JP2005264474A - 梁と柱の接合構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】 増厚補強された角型鋼管柱を用いながら梁と外壁との距離を短くでき、しかも所望強度も確保された梁と鋼管柱との接合構造を提供する。
【解決手段】 本発明は梁3と柱1の接合構造であって、梁3はH型鋼とされて柱1の増厚補強部2に偏心させて溶接接合され、その偏心された側のフランジ側面が基端部が柱1の増厚補強部2に溶接接合された補強板4により補強されてなるものである。
【選択図】 図1
【解決手段】 本発明は梁3と柱1の接合構造であって、梁3はH型鋼とされて柱1の増厚補強部2に偏心させて溶接接合され、その偏心された側のフランジ側面が基端部が柱1の増厚補強部2に溶接接合された補強板4により補強されてなるものである。
【選択図】 図1
Description
本発明は梁と柱の接合構造に関する。さらに詳しくは、H型鋼梁とノンダイアフラム形式の鋼管柱との接合構造に関する。
従来より、H型鋼梁と鋼管柱との接合においては、接合部の剛性を高め、梁から鋼管柱への応力伝達が確実になされるよう、一般的にダイアフラムにより接合部の補強をなす通しダイアフラム形式が採用されている。
しかしながら、通しダイアフラム形式は、もともと一体であった角型鋼管柱を切断し、ダイアフラムを挟んで完全溶け込み溶接により再結合するため、柱部材からみて合理的な接合形式とはいえない。また、柱として最大の応力が生ずる部分で溶接接合しなければならないため、溶接部の充分な品質確保がなされなければ、建物に大きな被害を発生させるおそれもある。
かかる通しダイアフラム形式を用いた接合形式の問題点を解消すべく、高周波誘導加熱により角型鋼管柱の板厚を局所的に増厚補強してダイアフラムを省略する接合形式が採用されるようになってきている。
図9および図10にかかる増厚補強された角型鋼管柱における梁との接合部を斜視図で示す。なお、図9は一般部における接合構造100を示し、図10は最上階柱頭部における接合構造120を示す。図中、符号101は柱を示し、符号102は増厚補強部を示し、符号103は仕口を示し、符号104は梁を示し、符号121は柱を示し、符号122は増厚補強部を示し、符号123は仕口を示し、符号124は梁を示し、符号125はトッププレートを示す。
しかるに、この接合構造においては、図9および図10に示すように、柱心と梁心が一致させられている。そのため、柱が建物外周部に位置する場合には、梁と外壁との距離が長くなり、外壁を梁で支持するための構造が複雑になるという問題がある。
増厚補強型柱・梁接合部を用いた半剛接架構設計法に関する研究(鋼構造論文集第1巻第4号(1994年12月))
増厚補強型柱・梁接合部を用いた半剛接架構設計法に関する研究(鋼構造論文集第1巻第4号(1994年12月))
本発明はかかる従来技術の課題に鑑みさなれたものであって、増厚補強された角型鋼管柱を用いながら梁と外壁との距離を短くでき、しかも所望強度も確保された梁と鋼管柱との接合構造を提供することを目的としている。
本発明は梁と柱の接合構造であって、前記梁はH型鋼とされ、前記柱は増厚鋼管柱とされ、前記梁が偏心させられて前記柱の増厚補強部に接合され、前記梁の偏心側フランジ側面が補強板により補強されてなることを特徴とする。
本発明の梁と柱の接合構造においては、補強板は概略三角形とされ、その幅広の基端部が増厚補強部に接合され、その側面が梁のフランジ側面に垂直に接合されてなるのが好ましい。
また、本発明の梁と柱の接合構造においては、柱が建物外周部に位置させられ、梁が外壁側に偏心させられてなるのが好ましい。
本発明によれば、柱心と梁心とを偏心させて接合可能となるので、増厚補強がなされた鋼管柱を用いた構造の汎用性の向上が図られるという優れた効果が得られる。また、補強板が接合される鋼管柱の増厚補強部は、熱処理がなされているので、溶接に悪影響を及ぼす冷間加工による残留応力や靭性の低下もなく、溶接の品質が安定し所望強度を有する溶接がなし得るという優れた効果が得られる。
柱が建物外周部に位置させられ、梁が外壁側に偏心させられている本発明の好ましい形態によれば、梁による外壁支持構造が簡素化されてコスト低減および施工の迅速化が図られるという優れた効果が得られる。
以下、添付図面を参照しながら本発明を実施形態に基づいて説明するが、本発明はかかる実施形態のみに限定されるものではない。
実施形態1
図1〜図4に、本発明の実施形態1に係る梁と鋼管柱との接合構造(以下、単に接合構造という)を示す。なお、この接合構造Kは一般部におけるものである。
図1〜図4に、本発明の実施形態1に係る梁と鋼管柱との接合構造(以下、単に接合構造という)を示す。なお、この接合構造Kは一般部におけるものである。
接合構造Kは、図1〜図4に示すように、建物の外周部に位置する鋼管柱(角型鋼管柱)1とH型鋼梁3との接合構造であって、H型鋼梁3を外壁側に寄せて鋼管柱1の増厚補強部2に溶接接合するとともに、H型鋼梁3の外壁側フランジ側面を補強板4にて補強してなるものである。つまり、H型鋼梁3の梁心を柱心から所定距離偏心させ、かつ、偏心させたことによる偏心側のフランジの応力集中に起因する損傷のおそれを補強板4にて補強することにより解消してなるものである。
補強板4は概略三角形とされるとともに、所定の補強がなし得るようにその板厚、フランジ側面に沿う長さおよび増厚補強部2に接合される基端部の幅が設定される。例えば、角型鋼管柱1がその増厚補強部2のサイズが416mmx416mm角で32mm板厚であれば、補強板4は、例えば、板厚が19mm、フランジ側面に沿う長さが320mm、基端部の幅が160mmとされる。
補強板4はフランジ側面に垂直に接合、例えば溶接にて接合され、また基端部は角型鋼管柱1の増厚補強部2角部のアールどまり近傍に、例えば突合溶接にて接合される。この溶接は、梁3に生じた応力が確実に柱1に伝達される必要があるところから、確実になされる必要がある。例えば、基端部の柱1への接合は完全溶け込みが要求される。また、フランジ側面との接合は、例えば両側隅肉溶接によりなされる。この場合、フランジ側面に開先加工した後に補強板4を溶接接合してもよい。
このように、この実施形態1によれば、建物外周部に位置する柱1に接合される梁3を外壁との距離を短くして接合しているので、梁3による外壁支持構造が簡素化されてコスト低減および施工の迅速化が図られる。
また、柱心と梁心とを偏心させて接合可能となるので、増厚補強がなされた角型鋼管柱1を用いた構造の汎用性の向上が図られる。
さらに、補強板4が接合される角型鋼管柱1の増厚補強部2角部は、熱処理がなされているので、溶接に悪影響を及ぼす冷間加工による残留応力や靭性の低下もない。そのため、溶接の品質が安定し所望強度を有する溶接がなし得る。
実施形態2
図5〜図8に、本発明の実施形態2に係る梁3と鋼管柱1との接合構造(以下、単に接合構造という)K1を示す。なお、この接合構造K1は最上階柱頭部におけるものである。
図5〜図8に、本発明の実施形態2に係る梁3と鋼管柱1との接合構造(以下、単に接合構造という)K1を示す。なお、この接合構造K1は最上階柱頭部におけるものである。
接合構造K1は、図5〜図8に示すように、建物の外周部に位置する鋼管柱(角型鋼管柱)1とH型鋼梁3との接合構造であって、H型鋼梁3を外壁側に寄せて鋼管柱1に溶接接合するとともに、H型鋼梁3の下部外壁側フランジ側面を補強板4にて補強してなるものである。つまり、H型鋼梁3の梁心を柱心から所定距離偏心させ、かつ、偏心させたことによる応力集中起因する損傷のおそれを補強板4にて補強することにより解消してなるものである。
なお、補強板は実施形態1の補強板4と同様とされ、またトッププレート5も状来と同様とされているので、それらの構成の詳細な説明は省略する。
このように、実施形態2によれば、実施形態1と同様に、建物外周部に位置する柱1に接合される梁3を外壁との距離を短くして接合しているので、梁3による外壁支持構造が簡素化されてコスト低減および施工の迅速化が図られる。
また、柱心と梁心とを偏心させて接合可能となるので、増厚補強がなされた角型鋼管柱1を用いた構造の汎用性の向上が図られる。
さらに、補強板4が接合される角型鋼管柱1の増厚補強部2角部は、熱処理がなされているので、溶接に悪影響を及ぼす冷間加工による残留応力や靭性の低下もない。そのため、溶接の品質が安定し所望強度を有する溶接がなし得る。
本発明の接合構造は、増厚補強がなされている角型鋼管柱とH型鋼梁との接合に適用できる。
1 鋼管柱(角型鋼管柱)
2 増厚補強部
3 梁(H型鋼梁)
4 補強板
5 トッププレート
K 梁と柱の接合構造
2 増厚補強部
3 梁(H型鋼梁)
4 補強板
5 トッププレート
K 梁と柱の接合構造
Claims (3)
- 梁と柱の接合構造であって、
前記梁はH型鋼とされ、
前記柱は増厚鋼管柱とされ、
前記梁が偏心させられて前記柱の増厚補強部に接合され、
前記梁の偏心側フランジ側面が補強板により補強されてなる
ことを特徴とする梁と柱の接合構造。 - 補強板は概略三角形とされ、その幅広の基端部が増厚補強部に接合され、その側面が梁のフランジ側面に垂直に接合されてなることを特徴とする請求項1記載の梁と柱の接合構造。
- 柱が建物外周部に位置させられ、梁が外壁側に偏心させられてなることを特徴とする請求項1記載の梁と柱の接合構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004075493A JP2005264474A (ja) | 2004-03-17 | 2004-03-17 | 梁と柱の接合構造 |
Applications Claiming Priority (1)
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Publications (1)
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---|---|
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Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2005264474A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014163201A (ja) * | 2013-02-27 | 2014-09-08 | Nippon Steel & Sumikin Metal Products Co Ltd | 柱頭部柱梁接合部コア付き角形鋼管柱、及びその製造方法 |
JP2017057665A (ja) * | 2015-09-18 | 2017-03-23 | 大和ハウス工業株式会社 | 柱梁接合構造 |
JP2020056284A (ja) * | 2018-09-28 | 2020-04-09 | 大和ハウス工業株式会社 | 架構式構造 |
-
2004
- 2004-03-17 JP JP2004075493A patent/JP2005264474A/ja not_active Withdrawn
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JP7393861B2 (ja) | 2018-09-28 | 2023-12-07 | 大和ハウス工業株式会社 | 架構式構造 |
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