JP2010127405A - 連結固定具 - Google Patents

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Abstract

【課題】少ない部品点数で固定力を確保することの可能な連結固定具を提供する。
【解決手段】一対の外部材12A、12Bは、互いに離間して対向するように配置されている。外部材12Aと外部材12Bとの間には、連結部材20が配置されている。連結部材20は、外部材12A、12Bと一体的に構成されている。外部材12A、12Bの間には、固定空間Rが構成されている。外部材12A、12Bの連結部材20が配置されていない他の3つの角部には、第1挟持ボルト16A、16B、第2挟持ボルト18A、18B、第3挟持ボルト17A、17Bが配置されており、各々の先端部で、固定空間Rに配置された被固定物(例えばH鋼のフランジ部)を、一方の外部材12の内側面との間、または、ボルトの先端面同時の間に挟持しつつ保持することが可能とされている。
【選択図】図1

Description

本発明は、工事現場の足場等の仮設構造体を構成する際に、鋼材同士を連結固定するための連結固定具に関する。
従来より、工事現場の足場等の仮設構造体を構成する鋼材同士を連結固定するために、様々な連結具が用いられている。例えば、特許文献1に記載されているクランプは、コ字形状の対向する両脚部の間に被挟持物を挟み込み、1本の締結ボルトの先端と一方の脚部との間で被挟持物を挟持している。また、特許文献2に記載されている接合金具は、鋼材の面に接合金具を当接させた状態で、その外側から万力で締結することにより、H鋼を連結している。また、特許文献3に記載されている固定金具は、挟持方向の一方側に1本、他方側に2本のねじを設け、各々軸を異にして鋼材を締結している。
しかしながら、特許文献1に記載されているクランプは、単軸で被挟持物を挟持するため、固定力が充分ではない。また、特許文献2に記載されている接合金具は、接合金具の他に別部材の万力が必要であり、部品点数が多くなってしまう。また、万力自体は単軸であるため、固定力が充分ではない。また、特許文献3に記載されている固定金具は、3本のねじ軸が各々異なるため、固定が不安定になる。
特開2002−106517号公報 特開平09−14218号公報 実用新案登録3142771号
本発明は、上記事実を考慮してなされたものであり、少ない部品点数で固定力を確保することの可能な連結固定具を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明の請求項1に係る連結固定具は、互いに離間して対向配置され各々対向する面の間に固定空間を構成する一対の外部材と、前記一対の外部材の間に配置され、前記外部材を連結すると共に前記対向方向と直交する方向に平坦な受面の構成された連結部材と、前記一対の外部材の各々の対向する位置で前記外部材を各々貫通し、前記一対の外部材の各々の対向方向の外側から内側に向かってねじ込まれ、各々の先端面で前記固定空間に配置される1の被固定物を挟持する一対の第1挟持ねじと、前記連結部材から前記第1挟持ねじへ向かう直線から外れた位置に設けられ、前記一対の外部材の各々の対向する位置で前記外部材を各々貫通し、前記一対の外部材の各々の対向方向の外側から内側に向かってねじ込まれ、各々の先端面で前記固定空間に配置される他の被固定物を挟持する一対の第2挟持ねじと、を備えている。
上記連結固定具で被固定物同士を連結固定する際には、まず一の被固定物を固定空間に配置して、一対の第1挟持ねじを用いて一の被固定物を挟持する。そして、他の被固定物を同じく固定空間に配置して、一対の第2挟持ねじを用いて他の被固定物を挟持する。
本発明の連結固定具によれば、一対の第1挟持ねじ及び一対の第2挟持ねじを用いて、複数軸により被固定物同士を連結固定するので、単軸での連結固定と比較して、固定力を高めることができる。また、第1挟持ねじと第2挟持ねじとは、連結部材を介して一直線状に配置されていないので、複数の被固定物同士を第1挟持ねじと第2挟持ねじとで別々に挟持することができる。また、第1挟持ねじ、第2挟持ねじは、一対の外部材の各々の対向方向の外側から内側に向かってねじ込まれる2本のねじ(一対のねじ)とされているので、固定空間への被固定物の配置の自由度を高くすることができる。
本発明の請求項2に係る連結固定具は、前記一対の外部材の各々の対向する位置で前記外部材を各々貫通し、前記一対の外部材の各々の対向方向の外側から内側に向かってねじ込まれ、前記1の被固定物と他の固定物の両方を先端面で挟持する第3挟持ねじを備えたこと、を特徴とする。
このように、第3挟持ねじを備えることにより、被固定物同士をより強固に固定することができる。
本発明の請求項2に係る連結固定具は、前記外部材は角板形状とされ、前記連結部材が前記一対の外部材の1の第1角部を連結するように配置されていること、を特徴とする。
このように、連結部材を角部に配置することにより、固定空間を大きくして有効に用いることができる。
本発明の請求項3に係る連結固定具は、前記第1挟持ねじが一対の外部材の前記前記連結部材の配置された角部と異なる第2角部に配置され、前記第2挟持ねじが前記第1角部及び前記第2角部と異なる第3角部に配置されていること、を特徴とする。
このように、第1挟持ねじ、第2挟持ねじを各々外部材の角部に配置することにより、被固定物をバランス良く挟持固定することができる。
本発明の請求項4に係る連結固定具は、前記受面は、互いに直交する方向で少なくとも2面構成されていること、を特徴とする。
このように、互いに直交する方向に受面を構成することにより、受面に2つの被固定物を当接させることにより、2つの被固定物を互いに直交する方向に連結する場合の位置決めを行うことができる。
以上説明したように本発明に係る連結固定具によれば、少ない部品点数で固定力を確保することができる。
以下、本発明の実施形態に係る連結固定具について図面を参照して説明する。
図1に示すように、連結固定具10は、一対の外部材12を備えている。外部材12は、平面視で各々略正方形状とされ、互いに離間して対向するように配置されている。一対の外部材12の一方を外部材12A、他方を外部材12Bとして区別する。外部材12Aと外部材12Bとの間には、外部材12A、12Bの一の角部同士を連結するように、連結部材20が配置されている。連結部材20は、外部材12A、12Bと、溶接による連結、一体形成などにより、一体的に構成されている。外部材12A、12Bの間には、図2にも示すように、固定空間Rが構成されている。
外部材12A、12Bの連結部材20が配置されていない他の3つの角部には、内側に雌ネジの形成されたボルト穴13A、13B、ボルト孔14A、14B、ボルト孔15A、15Bが構成されている。外部材12Aに構成されたボルト穴13A、14A、15Aと、外部材12Bに構成されたボルト穴13B、14B、15BAとは、互いに対向する位置に配置されている。
外部材12A、12Bの互いに対向する面(内側面)は平坦形状とされている。また、外部材12A、12Bの、ボルト穴が構成された部分は厚みが薄く、連結部材20に連結されている部分は厚みが厚く構成されており、外側面に段差部が構成されている。
ボルト穴13A、13Bには、雄ネジの構成された第1挟持ボルト16A、16Bが各々外側から内側に向かってねじ込まれている。ボルト穴14A、14Bには、雄ネジの構成された第3挟持ボルト17A、17Bが各々外側から内側に向かってねじ込まれている。ボルト穴15A、15Bには、雄ネジの構成された第2挟持ボルト18A、18Bが各々外側から内側に向かってねじ込まれている。第1挟持ボルト16A、16B、第2挟持ボルト18A、18B、第3挟持ボルト17A、17Bは、各々の先端部で、固定空間Rに配置された被固定物(例えばH鋼のフランジ部)を、一方の外部材12の内側面との間、または、ボルトの先端面同時の間に挟持しつつ保持することが可能とされている。
連結部材20には、外部材12の内側面と直交する方向に、第1受面21、第2受面22、第3受面23、第4受面24、及び第5受面25が構成されている。第2受面22は、外部材12のボルト孔13とボルト孔14に沿った端辺に平行な平坦面とされている。第4受面24は、外部材12のボルト孔15とボルト孔14に沿った端辺に平行な平坦面とされている。第3受面23は、第2受面22と第4受面24との間に配置され、第2受面22及び第4受面24から45°傾斜した角度をなす平坦面とされている。第1受面21は、第2受面22の第3受面23と逆側に隣接された平坦面とされ、第5受面25は、第4受面24の第3受面23と逆側に隣接された平坦面とされている。
次に、上記連結固定具10で、被固定物を固定する手順について説明する。本実施形態では、H型鋼50と溝型鋼52とを互いに直交するように連結する場合について説明する。
まず、鉛直方向に配置されたH型鋼50に連結固定具10を取り付ける。このとき、外部材12A側を図3の手前側、すなわち、H型鋼50のフランジ部分の内側に配置するとすれば、連結固定具10の固定空間Rの第2挟持ボルト18A、18B側にH型鋼50のフランジ部分を差し入れて、連結部材20の第4受面24にフランジ部分の端面を当接させる。そして、H型鋼50のフランジ部分の外側に配置される第2挟持ボルト18Bを内側にねじ込んで、外部材12Aの内側面と第2挟持ボルト18Bの先端面とで、H型鋼50のフランジ部分を挟持する。これにより、図4に示すように、連結固定具10がH型鋼50に固定される。
次に、溝型鋼52の屈曲された一方側を、連結固定具10の固定空間Rの第1挟持ボルト16A、16B側に差し入れて、連結部材20の第2受面22に端面を当接させる。そして、溝型鋼52の外側に配置される第1挟持ボルト16Aを内側にねじ込んで、外部材12Bの内側面と第1挟持ボルト16Aの先端面とで、溝型鋼52の一方側を挟持する。これにより、図5、6に示すように、連結固定具10により、H型鋼50と溝型鋼52とが連結固定される。最後に、第3挟持ボルト14Aにより、H型鋼50と溝型鋼52の両方を挟持し締結して、充分な固定強度とする。
本実施形態の連結固定具10によれば、連結固定具10を一方の被固定物であるH型鋼50に取り付けることにより、他方の被固定物である溝型鋼52を支持する受部(上記の例では第2受面22)を構成することができる。したがって、この受部に他方の被固定物を仮置きすることができ、連結固定作業を容易に行うことができる。
また、本実施形態の連結固定具10は、連結部材20に複数の受面が構成されているので、この受面と被固定物とを当接させることにより、複数の被固定物同士の位置決めを容易に行うことができる。上記の例では、互いに直交する第2受面22と第4受面24の2面により、H型鋼50と溝型鋼52とを直交方向に配置することができる。
また、本実施形態では、第3締結ボルト17A、17Bにより、H型鋼50と溝型鋼52の両方が挟持締結されているので、確実に連結固定を行うことができる。
なお、本実施形態では、被固定物同士が直交するように連結固定を行ったが、連結部材20の他の受面を用いて、複数の被固定物同士が他の角度で交差するように連結することもできる。例えば、図7に示すように、1つの連結固定具10の第1受面21と、他の連結固定具10の第3受面23を用いて、H型鋼50と溝型鋼52とを45°の角度で連結固定することもできる。連結部材20に構成する受面については、被固定物同士の交差角度に応じて、適宜、変更して構成することもできる。
また、本実施形態では、締結ボルトを3本としたが、締結ボルトは3本で有る必要はなく、2本でも、4本以上であってもよい。
2本の締結ボルトで挟持する場合には、例えば、図8に示す連結固定具30のように構成することができる。連結固定具30は、連結固定具10の外部材12に対応する外部材32が、外部材12のボルト穴14A、14Bが構成される角部、及び、連結部材20側の角部を取り去った形状とされている。そして、連結部材20に対応する連結部材34は、互いに直交する受面35、36、及び受面35と受面36の間の受面37を備えている。連結固定具30によれば、より簡単な構成で、2つの被固定物を連結固定することができる。
また、4本の締結ボルトで挟持する場合には、図9に示す連結固定具40のように構成することができる。連結固定具40は、連結固定具10の外部材12に対応する外部材42が、外部材12のボルト穴13A、13Bが構成される側を延長して平面長方形状とされている。そして、連結部材20に対応する連結部材44は、互いに直交する受面45、46、及び受面45と受面46の間の受面47を備えている。連結固定具40によれば、締結軸を4本として、より強固に連結固定を行うことができる。
また、本実施形態では、複数の被固定物を互いに交差して連結固定する例について説明したが、複数の被固定物を突き合わせて、突き合わせ固定する際にも、本発明の連結固定具を用いることができる。図10には、H型鋼50に他のH型鋼54を突き合わせ固定する例が示されている。この場合にも、交差して連結固定する場合と同様にしてH型鋼50の2つのフランジ部に各々連結固定具10を取り付け、H型鋼54のフランジ部の端部を固定空間Rに配置して、連結固定することができる。
本発明の実施形態に係る連結固定具の構成を示す斜視図である。 本発明の実施形態に係る連結固定具を連結部材第4受面側からみた側面図である。 本発明の実施形態に係る連結固定具が、H型鋼に取り付けられる前の状態を示す斜視図である。 本発明の実施形態に係る連結固定具が、H型鋼に取り付けられた状態を示す斜視図である。 本発明の実施形態に係る連結固定具によって、H型鋼と溝型鋼とが直交方向に交差して連結固定された状態を示す斜視図である。 本発明の実施形態に係る連結固定具によって、H型鋼と溝型鋼とが直交方向に交差するよう連結固定された状態を側方からみた説明図である。 本発明の実施形態に係る連結固定具によって、H型鋼と溝型鋼とが斜めに交差するように連結固定された状態を側方からみた説明図である。 本発明の実施形態の変形例に係る連結固定具によって、H型鋼と溝型鋼とが連結固定された状態を側方からみた説明図である。 本発明の実施形態の他の変形例に係る連結固定具によって、H型鋼と溝型鋼とが連結固定された状態を側方からみた説明図である。 本発明の実施形態に係る連結固定具によって、H型鋼とH型鋼とが突き合わせにより連結固定された状態を示す斜視図である。
符号の説明
10 連結固定具
12 外部材
16A、16B 第1挟持ボルト
17A、17B 第3挟持ボルト
18A、18B 第2挟持ボルト
20 連結部材
21 第1受面
22 第2受面
23 第3受面
24 第4受面
25 第5受面
32 外部材
34 連結部材
35 受面
36 受面
37 受面
42 外部材
44 連結部材
45 受面
46 受面
47 受面
R 固定空間

Claims (5)

  1. 互いに離間して対向配置され各々対向する面の間に固定空間を構成する一対の外部材と、
    前記一対の外部材の間に配置され、前記外部材を連結すると共に前記対向方向と直交する方向に平坦な受面の構成された連結部材と、
    前記一対の外部材の各々の対向する位置で前記外部材を各々貫通し、前記一対の外部材の各々の対向方向の外側から内側に向かってねじ込まれ、先端面で前記固定空間に配置される1の被固定物を挟持する一対の第1挟持ねじと、
    前記連結部材から前記第1挟持ねじへ向かう直線から外れた位置に設けられ、前記一対の外部材の各々の対向する位置で前記外部材を各々貫通し、前記一対の外部材の各々の対向方向の外側から内側に向かってねじ込まれ、各々の先端面で前記固定空間に配置される他の被固定物を挟持する一対の第2挟持ねじと、
    を備えた連結固定具。
  2. 前記一対の外部材の各々の対向する位置で前記外部材を各々貫通し、前記一対の外部材の各々の対向方向の外側から内側に向かってねじ込まれ、前記1の被固定物と他の固定物の両方を先端面で挟持する第3挟持ねじを備えたこと、を特徴とする請求項1に記載の連結固定具。
  3. 前記外部材は角板形状とされ、前記連結部材が前記一対の外部材の1の第1角部を連結するように配置されていること、を特徴とする請求項1または請求項2に記載の連結固定具。
  4. 前記第1挟持ねじは一対の外部材の前記連結部材の配置された角部と異なる第2角部に配置され、前記第2挟持ねじは前記第1角部及び前記第2角部と異なる第3角部に配置されていること、を特徴とする請求項3に記載の連結固定具。
  5. 前記受面は、互いに直交する方向で少なくとも2面構成されていること、を特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の連結固定具。
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