図5において想像線で示したようにT字型鋼P2である場合、把持部85は、T字型鋼P1のフランジないし板状部P21,P21,P21が鉛直方向上向きになる位置を採るように、図5において示した位置、並びに当該位置に対して中心軸線Aの周りで例えば90度及び180度だけ回転した位置を採る。更に、柱Cの鉄骨柱(柱シャフト)Pが図5において想像線で示したように十字型鋼P3である場合、把持部85は、十字型鋼P3の板状部P31,P31,P31,P31が鉛直方向上向きになる位置を採るように、図5において示した位置、並びに当該位置に対して中心軸線Aの周りで90、180度及び270度だけ回転した位置を採る。
溶接用ロボット本体82は、先端に溶接トーチ88を備えた多間接型ロボットからなり、レール83a,83bと平行なレール86上を長手方向Zに沿って移動可能な台車87に支持されている。
なお、図4の(a)及び図5に示した例では、ロボット用レール86,86の一方の側(図4の(a)では下側で図5では左側)のみに、溶接対象となる柱Cを支持するポジショナー81a,81bが設けられているけれども、典型的には、ロボット用レール86,86の他方の側(図4の(a)ではレール86,86の上側で図5では右側)にもポジショナー81a,81bと同様なポジショナー(図示せず)が設けられ、図示しない該ポジショナーによって溶接対象となるもう一つの柱Cが回転可能に支持され、一つのロボット(本体)82によって、同様に溶接作業が行われ得る。
なお、裏当て金30によって背後から支えられた、柱Cを構成する鉄骨柱Pの板状部としての側板ないしフランジ20の端部21と鍔状板部10(すなわち、ベースB又は各仕口コアF2,F3のダイアフラム)との突き合わせ溶接部Q1,Q2,Q3,Q4の近傍で板状部20の幅方向両端側には、セラミックタブ固定具1,1によって支持されたセラミックタブ2,2が、図1並びに図2の(a)及び(b)に示し、既に詳述したように固定される。
溶接は、例えば、次のような手順で行われる。なお、以下の手順は、溶接設備のコントローラ(図示せず)に溶接制御データを予め与えておくことにより、無人状態で、夜の間に溶接作業が行われ得る。勿論、操作者がリモートコントローラ等(図示せず)を介して、ロボット本体82及びポジショナー81a,81bを制御することにより溶接を自動的に又は半自動的に行うようにしてもよい。その場合でも、セラミックタブ固定具1,1がセラミックタブ2,2を被溶接部Q1,Q2,Q3,Q4に対して固定状態に保持することが、溶接作業を効率的に行わせるために有効である。
まず、ポジショナー81a,81bによって図示のように所定の位置で保持された柱Cが、中心軸線Aの周りで回転されて、鉄骨柱Pの側板部20をなす板状部(H型鋼P1のフランジ)P11,P11が鉛直方向上向きになる図5の回転位置に設定される。一方、ロボット本体82が、レール86に沿ってZ方向に移動されて、柱Cの一端において、例えば、鍔状板部10をなすベースBと鉄骨柱Pの板状部20との被溶接部Q1のうち鉛直方向上向きに向いた部分Q11に溶接トーチ88が対向するように、ほぼ図4の(a)に示した位置を採る。
次に、ロボット本体82の溶接トーチ88が溶接部Q11に対面する位置まで前進せしめられて、鍔状板部10をなすベースBと板状部20としての鉄骨柱(柱シャフト)Pの上向きに向いた側板部(フランジ)P11の先端21との被溶接部分Q11の溶接が行われる。
この溶接が行われる間、被溶接部Q11の両端のセラミックタブ固定具1,1は、溶接線の両端を規定するセラミックタブ2,2を強固に且つ安定に保持する。この溶接自体は、従来と同様に溶接トーチを制御することにより行われる。なお、セラミックタブ固定具1,1の頂壁部53,53が被溶接部Q11から離れて位置するので、溶接トーチ88と該頂壁部53又は53との間で誤って放電が生じる虞れが少ない。
この被溶接部分Q11の溶接が完了すると、ロボット本体82の溶接トーチ88が後退せしめられた後、ポジショナー81a,81bが中心軸線Aの周りで180度回転され、下側にあった被溶接部Q12(図1参照)が鉛直方向上向きに向く位置に位置決めされる。なお、ここでは、コラム本体PがH型鋼P1からなることを想定して180度回転させているけれども、例えば、コラム本体Pが図4の(b)に示したようなH型鋼P1ではなくて図4の(d)に示したような十字型鋼P3である場合、コラム本体Pを備えた鉄骨柱Cは、180度ではなくて、90度づつ回転される。
柱Cの所定角度(この例では180度)の回転が完了すると、溶接ロボット本体82の溶接トーチ88が、上向きに向いた被溶接部分Q12に対面する位置まで前進せしめられて、非溶接部Q11に対する溶接と同様な溶接が行われる。
この溶接が完了すると、溶接ロボット本体82は、図4の(a)から概ねわかるように、ベースBと二階床等用仕口コアF2とを結ぶ鉄骨柱Pの側板部20のうち二階床等用仕口コアF2に対面する端部21と二階床等用仕口コアF2のダイアフラム10の表面11との間の被溶接部Q2の一対の被溶接部分Q21,Q22(図示せず)の溶接を、被溶接部Q1の一対の被溶接部分Q11,Q12の溶接と同様にして行う。
被溶接部Q2の溶接の完了後、二階床等用仕口コアF2と三階床等用仕口コアF3とを結ぶ鉄骨柱Pと、二階床等用仕口コアF2又は三階床等用仕口コアF3との被溶接部Q3,Q4の溶接が、同様にして、行われる。
図示の例のように、最も単純なH型鋼P1の溶接であっても、二階分の大組立柱Cについて所望の溶接を行うためには、8箇所の溶接を要し、溶接の進行の間に、少なくとも4回の回転を要する。コラム本体PがH型鋼P1ではなくて十字型鋼P3である場合、二階分の大組立柱Cについて所望の溶接を行うためには、16箇所の溶接を要し、溶接の進行の間に、少なくとも12回の回転を要する。このような溶接は、完全に自動的に行われる場合であっても、相当の時間を要し、特に、ロボット本体82の両側に二階分の大組立柱Cを配置して夫々を一対の回転ポジショナーで回転させて溶接を行う場合には、典型的には、一晩を要し、全ての溶接が完了すると初めてビルなどの現場に運ばれて二階分の柱として用いられるべき大組立柱Cの溶接が完了する。
以上のような溶接の間、柱Cの回転に応じて、各セラミックタブ固定具1は、通常支持状態とは異なる姿勢を採る。例えば、90度程度回転された状態では、板状部20の表面に沿ったズレが生じ易い(例えば、特許文献5〜7等に開示された固定具ではズレに弱く落ち易い)けれども、このセラミックタブ固定具1では、強固で安定な位置決め・固定が行われ得るので、セラミックタブ2の位置ズレの虞れが少なく、安定な自動溶接を可能にする。
特に、例えば被溶接部Q1の溶接が行われている状態では、未だ溶接の行われていない被溶接部Q3やQ4等にあるセラミックタブ固定具1は、セラミックタブ2の保持状態を保つ必要がある。即ち、例えば、セラミックタブ2,2が溶接金属と付着するような場合には、被溶接部Q1のうち最初に溶接が行われる被溶接部Q11を規定するセラミックタブ2,2の固定具1,1は、溶接により保持され易くなることがあっても、最後に又は後の方で溶接が行われるべき被溶接部Q4やQ3等にあるセラミックタブ固定具1のところでは、溶接が行われないまま長時間、回転や、振動や、温度変化等に曝される虞れがあるけれども、このセラミックタブ固定具1では、強固で安定な位置決め・固定が行われ得るので、セラミックタブ2の位置ズレの虞れが少なく、安定な自動溶接を可能にする。
なお、このセラミックタブ固定具1では、その取り付け・取外しが蝶ボルト60を回すことによって行われ得るので、その着脱が容易且つ確実に行われ得る。
以上においては、柱Cと、ベースBや仕口コアF2,F3のダイアフラムとの間の溶接について説明したけれども、このセラミックタブ固定具1は、鍔状板部10の表面11と、板状部20の先端21との間の溶接が行われるべきである限り、他の部分との溶接に適用されてもよい。また、先端21において突き合わせ溶接されるべき板状部20の幅よりも表面11の幅が大きくてセラミックタブ2が板状部20の両側から突出する裏当て金30の突出表面に底面の一部で載置されて配設される限り、鍔状板部10の表面11の代わりに、厚板の表面に対して突き合わせ溶接されるようになっていてもよい。また、例えば、梁連結用ブラケット(羽根)と仕口コアとの間の溶接に用いられるセラミックタブを固定するために、本考案のセラミックタブ固定具が用いられてもよい。特に、溶接用ロボットによる自動溶接が期待されるところでは、本考案のセラミックタブ固定具が用いられると、効果的である。
本考案による好ましい一実施例の溶接用セラミックタブ固定具を用いた被溶接部の一部破断斜視説明図。 図1の被溶接部の一部を拡大して示したもので、(a)は図1のIIA−IIA線断面説明図、(b)は(a)の矢印IIB方向に見た平面説明図。 本考案による好ましい一実施例の溶接用セラミックタブ固定具を示したもので、(a)は正面説明図、(b)は(a)の右側面説明図(但し、蝶羽根状つまみ部が(a)の位置から90度回転された位置にある状態)、(c)は(a)の底面説明図、(d)は(b)の平面(上面)説明図。 図1の溶接が行われる(大組立)柱とその溶接の仕方を示したもので、(a)は該(大組立)柱の対する溶接場の平面説明図、(b)は(a)の(大組立)柱の鉄骨柱がH型鋼である場合の鉄骨柱の断面説明図、(c)はH型鋼の代わりにT字型鋼が用いられる場合における(b)と同様な断面説明図、(d)はH型鋼の代わりに十字型鋼が用いられる場合における(b)と同様な断面説明図。 図4の(a)のV−V線断面説明図。
符号の説明
1 溶接用セラミックタブ固定具
2 溶接用セラミックタブ
10 鍔状板部(ベース,仕口コアのダイアフラム)
11 表面
20 板状部(H型鋼等の形態の鉄骨柱の側板(フランジ))
21 先端部
22 開先
23 背面
24 側縁
24a 先端近傍部分
30 裏当て金
31 表面
32 表面部分
33 背面
40 矩形厚板
41 頂面
41a 頂面のうち厚さ方向外側の領域
42 底面
43a,43b 側面
45a,45b 厚板主面
46a,46b 凹部表面
47a,47b 傾斜面
50 固定具本体部
51 剛性側壁部
52,54 端
53 剛性頂壁部
55 剛性底壁部
55a 延在端
55b 部位
56 ねじ孔
60 雄ねじ部材(蝶ボルト)
61 雄ねじ部
62 蝶羽根状つまみ部
63 先端部
80 ロボット溶接設備
81,81a,81b ポジショナー
82 溶接用ロボット本体
83,83a,83b レール
84,84a,84b 台車
85,85a,85b 把持部
86 レール
87 台車
88 溶接トーチ
A 回転中心軸線
B ベース
C (大組立)柱
F,F2,F3 仕口コア
G 間隙
J 梁連結用ブラケット(羽根)
L1 頂壁部の長さ
L2 底壁部の長さ
P 鉄骨柱(柱シャフト)
P1 H型鋼(I字型鋼)
P11 側板(フランジ)
P2 T字型鋼
P21 側板(フランジ)
P3 十字型鋼
P31 側板(フランジ)
Q1,Q2,Q3 被溶接部
Q11,Q12,Q21,Q22 被溶接部分
S 仕口
T1,T2 厚さ
W 幅
Δ 突出長

Claims (4)

  1. 溶接用セラミックタブを固定するための溶接用セラミックタブ固定具であって、
    セラミックタブの頂面のうち厚さ方向外側の一部の領域に当接して該頂面を押える剛性頂壁部と、セラミックタブの二つの主面のうち溶接領域に面する内側主面とは反対側に位置する外側主面に当接して該外側主面を支えるべく、前記頂壁部の基端から該頂壁部に対して実際上直角に延びた剛性外側壁部と、前記頂壁部よりも長さが長く、前記外側壁部のうち前記頂壁部につながった端部とは反対側の端部から前記頂壁部に対面する側に延び、セラミックタブの底面が表面側に載置される裏当て金の背面に対面する部位にねじ孔を備えた剛性底壁部とを有する固定具本体部、及び
    該固定具本体部の剛性底壁部のねじ孔に螺合され先端部が溶接部の裏当て金の裏面に押付けられる雄ねじ部材
    を具備する溶接用セラミックタブ固定具。
  2. 溶接用セラミックタブが、裏当て金付きの突き合わせ継手のところにおいて、細長い板状部の一端を該板状部よりも幅の広い表面を備えた別の部材に対して溶接する際に生じる溶融金属を該溶接部の両端において堰き止めるためのものであって、前記二つの主面、該主面に対して直角な頂面及び底面、並びにこれら四つの面に対して直角な一対の側面を備えたものであり、
    前記固定具本体部の剛性底壁部が、溶接の際に溶融金属を底面側で支える裏当て金の背面側に対面するように前記頂壁部と実質的に平行に延びており、
    溶接用セラミックタブの一対の側面のうちの一方の側面が前記別の部材の前記表面に当接した状態で、前記雄ねじ部材が、前記固定具本体部の剛性底壁部のねじ孔に螺合されて裏当て金に対して先端で締め付けられるように構成された
    請求項1に記載の溶接用セラミックタブ固定具。
  3. 前記別の部材の表面が鍔状板の表面である請求項2に記載の溶接用セラミックタブ固定具。
  4. 前記鍔状板が柱と梁との仕口を構成する仕口コアのダイアフラム部又はベースであり、前記板状部がH型、T字型若しくは十字型鋼の形態の鉄骨柱のフランジ部である請求項3に記載の溶接用セラミックタブ固定具。
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