JP3136338B2 - 発光材料、その製造方法及びそれを用いた発光方法 - Google Patents
発光材料、その製造方法及びそれを用いた発光方法Info
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- JP3136338B2 JP3136338B2 JP10352161A JP35216198A JP3136338B2 JP 3136338 B2 JP3136338 B2 JP 3136338B2 JP 10352161 A JP10352161 A JP 10352161A JP 35216198 A JP35216198 A JP 35216198A JP 3136338 B2 JP3136338 B2 JP 3136338B2
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、機械的な外力を加
えて生じる変形によって発光する、これまでに知られて
いない新規な発光材料、その製造方法及びそれを用いた
発光方法に関するものである。
えて生じる変形によって発光する、これまでに知られて
いない新規な発光材料、その製造方法及びそれを用いた
発光方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、物質が外部からの刺激を与えられ
ることによって、低温度で可視域付近の光を発する現象
は、いわゆる蛍光現象としてよく知られている。このよ
うな蛍光現象を生じる物質、すなわち蛍光体は、蛍光ラ
ンプなどの照明灯や、CRT(Cathode Ray
Tube)いわゆるブラウン管などのディスプレイな
どとして用いられている。
ることによって、低温度で可視域付近の光を発する現象
は、いわゆる蛍光現象としてよく知られている。このよ
うな蛍光現象を生じる物質、すなわち蛍光体は、蛍光ラ
ンプなどの照明灯や、CRT(Cathode Ray
Tube)いわゆるブラウン管などのディスプレイな
どとして用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、摩擦力、せ
ん断力、衝撃力などの機械的な外力によりもたらされる
変形で発光する、これまで知られていたものとは全く異
なる種類の新規な発光材料を提供することを目的として
なされたものである。
ん断力、衝撃力などの機械的な外力によりもたらされる
変形で発光する、これまで知られていたものとは全く異
なる種類の新規な発光材料を提供することを目的として
なされたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、機械的変
形によって発光する新規な発光材料を開発すべく鋭意研
究を重ねた結果、特定の金属酸化物の母体結晶中に、特
定の性質を有する、希土類金属イオンや遷移金属イオン
を、発光中心の中心イオンとして含む物質が、そのよう
な性能を有することを見出し、この知見に基づいて本発
明を完成するに至った。
形によって発光する新規な発光材料を開発すべく鋭意研
究を重ねた結果、特定の金属酸化物の母体結晶中に、特
定の性質を有する、希土類金属イオンや遷移金属イオン
を、発光中心の中心イオンとして含む物質が、そのよう
な性能を有することを見出し、この知見に基づいて本発
明を完成するに至った。
【0005】すなわち、本発明は、 (A)ZrO2、CeO2、HfO2、Y2O3、Cr
2O3及びTi2O3の中から選ばれた金属酸化物から
なり、ホタル石構造、イットリア構造及びコランダム構
造の中から選ばれた結晶構造を有する母体結晶中に、
(B)不安定な3d、4d、5d又は4f電子殻を有
し、この電子殻内で輻射転移を生起しうる、第一イオン
化エネルギーが8eV以下の希土類金属イオン及び遷移
金属イオンの中から選ばれた少なくとも1種の金属イオ
ンを発光中心の中心イオンとして含む物質からなる、機
械的な外力を加えて生じる変形により発光する発光材
料、及びこの発光材料に機械的な外力を加えて変形を生
じさせることを特徴とする発光方法を提供するものであ
る。また、前記発光材料は、本発明に従えば、Zr
O2、CeO2、HfO2、Y2O3、Cr2O3及び
Ti2O3の中から選ばれた金属酸化物であって、ホタ
ル石構造、イットリア構造及びコランダム構造の中から
選ばれた結晶構造を有するものに対し、不安定な3d、
4d、5d又は4f電子殻を有し、この電子殻内で輻射
転移を生起しうる、第一イオン化エネルギーが8eV以
下の希土類金属及び遷移金属の中から選ばれた少なくと
も1種の金属の酸化物を、金属原子換算で0.02〜
0.5モル%の割合で添加し、不活性雰囲気中、900
〜1100℃の範囲の温度まで徐々に昇温させたのち、
還元雰囲気中、1200〜1500℃の範囲の温度で焼
成することにより製造することができる。
2O3及びTi2O3の中から選ばれた金属酸化物から
なり、ホタル石構造、イットリア構造及びコランダム構
造の中から選ばれた結晶構造を有する母体結晶中に、
(B)不安定な3d、4d、5d又は4f電子殻を有
し、この電子殻内で輻射転移を生起しうる、第一イオン
化エネルギーが8eV以下の希土類金属イオン及び遷移
金属イオンの中から選ばれた少なくとも1種の金属イオ
ンを発光中心の中心イオンとして含む物質からなる、機
械的な外力を加えて生じる変形により発光する発光材
料、及びこの発光材料に機械的な外力を加えて変形を生
じさせることを特徴とする発光方法を提供するものであ
る。また、前記発光材料は、本発明に従えば、Zr
O2、CeO2、HfO2、Y2O3、Cr2O3及び
Ti2O3の中から選ばれた金属酸化物であって、ホタ
ル石構造、イットリア構造及びコランダム構造の中から
選ばれた結晶構造を有するものに対し、不安定な3d、
4d、5d又は4f電子殻を有し、この電子殻内で輻射
転移を生起しうる、第一イオン化エネルギーが8eV以
下の希土類金属及び遷移金属の中から選ばれた少なくと
も1種の金属の酸化物を、金属原子換算で0.02〜
0.5モル%の割合で添加し、不活性雰囲気中、900
〜1100℃の範囲の温度まで徐々に昇温させたのち、
還元雰囲気中、1200〜1500℃の範囲の温度で焼
成することにより製造することができる。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の発光材料は、機械的な外
力を加えて変形を生じさせることによって発光する新規
な機能材料であって、特定の金属酸化物の母体結晶中
に、発光中心の中心イオンとして希土類金属イオンや遷
移金属イオンを含む物質からなるものである。本発明に
おいては、母体結晶として、ZrO2、CeO2、Hf
O2、Y2O3、Cr2O3及びTi2O3の中から選
ばれた金属酸化物からなり、ホタル石構造、イットリア
構造及びコランダム構造の中から選ばれた結晶構造を有
するものが用いられる。
力を加えて変形を生じさせることによって発光する新規
な機能材料であって、特定の金属酸化物の母体結晶中
に、発光中心の中心イオンとして希土類金属イオンや遷
移金属イオンを含む物質からなるものである。本発明に
おいては、母体結晶として、ZrO2、CeO2、Hf
O2、Y2O3、Cr2O3及びTi2O3の中から選
ばれた金属酸化物からなり、ホタル石構造、イットリア
構造及びコランダム構造の中から選ばれた結晶構造を有
するものが用いられる。
【0007】このような結晶構造を有する、金属酸化物
としては、高温でも組成が安定である、ホタル石構造の
ZrO2、CeO2、HfO2、イットリア構造のY2
O3及びコランダム構造のCr2O3、Ti2O3を挙
げることができる。
としては、高温でも組成が安定である、ホタル石構造の
ZrO2、CeO2、HfO2、イットリア構造のY2
O3及びコランダム構造のCr2O3、Ti2O3を挙
げることができる。
【0008】このような金属酸化物の母体結晶中に、発
光中心の中心イオンとして含有される希土類金属イオン
や遷移金属イオンは、発光強度を飛躍的に向上させるた
めのものであり、本発明においては、このような希土類
金属イオンや遷移金属イオンとして、不安定な3d、4
d、5d又は4f電子殻を有し、この電子殻内で輻射転
移を生起しうる、第一イオン化エネルギーが8eV以下
のものが、母体結晶中に導入される。これらの中で特に
好適なのは、第一イオン化エネルギーが6eV以下のも
のである。
光中心の中心イオンとして含有される希土類金属イオン
や遷移金属イオンは、発光強度を飛躍的に向上させるた
めのものであり、本発明においては、このような希土類
金属イオンや遷移金属イオンとして、不安定な3d、4
d、5d又は4f電子殻を有し、この電子殻内で輻射転
移を生起しうる、第一イオン化エネルギーが8eV以下
のものが、母体結晶中に導入される。これらの中で特に
好適なのは、第一イオン化エネルギーが6eV以下のも
のである。
【0009】不安定な3d電子殻を有する遷移金属イオ
ンの中で好ましいのは、V、Cr、Mn、Fe、Co、
Ni、Cuなどであり、不安定な4d電子殻をもつ遷移
金属イオンの中で好ましいのは、Nb、Moであり、不
安定な5d電子殻をもつ遷移金属イオンの中で好ましい
のは、Ta、Wである。他方、不安定な4f電子殻をも
つ希土類金属イオンの中で好ましいのは、Ce、Pr、
Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dyなどであ
る。本発明の製法に用いる遷移金属の酸化物や希土類金
属の酸化物における好ましい金属も、上記の好ましい所
定金属イオンにおける金属と全く同じものである。
ンの中で好ましいのは、V、Cr、Mn、Fe、Co、
Ni、Cuなどであり、不安定な4d電子殻をもつ遷移
金属イオンの中で好ましいのは、Nb、Moであり、不
安定な5d電子殻をもつ遷移金属イオンの中で好ましい
のは、Ta、Wである。他方、不安定な4f電子殻をも
つ希土類金属イオンの中で好ましいのは、Ce、Pr、
Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dyなどであ
る。本発明の製法に用いる遷移金属の酸化物や希土類金
属の酸化物における好ましい金属も、上記の好ましい所
定金属イオンにおける金属と全く同じものである。
【0010】これらの希土類金属イオンや遷移金属イオ
ンは、母体の金属酸化物の結晶構造などに応じて1種又
は2種以上を適宜選択し、発光中心の中心イオンとし
て、母体結晶中に導入することができる。本発明の発光
材料においては、母体結晶と発光中心との組み合わせに
よって、その発光強度が変化する。
ンは、母体の金属酸化物の結晶構造などに応じて1種又
は2種以上を適宜選択し、発光中心の中心イオンとし
て、母体結晶中に導入することができる。本発明の発光
材料においては、母体結晶と発光中心との組み合わせに
よって、その発光強度が変化する。
【0011】本発明の発光材料は、以下に示す方法によ
って、効率よく製造することができる。まず、Zr
O2、CeO2、HfO2、Y2O3、Cr2O3及び
Ti2O3の中から選ばれた金属酸化物であって、ホタ
ル石構造、イットリア構造及びコランダム構造の中から
選ばれた結晶構造を有するものの粉末に対し、不安定な
3d、4d、5d又は4f電子殻を有し、この電子殻内
で輻射転移を生起しうる、第一イオン化エネルギーが8
eV以下の希土類金属及び遷移金属の中から選ばれた少
なくとも1種の金属の酸化物の粉末を、金属原子換算で
0.02〜0.5モル%の割合で添加し、十分に混合す
る。この希土類金属や遷移金属の酸化物粉末の添加量が
上記範囲を逸脱すると十分な発光効率が得られない。
って、効率よく製造することができる。まず、Zr
O2、CeO2、HfO2、Y2O3、Cr2O3及び
Ti2O3の中から選ばれた金属酸化物であって、ホタ
ル石構造、イットリア構造及びコランダム構造の中から
選ばれた結晶構造を有するものの粉末に対し、不安定な
3d、4d、5d又は4f電子殻を有し、この電子殻内
で輻射転移を生起しうる、第一イオン化エネルギーが8
eV以下の希土類金属及び遷移金属の中から選ばれた少
なくとも1種の金属の酸化物の粉末を、金属原子換算で
0.02〜0.5モル%の割合で添加し、十分に混合す
る。この希土類金属や遷移金属の酸化物粉末の添加量が
上記範囲を逸脱すると十分な発光効率が得られない。
【0012】次に、この混合粉末を、窒素ガスやアルゴ
ンガス中、あるいは真空中などの不活性雰囲気中、90
0〜1100℃の範囲の温度まで徐々に昇温して仮焼す
る。次いで、この仮焼粉末を所望形状に加圧成形したの
ち、これを水素ガス中などの還元雰囲気中、1200〜
1500℃の範囲の温度にて、30〜300分間程度焼
成することにより、所望の発光材料が得られる。
ンガス中、あるいは真空中などの不活性雰囲気中、90
0〜1100℃の範囲の温度まで徐々に昇温して仮焼す
る。次いで、この仮焼粉末を所望形状に加圧成形したの
ち、これを水素ガス中などの還元雰囲気中、1200〜
1500℃の範囲の温度にて、30〜300分間程度焼
成することにより、所望の発光材料が得られる。
【0013】このようにして得られた発光材料の発光強
度は結晶性に強く依存し、酸化物の結晶性が高いほど発
光強度が高くなる傾向がある。したがって、結晶性を向
上させることにより、発光強度を向上させることが可能
である。また、この発光材料においては、母体の金属酸
化物と発光中心の中心イオンとの組合せによって、様々
な波長領域の発光が可能であり、肉眼で波長領域の変化
が確認できる。
度は結晶性に強く依存し、酸化物の結晶性が高いほど発
光強度が高くなる傾向がある。したがって、結晶性を向
上させることにより、発光強度を向上させることが可能
である。また、この発光材料においては、母体の金属酸
化物と発光中心の中心イオンとの組合せによって、様々
な波長領域の発光が可能であり、肉眼で波長領域の変化
が確認できる。
【0014】本発明の発光材料は、機械的な外力、例え
ば摩擦力、せん断力、衝撃力などを加えて変形すなわち
弾性変形又は塑性変形を生じさせることによって発光す
る。この発光は、機械的な外力によって結晶が変形する
とき、あるいは機械的な外力が除かれて復元するときに
生じる。その発光強度は、一般的に加える機械的な外力
が大きいほど高くなる傾向がある。したがって、発光強
度を測定することによって、発光材料に加えられている
機械的な作用力を知ることができる。これによって、発
光材料にかかる応力状態を無接触で検出が可能となり、
広い分野での応用が期待できる。
ば摩擦力、せん断力、衝撃力などを加えて変形すなわち
弾性変形又は塑性変形を生じさせることによって発光す
る。この発光は、機械的な外力によって結晶が変形する
とき、あるいは機械的な外力が除かれて復元するときに
生じる。その発光強度は、一般的に加える機械的な外力
が大きいほど高くなる傾向がある。したがって、発光強
度を測定することによって、発光材料に加えられている
機械的な作用力を知ることができる。これによって、発
光材料にかかる応力状態を無接触で検出が可能となり、
広い分野での応用が期待できる。
【0015】
【実施例】次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説
明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定さ
れるものではない。
明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定さ
れるものではない。
【0016】参考例 代表的なスピネル構造の酸化物である高純度のMgAl
2O4粉末に、各割合の高純度CeO2粉末を十分によ
く混合したのち、真空中で1000℃まで60分間かけ
て徐々に昇温して仮焼した。この段階では、MgAl2
O4中に、発光中心となるセリウムイオンが生成する。
次いで、この仮焼粉末を加圧成形し、還元雰囲気中(水
素ガス雰囲気中)にて、1300℃で120分間焼成し
た。この高温焼成により、セリウムイオンはMgAl2
O4の結晶構造に導入される。このようにして得られた
各発光材料について、同一励起条件下での発光強度を測
定し、比較を行った。図1に、セリウムイオン添加量と
発光強度との関係を、半対数座標にてグラフで示す。な
お、発光強度は、発光材料表面を直径1mmの半球状の
ステンレス棒で、荷重200g、速度4m/分の条件で
摩擦することにより、発光させて測定した。図1から分
かるように、セリウムイオン添加量が0.05モル%の
場合、発光強度は220cpsであり、最も高い発光強
度を示している。この発光は肉眼でも観察でき、白色で
あった。なお、セリウムイオンを添加していないMgA
l2O4の発光強度は40cps程度であった。
2O4粉末に、各割合の高純度CeO2粉末を十分によ
く混合したのち、真空中で1000℃まで60分間かけ
て徐々に昇温して仮焼した。この段階では、MgAl2
O4中に、発光中心となるセリウムイオンが生成する。
次いで、この仮焼粉末を加圧成形し、還元雰囲気中(水
素ガス雰囲気中)にて、1300℃で120分間焼成し
た。この高温焼成により、セリウムイオンはMgAl2
O4の結晶構造に導入される。このようにして得られた
各発光材料について、同一励起条件下での発光強度を測
定し、比較を行った。図1に、セリウムイオン添加量と
発光強度との関係を、半対数座標にてグラフで示す。な
お、発光強度は、発光材料表面を直径1mmの半球状の
ステンレス棒で、荷重200g、速度4m/分の条件で
摩擦することにより、発光させて測定した。図1から分
かるように、セリウムイオン添加量が0.05モル%の
場合、発光強度は220cpsであり、最も高い発光強
度を示している。この発光は肉眼でも観察でき、白色で
あった。なお、セリウムイオンを添加していないMgA
l2O4の発光強度は40cps程度であった。
【0017】実施例1〜3 参考例と同様にして、ホタル石構造の酸化物であるZr
O2(実施例1)、HfO2(実施例2)、CeO
2(実施例3)に、それぞれCeイオン0.05モル%
を含有させた発光材料を製造し、発光強度を測定した。
その結果を表1に示す。
O2(実施例1)、HfO2(実施例2)、CeO
2(実施例3)に、それぞれCeイオン0.05モル%
を含有させた発光材料を製造し、発光強度を測定した。
その結果を表1に示す。
【0018】
【表1】
【0019】表1から、いずれの発光材料も、従来知ら
れている酸化物発光体の発光強度は5cps以下である
ので、従来のものよりも発光強度が高いことが分かる。
れている酸化物発光体の発光強度は5cps以下である
ので、従来のものよりも発光強度が高いことが分かる。
【0020】実施例4 参考例と同様にして、イットリア構造の代表的な酸化物
であるY2O3に、Ceイオン0.05モル%を含有さ
せた発光材料を製造し、発光強度を測定したところ、発
光強度は30cpsであり、従来知られている発光体よ
りも発光強度が高いものであった。
であるY2O3に、Ceイオン0.05モル%を含有さ
せた発光材料を製造し、発光強度を測定したところ、発
光強度は30cpsであり、従来知られている発光体よ
りも発光強度が高いものであった。
【0021】実施例5、6 参考例と同様にして、コランダム構造の酸化物であるC
r2O3(実施例5)及びTi2O3(実施例6)に、
それぞれCeイオン0.05モル%を含有させた発光材
料を製造し、発光強度を測定した。その結果を表2に示
す。
r2O3(実施例5)及びTi2O3(実施例6)に、
それぞれCeイオン0.05モル%を含有させた発光材
料を製造し、発光強度を測定した。その結果を表2に示
す。
【0022】
【表2】
【0023】表2から、いずれの発光材料も、従来知ら
れている発光体よりも発光強度が高いことが分かる。
れている発光体よりも発光強度が高いことが分かる。
【0024】
【発明の効果】本発明の発光材料は、特定の結晶構造の
金属酸化物の母体結晶中に、発光中心の中心イオンとし
て、希土類金属イオンや遷移金属イオンを含有するもの
であって、機械的な外力を加えて変形を生じさせること
により発光する、これまで知られていない新規な機能材
料である。本発明の発光材料は、例えば機械的な作用を
光に変化させる新しい非接触コントローラー、種々の制
御プロセスなど、広い応用が期待できる。また、この発
光材料は高温での安定性に優れており、高温での応用も
期待できる。
金属酸化物の母体結晶中に、発光中心の中心イオンとし
て、希土類金属イオンや遷移金属イオンを含有するもの
であって、機械的な外力を加えて変形を生じさせること
により発光する、これまで知られていない新規な機能材
料である。本発明の発光材料は、例えば機械的な作用を
光に変化させる新しい非接触コントローラー、種々の制
御プロセスなど、広い応用が期待できる。また、この発
光材料は高温での安定性に優れており、高温での応用も
期待できる。
【図1】 MgAl2O4に発光中心の中心イオンとし
てCeイオンを添加してなる発光材料における、Ceイ
オン添加量と発光強度との関係を示すグラフ。
てCeイオンを添加してなる発光材料における、Ceイ
オン添加量と発光強度との関係を示すグラフ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI G01L 1/00 G01L 1/00 Z (56)参考文献 特開 昭48−46582(JP,A) 特開 平2−38484(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09K 11/08 C09K 11/64 CPM C09K 11/68 CPB C09K 11/78 CPB G01L 1/00
Claims (7)
- 【請求項1】 (A)ZrO2、CeO2、HfO2、
Y2O3、Cr2O3及びTi2O3の中から選ばれた
金属酸化物からなり、ホタル石構造、イットリア構造及
びコランダム構造の中から選ばれた結晶構造を有する母
体結晶中に、 (B)不安定な3d、4d、5d又は4f電子殻を有
し、この電子殻内で輻射転移を生起しうる、第一イオン
化エネルギーが8eV以下の希土類金属イオン及び遷移
金属イオンの中から選ばれた少なくとも1種の金属イオ
ンを発光中心の中心イオンとして含む物質からなる、機
械的な外力を加えて生じる変形により発光する発光材
料。 - 【請求項2】 発光中心の中心イオンがCe、Pr、N
d、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb及びDyの中から選
ばれた希土類金属イオンである請求項1記載の発光材
料。 - 【請求項3】 発光中心の中心イオンがV、Cr、M
n、Fe、Co、Ni、Cu、Nb、Mo、Ta及びW
の中から選ばれた遷移金属イオンである請求項1又は2
記載の発光材料。 - 【請求項4】 ZrO2、CeO2、HfO2、Y2O
3、Cr2O3及びTi2O3の中から選ばれた金属酸
化物であって、ホタル石構造、イットリア構造及びコラ
ンダム構造の中から選ばれた結晶構造を有するものに対
し、不安定な3d、4d、5d又は4f電子殻を有し、
この電子殻内で輻射転移を生起しうる、第一イオン化エ
ネルギーが8eV以下の希土類金属及び遷移金属の中か
ら選ばれた少なくとも1種の金属の酸化物を、金属原子
換算で0.02〜0.5モル%の割合で添加し、不活性
雰囲気中、900〜1100℃の範囲の温度まで徐々に
昇温させたのち、還元雰囲気中、1200〜1500℃
の範囲の温度で焼成することを特徴とする、機械的な外
力を加えて生じる変形により発光する発光材料の製造方
法。 - 【請求項5】 希土類金属が、Ce、Pr、Nd、P
m、Sm、Eu、Gd、Tb及びDyの中から選ばれた
ものである請求項4記載の発光材料の製造方法。 - 【請求項6】 遷移金属が、V、Cr、Mn、Fe、C
o、Ni、Cu、Nb、Mo、Ta及びWの中から選ば
れたものである請求項4又は5記載の発光材料の製造方
法。 - 【請求項7】 (A)ZrO2、CeO2、HfO2、
Y2O3、Cr2O3及びTi2O3の中から選ばれた
金属酸化物からなり、ホタル石構造、イットリア構造及
びコランダム構造の中から選ばれた結晶構造を有する母
体結晶中に、 (B)不安定な3d、4d、5d又は4f電子殻を有
し、この電子殻内で輻射転移を生起しうる、第一イオン
化エネルギーが8eV以下の希土類金属イオン及び遷移
金属イオンの中から選ばれた少なくとも1種の金属イオ
ンを発光中心の中心イオンとして含む物質からなる発光
材料に機械的な外力を加えて変形を生じさせることを特
徴とする発光方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10352161A JP3136338B2 (ja) | 1997-11-28 | 1998-11-27 | 発光材料、その製造方法及びそれを用いた発光方法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9-341894 | 1997-11-28 | ||
JP34189497 | 1997-11-28 | ||
JP10352161A JP3136338B2 (ja) | 1997-11-28 | 1998-11-27 | 発光材料、その製造方法及びそれを用いた発光方法 |
Related Child Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11322246A Division JP3136340B2 (ja) | 1997-11-28 | 1999-11-12 | 発光材料、その製造方法及びそれを用いた発光方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11263970A JPH11263970A (ja) | 1999-09-28 |
JP3136338B2 true JP3136338B2 (ja) | 2001-02-19 |
Family
ID=26577086
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10352161A Expired - Lifetime JP3136338B2 (ja) | 1997-11-28 | 1998-11-27 | 発光材料、その製造方法及びそれを用いた発光方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3136338B2 (ja) |
Families Citing this family (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4229562B2 (ja) * | 2000-02-02 | 2009-02-25 | 住友大阪セメント株式会社 | コンクリート構造物の劣化検知方法 |
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