JP3563003B2 - 構造体の摩擦攪拌接合方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は中空形材による構造体およびその製作方法に関するものである。例えば、鉄道車両や建築物等に使用されるアルミニウム合金製の中空の押し出し形材による構造体の製作に好適である。
【0002】
【従来の技術】
摩擦攪拌接合方法は、接合部に挿入した丸棒(回転工具という。)を回転させながら接合線に沿って移動させ、接合部を発熱、軟化させ、塑性流動させ、固相接合する方法である。回転工具は、接合部に挿入する小径部と、外部に位置する大径部とからなる。小径部と大径部は同軸である。小径部と大径部との境は接合部に若干挿入されている。これは特開平9−309164号公報(EP0797043A2)に示されている。
この文献の図9には中空の押し出し形材の二面の接合を一方の面から行うことが示されている。また、中空形材の変形を防止する継ぎ手が示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
前記特開平9−309164号公報(EP0797043A2)の図9のように、中空形材を一方の面から摩擦攪拌接合する場合を考える。この場合は、2つの中空形材31、32の上面の板33、33の間隔(つまり、凹部39、39の間隔)、およびこの部分に配置する継ぎ手60の幅の精度が重要である。上面の板33、33の間隔が継ぎ手60の幅よりも小さければ、継ぎ手60を配置できない。逆に、上面の板33、33の間隔が継ぎ手60の幅よりも大きければ、摩擦攪拌接合が困難である。すなわち、板33と継ぎ手60との突き合わせ部の隙間が小さいことが重要である。
【0004】
しかし、中空型材31、32や継ぎ手60の押し出し加工の製作公差から突き合わせ部に大きな隙間が発生しやすい。鉄道車両の車体の接合の場合のように、多数の中空形材を並べて接合する場合には、これが顕著になる。
一方、凹部39に継ぎ手60を重ね接合することが考えられる。これによれば、凹部39、39の間隔(板33、33の間隔)は継ぎ手60よりも十分に大きくでき、形材31、32の容易に製作できる。
【0005】
しかしながら、板33と凹部39との接続部において屈曲する。このため、この部分に応力が集中して発生応力が高くなる。しかも、この屈曲部の近くを摩擦攪拌接合するので、この接合による熱の影響を受けて強度が低下する。これらの強度低下因子が相乗することにより許容応力を大幅に低下させる。
【0006】
本発明の目的は、中空形材等の寸法精度にとらわれずに、中空形材を一方の面から接合ができるようにすることにある。
本発明の第2の目的は、重ね接合の位置決めを容易に行えるようにすることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、二枚の面板の間を複数のリブで接続しており、一方の面板の端部は他方の面板の端部よりも突出させた2つの中空形材を準備し、該中空形材の外面の前記面板のそれぞれは実質的に平らであり、前記突出させた面板同士を前記他方の面板側から摩擦攪拌接合によって接合し、次に、前記突出した一方の面板に実質的に平行な1つの接続板を前記中空形材のそれぞれの前記他方の面板の端部に重ね、該重ねる際に、前記接続材または前記他方の面板に設けた凸部によって前記中空形材に対する前記接続材の位置を定め、前記重ねた部分を前記中空形材の外側から摩擦攪拌接合を行うこと、によって達成できる。
【0008】
上記第2の目的は、第1の部材の端部を第2の部材の端部に重ね、該重ねる際に、前記第1の部材または前記第2の部材に設けた凸部によって前記第2の部材に対する前記第1の部材の位置を定め、前記重ねた部分を摩擦攪拌接合を行うこと、によって達成できる。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施例を図1から図4により説明する。以下の説明において、図1に記載のない部品番号を使用することがある。その場合はその部品番号から10を減算した部品番号が右半分の部品番号の部品に相当する。図1は図2の要部拡大図、図2は図3の要部拡大図、図3は図4の側構体の要部の縦断面図である。
【0010】
車体200は、側面を構成する側構体201、屋根を構成する屋根構体202、床を構成する台枠203、長手方向の端部を構成する妻構体204からなる。側構体201、屋根構体202、台枠203は、それぞれ複数の押し出し形材を接合して構成している。押し出し形材の長手方向を車体の長手方向にしている。押し出し形材はアルミニウム合金製の中空形材である。
【0011】
側構体201を構成する中空形材10、20の構成および接合方法について説明する。他の箇所、他の構体も同様である。
中空形材10、20は二枚の面板11、12、21、22とトラス状に配置した複数のリブ13、23からなる。二枚の面板11、12(21、22)は実質的に平行である。リブ13、23によるトラスのピッチは同一である。トラスはリブ13、23、面板11、12、21、22の板厚の中心線によって構成される。頂点は面板11、12、21、22側にある。
【0012】
車内側のトラスの頂点付近には機器を取り付けるためのレール19、29を一体に設けている。レール19、29はL状の2つの部材からなる。レールは内装板や椅子等の機器の取り付け座になる。
車体の外面側に位置する面板12、22の端部は車内側の面板11、21の端部よりも隣接する中空形材20、10側に突出している。この突出した面板を12b、22bと呼ぶ。面板12b、22bの端部同士を突き合わせて摩擦攪拌接合している。突き合わせ部の隙間が小さくなるように突き合わせている。面板12b、22bの板厚は他の部分の面板12、22の板厚よりも厚い。
【0013】
中空形材10、20は面板12、22を下方にしてベッド240に載っている。面板11、21側を上方にしている。上方から回転工具250を接合部に挿入して摩擦攪拌接合をする。車内側から摩擦攪拌接合すると言える。
面板12b、22bの端部には車内側(すなわち面板11、21側)に突出する凸部16、26がある。凸部16、26の幅高さは実質的に同一である。
【0014】
車内側の面板11の端部と面板21との端部との間は接続材30を介して接合している。接続材30は面板11、21に載っている(重なっている。)。接合部は、リブ23A(13A)とリブ23B(13B)との交点にある。
接続材30の両端には上方に突出する凸部35がある。凸部35の上面にはV字状の溝36がある。溝36は凸部35の幅の中心にある。凸部35の幅は回転工具250の大径部252の径よりも大きい。溝36は回転工具250を導くための位置検出用の対象物となる。レーザセンサで溝36を検出し、回転工具250の軸心が溝36に一致するようにしている。溝36の延長線上すなわち回転工具250の軸心上に、2つのリブ13A(23A)と13B(23B)の交点がある。
【0015】
凸部35、35とは反対側の面には凸部37、37がある。凸部37、37の間隔は面板11、21の端部の間隔よりも小さい。凸部37の幅は凸部35の幅よりも小さい。
接続材30と面板11、21との重ね面は、平面で起伏がなく、両者は接触している。接続材30は中空形材10、20と同一材質の押し出し形材である。接続材30の長さは中空形材10、20の長さと同一である。
【0016】
面板11の端部から面板21の端部までの距離P(中空形材10の端部のトラスの頂点から中空形材20の端部のトラスの頂点までの距離)は他の位置のトラスのピッチPと同一である。
中空形材のトラスは、面板11、12、21、22側を頂点としたとき、2等辺3角形である。しかし、中空形材10、20の端部のトラスは2等辺3角形ではない。中空形材10、20の端部のトラスを構成するリブ13A、23Aが鉛直線に対して成す角度はθ1である。前記端部のトラスを構成するリブ13A、23Bが鉛直線に対して成す角度はθ2である。θ1<θ2である。
このため、リブ13A(23A)は面板12(22)の途中に接続している。リブ13Aと面板12との接続部と、リブ23Aと面板22との接続部との間には摩擦攪拌接合装置を挿入する空間が生じる。
【0017】
リブ13A、23Aはリブ13B、23Aに比べて立っている(θ1が小さい)ので、リブ13A、23Aの板厚はリブ13B、23Aの板厚よりも大きい。リブ13B、23Bの板厚は他のリブ13の板厚よりも大きい。リブ13A、13B、13と面板11、12、21、22との接続部は円弧状である。また、接続部の厚さは強度の観点から定めている。
【0018】
この構造体の製作方法を説明する。中空形材10、20はベッド240に載せられ、固定されている。面板12b、22bの端部の突き合わせ部は接触しているか近接している。面板12、22の突き合わせ部の凸部16、26を上方からアーク溶接によって仮止めする。仮止め溶接は間欠的である。
面板12b、22bの突き合わせ部が載るベッド240の上面は平らである。面板12b、22bの突き合わせ部付近、リブ13A、23Aと面板12b、22bとの交点付近、リブ13B、23Bと面板12、22との交点付近の三者は同一高さのベッド240に載っている。
【0019】
この状態において、摩擦攪拌接合装置の回転工具250を上方から凸部16、26の突き合わせ部に挿入した状態で、接合線に沿って移動させ、摩擦攪拌接合する。回転工具250の軸心は鉛直方向(接合部の法線に沿った方向)である。ただし、回転工具250の進行方向に対しては軸心は公知のように傾斜している。2つの凸部16、26の突き合わせ部を前記センサで検出して突き合わせ部の隙間の位置を求め、この隙間に回転工具250の軸心を位置させる。
【0020】
回転工具250は大径部252とその先端の小径部251とからなる。小径部251の先端は面板12b、22bの下面の近傍に位置している。大径部252の下端は凸部16、26の頂と面板12b、22bの車内側の面(面板11、21側の面)との間に位置している。大径部252の径は2つの凸部16、26からなる幅よりも小さい。小径部251はねじである。
【0021】
この摩擦攪拌接合によって、面板12b、22bの突き合わせ部の隙間は埋められて、接合される。突き合わせ部の外面側(車外側)は平らに接合される。面板12b、22bの外面側には接合線の凹部はない。
凸部16、26の上面は回転工具250の大径部252によって凹状になる。凹部の両側には未接合部がある。
【0022】
次に、面板11、21に接続材30を載せる。凸部37、37によって、接続材30と面板11、21との重なり量は所定になる。次に、接続材30の端部を面板11、21に対してそれぞれアーク溶接によって仮止めする。仮止め溶接は間欠的である。これは隅肉溶接である。
【0023】
次に、面板12b、22bの突き合わせ部の摩擦攪拌接合に用いた摩擦攪拌接合装置を用いて接続材30と面板11、21との重ね接合を行う。回転工具250を上方から接続材30と面板21(11)との重ねた部分に挿入した状態で、接合線に沿って(すなわち、溝36に沿って)移動させ、摩擦攪拌接合する。接合線は形材の長手方向にある。
【0024】
凸部35の幅は回転工具250の大径部252の径よりも大きい。凸部35の幅の中心に溝36がある。回転工具250の回転軸心を溝36に一致させる。このため、回転工具250の位置は、接続材30の端部に摩擦攪拌接合されない部分を有する内側の位置である。また、回転工具250の小径部251の先端は面板11、21の外面よりも深く挿入している。これによって、重ね接合が行われる。大径部252の下端は非凸部の接続材30の上面と凸部35の頂との間にある。
【0025】
凸部35の上面は回転工具250の大径部252によって凹状になる。凹部の両側には未接合部がある。
摩擦攪拌接合装置の前記センサは溝36を検出して、溝36に沿って回転工具250を移動させる。このため、面板12b、22bの突き合わせ部を接合する際の回転工具250とセンサとの位置関係をそのまま利用できる。その他の回転工具と接合部との関係は前記のとおりである。
回転工具250の軸心は2つのリブ13A、13B(23A、23B)によるトラスの頂点またはその近傍を通る鉛直線上にある。偏芯に対しては、リブ13A、13B(23A、23B)の板厚の増大、リブと面板とを接続する円弧の形状、接続部の厚さ等によって対応する。
【0026】
接続材30の接合は面板11との接合を行い、次に面板21との接合を行う。2つの回転工具を用いれば、接続材30の両端の接合を同時にできる。
これによれば、接続材30の接合は重ね接合であり、突き合わせ接合ではない。このため、二つの中空形材10、20の製作公差、二つの中空形材の配置の間隔の公差により、二つの中空形材10、20の隙間が変わっても接続材30を接合できるものである。特に、多数の中空形材を並べて一度の接合する場合は誤差が大きくなる。この場合、重ね接合であるので、容易に接合できるものである。
【0027】
また、接続材30を面板11、21に重ねて接合しているので、形材10、20の面板側の屈曲した箇所がなくなり、応力集中がなくなるものである。
また、中空形材の両面の接合を片面側から行うことができる。このため、一方の面を接合した構造体を反転させる必要がない。したがって、安価に、また高精度に製作できるものである。
【0028】
また、面板12b、22bの接合部の外面は平らに接合できる。凸部16、26、35は構造体内や車内側にあり、平滑な面が要求される箇所(外面側、車外側)にはない。また、車外側には回転工具によって切削されて生じる凹部もない。このため、凸部の切削等を不要にでき、車体を安価に製作できるものである。
【0029】
また、接続材30の接合の際の挿入力は、回転工具250の軸心に向けて配置した2つのリブ13A、13B(23A、23B)によって支えられる。このため、リブ13A、13B(23A、23B)の曲がりを抑制できる。13A、13B(23A、23B)の板厚を薄くでき、軽量にできるものである。もちろん面板11、21、30の曲がりも抑制できる。
リブ13A、13B(23A、23B)を支えるベッド240は同一高さにあるので、面板12、22の曲がりも防止できる。
【0030】
また、接合後、構造体として用いる場合を考えると、実質的にすべてをトラス構造で構成したことになる。中空形材10、20の接合部もトラス構造である。このため、面外曲げ剛性が向上し、軽量にできるものである。
なお、接続材30、リブ13A、23Aの間の面板12b、22b、リブ13A、23Aは実質的にトラスを構成するので、この部分が特に弱いことはない。ただし、板厚は検討すべきである。
【0031】
また、リブ13A、23Aの傾斜角θ1をリブ13B、23Bの傾斜角θ2よりも大きくすることができる。これによれば、接続材30の幅が大きくなり、その板厚を厚くする必要が生じ、重量が大きくなる。しかし、摩擦攪拌接合装置の挿入の為に大きな開口が必要な場合に利用できる。
リブの傾斜角θ1、θ2を同一にして、2等辺3角形にすることができる。これによればリブ13A、13B(23A、23B)の板厚を同一にできる。また、リブ13A、23Aの板厚を図1の場合よりも薄くできよう。ただし、この2等辺3角形のトラスの大きさを他の個所のトラスの大きさと同一にすれば、接続材30の幅は大きくなる。
【0032】
しかし、2つのリブ13A、13B(23A、23B)の傾斜角θ1、θ2を図1の傾斜角θ1とすれば、端部のトラスを小さい2等辺3角形にすることができる。この端部のトラスの底辺の大きさは他の個所のトラスの底辺の大きさよりも小さい。これによれば、リブ13B(23B)と面板12(22)との交点から中空形材10(20)の端部までの距離を小さくできる。したがって、接続材30の幅を図1の接続材30の幅と同様にできる。
【0033】
接続材30の部分を含めて全てのトラスのピッチは同一である。端部のトラスを除き、トラスの大きさは同一である。このため、中空形材の設計を標準化できる。
2つのリブ13A、13B(23A、23B)による頂点は面板21、31よりも外面側にあってもよい。
また、2つのリブ13A、13B(23A、23B)が成す角度の中間に向けた角度で回転工具250を挿入してもよい。この場合の軸心はトラスの頂点に向ける。
【0034】
上記実施例では接続材30の接合は摩擦攪拌接合で行っているが、アーク溶接との併用で行ってもよい。上記摩擦攪拌接合は重ね接合であるので、突き合わせ接合に比べて、接合強度が弱い。このため、接続材30の端部と面板21、31との突き合わせ部をアーク溶接する。アーク溶接の箇所は例えば強度が弱い領域である。また、アーク溶接を補修用として使用することができる。
【0035】
上記実施例では接続材30の両端を摩擦攪拌接合で接合しているが、一端を摩擦攪拌接合、他端をアーク溶接で接合するようにしてもよい。アーク溶接の方が歪みが大きいので、先に摩擦攪拌接合を行う。
【0036】
上記実施例は面板11、12、21、22が平行であったが、一方の面板が他方の面板に対して傾斜している場合にも対応できるものである。
リブ13A、13B(23A、23B)の板厚において、面板11、21側の板厚を面板12、22側よりも厚くする。面板11、21側を厚くするのは、接合時に高温になりやすいからである。
【0037】
上記実施例では接合部の面板が水平であったが、接合部の面板の法線が傾斜していても同様に接合できる。これは側構体201の端部の接合線に生じ易い。この場合の回転体の軸心は面板の法線に沿っている。
溝36は凸部に変えることができる。
【0038】
図5の実施例を説明する。接続材30の凸部37、37を廃止し、面板21の上面に三角状の凸部28を設けたものである。面板11にも同様に凸部がある。一対の凸部28の間隔は接続材30の幅よりも大きい。これによれば、凸部28と接続材30の端部の間隔を目視によって容易に確認することができ、面板11、21に対して接続材30のが所定位置に重なっていることを容易に確認できるものである。
【0039】
図6の実施例を説明する。回転工具250を挿入する位置(2つのリブ23A、23Bの交点の近傍)の面板21(11)の上面に凸部29を設けている。接続材30の下面には凸部29が入る凹部39がある。凹部39の幅は一対の凸部29の間隔の公差を考慮して、凸部29の幅よりも十分に大きい。凹部39の幅は回転工具250の小径部251の径よりも小さい。小径部251の下端が凸部29の基部よりも下方(面板21の上面よりも下方)に達するまで回転工具250を挿入する。凹部39および凸部29の幅は凸部35の幅よりも小さい。
これによれば、凹部39と凸部の29との間の空間は凸部35の材料を補填源として充填される。回転工具250の大径部252によって該部の材料は下方に押されているので、前記空間は埋められる。凸部30の材料が前記空間に移動するとは限らない。
【0040】
摩擦攪拌接合により接続材30と中空形材20とを接合する場合、両者の間にできるだけ隙間が生じないように接触させる。しかし、凹部39と凸部29との間には製作公差を吸収するための空間が存在する。当該空間が存在したまま摩擦攪拌接合を行うと、補填すべき材料が不足しやすい。そのため、接合部の内部または外部に欠陥が生じ易い。
【0041】
そこで、凹部39と凸部29との空間に、粉状または繊維状の補填材料を充填した後、摩擦攪拌接合を行う。この材料は接続材30または中空形材20と同一材料または同一系統の材料とする。粉状または繊維状の物質は容易に変形するので、凹部39と凸部29の位置関係に関わらず、公差を吸収して空間を充填することができる。
面板31の上面に凹部を設け、接続材30の下面に、前記凹部に入る凸部を設けてもよい。この場合は中空形材20側の接合部の厚さが厚くなる。
【0042】
図7の実施例を説明する。中空形材10Cの端部のリブ13Cは面板11C、12Cに直交している(面板の法線に沿っている。)。リブ13Cの板厚の範囲内に回転工具250の回転軸心、溝36、凹部39、凸部19がある。凸部19は凸部29に相当する。このものでは摩擦攪拌接合時の挿入力をリブで支える。17Cbは接続材30を載せる突出片である。他方の中空形材の端部のリブもこのようにできる。
位置合わせの手段として、凸部37、凸部28、凹部39、凸部29を説明してきたが、これは中空形材の摩擦攪拌接合のみに使用できるものではなく、部材の重ね接合に使用できるものである。
【0043】
本発明の技術的範囲は、特許請求の範囲の各請求項に記載の文言あるいは課題を解決するための手段の項に記載の文言に限定されず、当業者がそれから容易に置き換えられる範囲にも及ぶものである。
【0044】
【発明の効果】
本発明によれば、中空形材等の寸法精度にとらわれずに、中空形材を一方の面から接合ができ、また、継ぎ手を高強度にできるものである。
また、摩擦攪拌接合に当たって、位置決めを容易にできるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の接合部の要部の縦断面図。
【図2】本発明の一実施例の接合部の縦断面図。
【図3】本発明の一実施例の一組の中空形材の縦断面図。
【図4】鉄道車両の車体の斜視図。
【図5】本発明の他の実施例の要部の縦断面図。
【図6】本発明の他の実施例の要部の縦断面図。
【図7】本発明の他の実施例の要部の縦断面図。
【符号の説明】
10、10C、20 中空形材
11、11C、12、11b、12C、21、22、22b 面板
13、13A、13B、13C、23、23A、23B リブ
16、19、26、28、29 凸部
30 接続材
35、37 凸部
39 凹部
201 側構体
202 屋根構体
203 台枠
240 ベッド
250 回転工具
Claims (1)
- 第1の部材の端部に凹部があり、第2の部材の重ね面に設けた凸部を前記凹部に挿入することによって、前記第1の部材の端部を前記第2の部材の端部に重ね、
該重ねる際に、前記第2の部材に設けた凸部によって前記第2の部材に対する前記第1の部材の位置を定め、また、前記凹部と前記凸部の間に粉状または繊維状の材料を配置し、
前記重ねた部分を摩擦攪拌接合を行うこと、
を特徴とする構造体の摩擦攪拌接合方法。
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