JPH1043887A - 溶接用タブ装置 - Google Patents

溶接用タブ装置

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JPH1043887A
JPH1043887A JP20147396A JP20147396A JPH1043887A JP H1043887 A JPH1043887 A JP H1043887A JP 20147396 A JP20147396 A JP 20147396A JP 20147396 A JP20147396 A JP 20147396A JP H1043887 A JPH1043887 A JP H1043887A
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welding
tab
welded
copper
joint
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Mineichi Konno
峰一 今野
Isao Sato
勲 佐藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】従来の鋼製タブを使用する場合に比べて材料的
および作業的な無駄を大幅に低減して低コスト化が図れ
るとともに、仮溶接等も省略して溶接品質の信頼性向上
等も有効的に図れる溶接用タブ装置を提供する。 【解決手段】鉄骨材の溶接によりT継手、十字継手その
他の交差形継手を形成する際に、被溶接材21a,21
bの溶接方向に沿う端部に設けられる溶接用タブ装置で
あって、被溶接材の端部に着脱具可能に取付けられる支
持金具27,47と、この支持金具に支持されて被溶接
材の端部に当接し、溶接面と面一となる表面を有する銅
製タブ28,48とを備えた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、鉄骨材の溶接によ
りT継手、十字継手その他の交差形継手を形成する際
に、溶接端部の品質保持のために適用される溶接用タブ
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来よく知られているように、建築物の
鉄骨を構成する柱や梁等に対しては、複数の長形板材を
溶接することによってT継手、I継手、あるいは十字継
手等に形成したものが多用されている。
【0003】図5および図6は、このような溶接継手の
構成例を示したものである。図5はI形継手を示してお
り、この継手は1枚の鉄骨材1の両端縁にそれぞれ他の
鉄骨材2,3を隅肉溶接の溶接部4によって接合し、I
形に構成したものである。図6は十字継手を示してお
り、この継手は1枚の鉄骨材5の中央部両側面に他の鉄
骨材6,7を隅肉溶接の溶接部4によって接合し、さら
に各鉄骨材5,6,7の先端縁にそれぞれ別の鉄骨材
8,9,10,11を隅肉溶接の溶接部12によってT
字継手状に接合したものである。
【0004】ところで、このような継手溶接に際して
は、鉄骨材の溶接方向に沿う両端部が開放状態である
と、溶接始端部(スタート部)および終端部(エンド
部)で溶接欠陥が発生するため、一般にこれを防止する
目的で溶接端部に品質保持用の溶接部延長用の当金とし
て鋼製タブが接合される。
【0005】図7はT継手溶接における鋼製タブを例示
したものである。すなわち、被溶接材13,14と略同
様の肉厚および材質の板材を用意し、これを被溶接材と
同様に組立てて溶接によりT字形の鋼製タブ15をつく
り、これを溶接に先立って被溶接材13,14の溶接方
向のスタート部およびエンド部に仮溶接等によって接合
する。溶接時には、この鋼製タブ15をも含めて溶接を
行い、被溶接材13,14の端部から鋼製タブ15に亘
る溶接部16を形成して、欠陥をタブ材の範囲内におさ
めるようにする。これによってスタート部およびエンド
部の品質劣化を防止するものである。溶接後は、この鋼
製タブをガス切断等によって切除し、さらに被溶接材1
3,14の端面の溶接残部をグラインダーによって削り
落とし、仕上げ加工を行う。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上述した鋼
製タブを適用する従来の技術においては、種々の問題が
ある。
【0007】まず、被溶接材と略同一の材質および厚さ
の板材を用意し、これを組立てることにより継手に合っ
た形状の鋼製タブとする必要がある。この鋼製タブは溶
接後に切除して廃棄するものであるから、材料コストの
大きい無駄を生じる。次に、この鋼製タブは被溶接材の
スタート部およびエンド部に仮溶接しなければならない
ので、後に切除すべき部材を組付け、溶接するという余
分な手間を要する。そして、この仮溶接は鋼製タブの位
置ずれや脱落を防止する目的から、部分的な溶接を比較
的短時間で行うことになるが、急熱や急冷を与えると金
属組織の変化、例えば硬化等を招き、被溶接材の母材に
悪影響を及ぼす可能性がある。このため、加熱や冷却に
は十分な注意を必要とし、それだけ作業能率が低下せざ
るを得ない。
【0008】さらに、溶接後に鋼製タブをガス切断する
作業については、母材の損傷防止の必要から、鋼製タブ
を例えば5〜10mm程度残した状態でガス切断等を行わ
なければならないが、このガス切断作業にも面倒で必要
以上の手間を要する。すなわち、ガス切断量の不足によ
りタブ材の残部が多くなると、その後のグラインダーに
よる仕上げ量が多くなり、逆に過度に切断してタブ材の
残部が少ない場合には母材本体にガスノッチが入るおそ
れがある。したがって、このガス切断作業にも非常に多
くの注意や手間を要するため、困難な作業となる。そし
て、最終的なグラインダー仕上げについても、被溶接材
と略同厚のタブ材を研削するため作業範囲が広く、これ
をスタート部やエンド部の端面が揃うまで丁寧に行わな
ければならず、この作業にも長時間が費やされる。
【0009】このように、従来の鋼製タブを使用した継
手溶接においては、仮溶接における材質変化に注意した
り、余分な材料コストや作業労力を要し、年間を通して
積算した場合には極めて多くの無駄が生じることにな
る。
【0010】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
もので、従来の鋼製タブを使用する場合に比べて材料的
および作業的な無駄を大幅に低減して低コスト化が図れ
るとともに、仮溶接等も省略して溶接品質の信頼性向上
等も有効的に図れる溶接用タブ装置を提供することを目
的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
めに、請求項1の発明は、鉄骨材の溶接によりT継手、
十字継手その他の交差形継手を形成する際に、被溶接材
の溶接方向に沿う端部に設けられる溶接用タブ装置であ
って、前記被溶接材の端部に着脱具可能に取付けられる
支持金具と、この支持金具に支持されて前記被溶接材の
端部に当接し、溶接面と面一となる表面を有する銅製タ
ブとを備えたことを特徴とする。
【0012】請求項2の発明は、請求項1記載の溶接用
タブ装置において、支持金具は溶接部を跨ぐ配置で被溶
接材の端部表面に配置される2本のアームを有し、かつ
前記支持金具の被溶接材に対する取付け手段は前記各ア
ームに固定された磁石であることを特徴とする。
【0013】請求項3の発明は、請求項1または2記載
の溶接用タブ装置において、銅製タブは円柱状材料の外
周面部に軸心と平行にV溝を形成したものであり、その
V溝の角度は被溶接材の表面の接合角度と同一角度に設
定されており、かつ前記銅製タブは支持金具に設けた断
面円弧状のタブ受け部に着脱または姿勢変化可能に支持
されていることを特徴とする。
【0014】請求項4の発明は、請求項1から3までの
いずれかに記載の溶接用タブ装置において、銅製タブ内
には水その他の冷却媒体を流通させる冷却流路が形成さ
れていることを特徴とする。
【0015】請求項5の発明は、請求項4記載の冷却流
路を有する銅製タブを溶接部のエンド部に配置するとと
もに、冷却流路を有しない銅製タブを溶接部のスタート
部に配置し、かつ前者を後者よりも長い寸法としたこと
を特徴とする。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る溶接用タブ装
置の一実施形態について図面を参照して説明する。な
お、本実施形態では、T継手の溶接に適用した場合につ
いて説明する。
【0017】図1は、スタート部用のタブ装置およびエ
ンド部用のタブ装置の両方を使用した溶接状態を示し、
図2はスタート部用のタブ装置を拡大して示している。
また、図3はエンド部用のタブ装置を拡大して示し、図
4は溶接後の切断状態を示している。
【0018】図1に示すように、本実施形態では鉄骨材
である2枚の被溶接材21a,21bを例えば略90°
の角度で接合して、サブマージドアーク溶接等によりT
継手を形成するようにしており、同図に仮想線で示すよ
うに、被溶接材21a,21bの長手方向に沿って溶接
部22が形成される。溶接の際には、被溶接材21a,
21bの溶接始端部(スタート部)23および溶接終端
部(エンド部)24に、それぞれスタート部用のタブ装
置25およびエンド部用のタブ装置26が据付けられ
る。
【0019】スタート部用のタブ装置25は図2に拡大
して示すように、被溶接材21a,21bのスタート部
23側の端部に着脱具可能に取付けられる支持金具27
と、この支持金具27に支持されて被溶接材21a,2
1bの端面に当接する銅製タブ28とを備えて構成され
る。
【0020】支持金具27は2本のアーム29と、これ
らのアーム29を連結するタブ受け部30とを有する。
各アーム29は溶接部22を跨ぐ配置で被溶接材21
a,21bのスタート部23の表面23a,23bにそ
れぞれ配置されるようになっており、比較的幅狭な長尺
鉄板により例えば直線的に構成され、タブ受け部30と
の接合部分となる基端側では被溶接材21a,21bの
長手方向端面23cと平行になるように略L形に折曲し
ている。これらの各アーム29の先端側から基端側まで
の一側面側に、被溶接材に対する取付け手段として、厚
板状の磁石(永久磁石)31がそれぞれ取付け具、例え
ばボルト・ナット32および図示しない台金等によって
交換可能に固定されている。そして、磁石31の表面は
平滑面とされ、被溶接材21a,21bの表面23a,
23bに磁力によって着脱可能に密着できるようになっ
ている。
【0021】タブ受け部30は、各アーム21a,21
bの基端部に溶接された幅広な1対の平板部30a,3
0bと、これらの平板部30a,30bに一体に形成さ
れた湾曲部30cとからなっている。平板部30a,3
0bは、各アーム21a,21bに段差をもって略平行
となっており、互いに略90°の交差角度で離間して、
それらの一端が被溶接材21a,21bの端面23cに
当接するようになっている。また、湾曲部30cは、平
板部30a,30bの間で凹部をなすように略半円弧状
に湾曲しており、その凹部に銅製タブ28を着脱可能に
嵌め込んで支持できるようになっている。
【0022】一方、銅製タブ28は、円柱状銅材の外周
面部に、軸心と平行にV溝33を形成したものであり、
この銅製タブ28は支持金具27のタブ受け部30と略
同一長さで、そのタブ受け部30の湾曲部30cの凹部
内面と略同一径とされている。これにより、銅製タブ2
8は支持金具27に着脱可能に、また周方向スライド等
によって姿勢変化可能となっている。また、V溝33の
角度は、被溶接材21a,21b同士の表面23a,2
3bの接合角度と略同一角度に設定されている。そし
て、銅製タブ28を被溶接材21a,21bに支持させ
た状態では、図2に仮想線で示すように、銅製タブ28
の一端を被溶接材21a,21bの端部に当接させ、被
溶接材21a,21bの表面23a,23bとV溝33
の表面とを一致させた状態とすることができる。なお、
被溶接材21a,21bの接合角度が種々異なる場合に
は、予めそれに対応したV溝33を有する銅製タブ28
を複数種類用意しておくことが可能である。
【0023】なお、各図においては、本実施形態のタブ
装置25,27の形状が見やすいように、一方の被溶接
材21aが水平、他方の被溶接材21bが垂直となる姿
勢で示したが、実際にサブマージドアーク溶接器を使用
して溶接を行う場合にはスラグが安定するように、各図
の状態から奥側に略45°傾け、被溶接物21a,21
bの接合部および銅製タブ28のV溝33が鉛直上向き
となる姿勢にすることが望ましい。この姿勢について
は、各種溶接に応じて任意に設定することができ、その
場合には銅製タブ28も角度変化させてV溝33の向き
を調整させることができる。
【0024】次に、図1および図3によってエンド部用
のタブ装置25について説明する。このエンド部用のタ
ブ装置25も、基本的にはスタート部用のタブ装置25
と略同様の構成とされているが、エンド部側ではスター
ト部側と異なり溶接の進行に伴って被溶接材21a,2
1bに熱が蓄積されて高温となることから、エンド部用
のタブ装置25には放熱性を高める機能が付加されてい
る。
【0025】すなわち、エンド部用のタブ装置25も、
被溶接材21a,21bのエンド部24側の端部に着脱
具可能に取付けられる支持金具47と、この支持金具4
7に支持されて被溶接材21a,21bの端面に当接
し、溶接面と面一となる表面を有する銅製タブ48とを
備えて構成されるが、これらの全体の長さ寸法が、スタ
ート部用のタブ装置25の場合よりも大きく設定されて
放熱面積が拡大されている。
【0026】支持金具47は、2本のアーム49と、こ
れらのアーム49を連結するタブ受け部50とを有し、
各アーム49は溶接部22を跨ぐ配置で被溶接材21
a,21bのエンド部24の表面24a,24bにそれ
ぞれ配置される。各アーム49の先端側から基端側まで
の一側面側には被溶接材21a,21bに対する取付け
手段として、厚板状の磁石(永久磁石)51がそれぞれ
直列に2個づつボルト・ナット52および図示しない台
金等によって交換可能に固定されている。
【0027】タブ受け部50は、各アーム21a,21
bの基端部に溶接された幅広な1対の平板部50a,5
0bと、これらの平板部50a,50bに一体に形成さ
れた湾曲部50cとからなっている。平板部50a,5
0bは、各アーム21a,21bに段差をもって略平行
に配置され、互いに略90°の交差角度で離間してお
り、それらの一端が被溶接材21a,21bの端面24
cに当接するようになっている。また、湾曲部50c
は、平板部50a,50bの間で凹部をなすように略半
円弧状に湾曲しており、その凹部に銅製タブ48を着脱
可能に嵌め込んで支持できるようになっている。
【0028】一方、銅製タブ48は、円柱状銅材の外周
面部に、軸心と平行にV溝53を形成するとともに、内
部に水その他の冷却媒体を流通させる冷却流路54を形
成したものとされている。この銅製タブ48は支持金具
47のタブ受け部50よりも長く、またタブ受け部50
の湾曲部50cの凹部内面と略同一径とされている。そ
して、このV溝53の角度は、被溶接材21a,21b
同士の表面24a,24bの接合角度と略同一角度に設
定されている。そして、銅製タブ48を被溶接材21
a,21bに支持させた状態では、図2に仮想線で示す
ように、銅製タブ48の一端を被溶接材21a,21b
の端部24cに当接させ、被溶接材21a,21bの表
面とV溝53の表面とを一致させた状態とすることがで
きる。また、銅製タブ48の端部には冷却流路に接続さ
れる接続管55が設けられ、図1に示すように、この接
続管に冷却媒体給排用のホース56が接続される。
【0029】本実施形態による溶接用タブ装置を使用し
て継手溶接を行う場合には、図1に示すように、まず溶
接準備作業として、鋼板からなる被溶接材21a,21
bのスタート部23およびエンド部24にスタート部用
タブ装置25およびエンド部用タブ装置26をそれぞれ
取付ける。これらの各タブ装置25,26の取付けに際
しては、各アーム29,49の被溶接材21a,21b
の表面23a,23b,24a,24bに溶接位置を跨
ぐ配置で搭載し、磁石31,31の吸着力によって固定
させることで行える。この場合、タブ受け部30,50
の端部を被溶接材21a,21bの端面23c,24c
にそれぞれ当接させるとともに、各銅製タブ28,48
も被溶接材21a,21bの端面23c,24cにそれ
ぞれ当接させ、これらの銅製タブ28,48のV溝3
3,53の表面を、被溶接材21a,21bの表面23
a,23b,24a,24bにそれぞれ一致させる。な
お、エンド部用タブ装置26の銅製タブ53内の冷却流
路54には冷却媒体として水等を供給する。
【0030】次に溶接時には、図示しない溶接機のトー
チをスタート部用タブ装置25の銅製タブ28のV溝3
3上まで導き、その位置で溶接機の通電を行って溶接作
業を開始する。そして、その状態から溶接機を移動させ
て被溶接材21a,21bのスタート部23の端部から
被溶接材21a,21bの長手方向全体に対する溶接を
行い、エンド部24を経た後さらにエンド部用タブ装置
26の銅製タブ48のV溝53上まで溶接を行い、その
後溶接機の移動および溶接通電を停止する。以上の溶接
作業において、各タブ装置25,26の上面側は開放状
態にあるので、溶接作業の進行上なんら不具合を生じる
ことはない。また、溶接部22はスタート部用タブ装置
25の銅製タブ28から、エンド部用タブ装置26の銅
製タブ48までに亘って溶接されるが、各銅製タブ2
8,48に対しては鉄材料が固着しないことから、銅製
タブ28,48と溶接部22とは非溶接状態で存在して
いる。なお、エンド部用タブ装置26の銅製タブ48の
高熱化は、その銅製タブ48内への冷却媒体の流通によ
って避けられる。
【0031】溶接作業終了後は、各タブ装置25,26
を被溶接材21a,21bから取外す。この場合、各タ
ブ装置25,26の支持金具27,47は磁石31,5
1の磁力によって被溶接材21a,21bに吸着固定さ
れているだけであるから、支持金具27,28を傾けて
磁石31,51を被溶接材21a,21bから離脱させ
た後、外方に引出すことで容易に取外すことができる。
なお、銅製タブ28,48が溶接部22と接着した状態
にあるときは、支持金具27,47を取外した後に銅製
タブ28,48を軽く叩く等により取外すことができ
る。
【0032】図4は、このようにして各タブ装置25,
26を被溶接材21a,21bから取外した状態を示し
ている。この図4に示すように、支持金具27,47を
取外した状態では、スタート部23(およびエンド部2
4)に溶接部22が突出している。そこで、この溶接部
22の突出部分22aをグラインダー57などで削り落
とし、その後端面の仕上げを行う。
【0033】以上の実施形態によれば、各タブ装置2
5,26を治具として予め備えておき、溶接時にはこれ
らのタブ装置25,26を被溶接材21a,21bに搭
載するだけで容易に装着することができるとともに、溶
接終了後は簡単に取外すことができる。したがって、溶
接準備作業および溶接後の処理作業が極めて容易とな
り、作業時間が大幅に短縮できるうえ、銅製タブ28,
48は比較的損傷が少なく耐用寿命が長いので多数回の
繰返し使用が可能である。よって従来の鋼製タブを使用
する場合と異なり、材料コストが大幅に低減できるとと
もに、タブの組立てや仮溶接、切断等の大掛かりな作業
も省略でき、作業労力の低減、作業能率の向上、作業コ
ストの低減等も大幅に向上できる。
【0034】また、本実施形態の溶接用タブ装置を使用
した場合には、従来の鋼製タブを使用する場合と異なり
仮溶接等を必要としないので、仮溶接の際に生じる急熱
や急冷がなく、被溶接材21a,21bの母材の金属組
織の変化、例えば硬化等を招くこともない。加えて従
来、溶接後に鋼製タブをガス切断する作業については、
ガス切断量の不足によりタブ材の残部が多くなってグラ
インダーによる仕上げ量が多くなったり、逆に過度に切
断してタブ材の残部が少ない場合には母材本体にガスノ
ッチが入るおそれがあったところ、本実施形態の場合に
はそのようなおそれも全く生じない。したがって、溶接
用タブ装置の改善によって仮溶接やその部分の切断等の
作業を不要としたことで、結果的に溶接品質の信頼性向
上が極めて有効的に図れるという利点も得られる。しか
も、本実施形態によれば、溶接後に残る切断箇所は溶接
部22の突出部分22aのみであるから、その切断作業
については例えば従来の1/10程度まで大幅に低減す
ることができる。
【0035】さらに、本溶接の際にはタブ装置25,2
6の溶接方向に沿う特別大きい外力が作用しないことか
ら、被溶接材21a,21bに当接している銅製タブ2
8,48は磁石28,48による吸着力で十分に定位置
に保持でき、脱落等のおそれなく溶接作業を円滑かつ確
実に行える。さらにまた、本実施形態の各タブ装置2
5,26では、磁石28,48を取付けた2本づつのア
ーム29,49が溶接部22を跨ぐ配置で被溶接材21
a,21bに取付けられ、上側が開放状態となっている
ので、溶接作業は極めて容易にかつ円滑に行え、また装
置構成も比較的簡単で製作および使用が容易に行える。
【0036】このように本実施形態によれば、上述した
機能に基づいて従来の鋼製タブを使用した継手溶接で生
じていた仮溶接による余分な材料コストや作業労力を削
減でき、年間を通して積算した場合には極めて多くの利
点が得られるものとなる。
【0037】なお、以上の実施形態では最も望ましい実
施の状態について説明したが、本発明はこれに限定され
るものではない。例えばスタート部用タブ装置25およ
びエンド部用タブ装置26の両方の銅製タブ28,48
とも、冷却流路を有するものとしてもよい。また逆に冷
却流路を有しない銅製タブのみを使用することもでき
る。また、銅製タブの断面形状や支持金具の形状等につ
いても、溶接の種類等に応じて適宜変形することができ
る。
【0038】
【発明の効果】以上で詳述したように、本発明に係る溶
接用タブ装置によれば、従来の装置と比較して、材料的
および作業的な無駄を大幅に低減して低コスト化が図れ
るとともに、仮溶接等も省略して溶接品質の信頼性向上
等も有効的に図れる等の優れた効果が奏される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る溶接用タブ装置の一実施形態を示
すもので、スタート部用のタブ装置およびエンド部用の
タブ装置の両方を使用した溶接状態を示す斜視図。
【図2】前記実施形態におけるスタート部用のタブ装置
を拡大して示す斜視図。
【図3】前記実施形態におけるエンド部用のタブ装置を
拡大して示す斜視図。
【図4】前記実施形態における溶接後の切断状態を示す
斜視図。
【図5】本発明が適用される継手の一例を示す斜視図。
【図6】本発明が適用される継手の他の例を示す側面
図。
【図7】従来例としてT継手溶接における鋼製タブを例
示した説明図。
【符号の説明】
21a,21b 被溶接材 22 溶接部 23 スタート部 24 エンド部 25 スタート部用のタブ装置 26 エンド部用のタブ装置 27,47 支持金具 28,48 銅製タブ 29,49 アーム 30,50 タブ受け部 31,51 磁石 32,52 ボルト・ナット 30c,50c 湾曲部 30a,30b,50a,50b 平板部 33,53 V溝 54 冷却流路

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鉄骨材の溶接によりT継手、十字継手そ
    の他の交差形継手を形成する際に、被溶接材の溶接方向
    に沿う端部に設けられる溶接用タブ装置であって、前記
    被溶接材の端部に着脱具可能に取付けられる支持金具
    と、この支持金具に支持されて前記被溶接材の端部に当
    接し、溶接面と面一となる表面を有する銅製タブとを備
    えたことを特徴とする溶接用タブ装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の溶接用タブ装置におい
    て、支持金具は溶接部を跨ぐ配置で被溶接材の端部表面
    に配置される2本のアームを有し、かつ前記支持金具の
    被溶接材に対する取付け手段は前記各アームに固定され
    た磁石であることを特徴とする溶接用支持金具。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の溶接用タブ装置
    において、銅製タブは円柱状材料の外周面部に軸心と平
    行にV溝を形成したものであり、そのV溝の角度は被溶
    接材の表面の接合角度と同一角度に設定されており、か
    つ前記銅製タブは支持金具に設けた断面円弧状のタブ受
    け部に着脱または姿勢変化可能に支持されていることを
    特徴とする溶接用タブ装置。
  4. 【請求項4】 請求項1から3までのいずれかに記載の
    溶接用タブ装置において、銅製タブ内には水その他の冷
    却媒体を流通させる冷却流路が形成されていることを特
    徴とする溶接用タブ装置。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の冷却流路を有する銅製タ
    ブを溶接部のエンド部に配置するとともに、冷却流路を
    有しない銅製タブを溶接部のスタート部に配置し、かつ
    前者を後者よりも長い寸法としたことを特徴とする溶接
    用タブ装置。
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