JP2009297749A - 溶接用裏当て金 - Google Patents
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Abstract
【課題】3次元方向へ容易に曲げることができる溶接用裏当て金を提供する。
【解決手段】鋼管よりなるコラム1とベースプレートまたはコラムとダイヤフラム2を突き合わせ溶接する際に使用する溶接用裏当て金であって、コラムの内周面に裏当て金本体3を取り付ける際、コラムのコーナ内周面に密着させる部分に、裏当て金本体を3次元方向に折り曲げ可能にするスリット群4を形成したもので、垂直方向のコラムに対し斜め方向にコラムを溶接するような場合でも、スリット群より裏当て金本体を3次元方向へ折り曲げることにより、1本の裏当て金本体で対応することができるため、複数の裏当て金を使用する必要がなく、これによって複数の裏当て金を、接続部分に隙間が生じないように加工する必要がないため、裏当て金本体の加工に要する工数を大幅に削減できる。
【選択図】図6
【解決手段】鋼管よりなるコラム1とベースプレートまたはコラムとダイヤフラム2を突き合わせ溶接する際に使用する溶接用裏当て金であって、コラムの内周面に裏当て金本体3を取り付ける際、コラムのコーナ内周面に密着させる部分に、裏当て金本体を3次元方向に折り曲げ可能にするスリット群4を形成したもので、垂直方向のコラムに対し斜め方向にコラムを溶接するような場合でも、スリット群より裏当て金本体を3次元方向へ折り曲げることにより、1本の裏当て金本体で対応することができるため、複数の裏当て金を使用する必要がなく、これによって複数の裏当て金を、接続部分に隙間が生じないように加工する必要がないため、裏当て金本体の加工に要する工数を大幅に削減できる。
【選択図】図6
Description
本発明はビル等の鉄骨構造物を構成する鋼管柱(以下コラムという)を溶接する際に使用する溶接用裏当て金に関する。
従来ビル等の鉄骨構造物を構成するコラムには、丸形鋼管や角形鋼管が使用されているが、これらコラムの多くは長尺なことから、輸送制限内の長さのコラムとベースプレートまたはダイヤフラムを予め工場で溶接した後建築現場に搬入し、建築現場でさらにコラムとダイヤフラムを長さ方向に突き合わせて、コラムとダイヤフラムを溶接することにより、所定の長さのコラムを製作している。
また工場や建築現場でコラムとベースプレーとまたはダイヤフラムを溶接する場合、突き合わせ部の内側に裏当て金を当接して、コラムとベースプレーとまたはダイヤフラムの溶接を行っており、コラムの溶接に使用する裏当て金としては、例えば特許文献1や2に記載のものが公知である。
特開2001−293598号公報
特開平11−90688号公報
また工場や建築現場でコラムとベースプレーとまたはダイヤフラムを溶接する場合、突き合わせ部の内側に裏当て金を当接して、コラムとベースプレーとまたはダイヤフラムの溶接を行っており、コラムの溶接に使用する裏当て金としては、例えば特許文献1や2に記載のものが公知である。
前記特許文献1に記載された裏当て金は、突き合わせ溶接する鋼管の内周面に沿って密着するように、長手方向と直交する方向に多数のスリットを長手方向に沿って形成したもので、スリットを形成した面を表側としてコイル状に巻き取ることができるように構成されている。
そして前記構成により、スリット部を中心に裏当て金を容易に曲げることができる上、裏当て金を、スリット部を曲げない部分と曲げる部分とを組み合わせることにより、角型鋼管の内周面密着した形状に成形できる上、溶接中に発生したガスを、スリットを通して逃がすことができるため、ブローホール欠陥の発生を低下させることができる効果も有している。
そして前記構成により、スリット部を中心に裏当て金を容易に曲げることができる上、裏当て金を、スリット部を曲げない部分と曲げる部分とを組み合わせることにより、角型鋼管の内周面密着した形状に成形できる上、溶接中に発生したガスを、スリットを通して逃がすことができるため、ブローホール欠陥の発生を低下させることができる効果も有している。
一方前記特許文献2に記載された裏当て金は、厚さが幅方向に一定な四角断面形状の裏当て金用材料の、パネルのコーナ部内側に当接する部分の背面に、深さが裏当て金用材料の幅方向で異なる一群のV溝を長手方向と直交する方向に形成している。
すなわちV溝の深さを、裏当て金用材料の一方の端面側が深く、そして他方の端面側が浅くなるように形成している。
そして前記構成により、台形パネルとダイヤフラムを溶接する場合に、台形パネルの内面の傾斜に合わせて裏当て金用材料を斜めに曲げることができるため、ダイヤフラムに対して裏当て金用材料の端面を線接触ではなく面接触で当接することができ、これによって特にコーナ部分に隙間が生じることがないので、溶接欠陥のない溶接が可能となる等の効果を有している。
すなわちV溝の深さを、裏当て金用材料の一方の端面側が深く、そして他方の端面側が浅くなるように形成している。
そして前記構成により、台形パネルとダイヤフラムを溶接する場合に、台形パネルの内面の傾斜に合わせて裏当て金用材料を斜めに曲げることができるため、ダイヤフラムに対して裏当て金用材料の端面を線接触ではなく面接触で当接することができ、これによって特にコーナ部分に隙間が生じることがないので、溶接欠陥のない溶接が可能となる等の効果を有している。
しかし前記特許文献1、2に記載された裏当て金では、曲げられる方向が2次元方向に限られることから、次のような問題がある。
すなわちビル等の鉄骨構造物に使用されているコラムは、通常垂直方向に直線的に溶接して連結していくが、ビルの最上階等に使用するコラムには、日照権等の関係で斜めに設置されるコラムがある。
斜めに設置されるコラムと垂直に設置されるコラムとを接続する場合、コラムの先端を所定の角度で切断し、切断面にダイヤフラムを溶接することになるため、コラムとダイヤフラムの突き合わせ部に裏から当接する裏当て金は、3次元方向に配置する必要となる。
すなわちビル等の鉄骨構造物に使用されているコラムは、通常垂直方向に直線的に溶接して連結していくが、ビルの最上階等に使用するコラムには、日照権等の関係で斜めに設置されるコラムがある。
斜めに設置されるコラムと垂直に設置されるコラムとを接続する場合、コラムの先端を所定の角度で切断し、切断面にダイヤフラムを溶接することになるため、コラムとダイヤフラムの突き合わせ部に裏から当接する裏当て金は、3次元方向に配置する必要となる。
しかし従来の裏当て金では、前述したように2次元方向にしか曲げることができないため、複数の裏当て金を3次元方向に配置して溶接する必要があり、複数の裏当て金を所定の位置に仮付けする作業に手間と時間がかかるため、作業能率が悪い等の問題がある。
また複数の裏当て金を使用する場合、各裏当て金の接続部分に隙間が生じないように裏当て金の端部を加工する必要があるため、加工に多くの工数を必要とする問題もある。
本発明はかかる従来の問題を改善するためになされたもので、3次元方向へ容易に曲げることができる溶接用裏当て金を提供して、溶接作業の能率化を図ることを目的とするものである。
また複数の裏当て金を使用する場合、各裏当て金の接続部分に隙間が生じないように裏当て金の端部を加工する必要があるため、加工に多くの工数を必要とする問題もある。
本発明はかかる従来の問題を改善するためになされたもので、3次元方向へ容易に曲げることができる溶接用裏当て金を提供して、溶接作業の能率化を図ることを目的とするものである。
本発明の溶接用裏当て金は、鋼管よりなるコラムとベースプレートまたはコラムとダイヤフラムを突き合わせ溶接する際に使用する溶接用裏当て金であって、コラムの内周面に裏当て金本体を取り付ける際、コラムのコーナ内周面に密着させる部分に、裏当て金本体を3次元方向に折り曲げ可能にするスリット群を形成したものである。
前記構成により、垂直方向のコラムに対し斜め方向にコラムを溶接するような場合でも、スリット群より裏当て金本体を3次元方向へ折り曲げることにより、1本の裏当て金本体で対応することができるため、複数の裏当て金を使用する必要がない。
これによって複数の裏当て金を、接続部分に隙間が生じないように加工する必要がないため、裏当て金本体の加工に要する工数を大幅に削減できる上、コラムへの仮付け作業が短時間で行えるため、溶接作業の能率化が図れる。
また溶接時発生したガスは、スリットよりコラム内に逃げて溶融金属内に気泡として残留することがないため、溶接ビード内に溶接欠陥となる気泡が発生することがない。
これによって溶接品質の改善が図れる上、溶融金属内に気泡が残留しないように神経を使いながら溶接作業を行う必要もないことから、作業能率も向上する。
これによって複数の裏当て金を、接続部分に隙間が生じないように加工する必要がないため、裏当て金本体の加工に要する工数を大幅に削減できる上、コラムへの仮付け作業が短時間で行えるため、溶接作業の能率化が図れる。
また溶接時発生したガスは、スリットよりコラム内に逃げて溶融金属内に気泡として残留することがないため、溶接ビード内に溶接欠陥となる気泡が発生することがない。
これによって溶接品質の改善が図れる上、溶融金属内に気泡が残留しないように神経を使いながら溶接作業を行う必要もないことから、作業能率も向上する。
本発明の溶接用裏当て金は、裏当て金本体の幅よりやや長さが短い複数のスリットを、裏当て金本体の両端面側から長手方向と直交し、かつ長手方向にほぼ等間隔となるよう交互に形成することにより、裏当て金本体の幅方向にジグザグとなった縦連結部と横連結部とからなるスリット群を形成したものである。
前記構成により、スリット群部分より人力で簡単に裏当て金本体を所定の形状に折り曲げることができるため、コラムのサイズに合わせた裏当て金の製作が短時間で能率よく行える。
またスリット群より裏当て金本体を折り曲げた際、スリット群部分は各スリット間に形成された縦連結部が互いに密着して所謂壁が形成され、これによって溶接の際溶融金属がコラムの内側へ漏出することがないため、欠肉等の溶接欠陥がない安定した形状の溶接ビードが得られるようになり、溶接部の信頼性が向上する。
またスリット群より裏当て金本体を折り曲げた際、スリット群部分は各スリット間に形成された縦連結部が互いに密着して所謂壁が形成され、これによって溶接の際溶融金属がコラムの内側へ漏出することがないため、欠肉等の溶接欠陥がない安定した形状の溶接ビードが得られるようになり、溶接部の信頼性が向上する。
本発明の溶接用裏当て金は、裏当て金本体の幅よりやや長さが短い複数のスリットを、裏当て金本体の一方の端面側から長手方向と直交し、かつ長手方向にほぼ等間隔に形成することにより、ほぼ櫛歯状のスリット群を形成したものである。
前記構成により、スリット群部分より人力で簡単に裏当て金本体を所定の形状に折り曲げることができるため、コラムのサイズに合わせた裏当て金の製作が短時間で能率よく行える。
またスリット群より裏当て金本体を折り曲げた際、スリット群部分は各スリット間に形成された縦連結部が互いに密着して所謂壁が形成され、これによって溶接の際溶融金属がコラムの内側へ漏出することがないため、欠肉等の溶接欠陥がない安定した形状の溶接ビードが得られるようになり、溶接部の信頼性が向上する。
またスリット群より裏当て金本体を折り曲げた際、スリット群部分は各スリット間に形成された縦連結部が互いに密着して所謂壁が形成され、これによって溶接の際溶融金属がコラムの内側へ漏出することがないため、欠肉等の溶接欠陥がない安定した形状の溶接ビードが得られるようになり、溶接部の信頼性が向上する。
本発明の溶接用裏当て金は、裏当て金本体の厚みよりやや浅い複数のスリットを、裏当て金本体の両側面側から長手方向と直交し、かつ長手方向にほぼ等間隔となるよう交互に形成することにより、裏当て金本体の厚み方向にジグザグとなったスリット群を形成したものである。
前記構成により、スリット群部分より人力で簡単に裏当て金本体を所定の形状に折り曲げることができるため、コラムのサイズに合わせた裏当て金の製作が短時間で能率よく行える。
またスリット群より裏当て金本体を折り曲げた際、スリット群部分は各スリット間に形成された縦連結部が互いに密着して所謂壁が形成され、これによって溶接の際溶融金属がコラムの内側へ漏出することがないため、欠肉等の溶接欠陥がない安定した形状の溶接ビードが得られるようになり、溶接部の信頼性が向上する。
またスリット群より裏当て金本体を折り曲げた際、スリット群部分は各スリット間に形成された縦連結部が互いに密着して所謂壁が形成され、これによって溶接の際溶融金属がコラムの内側へ漏出することがないため、欠肉等の溶接欠陥がない安定した形状の溶接ビードが得られるようになり、溶接部の信頼性が向上する。
本発明の溶接用裏当て金は、裏当て金本体のコラム内周面と当接する面に、コラムに対し裏当て金本体を位置決めする位置決めピンを突設したものである。
前記構成により、位置決めピンの一を予め裏当て金本体の端面から例えば6mm、7mmのように設定しておくことにより、コラムに裏当て金本体を仮付けする際の位置決めが容易かつ正確に行えるようになる。
本発明の溶接用裏当て金によれば、垂直方向のコラムに対し斜め方向にコラムを溶接するような場合でも、スリット群より裏当て金本体を3次元方向へ折り曲げることにより、1本の裏当て金本体で対応することができるため、複数の裏当て金を使用する必要がなく、これによって複数の裏当て金を、接続部分に隙間が生じないように加工する必要がないため、裏当て金本体の加工に要する工数を大幅に削減できる上、コラムへの仮付け作業が短時間で行えるため、溶接作業の能率化が図れる。
本発明の実施の形態を、図面を参照して詳述する。
図1はコラムにダイヤフラムを溶接する際の分解斜視図、図2は裏当て金の正面図、図3は図2のA−A線に沿う断面図、図4はコラムにダイヤフラムを溶接した状態の断面図、図5はコラムの端部に斜めにダイヤフラムを溶接した状態の断面図、図6は図5のB円内の拡大図である。
図1は角型鋼管よりなるコラム1の一端側に、ダイヤフラム2を溶接する際に使用する裏当て金本体3を示しており、コラム1の一端側には開先1aが形成されている。
ダイヤフラム2は、一辺がコラム1の一辺よりやや大きいほぼ正方形状の板材からなり、コラム1の一端側に所定の間隙を存して溶接されるようになっている。
コラム1とダイヤフラム2を溶接する際に使用する裏当て金本体3は、コラム1やダイヤフラム2と同材質で、かつ厚さt及び幅Wがほぼ一定な帯状鋼板からなり、コラム1の内周面に密着するように予め角枠状に折り曲げ形成されている。
図1はコラムにダイヤフラムを溶接する際の分解斜視図、図2は裏当て金の正面図、図3は図2のA−A線に沿う断面図、図4はコラムにダイヤフラムを溶接した状態の断面図、図5はコラムの端部に斜めにダイヤフラムを溶接した状態の断面図、図6は図5のB円内の拡大図である。
図1は角型鋼管よりなるコラム1の一端側に、ダイヤフラム2を溶接する際に使用する裏当て金本体3を示しており、コラム1の一端側には開先1aが形成されている。
ダイヤフラム2は、一辺がコラム1の一辺よりやや大きいほぼ正方形状の板材からなり、コラム1の一端側に所定の間隙を存して溶接されるようになっている。
コラム1とダイヤフラム2を溶接する際に使用する裏当て金本体3は、コラム1やダイヤフラム2と同材質で、かつ厚さt及び幅Wがほぼ一定な帯状鋼板からなり、コラム1の内周面に密着するように予め角枠状に折り曲げ形成されている。
また裏当て金本体3は、治具等を使用せず、人力のみで所定の形状に折り曲げられるように、コラム1のコーナ部に内側から当接する部分に、スリット群4が形成されている。
スリット群4は図2に示すように、裏当て金本体3の上端面側と下端面側から交互に形成された複数のスリット4aから形成されている。
各スリット4aの長さLは、裏当て金本体3の幅Wに対してやや短くなっていて、裏当て金本体3の長手方向にほぼ等間隔に形成されており、これによって裏当て金本体3の上端部と下端部に残った横連結部4bにより、各スリット4a間に形成された縦連結部4cが交互に連結されたジグザグ形状のスリット群4が形成されるため、人力のみで裏当て金本体3を2次元方向のみならず、3次元方向にも容易に曲げられるようになっている。
スリット群4は図2に示すように、裏当て金本体3の上端面側と下端面側から交互に形成された複数のスリット4aから形成されている。
各スリット4aの長さLは、裏当て金本体3の幅Wに対してやや短くなっていて、裏当て金本体3の長手方向にほぼ等間隔に形成されており、これによって裏当て金本体3の上端部と下端部に残った横連結部4bにより、各スリット4a間に形成された縦連結部4cが交互に連結されたジグザグ形状のスリット群4が形成されるため、人力のみで裏当て金本体3を2次元方向のみならず、3次元方向にも容易に曲げられるようになっている。
一方裏当て金本体3のコラム1内周面と当接する面には、複数の位置決めピン5が突設されている。
これら位置決めピン5は、コラム1に裏当て金本体3を取り付ける際、コラム1に対し裏当て金本体3の位置決めを行うもので、コラム1の一辺に対し、例えば2本突設されている。
これら位置決めピン5は、裏当て金本体3の上端面から例えば6mm、または7mmの位置に穿設されたピン孔3aに、直径が例えばφ3程度の丸棒を圧入し植設したもので、裏当て金本体3の外側面からの高さは2mm程度となっている。
これら位置決めピン5は、コラム1に裏当て金本体3を取り付ける際、コラム1に対し裏当て金本体3の位置決めを行うもので、コラム1の一辺に対し、例えば2本突設されている。
これら位置決めピン5は、裏当て金本体3の上端面から例えば6mm、または7mmの位置に穿設されたピン孔3aに、直径が例えばφ3程度の丸棒を圧入し植設したもので、裏当て金本体3の外側面からの高さは2mm程度となっている。
次に前記構成された溶接用裏当て金を使用して、コラム1とダイヤフラム2を溶接する際の作用を説明する。
ビル等の鉄骨構造物の支柱となるコラム1は、通常各階毎にダイヤフラム2を設けて、このダイヤフラム2を介して各コラム1を長手方向に接続していくため、予め所定長さに切断したコラム1の端面にダイヤフラム2を溶接する作業が必要となる。
また溶接に使用する裏当て金本体3は、溶接するコラム1の内周長に合わせて切断し、所定の形状に折り曲げるが、コラム1に使用する角型鋼管には規格品を使用するため、裏当て金本体3も、コラム1の規格サイズに合わせてスリット群4を形成したものを使用する。
ビル等の鉄骨構造物の支柱となるコラム1は、通常各階毎にダイヤフラム2を設けて、このダイヤフラム2を介して各コラム1を長手方向に接続していくため、予め所定長さに切断したコラム1の端面にダイヤフラム2を溶接する作業が必要となる。
また溶接に使用する裏当て金本体3は、溶接するコラム1の内周長に合わせて切断し、所定の形状に折り曲げるが、コラム1に使用する角型鋼管には規格品を使用するため、裏当て金本体3も、コラム1の規格サイズに合わせてスリット群4を形成したものを使用する。
すなわちコラム1の内周面に合わせて裏当て金本体1を折り曲げる際に、コラム1のコーナ部にスリット群4が位置するように予め製作された裏当て金本体3を使用する。
また裏当て金本体3をコラム1の内周形状に折り曲げる際、裏当て金本体3の両端側突き合わせ部3bが図1に示すように、コラム1の一辺のほぼ中央付近となるようにし、突き合わせ部3bがコラム1のコーナ部にこないように配慮する。
裏当て金本体3は前述したように、治具を使用せずに人力のみで折り曲げることができることから、コラム1の内周面に密着するようスリット群4部分を折り曲げ、これを数回繰り返して図1に示すような角枠状の裏当て金本体3を形成する。
また裏当て金本体3をコラム1の内周形状に折り曲げる際、裏当て金本体3の両端側突き合わせ部3bが図1に示すように、コラム1の一辺のほぼ中央付近となるようにし、突き合わせ部3bがコラム1のコーナ部にこないように配慮する。
裏当て金本体3は前述したように、治具を使用せずに人力のみで折り曲げることができることから、コラム1の内周面に密着するようスリット群4部分を折り曲げ、これを数回繰り返して図1に示すような角枠状の裏当て金本体3を形成する。
次に裏当て金本体3を、コラム1の上方からコラム1の端部に嵌合すると、裏当て金本体3の外側面に突設された複数の位置決めピン5がコラム1の端面に係止されて、コラム1に対し裏当て金本体3が位置決めされる。
各位置決めピン5は、裏当て金本体3の上端面から例えば6mmまたは7mmの位置に突設されているため、位置決めピン5をコラム1の端面に係止した状態で裏当て金本体3の上面にダイヤフラム2を載置すると、コラム1の端面とダイヤフラム2との間に6mm又は7mmの間隙が正確に形成できるようになる。
コラム1の端部に裏当て金本体3を嵌合したら、コラム1の内周面と裏当て金本体3の間に隙間が生じないよう確認しながら、コラム1に裏当て金本体3を仮付けし、もし隙間が生じているようなら、隙間がなくなるように手直しながらコラム1に裏当て金本体3を仮付けする。
各位置決めピン5は、裏当て金本体3の上端面から例えば6mmまたは7mmの位置に突設されているため、位置決めピン5をコラム1の端面に係止した状態で裏当て金本体3の上面にダイヤフラム2を載置すると、コラム1の端面とダイヤフラム2との間に6mm又は7mmの間隙が正確に形成できるようになる。
コラム1の端部に裏当て金本体3を嵌合したら、コラム1の内周面と裏当て金本体3の間に隙間が生じないよう確認しながら、コラム1に裏当て金本体3を仮付けし、もし隙間が生じているようなら、隙間がなくなるように手直しながらコラム1に裏当て金本体3を仮付けする。
裏当て金本体3の仮付けが完了したら、裏当て金本体3の上面にダイヤフラム2を載置して所定の位置となるよう仮付けし、この状態で自動溶接や半自動溶接等の手段でコラム1の開先1aとダイヤフラム2の間を図4に示すように溶接するもので、ほぼ直角に折り曲げたスリット群4部分は、内側の曲率が外側に比べて小さくなるため、各スリット4a間に形成された縦連結部4cが互いに密着して、所謂壁が形成される。
これによって溶接の際溶融金属がコラム1の内側へ漏出することがないため、欠肉等の溶接欠陥がない安定した形状の溶接ビードが得られるようになる。
なおコラム1を長手方向へ順次継ぎ足していく場合は、前記作業を繰り返せばよい。
これによって溶接の際溶融金属がコラム1の内側へ漏出することがないため、欠肉等の溶接欠陥がない安定した形状の溶接ビードが得られるようになる。
なおコラム1を長手方向へ順次継ぎ足していく場合は、前記作業を繰り返せばよい。
一方前記実施の形態のように、コラム1の軸線に対し直角にダイヤフラム2を溶接する場合は、裏当て金本体3を2次元方向に折り曲げるだけで、裏当て金としての目的は達成される。
しかし図5に示すように垂直に立設されたコラム1に、斜め方向に別のコラム1を接続する場合は、端面が斜めに切断されたコラム1にダイヤフラム2を溶接する必要があることから、従来の2次元方向にのみ曲げることができる裏当て金では、コラム1の全ての辺を1本の裏当て金で塞ぐことができない。
このため従来では、複数本の裏当て金を使用してコラム1とダイヤフラム2を溶接していたが、この方法では段取りに時間がかかる上、複数本の裏当て金同士を隙間なく接続するためには、裏当て金の端部を加工して隙間が生じないように処理する必要があり、溶接作業の能率を低下させる。
しかし図5に示すように垂直に立設されたコラム1に、斜め方向に別のコラム1を接続する場合は、端面が斜めに切断されたコラム1にダイヤフラム2を溶接する必要があることから、従来の2次元方向にのみ曲げることができる裏当て金では、コラム1の全ての辺を1本の裏当て金で塞ぐことができない。
このため従来では、複数本の裏当て金を使用してコラム1とダイヤフラム2を溶接していたが、この方法では段取りに時間がかかる上、複数本の裏当て金同士を隙間なく接続するためには、裏当て金の端部を加工して隙間が生じないように処理する必要があり、溶接作業の能率を低下させる。
本発明では、裏当て金本体3を従来の2次元から3次元方向へ折り曲げられるようにしたことにより、このような溶接でも、1本の裏当て金本体3により隙間を塞ぐことが可能になる。
すなわち図5に示すように、垂直方向のコラム1の内側の内周面及び外側の内周面に裏当て金本体3の一部を密着させた状態で仮付けし、コラム1内周面の斜めの部分に裏当て金本体3が沿うようにスリット群4を図6に示すように3次元方向へ折り曲げる。
これによってスリット群4の上辺側は、スリット4aの開口部が密着し、下辺側のスリット4aは開口部が拡開するため、裏当て金本体3の上辺側に所謂壁が形成され、コラム1の端面に斜めにダイヤフラム2を溶接する場合でも、裏当て金本体3の壁部分が溶融金属の漏出を阻止するようになり、これによって1本の裏当て金本体3により溶接欠陥のない安定した形状の溶接ビードが得られるようになる。
すなわち図5に示すように、垂直方向のコラム1の内側の内周面及び外側の内周面に裏当て金本体3の一部を密着させた状態で仮付けし、コラム1内周面の斜めの部分に裏当て金本体3が沿うようにスリット群4を図6に示すように3次元方向へ折り曲げる。
これによってスリット群4の上辺側は、スリット4aの開口部が密着し、下辺側のスリット4aは開口部が拡開するため、裏当て金本体3の上辺側に所謂壁が形成され、コラム1の端面に斜めにダイヤフラム2を溶接する場合でも、裏当て金本体3の壁部分が溶融金属の漏出を阻止するようになり、これによって1本の裏当て金本体3により溶接欠陥のない安定した形状の溶接ビードが得られるようになる。
一方図7ないし図10は、スリット群4の変形例を示すもので、次にこれらについて説明する。
図7及び図8に示す変形例は、裏当て金本体1の幅よりやや長さが短い複数のスリット4dを、裏当て金本体1の一方の端面側から長手方向と直交し、かつ長手方向にほぼ等間隔に形成することにより、ほぼ櫛歯状のスリット群4を形成したものである。
また図9及び図10に示す変形例は、裏当て金本体1の厚みよりやや浅い複数のスリット4eを、裏当て金本体1の両側面側から長手方向と直交し、かつ長手方向にほぼ等間隔となるよう交互に形成することにより、裏当て金本体1の厚み方向にジグザグとなったスリット群4を形成したものである。
図7及び図8に示す変形例は、裏当て金本体1の幅よりやや長さが短い複数のスリット4dを、裏当て金本体1の一方の端面側から長手方向と直交し、かつ長手方向にほぼ等間隔に形成することにより、ほぼ櫛歯状のスリット群4を形成したものである。
また図9及び図10に示す変形例は、裏当て金本体1の厚みよりやや浅い複数のスリット4eを、裏当て金本体1の両側面側から長手方向と直交し、かつ長手方向にほぼ等間隔となるよう交互に形成することにより、裏当て金本体1の厚み方向にジグザグとなったスリット群4を形成したものである。
何れの変形例も前記実施の形態と同様に、人力により裏当て金本体1を3次元方向に折り曲げることにより、スリット群4の上辺側は、スリット4d,4eの開口部が密着して裏当て金本体3の上辺側に所謂壁が形成され、コラム1の端面に斜めにダイヤフラム2を溶接する場合でも、裏当て金本体3の壁部分が溶融金属の漏出を阻止するため、1本の裏当て金本体3により溶接欠陥のない安定した形状の溶接ビードが得られるようになる。
なお前記実施の形態では、角型鋼管よりなるコラム1にダイヤフラム2を溶接する場合について説明したが、丸型鋼管よりなるコラム1にダイヤフラム2を溶接する場合にも、適用することができる。
またコラム1にダイヤフラム2を突き合わせ溶接する場合について説明したが、コラム1とベースプレート(図示せず)を溶接する場合についても適用できるものである。
なお前記実施の形態では、角型鋼管よりなるコラム1にダイヤフラム2を溶接する場合について説明したが、丸型鋼管よりなるコラム1にダイヤフラム2を溶接する場合にも、適用することができる。
またコラム1にダイヤフラム2を突き合わせ溶接する場合について説明したが、コラム1とベースプレート(図示せず)を溶接する場合についても適用できるものである。
1 コラム
2 ダイヤフラム
3 裏当て金本体
4 スリット群
4a スリット
4b 横連結部
4c 縦連結部
5 位置決めピン
2 ダイヤフラム
3 裏当て金本体
4 スリット群
4a スリット
4b 横連結部
4c 縦連結部
5 位置決めピン
Claims (5)
- 鋼管よりなるコラムとベースプレートまたはコラムとダイヤフラムを突き合わせ溶接する際に使用する溶接用裏当て金であって、前記コラムの内周面に前記裏当て金本体を取り付ける際、前記コラムのコーナ内周面に密着させる部分に、前記裏当て金本体を3次元方向に折り曲げ可能にするスリット群を形成したことを特徴とする溶接用裏当て金。
- 前記裏当て金本体の幅よりやや長さが短い複数のスリットを、前記裏当て金本体の両端面側から長手方向と直交し、かつかつ長手方向にほぼ等間隔となるよう交互に形成することにより、前記裏当て金本体の幅方向にジグザグとなった縦連結部と横連結部とからなる前記スリット群を形成してなる請求項1に記載の溶接用裏当て金。
- 前記裏当て金本体の幅よりやや長さが短い複数のスリットを、前記裏当て金本体の一方の端面側から長手方向と直交し、かつ長手方向にほぼ等間隔に形成することにより、ほぼ櫛歯状のスリット群を形成してなる請求項1に記載の溶接用裏当て金。
- 前記裏当て金本体の厚みよりやや浅い複数のスリットを、前記裏当て金本体の両側面側から長手方向と直交し、かつ長手方向にほぼ等間隔となるよう交互に形成することにより、前記裏当て金本体の厚み方向にジグザグとなったスリット群を形成してなる請求項1に記載の溶接用裏当て金。
- 前記裏当て金本体の前記コラム内周面と当接する面に、前記コラムに対し前記裏当て金本体を位置決めする位置決めピンを突設してなる請求項1ないし4の何れかに記載の溶接用裏当て金。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008155500A JP2009297749A (ja) | 2008-06-13 | 2008-06-13 | 溶接用裏当て金 |
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JP2008155500A JP2009297749A (ja) | 2008-06-13 | 2008-06-13 | 溶接用裏当て金 |
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JP2009297749A true JP2009297749A (ja) | 2009-12-24 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2011167758A (ja) * | 2010-02-22 | 2011-09-01 | Hagiwara:Kk | コラム用裏当金 |
JP2017035705A (ja) * | 2015-08-07 | 2017-02-16 | 株式会社スノウチ | 溶接裏当て用鋼板 |
-
2008
- 2008-06-13 JP JP2008155500A patent/JP2009297749A/ja active Pending
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