JP5300537B2 - 裏当て金 - Google Patents

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Description

本発明は、各々管状に形成された一方の長尺材と他方の長尺材とを突き合わせ溶接する際に用いられる裏当て金に関する。
下記特許文献1には、ダイヤフラムジョイントの裏当て金取付方法に関する技術が開示されている。簡単に説明すると、この先行技術では、鋼管柱と同一構成の角コラムをダイヤフラムとして用いる場合に、角コラムの内法寸法には寸法公差があるため、バラツキの最大値よりも僅かに大きい寸法を有する拡開治具を角コラムの両端部に圧入して一定の形状及び寸法に成形した後、定寸の裏当て金を角コラムの両端部に圧入するようになっている。
しかしながら、上記先行技術による場合、長尺状の角コラムの両端部に拡開治具をそれぞれ圧入して成形する必要があるため、圧入中に角コラムに座屈等の変形が生じないように注意して行わなければならず、長尺材には適用し難い。
特開平7−108399号公報
ここで、一般に、角型鋼管やH鋼、C型鋼といった型鋼から成る部材同士を突き合わせ溶接にて継ぐ場合、一方の部材の端部に裏当て金を溶接し、他方の部材の端部を裏当て金に差し込んで溶接する手法が採られている。
この従来の手法で一方の部材と他方の部材とを接合する場合、短い方の部材を固定し、長い方の部材を吊り込んで裏当て金に嵌合させるが、当該長い方の部材は重量物であり、吊り込み時に回転する(ぶれる)。このため、当該長い方の部材の端部を裏当て金に差し込むときに位置がずれ易く、接合に手間がかかる。
また、型鋼は、曲げ加工される際にコーナー部にR形状部が必ず形成される。このR形状部には寸法公差があるため、コーナー部のR形状部に合致するR形状部を有する裏当て金を製作することは困難である。従って、従来では、R形状部を除いた直線部に裏当て金を装着し、R形状部には裏当て金を装着しないようにしていた。このため、一方の部材と他方の部材とを接合する際に両者間に形成される隙間の幅が広くなり、ピットやブローホールといった溶接不良が発生し易かった。これに対応するため、従来では、溶接ロボットで自動溶接する際に、溶接不良が生じないように裏当て金に沿って自動溶接機の溶接ハンドを複数回周回させて、溶接層を重ねていく手法を採っていた。
しかしながら、このような対策を講ずると、溶接金属の使用量が増加すると共に接合するのに手間がかかる。
本発明は上記事実を考慮し、各々管状に形成された一方の長尺材に重量物である他方の長尺材を裏当て金を用いて差込む際に容易に位置決めがなされると共に寸法交差に対応することができ、更には突き合わせ溶接時に溶接不良が生じ難い裏当て金を得ることが目的である。
請求項1記載の本発明に係る裏当て金は、管状に形成された一方の長尺材の端部の内側に挿入されると共に、当該端部の内側面に固定され、かつ当該一方の長尺材の端部の内周方向に複数個に分断された基端部と、各基端部から当該一方の長尺材の端部の軸方向外側にそれぞれ延出されると共に、当該一方の長尺材の端部に他方の長尺材の端部が突き合わされた際に当該他方の長尺材の端部の内側面に当接される裏当て部と、各裏当て部から一方の長尺材の端部の軸方向外側に複数個それぞれ延出されると共に軸線側へ傾斜され、更に一方の長尺材の軸方向と交差する方向へ弾性変形可能とされ、かつ他方の長尺材の端部の差込み時に当該他方の長尺材の端部が当接して弾性変形した場合には弾性復元力で他方の長尺材の端部を正規位置に誘導すると共に前記一方の長尺材の外側へ向けて凸となる略湾曲面形状に形成された誘導傾斜部と、前記他方の長尺材の端部の内側面に設けられると共に前記隣り合う誘導傾斜部間の隙間に係合される係合部材と、を有している。
請求項2記載の本発明に係る裏当て金は、管状に形成された一方の長尺材の端部の内側に挿入されると共に、当該端部の内側面に固定され、かつ当該一方の長尺材の端部の内周方向に複数個に分断された基端部と、各基端部から当該一方の長尺材の端部の軸方向外側にそれぞれ延出されると共に、当該一方の長尺材の端部に他方の長尺材の端部が突き合わされた際に当該他方の長尺材の端部の内側面に当接される裏当て部と、各裏当て部から一方の長尺材の端部の軸方向外側に複数個それぞれ延出されると共に軸線側へ傾斜され、更に一方の長尺材の軸方向と交差する方向へ弾性変形可能とされ、かつ他方の長尺材の端部の差込み時に当該他方の長尺材の端部が当接して弾性変形した場合には弾性復元力で他方の長尺材の端部を正規位置に誘導すると共に前記一方の長尺材の外側へ向けて自然状態において前記一方の長尺材の外側面よりも外側へ突出して凸となる略湾曲面形状に形成されている誘導傾斜部と、前記他方の長尺材の端部の内側面に設けられると共に当該隣り合う誘導傾斜部間の隙間に係合される係合部材と、を有している。
請求項3記載の本発明に係る裏当て金は、管状に形成された一方の長尺材の端部の内側に挿入されると共に、当該端部の内側面に固定され、かつ当該一方の長尺材の端部の内周方向に複数個に分断された基端部と、各基端部から当該一方の長尺材の端部の軸方向外側にそれぞれ延出されると共に、当該一方の長尺材の端部に他方の長尺材の端部が突き合わされた際に当該他方の長尺材の端部の内側面に当接され、かつ前記一方の長尺材の端部の内側への装着状態で、当該一方の長尺材の端部におけるコーナー部の内周面に重なる部分の高さが他の部位よりも低く設定された裏当て部と、各裏当て部から一方の長尺材の端部の軸方向外側にそれぞれ延出されると共に軸線側へ傾斜され、更に一方の長尺材の軸方向と交差する方向へ弾性変形可能とされ、かつ他方の長尺材の端部の差込み時に当該他方の長尺材の端部が当接して弾性変形した場合には弾性復元力で他方の長尺材の端部を正規位置に誘導する誘導傾斜部と、を有している
請求項4記載の本発明に係る裏当て金は、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の発明において、前記誘導傾斜部は、前記一方の長尺材の軸線方向と交差する二方向に少なくとも一箇所ずつ設けられている、ことを特徴としている。
請求項5記載の本発明に係る裏当て金は、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の発明において、前記裏当て金は複数個に分断されており、分断された各要素は平面視で略L字状に形成されている、ことを特徴としている。
請求項6記載の本発明に係る裏当て金は、請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の発明において、前記各要素の長手方向の寸法は、前記一方の長尺材の内側面の一辺の長さよりも短く設定されている、ことを特徴としている。
請求項7記載の本発明に係る裏当て金は、請求項〜請求項のいずれか1項に記載の発明において、前記誘導傾斜部は、前記裏当て部の長手方向の一方の端部の上端部に形成されている、ことを特徴としている。
請求項1記載の本発明によれば、裏当て金は基端部と裏当て部と誘導傾斜部とを有している。このうち、基端部は管状に形成された一方の長尺材の端部の内側に挿入されてその内周面に固定される部分であり、一方の長尺材の端部の内周方向に複数個に分断されている。そして、各基端部からは裏当て部が延出されており、この裏当て部が他方の長尺材の端部が一方の長尺材の裏当て金に差込まれたときに他方の長尺材の端部の内側に当接される部分である。
ここで、他方の長尺材の端部を一方の長尺材の裏当て金に差込む際に、他方の長尺材の端部が(吊り込み時の)回転等により位置がずれることがある。
しかし、本発明では、各裏当て部からは誘導傾斜部が形成されているため、他方の長尺材の端部の位置がずれて裏当て金の誘導傾斜部に当接すると、誘導傾斜部が一方の長尺材の軸線側へ傾斜しているため、他方の長尺材の端部を傾斜方向に誘導する。さらに、誘導傾斜部は一方の長尺材の軸方向と交差する方向へ弾性変形可能とされているため、他方の長尺材の端部が当接したことによる弾性変形が復帰するときに、弾性復元力を他方の長尺材の端部に作用させ、一方の長尺材の端部に対する他方の長尺材の端部の位置ずれを矯正していく。すなわち、他方の長尺材の端部を一方の長尺材の端部に正確に誘導していき両者の位置決めを行うことができる。換言すれば、他方の長尺材の端部を引っ掛かることなくスムーズに一方の長尺材の端部にセットすることができる。
さらに、本発明の裏当て金は分断されているので、一方の長尺材の端部に現れる寸法交差の影響を吸収することができる。また、誘導傾斜部が一方の長尺材の外側へ向けて凸となる略湾曲面形状に形成されているため、他方の長尺材の端部が誘導傾斜部に当接した後、凸湾曲面形状に案内されて速やかに所定の位置に案内される。さらに、他方の長尺材の端部を一方の長尺材の端部に接近させると、複数個形成された誘導傾斜部に案内されて他方の長尺材の端部が一方の長尺材の端部に位置決めされていく。このとき、本発明では、他方の長尺材の端部の内側面に設けられた係合部材が裏当て金の隣り合う誘導傾斜部間の隙間に係合される。従って、より早くより正確かつ容易に他方の長尺材の端部を一方の長尺材の端部に位置決めすることができる。
請求項2記載の本発明によれば、誘導傾斜部の凸部の最外部は、自然状態において、一方の長尺材の外側面よりも外側へ突出して配置されているので、他方の長尺材の端部を一方の長尺材の端部に吊り降ろしてくると、誘導傾斜部の凸部の最外部に他方の長尺材の端部の内側面が干渉する。このため、誘導傾斜部は一方の長尺材の端部の軸線側へ弾性変形され、その弾性復元力が他方の長尺材の端部の内側面に作用することで、より迅速に他方の長尺材の端部が一方の長尺材の端部にセットされる。
請求項3記載の本発明によれば、一方の長尺材の端部の内側への裏当て金の装着状態で、当該一方の長尺材の端部におけるコーナー部の内周面に重なる部分の高さが他の部位よりも低く設定されているので、他方の長尺材の端部を降ろしてきたときに裏当て金の前記コーナー部の内周面に重なる部分に引っ掛かるのを防止又は抑制することができる。
請求項4記載の本発明によれば、誘導傾斜部が一方の長尺材の軸線方向と交差する二方向に少なくとも一箇所ずつ設けられているので、他方の長尺材の端部を一方の長尺材の端部に対して当該軸線方向と交差する二方向に位置決めされる。
請求項5記載の本発明によれば、前記裏当て金は複数個に分断されており、分断された各要素は平面視で略L字状に形成されているので、一方の長尺材のコーナー部に裏当て金の分断箇所を配置することができる。かかるコーナー部には寸法交差が生じ易いが、このような配置を採ることにより寸法交差の影響を吸収することができる。
請求項6記載の本発明によれば、各要素の長手方向の寸法は一方の長尺材の内側面の一辺の長さよりも短く設定されているので、一方の長尺材の端部の内寸が寸法公差により短かった場合にも、各要素を一方の長尺材の端部の内側に装着することができる。また、一方の長尺材の端部におけるコーナー部の内側に裏当て金の要素の端部又は角部が配置されるので、従来構造と比べると、一方の長尺材の端部の周長の略全長に裏当て金が配置されることになる。従って、突き合わせ溶接した際に溶接欠陥が生じ難い。また、これにより自動溶接機を使って突き合わせ溶接した際に溶接ハンドを多めに周回させる必要がなくなる。
請求項7記載の本発明によれば、誘導傾斜部は裏当て部の長手方向の一方の端部の上端部に形成されているので、裏当て部の全長に亘って誘導傾斜部を設ける場合に比し、誘導傾斜部にばね性を持たせ易い。しかも、誘導傾斜部の幅を変えることで、ばね性も変わるので、ばね性の設定が容易になる。
以上説明したように、請求項1記載の本発明に係る裏当て金は、各々管状に形成された一方の長尺材に重量物である他方の長尺材を裏当て金を用いて差込む際に容易に位置決めがなされると共に寸法交差に対応することができるという優れた効果を有する。また、他方の長尺材の端部を一方の長尺材の端部にスムーズにセットすることができるという優れた効果を有する。さらに、他方の長尺材の端部を一方の長尺材の端部にセットする作業を精度良く短時間で容易に行うことができるという優れた効果を有する。
請求項2記載の本発明に係る裏当て金は、他方の長尺材の端部を一方の長尺材の端部により迅速にセットすることができるという優れた効果を有する。
請求項3記載の本発明に係る裏当て金は、他方の長尺材の端部を一方の長尺材の端部によりスムーズにセットすることができるという優れた効果を有する。
請求項4記載の本発明に係る裏当て金は、他方の長尺材の端部を一方の長尺材の端部に対して短時間で位置決めし嵌合させることができるという優れた効果を有する。
請求項5記載の本発明に係る裏当て金は、寸法交差の影響を吸収して裏当て金を一方の長尺材の端部に確実かつ正確に取り付けることができるという優れた効果を有する。
請求項6記載の本発明に係る裏当て金は、寸法交差により一方の長尺材の端部の内寸が短めになった場合でも、対応することができるという優れた効果を有する。さらに、本発明に係る裏当て金は、突き合わせ溶接時に溶接不良が生じ難い(即ち、溶接品質を向上させることができる)と共に、溶着金属量を削減してコストダウンを図ることができ、更に溶接時間を短縮することができるという優れた効果を有する。
請求項7記載の本発明に係る裏当て金は、誘導傾斜部のばね性のチューニングを容易に行うことができるという優れた効果を有する。
第1実施形態に係り、床仕口から裏当て金を分離した状態の斜視図である。 図1に示される裏当て金を床仕口に取り付けた状態の斜視図である。 (A)は図1に示される裏当て金を構成する裏当て金構成要素の平面図であり、(B)はその正面図であり、(C)はその側面図である。 図3に示される裏当て金構成要素の斜視図である。 ユニット建物を構築する際の構成単位となる建物ユニットの斜視図である。 第2実施形態に係る裏当て金を示す図1に対応する斜視図である。 第3実施形態に係る裏当て金を示す図1に対応する斜視図である。 第4実施形態に係る裏当て金を示す図1に対応する斜視図である。 第5実施形態に係る裏当て金を示す図1に対応する斜視図である。 第6実施形態に係る裏当て金を示す図1に対応する斜視図である。
〔第1実施形態〕
以下、図1〜図5を用いて、本発明に係る裏当て金の第1実施形態について説明する。
図5には、ユニット建物を構築する際の構成単位となる建物ユニット10の斜視図が示されている。この図に示されるように、この建物ユニット10は箱型ユニットとされており、平面視で矩形状に形成された床パネル12と、平面視で矩形状に形成されて床パネル12に対して平行に配置された天井パネル14と、床パネル12と天井パネル14とを四隅で連結する4本の柱16と、によって構成されている。
床パネル12は、長辺側に配置された一対の床大梁18と、短辺側に配置された一対の床大梁20と、四隅に配置される床仕口22と、長辺側の床大梁18間に所定間隔で配置される複数本の床小梁(図示省略)と、によって構成された床フレーム24を備えている。この床フレーム24における床小梁の上面に床板26が取り付けられて、床パネル12が構成されている。
さらに説明すると、床大梁18、20はいずれも溝型鋼によって構成されており、各々の長手方向の端部が床仕口22の内側側面に溶接により固定されている。床仕口22は、断面形状が方形とされた角型鋼管柱によって構成されている。
一方、天井パネル14も、基本的には床パネル12と同様に構成されている。すなわち、天井パネル14は、長辺側に配置された一対の天井大梁28と、短辺側に配置された一対の天井大梁30と、四隅に配置された天井仕口32と、長辺側の天井大梁28間に所定間隔で配置される複数本の天井小梁34と、によって構成された天井フレーム36を備えている。この天井フレーム36における天井小梁34の下面に天井板38が取り付けられて、天井パネル14が構成されている。
天井大梁28、30はいずれも溝型鋼によって構成されており、各々の長手方向の端部が天井仕口32の内側側面に溶接により固定されている。天井仕口32は、断面形状が方形とされた角型鋼管柱によって構成されている。
上記床パネル12の床仕口22と天井パネル14の天井仕口32とは、柱16によって連結されている。柱16は床仕口22及び天井仕口32と同様形状の鋼管柱によって構成されている。その意味では、本実施形態では、1本の柱を床仕口22と天井仕口32と柱16とに三分割した構成といえる。
上述した一方の長尺材としての床仕口22の上端部及び他方の長尺材としての天井仕口32の下端部には、裏当て金40が装着されており、以下に詳細に説明する。
図1には、床仕口22から裏当て金40を分離した状態の斜視図が示されている。また、図2には、裏当て金40を床仕口22に取り付けた状態の斜視図が示されている。さらに、図3及び図4には、裏当て金40を構成する裏当て金構成片42の単品状態の三面図及び斜視図がそれぞれ示されている。
図1及び図2に示されるように、裏当て金40は、複数の要素としての4つの裏当て金構成片42によって構成されている。換言すれば、裏当て金40は、床仕口22への装着状態で、床仕口22の上端部44の内周方向に4個に分断(分割)されている。
図3及び図4に示されるように、各裏当て金構成片42は、帯板状に形成されており、床仕口22の上端部44の内側に挿入されて当該内側面44Aに面接触状態で固定される基端部42Aと、この基端部42Aから床仕口22の軸方向外側へ向けて後述する屈曲部42Dを除いて同一幅で所定長さ延設された裏当て部42Bと、この裏当て部42Bの長手方向の一方の端部の上縁側から更に床仕口22の軸方向外側へ延出された爪状の誘導傾斜部42Cと、を含んで構成されている。なお、基端部42Aと裏当て部42Bは一体に形成された部分であるが、機能的に見て異なる部品名称と符合を与えている。
誘導傾斜部42Cは、それぞれの裏当て金構成片42に対して一箇所ずつ形成されている。従って、誘導傾斜部42Cは、方形枠状に形成された裏当て金40において、床仕口22の軸線(図2の一点鎖線P)方向と交差(直交)する二方向(図2のX方向とY方向であり、直交二軸)に二箇所ずつ形成されている。なお、本実施形態では、誘導傾斜部42Cを前記二方向に二箇所ずつ形成したが、これに限らず、少なくとも一箇所形成されていればよく、図2のX方向に一箇所とY方向に一箇所であっても平面状の位置決めは可能である。逆に、裏当て金構成片42の両端二箇所ずつ或いは両端と中央の三箇所ずつ誘導傾斜部42Cを形成してもよい。
また、誘導傾斜部42Cは、裏当て部42Bと同一平面上に延出されているのではなく、裏当て部42Bの面に対して所定角度内側(床仕口22の軸線P側)へ屈曲されている。これにより、誘導傾斜部42Cには、傾斜面46が形成されている。さらに、この誘導傾斜部42Cの板厚t(図3(A)、(C)参照)は床仕口22の上端部44の板厚T(図1参照)に比べて同一又は薄く設定されている。因みに、本実施形態では、誘導傾斜部42Cの板厚をt、床仕口22の板厚をTとした場合に、0.8<t/T≦1となるように、誘導傾斜部42Cの板厚を設定している。
上記構成、即ち誘導傾斜部42Cが裏当て部42Bの上縁の一部の範囲に突出形成されていること、並びに誘導傾斜部42Cの板厚は床仕口22の上端部44の板厚Tと同一又はこれよりも薄く設定されていることから、その板厚方向(図3(C)の矢印K方向)へ弾性変形可能とされている。なお、板厚比(t/T)=1の場合を含めているのは、床仕口22として使う鋼管柱の種類(即ち、板厚)によっては、誘導傾斜部42Cを裏当て部42Bの上縁の一部の範囲に突出形成するだけでも必要とする弾性変形が得られる場合があるためである。
また、基端部42Aの長手方向の他方の端部には、基端部42Aに対して直角方向(基端部42Aの板厚方向)に折り曲げられた屈曲部42Dが形成されている。屈曲部42Dは、誘導傾斜部42Cの折り曲げ側と同じ側に折り曲げられている。また、屈曲部42Dが形成されたことにより、裏当て金構成片42は、平面視で略L字状に形成されている。さらに、屈曲部42Dの根元外周面50(図1参照)は略円弧面形状に形成されており、かかる根元外周面50が床仕口22の上端部44のコーナー部48の内周面48Aに当接されている(図2参照)。
さらに、基端部42Aの下縁部には、一対の切欠52が形成されている。裏当て金構成片42は、その基端部42Aがこれら一対の切欠52を用いてプラグ溶接されることにより、床仕口22の上端部の内側面44Aに固定されている。
次に、裏当て金構成片42の各部の寸法関係について説明する。
裏当て金構成片42の長手方向寸法A(図3(B)参照)は、床仕口22の内寸(内側面44Aの一辺の長さ)B(図1参照)よりも、裏当て金構成片一枚分の板厚t(図3(A)参照)分だけ短く設定されている。また、屈曲部42Dの高さhは、他の一般部である基端部42A及び裏当て部42Bを足した高さHよりも低く設定(基端部42Aの高さ+αに設定)されている。なお、αは、2mm〜6mmの範囲で、コーナー部48に必要最小限の裏当て部が形成される程度(一例として5mm)に設定されている。すなわち、裏当て金構成片42の組付状態では、基端部42Aは床仕口22の上端部の内側に挿入されて裏当て部42B(及び屈曲部42Dの+αに相当する上端部)のみが床仕口22から突出されるようになっており、その基端部42Aに合わせて屈曲部42D(の+αを除いた部分)も床仕口22の上端部の内側(コーナー部48の内周面48A)に挿入されるようになっている。
上記裏当て金構成片42を床仕口22の上端部の内側面44Aに順次固定していくことにより、平面視で方形状の裏当て金40が形成されている。
(作用・効果)
次に、本実施形態の作用並びに効果について説明する。
上記構成の裏当て金40は4個の裏当て金構成片42に分断されており、これらの裏当て金構成片42を1個ずつ床仕口22の上端部の内側面44Aにセットし、プラグ溶接により取り付けていく。このとき、裏当て金構成片42の屈曲部42Dが床仕口22の上端部のコーナー部48の内周面48Aに当接するようにセットされる。また、裏当て金構成片42の長手方向寸法Aは床仕口22の上端部の内寸Bよりも所定長さ短く設定されているので、床仕口22の上端部の寸法公差及び裏当て金構成片42の寸法公差によって裏当て金構成片42を床仕口22の上端部の内側面44Aに装着することができないといった事態は生じない。
上記の如くして裏当て金40が床仕口22の上端部の内側面44Aに装着されると、図2に示される状態となる。この状態の床仕口22に対して柱16がクレーンで吊り込まれてその下端部54が床仕口22の上端部44に差込まれる。
このとき、即ちクレーンで柱16を吊り込んだ際、柱16が回転してその下端部54と床仕口22の上端部44との平面上での位置が通常はずれているので、作業者が手を添えて位置決めする。
ここで、本実施形態では、裏当て金40の上端部に合計4個の誘導傾斜部42Cを等間隔で立設させたので、柱16の下端部54を吊り降ろしてくると、当該下端部54が裏当て金40の誘導傾斜部42Cの傾斜面46に当たり、これを弾性変形させる。そして、誘導傾斜部42Cの弾性復元力によって柱16の下端部54の位置ずれが矯正されながら誘導傾斜部42Cの傾斜面46に案内(誘導)されてその自重により摺動していく。これにより、柱16の下端部54は床仕口22の上端部44の裏当て金40に位置決めされながら嵌合される。その後、柱16の下端部54と床仕口22の上端部44との間のギャップ(ルートギャップ)に沿って自動溶接機にて突き合わせ溶接される。
このように本実施形態では、弾性変形可能な誘導傾斜部42Cを裏当て金40の各辺に突出形成し、これらの誘導傾斜部42Cの弾性を利用して柱16の下端部54を床仕口22の上端部44に引っ掛かることなくスムーズにセットすることができる。
さらに、本実施形態の裏当て金40は合計4個の裏当て金構成片42に分断されているため、床仕口22の上端部44の内側面44Aに現れる寸法交差の影響を吸収することができる。
その結果、本実施形態によれば、重量物である柱16の下端部54を床仕口22の上端部44に裏当て金40を用いて差込む際に容易に位置決めがなされると共に寸法交差にも対応することができる。
特に、誘導傾斜部42Cが床仕口22の軸線方向(P方向)と交差する二方向(X方向及びY方向)に二箇所ずつ設けられているので、柱16の下端部54を床仕口22の上端部44に対して直交二方向に位置決めすることができる。その結果、床仕口22の上端部44に対する柱16の下端部54の位置決めを短時間で済ませることができる。
さらに、裏当て金40は合計4個の裏当て金構成片42に分断されており、各々の裏当て金構成片42を平面視で略L字状に形成して隣接する裏当て金構成片42の継ぎ目を床仕口22のコーナー部48に近い個所に配置したので、各部材の寸法交差の影響を吸収することができる。よって、本実施形態によれば、寸法交差の影響を吸収して裏当て金40を床仕口22の上端部44に確実かつ正確に取り付けることができる。
なお、本実施形態では、裏当て金構成片42の長手方向の寸法Aを床仕口22の上端部44の内寸Bよりも若干短く設定したが、この点も寸法交差の影響を受けないようにする技術的意義がある。
また、本実施形態では、裏当て金構成片42に屈曲部42Dが形成されており、この屈曲部42Dが床仕口22の上端部44のコーナー部48の内側面44Aに重ねて配置されるので、従来構造と比べると、床仕口22の上端部44の内側面44Aの周長の略全長に裏当て金40が配置されることになる。従って、突き合わせ溶接した際にピットやブローホールといった溶接欠陥が生じ難い。また、これにより自動溶接機を使って突き合わせ溶接した際に溶接ハンドを多めに周回させる必要がなくなる。因みに、従来、3周程度溶接ハンドを周回させていたが、本実施形態によれば、溶接ハンドを2周或いは1周させるだけで溶接強度を確保することができる。そのため、周回させる数が減った分だけ、溶接層が減るので、溶接金属の使用量を削減することができる。また、自動溶接後に溶接不具合箇所を手作業で手直しする必要もなくなり、溶接作業の効率を向上させることができる。これらのことから、本実施形態によれば、突き合わせ溶接の溶接品質を向上させることができると共に、溶着金属量を削減してコストダウンを図ることができ、更に溶接時間を短縮することができる。
さらに、本実施形態では、裏当て金構成片42の長手方向の一端部の上縁側に誘導傾斜部42Cを形成したので、裏当て部構成片42の全長に亘って誘導傾斜部42Cを設ける場合に比し、誘導傾斜部42Cにばね性を持たせ易い。しかも、誘導傾斜部42Cの幅B(図3(A)参照)を変えることで、ばね性も変わるので、ばね性の設定が容易になる。その結果、本実施形態によれば、誘導傾斜部42Cのばね性のチューニングを容易に行うことができる。なお、誘導傾斜部42Cのばね性について補足すると、誘導傾斜部42Cが本実施形態の場合よりも厚く剛性が高いものであった場合には、柱16の下端部54を床仕口22の上端部44に吊り降ろしてきさ際に、当該下端部54が当該板厚が厚い誘導傾斜部に干渉すると、柱16側に支点反力が発生し、自動溶接機が停止される可能性があるが、本実施形態のようばばね性を有する誘導傾斜部42Cを用いると、このような支点反力も発生せず、工作機に与えるダメージもないというメリットがある。
加えて、本実施形態では、裏当て金40の床仕口22の上端部44への装着状態で、コーナー部48に対応する屈曲部42Dの高さhを他の一般部である基端部42A及び裏当て部42Bを足した高さHよりも低く設定したので、柱16の下端部54を吊り降ろしてきたときに裏当て金40に引っ掛かり難くすることができる。つまり、柱16の下端部54を吊り降ろしてくると、床仕口22のコーナー部48に対応する裏当て金角部に引っ掛かり易い。しかし、本実施形態では、この引っ掛かり易い部分の高さを低くしたので(上述したように+αしか突出していないので)、柱16を吊り降ろしてきたときにその下端部54が裏当て金40に引っ掛かり難くすることができる。よって、柱16の下端部54を床仕口22の上端部44によりスムーズにセットすることができる。
〔第2実施形態〕
次に、図6を用いて、本発明に係る裏当て金の第2実施形態について説明する。なお、前述した第1実施形態と同一構成部分については、同一番号を付してその説明を省略する。また、本形態は本発明の実施形態ではなく参考例である。
図6に示されるように、この第2実施形態では、裏当て金60が、平面視で略L字状に形成された左右一対の裏当て金構成片62によって構成されている。すなわち、この裏当て金60は、二個に分断されている。なお、裏当て金60の分断位置は、床仕口22の対角線上に位置するコーナー部48に設定されている。さらに、各裏当て金構成片62には、前述した第1実施形態と同様構成の基端部62A、裏当て部62Bが形成されている他、床仕口22の一辺につき2個で合計4個の誘導傾斜部62Cが形成されている。各誘導傾斜部62Cは、略円弧面形状に形成されている。換言すれば、各誘導傾斜部62Cは、略円弧面状の傾斜曲面66を備えている。
(作用・効果)
上記構成によれば、柱16の下端部54を床仕口22上に吊り降ろしてくると、誘導傾斜部62Cの傾斜曲面66に当接される。これにより、傾斜曲面66は弾性変形し、その弾性復元力を柱16の下端部54に作用させる。そして、柱16の下端部54は、弾性復帰する傾斜曲面66上を摺動し、その過程で柱16の下端部54の平面的な位置ずれが矯正されながら、床仕口22の上端部44にセットされる。従って、本実施形態によれば、柱16の下端部54を床仕口22の上端部44にスムーズにセットすることができる。
なお、この第2実施形態から解るように、本発明における「誘導傾斜部」の「傾斜」には、平面状の所謂傾斜面が含まれる他、円弧状等の傾斜曲面も含まれる。この点は、後述する実施形態においても同様である。
〔第3実施形態〕
次に、図7を用いて、本発明に係る裏当て金の第3実施形態について説明する。なお、前述した第1実施形態等と同一構成部分については、同一番号を付してその説明を省略する。
図7に示されるように、この第3実施形態に係る裏当て金70の全体構成は、前述した第2実施形態と同様である。すなわち、裏当て金70は、平面視で略L字状に形成された左右一対の裏当て金構成片72によって構成されており、二個に分断されている。なお、裏当て金70の分断位置は、床仕口22の対角線上に位置するコーナー部48に設定されている。さらに、各裏当て金構成片72には、前述した第1実施形態と同様構成の基端部72A、裏当て部72Bが形成されている他、床仕口22の一辺につき2個で合計4個の誘導傾斜部72Cが形成されている。
ここで、本実施形態の誘導傾斜部72Cは、床仕口22の外側へ向けて凸となる略湾曲形状に形成されており、凸湾曲形状とされた傾斜曲面74(凸部)が形成されている。誘導傾斜部72Cの傾斜曲面74の最外部74Aは、自然状態で、裏当て金70が床仕口22の上端部44に装着された状態を床仕口22の軸方向から見た場合に、床仕口22の上端部44の内側面44Aを僅かに(1mm程度)越えている。つまり、柱16の下端部54を吊り降ろしてきたときに、柱16の下端部54の内側面に誘導傾斜部72Cの傾斜曲面74の最外部74Aが干渉する位置関係に設定されている。
(作用・効果)
上記構成によれば、柱16の下端部54を床仕口22上に吊り降ろしてくると、誘導傾斜部72Cの傾斜曲面74に当接される。これにより、傾斜曲面74は弾性変形し、その弾性復元力を柱16の下端部54に作用させる。そして、柱16の下端部54は、弾性復帰する傾斜曲面66上を摺動し、その過程で柱16の下端部54の平面的な位置ずれが矯正されながら、床仕口22の上端部44にセットされる。従って、本実施形態によれば、柱16の下端部54を床仕口22の上端部44にスムーズにセットすることができる。
加えて、誘導傾斜部72Cの傾斜曲面74の最外部74Aは、自然状態において、床仕口22の上端部44の内側面44Aよりも外側へ突出して配置されているので、前述した第2実施形態に比べて、誘導傾斜部72Cの弾性変形量が増加する。従って、柱16の下端部54を床仕口22の上端部44に吊り降ろしてきた際に、当該柱16の自重で合計8個ある誘導傾斜部72Cのすべて確実に弾性変形され、その弾性復元力が柱16の下端部54に作用することにより、自動的に平面的な位置ずれが矯正されて正しい位置に誘導される。従って、柱16の下端部54を床仕口22の上端部44により迅速にセットすることができる。
〔第4実施形態〕
次に、図8を用いて、本発明に係る裏当て金の第4実施形態について説明する。なお、前述した第1実施形態等と同一構成部分については、同一番号を付してその説明を省略する。
図8に示されるように、この第4実施形態に係る裏当て金80は、前述した第2実施形態と異なり、平面視で略コの字状に形成された左右一対の裏当て金構成片82によって構成されている。従って、裏当て金80が二個に分断されている点は、前述した第2実施形態と同様であるが、その分断位置は、床仕口22の対向する二辺の中点に設定されている。つまり、この実施形態の場合は、床仕口22の上端部44のコーナー部48の位置で寸法公差を吸収するのではなく、床仕口22の上端部44の対向する二辺の中点で寸法公差を吸収している。
また、裏当て金構成片82には、前述した第1実施形態と同様構成の基端部82A、裏当て部82Bが形成されている他、各々につき合計4個の誘導傾斜部82Cが形成されている。より具体的には、裏当て金構成片82の中間部は等脚台形状に形成されており、その上底の中間部に略ハット形状の切欠84を形成することにより、左右一対の誘導傾斜部82Cが形成されている。裏当て金構成片82を平面視で見た場合のコ字状の両側部についても、前記と同じ考え方で切欠84が形成されて、側部一つについて1個の誘導傾斜部82Cが形成されている。また、誘導傾斜部82Cは裏当て部82Bの上縁から曲面状に延出されているのではなく、裏当て部82Bの上縁から平面状に延出されており、傾斜面86が形成されている。
(作用・効果)
上記構成によれば、柱16の下端部54を床仕口22上に吊り降ろしてくると、誘導傾斜部82Cの傾斜面86に当接される。これにより、傾斜面86は弾性変形し、その弾性復元力を柱16の下端部54に作用させる。そして、柱16の下端部54は、弾性復帰する傾斜面86上を摺動し、その過程で柱16の下端部54の平面的な位置ずれが矯正されながら、床仕口22の上端部44にセットされる。従って、本実施形態によれば、柱16の下端部54を床仕口22の上端部44にスムーズにセットすることができる。
加えて、誘導傾斜部82Cは、折り曲げにより曲げているだけなので、製作し易い。さらに、切欠84の大きさを変えることにより誘導傾斜部82Cの大きさを変えることができるので、ばね性のチューニングも容易であるといったメリットがある。
〔第5実施形態〕
次に、図9を用いて、本発明に係る裏当て金の第5実施形態について説明する。なお、前述した第1実施形態と同一構成部分については、同一番号を付してその説明を省略する。また、本形態は本発明の実施形態ではなく参考例である。
図9に示されるように、この第5実施形態では、裏当て金90が上述した第2実施形態で説明した裏当て金60と、一対の充填材92とによって構成されている。但し、裏当て金60と全く同一ではなく、左右の裏当て金構成片62の各両端部62Aは斜めにカットされている。これにより、左右の裏当て金構成片62の間に略V字状の隙間94が形成されている。
充填材92は、略楔形状に形成されており、隙間94に挿入可能なように上端部92Aが円弧面状に形成されており、下端部92Bに向かうにつれて窄まった形状をなしている。
(作用・効果)
上記構成によれば、床仕口22の上端部44の内側面44Aに左右一対の裏当て金構成片62を挿入し、固定する。その後、工具で一対の充填材92を一対の隙間94にそれぞれ嵌合させる。これにより、充填材92の両側部92Cが左右の裏当て金構成片62の両端部62Aを隙間94を広げる方向へ押圧し、隙間94が充填材92で埋められる。その結果、寸法公差の影響を排除することができ、更に隙間のない裏当て金90が形成される。よって、溶接欠陥が生じなく、床仕口22の上端部44と柱16の下端部54との接合部の周長全体で有効に耐力を発揮することができる。
〔第6実施形態〕
次に、図10を用いて、本発明に係る裏当て金の第6実施形態について説明する。なお、前述した第1実施形態と同一構成部分については、同一番号を付してその説明を省略する。
図10に示されるように、この第6実施形態では、柱16の下端部54の内側面に複数個(本実施形態では、4個)の係合部材100が溶接により取り付けられている点に特徴がある。すなわち、裏当て金については上述した第3実施形態で説明した裏当て金70がそのまま用いられており、隣合う誘導傾斜部72Cの間に形成された隙間102が重なる位置にその隙間102に嵌合可能な係合部材100が柱16の下端部54の内側面に設けられている。
係合部材100は断面形状が略への字状とされており、下部100Aが下端部54の内側面に固定され、上部100Bが下端部54の内側面から浮き上がるようになっている。そして、下部100Aは一対の誘導傾斜部72Cの根元部間に嵌合され、上部100Bは誘導傾斜部72の傾斜曲面74間に係合されるようになっている。
(作用・効果)
上記構成によれば、柱16の下端部54を床仕口22上に吊り降ろしてくると、下端部54の内側面が誘導傾斜部72Cの傾斜曲面74に当接される。これにより、傾斜曲面74は弾性変形し、その弾性復元力を柱16の下端部54に作用させる。そして、柱16の下端部54は、弾性復帰する傾斜曲面66上を摺動し、その過程で柱16の下端部54の平面的な位置ずれが矯正されながら、床仕口22の上端部44にセットされる。
さらに、本実施形態では、このとき、柱16の下端部54の内側面に設けられた4個の係合部材100が隣合う誘導傾斜部72C間に係合される。従って、より早くより正確かつ容易に柱16の下端部54を床仕口22の上端部44に位置決めすることができる。その結果、柱16の下端部54を床仕口22の上端部44にセットする作業を精度良く短時間で行うことができる。
〔上記実施形態の補足説明〕
(1)上記実施形態では、長尺材として管状に形成された柱16、床仕口22を例に挙げたが、天井仕口32でも同様に適用される。さらに、長尺材として管材を使った梁同士の接合に適用することも可能である。
(2)上記実施形態では、裏当て金を二分割又は四分割したが、分断する個数はこれらの数以外でもよい。
16 柱(他方の長尺材)
22 床仕口(一方の長尺材)
32 天井仕口(他方の長尺材)
40 裏当て金
42 裏当て金構成片(要素)
42A 基端部
42B 裏当て部
42C 誘導傾斜部
44 上端部
44A 内側面
46 傾斜面
48 コーナー部
48A 内周面
54 下端
0 裏当て金
72 裏当て金構成片(要素)
72A 基端部
72B 裏当て部
72C 誘導傾斜部
74 傾斜曲面(凸部)
80 裏当て金
82 裏当て金構成片(要素)
82A 基端部
82B 裏当て部
82C 誘導傾斜部
86 傾斜
00 係合部材
102 隙間

Claims (7)

  1. 管状に形成された一方の長尺材の端部の内側に挿入されると共に、当該端部の内側面に固定され、かつ当該一方の長尺材の端部の内周方向に複数個に分断された基端部と、
    各基端部から当該一方の長尺材の端部の軸方向外側にそれぞれ延出されると共に、当該一方の長尺材の端部に他方の長尺材の端部が突き合わされた際に当該他方の長尺材の端部の内側面に当接される裏当て部と、
    各裏当て部から一方の長尺材の端部の軸方向外側に複数個それぞれ延出されると共に軸線側へ傾斜され、更に一方の長尺材の軸方向と交差する方向へ弾性変形可能とされ、かつ他方の長尺材の端部の差込み時に当該他方の長尺材の端部が当接して弾性変形した場合には弾性復元力で他方の長尺材の端部を正規位置に誘導すると共に前記一方の長尺材の外側へ向けて凸となる略湾曲面形状に形成された誘導傾斜部と、
    前記他方の長尺材の端部の内側面に設けられると共に前記隣り合う誘導傾斜部間の隙間に係合される係合部材と、
    を有する裏当て金。
  2. 管状に形成された一方の長尺材の端部の内側に挿入されると共に、当該端部の内側面に固定され、かつ当該一方の長尺材の端部の内周方向に複数個に分断された基端部と、
    各基端部から当該一方の長尺材の端部の軸方向外側にそれぞれ延出されると共に、当該一方の長尺材の端部に他方の長尺材の端部が突き合わされた際に当該他方の長尺材の端部の内側面に当接される裏当て部と、
    各裏当て部から一方の長尺材の端部の軸方向外側に複数個それぞれ延出されると共に軸線側へ傾斜され、更に一方の長尺材の軸方向と交差する方向へ弾性変形可能とされ、かつ他方の長尺材の端部の差込み時に当該他方の長尺材の端部が当接して弾性変形した場合には弾性復元力で他方の長尺材の端部を正規位置に誘導すると共に前記一方の長尺材の外側へ向けてかつ自然状態において前記一方の長尺材の外側面よりも外側へ突出して凸となる略湾曲面形状に形成された誘導傾斜部と、
    前記他方の長尺材の端部の内側面に設けられると共に当該隣り合う誘導傾斜部間の隙間に係合される係合部材と、
    を有する裏当て金。
  3. 管状に形成された一方の長尺材の端部の内側に挿入されると共に、当該端部の内側面に固定され、かつ当該一方の長尺材の端部の内周方向に複数個に分断された基端部と、
    各基端部から当該一方の長尺材の端部の軸方向外側にそれぞれ延出されると共に、当該一方の長尺材の端部に他方の長尺材の端部が突き合わされた際に当該他方の長尺材の端部の内側面に当接され、かつ前記一方の長尺材の端部の内側への装着状態で、当該一方の長尺材の端部におけるコーナー部の内周面に重なる部分の高さが他の部位よりも低く設定された裏当て部と、
    各裏当て部から一方の長尺材の端部の軸方向外側にそれぞれ延出されると共に軸線側へ傾斜され、更に一方の長尺材の軸方向と交差する方向へ弾性変形可能とされ、かつ他方の長尺材の端部の差込み時に当該他方の長尺材の端部が当接して弾性変形した場合には弾性復元力で他方の長尺材の端部を正規位置に誘導する誘導傾斜部と、
    を有する裏当て金。
  4. 前記誘導傾斜部は、前記一方の長尺材の軸線方向と交差する二方向に少なくとも一箇所ずつ設けられている、
    ことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の裏当て金。
  5. 前記裏当て金は複数個に分断されており、分断された各要素は平面視で略L字状に形成されている、
    ことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の裏当て金。
  6. 前記各要素の長手方向の寸法は、前記一方の長尺材の内側面の一辺の長さよりも短く設定されている、
    ことを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の裏当て金。
  7. 前記誘導傾斜部は、前記裏当て部の長手方向の一方の端部の上端部に形成されている、
    ことを特徴とする請求項〜請求項のいずれか1項に記載の裏当て金。
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