JP3136543B2 - 電子式積算計 - Google Patents

電子式積算計

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JP3136543B2
JP3136543B2 JP03170448A JP17044891A JP3136543B2 JP 3136543 B2 JP3136543 B2 JP 3136543B2 JP 03170448 A JP03170448 A JP 03170448A JP 17044891 A JP17044891 A JP 17044891A JP 3136543 B2 JP3136543 B2 JP 3136543B2
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淳悦 林
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両の積算走行距離や
船舶用エンジンの累積作動時間等を不揮発性メモリに記
憶させて保存する電子式積算計に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、車両の積算走行距離を不揮発性メ
モリに記憶させて保存する電子式積算計としては、例え
ば特開昭56−84512号公報に開示された電子式走
行距離計がある。この電子式走行距離計は、車両が10
0m走行した時に一回生じるパルスをプリセッタブルカ
ウンタに計数させ、その積算パルス数をデジタル表示器
に表示させる構造で、イグニッションスイッチ(電源ス
イッチ)が切られた時にプリセッタブルカウンタでの計
数値(走行距離データ)を不揮発性メモリに記憶させて
いた。また、イグニッションスイッチが投入された時に
は、前記不揮発性メモリに記憶された走行距離データを
プリセッタブルカウンタに取り込ませてプリセッタブル
カウンタをプリセットしていた。
【0003】この電子式走行距離計は、前記イグニッシ
ョンスイッチが切られた時にはプリセッタブルカウンタ
や不揮発性メモリは電圧保持回路によって一定時間だけ
通電され、イグニッションスイッチを切っても走行距離
データが消失されないように構成されていた。なお、前
記電圧保持回路は、イグニッションスイッチが投入され
ている時にコンデンサを充電し、イグニッションスイッ
チが切られた時にコンデンサを放電させて記憶部材へ電
源を供給する構造とされていた。すなわち、この電子式
走行距離計では、電圧保持回路のコンデンサが放電する
までの間はプリセッタブルカウンタや不揮発性メモリへ
は電源が供給されることになる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、上述したよ
うに構成された電子式走行距離計を使用した場合、イグ
ニッションスイッチを投入した時にデジタル表示器上の
積算走行距離データが誤っていることがあった。これ
は、イグニッションスイッチを切った時の記憶部材の電
源がコンデンサであるからであった。すなわち、コンデ
ンサからはその容量に基づく一定時間しか電源が供給さ
れないため、不揮発性メモリに走行距離データを記憶さ
せる時に不揮発性メモリで書き込みエラーが生じたりし
て動作時間が長くなると、記憶動作の途中で電源が断た
れて正確な走行距離データを記憶させることができなく
なるからであった。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明に係る電子式積算
計は、数値データを不揮発性メモリに記憶させる記憶手
段と、前記数値データが不揮発性メモリに記憶されたの
を確認する確認手段と、これら両手段とバッテリーとの
間に設けた電源オフ手段とを備え、前記電源オフ手段
は、電源スイッチが介装された主電源ラインと、常に導
通状態になるバックアップラインとを介してバッテリー
に接続することにより、前記電源スイッチが切られた状
態で前記バックアップラインからなる給電系によってバ
ッテリーから電源が供給されるとともに、電源スイッチ
が切られた後に前記給電系からの給電によりバッテリー
を電源として前記記憶手段を作動させ、前記確認手段か
らの確認済み信号が入力されてから前記両手段への電源
供給を絶つ構成としたものである。
【0006】
【作用】電源スイッチが切られてから記憶手段や確認手
段への給電を絶つまでの時間に制約を受けることがな
く、不揮発性メモリに数値データが記憶されたことを確
認してから記憶手段への電源が断たれるから、記憶動作
に要する時間が長くなっても全ての数値データが不揮発
性メモリに記憶される。
【0007】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図1ないし図8に
よって詳細に説明する。図1は本発明に係る電子式走行
距離計を装着した自動二輪車の側面図、図2は本発明に
係る電子式走行距離計の構成を示すブロック図、図3は
本発明に係る電子式走行距離計に使用するセルフパワー
オフ回路の回路図、図4は本発明に係る電子式走行距離
計に使用する不揮発性メモリのアドレスマップを示す
図、図5は図4に示したアドレスマップのデータ領域を
拡大して示す図、図6は図4に示したアドレスマップの
カウンタ領域を拡大して示す図、図7は本発明に係る電
子式走行距離計の動作を示すフローチャート、図8は不
揮発性メモリに走行距離データを記憶する時の動作を示
すフローチャートである。これらの図において、1はオ
フロード用自動二輪車、2はこの自動二輪車1のフレー
ム、3はエンジン、4はフロントフォーク5を介して前
記フレーム2に操向自在に連結された前輪、6はリヤア
ーム7を介してフレーム2に揺動自在に支持された後輪
である。8はハンドル、9は燃料タンク、10はシート
である。なお、11は車体前部を覆う構造のカウリング
である。
【0008】12は本発明に係る電子式走行距離計で、
この走行距離計12は、ハンドル8の前方に設置された
デジタル表示器からなる表示部13と、シート10の下
方に設置され、前記表示部13に接続コード14を介し
て接続されたコントロールユニット15とから構成され
ている。前記表示部12は液晶式ディスプレイユニット
13aを内蔵し、カウリング11に取付け金具(図示せ
ず)を介して支持されている。ディスプレイユニット1
3aとしては、本実施例では速度を10進法で3桁分,
積算走行距離数を10進法で6桁分だけ表示するものが
採用されている。なお、積算走行距離数は、最小桁が
0.1kmとなるように表示される。また、液晶式ディ
スプレイユニット13aには、液晶板を裏側から照らす
面発光素子が装着されている。この面発光素子を図2中
ELで示す。前記コントロールユニット15は、シート
下方に位置づけられたバッテリー16に電源コード17
を介して接続されると共に、エンジン3の出力軸の回転
数を検出するスピードセンサ18にセンサコード19を
介して接続されている。なお、このスピードセンサ18
は、自動二輪車1が0.4m走行した時にパルス信号を
1パルス分コントロールユニット15に出力するものが
採用されている。
【0009】次に、前記コントロールユニット15の構
成を図2および図3によって説明する。コントロールユ
ニット15は、図2および図3に示すように、CPU2
0および揮発性メモリ(以下、これをRAMという)2
1を有し記憶手段および確認手段を構成する制御ユニッ
ト22と、この制御ユニット22とバッテリー16との
間に介装された電源オフ手段としてのセルフパワーオフ
回路23と、数値データ(走行距離データ,積算パルス
数)を保存する不揮発性メモリ24等とから構成されて
いる。この不揮発性メモリ24としては、EEPROM
が使用される。なお、25は自動二輪車1のメインスイ
ッチ、26はセルフパワーオフ回路23に接続されて前
記制御ユニット22へ安定化電源を供給する電源回路で
ある。27は前記CPU20を駆動するための発振回路
を構成する発振素子、28はCPU20が暴走した時に
CPU20をリセットするウオッチドッグタイマからな
るCPUリセット、29および30は前記ディスプレイ
ユニット13aを駆動して数値データを表示させるため
の液晶ドライバーと昇圧回路で、液晶ドライバー29に
は発振回路29aが接続されている。31はCPU20
の作動条件を変更するためのジャンパ線で、本実施例で
使用するCPU20は、このジャンパ線31での結線箇
所を変えることにより自動二輪車の機種に応じてメータ
仕様を変えることができるように構成されている。この
ような構造とすると、メータ(走行距離計)の仕様変更
を容易に行うことができるようになる。
【0010】前記CPU20は、メインスイッチ25が
投入された状態(入力状態)ではスピードセンサ18か
ら発せられるパルス信号のパルス数から自動二輪車1の
速度と積算走行距離数とを算出し、積算パルス数および
積算走行距離数をRAM21に記憶させると共に、速度
および積算走行距離数を表示部13にデジタル表示させ
るように構成されている。なお、本実施例で使用するC
PU20は、100m走行する毎に積算走行距離数を不
揮発性メモリ24に記憶させるように構成されている。
さらに、後述するセルフパワーオフ回路23からスイッ
チオフ検出信号が入力された時には、RAM21に記憶
された積算パルス数および積算走行距離数を不揮発性メ
モリ24に記憶させて保存し、セルフパワーオフ回路2
3からスイッチオン検出信号が入力された時には、不揮
発性メモリ24に保存してある前記各データをRAM2
1に書き込んだ後に上述した入力状態になるように構成
されている。そして、このCPU20は、本実施例で使
用するEEPROM等の不揮発性メモリ24では数値デ
ータを書き変えることができる回数に限度があるため、
不揮発性メモリ24での数値データ(積算走行距離数,
積算パルス数)の書き変え回数が書き変え保証回数に達
した時にそれらの数値データを不揮発性メモリ24の未
使用記憶領域に記憶させるように構成されている。な
お、本実施例では書き変え保証回数が約10万回のEE
PROMを採用した。また、書き変え回数の値(以下、
この数値をカウンタデータという)は、後述する不揮発
性メモリ24の記憶領域に前記数値データとは別に記憶
される。加えて、不揮発性メモリ24の記憶領域に記憶
不能箇所が存在する時には、その部分を避けてデータを
記憶させるようにも構成されている。記憶不能箇所を確
認する手法としては、不揮発性メモリ24にデータを記
憶させてから一旦そのデータを読み出す動作を行い、デ
ータが読み出せなかった時と、RAM21のデータと不
揮発性メモリ24のデータとが一致しなかった時に、そ
のデータの記憶部分が記憶不能箇所であると判断する方
法が採られる。この場合のデータとしては、上述した積
算走行距離数,積算パルス数の他に、不揮発性メモリ2
4での書き変え回数を示すカウンタデータも含まれる。
【0011】前記セルフパワーオフ回路23は、接続点
aに接続されてメインスイッチ25が介装された主電源
ライン23aと、接続点bからメインスイッチ25をバ
イパスし、常に導通状態になるバックアップライン23
bとを介してバッテリー16に接続され、メインスイッ
チ25が切られても前記バックアップライン23bから
なる給電系によって電源が供給される構造とされてい
る。そして、このセルフパワーオフ回路23は、メイン
スイッチ25が切られた時にスイッチオフ検出信号をC
PU20に出力し、CPU20からのデータ保存終了信
号を入力した時にCPU20,不揮発性メモリ24等へ
の電源供給を断つように構成されている。また、メイン
スイッチ25が投入された時には、スイッチオン検出信
号をCPU20へ出力する構造とされている。なお、図
2および図3において符号cはスイッチオフ検出信号や
スイッチオン検出信号が入出力される接続点を、また、
dはCPU20からのデータ保存終了信号が入力される
接続点を示す。なお、eおよびfは電源回路26の入力
側接続点と出力側接続点を示す。
【0012】前記不揮発性メモリ24は、図4〜図6に
示すように8ビット(1バイト)の記憶ブロックを多数
並べたものが使用されている。図4〜図6では一つの升
目が1ビット分の記憶領域を示し、前記記憶ブロックは
図において横1列に並んだ8個の升目で構成される。そ
して、この不揮発性メモリ24の記憶領域は、積算走行
距離数と積算パルス数をそれぞれ記憶するデータ領域A
と、このデータ領域Aでの書き変え回数を記憶するカウ
ンタ領域Bとに分けられている。また、前記データ領域
Aは、積算走行距離数を記憶する距離数領域Cと、積算
パルス数を記憶するパルス数領域Dとに区分けされてい
る。前記距離数領域Cでは、表示部13に表示される6
桁分の積算走行距離数が2桁づつ記憶ブロックに割り振
られて記憶される。すなわち、積算走行距離数を最初に
記憶させる時には、距離数領域Cに多数存在する記憶ブ
ロックのうち図4および図5において最も下側に位置す
る記憶ブロックに下位の2桁が、その上隣の記憶ブロッ
クに中位の2桁が、さらにその上隣の記憶ブロックに上
位の2桁がそれぞれ記憶される。なお、積算走行距離数
や後述する積算パルス数,カウンタデータ等を不揮発性
メモリ24に記憶させるに当たっては、10進数のデー
タを2進数に変換し、この2進数のデータを各記憶ブロ
ックに記憶させて行う。図4〜図6では、上位桁,中位
桁,下位桁の走行距離データを記憶する上位桁データ用
記憶ブロック,中位桁データ用記憶ブロック,下位桁デ
ータ用記憶ブロックの横にそれぞれ上,中,下と記し
た。
【0013】前記パルス数領域Dでは、前記コントロー
ルユニット15内のRAM21に記憶されていた積算パ
ルス数が記憶される。積算パルス数を記憶させるに当た
っては、走行距離数のように桁毎に記憶させるのではな
く、全桁分一度に記憶させる。
【0014】前記カウンタ領域Bは、パルス数領域Dで
の書き変え回数を記憶するパルスカウンタデータ領域E
と、距離数領域Cでの書き変え回数を記憶する距離カウ
ンタデータ領域Fとに区分けされている。また、距離カ
ウンタデータ領域Fは、図6に示すように下位桁領域
G,中位桁領域H,上位桁領域Iからなる3つの領域に
さらに細分化されている。この3つの領域のうち下位桁
領域Gには、前記距離数領域Cで積算走行距離数の下位
の2桁を記憶する記憶ブロックでの書き変え回数が記憶
される。言い換えれば、下位桁領域Gでは図4および図
5で最も下側に位置する記憶ブロックでの書き変え回数
が記憶される。同様にして中位桁領域Hには積算走行距
離数の中位の2桁を記憶する記憶ブロックでの書き変え
回数が、上位桁領域Iには積算走行距離数の上位の2桁
を記憶する記憶ブロックでの書き変え回数がそれぞれ記
憶される。なお、パルスカウンタデータ領域Eは、前記
パルス数領域Dでの書き変え回数が記憶される。
【0015】次に、本発明に係る電子式走行距離計の動
作を図7および図8によって説明する。先ず、メインス
イッチ25が投入されると、S1 で初期設定としてCP
U20のセットアップが行われる。次に、S2 で不揮発
性メモリ24に記憶されている数値データ(積算パルス
数,積算走行距離数)を読み出し、RAM21に書き込
む。そして、この状態で自動二輪車1が走行される。走
行中には、S3 でスピードセンサ18から発するパルス
をCPU20が計数し、その値から走行距離数を算出す
る。この時に積算パルス数をRAM21に記憶させる。
なお、パルスは、本実施例では0.4m走行した時に一
回発せられる。走行距離数のデータは、後述する距離デ
ータ加算ステップS4を経てからS5で液晶ドライバー2
9へ送られ、S6でディスプレイユニット13aに表示
される。また、S6では、CPU20がパルス数から算
出する速度も同時にディスプレイユニット13aに表示
される。次に、S7 の判定ステップでメインスイッチ2
5が切られていないかを確認し、メインスイッチ25が
切られていない時には前記S3へ戻る。すなわち、メイ
ンスイッチ投入後は、メインスイッチ25が切られるま
では距離データ加算,表示ステップが繰り返されること
になる。
【0016】ここで、距離データ加算ステップS4 を図
8によって詳述する。距離データ加算ステップS4
は、自動二輪車1が100m走行する毎に積算走行距離
数が更新されてその都度不揮発性メモリ24に記憶され
る。図8中P1 は100m走行したのを判定するステッ
プで、表示部13で表示される表示距離数の最下位の数
値が1(100mを示す)増えた時に次のP2ステップ
へ進む。P2では、不揮発性メモリ24の距離数領域C
の下位桁データ用記憶ブロックに表示距離数の下位2桁
分の走行距離データを記憶させる。この時には、図4お
よび図5において最も下側に位置する記憶ブロックにデ
ータが記憶される。次に、不揮発性メモリ24の下位桁
データ用記憶ブロックを一回書き変えたことをP3 でR
AM21に記憶させ、P4 で前記下位桁データ用記憶ブ
ロックに走行距離データが記憶されたか否かを判定す
る。判定する時の手法としては、下位桁データ用記憶ブ
ロックのデータを一旦読み出し、データが存在している
か否か、また、データであればRAM21のデータと一
致するか否かを確認することによって行う。
【0017】P4 で走行距離データが記憶されなかった
と判定された時には前記記憶ブロックが記憶不能である
と判断し、P5 で上,中,下位桁データ用記憶ブロック
を1バイトづつシフトさせる。言い換えれば、図5にお
いて下位桁データ用記憶ブロックにC1で示す不良箇所
が存在していた場合、その不良箇所を含む1バイト分の
記憶ブロックを使用せずに、図5のアドレスマップの左
側に(1)で示すように、それまで使用していた各記憶
ブロックの上隣の記憶ブロックを次回から使用するよう
にする。このように記憶ブロックをシフトさせた後に
は、上,中,下位桁でそれぞれ使用する記憶ブロックの
カウンタデータをP6 において変更する。下位桁データ
用記憶ブロックのカウンタデータは距離カウンタデータ
領域Fの下位桁領域Gに、中位桁データ用記憶ブロック
のカウンタデータは中位桁領域Hに、上位桁データ用記
憶ブロックのカウンタデータは上位桁領域Iにそれぞれ
記憶されるので、上述した場合には、下位桁領域Gに中
位桁データ用記憶ブロック(図5において下から2段目
の記憶ブロック)でのカウンタデータを書き込む。さら
に、中位桁領域Hに上位桁データ用記憶ブロックでのカ
ウンタデータを、上位桁領域Iに上位桁データ用記憶ブ
ロックの上隣の記憶ブロックでのカウンタデータ(この
場合は未使用部分であるために0を記憶させる。)をそ
れぞれ書き込む。なお、本実施例では書き変え保証回数
が10万回の不揮発性メモリ24を使用する関係から、
カウンタデータの値を2進数で最高10万まで記憶でき
るように、カウンタ領域Bでは3バイトづつ分けられた
記憶領域にカウンタデータが記憶される。この3バイト
の記憶領域を図6の右側に括弧でくくって示す。なお、
距離数領域Cに不良箇所が一つも存在しない場合には、
図5のアドレスマップの右側に示すように下位桁データ
用記憶ブロックが所定の書き変え回数に達した時に各記
憶ブロックを1バイトづつシフトさせる。
【0018】そして、P6でカウンタデータを変更した
後はP2へ戻って下位桁記憶動作を再び行う。
【0019】前記P4 でデータを確認できた時には(不
揮発性メモリ24に下位2桁分の走行距離データが記憶
された時には)、P7 で下位桁の走行距離データが桁あ
ふれしたか否かを判断し、桁あふれした時には、P8
RAM21に記憶されている走行距離データの中位桁に
1を加算する。桁あふれしていない時は入力待ち状態へ
戻る。
【0020】次に、P9 で不揮発性メモリ24の距離数
領域Cの中位桁データ用記憶ブロックに表示距離数の中
位2桁分の走行距離データを記憶させる。なお、上述し
た下位桁記憶ステップで記憶ブロックがシフトされてい
ない場合(前記P4 の判定ステップで書き込みOKとさ
れた場合)には、図5において下から2段目に位置する
記憶ブロックにデータが記憶され、図5中(1)で示す
ように記憶ブロックが1バイトシフトされていた場合に
は、下から3段目に位置する記憶ブロックにデータが記
憶される。次に、不揮発性メモリ24の中位桁データ用
記憶ブロックを一回書き変えたことをP10でRAM21
に記憶させ、P11で前記中位桁データ用記憶ブロックに
走行距離データが記憶されたか否かを、前記P4 と同様
の手法によって確認する。P11の確認結果がNOであっ
た時には前記記憶ブロックが記憶不能であると判断し、
12で上,中,下位桁データ用記憶ブロックを2バイト
づつシフトさせる。言い換えれば、図5において中位桁
データ用記憶ブロックにC2で示す不良箇所が存在して
いた場合、その不良箇所を含む1バイト分の記憶ブロッ
クを使用せずに、図5のアドレスマップの左側に(2)
で示すように、不良箇所より上側の記憶ブロックを次回
から使用するようにする。このように記憶ブロックをシ
フトさせた後には、上,中,下位桁でそれぞれ使用する
記憶ブロックのカウンタデータをP13において変更す
る。この場合には、下位桁領域Gに上位桁データ用記憶
ブロック(図5において下から4段目の記憶ブロック)
でのカウンタデータを書き込む。さらに、中位桁領域H
に前記上位桁データ用記憶ブロックの上隣の記憶ブロッ
クでのカウンタデータ(この場合は未使用部分であるた
めに0を記憶させる。)を、上位桁領域Iにさらにその
上隣の記憶ブロックでのカウンタデータ(この場合も未
使用部分であるために0を記憶させる。)をそれぞれ書
き込む。そして、P13でカウンタデータを変更した後は
9 へ戻って中位桁記憶動作を再び行う。
【0021】P11での確認結果がOKであった時には
(不揮発性メモリ24に中位2桁分の走行距離データが
記憶された時には)、P14で中位桁の走行距離データが
桁あふれしたか否かを判断し、桁あふれした時には、P
15でRAM21に記憶されている走行距離データの上位
桁に1を加算する。桁あふれしていない時は入力待ち状
態へ戻る。
【0022】次に、P16で不揮発性メモリ24の距離数
領域Cの上位桁データ用記憶ブロックに表示距離数の上
位2桁分の走行距離データを記憶させる。なお、上述し
た中位桁記憶ステップで記憶ブロックがシフトされてい
ない場合(前記P4 およびP11の判定ステップでそれぞ
れ書き込みOKとされた場合)には、図5において下か
ら3段目に位置する記憶ブロックにデータが記憶され、
図5中(1)で示すように記憶ブロックが1バイトシフ
トされていた場合には、下から4段目に位置する記憶ブ
ロックにデータが記憶される。同様にして、図5中
(2)示すようにシフトされていた場合には、下から6
段目の記憶ブロックにデータが記憶される。次に、不揮
発性メモリ24の上位桁データ用記憶ブロックを一回書
き変えたことをP17でRAM21に記憶させ、P18で前
記上位桁データ用記憶ブロックに走行距離データが記憶
されたか否かを、前記P4 と同様の手法によって確認す
る。
【0023】P18の確認結果がNOであった時には前記
記憶ブロックが記憶不能であると判断し、P19で上,
中,下位桁データ用記憶ブロックを3バイトづつシフト
させる。言い換えれば、図5において上位桁データ用記
憶ブロックにC3で示す不良箇所が存在していた場合、
その不良箇所を含む1バイト分の記憶ブロックを使用せ
ずに、図5のアドレスマップの左側に(3)で示すよう
に、不良箇所より上側の記憶ブロックを次回から使用す
るようにする。このように記憶ブロックをシフトさせた
後には、上,中,下位桁でそれぞれ使用する記憶ブロッ
クのカウンタデータをP20において変更する。この場合
には上位桁,中位桁,下位桁の全てのデータ用記憶ブロ
ックが未使用部分に変更される関係から、カウンタ領域
Bの下位桁領域G,中位桁領域H,上位桁領域Iにそれ
ぞれ0を書き込む。そして、P20でカウンタデータを変
更した後はP16へ戻って上位桁記憶動作を再び行う。
【0024】P18での確認結果がOKであった時には
(不揮発性メモリ24に上位2桁分の走行距離データが
記憶された時には)、P21で下位桁データ用記憶ブロッ
クのカウンタデータが保証回数であるか否か判定する。
この時の判定方法としては、カウンタ領域Bの下位桁領
域Gに書き込まれた数値が10万以下であるか否かを確
認することによって行う。保証回数に達していない時に
は入力待ち状態へ戻る。また、カウンタデータが10万
に達した時(保証回数に達した時)には、P22で距離数
領域Cでの各桁毎の記憶ブロックを1バイトづつシフト
させる。例えば、P4 ,P11およびP18でそれぞれ書き
込みOKとされた場合、言い換えれば距離数領域Cに不
良箇所が一つも存在しない場合には、図5のアドレスマ
ップの右側に示すように各記憶ブロックを1バイトづつ
シフトさせる。そして、P22で記憶ブロックをシフトさ
せて不揮発性メモリ24にデータを書き込んだ後にはP
23で各記憶ブロックのカウンタデータを書き変える。す
なわち、カウンタ領域Bの下位桁領域Gにそれまで中位
桁データ用記憶ブロックとして使用していた記憶ブロッ
クのカウンタデータを書き込み、中位桁領域Hにそれま
で上位桁データ用記憶ブロックとして使用していた記憶
ブロックのカウンタデータを書き込み、上位桁領域Iに
0を書き込む。このようにカウンタデータを更新した
後、入力待ち状態に戻る。
【0025】次にメインスイッチ25が切られた時の動
作について詳述する。メインスイッチ25のオンオフは
セルフパワーオフ回路23が検出する。メインスイッチ
25が切られた時には、図7においてS7からS8へ進
み、RAM21に記憶されていた積算パルス数を不揮発
性メモリ24のパルス数領域Dに書き込む。次に、不揮
発性メモリ24に書き込んだ積算パルス数をS9 で一旦
読み出し、S10でRAM21のデータと不揮発性メモリ
24のデータが一致するか否か確認する。なお、S8
積算パルス数を不揮発性メモリ24に記憶させた時に
は、パルス数領域Dのカウンタデータが1増えたことを
RAM21に記憶させておく。
【0026】S10での判定の結果、データが一致しなか
った時には、パルス数領域Dの記憶ブロックが記憶不能
であると判断し、S11でパルス数領域Dでの記憶ブロッ
クを1バイトシフトさせる。言い換えれば、図5におい
てパルス数領域Dの記憶ブロックにD1〜D3で示す不
良箇所が存在していた場合、その不良箇所を含む1バイ
ト分の記憶ブロックを使用せずに、図5のアドレスマッ
プの右側に(1)〜(3)で示すように、不良箇所より
上側の記憶ブロックを次回から使用するようにする。こ
のように記憶ブロックをシフトさせた後には、新たに使
用する記憶ブロックのカウンタデータをS12において0
へ変更する。この時、パルス数領域Dのカウンタデータ
はカウンタ領域Bのパルスカウンタデータ領域Eに書き
込まれる。そして、S12でカウンタデータを変更した後
はS8 へ戻って積算パルス数記憶動作を再び行う。
【0027】S10でデータでが一致することが確認され
た後には、S13〜S17のステップで積算走行距離数を不
揮発性メモリ24に記憶させる。その動作は、走行中に
100m毎に行われる記憶動作と略同じである。すなわ
ち、RAM21に記憶されている積算走行距離数をS13
で不揮発性メモリ24に記憶させ、S14でそのデータを
一旦読み出し、S15でそのデータがRAM21のデータ
と一致するかどうか確認する。一致しなかった時にはS
16で距離数領域Cでの記憶ブロックをシフトさせ、S17
でカウンタデータを書き変える。その後、積算走行距離
数を再び記憶させる。これら一連の動作は、下位桁,中
位桁,上位桁毎に行われる。
【0028】S15でデータが一致していると確認された
後には、距離数領域Cのカウンタデータとパルス数領域
Dのカウンタデータとをそれぞれ記憶させる。すなわ
ち、S18で各データ記憶ブロックのカウンタデータを不
揮発性メモリ24のカウンタ領域Bに記憶させ、S19
それを一旦読み出し、S20でそれがRAM21のデータ
と一致するか否か確認する。データでなかった時には、
21においてカウンタ領域Bでの記憶領域を1回だけシ
フトさせる。例えば、図6においてパルスカウンタデー
タ領域EにE1〜E2で示す不良箇所が存在していた場
合、その不良箇所を含む3バイト分の記憶ブロックを使
用せずに、図6のアドレスマップの右側に(1)〜
(3)で示すように、不良箇所より上側の記憶ブロック
を次回から使用するようにする。このようなシフト動作
は、距離カウンタデータ領域Fの下位桁領域G,中位桁
領域H,上位桁領域IにG1〜G2,H1〜H2,I1
〜I2で示したような不良箇所が存在していた時にも同
様に実施される。このようにカウント領域Bで記憶領域
をシフトさせた後には、S18へ戻ってカウンタデータ書
き込む動作を再び行う。
【0029】上述したように積算走行距離数や積算パル
ス数を記憶する記憶領域のそれぞれのカウントデータを
書き込んだ後に、S22で電源が切られる。この時には、
CPU20がデータ保存終了信号をセルフパワーオフ回
路23へ出力し、このセルフパワーオフ回路23がCP
U20,不揮発性メモリ24等への電源供給を断つこと
になる。
【0030】したがって、メインスイッチ25が切られ
てからCPU20やRAM21への給電を絶つまでの時
間に制約を受けることがなく、不揮発性メモリ24に数
値データが記憶されたことを確認してから記憶手段(C
PU20やRAM21)への電源が断たれるから、記憶
動作に要する時間が長くなっても全ての数値データが不
揮発性メモリに記憶される。
【0031】なお、本実施例では図8中P4 ,P11,P
18の各判定ステップでNOであった時に直ちに次のステ
ップへ(P5 ,P12,P19へ)進ませたが、NOであっ
た時には数回「書き込みOKか?」をチェックするよう
にしてもよい。
【0032】また、本実施例では電子式積算計を走行距
離計として構成し、自動二輪車に装着した例を示した
が、本発明に係る電子式積算計は、図9および図10に
示すように船外機の累積作動時間を積算するアワーメー
ターに適用することもできる。図9は本発明に係る電子
式積算計をアワーメーターとして構成した他の実施例を
示すブロック図、図10はアワーメーターの動作を示す
フローチャートである。これらの図において前記図2お
よび図7で説明したものと同一もしくは同等部材につい
ては、同一符号を付しここにおいて詳細な説明は省略す
る。図9および図10において、41はCPU20に接
続されたタイマ回路、42はエンジンの回転速度を検出
するセンサである。なお、この例で使用するディスプレ
イユニット13aとしては、エンジン回転数を10進法
で3桁分,累積作動時間を10進法で6桁分だけ表示す
るものが採用されている。このように構成されたアワー
メータでは、積算走行距離数の代わりにエンジン累積作
動時間を記憶する。すなわち、エンジン作動中に単位時
間当たり1回のパルスをエンジン回転速度検出センサ4
2によって発生させ、その積算パルス数から累積作動時
間を算出する。そして、その累積作動時間を不揮発性メ
モリ24に記憶させる構成である。また、パルスは25
/1000秒あたり1回発生するように構成されてい
る。累積作動時間,積算パルス数およびカウンタデータ
等を不揮発性メモリ24に書き込む手法は前記実施例と
同じであるため、ここでの説明は省略する。なお、図1
0中ステップS7 でメインスイッチ25が切られていな
い時には、S7aでエンジンが回転しているか否かを確認
し、エンジンが回転していればS7bで引き続き時間を測
定するようにし、エンジンが停止していればS7cで時間
を測定するのを中断させる。このように累積時間を記憶
させるように構成しても前記実施例と同等の効果が得ら
れる。
【0033】
【発明の効果】以上説明したように本発明に係る電子式
積算計は、数値データを不揮発性メモリに記憶させる記
憶手段と、前記数値データが不揮発性メモリに記憶され
たのを確認する確認手段と、これら両手段とバッテリー
との間に設けた電源オフ手段とを備え、前記電源オフ手
段は、電源スイッチが介装された主電源ラインと、常に
導通状態になるバックアップラインとを介してバッテリ
ーに接続することにより、前記電源スイッチが切られた
状態で前記バックアップラインからなる給電系によって
バッテリーから電源が供給されるとともに、電源スイッ
チが切られた後に前記給電系からの給電によりバッテリ
ーを電源として前記記憶手段を作動させ、前記確認手段
からの確認済み信号が入力されてから前記両手段への電
源供給を絶つ構成としたため、電源スイッチが切られて
から記憶手段や確認手段への給電を絶つまでの時間に制
約を受けることがなく、不揮発性メモリに数値データが
記憶されたことを確認してから記憶手段への電源が断た
れるから、記憶動作に要する時間が長くなっても全ての
数値データが不揮発性メモリに記憶される。したがっ
て、数値データを確実に保存できるようになるから、信
頼性の高い電子式積算計を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る電子式走行距離計を装着した自動
二輪車の側面図である。
【図2】本発明に係る電子式走行距離計の構成を示すブ
ロック図である。
【図3】本発明に係る電子式走行距離計に使用するセル
フパワーオフ回路の回路図である。
【図4】本発明に係る電子式走行距離計に使用する不揮
発性メモリのアドレスマップを示す図である。
【図5】図4に示したアドレスマップのデータ領域を拡
大して示す図である。
【図6】図4に示したアドレスマップのカウンタ領域を
拡大して示す図である。
【図7】本発明に係る電子式走行距離計の動作を示すフ
ローチャートである。
【図8】不揮発性メモリに走行距離データを記憶する時
の動作を示すフローチャートである。
【図9】本発明に係る電子式積算計をアワーメーターと
して構成した他の実施例を示すブロック図である。
【図10】アワーメーターの動作を示すフローチャート
である。
【符号の説明】
12 電子式走行距離計 13 表示部 15 コントロールユニット 16 バッテリー 20 CPU 21 RAM 22 制御ユニット 23 セルフパワーオフ回路 24 不揮発性メモリ 25 メインスイッチ
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G06M 1/00 - 3/14 G06F 12/16

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 数値データを不揮発性メモリに記憶させ
    る記憶手段と、前記数値データが不揮発性メモリに記憶
    されたのを確認する確認手段と、これら両手段とバッテ
    リーとの間に設けた電源オフ手段とを備え、前記電源オ
    フ手段は、電源スイッチが介装された主電源ラインと、
    常に導通状態になるバックアップラインとを介してバッ
    テリーに接続することにより、前記電源スイッチが切ら
    れた状態で前記バックアップラインからなる給電系によ
    ってバッテリーから電源が供給されるとともに、電源ス
    イッチが切られた後に前記給電系からの給電によりバッ
    テリーを電源として前記記憶手段を作動させ、前記確認
    手段からの確認済み信号が入力されてから前記両手段へ
    の電源供給を絶つ構成としたことを特徴とする電子式積
    算計。
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