JP4943747B2 - 鋼管柱の柱脚構造及び建方方法 - Google Patents

鋼管柱の柱脚構造及び建方方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4943747B2
JP4943747B2 JP2006175957A JP2006175957A JP4943747B2 JP 4943747 B2 JP4943747 B2 JP 4943747B2 JP 2006175957 A JP2006175957 A JP 2006175957A JP 2006175957 A JP2006175957 A JP 2006175957A JP 4943747 B2 JP4943747 B2 JP 4943747B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
column
steel
steel pipe
plate
base
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2006175957A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2006348739A (ja
Inventor
秀男 吉村
明 出口
安美 外園
泰弘 竹口
徹 田中
勉宏 関
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Takenaka Corp
Original Assignee
Takenaka Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Takenaka Corp filed Critical Takenaka Corp
Priority to JP2006175957A priority Critical patent/JP4943747B2/ja
Publication of JP2006348739A publication Critical patent/JP2006348739A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4943747B2 publication Critical patent/JP4943747B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Joining Of Building Structures In Genera (AREA)

Description

本発明は、鋼管柱の柱脚構造及び建方方法に関するものであり、より詳細には、傾斜した円形断面の鋼管柱を支持する柱脚構造及び該鋼管柱の建方方法に関するものである。
鋼構造建築物又は土木構造物として、H形鋼、構造用角形鋼管又は構造用円形鋼管(鋼製丸パイプ材)を柱として使用した構造のものが知られている。円形鋼管は、円形断面を有し、曲げモーメント及び剪断力等の外力に対して等方性の性能又は剛性を有することから、H形鋼材又は角形鋼管と比べて部材断面積を低減し得る点において一般に有利である。他方、通常の構造物の通り芯は直交座標系を構成するので、等方性断面(円形断面)を有する円形鋼管は、角形鋼管や、H形鋼材等に比べ、位置、方向及び角度の施工精度を所望の如く確保し難く、施工性の点において難点がある。
従来の円形鋼管柱の建方は、円形鋼管をベースプレート上の所定位置に位置決めし、円形鋼管の柱脚部をベースプレートに溶接する方法を採用したものであるが、円形鋼管の軸芯部を直に目視することができないことから、ベースプレート上に予めケガキした指標に対して円形鋼管の柱脚部を外側から目視調整しながら位置決めし、柱脚部をベースプレートに溶接する方法が一般に採用されている。
角形鋼管又は円形鋼管の柱の建方方法として、十字形鋼材をコンクリート基礎に予め埋込み、十字形鋼材の上部をコンクリート基礎の上面から所定長だけ鉛直上方に突出させ、十字形鋼材を鋼管の柱脚部に挿入して鋼管柱をコンクリート基礎上に建込む建方方法が、実用新案登録第3031780号公報に記載されている。
また、相対的に傾斜角を有する円形鋼管同士の接合方法として、段差部を備えた継手板を予め各鋼管の仕口端に溶接し、段差部が互いに整合するように鋼管の継手板同士を突付けて鋼管同士を接合する鋼管接合方法が特開平11−190062号公報に記載されている。
更に、円形断面の鋼管の仕口端に予めスリットを形成し、ブラケット等の平板をスリット内に挿入して鋼管及び平板を接合する鋼管接合方法が知られている(特開昭63−251610号公報、特開平8−333803号公報)。
実用新案登録第3031780号公報 特開平11−190062号公報 特開昭63−251610号公報 特開平8−333803号公報
近年、立体トラス構造又は単層ラチス構造の中規模又は大規模シェルが、比較的多くの鋼構造建築物において採用される傾向がある。この種の建築物では、構造用円形鋼管の柱を傾斜方向に設置した設計例が比較的多く観られる。
しかしながら、上記特許文献1(実用新案登録第3031780号公報)に記載された如く、予めコンクリート基礎に突設した鉛直鋼材を鋼管の柱脚部に挿入する方式の柱脚構造及び建方方法は、傾斜した円形鋼管柱の建方には採用することができない。
また、上記特許文献2(特開平11−190062号公報)に記載された鋼管の仕口端同士の接合方法は、傾斜した鋼管同士の接合には採用し得たとしても、鋼管とベースプレートとの接合には適用し難い。
更に、上記特許文献3及び4(特開昭63−251610号公報、特開平8−333803号公報)に記載されたように、鋼管の仕口端にスリットを形成する方法は、柱及び梁の接合部の如く、軸組部材同士の接合構造において採用される鋼管の接合方法であるにすぎず、円形鋼管柱の柱脚構造及び建方方法として使用されるものではない。
このため、傾斜した円形鋼管柱の施工には、前述の如く、ベースプレート上にケガキ線等の指標をマーキングし、指標に対して円形鋼管の柱脚部を目視調整しながら所望の位置に位置決めし、柱脚部をベースプレートに溶接する建方方法が一般に採用されてきた。
図9は、このような建方方法に従って鋼管11、12をベースプレート1に固定した従来の柱脚構造が示されている。
鋼管11、12の仕口部(柱脚部)15は、全周に亘ってベースプレート1の水平面3に接触する小口面(切断面)を有し、仕口部15は、水平面3に隅肉溶接され、溶接金属20によってベースプレート1に一体的に接合される。このような柱脚構造の鋼管11、12の施工においては、ベースプレート1にケガキ線等をマーキングし、ケガキ線等に対して仕口部15のX方向位置及びY方向位置を位置決めした後、鋼管11、12の方向及び角度を定め、建ち精度を調整した上で仕口部15をベースプレート1に隅肉溶接する。しかしながら、このような柱脚構造では、仕口部15を位置決めする基準がベースプレート1の水平面3のみであるので、傾斜した柱10(鋼管11、12)の位置、方向及び角度に誤差が生じ易い。
図10は、円形鋼管柱の他の柱脚構造を概略的に示す斜視図、平面図及び側面図である。
図10に示す柱脚構造では、方形の治具プレート2がベースプレート1上に垂直に固定される。治具プレート2は、平面視において鋼管11、12の中心軸線C1、C2と直交する方向(Y方向)に配向され、ベースプレート1の幅方向(Y方向)に延在する。治具プレート2の下端部は、ベースプレート1に隅肉溶接され、ベースプレート1に固定される。ベースプレート1及び治具プレート2は、鋼管11、12の仕口端を突付け可能な水平面3及び垂直面4を形成する。鋼管11、12の仕口部(柱脚部)15は、全周に亘ってベースプレート1及び治具プレート2の水平面3及び垂直面4に接触可能な小口面(切断面)を有する。仕口部15は、ベースプレート1及び治具プレート2に隅肉溶接され、溶接金属20によってベースプレート1及び治具プレート2に一体的に接合される。
このような柱脚構造では、鋼管11、12の方向及び仕口部15のX方向位置を治具プレート2によって比較的精度良く位置決めすることができるので、鋼管11、12の方向及び仕口部15のX方向位置は、建ち精度調整時に微調整を要するにすぎず、従って、図9に示す柱脚構造に比べ、柱10の方向及び建ち精度に誤差が生じ難い。しかし、仕口部15のY方向位置については、図9に示す柱脚構造の施工方法と同じく、ベースプレート1及び治具プレート2にケガキ線等をマーキングし、ケガキ線等に対して仕口部15のY方向位置を位置決めした後、鋼管11、12の建ち精度を調整し、仕口部15をベースプレート1及び治具プレート2に隅肉溶接しなければならず、柱10(鋼管11、12)の建ち精度に誤差が生じ易い。
従って、図9及び図10に示す柱脚構造及び建方方法では、傾斜した円形鋼管柱を高精度に建込むことが困難であり、しかも、このような柱脚構造及び建方方法は、ケガキ線等のマーキングや、建方時の建ち調整作業に依存したものであった。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、ケガキ線等のマーキングや、建方時の建ち調整作業に依存することなく、傾斜した円形鋼管柱を高精度且つ効率的に所望の建込み位置、角度及び方向に建込むことができる円形鋼管柱の柱脚構造及び建方方法を提供することにある。
本発明者は、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、近年の三次元レーザー切断技術の進歩により、鋼管柱の仕口端を高精度に切断するとともに、鋼管柱の柱脚部に上記構成のスリット(溝)を高精度に加工することが可能となった点に着目し、本発明を達成したものである。
本発明は、傾斜した円形鋼管柱をベースプレート上に固定する鋼管柱の柱脚構造において、
前記ベースプレート上に垂直に固定され且つ互いに交差する方向に延びる第1鋼製プレート及び第2鋼製プレートと、
前記第1鋼製プレートの垂直面及び前記ベースプレートの水平面に突付け可能な仕口端を形成した前記鋼管柱の柱脚部とを有し、
前記仕口端に開口し且つ前記第2鋼製プレートと平行に延びるスリットが前記柱脚部に形成され、
該スリットは、前記第2鋼製プレートの板厚と実質的に同一の幅を有し、
前記第2鋼製プレートを前記スリットに挿入するとともに、前記仕口端を前記垂直面及び水平面に突付け、前記垂直面、水平面及び第2鋼製プレートによって前記鋼管柱を位置決めし且つ該鋼管柱の角度及び方向を設定するようにしたことを特徴とする鋼管柱の柱脚構造を提供する。
柱として使用される構造用鋼管の肉厚は、約20mm程度に達するので、スリット幅と実質的に同じ板厚の鋼製プレートをスリット内に挿入することにより、鋼管を鋼製プレートによって位置決めし且つ配向することができる。また、高精度に切断し又は加工した柱脚部仕口端をベースプレート及び第1鋼製プレートの水平面及び垂直面に当接させることより、鋼管を位置決めし且つ配向することができる。即ち、鋼管の建込み位置、角度及び方向は、スリットと第2鋼製プレートとの係合又は嵌合、柱脚部仕口端とベースプレート上面との当接、柱脚部仕口端と第1鋼製プレートとの当接という三要素によって一意的に定められる。
従って、鋼管柱の建込み位置及び方向は、第1及び第2鋼製プレートの位置によって定まり、鋼管柱の角度(傾斜角度)は、柱脚部仕口端と上記垂直面及び水平面との突付けによって定まるので、ケガキ線等のマーキングや、建方時の建ち調整作業に依存することなく、鋼管柱を高精度且つ効率的に所望の建込み位置、角度及び方向に建込むことができる。なお、スリットの幅は、第2鋼製プレートと嵌合する寸法に設定され、或いは、建ち精度を微調整するためのクリアランスを第2鋼製プレートとの間に確保した寸法に設定される。
本発明は又、上記構成の柱脚構造を用いた鋼管柱の建方方法であって、
前記第2鋼製プレートの案内により前記柱脚部を前記ベースプレート上に設置し且つ前記垂直面に突付け、
前記仕口端を前記ベースプレート及び前記第1鋼製プレートに溶接するとともに、前記スリットの縁部に沿って前記鋼管柱を前記第2鋼製プレートに溶接することを特徴とする鋼管柱の建方方法を提供する。
このような建方方法によれば、第1及び第2鋼製プレートを予め固定したベースプレートを正確に位置決めした後、第2鋼製プレートを柱脚部のスリットに挿入しながら鋼管柱をベースプレート上に設置し、これにより、鋼管柱をベースプレート上に建込むことができる。鋼管柱の建込み位置、方向及び角度は、第1及び第2鋼製プレートの位置、鋼管の小口面と上記垂直面及び水平面との突付けによって定まるので、鋼管柱をベースプレート上に設置すると同時に鋼管柱の建方を実質的に完了することができる。
本発明の柱脚構造及び建方方法によれば、ケガキ線等のマーキングや、建方時の建ち調整作業に依存することなく、傾斜した円形鋼管柱を高精度且つ効率的に所望の建込み位置、角度及び方向に建込むことができる。
本発明の好適な実施形態によれば、第1及び第2鋼製プレートは、互いに直交する方向に延び、鋼管柱の中心軸線(軸芯)は、平面視において第1鋼製プレートと直交する。2本の鋼管柱の中心軸線が柱脚部付近で交差するV形の柱を建込むための十字形治具を第1及び第2鋼製プレートによって形成することができる。
本発明の好適な実施形態においては、一対の前記スリットが前記柱脚部に形成される。鋼管柱の柱脚部は、ベースプレート及び第1鋼製プレートに隅肉溶接され、スリットの縁部は、第2鋼製プレートに隅肉溶接される。スリット及び第2鋼製プレートを用いることにより、鋼管柱を固定するための溶接長が増大することから、隅肉溶接によって十分な柱脚強度を確保することができる。
本発明の更に好適な実施形態によれば、ベースプレートは、コンクリート基礎の上面から上方に突出する鋼製支持部材又は鋼製支持架台に固定される。本発明の柱脚構造においては、ベースプレートの施工精度は、鋼管柱の建込み位置、角度及び方向の精度に大きく影響する。このため、ベースプレートをコンクリート基礎面に直に設置せず、鋼製支持部材又は鋼製支持架台に固定することより、コンクリート基礎の打設に起因して生じ得るベースプレートの誤差をなくし、ベースプレートを精度良く設置することができる。所望により、ベースプレートは、建方完了後にコンクリートに埋設される。
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施例について詳細に説明する。
図1は、本発明に係る円形鋼管柱の柱脚構造を概略的に示す斜視図、平面図及び側面図であり、図2は、図1に示す柱脚構造の分解平面図、分解側面図及び分解斜視図であり、図3は、図1のI−I線における断面図である。
図1、図2及び図3には、V字形の柱10の柱脚構造が示されている。柱10は、鉛直方向に対して傾斜した一対の構造用円形鋼管11、12からなる。鋼管11、12は、ベースプレート1に固定され、ベースプレート1は、コンクリート基礎(図示せず)によって支持される。ベースプレート1は、平面視方形の厚肉鋼鈑からなり、基礎レベルに水平に配置される。
ベースプレート1上には、方形の治具プレート2が垂直に固定される。治具プレート2は、平面視において鋼管11、12の中心軸線C1、C2と直交する方向(Y方向)に配向され、ベースプレート1の全幅(Y方向寸法)に亘って延在する。治具プレート2の下端部は、ベースプレート1に隅肉溶接され、ベースプレート1に固定される。
方形の治具プレート5がベースプレート1上に更に固定される。治具プレート5は、治具プレート2の両側に垂直に配置され、図1(B)及び図2(A)に示すように、平面視において鋼管11、12の中心軸線C1、C2と平行な方向(X方向)に配向される。治具プレート5の一端は、治具プレート2に突付けられ、治具プレート2に隅肉溶接される。治具プレート5の他端は、ベースプレート1の縁部において終端する。
治具プレート2、5は、直交する垂直な十字形治具をベースプレート1上に一体的に形成する。ベースプレート1及び治具プレート2は、鋼管11、12の仕口端を突付け可能な水平面3及び垂直面4を形成する。図2に示す如く、鋼管11、12の仕口部(柱脚部)15は、三次元レーザー加工機によって予めレーザー切断されており、全周に亘って水平面3及び垂直面4に接触可能な小口面(切断面)16を仕口端に有する。仕口部15には又、治具プレート5を概ね嵌合状態に挿入可能な上下一対のスリット40が形成される。スリット40の一端は、鋼管11、12の小口面16に開口する。スリット40は、所定寸法に亘って中心軸線C1、C2と平行に延び、奥壁41(図2(C))において終端する。スリット40は、全長に亘って均一なスリット幅を有し、治具プレート2、5は、全域において均一な板厚を有する。
図3は、鋼管11、12の仕口部15をベースプレート1上にセットした状態を示す断面図である。
鋼管11、12の建方は、スリット40を治具プレート5に整合させ、スリット40内に治具プレート5を挿入するようにベースプレート1上に鋼管11、12を載置することにより、概ね完了する。仕口部15は、治具プレート5の垂直面6に摺接し又は遊嵌め状態に嵌装し、ベースプレート1上に案内される。鋼管11、12の小口面16は、水平面3及び垂直面4に突付けられ、スリット40の奥壁41は、治具プレート5の上縁及び端縁に近接し又は当接する。所望により、スリット幅は、治具プレート5の板厚よりも約1mm程度大きな寸法に設定され、スリット40の縁と治具プレート5との間には、僅かなクリアランス(片側約0.5mm程度)が形成される。このようなクリアランスを確保することにより、建方時に建ち精度を微調整することができる。所望により、スリット40及び治具プレート5が嵌合するようにスリット幅を設定しても良い。
このような柱脚構造によれば、ケガキ線等のマーキングを行うことなく、治具プレート2、5によって鋼管11、12の位置、方向及び角度を定め、鋼管11、12をベースプレート1上に精度良く位置決めすることができる。
鋼管11、12の仕口端は、ベースプレート1及び治具プレート2に隅肉溶接され、スリット40の縁は、治具プレート5に隅肉溶接される。かくして、鋼管11、12は、溶接金属20によってベースプレート1及び治具プレート2、5に剛接される。所望により、溶接金属20には、適当な余盛がなされる。スリット40及び治具プレート5の接合により、溶接長が大きく増大するので、十分な柱脚強度を隅肉溶接によって確保することができる。
図4、図5及び図6は、上記構成の柱脚構造を備えた建築物の基礎及び柱脚部を示す側面図、正面図及び平面図であり、図7は、図4〜図6に示す柱脚構造の斜視図である。また、図8(A)は、図4〜図7に示すベースプレートの平面図であり、図8(B)は、図4のII−II線におけるベースプレート支持架台の断面図である。
杭51及びコンクリート基礎52が施工され、水平鋼鈑53及び垂直鋼鈑54、55が基礎52内に埋設される。垂直鋼鈑54、55は、基礎52の上面から所定長だけ鉛直上方に突出し、鋼製支持部材又は鋼製支持架台を基礎52上に形成する。基礎52のコンクリートが打設され、垂直鋼鈑54、55は基礎52に堅固に支持される。治具プレート2、5を一体化したベースプレート1は、垂直鋼鈑54、55の上端に溶接される。鋼管11、12の建ち精度は、ベースプレート1の精度に概ね依存するので、垂直鋼鈑54、55に対するベースプレート1の位置及び方向を厳密に管理し、高い精度でベースプレート1を垂直鋼鈑54、55に固定することが望ましい。
前述の如く、鋼管11、12のスリット40を治具プレート5に整合させ、スリット40内に治具プレート5を挿入するように鋼管11、12をベースプレート1上に載置することにより、建込み作業は、概ね完了する。鋼管11、12の建ち精度は、スリット40及び治具プレート5のクリアランスの範囲内で微調整される。柱脚廻りにコンクリートが打設され、柱脚は、コンクリート基礎56内に埋設される。なお、コンクリート基礎56の上方には、例えば、床構造体57が施工される。
以上説明したとおり、傾斜した円形鋼管柱を構成する鋼管11、12は、治具プレート2、5を垂直に固定したベースプレート1上に設置される。治具プレート2、5は直交し、十字形治具をベースプレート1上に形成する。ベースプレート1及び治具プレート2は、鋼管11、12の柱脚部小口面16を突付け可能な水平面3及び垂直面4を形成する。鋼管11、12は、スリット40を備えた仕口部15を有する。スリット40は、小口面16に開口するとともに、治具プレート5と平行に延びる。スリット40は、治具プレート5の板厚と実質的に同一のスリット幅を有する。治具プレート5をスリット40に挿入し且つ小口面16を水平面3及び垂直面4に突付けることにより、鋼管11、12をベースプレート1上に位置決めするとともに、鋼管11、12の角度及び方向を設定することができる。
鋼管11、12の建込み位置及び方向は、治具プレート2、5の位置によって一意的に定まり、鋼管11、12の角度(傾斜角度)は、小口面16と水平面3及び垂直面4との突付けによって一意的に定まる。従って、ケガキ線等のマーキングや、建方時の建ち調整作業に依存することなく、鋼管11、12を高精度且つ効率的に所望の建込み位置、角度及び方向に建込むことができる。
以上、本発明の好適な実施例について詳細に説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の範囲内で種々の変形又は変更が可能であり、このような変形例又は変更例も又、本発明の範囲内に含まれるものであることは、いうまでもない。
例えば、上記実施例では、真円形断面の構造用円形鋼管に関して説明したが、本発明は、楕円形断面の鋼管の柱脚構造についても適用し得るものである。
また、上記実施例では、左右一対の鋼管11、12の柱脚構造について説明したが、傾斜した単一の鋼管を支持する柱脚構造に本発明を適用しても良い。
本発明は、傾斜した円形鋼管柱をベースプレート上に固定する鋼管柱の柱脚構造及び建方方法に適用される。本発明の技術は、レーザー加工機によって高精度に柱脚部を加工する技術と併用することにより、鋼管柱の建込み作業を大幅に効率化するとともに、鋼管柱の建方精度を大きく向上させる。従って、本発明は、鋼管柱を有する鋼構造物の柱脚構造及び建方方法として極めて有利である。
本発明に係る円形鋼管柱の柱脚構造を概略的に示す斜視図、平面図及び側面図である。 図1に示す柱脚構造の分解平面図、分解側面図及び分解斜視図である。 図1のI−I線における断面図であり、鋼管の柱脚部をベースプレート上にセットした状態が示されている。 図1〜図3に示す柱脚構造を備えた建築物の基礎及び柱脚を示す側面図である。 図4に示す基礎及び柱脚の正面図である。 図4及び図5に示す基礎及び柱脚の平面図である。 図4〜図6に示す基礎及び柱脚の斜視図である。 図8(A)は、図4〜図7に示すベースプレートの平面図であり、図8(B)は、図4のII−II線におけるベースプレート支持架台の断面図である。 従来の建方方法に従って円形鋼管柱をベースプレート上に固定した従来の柱脚構造が概略的に示す斜視図、平面図及び側面図である。 Y方向の鋼製プレート(第1鋼製プレート)のみを立設したベースプレート上に円形鋼管柱を固定してなる柱脚構造を概略的に示す斜視図、平面図及び側面図である。
符号の説明
1:ベースプレート
2:治具プレート(第1鋼製プレート)
3:水平面
4:垂直面
5:治具プレート(第2鋼製プレート)
10:柱
11、12:円形鋼管
15:仕口部(柱脚部)
16:小口面
40:スリット

Claims (6)

  1. 傾斜した円形鋼管柱をベースプレート上に固定する鋼管柱の柱脚構造において、
    前記ベースプレート上に垂直に固定され且つ互いに交差する方向に延びる第1鋼製プレート及び第2鋼製プレートと、
    前記第1鋼製プレートの垂直面及び前記ベースプレートの水平面に突付け可能な仕口端を形成した前記鋼管柱の柱脚部とを有し、
    前記仕口端に開口し且つ前記第2鋼製プレートと平行に延びるスリットが前記柱脚部に形成され、
    該スリットは、前記第2鋼製プレートの板厚と実質的に同一の幅を有し、
    前記第2鋼製プレートを前記スリットに挿入するとともに、前記仕口端を前記垂直面及び水平面に突付け、前記垂直面、水平面及び第2鋼製プレートによって前記鋼管柱を位置決めし且つ該鋼管柱の角度及び方向を設定するようにしたことを特徴とする鋼管柱の柱脚構造。
  2. 前記第1及び第2鋼製プレートは、互いに直交する方向に延び、前記鋼管柱の中心軸線は、平面視において前記第1鋼製プレートと直交することを特徴とする請求項1に記載の柱脚構造。
  3. 一対の前記スリットが前記柱脚部に形成されることを特徴とする請求項1又は2に記載の柱脚構造。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1項に記載された柱脚構造を用いた円形鋼管柱の建方方法であって、
    前記第2鋼製プレートの案内により前記柱脚部を前記ベースプレート上に設置し且つ前記垂直面に突付け、
    前記仕口端を前記ベースプレート及び前記第1鋼製プレートに溶接するとともに、前記スリットの縁部に沿って前記鋼管柱を前記第2鋼製プレートに溶接することを特徴とする鋼管柱の建方方法。
  5. 前記ベースプレートは、コンクリート基礎の上面から突出する鋼製支持部材又は鋼製支持架台に固定されることを特徴とする請求項4に記載の建方方法。
  6. 前記スリットの縁部と前記第2鋼製プレートの垂直面との間にクリアランスを確保し、建方時に建ち精度を微調整することを特徴とする請求項4又は5に記載の建方方法。
JP2006175957A 2006-06-26 2006-06-26 鋼管柱の柱脚構造及び建方方法 Expired - Fee Related JP4943747B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006175957A JP4943747B2 (ja) 2006-06-26 2006-06-26 鋼管柱の柱脚構造及び建方方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006175957A JP4943747B2 (ja) 2006-06-26 2006-06-26 鋼管柱の柱脚構造及び建方方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006348739A JP2006348739A (ja) 2006-12-28
JP4943747B2 true JP4943747B2 (ja) 2012-05-30

Family

ID=37644860

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006175957A Expired - Fee Related JP4943747B2 (ja) 2006-06-26 2006-06-26 鋼管柱の柱脚構造及び建方方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4943747B2 (ja)

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5774979B2 (ja) * 2011-12-28 2015-09-09 前田 一峯 柱構造体
JP5971545B2 (ja) * 2012-01-31 2016-08-17 株式会社石井鐵工所 球形タンク脚部のパイプブレース交差部の構造
JP6839910B2 (ja) * 2015-04-30 2021-03-10 株式会社竹中工務店 接合構造
CN105239668B (zh) * 2015-10-29 2017-10-20 华南理工大学 一种内隔板式钢管混凝土转换节点结构及其施工方法
CN108316557B (zh) * 2018-03-16 2024-07-09 江苏沪宁钢机股份有限公司 一种v形圆管柱结构及其安装方法
JP7092287B2 (ja) * 2018-10-10 2022-06-28 株式会社竹中工務店 継手部材及び軸材継手構造
CN113737951B (zh) * 2021-09-22 2022-09-30 中铁二局集团有限公司 一种用于大跨度多接头钢结构安装变形控制的测控方法

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS56142958A (en) * 1980-04-07 1981-11-07 Sekisui House Kk Joining of truss construction member

Also Published As

Publication number Publication date
JP2006348739A (ja) 2006-12-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4943747B2 (ja) 鋼管柱の柱脚構造及び建方方法
US11035114B2 (en) Pillar fixing metal fitting
JP4863783B2 (ja) 鋼管仕口構造及び鋼管接合方法
JP3628417B2 (ja) 構真柱建て込み工法とそれに用いるガイド管
JP2007262807A (ja) コンクリート・鋼複合トラス橋における格点部構造
JP4767617B2 (ja) 構造物の接合構造
JP4570498B2 (ja) 部材連結具
WO2022024542A1 (ja) 斜め梁接合金物および梁の接合構造
JP4558699B2 (ja) 異形鋼矢板または鋼製打込み部材の把持方法及び把持治具
JPH0629233Y2 (ja) アンカ−ボルトの据付装置
JP7471996B2 (ja) 外ダイヤフラム用鋼片、柱梁接合構造および柱梁接合方法
JP2009297749A (ja) 溶接用裏当て金
JP7377617B2 (ja) 連結構造、基礎構造、及び基礎構造の施工方法
JP7377616B2 (ja) 高さ調整部材、基礎構造、及び立ち上がり部材の高さ調整方法
JP7496559B2 (ja) 鋼管部材の連結構造および鋼管部材の連結方法
JP2010106630A (ja) 中空塔状構造物のコーナー部の配筋構造
JP3168839U (ja) 溶接用裏当金
JP5483059B2 (ja) 鋼管立設用架台及びそれを用いた鋼管立設構造
JP4918521B2 (ja) 仮設用支柱及びその製造方法
JP4392684B2 (ja) 鉄筋篭用治具、鉄筋篭の組立方法
JP2007169883A (ja) 通し柱構造
JP2008175023A (ja) 柱と梁の接合構造
JP5820203B2 (ja) 柱接合用部材、柱と梁の接合構造
JPH0612048Y2 (ja) アンカ−ボルトの据付装置
KR20230113087A (ko) 팔각 기둥형 내다이어프램을 이용한 기둥 접합부 구조 및 이를 이용한 콘크리트충진 강관기둥

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090326

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120215

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120301

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150309

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees