JP2011251288A - 溶接用裏当て金 - Google Patents
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Abstract
【課題】 裏当て金本体の外周面が均一な曲面となるように曲げ加工ができる溶接用裏当て金溶接用裏当て金を提供する。
【解決手段】 コラム5のコーナ部5a内周面に当接するよう曲げ加工する裏当て金本体1の曲げ加工部分の内周面側に、裏当て金本体の長手方向に平行なX軸と直交するY軸に対しほぼ同じ角度で右方向及び左方向へ傾斜し、かつX軸とY軸の交点上でX字形に交差する右傾斜溝2a及び左傾斜溝2bよりなる一組の交差溝2を、Y軸方向に間隔を存して複数組設けることにより交差溝群3を形成したもので、裏当て金本体の曲げ加工部分を曲げた際、各交差溝の間に位置するほぼ菱形の島状部の頂部がX軸上で互いに当接して曲げ加工部分の曲げ角度を規制するため、点接触した部分を支点として曲げ加工された裏当て金本体の外周面は均一な曲面となる。
【選択図】図2
【解決手段】 コラム5のコーナ部5a内周面に当接するよう曲げ加工する裏当て金本体1の曲げ加工部分の内周面側に、裏当て金本体の長手方向に平行なX軸と直交するY軸に対しほぼ同じ角度で右方向及び左方向へ傾斜し、かつX軸とY軸の交点上でX字形に交差する右傾斜溝2a及び左傾斜溝2bよりなる一組の交差溝2を、Y軸方向に間隔を存して複数組設けることにより交差溝群3を形成したもので、裏当て金本体の曲げ加工部分を曲げた際、各交差溝の間に位置するほぼ菱形の島状部の頂部がX軸上で互いに当接して曲げ加工部分の曲げ角度を規制するため、点接触した部分を支点として曲げ加工された裏当て金本体の外周面は均一な曲面となる。
【選択図】図2
Description
本発明はビル等の鉄骨構造物を構成するコラムとダイヤフラムを溶接する際に使用する溶接用裏当て金に関する。
従来ビル等の鉄骨構造物を構成するコラムには、丸型鋼管や角型鋼管が使用されており、これらコラムの多くは、各階毎にコラムと梁接合部材とに分割して、コラムとダイヤフラムを突合せ溶接し、ダイヤフラムに梁接合部材を突合せ溶接する方法が一般に採用されている。
また工場や建築現場でコラムとダイヤフラムを溶接する場合、突合せ部の内側に裏当て金を当接して、コラムとダイヤフラムの溶接を行っており、コラムの溶接に使用する裏当て金としては、例えば特許文献1や2に記載のものが公知である。
また工場や建築現場でコラムとダイヤフラムを溶接する場合、突合せ部の内側に裏当て金を当接して、コラムとダイヤフラムの溶接を行っており、コラムの溶接に使用する裏当て金としては、例えば特許文献1や2に記載のものが公知である。
特許文献1に記載の裏当て金は、金板本体の曲げ部に相当する内面に、長手方向と直交する方向に複数の切り欠き溝を設けたもので、切り欠き溝が内角部に位置するようにして金板本体を切り欠き溝部分で曲げることにより、角形コラムのコーナ部内面に沿った形状に金板本体が曲げ加工できるようになっており、切り欠き溝により曲げ部を形成する際の曲げ応力を低減できる上、曲げ形状のフレキシブル性を向上できる等の効果を有している。
また特許文献2に記載の角コラムの溶接裏当て金用鋼板は、角コラムの各角部の内曲面部に当てるべき部分に、並列に配置された一群の溝が形成されており、前記溝の形状は、その深さにおける50%以上の部分の両側面が平行な形状であり、その溝位置における残存板厚が1.5〜2.5mmであり、一群の溝の数が4以上であり、各溝の幅が4mm以下、かつ溝のピッチが2.75mm以上であり、作業者が治具を用いずに曲げることができ、かつロボット溶接を行ったとき抜けが起こらないように構成されている。
前記特許文献1、2に記載の裏当て金を曲げ加工する場合、まず帯板(FB)よりなる裏当て金本体の溝加工部分の両側を把持して溝加工部分を中心に曲げ加工を開始すると、裏当て金本体の残厚部分を外周とし、溝の開口部側を内周として溝加工部分が円弧を描きながら曲げられる。
前記特許文献1、2に記載の裏当て金を曲げ加工する場合、まず帯板(FB)よりなる裏当て金本体の溝加工部分の両側を把持して溝加工部分を中心に曲げ加工を開始すると、裏当て金本体の残厚部分を外周とし、溝の開口部側を内周として溝加工部分が円弧を描きながら曲げられる。
その後各溝の開口幅が除々に狭められながら溝加工部分の曲げ加工が進み、裏当て金本体の把持部分の角度が90°付近に達すると、各溝の開口縁が互いに線接触した状態となって開口部が閉じる。
この状態からさらに溝加工部分を曲げようとすると、各溝の互いに線接触した部分が支点となって裏当て金本体の残厚部分に引張り応力が発生するため、以後は人力による曲げ加工は困難となる。
そこで予め各溝の開口縁が互いに線接触した状態となって開口部が閉じ、かつ裏当て金本体の把持部分の角度がほぼ90°となったときに溝加工部の外周面がコラムのコーナ内周面に密着する曲面となるよう各溝の溝幅や溝の本数、溝のピッチを設定しておくことにより、コラムのコーナRに応じた曲率で裏当て金本体の溝加工部を曲げ加工することができるようになる。
この状態からさらに溝加工部分を曲げようとすると、各溝の互いに線接触した部分が支点となって裏当て金本体の残厚部分に引張り応力が発生するため、以後は人力による曲げ加工は困難となる。
そこで予め各溝の開口縁が互いに線接触した状態となって開口部が閉じ、かつ裏当て金本体の把持部分の角度がほぼ90°となったときに溝加工部の外周面がコラムのコーナ内周面に密着する曲面となるよう各溝の溝幅や溝の本数、溝のピッチを設定しておくことにより、コラムのコーナRに応じた曲率で裏当て金本体の溝加工部を曲げ加工することができるようになる。
しかし前記特許文献1、2に記載された裏当て金では、裏当て金本体の長手方向と直交し、かつ互いに平行する角溝により複数の溝が形成されているため、次のような問題がある。
すなわち裏当て金本体の曲げ加工を開始すると、各溝の開口幅が除々に狭められながら裏当て金本体の把持部分の角度が90°付近に達すると、各溝の開口縁が互いに線接触して開口部が閉じた状態のときにコラムのコーナRに応じた曲率で裏当て金本体の溝加工部が曲げ加工されるようになっている。
このため裏当て金本体の把持部分の角度がほぼ90°になったときに各溝の開口縁が均一に線接触する必要があるが、溝の加工精度が悪いと各溝の開口縁が線接触とならずに部分的に接した点接触の状態となることがある。
すなわち裏当て金本体の曲げ加工を開始すると、各溝の開口幅が除々に狭められながら裏当て金本体の把持部分の角度が90°付近に達すると、各溝の開口縁が互いに線接触して開口部が閉じた状態のときにコラムのコーナRに応じた曲率で裏当て金本体の溝加工部が曲げ加工されるようになっている。
このため裏当て金本体の把持部分の角度がほぼ90°になったときに各溝の開口縁が均一に線接触する必要があるが、溝の加工精度が悪いと各溝の開口縁が線接触とならずに部分的に接した点接触の状態となることがある。
また溝の加工精度が悪いと点接触する位置が裏当て金本体の幅方向にバラつくため、点接触した部分を支点として曲げ加工された裏当て金本体の外周面は均一な曲面にならず、その結果コラムのコーナ部内周面に曲げ加工部分の外周面を当接した場合、コーナ部内周面と曲げ加工部分の外周面との間に隙間が発生するため、各溝の加工精度を上げる必要がある。
しかし従来の裏当て金では、角溝を帯鋸で切削加工しているため、角溝の溝幅を精度よく加工するのに限界があり、その結果裏当て金本体の外周面が均一な曲面となるように曲げ加工ができない等の問題がある。
本発明はかかる従来の問題を解決するためになされたもので、裏当て金本体の外周面が均一な曲面となるように曲げ加工ができる溶接用裏当て金を提供することを目的とするものである。
しかし従来の裏当て金では、角溝を帯鋸で切削加工しているため、角溝の溝幅を精度よく加工するのに限界があり、その結果裏当て金本体の外周面が均一な曲面となるように曲げ加工ができない等の問題がある。
本発明はかかる従来の問題を解決するためになされたもので、裏当て金本体の外周面が均一な曲面となるように曲げ加工ができる溶接用裏当て金を提供することを目的とするものである。
本発明の溶接用裏当て金は、角型鋼管よりなるコラムの端部とダイヤフラムとを溶接する際、コラムの端部とダイヤフラムの間に形成したルートギャップをコラムの内周面側から閉鎖する溶接用裏当て金であって、コラムのコーナ部内周面に当接するよう曲げ加工する裏当て金本体の曲げ加工部分の内周面側に、裏当て金本体の長手方向に平行なX軸と直交するY軸に対しほぼ同じ角度で右方向及び左方向へ傾斜し、かつX軸とY軸の交点上でX字形に交差する右傾斜溝及び左傾斜溝よりなる一組の交差溝を、Y軸方向に間隔を存して複数組設けることにより交差溝群を形成したものである。
前記構成により、裏当て金本体の曲げ加工部分を曲げた際、各交差溝の間に位置するほぼ菱形の島状部の頂部がX軸上で互いに当接して曲げ加工部分の曲げ角度を規制するため、溝の加工精度が多少悪くても点接触する位置が裏当て金本体の幅方向にバラつくことがない。
これによって点接触した部分を支点として曲げ加工された裏当て金本体の外周面は均一な曲面となることから、コラムのコーナ部内周面に曲げ加工部分の外周面を当接した場合、コラムのコーナ部内周面と曲げ加工部分の外周面との間に隙間が発生することがないため、欠肉等の溶接欠陥がない安定した形状の溶接ビードが得られるようになる。
また交差溝を加工するのに高い精度を必要としないため、裏当て金本体の溝加工が容易となり、これによって溶接用裏当て金が安価に得られるようになる。
これによって点接触した部分を支点として曲げ加工された裏当て金本体の外周面は均一な曲面となることから、コラムのコーナ部内周面に曲げ加工部分の外周面を当接した場合、コラムのコーナ部内周面と曲げ加工部分の外周面との間に隙間が発生することがないため、欠肉等の溶接欠陥がない安定した形状の溶接ビードが得られるようになる。
また交差溝を加工するのに高い精度を必要としないため、裏当て金本体の溝加工が容易となり、これによって溶接用裏当て金が安価に得られるようになる。
本発明の溶接用裏当て金は、交差溝を形成する右傾斜溝及び左傾斜溝の溝幅とカット数、右傾斜溝間のピッチ及び左傾斜溝間のピッチを、裏当て金本体の曲げ加工部分の外周面がコラムのコーナ部内周面に隙間なく当接するよう、コラムのコーナ部内周面のRに応じて設定すると共に、右傾斜溝及び左傾斜溝の深さを、曲げ加工部分に作業者が手で曲げられる厚さの残厚が残るように設定したものである。
前記構成により、治具や工具を使用せずに簡単に所定の角度に曲げ加工したり、コラムのコーナ部内周面に隙間なく当接するよう曲げ角度の調整が行えるため、裏当て金本体の取り付け作業が短時間で能率よく行える上、溶接の際溶融金属がコラムの内側へ漏出することがないため、欠肉等の溶接欠陥がない安定した形状の溶接ビードが得られるようになる。
本発明の溶接用裏当て金は、右傾斜溝及び左傾斜溝とが交差するX軸を、裏当て金本体を幅方向に二等分する位置に設定したものである。
前記構成により、裏当て金本体の曲げ加工部分を曲げた際、裏当て金本体を幅方向に二等分するX軸上で各交差溝の間に位置するほぼ菱形の島状部の頂部が互いに当接して曲げ加工部分の曲げ角度を規制するため、二次元方向の曲げ加工が容易かつ正確に行える。
本発明の溶接用裏当て金は、曲げ加工部分の曲げ角度を90〜95°の範囲に設定したものである。
前記構成により、コラムのコーナ部内周面のRにバラつきがあっても、曲げ角度を90〜95の範囲で調整することにより、コラムのコーナ部内周面と曲げ加工部分の外周面との間に隙間が発生することがないため、コーナRの曲げ加工精度のバラつきが大きいBCP角型鋼管よりなるコラムから、バラつきの小さいBCR角型鋼管よりなるコラムにまで幅広く適用できるようになる。
本発明の溶接用裏当て金は、右傾斜溝及び左傾斜溝とが交差するX軸を、裏当て金本体を幅方向に二等分する位置より上辺または下辺側に寄った位置に設定したものである。
前記構成により、X軸がコラムの端部とダイヤフラムの間に形成されるルートギャップの幅を二等分する位置となるように裏当て金本体をコラムに取り付けることにより、各交差溝の間に形成された島状部の最も幅の広い部分がルートギャップの幅を二等分する位置となって、裏当て金本体の肉厚に相当する壁が形成されるようになり、これによって溶接電流の大きいロボット溶接を行った場合に所謂溶接抜け発生することがないため、欠肉等の溶接欠陥がない安定した形状の溶接ビードが得られると共に、溶接抜けにより溶接電流が途切れることもないため、溶接作業の能率向上が図れるようになる。
本発明の溶接用裏当て金によれば、裏当て金本体の曲げ加工部分を曲げた際、各交差溝の間に位置するほぼ菱形の島状部の頂部がX軸上で互いに当接して曲げ加工部分の曲げ角度を規制するため、溝の加工精度が多少悪くても点接触する位置が裏当て金本体の幅方向にバラつくことがない。
これによって点接触した部分を支点として曲げ加工された裏当て金本体の外周面は均一な曲面となることから、コラムのコーナ部内周面に曲げ加工部分の外周面を当接した場合、コラムのコーナ部内周面と曲げ加工部分の外周面との間に隙間が発生することがないため、欠肉等の溶接欠陥がない安定した形状の溶接ビードが得られるようになる。
また交差溝を加工するのに高い精度を必要としないため、裏当て金本体の溝加工が容易となり、これによって溶接用裏当て金が安価に得られるようになる。
これによって点接触した部分を支点として曲げ加工された裏当て金本体の外周面は均一な曲面となることから、コラムのコーナ部内周面に曲げ加工部分の外周面を当接した場合、コラムのコーナ部内周面と曲げ加工部分の外周面との間に隙間が発生することがないため、欠肉等の溶接欠陥がない安定した形状の溶接ビードが得られるようになる。
また交差溝を加工するのに高い精度を必要としないため、裏当て金本体の溝加工が容易となり、これによって溶接用裏当て金が安価に得られるようになる。
本発明の実施の形態を、図面を参照して詳述する。
図1ないし図3に示す裏当て金本体1は、後述するコラム5やダイヤフラム6と同材質の帯状鋼板(FB)よりなり、板厚t1及び幅W1が全長に亘ってほぼ一定となっている。
裏当て金本体1は、角型鋼管よりなるコラム5の端部内周面に隙間なく当接するよう予め曲げ加工した状態で使用するが、曲げ形状は例えば図5に示すようにほぼコ字型となっており、一対の裏当て金本体1の両端部を互に突合せた状態でコラム5端部の内周面に隙間なく当接できる寸法となっている。
図1ないし図3に示す裏当て金本体1は、後述するコラム5やダイヤフラム6と同材質の帯状鋼板(FB)よりなり、板厚t1及び幅W1が全長に亘ってほぼ一定となっている。
裏当て金本体1は、角型鋼管よりなるコラム5の端部内周面に隙間なく当接するよう予め曲げ加工した状態で使用するが、曲げ形状は例えば図5に示すようにほぼコ字型となっており、一対の裏当て金本体1の両端部を互に突合せた状態でコラム5端部の内周面に隙間なく当接できる寸法となっている。
裏当て金本体1の曲げ加工部分の内周面には、裏当て金本体1の長手方向に平行な軸をX軸、X軸と直交する軸をY軸とした場合、Y軸に対し右方向へ角度θ1傾斜する右傾斜溝2aと、Y軸に対し左方向へ同じ角度θ1傾斜する左傾斜溝2bとがX軸とY軸の交点でX字形に交差することにより構成された一組の交差溝2を、裏当て金本体1の長手方向に間隔を存して複数組設けることにより交差溝群3が形成されている。
裏当て金本体1の曲げ加工部分の内周面に形成された交差溝群3は、作業者が治具や工具を使用せずに裏当て金本体1を2次元方向に曲げやすくするためのもので、各交差溝2を形成する右傾斜溝2a及び左傾斜溝2bは、図3に示すように何れも開口部から底面までの溝幅W2がほぼ一定となった角溝よりなる。
裏当て金本体1の曲げ加工部分の内周面に形成された交差溝群3は、作業者が治具や工具を使用せずに裏当て金本体1を2次元方向に曲げやすくするためのもので、各交差溝2を形成する右傾斜溝2a及び左傾斜溝2bは、図3に示すように何れも開口部から底面までの溝幅W2がほぼ一定となった角溝よりなる。
また右傾斜溝2a及び左傾斜溝2bのY軸に対する傾斜角度θ1は、何れも12°または13°程度となっており、右傾斜溝2aと左傾斜溝2bとが互いに交差するX軸は、例えば裏当て金本体1を幅方向に二等分するW1/2の位置に設定されている。
交差溝群3は、裏当て金本体1を2次元方向へ折り曲げた際、コラム5の内周面と当接する面を外周面とすると、その反対側の面である内周面側に形成されていて、右傾斜溝2aと左傾斜溝2bの溝幅W1や右傾斜溝2a間と左傾斜溝2b間のピッチP、右傾斜溝2aと左傾斜溝2bのカット数が実験値から次のように設定されている。
交差溝群3は、裏当て金本体1を2次元方向へ折り曲げた際、コラム5の内周面と当接する面を外周面とすると、その反対側の面である内周面側に形成されていて、右傾斜溝2aと左傾斜溝2bの溝幅W1や右傾斜溝2a間と左傾斜溝2b間のピッチP、右傾斜溝2aと左傾斜溝2bのカット数が実験値から次のように設定されている。
図4は例えばコーナ部5aの内周nRが90Rから130Rまでの角型鋼管よりなるコラム5に使用する裏当て金の各設定値を図表化したもので、右傾斜溝2aと左傾斜溝2bの溝幅W1と、右傾斜溝2a間及び左傾斜溝2b間のピッチP1、右傾斜溝2aと左傾斜溝2bのカット数を数値で示している。
同図左側の四分の一円弧部分Bは、裏当て金本体1の曲げ加工部分をnRで曲げた形状を示し、角度θ2は曲げ終えた後の曲げ加工部分両側の角度を示しており、実施の形態では角度θ2を例えば95°に設定している。なお理由は後述する。
同図左側の四分の一円弧部分Bは、裏当て金本体1の曲げ加工部分をnRで曲げた形状を示し、角度θ2は曲げ終えた後の曲げ加工部分両側の角度を示しており、実施の形態では角度θ2を例えば95°に設定している。なお理由は後述する。
いま例えばコーナ部の内周nRが100Rのコラム5とダイヤフラム6を溶接する際に使用する裏当て金を、板厚t1が9mm、幅W1が25mmの帯状鋼板を使用して製作する場合について図2ないし図7を参照して説明する。
裏当て金本体1の曲げ加工部分(図2の長さLの範囲)を図4の左側に表示した100Rに曲げ加工するためには、100Rの左側に表示した四分の一円弧部分Bから右傾斜溝2aと左傾斜溝2bのそれぞれのカット数は13本、溝幅W2は1.7mm、右傾斜溝2a間及び左傾斜溝2b間のそれぞれのピッチP1は12.1となる。
裏当て金本体1の曲げ加工部分(図2の長さLの範囲)を図4の左側に表示した100Rに曲げ加工するためには、100Rの左側に表示した四分の一円弧部分Bから右傾斜溝2aと左傾斜溝2bのそれぞれのカット数は13本、溝幅W2は1.7mm、右傾斜溝2a間及び左傾斜溝2b間のそれぞれのピッチP1は12.1となる。
なお溝幅W2は切削手段の厚みに依存することから、厚みが2mmの切削手段により右傾斜溝2a間及び左傾斜溝2bを切削する場合は溝幅W2が2mmとなるため、図4の図表から右傾斜溝2a間及び左傾斜溝2b間のそれぞれのピッチP1は11.8mmとなる。
また作業者が治具や工具を使用せずに曲げ加工できるようにするため、右傾斜溝2a及び左傾斜溝2bを切削した後の残りの板厚(以下残厚t2という)を2mm程度としており、裏当て金本体1の板厚t1が9mmの場合は、右傾斜溝2aと左傾斜溝2bの溝の深さD1(図3参照)を7mmとすると、残厚t2は約2mmとなる。
また作業者が治具や工具を使用せずに曲げ加工できるようにするため、右傾斜溝2a及び左傾斜溝2bを切削した後の残りの板厚(以下残厚t2という)を2mm程度としており、裏当て金本体1の板厚t1が9mmの場合は、右傾斜溝2aと左傾斜溝2bの溝の深さD1(図3参照)を7mmとすると、残厚t2は約2mmとなる。
次に裏当て金本体1の曲げ加工部分に形成する交差溝群3を構成する交差溝2の右傾斜溝2aと左傾斜溝2bを、図示しない加工機械を使用して切削加工する方法を説明する。
交差溝2を形成する右傾斜溝2aと左傾斜溝2bを切削加工する加工機械には、帯鋸のような切断手段によりワークを切削する帯鋸盤か、もしくはディスクカッタのような切断手段によりワークを切削する切削機械を使用するが、帯鋸盤に比べてディスクカッタを使用した切削機械の方が、より効率よく交差溝2を加工することができる。
まず加工機械のテーブル上に、加工面が上面となるようにして裏当て金本体1を載置し、バイスやクランプ等の固定手段(図示せず)で裏当て金本体1を固定する。
交差溝2を形成する右傾斜溝2aと左傾斜溝2bを切削加工する加工機械には、帯鋸のような切断手段によりワークを切削する帯鋸盤か、もしくはディスクカッタのような切断手段によりワークを切削する切削機械を使用するが、帯鋸盤に比べてディスクカッタを使用した切削機械の方が、より効率よく交差溝2を加工することができる。
まず加工機械のテーブル上に、加工面が上面となるようにして裏当て金本体1を載置し、バイスやクランプ等の固定手段(図示せず)で裏当て金本体1を固定する。
次に裏当て金本体1の長手方向に平行するX軸と直交するY軸に対し角度θ1右側へ傾斜させた切断手段により一定のピッチP1、すなわち12.1mmのピッチで右傾斜溝2aを13本順次切削する。
13本の右傾斜溝2aを切削したら、次にY軸に対し角度θ1左側へ傾斜させた切断手段により左傾斜溝2bを、右傾斜溝2aと同様な数値、すなわちカット数は13本、溝幅W2は1.7mm、ピッチP1は12.1となるように順次切削するが、このとき裏当て金本体1の幅W2を二等分する位置に設定したX軸と、X軸に直交するY軸の交点上で右傾斜溝2aと左傾斜溝2bが精度よく交差するように切削する。
13本の右傾斜溝2aを切削したら、次にY軸に対し角度θ1左側へ傾斜させた切断手段により左傾斜溝2bを、右傾斜溝2aと同様な数値、すなわちカット数は13本、溝幅W2は1.7mm、ピッチP1は12.1となるように順次切削するが、このとき裏当て金本体1の幅W2を二等分する位置に設定したX軸と、X軸に直交するY軸の交点上で右傾斜溝2aと左傾斜溝2bが精度よく交差するように切削する。
以上のようにして全ての右傾斜溝2aと左傾斜溝2bを切削加工することにより裏当て金本体1の曲げ加工部分には、図2に示すように右傾斜溝2aと左傾斜溝2bがX軸及びY軸の交点上で交差する交差溝2が、裏当て金本体1の長手方向に12組形成されて交差溝群3が構成される。
そして各交差溝2の間には、図2に示すようにほぼ菱形の島状部4が形成された状態となり、互いに隣接する島状部4の頂部4aは、X軸上で互いに左右方向に対向した形状となる。
なお裏当て金本体1に形成する右傾斜溝2a及び左傾斜溝2bの切削順序は、先に左傾斜溝2bを、その後右傾斜溝2aのように逆にしても勿論よい。
そして各交差溝2の間には、図2に示すようにほぼ菱形の島状部4が形成された状態となり、互いに隣接する島状部4の頂部4aは、X軸上で互いに左右方向に対向した形状となる。
なお裏当て金本体1に形成する右傾斜溝2a及び左傾斜溝2bの切削順序は、先に左傾斜溝2bを、その後右傾斜溝2aのように逆にしても勿論よい。
一方建築構造用冷間ロール成形角型鋼管(BCR)をコラム5として使用する場合と、建築構造用冷間プレス成形角型鋼管(BCP)をコラム5として使用する場合とでは、裏当て金本体1の曲げ加工部分の長さLが異なる。
これはBCRのコーナRの標準値がR2.5tであるのに対し、BCPのコーナRの標準値がR3.5tとなっているためで(なおtはコラムの板厚)、BCRとBCPとでは外周のコーナRが異なることから当然内周のコーナRも異なり、コラム5のコーナ部内周面に当接する裏当て金本体1の外周面の曲げ長さLは、BCRコラムの曲げ長さL1に対し、BCPコラムの曲げ長さL2が若干長くなる(L1<L2)。
前述した数値はコラム5にBCP角型鋼管を使用する場合であり、BCR角型鋼管を使用する場合は数値を変えることにより、BCR角型鋼管に適合した裏当て金を得ることができる。
これはBCRのコーナRの標準値がR2.5tであるのに対し、BCPのコーナRの標準値がR3.5tとなっているためで(なおtはコラムの板厚)、BCRとBCPとでは外周のコーナRが異なることから当然内周のコーナRも異なり、コラム5のコーナ部内周面に当接する裏当て金本体1の外周面の曲げ長さLは、BCRコラムの曲げ長さL1に対し、BCPコラムの曲げ長さL2が若干長くなる(L1<L2)。
前述した数値はコラム5にBCP角型鋼管を使用する場合であり、BCR角型鋼管を使用する場合は数値を変えることにより、BCR角型鋼管に適合した裏当て金を得ることができる。
またプレスにより曲げ加工するBCP角型鋼管は、ロールにより曲げ加工するBCR角型鋼管に比べてコーナRの曲げ加工精度のバラつきが大きい。
このためるBCP角型鋼管よりなるコラム5に使用する裏当て金本体1を90°に曲げ加工して、コラム5のコーナ部5a内周面に曲げ加工部分の外周面を当接した場合、コーナRの曲げ加工精度のバラつきにより、コーナ部5a内周面と裏当て金本体1の外周面との間に隙間が発生しやすい。
このためるBCP角型鋼管よりなるコラム5に使用する裏当て金本体1を90°に曲げ加工して、コラム5のコーナ部5a内周面に曲げ加工部分の外周面を当接した場合、コーナRの曲げ加工精度のバラつきにより、コーナ部5a内周面と裏当て金本体1の外周面との間に隙間が発生しやすい。
そこで曲げ角度θ2を90°〜95°の範囲で変えた裏当て金本体1を複数製作し、これらをコラム5のコーナ部5a内周面に当接したところ、曲げ角度θ2を95°とした裏当て金本体1が、もっともコーナ部5a内周面と裏当て金本体1の外周面との間に隙間が生じることがないことが判明したので、本実施の形態では曲げ加工部分両側の長辺部の曲げ角度θ2を95°と設定したが、コーナRの曲げ加工精度のバラつきに対して95°以外の曲げ角度θ2に設定してもよく、また曲げ加工精度のバラつきが小さいBCR角型鋼管よりなるコラム5にも適用できるように曲げ角度θ2を90°〜95°の範囲とした。
次に前記構成された裏当て金本体1を曲げ加工する際の作用を説明する。
コラム5のコーナ部5a内周面に合せて裏当て金本体1の曲げ加工部分を曲げ加工するに当たっては、コラム5のコーナ部5aに交差溝群3を形成した曲げ加工部分が位置するようにして、裏当て金本体1の曲げ加工部分の長さLの範囲をほぼ四分の一円弧状に曲げ加工するが、このときほぼコ字形に折り曲げた裏当て金本体1の両端側突合せ部1aが図5に示すように、コラム5の一辺のほぼ中央付近となるようにし、突合せ部1aがコラム5のコーナ部5aにこないように配慮する。
コラム5のコーナ部5a内周面に合せて裏当て金本体1の曲げ加工部分を曲げ加工するに当たっては、コラム5のコーナ部5aに交差溝群3を形成した曲げ加工部分が位置するようにして、裏当て金本体1の曲げ加工部分の長さLの範囲をほぼ四分の一円弧状に曲げ加工するが、このときほぼコ字形に折り曲げた裏当て金本体1の両端側突合せ部1aが図5に示すように、コラム5の一辺のほぼ中央付近となるようにし、突合せ部1aがコラム5のコーナ部5aにこないように配慮する。
裏当て金本体1の曲げ加工部分の曲げ加工は、治具や工具を使用せずに作業者が曲げ加工部分の両側を把持して人力で行うが、裏当て金本体1の曲げ加工部分に交差溝群3を形成することにより、交差溝群3を形成した後の残厚t1は約2mmとなっているため、作業者が治具や工具を使用せずに裏当て金本体1を容易に曲げることができる。
曲げ加工部分両側の長辺部の角度θ2が95°近くになると、図7に示すように隣接する交差溝2の間に位置するほぼ菱形の島状部4の互いに対向する頂部4aが裏当て金本体1の幅W1を二等分するX軸上で当接し、それ以上残厚部が曲げられるのを規制する。
曲げ加工部分両側の長辺部の角度θ2が95°近くになると、図7に示すように隣接する交差溝2の間に位置するほぼ菱形の島状部4の互いに対向する頂部4aが裏当て金本体1の幅W1を二等分するX軸上で当接し、それ以上残厚部が曲げられるのを規制する。
すなわちほぼ菱形の島状部4の頂部4aが全てX軸上で互いに当接することにより、当接部が支点となって残厚部に加わる曲げ応力に引張応力が加わるため、それ以上は人力により曲げることが困難になる。
そしてこのとき曲げ加工部分両側の角度θ2が95°となり、四分の一円弧状部(図4のB部分)のRは100Rとなって、BCP角型鋼管を使用したコラム5のコーナ部5a内周面に曲げ加工部分の外周面が隙間なく当接する曲率が曲げ加工部分に得られるようになる。
またほぼ菱形の島状部4の頂部4aが全てX軸上で互いに当接することにより、曲げ加工時の支点が裏当て金本体1の幅方向にバラツクことがないため、曲げ加工部分の外周面は均一な局面となり、これによってコラム5のコーナ部5a内周面に曲げ加工部分の外周面を当接した際に、コーナ部5a内周面と曲げ加工部分の外周面の間に隙間が生じることもない。
そしてこのとき曲げ加工部分両側の角度θ2が95°となり、四分の一円弧状部(図4のB部分)のRは100Rとなって、BCP角型鋼管を使用したコラム5のコーナ部5a内周面に曲げ加工部分の外周面が隙間なく当接する曲率が曲げ加工部分に得られるようになる。
またほぼ菱形の島状部4の頂部4aが全てX軸上で互いに当接することにより、曲げ加工時の支点が裏当て金本体1の幅方向にバラツクことがないため、曲げ加工部分の外周面は均一な局面となり、これによってコラム5のコーナ部5a内周面に曲げ加工部分の外周面を当接した際に、コーナ部5a内周面と曲げ加工部分の外周面の間に隙間が生じることもない。
以上はコーナ部のnRが100RのBCPコラムに使用する裏当て金を製作する場合について説明したが、コーナ部のnRが例えば120RのBCPコラムに使用する裏当て金を製作する場合についても同様に製作することができる。
コーナ部のnRが例えば120RのBCPコラムに使用する裏当て金の場合、図4に示すように、右傾斜溝2aと左傾斜溝2bのそれぞれのカット数を15本、溝幅W1を1.7mm、右傾斜溝2a間及び左傾斜溝2b間のそれぞれのピッチP1を12.5とし、溝幅W1を2mmとする場合は、右傾斜溝2a間及び左傾斜溝2b間のそれぞれのピッチP1を12.2mmとした交差溝群3を裏当て金本体1の曲げ加工部分内周面に形成する。
交差溝群3の形成方法は、曲げ加工部分を100Rに曲げ加工する前記裏当て金本体1の場合と同様なので省略する。
また人力により裏当て金本体1の曲げ加工部分を曲げる方法も、曲げ加工部分を100Rに曲げ加工する前記裏当て金本体1の場合と同様なので省略する。
コーナ部のnRが例えば120RのBCPコラムに使用する裏当て金の場合、図4に示すように、右傾斜溝2aと左傾斜溝2bのそれぞれのカット数を15本、溝幅W1を1.7mm、右傾斜溝2a間及び左傾斜溝2b間のそれぞれのピッチP1を12.5とし、溝幅W1を2mmとする場合は、右傾斜溝2a間及び左傾斜溝2b間のそれぞれのピッチP1を12.2mmとした交差溝群3を裏当て金本体1の曲げ加工部分内周面に形成する。
交差溝群3の形成方法は、曲げ加工部分を100Rに曲げ加工する前記裏当て金本体1の場合と同様なので省略する。
また人力により裏当て金本体1の曲げ加工部分を曲げる方法も、曲げ加工部分を100Rに曲げ加工する前記裏当て金本体1の場合と同様なので省略する。
なお図4は、コーナ部5aの内周nRが90Rから130Rまでの角型鋼管よりなるコラム5に使用する裏当て金の各設定値を示したが、図9にコーナ部5aの内周nRが35Rから85Rまでの角型鋼管よりなるコラム5に使用する裏当て金の各設定値を示す。
コラム5のコーナ部5aの内周nRが35Rから85Rに使用する裏当て金を製作する場合は、図9を参照して右傾斜溝2aと左傾斜溝2bの溝幅W1と、右傾斜溝2a間及び左傾斜溝2b間のピッチP1、右傾斜溝2aと左傾斜溝2bのカット数を決定すればよい。
コラム5のコーナ部5aの内周nRが35Rから85Rに使用する裏当て金を製作する場合は、図9を参照して右傾斜溝2aと左傾斜溝2bの溝幅W1と、右傾斜溝2a間及び左傾斜溝2b間のピッチP1、右傾斜溝2aと左傾斜溝2bのカット数を決定すればよい。
次に前記構成された溶接用裏当て金を使用して、コラム5とダイヤフラム6を溶接する際の作用を、図8を参照して説明する。
ビル等の鉄骨構造物の主柱となるコラム5は、通常各階毎にダイヤフラム6を設けて、このダイヤフラム6を介して各コラム5を長手方向に接続していくため、予め所定長さに切断したコラム5の端面にダイヤフラム6を溶接する作業が必要となる。
また溶接に使用する裏当て金本体1は、溶接するコラム5の内周長に合せて切断し、所定の形状に曲げ加工するが、裏当て金本体1もコラム5の規格サイズに合せて交差溝群3を形成したものを使用する。
裏当て金本体1をコラム5の内周形状に折り曲げる際、裏当て金本体1の両端側突き合せ部1aがコラム5の一辺のほぼ中央付近となるようにし、突き合せ部3bがコラム5のコーナ部5aにこないように配慮しながら、前述した方法でコラム5の内周面に密着するよう曲げ加工部分を折り曲げ加工して、図5に示すようなコ字形の裏当て金本体1を製作する。
ビル等の鉄骨構造物の主柱となるコラム5は、通常各階毎にダイヤフラム6を設けて、このダイヤフラム6を介して各コラム5を長手方向に接続していくため、予め所定長さに切断したコラム5の端面にダイヤフラム6を溶接する作業が必要となる。
また溶接に使用する裏当て金本体1は、溶接するコラム5の内周長に合せて切断し、所定の形状に曲げ加工するが、裏当て金本体1もコラム5の規格サイズに合せて交差溝群3を形成したものを使用する。
裏当て金本体1をコラム5の内周形状に折り曲げる際、裏当て金本体1の両端側突き合せ部1aがコラム5の一辺のほぼ中央付近となるようにし、突き合せ部3bがコラム5のコーナ部5aにこないように配慮しながら、前述した方法でコラム5の内周面に密着するよう曲げ加工部分を折り曲げ加工して、図5に示すようなコ字形の裏当て金本体1を製作する。
次に裏当て金本体1をコラム5の上方からコラム5の端部に嵌合したら、コラム5のコーナ部5a内周面と裏当て金本体1の曲げ加工部分外周面との間に隙間が生じていないかを確認し、もし隙間が生じているようなら、裏当て金本体1の曲げ角度θ2を調整して隙間がなくなるように修正する。
そしてコラム5のコーナ部5a内周面と裏当て金本体1の曲げ加工部分外周面との間の隙間がなくなったら、コラム5の端部と溶接するダイヤフラム6との間に所定のルートギャップが形成されるようにコラム5に対し裏当て金本体1を位置決めし、コラム5に裏当て金本体1を図8に示すように仮付けする。
そしてコラム5のコーナ部5a内周面と裏当て金本体1の曲げ加工部分外周面との間の隙間がなくなったら、コラム5の端部と溶接するダイヤフラム6との間に所定のルートギャップが形成されるようにコラム5に対し裏当て金本体1を位置決めし、コラム5に裏当て金本体1を図8に示すように仮付けする。
裏当て金本体1の仮付けが完了したら、裏当て金本体1の上面にダイヤフラム6を載置して所定の位置となるよう仮付けし、この状態で自動溶接(ロボット溶接)や半自動溶接等の手段でコラム5の開先5bとダイヤフラム6の間を溶接するもので、ほぼ直角に折り曲げた曲げ加工部分は、図6に示すように内側の曲率が外側に比べて小さくなるため、各交差溝2の開口部が互いに密着して、所謂壁が形成される。
これによって自動溶接機による溶接時に裏当て金本体1の一部が溶け落ちることにより発生する所謂溶接抜けが防止できるため、欠肉等の溶接欠陥がない安定した形状の溶接ビードが得られるようになる。
なおコラム1を長手方向へ順次継ぎ足していく場合は、前記作業を繰り返せばよい。
これによって自動溶接機による溶接時に裏当て金本体1の一部が溶け落ちることにより発生する所謂溶接抜けが防止できるため、欠肉等の溶接欠陥がない安定した形状の溶接ビードが得られるようになる。
なおコラム1を長手方向へ順次継ぎ足していく場合は、前記作業を繰り返せばよい。
一方前記実施の形態では、裏当て金本体1の幅W1を二等分するX軸上で右傾斜溝2aと左傾斜溝2bとを交差させた場合について説明したが、図10及び図11に示す変形例のように裏当て金本体1を幅方向に二等分する位置より上辺または下辺側に寄った位置(図10は下辺側に寄った場合を示す)に設定してもよい。
次に図10及び図11に示す変形例を簡単に説明すると、コラム5の端部と溶接するダイヤフラム6との間に形成されるルートギャップは通常6mm、または7mm程度である。
このためX軸がコラム5の端部とダイヤフラム6の間に形成されるルートギャップの幅を二等分する位置となるように裏当て金本体1をコラム5に取り付けることにより、各交差溝2の間に形成された島状部4の最も幅の広い頂部4a間がルートギャップの幅を二等分する位置となって、裏当て金本体1の肉厚に相当する壁が島状部4によって形成されるようになる。
次に図10及び図11に示す変形例を簡単に説明すると、コラム5の端部と溶接するダイヤフラム6との間に形成されるルートギャップは通常6mm、または7mm程度である。
このためX軸がコラム5の端部とダイヤフラム6の間に形成されるルートギャップの幅を二等分する位置となるように裏当て金本体1をコラム5に取り付けることにより、各交差溝2の間に形成された島状部4の最も幅の広い頂部4a間がルートギャップの幅を二等分する位置となって、裏当て金本体1の肉厚に相当する壁が島状部4によって形成されるようになる。
これによって溶接電流の大きいロボット溶接を行った場合に所謂溶接抜け発生することがないため、欠肉等の溶接欠陥がない安定した形状の溶接ビードが得られると共に、溶接抜けにより溶接電流が途切れることもないため、溶接作業の能率向上が図れるようになる。
そこで図10及び図11に示す変形例では、裏当て金本体1の上辺または下辺からX軸までの位置Lxをルートギャップの幅のほぼ1/2に設定している。
これによってコラム5の端部と溶接するダイヤフラム6との間に所定のルートギャップが形成されるように裏当て金本体1をコラム5に取り付けることにより、各交差溝2の間に形成された島状部4の最も幅の広い頂部4a間がルートギャップの幅を二等分する位置となって、裏当て金本体1の肉厚に相当する壁が島状部4によって形成されるようになるようになる。
そこで図10及び図11に示す変形例では、裏当て金本体1の上辺または下辺からX軸までの位置Lxをルートギャップの幅のほぼ1/2に設定している。
これによってコラム5の端部と溶接するダイヤフラム6との間に所定のルートギャップが形成されるように裏当て金本体1をコラム5に取り付けることにより、各交差溝2の間に形成された島状部4の最も幅の広い頂部4a間がルートギャップの幅を二等分する位置となって、裏当て金本体1の肉厚に相当する壁が島状部4によって形成されるようになるようになる。
なお前記実施の形態では、裏当て金本体1をほぼコ字形に折り曲げた例について説明したが、図12に示す変形例のように一体型にしても、図13に示す変形例のように4分割にしてもよい。
また前記実施の形態では交差溝2を形成した後の残厚t2を、作業者が治具や工具を使用せずに曲げ加工できるようにするため2mm程度としたが、プレス等の機械を使用して曲げ加工する場合は、残厚t2を2mm以上としてもよい。
さらに交差溝群3をディスクカッタを使用した切削機械で加工する場合について説明したが、ディスクカッタに比べて加工精度の低い帯鋸盤により加工しても所期の目的を達成することができる。
また前記実施の形態では交差溝2を形成した後の残厚t2を、作業者が治具や工具を使用せずに曲げ加工できるようにするため2mm程度としたが、プレス等の機械を使用して曲げ加工する場合は、残厚t2を2mm以上としてもよい。
さらに交差溝群3をディスクカッタを使用した切削機械で加工する場合について説明したが、ディスクカッタに比べて加工精度の低い帯鋸盤により加工しても所期の目的を達成することができる。
1 裏当て金本体
2 交差溝
2a 右傾斜溝
2b 左傾斜溝
3 交差溝群
4 島状部
4a 頂部
5 コラム
6 ダイヤフラム
W1 裏当て金本体の幅
W2 溝幅
t1 裏当て金本体の板厚
t2 角溝を形成した後の残厚
L 曲げ加工部分の長さ
2 交差溝
2a 右傾斜溝
2b 左傾斜溝
3 交差溝群
4 島状部
4a 頂部
5 コラム
6 ダイヤフラム
W1 裏当て金本体の幅
W2 溝幅
t1 裏当て金本体の板厚
t2 角溝を形成した後の残厚
L 曲げ加工部分の長さ
Claims (5)
- 角型鋼管よりなるコラムの端部とダイヤフラムとを溶接する際、前記コラムの端部と前記ダイヤフラムの間に形成したルートギャップを前記コラムの内周面側から閉鎖する溶接用裏当て金であって、前記コラムのコーナ部内周面に当接するよう曲げ加工する前記裏当て金本体の曲げ加工部分の内周面側に、前記裏当て金本体の長手方向に平行なX軸と直交するY軸に対しほぼ同じ角度で右方向及び左方向へ傾斜し、かつ前記X軸と前記Y軸の交点上でX字形に交差する右傾斜溝及び左傾斜溝よりなる一組の交差溝を、前記Y軸方向に間隔を存して複数組設けることにより交差溝群を形成したことを特徴とする溶接用裏当て金。
- 前記交差溝を形成する前記右傾斜溝及び左傾斜溝の溝幅とカット数、前記右傾斜溝間のピッチ及び前記左傾斜溝間のピッチを、前記裏当て金本体の曲げ加工部分の外周面が前記コラムのコーナ部内周面に隙間なく当接するよう、前記コラムのコーナ部内周面のRに応じて設定すると共に、前記右傾斜溝及び左傾斜溝の深さを、前記曲げ加工部分に作業者が手で曲げられる厚さの残厚が残るように設定してなる請求項1に記載の溶接用裏当て金。
- 前記右傾斜溝及び左傾斜溝とが交差するX軸を、前記裏当て金本体を幅方向に二等分する位置に設定してなる請求項1または2に記載の溶接用裏当て金。
- 前記曲げ加工部分の曲げ角度を90〜95°の範囲に設定してなる請求項1ないし3の何れかに記載の溶接用裏当て金。
- 前記右傾斜溝及び左傾斜溝とが交差するX軸を、前記裏当て金本体を幅方向に二等分する位置より上辺または下辺側に寄った位置に設定してなる請求項1,2,4の何れかに記載の溶接用裏当て金。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2010124489A JP2011251288A (ja) | 2010-05-31 | 2010-05-31 | 溶接用裏当て金 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2014161852A (ja) * | 2013-02-21 | 2014-09-08 | Asahi Kasei Homes Co | 溶接用裏当て金 |
-
2010
- 2010-05-31 JP JP2010124489A patent/JP2011251288A/ja active Pending
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