JP3136340B2 - 発光材料、その製造方法及びそれを用いた発光方法 - Google Patents
発光材料、その製造方法及びそれを用いた発光方法Info
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- JP3136340B2 JP3136340B2 JP11322246A JP32224699A JP3136340B2 JP 3136340 B2 JP3136340 B2 JP 3136340B2 JP 11322246 A JP11322246 A JP 11322246A JP 32224699 A JP32224699 A JP 32224699A JP 3136340 B2 JP3136340 B2 JP 3136340B2
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、機械的な外力を加
えて生じる変形によって発光する、これまでに知られて
いない新規な発光材料、その製造方法及びそれを用いた
発光方法に関するものである。
えて生じる変形によって発光する、これまでに知られて
いない新規な発光材料、その製造方法及びそれを用いた
発光方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、物質が外部からの刺激を与えられ
ることによって、低温度で可視域付近の光を発する現象
は、いわゆる蛍光現象としてよく知られている。このよ
うな蛍光現象を生じる物質、すなわち蛍光体は、蛍光ラ
ンプなどの照明灯や、CRT(Cathode Ray
Tube)いわゆるブラウン管などのディスプレイな
どとして用いられている。
ることによって、低温度で可視域付近の光を発する現象
は、いわゆる蛍光現象としてよく知られている。このよ
うな蛍光現象を生じる物質、すなわち蛍光体は、蛍光ラ
ンプなどの照明灯や、CRT(Cathode Ray
Tube)いわゆるブラウン管などのディスプレイな
どとして用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、摩擦力、せ
ん断力、衝撃力などの機械的な外力によりもたらされる
変形で発光する、これまで知られていたものとは全く異
なる種類の新規な発光材料を提供することを目的として
なされたものである。
ん断力、衝撃力などの機械的な外力によりもたらされる
変形で発光する、これまで知られていたものとは全く異
なる種類の新規な発光材料を提供することを目的として
なされたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、機械的変
形によって発光する新規な発光材料を開発すべく鋭意研
究を重ねた結果、特定の金属酸化物又は複合酸化物の母
体結晶中に、特定の性質を有する希土類金属イオンや遷
移金属イオンを発光中心の中心イオンとして含む物質
が、そのような性能を有することを見出し、この知見に
基づいて本発明を完成するに至った。
形によって発光する新規な発光材料を開発すべく鋭意研
究を重ねた結果、特定の金属酸化物又は複合酸化物の母
体結晶中に、特定の性質を有する希土類金属イオンや遷
移金属イオンを発光中心の中心イオンとして含む物質
が、そのような性能を有することを見出し、この知見に
基づいて本発明を完成するに至った。
【0005】すなわち、本発明は、(A)スピネル構造
のMgAl2O4及びCaAl2O 4、コランダム構造
のAl2O3、及びβ‐アルミナ構造のSrMgAl
10O 17の中から選ばれた少なくとも1種の金属酸化
物又は複合酸化物の母体結晶中に、(B)不安定な3
d、4d、5d又は4f電子殻を有し、この電子殻内で
輻射転移を生起しうる希土類金属イオン及び遷移金属イ
オンの中から選ばれた少なくとも1種の金属イオンを発
光中心の中心イオンとして含む物質からなる、機械的な
外力を加えて生じる変形により発光する発光材料、及び
この発光材料に機械的な外力を加えて変形を生じさせる
ことを特徴とする発光方法を提供するものである。ま
た、前記発光材料は、本発明に従えば、スピネル構造の
MgAl2O4及びCaAl2O4、コランダム構造の
Al2O3、及びβ‐アルミナ構造のSrMgAl10
O17の中から選ばれた少なくとも1種の金属酸化物又
は複合酸化物に対し、不安定な3d、4d、5d又は4
f電子殻を有し、この電子殻内で輻射転移を生起しうる
希土類金属及び遷移金属の中から選ばれた少なくとも1
種の金属の酸化物を、金属原子換算で0.02〜0.5
モル%の割合で添加し、不活性雰囲気中、900〜11
00℃の範囲の温度まで徐々に昇温させたのち、還元雰
囲気中、1200〜1500℃の範囲の温度で焼成する
ことにより製造することができる。
のMgAl2O4及びCaAl2O 4、コランダム構造
のAl2O3、及びβ‐アルミナ構造のSrMgAl
10O 17の中から選ばれた少なくとも1種の金属酸化
物又は複合酸化物の母体結晶中に、(B)不安定な3
d、4d、5d又は4f電子殻を有し、この電子殻内で
輻射転移を生起しうる希土類金属イオン及び遷移金属イ
オンの中から選ばれた少なくとも1種の金属イオンを発
光中心の中心イオンとして含む物質からなる、機械的な
外力を加えて生じる変形により発光する発光材料、及び
この発光材料に機械的な外力を加えて変形を生じさせる
ことを特徴とする発光方法を提供するものである。ま
た、前記発光材料は、本発明に従えば、スピネル構造の
MgAl2O4及びCaAl2O4、コランダム構造の
Al2O3、及びβ‐アルミナ構造のSrMgAl10
O17の中から選ばれた少なくとも1種の金属酸化物又
は複合酸化物に対し、不安定な3d、4d、5d又は4
f電子殻を有し、この電子殻内で輻射転移を生起しうる
希土類金属及び遷移金属の中から選ばれた少なくとも1
種の金属の酸化物を、金属原子換算で0.02〜0.5
モル%の割合で添加し、不活性雰囲気中、900〜11
00℃の範囲の温度まで徐々に昇温させたのち、還元雰
囲気中、1200〜1500℃の範囲の温度で焼成する
ことにより製造することができる。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の発光材料は、機械的な外
力を加えて変形を生じさせることによって発光する新規
な機能材料であって、特定の金属酸化物又は複合酸化物
の母体結晶中に、発光中心の中心イオンとして希土類金
属イオンや遷移金属イオンを含む物質からなるものであ
る。本発明においては、母体結晶として、また製造原料
として、スピネル構造のMgAl2O4及びCaAl2
O4、コランダム構造のAl2O3、及びβ‐アルミナ
構造のSrMgAl10O17の中から選ばれた少なく
とも1種の金属酸化物又は複合酸化物が用いられる。
力を加えて変形を生じさせることによって発光する新規
な機能材料であって、特定の金属酸化物又は複合酸化物
の母体結晶中に、発光中心の中心イオンとして希土類金
属イオンや遷移金属イオンを含む物質からなるものであ
る。本発明においては、母体結晶として、また製造原料
として、スピネル構造のMgAl2O4及びCaAl2
O4、コランダム構造のAl2O3、及びβ‐アルミナ
構造のSrMgAl10O17の中から選ばれた少なく
とも1種の金属酸化物又は複合酸化物が用いられる。
【0007】このような結晶構造を有する金属酸化物又
は複合酸化物は、高温でも組成が安定であり、発光強度
が他の結晶構造のものよりも高い。特に好ましいのは、
スピネル構造及びβ‐アルミナ構造のものである。
は複合酸化物は、高温でも組成が安定であり、発光強度
が他の結晶構造のものよりも高い。特に好ましいのは、
スピネル構造及びβ‐アルミナ構造のものである。
【0008】このような金属酸化物又は複合酸化物の母
体結晶中に、発光中心の中心イオンとして含有される希
土類金属イオンや遷移金属イオンは、発光強度を飛躍的
に向上させるためのものであり、本発明においては、こ
のような希土類金属イオンや遷移金属イオンとして、不
安定な3d、4d、5d又は4f電子殻を有し、この電
子殻内で輻射転移を生起しうるイオンが、母体結晶中に
導入される。これらの中で特に好適なのは、第一イオン
化エネルギーが8eV以下、特に6eV以下のものであ
る。
体結晶中に、発光中心の中心イオンとして含有される希
土類金属イオンや遷移金属イオンは、発光強度を飛躍的
に向上させるためのものであり、本発明においては、こ
のような希土類金属イオンや遷移金属イオンとして、不
安定な3d、4d、5d又は4f電子殻を有し、この電
子殻内で輻射転移を生起しうるイオンが、母体結晶中に
導入される。これらの中で特に好適なのは、第一イオン
化エネルギーが8eV以下、特に6eV以下のものであ
る。
【0009】不安定な3d電子殻を有する遷移金属イオ
ンの中で好ましいのは、V、Cr、Mn、Fe、Co、
Ni、Cu、Znなどであり、不安定な4d電子殻をも
つ遷移金属イオンの中で好ましいのは、Nb、Moであ
り、不安定な5d電子殻をもつ遷移金属イオンの中で好
ましいのは、Ta、Wである。他方、不安定な4f電子
殻をもつ希土類金属イオンの中で好ましいのは、Ce、
Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dyなど
である。本発明の製法に用いる遷移金属の酸化物や希土
類金属の酸化物における好ましい金属も、上記の好まし
い所定金属イオンにおける金属と全く同じものである。
ンの中で好ましいのは、V、Cr、Mn、Fe、Co、
Ni、Cu、Znなどであり、不安定な4d電子殻をも
つ遷移金属イオンの中で好ましいのは、Nb、Moであ
り、不安定な5d電子殻をもつ遷移金属イオンの中で好
ましいのは、Ta、Wである。他方、不安定な4f電子
殻をもつ希土類金属イオンの中で好ましいのは、Ce、
Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dyなど
である。本発明の製法に用いる遷移金属の酸化物や希土
類金属の酸化物における好ましい金属も、上記の好まし
い所定金属イオンにおける金属と全く同じものである。
【0010】これらの希土類金属イオンや遷移金属イオ
ンは、母体の金属酸化物又は複合酸化物の結晶構造など
に応じて1種又は2種以上を適宜選択し、発光中心の中
心イオンとして、母体結晶中に導入することができる。
本発明の発光材料においては、母体結晶と発光中心との
組み合せによって、その発光強度が変化するが、特にβ
‐アルミナ構造又はスピネル構造をもつ金属酸化物又は
複合酸化物を母体結晶とし、希土類金属イオンの中から
選ばれた少なくとも1種の金属イオンを発光中心とした
ものが高い発光強度を示す。
ンは、母体の金属酸化物又は複合酸化物の結晶構造など
に応じて1種又は2種以上を適宜選択し、発光中心の中
心イオンとして、母体結晶中に導入することができる。
本発明の発光材料においては、母体結晶と発光中心との
組み合せによって、その発光強度が変化するが、特にβ
‐アルミナ構造又はスピネル構造をもつ金属酸化物又は
複合酸化物を母体結晶とし、希土類金属イオンの中から
選ばれた少なくとも1種の金属イオンを発光中心とした
ものが高い発光強度を示す。
【0011】本発明の発光材料は、以下に示す方法によ
って、効率よく製造することができる。まず、スピネル
構造のMgAl2O4及びCaAl2O4、コランダム
構造のAl2O3、及びβ‐アルミナ構造のSrMgA
l10O17の中から選ばれた少なくとも1種の金属酸
化物又は複合酸化物の粉末に対し、不安定な3d、4
d、5d又は4f電子殻を有し、この電子殻内で輻射転
移を生起しうる前記の希土類金属及び遷移金属の中から
選ばれた少なくとも1種の金属の酸化物の粉末を、金属
原子換算で0.02〜0.5モル%の割合で添加し、十
分に混合する。この希土類金属や遷移金属の酸化物粉末
の添加量が上記範囲を逸脱すると十分な発光効率が得ら
れない。
って、効率よく製造することができる。まず、スピネル
構造のMgAl2O4及びCaAl2O4、コランダム
構造のAl2O3、及びβ‐アルミナ構造のSrMgA
l10O17の中から選ばれた少なくとも1種の金属酸
化物又は複合酸化物の粉末に対し、不安定な3d、4
d、5d又は4f電子殻を有し、この電子殻内で輻射転
移を生起しうる前記の希土類金属及び遷移金属の中から
選ばれた少なくとも1種の金属の酸化物の粉末を、金属
原子換算で0.02〜0.5モル%の割合で添加し、十
分に混合する。この希土類金属や遷移金属の酸化物粉末
の添加量が上記範囲を逸脱すると十分な発光効率が得ら
れない。
【0012】次に、この混合粉末を、窒素ガスやアルゴ
ンガス中、あるいは真空中などの不活性雰囲気中、90
0〜1100℃の範囲の温度まで徐々に昇温して仮焼す
る。次いで、この仮焼粉末を所望形状に加圧成形したの
ち、これを水素ガス中などの還元雰囲気中、1200〜
1500℃の範囲の温度にて、30〜300分間程度焼
成することにより、所望の発光材料が得られる。
ンガス中、あるいは真空中などの不活性雰囲気中、90
0〜1100℃の範囲の温度まで徐々に昇温して仮焼す
る。次いで、この仮焼粉末を所望形状に加圧成形したの
ち、これを水素ガス中などの還元雰囲気中、1200〜
1500℃の範囲の温度にて、30〜300分間程度焼
成することにより、所望の発光材料が得られる。
【0013】このようにして得られた発光材料の発光強
度は結晶性に強く依存し、酸化物の結晶性が高いほど発
光強度が高くなる傾向がある。したがって、結晶性を向
上させることにより、発光強度を向上させることが可能
である。また、この発光材料においては、母体の金属酸
化物又は複合酸化物と発光中心の中心イオンとの組合わ
せによって、様々な波長領域の発光が可能であり、肉眼
で波長領域の変化が確認できる。
度は結晶性に強く依存し、酸化物の結晶性が高いほど発
光強度が高くなる傾向がある。したがって、結晶性を向
上させることにより、発光強度を向上させることが可能
である。また、この発光材料においては、母体の金属酸
化物又は複合酸化物と発光中心の中心イオンとの組合わ
せによって、様々な波長領域の発光が可能であり、肉眼
で波長領域の変化が確認できる。
【0014】本発明の発光材料は、機械的な外力、例え
ば摩擦力、せん断力、衝撃力などを加えて変形すなわち
弾性変形又は塑性変形を生じさせることによって発光す
る。この発光は、機械的な外力によって結晶が変形する
とき、あるいは機械的な外力が除かれて復元するときに
生じる。その発光強度は、一般的に加える機械的な外力
が大きいほど高くなる傾向がある。したがって、発光強
度を測定することによって、発光材料に加えられている
機械的な作用力を知ることができる。これによって、発
光材料にかかる応力状態を無接触で検出が可能となり、
広い分野での応用が期待できる。
ば摩擦力、せん断力、衝撃力などを加えて変形すなわち
弾性変形又は塑性変形を生じさせることによって発光す
る。この発光は、機械的な外力によって結晶が変形する
とき、あるいは機械的な外力が除かれて復元するときに
生じる。その発光強度は、一般的に加える機械的な外力
が大きいほど高くなる傾向がある。したがって、発光強
度を測定することによって、発光材料に加えられている
機械的な作用力を知ることができる。これによって、発
光材料にかかる応力状態を無接触で検出が可能となり、
広い分野での応用が期待できる。
【0015】
【実施例】次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説
明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定さ
れるものではない。
明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定さ
れるものではない。
【0016】実施例1 代表的なスピネル構造の酸化物である高純度のMgAl
2O4粉末に、各割合の高純度CeO2粉末を十分によ
く混合したのち、真空中で1000℃まで60分間かけ
て徐々に昇温して仮焼した。この段階では、MgAl2
O4中に、発光中心となるセリウムイオンが生成する。
次いで、この仮焼粉末を加圧成形し、還元雰囲気中(水
素ガス雰囲気中)にて、1300℃で120分間焼成し
た。この高温焼成により、セリウムイオンはMgAl2
O4の結晶構造に導入される。このようにして得られた
各発光材料について、同一励起条件下での発光強度を測
定し、比較を行った。図1に、セリウムイオン添加量と
発光強度との関係を、半対数座標にてグラフで示す。な
お、発光強度は、発光材料表面を直径1mmの半球状の
ステンレス棒で、荷重200g、速度4m/分の条件で
摩擦することにより、発光させて測定した。図1から分
かるように、セリウムイオン添加量が0.05モル%の
場合、発光強度は220cpsであり、最も高い発光強
度を示している。この発光は肉眼でも観察でき、白色で
あった。なお、セリウムイオンを添加していないMgA
l2O4の発光強度は40cps程度であった。
2O4粉末に、各割合の高純度CeO2粉末を十分によ
く混合したのち、真空中で1000℃まで60分間かけ
て徐々に昇温して仮焼した。この段階では、MgAl2
O4中に、発光中心となるセリウムイオンが生成する。
次いで、この仮焼粉末を加圧成形し、還元雰囲気中(水
素ガス雰囲気中)にて、1300℃で120分間焼成し
た。この高温焼成により、セリウムイオンはMgAl2
O4の結晶構造に導入される。このようにして得られた
各発光材料について、同一励起条件下での発光強度を測
定し、比較を行った。図1に、セリウムイオン添加量と
発光強度との関係を、半対数座標にてグラフで示す。な
お、発光強度は、発光材料表面を直径1mmの半球状の
ステンレス棒で、荷重200g、速度4m/分の条件で
摩擦することにより、発光させて測定した。図1から分
かるように、セリウムイオン添加量が0.05モル%の
場合、発光強度は220cpsであり、最も高い発光強
度を示している。この発光は肉眼でも観察でき、白色で
あった。なお、セリウムイオンを添加していないMgA
l2O4の発光強度は40cps程度であった。
【0017】実施例2〜5 実施例1と同様にして、MgAl2O4にEuイオン
(実施例2)、Mnイオン(実施例3)、Cuイオン
(実施例4)を、それぞれ0.05モル%含有させた発
光材料、及びEuイオン0.05モル%とTbイオン
0.05モル%を含有させた発光材料(実施例5)を製
造し、発光強度を測定した。その結果を実施例1(Ce
イオン0.05モル%添加したもの)と共に表1に示
す。
(実施例2)、Mnイオン(実施例3)、Cuイオン
(実施例4)を、それぞれ0.05モル%含有させた発
光材料、及びEuイオン0.05モル%とTbイオン
0.05モル%を含有させた発光材料(実施例5)を製
造し、発光強度を測定した。その結果を実施例1(Ce
イオン0.05モル%添加したもの)と共に表1に示
す。
【0018】
【表1】
【0019】表1から、MgAl2O4にCeイオンを
添加したものが最も高い発光強度を示すことが分かる。
添加したものが最も高い発光強度を示すことが分かる。
【0020】実施例6 実施例1と同様にして、スピネル構造の酸化物であるC
aAl2O4にCeイオン0.05モル%を含有させた
発光材料を製造し、発光強度を測定したところ、発光強
度は180cpsであった。従来知られている酸化物発
光体の発光強度は5cps以下であり、従来のものより
かなり高い発光強度を有することが分かった。
aAl2O4にCeイオン0.05モル%を含有させた
発光材料を製造し、発光強度を測定したところ、発光強
度は180cpsであった。従来知られている酸化物発
光体の発光強度は5cps以下であり、従来のものより
かなり高い発光強度を有することが分かった。
【0021】実施例7 実施例1と同様にして、コランダム構造の酸化物である
Al2O3に、Ceイオン0.05モル%を含有させた
発光材料を製造し、発光強度を測定したところ、24c
psであり、従来知られている発光体よりも発光強度が
高いことが分かった。
Al2O3に、Ceイオン0.05モル%を含有させた
発光材料を製造し、発光強度を測定したところ、24c
psであり、従来知られている発光体よりも発光強度が
高いことが分かった。
【0022】実施例8 実施例1と同様にして、β‐アルミナ構造の酸化物であ
るSrMgAl10O 17に、Euイオン0.5モル%
を含有させた発光材料を製造し、発光強度を測定したと
ころ、8000cpsと極めて高かった。
るSrMgAl10O 17に、Euイオン0.5モル%
を含有させた発光材料を製造し、発光強度を測定したと
ころ、8000cpsと極めて高かった。
【0023】
【発明の効果】本発明の発光材料は、特定の結晶構造の
金属酸化物の母体結晶中に、発光中心の中心イオンとし
て、希土類金属イオンや遷移金属イオンを含有するもの
であって、機械的な外力を加えて変形を生じさせること
により発光する、これまで知られていない新規な機能材
料である。本発明の発光材料は、例えば機械的な作用を
光に変化させる新しい非接触コントローラー、種々の制
御プロセスなど、広い応用が期待できる。また、この発
光材料は高温での安定性に優れており、高温での応用も
期待できる。
金属酸化物の母体結晶中に、発光中心の中心イオンとし
て、希土類金属イオンや遷移金属イオンを含有するもの
であって、機械的な外力を加えて変形を生じさせること
により発光する、これまで知られていない新規な機能材
料である。本発明の発光材料は、例えば機械的な作用を
光に変化させる新しい非接触コントローラー、種々の制
御プロセスなど、広い応用が期待できる。また、この発
光材料は高温での安定性に優れており、高温での応用も
期待できる。
【図1】 MgAl2O4に発光中心の中心イオンとし
てCeイオンを添加してなる発光材料における、Ceイ
オン添加量と発光強度との関係を示すグラフ。
てCeイオンを添加してなる発光材料における、Ceイ
オン添加量と発光強度との関係を示すグラフ。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭48−46582(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09K 11/08 C09K 11/64 CPM G01N 21/70
Claims (7)
- 【請求項1】 (A)スピネル構造のMgAl2O4及
びCaAl2O4、コランダム構造のAl2O3、及び
β‐アルミナ構造のSrMgAl10O17の中から選
ばれた少なくとも1種の金属酸化物又は複合酸化物の母
体結晶中に、(B)不安定な3d、4d、5d又は4f
電子殻を有し、この電子殻内で輻射転移を生起しうる希
土類金属イオン及び遷移金属イオンの中から選ばれた少
なくとも1種の金属イオンを発光中心の中心イオンとし
て含む物質からなる、機械的な外力を加えて生じる変形
により発光する発光材料。 - 【請求項2】 発光中心の中心イオンがCe、Pr、N
d、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb及びDyの中から選
ばれた希土類金属イオンである請求項1記載の発光材
料。 - 【請求項3】 発光中心の中心イオンがV、Cr、M
n、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Nb、Mo、Ta
及びWの中から選ばれた遷移金属イオンである請求項1
又は2記載の発光材料。 - 【請求項4】 スピネル構造のMgAl2O4及びCa
Al2O4、コランダム構造のAl2O3、及びβ‐ア
ルミナ構造のSrMgAl10O17の中から選ばれた
少なくとも1種の金属酸化物又は複合酸化物に対し、不
安定な3d、4d、5d又は4f電子殻を有し、この電
子殻内で輻射転移を生起しうる希土類金属及び遷移金属
の中から選ばれた少なくとも1種の金属の酸化物を、金
属原子換算で0.02〜0.5モル%の割合で添加し、
不活性雰囲気中、900〜1100℃の範囲の温度まで
徐々に昇温させたのち、還元雰囲気中、1200〜15
00℃の範囲の温度で焼成することを特徴とする、機械
的な外力を加えて生じる変形により発光する発光材料の
製造方法。 - 【請求項5】 希土類金属が、Ce、Pr、Nd、P
m、Sm、Eu、Gd、Tb及びDyの中から選ばれた
ものである請求項4記載の発光材料の製造方法。 - 【請求項6】 遷移金属が、V、Cr、Mn、Fe、C
o、Ni、Cu、Zn、Nb、Mo、Ta及びWの中か
ら選ばれたものである請求項4又は5記載の発光材料の
製造方法。 - 【請求項7】 (A)スピネル構造のMgAl2O4及
びCaAl2O4、コランダム構造のAl2O3、及び
β‐アルミナ構造のSrMgAl10O17の中から選
ばれた少なくとも1種の金属酸化物又は複合酸化物の母
体結晶中に、(B)不安定な3d、4d、5d又は4f
電子殻を有し、この電子殻内で輻射転移を生起しうる希
土類金属イオン及び遷移金属イオンの中から選ばれた少
なくとも1種の金属イオンを発光中心の中心イオンとし
て含む物質からなる発光材料に機械的な外力を加えて変
形を生じさせることを特徴とする発光方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11322246A JP3136340B2 (ja) | 1997-11-28 | 1999-11-12 | 発光材料、その製造方法及びそれを用いた発光方法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9-341894 | 1997-11-28 | ||
JP34189497 | 1997-11-28 | ||
JP11322246A JP3136340B2 (ja) | 1997-11-28 | 1999-11-12 | 発光材料、その製造方法及びそれを用いた発光方法 |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10352161A Division JP3136338B2 (ja) | 1997-11-28 | 1998-11-27 | 発光材料、その製造方法及びそれを用いた発光方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000119647A JP2000119647A (ja) | 2000-04-25 |
JP3136340B2 true JP3136340B2 (ja) | 2001-02-19 |
Family
ID=26570742
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP11322246A Expired - Lifetime JP3136340B2 (ja) | 1997-11-28 | 1999-11-12 | 発光材料、その製造方法及びそれを用いた発光方法 |
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