JP5532010B2 - 車両のフロア構造 - Google Patents

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Description

本発明は、車幅方向に延びるクロスメンバとこのクロスメンバの上面に接合され車両前後方向に延びるビード部が形成されたフロアパネルとを備えた車両のフロア構造に関する。
車両のフロア面を構成するフロアパネルとして、従来、車両前後方向に延びるビード部が複数形成されたものが用いられている。このようなフロアパネルは、例えば下記特許文献1および2に開示されているものが知られている。なお、ビード部とはフロアパネルの一部が周囲の平坦部に対し細長く上方に隆起して突条を成している部分である。フロアパネルに車両前後方向に延びるビード部を設けた場合、この各ビード部の幅方向の両側には稜線が形成されるため、フロアパネルの曲げやねじりに対して大きな剛性が得られ、衝突時のフロアパネルの変形が抑えられる。
また、フロアパネルの下側には車幅方向に延びるクロスメンバが設けられている。クロスメンバは車両の下部構造の骨格を構成するフレーム部材の一部であり、前記のフロアパネルはこのクロスメンバの上面に対してスポット溶接により接合されている。フロアパネルの下面とクロスメンバの上面との継ぎ目には、水の浸入を防ぐコーキング材を塗布することでフロアパネルおよびクロスメンバの防錆性能を確保している。なおこのコーキング材の塗布は、シール性の観点から継ぎ目に生じる間隙がなるべく狭くなっていることが望ましく、また作業性の観点から継ぎ目がなるべく直線的となっていることが望ましい。
特開2005−059816号公報 特開平09−039841号公報
しかしながら、上記の特許文献1に開示されている車両のフロア構造の構成では、ビード部がクロスメンバの配設される位置には形成されない構成となっている。すなわち、車両前後方向に延びるビード部が車幅方向に延びるクロスメンバと交差する箇所のフロア面は平坦な面とされてビード部は分断されているため、このような箇所においては上記のような稜線が形成されずフロアパネル全体としての充分な剛性を得るのに問題があった。
一方、上記の特許文献2に開示されている車両のフロア構造の構成では、クロスメンバに相当するバーリアエンド部材に差し掛かる箇所においてもフロアパネルのビード部が分断していない。このため、車幅方向に延びるバーリアエンド部材の接合面は、車幅方向に複数並べて設けられたビード部の凹凸形状と合致するように形成されている。このようにクロスメンバの接合面をビード部の凹凸形状と合致させる構成によると、平坦部とビード部とにおいてクロスメンバとフロアパネルとの継ぎ目の高低差が大きくなる。したがって、この継ぎ目にコーキング材を塗布してシールするには、作業性が悪くコスト高となるため結果として防錆性能が確保されにくいという問題があった。
本発明は、このような点に鑑みてなされたものであり、本発明が解決しようとする課題は、剛性が大きくかつ防錆性能が良好な車両のフロア構造を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明に係る車両のフロア構造は次の手段をとる。
本発明の第1の発明に係る車両のフロア構造は、車両の下部構造の骨格を構成するフレーム部材の一部として車幅方向に延びるクロスメンバと、該クロスメンバの上面に接合され車両のフロア面を構成するフロアパネルとを備え、該フロアパネルには平坦な面を有する平坦部とこれに対して車両前後方向に細長く上方に隆起した突条を成すビード部とが形成されている車両のフロア構造であって、前記フロアパネルに形成された前記ビード部は前記クロスメンバと交差するように配設されており、該ビード部の突条高さは前記クロスメンバと交差する交差部位置での高さが該交差部以外の非交差部位置での高さよりも低く設定されており、前記フロアパネルと接合される前記クロスメンバの上面は、該フロアパネルに形成された前記ビード部の前記交差部位置の下面の凹凸形状に沿わせた凹凸形状に形成されていることを特徴とする。
この第1の発明に係る車両のフロア構造によれば、フロアパネルに形成された車両前後方向に延びるビード部は、前記クロスメンバと交差するように配設されている。これにより、ビード部はクロスメンバを跨ぐようにしてその幅方向の両側に稜線が形成されるため、フロアパネルの剛性が大きくなる。また、フロアパネルに形成されたビード部の突条高さはクロスメンバと交差する交差部位置での高さは、これ以外の部分である非交差部位置での高さよりも低く設定されており、フロアパネルと接合されるクロスメンバの上面は、このフロアパネルに形成されたビード部の交差部位置の凹凸形状に沿わせて設けられている。これにより、平坦部からビード部にかけてクロスメンバ上面とフロアパネル下面との継ぎ目の高低差が小さくなっている。このため、この継ぎ目をシールする際のシール軌跡の上下の振れ幅が小さくなっている。よって、このシール作業の作業性が向上し、結果として車両のフロア構造の防錆性能が良好となる。
本発明の第2の発明に係る車両のフロア構造は、第1の発明に係る車両のフロア構造であって、前記フロアパネルに形成された前記ビード部は、幅方向の両側に前記平坦部に対して傾斜する傾斜面と幅方向の中央に水平な水平面とを有し、前記両側の傾斜面の傾斜角が前記交差部位置において前記非交差部位置よりも小さく設定されて形成されていることを特徴とする。
この第2の発明に係る車両のフロア構造によれば、前記のフロアパネルに形成された前記のビード部は、その幅方向の両側にこのフロアパネルの平坦部に対して傾斜する傾斜面と、その幅方向の中央に水平な水平面とを有している。また、前記のようにフロアパネルと接合されるクロスメンバの上面は、このフロアパネルに形成されたビード部の交差部下面の凹凸形状に沿わせて設けられている。これにより、フロアパネル下面とクロスメンバ上面の凹凸形状に車幅方向に関して一定の寸法公差が許容されている場合、ビード部の交差部の傾斜部下面とこれに沿わせて形成されたクロスメンバ上面との継ぎ目には略平行四辺形状断面の間隙が生じる。また、ビード部両側の傾斜面の傾斜角は、前記の交差部位置において前記非交差部位置よりも小さく設定されている。このため、上記の間隙を成す傾斜部下面とクロスメンバ上面との面間隔を小さく抑えることができる。したがって、継ぎ目をシールする際のシール性が向上し、結果として車両のフロア構造の防錆性能が良好となる。
本発明の第3の発明に係る車両のフロア構造は、第1または第2の発明に係る車両のフロア構造であって、前記フロアパネルの下面と前記クロスメンバの上面との継ぎ目を塞ぐようにコーキング材が塗布されていることを特徴とする車両のフロア構造。
この第3の発明に係る車両のフロア構造によれば、フロアパネル下面とクロスメンバ上面との継ぎ目を塞ぐようにコーキング材が塗布されている。継ぎ目がコーキング材で塞がれると、フロアパネルとクロスメンバとの間に外部から水が浸入することがなくなり、すなわち継ぎ目はシールされる。フロアパネルとクロスメンバの間に塗装できない部分が存在しても、このシール作業によってその部分に水が付着して錆が生じることを防止できる。したがって、車両のフロア構造の防錆性能が良好となる。
第1の発明に係る車両のフロア構造によれば、剛性が大きくかつ防錆性能が良好な車両のフロア構造を提供できる。
第2の発明に係る車両のフロア構造によれば、シール性が向上しさらに防錆性能が良好となる
第3の発明に係る車両のフロア構造によれば、コーキング材によりさらに防錆性能が良好となる。
フロアパネルのビード部の平面配置及び平面形状を概略的に示す平面図である。 第1の実施形態におけるクロスメンバと交差するビード部の交差部を示す斜視図である。 ビード部の交差部を図2のIII−III線で切断して示す断面図である。 第1の実施形態におけるビード部の交差部を図2のIV−IV線で切断して示す断面図である。 第1の実施形態におけるフロアパネルとクロスメンバとの継ぎ目に生じる間隙を説明する図である。 第2の実施形態におけるクロスメンバと交差するビード部の交差部を示す斜視図である。 第2の実施形態におけるビード部の交差部を図6のVII−VII線で切断して示す断面図である。
まず、本発明を実施するための第1の形態を、図1から図5までを参照しながら説明する。
本実施形態のフロア構造1は、キャブオーバータイプの車両の車室フロアの構造のうち、中央部から後部にかけての構造である。図1に示すように、この車両のフロア構造1は、車両の下部構造の骨格を構成するフレーム部材として、左右両側において車両前後方向に延びるサイドメンバ2,2と、この左右のサイドメンバ2,2を架け渡すように車幅方向に延びる複数のクロスメンバ3とを備えている。サイドメンバ2及びクロスメンバ3はいわゆるハット形鋼である。すなわち、このサイドメンバ2及びクロスメンバ3は、上部が開放された略コの字形断面を有するメンバ本体部と、このメンバ本体部の両側面上端から外側へ水平に張り出したフランジ部とを有している。図2及び図3には、クロスメンバ3のメンバ本体部30及びフランジ部31が示されている。クロスメンバ3のフランジ部31は、図2及び図4に示すように、平坦部31a、傾斜部31b、及び水平部31cを有する。これら平坦部31a、傾斜部31b、及び水平部31cの形状等の詳細については後述する。
車両のフロア構造1は、また、サイドメンバ2及びクロスメンバ3の上面に接合され車両のフロア面を構成するフロアパネル4を備えている。フロアパネル4は、鋼板をプレス成形によって目的の形状に成形したものである。フロアパネル4は、サイドメンバ2及びクロスメンバ3が有するフランジ部の上面にスポット溶接によって接合される。クロスメンバ3との接合については、フロアパネル4の平坦部40下面がフランジ部31の平坦部31a上面に、ビード部5の交差部51の水平部51c下面がフランジ部31の平坦部40上面に、それぞれスポット溶接により接合されている。図3及び図4にはクロスメンバ3とフロアパネル4との溶接箇所Wが示されている。
次に、図1、図2及び図4を参照して、ビード部5について説明する。
フロアパネル4には、平坦な面を有する平坦部40と、この平坦部40に対して車両前後方向に細長く上方に隆起した突条を成すビード部5とが形成されている。図1の平面図には、フロアパネル4上のこのビード部5の平面配置および平面形状が、クロスメンバ3との関係において概略的に示されている。本実施形態によるフロアパネル4には、平面配置または平面形状が互いに異なる4本のビード部5が形成されている。車幅方向右側3本のビード部5は、フロアパネル4の前端付近から後端まで延びており、車幅方向最も左側のビード部5は、フロアパネル4の中央部から始まり後端まで延びている。また、中央の隣り合う2本のビード部5は、フロアパネル4後部側において、平坦部40に対して一体的に隆起している。また、両外側の2本のビード部5は、長さ方向の途中で幅が拡張または減少している箇所を有する。
ビード部5は、フロアパネル4の下に設けられたクロスメンバ3と交差するように配設されている。ビード部5のうち、クロスメンバ3と交差する部分を交差部51とし、この交差部51以外の部分を非交差部52とする。すなわち、交差部51はビード部5のうちクロスメンバ3の真上に位置する部分である。図2は、このビード部5の交差部51を中心に示す斜視図である。また、図3はこの交差部51を図2のIII−III線で切断して示す断面図であり、図4はこの交差部を図2のIV−IV線で切断して示す断面図である。
ビード部5は、図2及び図4に示すように、幅方向の両側に平坦部40に対して傾斜する傾斜面を有する傾斜部51b,52bと、幅方向の中央に水平な水平面を有する水平部51c,52cとを備えている。この傾斜部51b,52bと水平部51c,52cとの境界には、稜線51d,52dが形成されている。ビード部5は交差部51位置及び非交差部52位置の双方においてこの稜線51d,52dを有するため、フロアパネル4は全体として曲げやねじりに対して大きな剛性を有する。この剛性により、衝撃を受けた時のフロアパネル4の変形が抑えられる。
ビード部5の突条高さは、交差部51位置での高さh1が、非交差部52位置での高さh2よりも低く設定されている。すなわちh1<h2の関係となっている。なお、ここで言うビード部5の突条高さh1,h2とは、図4に示すように、フロアパネル4の平坦部40下面から、ビード部5の交差部51及び非交差部52それぞれにおける水平部51c,52c下面までの高さh1,h2である。非交差部52のうち交差部51に臨む端部は、高さの異なる両水平部51c,52cを接続する斜面となっている。
ビード部5両側の傾斜部51b,52bの傾斜角θ1,θ2(図5参照)は、交差部51位置の傾斜部51bの傾斜角θ1が、非交差部52位置の傾斜部52bの傾斜角θ2よりも小さく設定されている。すなわちθ1<θ2の関係となっている。なお、ここで言う傾斜部51b,52bの傾斜角θ1,θ2とは、図5の説明図に示すように、フロアパネル4の平坦部40下面をビード部5下まで延長した面と、ビード部5の交差部51位置及び非交差部位置52それぞれにおける傾斜部51b,52b下面とが成す角度である。
次に、図2及び図4を参照して、クロスメンバ3とフロアパネル4の凹凸形状について説明する。
フロアパネル4の下面は、ビード部5の突条形状によって凹凸形状となっている。この凹凸形状は、平坦部40下面とビード部5下面とで形成されている。また、このフロアパネル4と接合されるクロスメンバ3のフランジ部31の上面は、フロアパネル4下面が成す凹凸形状に沿わせて形成されている。すなわち、フランジ部31の平坦部31a上面はフロアパネル4の平坦部40下面に、フランジ部31の傾斜部31b上面はビード部5の交差部51の傾斜部51b下面に、フランジ部31の水平部31c上面はビード部5の交差部51の水平部51c下面に、それぞれ沿うように形成されている。したがって、平坦部31a、傾斜部31b、及び水平部31cを有するフランジ部31の上面は、フロアパネル4の下面の凹凸形状と同様な凹凸形状となっている。フロアパネル4の下面とクロスメンバ3の上面は、両者の凹凸形状が互いに噛み合うようにして、前記のスポット溶接により接合されている。
次に、図3と図4を参照して、継ぎ目のシール作業について説明する。
フロアパネル4下面とクロスメンバ3上面との継ぎ目には、図3に示すように、コーキング材6が塗布される。ここで言う継ぎ目とはクロスメンバ3のフランジ部31のエッジ直上に生じる目地である。また、塗布されるコーキング材6は熱硬化型である。塗布されたコーキング材6は熱を与えられて硬化し、継ぎ目を塞ぐように固着する。継ぎ目がコーキング材6で塞がれると、フロアパネル4とクロスメンバ3とに囲われた空間に外部から水が浸入することがなくなり、すなわち継ぎ目はシールされる。
コーキング材6の塗布は、フロアパネル4下面とクロスメンバ3上面との継ぎ目に沿って連続的に行われる。図4には、継ぎ目に沿ってコーキング材6を塗布する折れ線形状のシール軌跡Sが矢印で示されている。ただし、同図に示されたシール軌跡Sは実際よりも下方にずらして描かれている。フロアパネル4に形成されたビード部5の交差部51位置における突条高さh1は、既述のように非交差部52位置における突条高さh2よりも小さい。このため、フロアパネル4下面とクロスメンバ3上面との継ぎ目はh1の高低差しかない。よって、シール軌跡Sが図示右方向に進む際の上下の振れ幅もh1に抑えられる。このようにシール軌跡の折れ線形状の振れ幅が小さく直線的であるほど、これに追従させて塗布する技術や手間が省けるため、コーキング材塗布の作業性は良くなる。特に、コーキング材塗布の幅をh1以上にとれば、直線での塗布が可能となるため、この作業性はさらに良いものとなる。
次に、図5を参照して、継ぎ目に生じる間隙について説明する。
クロスメンバ3上面の凹凸形状は、既述のようにフロアパネル4下面の凹凸形状に沿わせて形成されている。このクロスメンバ3上面とフロアパネル4下面とを互いに噛み合わせ可能とすることを考慮して、両者の凹凸形状には車幅方向(水平方向)に関して一定の寸法公差が許容されている。詳しくは、フランジ部31の水平部31cの(車幅方向の)長さが、ビード部5の交差部51の水平部51c下面の幅よりも寸法公差zだけ小さく設定されている。したがって、両傾斜部31b,51b間の継ぎ目には、必然的に略平行四辺形状断面の間隙が生じる。クロスメンバ3とフロアパネル4とは、図4に示すようにビード部5の両側で均等に間隙が生じるように組み付けられるため、それぞれの間隙は水平方向に前記の寸法公差zの半分(z/2)の間隔を有する。しかし、車幅方向の組み付け精度にばらつきがあると、クロスメンバ3とフロアパネル4とが相対的にずれて、ビード部5の両側の間隙に偏りが生じる。図5はクロスメンバ3とフロアパネル4とが最もずれて組み付けられた状態を説明するための概略的な図である。この状態では図示左側に大きな間隙G1が現れ、右側の間隙は無視できる程度となっている。
また、図5には、ビード部5の交差部を仮に前記の非交差部52と同じ寸法で形成した場合の仮想的な交差部59が、実際の交差部51との位置関係において、二点鎖線で示されている。すなわち、この交差部59の突条高さは、非交差部52位置での突条高さh2と等しく、傾斜部59bの傾斜角は、非交差部52位置での傾斜部52bの傾斜角θ2と等しい。この仮想的な交差部59は、実際の交差部51と対応して、傾斜部59bと水平部59cとを有する。さらに、同図には、この交差部59に沿わせるように形成された仮想的なフランジ部39が、二点鎖線で示されている。この仮想的なフランジ部39は、実際のフランジ部31と対応して、傾斜部39bと水平部39cとを有する。また、交差部59下面とフランジ部39上面の凹凸形状にも、前記と同様の寸法公差zが許容される。すなわち、フランジ部39の水平部39cの(車幅方向の)長さが、交差部59の水平部59c下面の幅よりも寸法公差zだけ小さく設定されている。したがって、仮想的な両傾斜部39b,59b間の継ぎ目にも、略平行四辺形状断面の間隙が生じる。図5の状態では、図示左側に、既述の実際の間隙G1に対応して間隙G2が現れている。
図5に示すように、間隙G1を生じる傾斜部51b,31b間の面間隔をd1、間隙G2を生じる仮想的な傾斜部59b,39b間の面間隔をd2とする。この面間隔d1,d2は、図5から明らかなように、それぞれd1=z×sin(θ1)、d2=z×sin(θ2)の式によって計算される。ここで、前記のように傾斜部51b,59bの傾斜角θ1,θ2は0°<θ1<θ2<90°と設定されるため、上式により面間隔d1,d2にはd1<d2の関係が成立する。したがって、ビード部5の交差部を仮に前記の非交差部52と同じ寸法で形成した場合と比較すると、このクロスメンバ3上面とフロアパネル4下面との継ぎ目に生じる間隙G1はd1に抑えられる。継ぎ目に生じる間隙は小さいほど、コーキング材の塗布不足による穴あき等のシール不良が発生しないため、シール性が良好なものとなる。
次に、突条高さh1,h2及び傾斜角θ1,θ2の具体的な設定例を説明する。
フロアパネル4全体の剛性を考慮し、非交差部52の突条高さh2を12mmに、傾斜部52bの傾斜角θ2を60°と設定する。また、フロアパネル4下面とクロスメンバ3上面の凹凸形状に許容される車幅方向の寸法公差zを6mmとする。ここで、本実施形態の条件を満たすように、ビード部5の交差部51の突条高さh1を3mmに、傾斜部51bの傾斜角θ1を19°に設定する。この設定によれば、交差部51下面とフランジ部31上面との継ぎ目の高低差は3mmとなり、この継ぎ目にコーキングを塗布してシールする際のシール軌跡Sの振れ幅が小さくなるため、コーキング材6塗布の作業性が良いものとなる。特にコーキング材6の塗布幅を3mm以上とすれば、完全に直線的に塗布しても継ぎ目をシール可能であるため、さらに作業性が良いものとなる。また、フロアパネル4下面とクロスメンバ3上面の継ぎ目に生じる間隙G1の面間隔d1は、前記の計算により2mm未満に抑えられ、シール性が良いものとなる。しかし、前述のようにビード部5の交差部59を仮に前記の非交差部52と同じ寸法(h2、θ2)で形成したとする。この設定によれば、この仮想的な交差部59下面とフランジ部39上面との継ぎ目をシールする際、その高低差は交差部59の突条高さh2と同じ12mmとなり、コーキング塗布の際のシール軌跡Sの振れ幅が大きすぎて、コーキング材塗布の作業性が悪い。また、この継ぎ目に生じる仮想的な間隙G2の面間隔d2は約5.2mmとなり、シール性も悪いものとなる。
以上のように構成される車両のフロア構造は、以下のような作用効果を奏する。
この構成によれば、フロアパネル4に形成された車両前後方向に延びるビード部5は、前記クロスメンバ3と交差するように配設されている。これにより、ビード部5はクロスメンバ3を跨ぐようにしてその幅方向の両側に稜線51d,52dが形成されるため、フロアパネル4の剛性が大きくなる。また、フロアパネル4に形成されたビード部5の突条高さはクロスメンバと交差する交差部51位置での高さh1は、これ以外の部分である非交差部52位置での高さh2よりも低く設定されており、フロアパネル4下面に接合されるクロスメンバ3のフランジ部31上面は、このフロアパネル4に形成されたビード部5の交差部51位置の凹凸形状に沿わせた凹凸形状に形成されている。これにより、平坦部40からビード部5の水平部51cにかけてクロスメンバ3のフランジ部31上面とフロアパネル4下面との間の折れ線状の継ぎ目の高低差が小さくなっている。このため、この継ぎ目にコーキング材6を塗布してシールする際のシール軌跡Sの上下の振れ幅が小さくより直線的となっている。よって、このシール作業の作業性が向上し、結果として車両のフロア構造1の防錆性能が良好となる。
さらに、この構成によれば、フロアパネル4に形成されたビード部5は、その幅方向の両側にフロアパネル4の平坦部40に対して傾斜する傾斜部51b,52bと、その幅方向の中央に水平な水平部51c,52cとを有している。また、前記のようにフロアパネル4と接合されるクロスメンバの上面は、このフロアパネル4に形成されたビード部5の交差部51下面の凹凸形状に沿わせた凹凸形状に形成されている。これにより、フロアパネル4下面とクロスメンバ3上面の凹凸形状に車幅方向に関して一定の寸法公差が許容されている場合、ビード部5の交差部51の傾斜部51b下面とこれに沿わせて形成されたクロスメンバ3のフランジ部31の傾斜部31b上面との継ぎ目には略平行四辺形状断面の間隙G1が生じる。しかし、この両側の傾斜部51b,52bの傾斜角は、前記の交差部51位置における傾斜角θ1が前記非交差部52位置における傾斜角θ2よりも小さく設定されている。このため、この間隙G1を成すビード部5の傾斜部51b下面とクロスメンバ3のフランジ部31の傾斜部31b上面との面間隔d1を小さく抑えることができる。したがって、継ぎ目にコーキング材6を塗布してシールする際のシール性が向上し、結果として車両のフロア構造1の防錆性能が良好となる。
さらに、この構成によれば、フロアパネル4下面とクロスメンバ3上面との継ぎ目を塞ぐようにコーキング材6が塗布されている。継ぎ目がコーキング材6で塞がれると、フロアパネル4とクロスメンバ3とに囲われた空間に外部から水が浸入することがなくなり、すなわち継ぎ目はシールされる。この空間に面したフロアパネル4とクロスメンバ3には塗装できない部分が存在しても、このシール作業によってその部分に水が付着して錆が生じることを防止できる。したがって、車両のフロア構造1の防錆性能が良好となる。
次に、本発明を実施するための第2の形態を、図6及び図7を参照しながら説明する。
第2の実施形態は、第1の実施形態において、ビード部5のうちクロスメンバ3と交差する交差部53の形状と、クロスメンバ3のフランジ部31の形状とを変更した実施形態である。図6は、ビード部5の交差部53を中心に示す斜視図であり、図7はこの交差部53を図6のVII−VII線で切断して示す断面図である。なお、フロアパネル4上におけるビード部5の平面配置および平面形状は、第1の実施形態と同様である(図1参照)。第2の実施形態のうち、前記の第1の実施形態から実質的な変更を要しない部分については、同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
ビード部5は、傾斜部53bと水平部53cとを有し,傾斜部53bと水平部53cとの間には稜線53dが形成されている。ビード部5の突条高さh1,h2は、ビード部5の傾斜部53b,52bの傾斜角θ1,θ2は、交差部51位置の傾斜部51bの傾斜角が、非交差部52位置の傾斜部52bの傾斜角と等しく設定されている。すなわち第1の実施形態においてθ1=θ2としたものである。
クロスメンバ3のフランジ部32の上面の凹凸形状は、第1の実施形態と同様に、フロアパネル4下面が成す凹凸形状に沿わせた凹凸形状にて形成されている。しかし、このフロアパネル4のビード部5の傾斜部53b,52bの傾斜角θ1,θ2が上記のように変更されるため、フランジ部32の平坦部32a、傾斜部32b、水平部32c上面の凹凸形状も、第1の実施形態とは異なるものとなる。
以上のように構成される車両のフロア構造は、以下のような作用効果を奏する。
この構成によれば、フロアパネル4に形成された車両前後方向に延びるビード部5は、前記クロスメンバ3と交差するように配設されている。また、フロアパネル4に形成されたビード部5の突条高さはクロスメンバと交差する交差部53位置での高さh1は、これ以外の部分である非交差部52位置での高さh2よりも低く設定されており、フロアパネル4下面に接合されるクロスメンバ3のフランジ部32上面は、このフロアパネル4に形成されたビード部5の交差部53位置の凹凸形状に沿わせた凹凸形状に設けられている。これにより、第1の実施形態と同様の効果が得られる。
さらに、この構成によれば、フロアパネル4下面とクロスメンバ3上面との継ぎ目を塞ぐようにコーキング材6が塗布されている。これにより、第1の実施形態と同様の効果が得られる。
なお、本発明に係る車両のフロア構造は、上記の第1及び第2の実施形態に限定されるものではなく、その他各種の形態で実施できるものである。
まず、ビード部の本数、間隔等の平面配置、幅や長さ等の平面形状は図1に示すものに限定されず、各種の形態で実施できる。第1及び第2の実施形態においては、フロアパネル4のビード部5が交差するクロスメンバ3は、車両の左右両側に配設されたサイドメンバ2,2を架け渡すように設けられている部材であり、必然的にビード部5の交差部51もフロアパネル4上においてサイドメンバ2,2よりも内側に配設されていた。しかし、車両の下部構造の骨格を構成するフレーム部材の一部として車幅方向に延びる部材であれば、上記のクロスメンバ3に代えて、サイドメンバ2,2よりも外側に設けられた部材に対して適用しても良い。この場合、ビード部もフロアパネル4上においてサイドメンバ2,2より外側に配設されているものとなる。また、ビード部5は傾斜部51b、52b、53bと水平部51c、52c、53cを有するものであったが、これらは完全な平面ではなく若干の曲面であっても許容される。また、ビード部5の非交差部52のうち、交差部51,53と接続される斜面部分の形状は自由に設定可能である。
1 フロア構造
2 サイドメンバ
3 クロスメンバ
30 メンバ本体部
31 フランジ部
31a 平坦部
31b 傾斜部
31c 水平部
4 フロアパネル
40 平坦部
5 ビード部
51 交差部
52 非交差部
51b,52b 傾斜部
51c,52c 水平部
51d,52d 稜線
6 コーキング材
G1,G2 間隙
S シール軌跡
W 溶接箇所
z 寸法公差
h1,h2 突条高さ
θ1,θ2 傾斜部の傾斜角
d1,d2 面間隔

Claims (3)

  1. 車両の下部構造の骨格を構成するフレーム部材の一部として車幅方向に延びるクロスメンバと、該クロスメンバの上面に接合され車両のフロア面を構成するフロアパネルとを備え、該フロアパネルには平坦な面を有する平坦部とこれに対して車両前後方向に細長く上方に隆起した突条を成すビード部とが形成されている車両のフロア構造であって、
    前記フロアパネルに形成された前記ビード部は前記クロスメンバと交差するように配設されており、該ビード部の突条高さは前記クロスメンバと交差する交差部位置での高さが該交差部以外の非交差部位置での高さよりも低く設定されており、
    前記フロアパネルと接合される前記クロスメンバの上面は、該フロアパネルに形成された前記ビード部の前記交差部位置の下面の凹凸形状に沿わせた凹凸形状に形成されていることを特徴とする車両のフロア構造。
  2. 請求項1に記載の車両のフロア構造であって、前記フロアパネルに形成された前記ビード部は、幅方向の両側に前記平坦部に対して傾斜する傾斜面と幅方向の中央に水平な水平面とを有し、前記両側の傾斜面の傾斜角が前記交差部位置において前記非交差部位置よりも小さく設定されて形成されていることを特徴とする車両のフロア構造。
  3. 請求項1または2に記載の車両のフロア構造であって、前記フロアパネルの下面と前記クロスメンバの上面との継ぎ目を塞ぐようにコーキング材が塗布されていることを特徴とする車両のフロア構造。
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