JP5290068B2 - 鋼製柱用プレート及びこれを備えた鋼製柱ユニット - Google Patents

鋼製柱用プレート及びこれを備えた鋼製柱ユニット Download PDF

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Description

本発明は、鉄鋼系低層建築物において、構造型式分類のうちパネル形式や軸組・パネル併用形式及び同類工法に用いられる鋼製柱用プレート及びこれを備えた鋼製柱ユニットに関するものである。
従来より、鉄鋼系低層建築物において、構造型式分類のうち「パネル形式」や「軸組・パネル併用形式」で設計計画する場合、軸組(柱・梁間に囲まれた部分)に接して壁パネル(耐力壁・非耐力壁双方含む)を配置する例が多い。
このような際、使用される鋼製柱の柱頭及び柱脚部には、他の鋼製梁材又は基礎との接合を実現するための鋼製のエンドプレートが使用される。
この鋼製のエンドプレートは、予め生産工場において、柱主材の柱頭及び柱脚に溶接接合されている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載の技術においては、閉断面材の柱(角形鋼管)の端部には、梁と接合するための接合用ボルトが4隅部に配設されたエンドプレートが溶接されており、接合用ボルトを締結することによりこのエンドプレートを梁に取付けることで、エンドプレートを介して閉断面材の柱(角形鋼管)を梁と接続する。
特開2007−211461号公報
このような場合、鋼製柱と鋼製エンドプレートとの接合方法には、次のような方法がある。
まず、鋼製エンドプレートを鋼製柱断面の外側からすみ肉溶接を施す方法があるが、この方法では、溶接部のサイズを確保するために鋼製エンドプレートは、鋼製柱の外周よりも突出する必要がある。
つまり、鋼製柱の断面外周に囲まれた面積よりも、鋼製エンドプレートの面積が大きくなるように構成されていなければならない(この突出分が溶接代となる)。
このため、鋼製エンドプレートの端面が隣合う壁パネルと接触することになり、鋼製柱とパネルとの間に、この鋼製エンドプレートの突出分の空隙が生じることとなる。つまり、溶接代分の空隙が生じることとなる。
また、片面すみ肉溶接を行う場合には、この片面すみ肉溶接部の引張耐力は、鋼製柱自身の引張耐力よりも低下する懸念がある。
次に、鋼製エンドプレートを鋼製柱断面の内側からすみ肉溶接する方法があるが、この場合、鋼製柱断面が閉断面材であると、施工が不可能となる。
また、鋼製柱断面がC字形状(C形鋼)の場合、内側入り隅面を全面に渡ってすみ肉溶接を行うが、開放面両端側のリップ部分に溶接トーチが入り込めないため、切り欠き切断等の処置が必要となる。
このような場合、片面すみ肉溶接による引張力低下の懸念は上記(片側すみ肉溶接)と同様であり、また、リップ切り欠きによる鋼製柱断面の断面欠損による引張力低下の懸念もある。
更に、鋼製柱自身の端部に溶接開先加工を施し、完全溶込み溶接(突合せ溶接)を行う方法がある。
この場合、突合せ溶接の設計要件として、溶接部両側から溶接を行う(その場合、裏面溶接部初層をはつる必要がある)方法又は溶接部に裏あて金を施した上での片面溶接がある。
このうち、両面溶接とする方法は、裏はつりが困難である。
一方、裏あて金による片面溶接とする場合には、本溶接に先立ち、裏あて金を予め固定しておく必要があり、加工工程が多くなる。
また、突合せ溶接部の開先方法として、レ形開先による突合せ溶接の場合、鋼製柱の板厚が薄いため、確実な開先を施すこと(つまり寸法精度の確保)が困難である。
上記のように、鋼製エンドプレートを鋼製柱の端部(柱頭、柱脚)に溶接により取付けるためには、様々な問題があり、改善のための方法の提供が求められている。
本発明の目的は、上記各問題点を解決することにあり、適切なルートギャップを確保し、適正な溶接品質及び引張耐力を確保することが可能な柱頭・柱脚部用の鋼製柱用プレート及びこれを備えた鋼製柱ユニットに関するものである。
上記課題は、請求項1に係る鋼製柱用プレートによれば、鋼製柱の柱頭・柱脚部に設置され、建物躯体構造物に鋼製柱を取付ける際に使用される鋼製柱用プレートであって、該鋼製柱用プレートは、鋼製平板状の本体部と、該本体部から外側方向へ向けて延出する少なくとも一個の突出部とを有して構成されており、前記鋼製柱の柱頭・柱脚は、前記突出部上に載置固定されるよう構成されていることにより解決される。
このように、本発明に係る鋼製柱用プレートには、本体部から延出する突出部が形成されている。
そして、鋼製柱の柱頭・柱脚は、この突出部上に載置固定されるように構成されている。
このため、鋼製柱の柱頭・柱脚の端辺の下部に、鋼製柱用プレートの厚み分の空隙ができる。
よって、この鋼製柱用プレートをエンドプレート等に積層すると、鋼製柱の柱頭・柱脚の端辺と、エンドプレート等の積層面との間に間隙が生じ、この間隙が鋼製柱の柱頭・柱脚の溶接時のルートギャップとして機能する。
つまり、この鋼製柱用プレートの厚さを必要なルートギャップのサイズに設定して設置することにより、鋼製柱用プレートを設置するのみで簡易にルートギャップを確保し、適切な溶接を行うことができる。
また、請求項1に記載の発明において、前記本体部は、略矩形状の平板であり、前記突出部は、前記本体部の4角部から各々延出しているように構成されていると好適である。
更に、具体的には、このとき、前記突出部は、前記本体部の4角部から、前記本体部の対角線方向に各々突出していると好適である。
また、より具体的には、前記突出部は、前記本体部の角部から延出する略矩形状の矩形部と、該矩形部から更に外側に延出する略三角形状の三角部とで構成されており、前記三角部の頂角が前記突出部の自由端部となるよう構成されていると好適である。
このように構成されているため、鋼製柱用プレートの4隅部で鋼製柱の柱頭・柱脚を支持することができるとともに、鋼製柱の柱頭・柱脚の端辺下部に空隙をつくりルートギャップとすることができる。
よって、適正な溶接を行うことができる。
例えば、鋼製柱を、角形鋼管、C形鋼、溝形鋼として構成した場合、これらの断面形状と、突出部の端部を結んでできる略矩形形状とを整合させるよう構成すれば、鋼製柱の折り曲げ部端部を突出部で支持することができる。
つまり、溶接を行うルートギャップをこの折り曲げ部を避けて設定することができるため、この折り曲げ部を避けて溶接を行うことにより、塑性硬化部分の溶接回避が可能となり、鋼製柱の材料品質を維持することができる。
更に、前記突出部の前記自由端部を結んだ矩形形状は、前記鋼製柱を建物躯体に取付ける際に、前記鋼製柱の端部と溶接されて前記建物躯体に取付けられるエンドプレートの形状と整合しているとともに、前記鋼製柱の断面輪郭とも整合していると好適である。
よって、鋼製柱の柱頭・柱脚を、その断面形状と、突出部の自由端部を結んだ矩形形状とが整合するように配設するとともに、エンドプレートを、突出部の自由端部を結んだ矩形形状と整合するように配設することにより、側面部分が凹凸なく一平面上に納まることになる。
また、前述のとおり、鋼製柱の柱頭・柱脚端辺とエンドプレートとの間には、溶接用のルートギャップが形成される。
このため、鋼製柱と、この鋼製柱に隣接するパネルとの間の間隙を無くし、確実に溶接を行うことができる。
更に、前記突出部の基端部は、略矩形状の本体部の角部から延出しており、前記本体部の外周と前記突出部の自由端との距離と、前記エンドプレートの肉厚とは、同一となるように構成されていることにより、適切に溶接を行うことができる。
更に、本発明に係る鋼製柱ユニットは、請求項1乃至請求項6いずれか一項に記載の鋼製柱用プレートと、該鋼製柱用プレートが、両端部の少なくとも一方に配設された長尺状の鋼製柱と、前記鋼製柱の端部と溶接されて建物躯体に取付けられるエンドプレートとが備えられている。
また、このとき、前記鋼製柱として使用される鋼材は、角形鋼管、C形鋼、溝形鋼、より選択された一の鋼材であり、前記鋼製柱の折り曲げ部の端部が、前記突出部に載置固定されるよう構成されているため、折り曲げ部を避けてルートギャップを設定することができる。
本発明によれば、鋼製柱用プレートには、本体部から延出する突出部が形成されており、鋼製柱の柱頭・柱脚は、この突出部上に載置固定されるように構成されている。
このため、鋼製柱の柱頭・柱脚の端辺の下部に、鋼製柱用プレートの厚み分の空隙ができる。
よって、この鋼製柱用プレートをエンドプレートに積層すると、鋼製柱の柱頭・柱脚の端辺と、エンドプレートの積層面との間に間隙が生じ、この間隙が鋼製柱の柱頭・柱脚の溶接時のルートギャップとして機能する。
つまり、この鋼製柱用プレートの厚さを、必要なルートギャップのサイズに設定して設置することにより、鋼製柱用プレートを設置するのみで簡易にルートギャップを確保し、適切な溶接を行うことができる。
また、具体的には、この突出部は、矩形状に形成された本体部の4角部から、本体部の対角線方向に各々突出しており、形状は、本体部の角部から延出する略矩形状の矩形部と、この矩形部から更に外側に延出する略三角形状の三角部とで構成されている(この三角部の頂角が突出部の自由端部となる)。
よって、鋼製柱用プレートの4隅部で鋼製柱の柱頭・柱脚を支持することができるとともに、4辺部下部に空隙をつくりルートギャップとすることができる。
例えば、鋼製柱を、角形鋼管、C形鋼、溝形鋼として構成した場合、これらの断面形状と、突出部の端部を結んでできる略矩形形状を整合させれば、鋼製柱の折り曲げ部端部を突出部で支持することができる。
つまり、溶接を行うルートギャップをこの折り曲げ部を避けて設定することができる(つまり、この折り曲げ部の溶接を避けることができ、塑性硬化部分の溶接回避が可能となり、鋼製柱の材料品質を維持することができる。)。
また、突出部の自由端部を結んだ矩形形状は、エンドプレートの形状と整合しているとともに、鋼製柱の断面輪郭とも整合するように構成される。
このため、鋼製柱の柱頭・柱脚を、その断面形状と、突出部の自由端部を結んだ矩形形状とが整合するように配設するとともに、エンドプレートを、突出部の自由端部を結んだ矩形形状と整合するように配設すると、側面部分が凹凸なく一平面上に納まることになる。
また、前述のとおり、鋼製柱の柱頭・柱脚端辺とエンドプレートとの間には、溶接用のルートギャップが形成される。
このため、鋼製柱と、この鋼製柱に隣接するパネルとの間の間隙を無くし、確実に溶接を行うことができる。
なお、本発明に係る鋼製柱用プレートは、溶接時の裏あて金の役割もまた果たすことができる。
以上のように、本発明によれば、適切なルートギャップを確保し、適正な溶接品質及び引張耐力を確保することができる。
本発明の一実施形態に係るスペーサを示す平面図及び側面図である。 本発明の一実施形態に係るスペーサの製造方法を示す説明図である。 本発明の一実施形態に係る柱主材の組付け図である。 本発明の一実施形態に係るルートギャップ形成空間を示す平面図である。 本発明の一実施形態に係るスペーサとエンドプレートの配設位置を示す平面図である。 本発明の一実施形態に係る柱主材組立状態(溶接前)を示す斜視図である。 図6のA方向矢視図である。 本発明の一実施形態に係るエンドプレートの肉厚とルートギャップ奥行の関係を示す説明図である。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
なお、以下に説明する構成は本発明を限定するものでなく、本発明の趣旨の範囲内で種々改変することができるものである。
本実施形態は、適切なルートギャップを確保し、適正な溶接品質及び引張耐力を確保することができる柱頭・柱脚部用の鋼製プレート及びこれを備えた鋼製柱ユニットに関するものである。
図1乃至図8は、本発明に係る一実施形態を示すものであり、図1はスペーサを示す平面図及び側面図、図2はスペーサの製造方法を示す説明図、図3は柱主材の組付け図、図4はルートギャップ形成空間を示す平面図、図5はスペーサとエンドプレートの配設位置を示す平面図、図6は柱主材組立状態(溶接前)を示す斜視図、図7は図6のA方向矢視図、図8はエンドプレートの肉厚とルートギャップ奥行の関係を示す説明図である。
まず、図1及び図2により、本実施形態に係るスペーサ1の構造を説明する。
このスペーサ1は、「鋼製柱用プレート」に相当する。
また、柱主材S(「鋼製柱」に相当)、スペーサ1、エンドプレートTで、「鋼製柱ユニット」を構成する。
本実施形態に係るスペーサ1は、本体部11、4個の突出部12を有して構成されている。
本体部11は、略矩形平板であり、本実施形態においては、その中央から若干短辺方向にずれた位置には、本体部孔11aが形成されている。
なお、この本体部孔11aの位置は、これに限られることはなく、設計に応じて位置は適宜変更される。
また、本体部11の4隅からは、突出部12が各々延設されている。
この突出部12は、外側自由端部が鋭利(約90度の角度)に形成された略5角形状の部分である。
換言すれば、突出部12は、本体部11の角部から、本体部11の対角線方向に延出した矩形部12aと、その先端側に頂角を向けるように延出した略直角二等辺三角形状の三角部12bで構成されている(つまり、三角部12bの頂角部分が、突出部12の自由端となる)。
なお、図2に示すように、このスペーサ1は、一枚の鋼製略矩形平板Hから打ち抜き加工、溶断又は切削(切断)加工を行うことにより形成されている。
鋼製の矩形平板Hの4辺から、略台形状の台形片G´を打ち抜き(溶断又は切削(切断)加工)、スペーサ1の外形が形成される。
また、本体部11の中央又は中央から若干短辺方向にずれた位置から、円形片11a´を打ち抜き(溶断又は切削(切断)加工)、本体部孔11aが形成される。
この本体部孔11aは、エンドプレートTに予めボルト又はナットを仕込んでおく際に、このボルト又はナットと本体部11が接触することを回避するために形成された孔である。また、副次的に、エンドプレートTとスペーサ1を一体として構成する場合には、プラグ溶接により締結するための孔としても機能する。
よって、この本体部孔11aの径は、エンドプレートTに仕込まれるボルトの頭部径又はナット径よりも大きく設定されている。
なお、この台形片G´を打ち抜いた後に形成される、隣接する突出部12,12間に形成される空間を、「ルートギャップ形成空間G」と記す。
次いで、図3及び図4により、本実施形態に係るスペーサ1の使用方法を説明する。
本実施形態においては、柱主材SとしてC形鋼が使用されている。
また、エンドプレートTは、略矩形状平板であり、本実施形態においては、その中央又は中央から若干短辺方向にずれた位置には、エンドプレート孔T1が形成されている。
なお、このエンドプレート孔T1の位置は、これに限られることはなく、設計に応じて位置は適宜変更される。
なお、エンドプレートTは、スペーサ1を構成する突出部12の先端部分u(つまり、三角部12bの頂角部)を結んだ直線により形成される略矩形(図4の仮想線輪郭U)とほぼ同一形状となるように構成されており、スペーサ1の仮想線輪郭Uと形状が整合するように積層されたときに、本体部孔11aと連通する位置にエンドプレート孔T1が形成されている(図5参照)。
以上、図3に示すように、エンドプレートTの上面には、スペーサ1が、両者の形状(エンドプレートTとスペーサ1の仮想線輪郭U)が整合するとともに、本体部孔11aとエンドプレート孔T1とが連通するように積層される(図5参照)。
また、図3に示すように、柱主材Sは、その下端部の断面4隅が、スペーサ1に形成された4個の突出部12上に配設されるように載置され、このとき、柱主材Sの断面形状は、エンドプレートT及びスペーサ1の仮想線輪郭Uと整合するように構成されている。
このため、側面部分は凹凸無く同一平面上に納まり、柱主材Sと、この柱主材Sに隣接するパネルとの間の間隙を無くすことができる。
このように、エンドプレートT、スペーサ1、柱主材Sが組み立てられ、「鋼製柱ユニット」が形成された様子を図6に示す。
図6に示すように、柱主材Sは、スペーサ1を挟持した状態で(つまり、スペーサ1を介した状態で)、エンドプレートTに取付けられる。
このように構成されているため、柱主材Sの下端辺S1とエンドプレートTの上面との間には、スペーサ1の厚み分のルートギャップRが形成される。
図7は、図6のA矢視図である。
図7にルートギャップR部分を網掛けにより示した。
この網掛け部が示すように、柱主材Sの下端辺S1とエンドプレートTの上面との間に、スペーサ1の厚みと同一の空間が形成され、これが、溶接の際のルートギャップRとして機能することになる。
つまり、スペーサ1には、前述のとおり、隣接する突出部12,12間にルートギャップ形成空間Gが形成されているため、この突出部12,12上に略直線に切断されている柱主材Sの下端辺S1が載置されると、この下端辺S1とエンドプレートTの上面(スペーサ1及び柱主材Sが配設されている側の面)との間に空間が形成されることとなる。
これがルートギャップRとなる。
ルートギャップRとは、母材の端面間への溶接による溶着金属の溶け込みを良くするための空隙であり、このルートギャップRを設定することにより、良好な溶接品質が確保できる。
このように、本実施形態に係るスペーサ1を利用すると、適切な溶接用ルートギャップRをとることができる。
更に、このエンドプレートTと柱主材Sの下端辺との溶接に際して、スペーサ1は、裏あて金の機能もまた果たすことができる。
つまり、前述の通り、隣接する突出部12,12間にルートギャップRが形成されるとともに、本実施形態においては、図8に示すように、柱主材Sの肉厚pと、ルートギャップ形成空間Gの奥行qとが同じサイズとなるように構成されている。
つまり、肉厚p=奥行qとなるように構成されている。
このように構成されているため、スペーサ1の小口面13(突出部12,12間の側面:図3参照)が、裏あて金の役割を果たし、健全なルートギャップR部分の溶け込みを得るための機能を示す。
また、本実施形態においては、ルートギャップRが形成されている部分を溶接する。
つまり、柱主材S下端辺の直線部分を溶接することとなる。
換言すれば、スペーサ1の突出部12に載置されている部分、つまり柱主材Sの曲げ加工部(角部)は溶接されない。
このため、曲げ加工がなされた塑性硬化部分の角部の溶接を回避することができ、鋼製柱の材料品質を維持することが可能となる。
更に、本実施形態においては、エンドプレートTとスペーサ1を積層して柱主材Sに連結する。
このため、柱主材Sに生じる引張力発生時のエンドプレートT(スペーサ1)面外側方向への剛性が向上し、耐力壁の性能向上効果を期待できる。
なお、エンドプレートTに予めナット又はボルトを締結させた上で、柱主材SとエンドプレートTを接合する場合には、スペーサ1の本体部孔11aはボルト孔等よりも大きい孔加工を施すとよい。
以上のように、本実施形態に係るスペーサ1によれば、適切なルートギャップRを確保することができるとともに、塑性硬化した柱主材Sの曲げ加工部への溶接を回避することができる。
また、スペーサ1の小口面13(突出部12,12間の側面)は、裏あて金の役割を果たすため、溶接において健全なルートギャップR部分の溶け込みを得ることができる。
このように、本実施形態に係るスペーサ1によれば、一枚のスペーサ1のみで、溶接の各要件(ルートギャップRの形成、裏あて金効果)を充足することができ、コストの削減と標準化に寄与することができる。
更に、鋼製柱ユニットの側面の凹凸を無くして同一平面とすることにより(つまり、柱主材Sの断面形状、スペーサ1の仮想線輪郭U、エンドプレートTが同一形状)、柱主材Sと、この柱主材Sに隣接するパネルとの間の間隙を無くすことができる。
なお、スペーサ1の周部を折り曲げたり、スペーサ1の周部に突縁を形成したりすることにより、ガイド部を形成し、ズレを防止するように構成されていてもよい。
1 スペーサ
11 本体部
11a 本体部孔
11a´ 円形片
12 突出部
12a 矩形部
12b 三角部
13 小口面
G ルートギャップ形成空間
G´ 台形片
H 矩形平板
R ルートギャップ
S 柱主材
S1 下端辺
T エンドプレート
T1 エンドプレート孔
U 仮想線輪郭
u 先端部分

Claims (8)

  1. 鋼製柱の柱頭・柱脚部に設置され、建物躯体構造物に鋼製柱を取付ける際に使用される鋼製柱用プレートであって、
    該鋼製柱用プレートは、
    鋼製平板状の本体部と、該本体部から外側方向へ向けて延出する少なくとも一個の突出部とを有して構成されており、
    前記鋼製柱の柱頭・柱脚は、前記突出部上に載置固定されるよう構成されていることを特徴とする鋼製柱用プレート。
  2. 前記本体部は、略矩形状の平板であり、
    前記突出部は、前記本体部の4角部から各々延出していることを特徴とする請求項1に記載の鋼製柱用プレート。
  3. 前記突出部は、前記本体部の4角部から、前記本体部の対角線方向に各々突出していることを特徴とする請求項2に記載の鋼製柱用プレート。
  4. 前記突出部は、前記本体部の角部から延出する略矩形状の矩形部と、該矩形部から更に外側に延出する略三角形状の三角部とで構成されており、
    前記三角部の頂角が前記突出部の自由端部となることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の鋼製柱用プレート。
  5. 前記突出部の前記自由端部を結んだ矩形形状は、前記鋼製柱を建物躯体に取付ける際に、前記鋼製柱の端部と溶接されて前記建物躯体に取付けられるエンドプレートの形状と整合しているとともに、前記鋼製柱の断面輪郭とも整合していることを特徴とする請求項4に記載の鋼製柱用プレート。
  6. 前記突出部の基端部は、略矩形状の本体部の角部から延出しており、
    前記本体部の外周と前記突出部の自由端との距離と、前記エンドプレートの肉厚とは、同一となるように構成されていることを特徴とする請求項5に記載の鋼製柱用プレート。
  7. 請求項1乃至請求項6いずれか一項に記載の鋼製柱用プレートと、
    該鋼製柱用プレートが、両端部の少なくとも一方に配設された長尺状の鋼製柱と、
    前記鋼製柱の端部と溶接されて建物躯体に取付けられるエンドプレートと、を備えたことを特徴とする鋼製柱ユニット。
  8. 前記鋼製柱として使用される鋼材は、角形鋼管、C形鋼、溝形鋼、より選択された一の鋼材であり、
    前記鋼製柱の折り曲げ部の端部が、前記突出部に載置固定されることを特徴とする請求項7に記載の鋼製柱ユニット。
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