JP2011147989A - 溶接用裏当て金 - Google Patents

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Abstract

【課題】3次元方向へ容易に曲げることができる溶接用裏当て金を提供する。
【解決手段】角型鋼管よりなるコラム5の端部とダイヤフラム6とを溶接する際、コラムの端部とダイヤフラムの間に形成したルートギャップをコラムの内周面側から閉鎖する溶接用裏当て金であって、コラムのコーナ部5a内周面に当接するよう曲げ加工する裏当て金本体1の曲げ加工部分の内周面側に、裏当て金本体の長手方向と直交し、かつ裏当て金本体の長手方向に間隔を存して、複数の角溝2aよりなる縦溝群2を形成すると共に、縦溝群と直交し、かつ裏当て金本体の幅方向に間隔を存して、複数の角溝3aよりなる横溝3を形成したもので、3次元方向へ曲げることができる裏当て金本体が容易かつ安価に得られる。
【選択図】図2

Description

本発明はビル等の鉄骨構造物を構成するコラムとダイヤフラムを溶接する際に使用する溶接用裏当て金に関する。
従来ビル等の鉄骨構造物を構成するコラムには、丸型鋼管や角型鋼管が使用されており、これらコラムの多くは、各階毎にコラムと梁接合部材とに分割して、コラムとダイヤフラムを突合せ溶接し、ダイヤフラムに梁接合部材を突合せ溶接する方法が一般に採用されている。
また工場や建築現場でコラムとダイヤフラムを溶接する場合、突合せ部の内側に裏当て金を当接して、コラムとダイヤフラムの溶接を行っており、コラムの溶接に使用する裏当て金としては、例えば特許文献1や2に記載のものが公知である。
特許文献1に記載の裏当て金は、金板本体の曲げ部に相当する内面に、長手方向と直交する方向に複数の切り欠き溝を設けたもので、切り欠き溝が内角部に位置するようにして金板本体を切り欠き溝部分で曲げることにより、角形コラムのコーナ部内面に沿った形状に金板本体が曲げ加工できるようになっており、切り欠き溝により曲げ部を形成する際の曲げ応力を低減できる上、曲げ形状のフレキシブル性を向上できる等の効果を有している。
また特許文献2に記載の角コラムの溶接裏当て金用鋼板は、角コラムの各角部の内曲面部に当てるべき部分に、並列に配置された一群の溝が形成されており、前記溝の形状は、その深さにおける50%以上の部分の両側面が平行な形状であり、その溝位置における残存板厚が1.5〜2.5mmであり、一群の溝の数が4以上であり、各溝の幅が4mm以下、かつ溝のピッチが2.75mm以上であり、作業者が治具を用いずに曲げることができ、かつロボット溶接を行ったとき抜けが起こらないように構成されている。
一方前記特許文献1及び2に記載の溶接用裏当て金は、何れも2次元方向へ折り曲げて使用するようになっているが、3次元方向へ折り曲げることができる溶接用裏当て金として、例えば特許文献3に記載されたものがある。
前記特許文献3に記載された裏当て金は、厚さが幅方向に一定な四角断面形状の裏当て金用材料の、パネルのコーナ部内側に当接する部分の背面に、深さが裏当て金用材料の幅方向で異なる一群のV溝を長手方向と直交する方向に形成している。
すなわちV溝の深さを、裏当て金用材料の一方の端面側が深く、そして他方の端面側が浅くなるように形成している。
そして前記構成により、台形パネル(絞りコラム)とダイヤフラムを溶接する場合に、台形パネルの内面の傾斜に合せて裏当て金用材料を斜めに曲げることができるため、ダイヤフラムに対して裏当て金用材料の端面を線接触ではなく面接触で当接することができ、これによって特にコーナ部分に隙間が生じることがないので、溶接欠陥のない溶接が可能となる等の効果を有している。
実開昭63−157497号公報 特開2003−154489号公報 特開平11−90688号公報
しかし前記特許文献1、2に記載された裏当て金では、曲げる方向が2次元方向に限られることから、次のような問題がある。
すなわちビル等の鉄骨構造物に使用されているコラムは、通常垂直方向に直線的に溶接して連結していくが、建築物の上階に行くに従ってコラムのサイズを小さくすることがある。
サイズの異なるコラムを接続する場合、従来では各コラムとの間に角テーパ状の絞りコラムを介在させて、サイズの異なるコラムを互いに接続する方法が採用されている。
この方法では、絞りコラムとダイヤフラムの突合せ部に裏から当接する裏当て金は、絞りコラム内周面の傾斜に沿って3次元方向に曲げる必要がある。
一方ビルの最上階等に使用するコラムには、日照権等の関係で斜めに設置されるコラムがある。
斜めに設置されるコラムと垂直に設置されるコラムとを接続する場合、コラムの先端を所定の角度で切断し、切断面にダイヤフラムを溶接することになるため、コラムとダイヤフラムの突合せ部に裏から当接する裏当て金は、コラム端面の傾斜に沿って3次元方向に曲げる必要がある。
しかし前記特許文献1や2に記載の裏当て金では、2次元方向にしか曲げることができないため、サイズの異なるコラムを接続したり、斜めに設置されるコラムと垂直に設置されるコラムとを接続する場合、複数の裏当て金を3次元方向に配置して溶接するため、複数の裏当て金を仮付けする作業を必要とし、裏当て金の仮付け作業に手間と時間がかかることから、作業能率が悪い等の問題がある。
また複数の裏当て金を使用する場合、各裏当て金の接続部分に隙間が生じないように裏当て金の端部を加工する必要があるため、この加工にも多くの工数を必要とする問題もある。
一方前記特許文献3に記載の溶接用裏当て金は、3次元方向へ曲げることができることから、サイズの異なるコラムを接続するために使用する絞りコラムとダイヤフラムとを溶接する際の溶接用裏当て金に適している。
しかしV溝の深さを、裏当て金用材料の一方の端面側が深く、そして他方の端面側が浅くなるように形成する必要があることから、深さの異なる複数のV溝を形成するのに多くの時間と手間を必要とし、生産性が悪い上コスト高となる問題がある。
本発明はかかる従来の問題を改善するためになされたもので、3次元方向へ容易に曲げることができ、かつ製作も容易な溶接用裏当て金を提供することを目的とするものである。
本発明の溶接用裏当て金は、角型鋼管よりなるコラムの端部とダイヤフラムとを溶接する際、コラムの端部とダイヤフラムの間に形成したルートギャップをコラムの内周面側から閉鎖する溶接用裏当て金であって、コラムのコーナ部内周面に当接するよう曲げ加工する裏当て金本体の曲げ加工部分の内周面側に、裏当て金本体の長手方向と直交し、かつ裏当て金本体の長手方向に間隔を存して、複数の角溝よりなる縦溝群を形成すると共に、縦溝群と直交し、かつ裏当て金本体の幅方向に間隔を存して、複数の角溝よりなる横溝を形成したものである。
前記構成により、プレスにより曲げ加工部分を所定のR形状に曲げ加工することにより、より少ないプレス荷重により裏当て金本体の曲げ加工部分を2次元方向及び3次元方向へ同時に曲げ加工することができるようになり、絞りコラムとダイヤフラムの突合せ溶接する場合や、斜めに設置されるコラムと垂直に設置されるコラムとをダイヤフラムを介して溶接する場合に使用する3次元方向へ曲げることができる裏当て金本体が容易かつ安価に得られるようになる。
本発明の溶接用裏当て金は、縦溝群を形成する角溝及び横溝形成する角溝の深さを4.5〜6mmとし、溝幅を2〜3mmとしたものである。
前記構成により、曲げ加工部分の残厚が人力で曲げ加工する従来の溶接用裏当て金に比べて厚くなっているため、溶接電流の大きいロボット溶接を行った場合でも残厚部分が抜け落ちることがなく、これによって溶接電流が途切れることにより生じる溶接の中断が未然に防止できるようになり、溶接作業の能率向上が図れるようになる。
本発明の溶接用裏当て金は、前記裏当て金本体の曲げ加工部分に形成するコーナRの値をxとした場合、
曲げ加工部分の長さL=2xR×3.14×90〜95/360
により曲げ加工部分の長さLを算出し、
コラムがBCRの場合、曲げ加工部分の長さLの範囲に縦溝群を形成する角溝を7〜10本形成し、コラムがBCPの場合、曲げ加工部分の長さLの範囲に前記縦溝群を形成する角溝を10〜14本形成すると共に、横溝の各角溝は、裏当て金本体の上辺及び下辺から8mm以上離間する位置に形成したものである。
前記構成により、人力や治具を使用して曲げ加工を行う場合に比べてより精度の高い曲げ加工が可能なことから、コラムと裏当て金本体との間に隙間を生じることなくルートギャップをコラムの内周面側から閉鎖することができ、これによって溶接の際溶融金属がコラムの内側へ漏出することがないため、欠肉等の溶接欠陥がない安定した形状の溶接ビードが得られるようになる。
本発明の溶接用裏当て金によれば、プレスにより曲げ加工部分を所定のR形状に曲げ加工することにより、より少ないプレス荷重により裏当て金本体の曲げ加工部分を2次元方向及び3次元方向へ同時に曲げ加工することができるようになり、絞りコラムとダイヤフラムの突合せ溶接する場合や、斜めに設置されるコラムと垂直に設置されるコラムとをダイヤフラムを介して溶接する場合に使用する3次元方向へ曲げることができる裏当て金本体が容易かつ安価に得られるようになる。
また人力や治具を使用して曲げ加工を行う場合に比べてより精度の高い曲げ加工が可能なことから、コラムと裏当て金本体との間に隙間を生じることなくルートギャップをコラムの内周面側から閉鎖することができ、これによって溶接の際溶融金属がコラムの内側へ漏出することがないため、欠肉等の溶接欠陥がない安定した形状の溶接ビードが得られるようになる。
本発明の実施の形態になる溶接用裏当て金の斜視図である。 本発明の実施の形態になる溶接用裏当て金の平面図である。 本発明の実施の形態になる溶接用裏当て金の側面図である。 本発明の実施の形態になる溶接用裏当て金を折り曲げた状態の平面図である。 本発明の実施の形態になる溶接用裏当て金を使用する際の分解斜視図である。 本発明の実施の形態になる溶接用裏当て金を3次元方向に折り曲げて使用する状態の断面図である。 図6のA円内の拡大図である。 本発明の実施の形態になる溶接用裏当て金を使用してコラムにダイヤフラムを斜めに溶接した状態の断面図である。 図8のB円内の拡大図である。 本発明の実施の形態になる溶接用裏当て金の変形例を示す平面図である。 本発明の実施の形態になる溶接用裏当て金の変形例を示す平面図である。
本発明の実施の形態を、図面を参照して詳述する。
図1ないし図3に示す裏当て金本体1は、後述するコラム5やダイヤフラム6と同材質の帯状鋼板よりなり、板厚t1及び幅W1が全長に亘ってほぼ一定となっている。
裏当て金本体1は、角型鋼管よりなるコラム5の端部内周面に隙間なく当接するよう予め曲げ加工した状態で使用するが、曲げ形状は例えば図4に示すようにほぼコ字型となっており、一対の裏当て金本体1の両端部を互に突合せた状態でコラム5端部の内周面に隙間なく当接できる寸法となっている。
裏当て金本体1の曲げ加工部分の内周面は、予め縦方向に形成された縦溝群2と横方向に形成された横溝3が互いに交差するよう格子状に形成されている。
縦溝群2は、裏当て金本体1を2次元方向に曲げやすくするもので、開口部から底面までの溝幅W2がほぼ一定となった複数本の角溝2aを、裏当て金本体1の長手方向と直交し、かつ長手方向にほぼ等間隔となるよう切削加工することにより形成されている。
縦溝群2は、裏当て金本体1を2次元方向へ折り曲げた際、コラム5の内周面と当接する面を外周面とすると、その反対側の面である内周面側に形成されていて、溝幅W2は1.4〜2.5mm程度に、深さD1は、裏当て金本体1の板厚t1が例えば約9mmの場合、4.5〜6mm程度となっており、これによって角溝2aを形成した後の残りの板厚(残厚)t2は、3〜4.5mm程度となり、人力では所定のRに曲げられない程度の剛性を持っている。
また建築構造用冷間ロール成形角型鋼管(BCR)をコラム5として使用する場合と、建築構造用冷間プレス成形角型鋼管(BCP)をコラム5として使用する場合とでは、裏当て金本体1の曲げる範囲(以下曲げ加工部分の長さLという)が異なる。
これはBCRのコーナRの標準値がR2.5tであるのに対し、BCPのコーナRの標準値がR3.5tとなっているためで(なおtはコラムの板厚)、BCRとBCPとでは外周のコーナRが異なることから当然内周のコーナRも異なり、コラム5のコーナ部内周面に当接する裏当て金本体1の外周面の曲げ長さLは、BCRコラムの曲げ長さL1に対し、BCPコラムの曲げ長さL2が若干長くなる(L1<L2)。
このためBCRをコラム5に使用する場合、縦方向の角溝群2を構成する角溝2aの数は7〜10本、そしてBCPをコラム5に使用する場合、角溝2aの数は10〜14本を裏当て金本体1の曲げ加工部分の長さLの範囲に形成するようにしている。
これによってプBCPコラム5に使用する裏当て金本体1の外周面とコラム5のコーナRがより密着しやすくなる。
なお得ようとするコーナRの値をxとした場合、次式により曲げ長さLを求めることができる。
曲げ加工部分の長さL=2xR×3.14×90〜95/360
例えば30RのコーナRを得ようとした場合、
L=2×30×3.14×90〜95/360
L=47.1〜49.7となり、曲げ加工部分の曲げ長さLは、約47〜50mmとなる。
また各角溝1bのピッチPは、次式により求めることができる。
P=曲げ加工部分の長さL÷角溝の数n
コラム5がBCRの場合、角溝2aの数が7〜10のため、P=L÷(7〜10)
コラム5がBCPの場合、角溝2aの数が10〜14のため、P=L÷(10〜14)
となる。
一方横溝3は、裏当て金本体1を3次元方向に曲げやすくするもので、開口部から底面までの幅W3がほぼ一定となった複数、例えば2本の角溝3aを、裏当て金本体1の長手方向に沿い、かつ幅方向に間隔を存して形成することにより構成されている。
そして裏当て金本体1の幅W1が例えば25mmの場合、上辺から8mm、下辺から8mmの位置にそれぞれ角溝3aが上辺及び下辺と平行するように形成されており、この場合各角溝3aの間隔は9mmとなる(何れも角溝3aの中心線までの距離)。
また各角溝3aの幅W3は約2mm、深さD2は約4.5〜6mmとなっており、各角溝3aの長さL3は、次の理由で曲げ加工部分の長さLより予め長く設定されている。
すなわち裏当て金本体1の曲げ加工部分に形成する縦溝群2と横溝3は、何れもディスク状の溝切りカッタを使用して切削加工するが、溝切りカッタとしては、ディスクの周囲に例えば超硬チップが接合されたものを使用している。
この溝切りカッタを切削機械(図示せず)に装着し、溝切りカッタを回転させながら裏当て金本体1を固定したテーブルを切削方向へ移動させて、まず縦溝群2の各角溝2aを所定のピッチで複数本切削加工する。
縦溝群2の全ての角溝2aを切削加工したら、次に横溝3の各角溝3aを同様の溝切りカッタを使用して切削するが、溝切りカッタは円形のため切削範囲を曲げ加工部分の長さLの範囲にすると、横溝3の各角溝2aの両端側が切削カッタの外周と同じ曲率の円弧状となり、各角溝2aの両端側の深さDが漸次減少してしまう。
これを防止するため、予め曲げ加工部分の長さLより長く横溝3aを切削して、図3に示すように曲げ加工部分の長さLの範囲では、縦溝群2の各角溝2aの深さD1と同じ深さD2となるようにしている。
なお3次元方向により曲げやすくするため、横溝3の各角溝3aの深さD2を、縦溝群2の各角溝2aの深さD1より深くすることもある。
次に前記構成された溶接用裏当て金を使用して、コラム1とダイヤフラム2を溶接する際の作用を説明する。
ビル等の鉄骨構造物の主柱となるコラム5は、通常各階毎にダイヤフラム6を設けて、このダイヤフラム6を介して各コラム5を長手方向に接続していくため、予め所定長さに切断したコラム5の端面にダイヤフラム6を溶接する作業が必要となる。
また溶接に使用する裏当て金本体1は、溶接するコラム5の内周長に合せて切断し、所定の形状に曲げ加工するが、コラム5に使用する角型鋼管には、BCRとBCPとがあり、裏当て金本体1も、コラム5の規格サイズに合せて縦溝群2を形成したものを使用する。
すなわちコラム5のコーナ部5a内周面に合せて裏当て金本体1の曲げ加工部分を曲げ加工する際に、コラム5のコーナ部5aに縦溝群2が位置するように、裏当て金本体1の曲げ加工部分の長さLの範囲をほぼ90°〜95°の角度に曲げ加工するが、このとき裏当て金本体1の両端側突合せ部1aが図4に示すように、コラム5の一辺のほぼ中央付近となるようにし、突合せ部1aがコラム5のコーナ部5aにこないように配慮する。
なお裏当て金本体1を実際に使用する際には、コラム1のコーナ部5aに合せてほぼ90°に曲げた状態のものを使用するが、コラム1のコーナ部5aに連続する各辺の角度にはバラつきがあることから、必ずしも正確に90°とは限らず、また保管中や輸送中に曲げ角度が狂うことがある。
そこで予め90°より大きい角度、例えば91〜95度に曲げ加工することにより角度調整代の1〜5°を予め付与し、後述するように角度調整を可能にしている。
裏当て金本体1の曲げ加工部分を曲げ加工するに当たっては、プレスに装着した金型(何れも図示せず)に裏当て金本体1の曲げ加工部分が位置するようにセットし、プレスにより曲げ加工部分を所定のR形状に曲げ加工するが、プレスにより曲げ加工することにより、従来の人力で曲げ加工する溶接用裏当て金に比べて精度の高い曲げ加工が可能となり、コラム5のコーナ部5a内周面に隙間なく密着させることができるコ字形の裏当て金本体1が得られるようになる。
以上のようにして2次元方向に曲げ加工した裏当て金本体1は、コラム5とダイヤフラム6が直角となるよう突合せ溶接する場合に使用するが、図5に示すように絞りコラム7とダイヤフラム6を突合せ溶接する場合は、絞りコラム7の傾斜に沿って裏当て金本体1を3次元方向へ曲げ加工したものが必要となる。
裏当て金本体1を3次元方向へ曲げ加工するに当たっては、裏当て金本体1の曲げ加工部分を3次元方向へ曲げ加工する金型(図示せず)を使用するが、この金型は、コラム5のコーナ部5a内周面に隙間なく当接するよう裏当て金本体1を2次元方向へ曲げ加工すると同時に、絞りコラム7の傾斜する内面にも隙間なく当接するよう3次元方向へも曲げ加工できるものを使用する。
すなわち図7に示すように、裏当て金本体1の下辺側より上辺側が狭くなるように曲げ加工して、曲げ加工部分が絞りコラム7のコーナ部内周面のRに沿って隙間なく当接できるようにすると同時に、絞りコラム7の上下方向の傾斜(垂直に対しほぼ30°以内)沿うようにするもので、2次元方向の曲げに対しては、裏当て金本体1の曲げ加工部分に形成した複数の角溝2aからなる縦溝群2が曲げ加工を容易にし、3次元方向の曲げに対しては、裏当て金本体1の曲げ加工部分に形成した複数の角溝3aからなる横溝3が曲げ加工を容易にしている。
プレスにより裏当て金本体1を加圧して、裏当て金本体1を2次元方向と同時に3次元方向の曲げ加工すると、曲げ加工部分の内周面側に圧縮荷重が作用する。
そして2次元方向に作用する圧縮荷重は、曲げ加工部分の内周面に形成された縦溝群2の多数の角溝2aが開口部を閉じることにより吸収される。
また3次元方向に作用する圧縮荷重は、曲げ加工部分の内周面に形成された横溝3の複数の角溝3aが開口部を閉じることにより吸収される。
これによって、より少ないプレス荷重により裏当て金本体1の曲げ加工部分を2次元方向及び3次元方向へ同時に曲げ加工することができるようになると共に、プレスにより曲げ加工を行うため、人力や治具を使用して曲げ加工を行う場合に比べてより精度の高い曲げ加工が可能になる。
次にコラム5の端部に溶接されたダイヤフラム6と絞りコラム7を、2次元方向及び3次元方向に曲げ加工された裏当て金本体1を使用して突合せ溶接する方法(オフセット)を、図5ないし図7に示す図面を参照して説明する。
まずダイヤフラム6と絞りコラム7の大口径側端部をするに当たって、絞りコラム7の大口径側から裏当て金本体1を嵌合して、絞りコラム7の内周面に裏当て金本体1の外周面が隙間なく当接するように裏当て金本体1を仮付けする。
もし裏当て金本体1の各辺の角度が90°以上に曲げ加工されていたり、何らかの理由で90°より大きくなっている場合は、各辺部分を把持して閉じる方向へ力を加え、角度を微調整する。
裏当て金本体1の曲げ加工部は予めプレス加工されているため、コーナ部分のRは変わることはないが、コーナRに連続する各辺の角度の微調整は工具等により簡単に行うことができる。
裏当て金本体1の外周面がコラム5の内周面に密着するよう各辺の角度調整したら、裏当て金本体1の曲げ加工部分をコラム5のコーナ部5aに当接するが、このとき隙間が生じているようなら、隙間がなくなるようにさらに各辺の角度を修正しながらコラム1に裏当て金本体3を仮付けし、このとき絞りコラム7の大口径側端部とダイヤフラム6との間に所定のルートギャップが形成されるように、大口径側端部から突出する裏当て金本体1の突出量を決定する。
絞りコラム7に裏当て金本体1を仮付けしたら、絞りコラム7の大口径側端部から突出した裏当て金本体1の突出部をダイヤフラム6に当接し、両者を位置合せした状態で裏当て金本体1の突出部をダイヤフラム6に仮付けする。
そしてこの状態でルートギャップに沿ってダイヤフラム6と絞りコラム7の大口径側端部を突合せ溶接するもので、裏当て金本体1が予め3次元方向に曲げ加工することによって絞りコラム7と裏当て金本体1との間に隙間を生じることなくルートギャップを絞りコラム7の内周面側から閉鎖することができ、これによって溶接の際溶融金属が絞りコラム7の内側へ漏出することがないため、欠肉等の溶接欠陥がない安定した形状の溶接ビードが得られるようになる。
以上のようにして絞りコラム7の大口径側端部にダイヤフラム6を溶接したら、絞りコラム7の小口径側端部にも同様な方法でダイヤフラム6を溶接するもので、曲げ加工部分の残厚t2が人力で曲げ加工する従来の溶接用裏当て金に比べて3〜4.5mmと厚くなっているため、溶接電流の大きいロボット溶接を行った場合でも残厚t2部分が抜け落ちることがなく、これによって溶接電流が途切れることにより生じる溶接の中断が未然に防止できるようになり、溶接作業の能率向上が図れるようになる。
一方図8及び図9は、日照権等の関係で斜め(セットバック)に設置されるコラム8と垂直に接するコラム5とをダイヤフラム6を介して突合せ溶接する場合を示す。
斜め(水平に対しほぼ30°以内)に設置されるコラム8と垂直に設置されるコラム5とを接続する場合、コラム5,8の先端を所定の角度で切断し、切断面にダイヤフラム6を溶接することになるため、コラム5,8とダイヤフラム6の突合せ部に裏から当接する裏当て金は、コラム5,8端面の傾斜に沿って3次元方向に曲げる必要がある。
なお裏金本体1をプレスにより3次元方向に曲げる方法は、前述したので省略する。
まずコラム5の端部とダイヤフラム6を溶接するに当たっては、裏当て金本体1をコラム5の上方からコラム1の端部に嵌合し仮付けするが、もし隙間が生じているようなら、隙間がなくなるように手直しながらコラム5に裏当て金本体1を仮付けし、コラム5の端部とダイヤフラム6との間に所定のルートギャップが形成されるように、コラム5の端部から突出する裏当て金本体1の突出量を決定する。
また裏当て金本体1の上面は、ダイヤフラム6の傾斜角度θに合致するよう予め斜めに切削加工しておく。
次にコラム5に裏当て金本体1を仮付けしたら、コラム5の端部から突出した裏当て金本体1の突出部の上面をダイヤフラム6に当接し、両者を位置合せした状態で裏当て金本体1の突出部をダイヤフラム6に仮付けする。
そしてこの状態でルートギャップに沿ってコラム5の端部とダイヤフラム6とを突合せ溶接するもので、裏当て金本体1が予め3次元方向に曲げ加工することによってコラム5と裏当て金本体1との間及び裏当て金本体1の上面とダイヤフラム6との間に隙間を生じることなくルートギャップを絞りコラム7の内周面側から閉鎖することができ、これによって溶接の際溶融金属がコラム5の内側へ漏出することがないため、欠肉等の溶接欠陥がない安定した形状の溶接ビードが得られるようになる。
以上のようにしてコラム5の端部にダイヤフラム6を溶接したら、斜めに設置するコラム8の端部にも、同様な方法でダイヤフラム6を溶接するもので、曲げ加工部分の残厚t2が人力で曲げ加工する従来の溶接用裏当て金に比べて厚くなっているため、溶接電流の大きいロボット溶接を行った場合でも残厚t2部分が抜け落ちることがなく、これによって溶接電流が途切れることにより生じる溶接の中断が未然に防止できるようになり、溶接作業の能率向上が図れるようになる。
一方図10及び図11は、裏当て金本体1の変形例を示すもので、次にこれらについて説明する。
図10に示す変形例では、裏当て金本体1の曲げ形状をほぼ角形として、1本の裏当て金本体1でルートギャップ全体をコラム5の内周面側から塞ぐようにしたもので、コラム5端部の内周面に隙間なく当接できる寸法に各辺の長さ及びコーナRが形成されている。
また図11は、ほぼL字形に形成した裏当て金本体1を4個使用してルートギャップ全体をコラム5の内周面側から塞ぐようにしたもので、コラム5端部の内周面に隙間なく当接できる寸法に各辺の長さ及びコーナRが形成されている。
何れの変形例の曲げ加工部分の内周面に縦溝群2と横溝3が互いに直交するよう格子状に形成されていることから、2次元方向及び3次元方向に容易に曲げ加工することができる。
なお前記実施の形態及び変形例では、何れも裏当て金本体を3次元方向に曲げて使用する場合について説明したが、2次元方向へ曲げてコラム5とダイヤフラム6とを溶接する際に使用しても勿論よい。
1 裏当て金本体
2 縦溝群
2a 角溝
3 横溝
3a 角溝
5 コラム
6 ダイヤフラム
W1 裏当て金本体の幅
W2 溝幅
t1 裏当て金本体の板厚
t2 角溝を形成した後の残厚
L 曲げ加工部分の長さ
BCR 建築構造用冷間ロール成形角型鋼管
BCP 築構造用冷間プレス成形角型鋼管

Claims (3)

  1. 角型鋼管よりなるコラムの端部とダイヤフラムとを溶接する際、前記コラムの端部と前記ダイヤフラムの間に形成したルートギャップを前記コラムの内周面側から閉鎖する溶接用裏当て金であって、前記コラムのコーナ部内周面に当接するよう曲げ加工する前記裏当て金本体の曲げ加工部分の内周面側に、前記裏当て金本体の長手方向と直交し、かつ前記裏当て金本体の長手方向に間隔を存して、複数の角溝よりなる縦溝群を形成すると共に、前記縦溝群と直交し、かつ前記裏当て金本体の幅方向に間隔を存して、複数の角溝よりなる横溝を形成したことを特徴とする溶接用裏当て金。
  2. 前記縦溝群を形成する前記角溝及び前記横溝形成する前記角溝の深さを4.5〜6mmとし、溝幅を2〜3mmとしてなる請求項1に記載の溶接用裏当て金。
  3. 前記裏当て金本体の曲げ加工部分に形成するコーナRの値をxとした場合、
    曲げ加工部分の長さL=2xR×3.14×90〜95/360
    により曲げ加工部分の長さLを算出し、
    前記コラムがBCRの場合、前記曲げ加工部分の長さLの範囲に前記縦溝群を形成する前記角溝を7〜10本形成し、前記コラムがBCPの場合、前記曲げ加工部分の長さLの範囲に前記縦溝群を形成する前記角溝を10〜14本形成すると共に、横溝の各角溝は、前記裏当て金本体の上辺及び下辺から8mm以上離間する位置に形成してなる請求項1または2に記載の溶接用裏当て金。
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