JP3132781B2 - ビタミンa酸の製造方法 - Google Patents
ビタミンa酸の製造方法Info
- Publication number
- JP3132781B2 JP3132781B2 JP04101863A JP10186392A JP3132781B2 JP 3132781 B2 JP3132781 B2 JP 3132781B2 JP 04101863 A JP04101863 A JP 04101863A JP 10186392 A JP10186392 A JP 10186392A JP 3132781 B2 JP3132781 B2 JP 3132781B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- vitamin
- acid
- aldehyde
- reaction
- alkali metal
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Classifications
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C07—ORGANIC CHEMISTRY
- C07C—ACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
- C07C403/00—Derivatives of cyclohexane or of a cyclohexene or of cyclohexadiene, having a side-chain containing an acyclic unsaturated part of at least four carbon atoms, this part being directly attached to the cyclohexane or cyclohexene or cyclohexadiene rings, e.g. vitamin A, beta-carotene, beta-ionone
- C07C403/14—Derivatives of cyclohexane or of a cyclohexene or of cyclohexadiene, having a side-chain containing an acyclic unsaturated part of at least four carbon atoms, this part being directly attached to the cyclohexane or cyclohexene or cyclohexadiene rings, e.g. vitamin A, beta-carotene, beta-ionone having side-chains substituted by doubly-bound oxygen atoms
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C07—ORGANIC CHEMISTRY
- C07C—ACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
- C07C403/00—Derivatives of cyclohexane or of a cyclohexene or of cyclohexadiene, having a side-chain containing an acyclic unsaturated part of at least four carbon atoms, this part being directly attached to the cyclohexane or cyclohexene or cyclohexadiene rings, e.g. vitamin A, beta-carotene, beta-ionone
- C07C403/20—Derivatives of cyclohexane or of a cyclohexene or of cyclohexadiene, having a side-chain containing an acyclic unsaturated part of at least four carbon atoms, this part being directly attached to the cyclohexane or cyclohexene or cyclohexadiene rings, e.g. vitamin A, beta-carotene, beta-ionone having side-chains substituted by carboxyl groups or halides, anhydrides, or (thio)esters thereof
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C07—ORGANIC CHEMISTRY
- C07C—ACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
- C07C2601/00—Systems containing only non-condensed rings
- C07C2601/12—Systems containing only non-condensed rings with a six-membered ring
- C07C2601/16—Systems containing only non-condensed rings with a six-membered ring the ring being unsaturated
Landscapes
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
- Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ビタミンAアルデヒド
からビタミンA酸を製造する方法に関する。ビタミンA
酸は、近年、例えばビタミンA欠乏に起因する様々な疾
病、障害を回復させる作用があることが知られており、
ビタミンA欠乏やそれに類似した症状に対してビタミン
A酸やその誘導体が治療薬になる可能性を示唆されるな
ど、その有用性が注目されている。
からビタミンA酸を製造する方法に関する。ビタミンA
酸は、近年、例えばビタミンA欠乏に起因する様々な疾
病、障害を回復させる作用があることが知られており、
ビタミンA欠乏やそれに類似した症状に対してビタミン
A酸やその誘導体が治療薬になる可能性を示唆されるな
ど、その有用性が注目されている。
【0002】
【従来の技術】従来、ビタミンA酸を製造する方法は多
数知られている(例えば、The Retinoids
Volume 1、Michael B.S.、e
t.al.、Academic Press)。これら
の製造法のうち、最も短い工程で生産可能な製造法は、
現在工業的に大量生産されており、入手が容易なビタミ
ンAアセテートを出発原料とし、ビタミンAを経由して
製造できるビタミンAアルデヒドを酸化する方法であ
る。ビタミンAはビタミンAアセテートを通常のアルカ
リ条件下で加水分解反応することによって容易に得られ
る。また、ビタミンAからビタミンAアルデヒドを製造
する方法としては第三級アルデヒドを用いるOppen
auer酸化法が知られている(特開平3−20607
6号公報参照)。さらに、このビタミンAアルデヒドも
しくはその類似体をビタミンA酸構造へ変換する方法と
しては、二酸化マンガン、二酸化マンガンと青酸ナトリ
ウムとの組み合わせ、もしくは酸化銀などを用いて酸化
反応に付する方法が知られている(例えば、Kanek
o,R.、et.al.,、Chem.Ind.(Lo
ndon)1971,(36),1016、Baru
a,R.K.,、Curr.Sci.37,364(1
968))。しかしながら、これらのビタミンA酸の製
造法はマンガンや銀などの高価で有毒な重金属化合物を
大量に使用するため、工業的にはほとんど利用されてい
ないのが現状である。
数知られている(例えば、The Retinoids
Volume 1、Michael B.S.、e
t.al.、Academic Press)。これら
の製造法のうち、最も短い工程で生産可能な製造法は、
現在工業的に大量生産されており、入手が容易なビタミ
ンAアセテートを出発原料とし、ビタミンAを経由して
製造できるビタミンAアルデヒドを酸化する方法であ
る。ビタミンAはビタミンAアセテートを通常のアルカ
リ条件下で加水分解反応することによって容易に得られ
る。また、ビタミンAからビタミンAアルデヒドを製造
する方法としては第三級アルデヒドを用いるOppen
auer酸化法が知られている(特開平3−20607
6号公報参照)。さらに、このビタミンAアルデヒドも
しくはその類似体をビタミンA酸構造へ変換する方法と
しては、二酸化マンガン、二酸化マンガンと青酸ナトリ
ウムとの組み合わせ、もしくは酸化銀などを用いて酸化
反応に付する方法が知られている(例えば、Kanek
o,R.、et.al.,、Chem.Ind.(Lo
ndon)1971,(36),1016、Baru
a,R.K.,、Curr.Sci.37,364(1
968))。しかしながら、これらのビタミンA酸の製
造法はマンガンや銀などの高価で有毒な重金属化合物を
大量に使用するため、工業的にはほとんど利用されてい
ないのが現状である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかして本発明の目的
は、工業的に大量生産されているビタミンAアセテート
から容易に誘導できるビタミンAアルデヒドを原料と
し、マンガンや銀などの高価で有毒な重金属化合物を使
用することなく、一工程で、安価にかつ高収率でビタミ
ンA酸を製造する方法を提供することにある。
は、工業的に大量生産されているビタミンAアセテート
から容易に誘導できるビタミンAアルデヒドを原料と
し、マンガンや銀などの高価で有毒な重金属化合物を使
用することなく、一工程で、安価にかつ高収率でビタミ
ンA酸を製造する方法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、上述し
た目的は、ビタミンAアルデヒド、不飽和化合物および
亜塩素酸アルカリ金属塩の混合物に酸性物質を添加する
ことによりビタミンAアルデヒドを酸化することからな
るビタミンA酸の製造方法を提供することにより達成さ
れる。
た目的は、ビタミンAアルデヒド、不飽和化合物および
亜塩素酸アルカリ金属塩の混合物に酸性物質を添加する
ことによりビタミンAアルデヒドを酸化することからな
るビタミンA酸の製造方法を提供することにより達成さ
れる。
【0005】本発明では酸化剤として亜塩素酸アルカリ
金属塩が使用される。アルカリ金属の種類としてはナト
リウム、カリウムなどが使用される。具体的には、亜塩
素酸アルカリ金属塩は、市販されている亜塩素酸ナトリ
ウムあるいは亜塩素酸カリウムなどの粉末状のもの、あ
るいは水溶液状のものが使用できる。水溶液状の亜塩素
酸アルカリ金属塩はそのまま使用することもできるが、
一般的にはこれらを水に溶解したのち、あるいは水で希
釈したのち反応に使用される。亜塩素酸アルカリ金属塩
の水溶液濃度は、0.1重量%〜50重量%の範囲で使
用することができるが、15重量%〜30重量%の濃度
範囲での使用が望ましい。また、使用量はビタミンAア
ルデヒドに対して等モル量以上、好ましくは等モル量〜
1.8倍モル量の範囲で使用される。
金属塩が使用される。アルカリ金属の種類としてはナト
リウム、カリウムなどが使用される。具体的には、亜塩
素酸アルカリ金属塩は、市販されている亜塩素酸ナトリ
ウムあるいは亜塩素酸カリウムなどの粉末状のもの、あ
るいは水溶液状のものが使用できる。水溶液状の亜塩素
酸アルカリ金属塩はそのまま使用することもできるが、
一般的にはこれらを水に溶解したのち、あるいは水で希
釈したのち反応に使用される。亜塩素酸アルカリ金属塩
の水溶液濃度は、0.1重量%〜50重量%の範囲で使
用することができるが、15重量%〜30重量%の濃度
範囲での使用が望ましい。また、使用量はビタミンAア
ルデヒドに対して等モル量以上、好ましくは等モル量〜
1.8倍モル量の範囲で使用される。
【0006】本発明では亜塩素酸アルカリ金属塩の他に
酸性物質が使用される。酸性物質としては、塩酸、硫
酸、燐酸などの無機酸;リン酸二水素ナトリウム、リン
酸二水素カリウムなどのいわゆる酸性の無機塩;酢酸、
プロピオン酸などの有機酸が使用される。特に、本発明
においては燐酸の使用が好ましい。これらの酸はそのま
まあるいは水溶液の状態で使用される。使用する酸性物
質の量は亜塩素酸アルカリ金属塩1モルに対して1グラ
ム当量以上、好ましくは1〜6グラム当量使用される。
これらの酸性物質はビタミンAアルデヒドと亜塩素酸ア
ルカリ金属塩の水溶液を含む混合物中に添加される。添
加に伴って反応熱が発生するので所定の反応温度を維持
できるように徐々に滴下することが肝要である。
酸性物質が使用される。酸性物質としては、塩酸、硫
酸、燐酸などの無機酸;リン酸二水素ナトリウム、リン
酸二水素カリウムなどのいわゆる酸性の無機塩;酢酸、
プロピオン酸などの有機酸が使用される。特に、本発明
においては燐酸の使用が好ましい。これらの酸はそのま
まあるいは水溶液の状態で使用される。使用する酸性物
質の量は亜塩素酸アルカリ金属塩1モルに対して1グラ
ム当量以上、好ましくは1〜6グラム当量使用される。
これらの酸性物質はビタミンAアルデヒドと亜塩素酸ア
ルカリ金属塩の水溶液を含む混合物中に添加される。添
加に伴って反応熱が発生するので所定の反応温度を維持
できるように徐々に滴下することが肝要である。
【0007】反応は、0℃から100℃の温度範囲で行
われる。原料のビタミンAアルデヒド及び生成物である
ビタミンA酸の安定性などを考慮すると、0℃から20
℃の温度範囲で反応を行うのが好ましい。
われる。原料のビタミンAアルデヒド及び生成物である
ビタミンA酸の安定性などを考慮すると、0℃から20
℃の温度範囲で反応を行うのが好ましい。
【0008】反応時間は採用する反応条件によっても変
化するが、通常、3時間以内で反応は完遂する。
化するが、通常、3時間以内で反応は完遂する。
【0009】また本発明では、上述した亜塩素酸アルカ
リ金属塩と酸性物質の他に炭素数が3以上、特に炭素数
3〜10程度の二重結合を一ケ以上持った不飽和化合物
の使用が推奨される。不飽和化合物の具体的な例として
は、プロペン、1−ブテン、2−ブテン、イソブテン、
3−メチル−1−ブテン、2−メチル−2−ブテン、イ
ソプレン、1−ヘキセン、2−ヘキセン、2,6−ジメ
チル−2,6−オクタジエン、ミルセンなどが挙げられ
る。これら不飽和化合物の使用量は特に限定されること
はないが、原料のビタミンAアルデヒドに対して、0.
1倍重量〜100倍重量の範囲で使用される。経済性な
どを考慮すると、3倍重量〜6倍重量の範囲で使用する
のが実際的である。特に、2−メチル−2−ブテンは安
価であり、沸点が取扱いの容易な温度領域に属している
ので、不飽和化合物として好ましく用いられる。
リ金属塩と酸性物質の他に炭素数が3以上、特に炭素数
3〜10程度の二重結合を一ケ以上持った不飽和化合物
の使用が推奨される。不飽和化合物の具体的な例として
は、プロペン、1−ブテン、2−ブテン、イソブテン、
3−メチル−1−ブテン、2−メチル−2−ブテン、イ
ソプレン、1−ヘキセン、2−ヘキセン、2,6−ジメ
チル−2,6−オクタジエン、ミルセンなどが挙げられ
る。これら不飽和化合物の使用量は特に限定されること
はないが、原料のビタミンAアルデヒドに対して、0.
1倍重量〜100倍重量の範囲で使用される。経済性な
どを考慮すると、3倍重量〜6倍重量の範囲で使用する
のが実際的である。特に、2−メチル−2−ブテンは安
価であり、沸点が取扱いの容易な温度領域に属している
ので、不飽和化合物として好ましく用いられる。
【0010】なお、本発明では原料のビタミンAアルデ
ヒドを溶解させるために有機溶媒が使用される。有機溶
媒としては、ジオキサン、テトラヒドロフラン、エチル
エーテル、イソプロピルエーテルなどの環状もしくは鎖
状のエーテル;トルエン、ヘキサン、ヘプタンなどの芳
香族もしくは脂肪族炭化水素;塩化メチレン、クロロホ
ルム、ジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素;など
ビタミンAアルデヒドを溶解することができ、かつ反応
を阻害しない溶媒を使用することができる。なかでもジ
オキサンの使用が良い結果を与える。使用量はビタミン
Aアルデヒドに対して0.1倍容量以上、好ましくは
0.5〜5倍容量の範囲である。
ヒドを溶解させるために有機溶媒が使用される。有機溶
媒としては、ジオキサン、テトラヒドロフラン、エチル
エーテル、イソプロピルエーテルなどの環状もしくは鎖
状のエーテル;トルエン、ヘキサン、ヘプタンなどの芳
香族もしくは脂肪族炭化水素;塩化メチレン、クロロホ
ルム、ジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素;など
ビタミンAアルデヒドを溶解することができ、かつ反応
を阻害しない溶媒を使用することができる。なかでもジ
オキサンの使用が良い結果を与える。使用量はビタミン
Aアルデヒドに対して0.1倍容量以上、好ましくは
0.5〜5倍容量の範囲である。
【0011】原料のビタミンAアルデヒドおよび生成物
のビタミンA酸の安定性の面から、反応及び抽出作業な
どは必要以上に光に曝すことなく、また窒素、ヘリウム
あるいはアルゴンなどの不活性ガス雰囲気下で行うこと
が望ましい。
のビタミンA酸の安定性の面から、反応及び抽出作業な
どは必要以上に光に曝すことなく、また窒素、ヘリウム
あるいはアルゴンなどの不活性ガス雰囲気下で行うこと
が望ましい。
【0012】上記の方法で目的の酸化反応は実施される
が、反応の終点である原料のビタミンAアルデヒドの消
失は薄層クロマトグラフィーもしくは液体クロマトグラ
フィーで簡便に確認できる。
が、反応の終点である原料のビタミンAアルデヒドの消
失は薄層クロマトグラフィーもしくは液体クロマトグラ
フィーで簡便に確認できる。
【0013】反応の後処理はトルエン、酢酸エチル、塩
化メチレンなどの抽出溶媒でビタミンA酸を抽出するこ
とによって行われる。抽出した有機層は水洗した後、減
圧下で溶媒を除去し、その残留物としてビタミンA酸を
単離することができる。また、ジオキサンなどを反応溶
媒とした場合には、反応後に析出したビタミンA酸をそ
のままろ過して取り出すことができる。このようにして
得られた粗なビタミンA酸は、水酸化カリウムなどのア
ルカリ条件下で溶解処理したのち、再度、硫酸などの酸
を加えて晶出させることによって不純物を除くことがで
きる。さらにエタノール溶媒などで晶析すること、ある
いはシリカゲルクロマトグラフィーで精製することによ
って高純度なビタミンA酸を得ることができる。
化メチレンなどの抽出溶媒でビタミンA酸を抽出するこ
とによって行われる。抽出した有機層は水洗した後、減
圧下で溶媒を除去し、その残留物としてビタミンA酸を
単離することができる。また、ジオキサンなどを反応溶
媒とした場合には、反応後に析出したビタミンA酸をそ
のままろ過して取り出すことができる。このようにして
得られた粗なビタミンA酸は、水酸化カリウムなどのア
ルカリ条件下で溶解処理したのち、再度、硫酸などの酸
を加えて晶出させることによって不純物を除くことがで
きる。さらにエタノール溶媒などで晶析すること、ある
いはシリカゲルクロマトグラフィーで精製することによ
って高純度なビタミンA酸を得ることができる。
【0014】なお、本発明の原料となるビタミンAアル
デヒドは、前記したようにビタミンAアセテートを加水
分解して得られるビタミンAと、トリルメチルアセトア
ルデヒドあるいは2,2−ジメチル−4−ペンテナール
などの第三級アルデヒドを触媒量のアルミニウムアルコ
キシドの存在下で反応させて製造することができる(特
開平3−206076号公報参照)。この方法によって
製造されたビタミンAアルデヒドは、特に精製すること
なく、もしくは必要により晶析などで精製したのち本発
明の原料として使用できる。
デヒドは、前記したようにビタミンAアセテートを加水
分解して得られるビタミンAと、トリルメチルアセトア
ルデヒドあるいは2,2−ジメチル−4−ペンテナール
などの第三級アルデヒドを触媒量のアルミニウムアルコ
キシドの存在下で反応させて製造することができる(特
開平3−206076号公報参照)。この方法によって
製造されたビタミンAアルデヒドは、特に精製すること
なく、もしくは必要により晶析などで精製したのち本発
明の原料として使用できる。
【0015】本発明によりビタミンAアルデヒドから容
易にビタミンA酸が製造できる。
易にビタミンA酸が製造できる。
【0016】以下、実施例により本発明を説明するが、
本発明はこれらの実施例により限定されるものではな
い。
本発明はこれらの実施例により限定されるものではな
い。
【0017】
実施例1 ビタミンA酸(全トランス体)の合成 窒素ガス雰囲気下、1リットルの三つ口フラスコにビタ
ミンAアルデヒド54.9g(69.1%純度、13
3.6mmol、全トランス体比率98.5%)、2−メチ
ル−2−ブテン250g、ジオキサン100ml及び25
%亜塩素酸ナトリウム水溶液53.2gを取り、激しく
機械撹拌した。次いでこの中に内温を5℃に保ちなが
ら、8.5%燐酸水溶液170gを1.5時間かけて滴
下した。滴下終了後、さらに5℃で40分間激しい撹拌
を続けた。原料のビタミンAアルデヒドの消失を薄層ク
ロマトグラフィーで確認後、析出した黄色の固形物をガ
ラスフィルターでろ過し、さらに数回水で洗浄した。次
ぎにこの黄色の固形物を500mlのフラスコに取り、さ
らに5%の水酸化カリウム水溶液200mlとエタノール
100mlを加えたのち、1.5時間加熱還流した。冷却
後、反応液を1リットルの分液ロートに移し、ヘキサン
200mlを加えてよく振った。下層部を分液し、10%
の硫酸水溶液で酸性とした。析出した黄色の沈殿をイソ
プロピルエーテル500mlで抽出し、下層が中性になる
まで水洗した。イソプロピルエーテルを減圧下に留去
し、黄色の残留物にエタノール400mlを加えて加熱し
た。完全に溶解したことを確認後、撹拌しながら内温0
℃まで徐々に冷却した。析出したビタミンA酸の結晶を
ガラスフィルターでろ過し、次いで冷エタノールで洗浄
した。この結晶を減圧下に乾燥し、純度99%以上のビ
タミンA酸22.3gを得た。反応収率55.9%。こ
のビタミンA酸の全トランス体比率は99.5%であっ
た。 実施例2 ビタミンA酸(13−シス体)の合成 窒素ガス雰囲気下、200mlの三つ口フラスコにビタミ
ンAアルデヒド8.86g(80.1%純度、25mmo
l、13−シス体比率92%)、2−メチル−2−ブテ
ン50g、ジオキサン20ml及び25%亜塩素酸ナトリ
ウム水溶液10gを取り、激しく機械撹拌した。次いで
この中に内温を5℃に保ちながら、8.5%燐酸水溶液
32gを15分かけて滴下し、さらに5℃で40分間激
しく撹拌を続けた。反応の確認及び後処理は実施例1と
同様な方法で行い、純度99%以上のビタミンA酸3.
46gを得た。反応収率46%。このビタミンA酸の1
3−シス体比率は95%であった。 参考例 ビタミンAアセテートからのビタミンAアルデ
ヒドの合成 窒素ガス雰囲気下、500mlの三つ口フラスコにメタノ
ール205g、ビタミンAアセテート50.2g(98
%純度、150mmol、全トランス体比率98.6%)お
よび50%水酸化ナトリウム水溶液24gを取り、室温
下で1時間機械撹拌した。内容物を1リットルの分液ロ
ートに移し、さらにヘキサン150ml及び水200gを
加えてよく振り、分液した。有機層を数回水洗したの
ち、ヘキサンを減圧下で留去させることにより、粗なビ
タミンA47.06gを得た。
ミンAアルデヒド54.9g(69.1%純度、13
3.6mmol、全トランス体比率98.5%)、2−メチ
ル−2−ブテン250g、ジオキサン100ml及び25
%亜塩素酸ナトリウム水溶液53.2gを取り、激しく
機械撹拌した。次いでこの中に内温を5℃に保ちなが
ら、8.5%燐酸水溶液170gを1.5時間かけて滴
下した。滴下終了後、さらに5℃で40分間激しい撹拌
を続けた。原料のビタミンAアルデヒドの消失を薄層ク
ロマトグラフィーで確認後、析出した黄色の固形物をガ
ラスフィルターでろ過し、さらに数回水で洗浄した。次
ぎにこの黄色の固形物を500mlのフラスコに取り、さ
らに5%の水酸化カリウム水溶液200mlとエタノール
100mlを加えたのち、1.5時間加熱還流した。冷却
後、反応液を1リットルの分液ロートに移し、ヘキサン
200mlを加えてよく振った。下層部を分液し、10%
の硫酸水溶液で酸性とした。析出した黄色の沈殿をイソ
プロピルエーテル500mlで抽出し、下層が中性になる
まで水洗した。イソプロピルエーテルを減圧下に留去
し、黄色の残留物にエタノール400mlを加えて加熱し
た。完全に溶解したことを確認後、撹拌しながら内温0
℃まで徐々に冷却した。析出したビタミンA酸の結晶を
ガラスフィルターでろ過し、次いで冷エタノールで洗浄
した。この結晶を減圧下に乾燥し、純度99%以上のビ
タミンA酸22.3gを得た。反応収率55.9%。こ
のビタミンA酸の全トランス体比率は99.5%であっ
た。 実施例2 ビタミンA酸(13−シス体)の合成 窒素ガス雰囲気下、200mlの三つ口フラスコにビタミ
ンAアルデヒド8.86g(80.1%純度、25mmo
l、13−シス体比率92%)、2−メチル−2−ブテ
ン50g、ジオキサン20ml及び25%亜塩素酸ナトリ
ウム水溶液10gを取り、激しく機械撹拌した。次いで
この中に内温を5℃に保ちながら、8.5%燐酸水溶液
32gを15分かけて滴下し、さらに5℃で40分間激
しく撹拌を続けた。反応の確認及び後処理は実施例1と
同様な方法で行い、純度99%以上のビタミンA酸3.
46gを得た。反応収率46%。このビタミンA酸の1
3−シス体比率は95%であった。 参考例 ビタミンAアセテートからのビタミンAアルデ
ヒドの合成 窒素ガス雰囲気下、500mlの三つ口フラスコにメタノ
ール205g、ビタミンAアセテート50.2g(98
%純度、150mmol、全トランス体比率98.6%)お
よび50%水酸化ナトリウム水溶液24gを取り、室温
下で1時間機械撹拌した。内容物を1リットルの分液ロ
ートに移し、さらにヘキサン150ml及び水200gを
加えてよく振り、分液した。有機層を数回水洗したの
ち、ヘキサンを減圧下で留去させることにより、粗なビ
タミンA47.06gを得た。
【0018】次いでこのものを窒素ガス雰囲気下、20
0mlの三つ口フラスコに取り、さらにトリメチルアセト
アルデヒド26g(300mmol)を加えた。続いてこの
中にアルミニウムイソプロポキシド1.16gを加えて
45〜50℃で50分間機械撹拌した。水1mlを加えて
反応を停止したのち、さらにヘキサン100mlを加え
た。この反応終了混合物からヘキサン、トリメチルアセ
トアルデヒドなどの低沸点化合物を減圧条件下で留去さ
せることにより、純度69.1%のビタミンAアルデヒ
ド54.9gを得た。反応収率89.7%。このビタミ
ンAアルデヒドの全トランス体比率は98.5%であっ
た。
0mlの三つ口フラスコに取り、さらにトリメチルアセト
アルデヒド26g(300mmol)を加えた。続いてこの
中にアルミニウムイソプロポキシド1.16gを加えて
45〜50℃で50分間機械撹拌した。水1mlを加えて
反応を停止したのち、さらにヘキサン100mlを加え
た。この反応終了混合物からヘキサン、トリメチルアセ
トアルデヒドなどの低沸点化合物を減圧条件下で留去さ
せることにより、純度69.1%のビタミンAアルデヒ
ド54.9gを得た。反応収率89.7%。このビタミ
ンAアルデヒドの全トランス体比率は98.5%であっ
た。
【0019】このビタミンAアルデヒドはそのまま実施
例1の原料として使用した。
例1の原料として使用した。
【0020】
【発明の効果】本発明によれば、酸性物質の存在下、ビ
タミンAアルデヒドを亜塩素酸アルカリ金属塩で酸化す
ることにより、有用な生理活性作用を持つビタミンA酸
を容易に製造することができる。
タミンAアルデヒドを亜塩素酸アルカリ金属塩で酸化す
ることにより、有用な生理活性作用を持つビタミンA酸
を容易に製造することができる。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−253934(JP,A) 化学辞典(東京化学同人、1994年) 「不飽和化合物」の項(第1233頁) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07C 403/20 B01J 27/16 C07B 61/00 300
Claims (1)
- 【請求項1】 ビタミンAアルデヒド、不飽和化合物お
よび亜塩素酸アルカリ金属塩の混合物に酸性物質を添加
することによりビタミンAアルデヒドを酸化することか
らなるビタミンA酸の製造方法。
Priority Applications (5)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP04101863A JP3132781B2 (ja) | 1992-03-27 | 1992-03-27 | ビタミンa酸の製造方法 |
CA002091615A CA2091615C (en) | 1992-03-27 | 1993-03-15 | Process for producing vitamin a acid |
US08/034,910 US5312978A (en) | 1992-03-27 | 1993-03-19 | Process for producing vitamin A acid |
DE69301120T DE69301120T3 (de) | 1992-03-27 | 1993-03-26 | Verfahren zur Herstellung von Vitamin-A-Säure |
EP93105047A EP0563825B2 (en) | 1992-03-27 | 1993-03-26 | Process for producing vitamin A acid |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP04101863A JP3132781B2 (ja) | 1992-03-27 | 1992-03-27 | ビタミンa酸の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05271184A JPH05271184A (ja) | 1993-10-19 |
JP3132781B2 true JP3132781B2 (ja) | 2001-02-05 |
Family
ID=14311842
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP04101863A Expired - Fee Related JP3132781B2 (ja) | 1992-03-27 | 1992-03-27 | ビタミンa酸の製造方法 |
Country Status (5)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US5312978A (ja) |
EP (1) | EP0563825B2 (ja) |
JP (1) | JP3132781B2 (ja) |
CA (1) | CA2091615C (ja) |
DE (1) | DE69301120T3 (ja) |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2003104820A2 (en) * | 2002-06-10 | 2003-12-18 | Scimed Laboratories Inc. | Extraction and quantification of vitamins a & d in fluid samples |
US7241435B2 (en) * | 2002-09-30 | 2007-07-10 | Halox Technologies, Inc. | System and process for producing halogen oxides |
CN107445801B (zh) * | 2017-07-31 | 2021-02-02 | 广州巨元生化有限公司 | 一种维生素a中间体的制备方法 |
CN111087335B (zh) * | 2020-01-09 | 2020-11-10 | 山东良福制药有限公司 | 一种维a酸的制备方法 |
WO2023099793A1 (en) * | 2021-12-03 | 2023-06-08 | Dsm Ip Assets B.V. | Novel compositions comprising retinoids |
Family Cites Families (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US2744928A (en) * | 1952-11-28 | 1956-05-08 | Shell Dev | Oxidation of unsaturated aldehydes to acids |
NL104763C (ja) * | 1957-03-18 | |||
GB1054132A (ja) * | 1964-02-13 | |||
US4990662A (en) * | 1984-07-18 | 1991-02-05 | Amoco Corporation | Process for preparation of alpha, beta-unsaturated acids |
FR2615509B1 (fr) * | 1987-05-21 | 1989-08-18 | Oreal | Procede de synthese de la vitamine a et de certains de ses derives |
JP2948923B2 (ja) * | 1990-12-27 | 1999-09-13 | 日清製粉株式会社 | レチノイン酸およびその異性体の製造方法 |
-
1992
- 1992-03-27 JP JP04101863A patent/JP3132781B2/ja not_active Expired - Fee Related
-
1993
- 1993-03-15 CA CA002091615A patent/CA2091615C/en not_active Expired - Fee Related
- 1993-03-19 US US08/034,910 patent/US5312978A/en not_active Expired - Lifetime
- 1993-03-26 EP EP93105047A patent/EP0563825B2/en not_active Expired - Lifetime
- 1993-03-26 DE DE69301120T patent/DE69301120T3/de not_active Expired - Fee Related
Non-Patent Citations (1)
Title |
---|
化学辞典(東京化学同人、1994年)「不飽和化合物」の項(第1233頁) |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
EP0563825A2 (en) | 1993-10-06 |
JPH05271184A (ja) | 1993-10-19 |
CA2091615A1 (en) | 1993-09-28 |
CA2091615C (en) | 1997-12-30 |
EP0563825B1 (en) | 1995-12-27 |
DE69301120D1 (de) | 1996-02-08 |
DE69301120T3 (de) | 2003-03-27 |
EP0563825A3 (en) | 1993-10-27 |
US5312978A (en) | 1994-05-17 |
DE69301120T2 (de) | 1996-08-29 |
EP0563825B2 (en) | 2002-10-02 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
Moersch et al. | Synthesis of. beta.-hydroxy acids using. alpha.-lithiated carboxylic acid salts | |
JPH0579054B2 (ja) | ||
JP3132781B2 (ja) | ビタミンa酸の製造方法 | |
Blumbergs et al. | Preparation and oxidation of. alpha.-hydroxyaldehydes | |
Cristol et al. | Mechanisms of Elimination Reactions. VIII. The Spontaneous Decomposition of Salts of β-Halo Acids. I. trans-m-Nitrocinnamic Acid Dibromide1 | |
JPS5915894B2 (ja) | ホコウソqノセイゾウホウホウ | |
JP4418048B2 (ja) | 13−シス−レチノイン酸の製造方法 | |
JPH0637414B2 (ja) | ビタミンk4及びビタミンk4ジアセテートの製法 | |
US5087762A (en) | Process for producing vitamin a aldehyde | |
Aldersley et al. | 2. The synthesis of compounds related to the antirachitic vitamins. Part II | |
GB2123823A (en) | 4-methyl-2,3,5,6- tetrafluorobenzaldiacetate and a process for its preparation | |
Maruyama et al. | Oxidizing action of hydroperoxides. Oxidation of alkyl aryl ketones by hydroperoxides. | |
JPH04253934A (ja) | レチノイン酸およびその異性体の製造方法 | |
JPS6042775B2 (ja) | 1,7−オクタジエン−3−オン及びその製造方法 | |
US5939581A (en) | Processes for preparing hydrocinnamic acid | |
JPH03190837A (ja) | 第3級ブチルベンズアルデヒド異性体混合物の製造方法 | |
JPH0717555B2 (ja) | α,β―不飽和アルデヒド類の製造方法 | |
JPH0147464B2 (ja) | ||
JPS5826327B2 (ja) | ホコウソキユウルイノ ゴウセイホウ | |
JPH0311033A (ja) | デヒドロエストロン誘導体の新規製造法 | |
JPS6357428B2 (ja) | ||
WO2022051980A1 (zh) | 用于制备sglt抑制剂中间体的合成方法 | |
JPS5842174B2 (ja) | 6,10−ジメチル−6,9−ウンデカジエン−2−オン | |
JPS6039061B2 (ja) | シクロペンタデカ−4−イン−1−オンの製法 | |
JPS6137257B2 (ja) |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |