JP3131420B2 - 植物系物質からの樹脂原料組成物の製造方法 - Google Patents

植物系物質からの樹脂原料組成物の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、更新可能な資源で
ある木質系物質及び、清酒製造工程における未利用資源
である精米かす、酒かす、あるいは紙類等植物系物質を
液化して樹脂原料組成物を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】現在木材工業等において、製材時に排出
される樹皮、おが屑、板屑等の廃棄物の処理が大きな問
題となっている。また、林業の面ではいわゆる間伐材の
有効利用が急務となっている。都市部においては建築廃
材の廃棄処理やオフィスからの紙類のごみが大きな問題
となっている。
【0003】一方酒造業界では最近の傾向として吟醸酒
がもてはやされており、その際に精米かすが50%前後
排出されるものの、米粉を利用している米菓等でも粉末
粒度が細かく利用できない。また清酒を搾った際の酒粕
も一部市販されているが、その大部分が廃棄処分されて
いる。
【0004】そのためこれら植物系廃棄物の有効利用法
の開発が急がれている。その一つとして、木質系物質を
有機溶媒中で酸処理し前記溶媒に一部反応させ、かつ溶
解させた液状変性物を得る試みがなされている。これを
木質系物質の液化と称している。この方法はデンプン類
やセルロース成分を主成分とする米粉や酒かすにも応用
可能である。
【0005】木質系材料の液化は、1925年にFierz−Dav
idらがセルロースを高圧水素下に処理して液状物を得た
ことに始まると考えられる。以後、高温、高圧下に種々
の触媒を用いて木質材料を液状化することが試みられて
きた。その後液化方法は種々の進展を見せ、1986年には
Hoechst社が硫酸触媒を用いてフェノール存在下に木粉
を処理し、酸化マグネシウムを添加して中和後未反応フ
ェノールを除去し硬化反応性樹脂を得る特許を出願して
いる(特公昭61- 2697号公報)。
【0006】白石らは木質材料を高温(250℃)下に
無触媒でフェノール類で処理し液化物を得ている(特開
昭61- 261358号公報)。またフェノール類を用いた液化
については、上記技術を改良したものとして、例えば特
開平2-212498号公報、特開平3- 59035号公報、特許第26
11166号明細書に記載された技術が知られている。
【0007】一方、フェノール類の替わりにアルコール
類、特に多価アルコール類を用いても液化が可能である
ことが見いだされた。特開昭62-79230号公報には、木質
材料を耐圧容器中250℃でアルコール類、ケトン類に
より液化する方法が開示されている。
【0008】例えば、特開昭64-36653号公報には、ニ塩
基酸無水物と多価アルコール類及び溶媒としてアセトン
の存在下に木質材料を耐圧反応管中で250℃で2.5
時間反応させ木材溶液を調製し、これにε−カプロラク
トンを混合し耐圧反応容器中で水酸化カリウム触媒を用
いて180℃で反応させ、未反応ε−カプロラクトンを
除去して多価イソシアネート化合物と反応せしめて発泡
体を得る方法が開示されている。特開平4-106128号公報
には、硫酸触媒下に常圧でポリエチレングリコール類を
用いることにより液化が可能であること、また、グリセ
リンを添加した系の方が液化反応が良く進行することが
開示されている。
【0009】ここで、液化がもっとも早く進行するポリ
エチレングリコール400とグリセリンの混合溶媒系で
も、残渣率が10%以下にまで液化するには150℃の
反応温度で1時間以上を要している。特開平8-225653号
公報には、多価アルコールとポリエステルポリオール原
料として開環反応して重合するε−カプロラクトンとの
混合溶液中で硫酸触媒下に木粉を液化できることが開示
されている。
【0010】以上の文献に見られるように、木質系物質
の液化方法は、フェノール類又は多価アルコール類を用
いて耐圧反応容器を用い無触媒で行う方法、あるいは、
常圧下で酸触媒を用いて行う方法に類別される。装置的
には耐酸性の高い内壁を有する反応容器を使用すれば常
圧での液化が取り扱いにおいて容易である。
【0011】なお、上記の方法で用いられているフェノ
ール類やアルコール類などの液化溶媒は、パルプ化の一
分野であるソルボリシスパルプ化でセルロースを残すた
めの脱リグニン溶媒として注目されてきたものである。
また、これらを液化溶媒とする液化処理では、針葉樹、
広葉樹を問わずほとんどのリグニンが最初に液化される
ことが知られている。
【0012】しかし、これらの液化溶媒を用いた液化処
理では、液化反応の時間が長くなると自己縮合反応を起
こし高分子化が進み、残渣率が高くなる。そのため、木
質系物質の液化に際してはフェノール類、アルコール
類、環状炭酸類等の液化溶媒を比較的多くし、あるいは
それらの液化溶媒と混合する1,4-ジオキサン、ジメチル
ホルムアミド、ジメチルスルホキシド等の溶媒に液化溶
媒を溶かし混み、溶媒を増量させ、木質系物質に均一に
浸透させ、反応を均一に起こすことが重要であった。し
かし、長時間を液化反応を行っても自己縮合を起こさな
いような溶媒や手法については報告がない。
【0013】また、上記の方法において植物材料の配合
量の多い系では、液化を残渣率10%以下に進行させる
ための反応温度を150℃程度とすることが必要であ
り、特にアルコール液化では、液化時間は少なくとも1
時間を要していた。上記のように、従来技術はソルボリ
シスパルプ化に検討されてきたフェノール類やアルコー
ル類を用いて木質材料を液化する方法であり、木質系物
質等の植物系物質にオゾン処理を行い、液化反応を行っ
た例はない。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、従来
液化前処理として着目されなかったオゾン処理を植物材
料に施すことにより、長期反応に伴う縮合残渣を発生さ
せることなく植物系物質の液化反応を長時間可能にし、
液化溶液中の植物系物質量を多く含んだ樹脂原料組成物
を製造することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、オ
ゾン処理した植物系物質とフェノール類、アルコール
類、あるいは環状炭酸類の液化溶媒と酸類とを混合し、
常圧下、液化溶媒の融点以上沸点以下の温度範囲で加熱
することにより、植物系物質を前記酸類により分解する
と共に、この分解による生成物を液化溶媒と反応させ
かつ溶解させることにより液状の樹脂原料組成物を得
ことを特徴とする植物系物質からの樹脂原料組成物の製
造方法を提供するものである。
【0016】本発明はまた、アルコール類、フェノール
類、あるいは環状炭酸類から選ばれる少なくも2種の化
合物との混合物と酸類と植物系物質とを混合し、液化溶
媒の融点以上沸点以下の温度範囲で加熱することにより
植物系物質を酸類により分解するとともにこの分解によ
る生成物をアルコール類、フェノール類、あるいは環状
炭酸類から選ばれる少なくも2種の化合物を混合した混
合物と反応させ、かつ溶解させることにより液状の樹脂
原料組成物を得ることを特徴とする植物系物質からの樹
脂原料組成物の製造方法を提供するものである。
【0017】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態につい
て、具体的且つ詳細に説明する。本発明の植物系物質で
ある植物系物質としては、オガ屑、木粉、木材チップ、
単板クズ、合板切りクズ、樹皮等各種、古紙類の木質系
物質あるいは清酒製造工程における未利用資源である精
米かす、酒かすなどがある。これらの植物系物質原料
は、液化前処理としてオゾン処理が施され、樹脂原料組
成物の出発物質となる。
【0018】本発明で用いられる液化溶媒はアルコール
類、フェノール類、環状炭酸類、カプロラクトン類等で
あり、これらは単独あるいは混合して用いることができ
る。アルコール類としては、メチルアルコール、エチル
アルコール、プロピルアルコール、ベンジルアルコール
などの脂肪族、芳香族の一価のアルコール類、エチレン
グリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリ
コールなどの脂肪族、芳香族の二価のアルコール類、グ
リセリン等の脂肪族、芳香族の三価のアルコール類、ペ
ンタエリスリトール等の脂肪族、芳香族の四価のアルコ
ール類が用いられる。
【0019】フェノール類としては、フェノール、o-、
m-、p-クレゾール、3,5-、2,3-、2,6-キシレノール、o
-、m-、p-プロピルフェノール、o-、m-、p-ブチルフェ
ノール、o-、m-、p-セカンダリーブチルフェノール、o
-、m-、p-ターシャリーブチルフェノール、ヘキシルフ
ェノール、フェニルフェノール、オクチルフェノール、
ナフトール等の一価のフェノール、カテコール、レゾル
シノール、キノール、ビスフェノールA、ビスフェノー
ルB、ビスフェノールF等の二価のフェノール、ピロガ
ロール、フロログルシノール、トリヒドロベンゼン、没
食子酸等の三価のフェノール及びこれらの塩化物等が用
いられる。
【0020】環状炭酸類としては、炭酸エチレン、炭酸
プロピレンあるいはその誘導体などがある。また、ラク
トン類としては、ガンマラクトン、イプシロンラクトン
などの炭素数3-10のラクトン類がある。これら液化溶媒
の単独あるいは混合溶媒の使用割合はオゾン処理を施し
た植物系物質と液化溶媒の混合割合は両者が均一に混合
できれば特に限定されるものではないが、液化溶媒10
0重量部に対して植物系物質10〜1000重量部混合
することが好ましい。アルコール類、フェノール類及び
環状炭酸類から選ばれる少なくも2種の化合物との混合
物を用いる場合には、この混合物100重量部に対して
植物系物質10〜1000重量部とすることが好まし
い。
【0021】例えば、植物系物質がシラカンバ等の広葉
樹、スギ等の針葉樹といった樹種の違い、あるいは他の
植物系物質との混合物を用いても、すべてを液化するこ
とができ、自己縮合反応による高分子化は起こらない。
本発明で用いられる酸類としては、塩酸、硫酸、硝酸な
どの鉱酸や、ギ酸、酢酸、p-トルエンスルホン酸等の有
機酸のようなブレンステッド酸及び三フッ化ホウ素、塩
化アルミニウム、塩化第二スズのようなルイス酸あるい
はそれらのエーテル、アルコール、フェノール錯体等が
挙げられる。これらの使用割合は液化溶媒100重量部
に対して0.1〜20重量部とすることが好ましい。
【0022】さらに、反応初期の発熱による暴走反応を
緩和したり、出発物質である植物系物質中の大量の水分
を系外に取り除くために、水と共沸性の共沸溶媒や生成
する樹脂原料組成物を溶解するような溶媒等を反応初期
や反応中に添加することが可能である。
【0023】本発明において用いる反応装置は、耐圧反
応器である必要はなく、耐酸性の常圧用反応容器でよ
い。反応を均一にするために大きなトルクのかけられる
撹拌装置が付帯していることが特に望ましい。液化反応
は、撹拌下、120〜150℃で、10分以上行うこと
になる。
【0024】オゾン処理された植物系物質はこのように
してアルコール類等の液化溶媒と加熱撹拌することによ
り液化され樹脂原料組成物が得られる。本発明により得
られた樹脂原料組成物は、酸塩化物類、酸類、アルコー
ル類、エポキシ類、イソシアネート類等との反応性を持
ち、それらとの反応生成物は触媒または加熱により高分
子樹脂物質となる性質を有しており、接着剤、成型物等
の原料となるものである。
【0025】
【実施例】次に、本発明の実施例及びその比較例によっ
て本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの
実施例に限定されるものではない。オゾン処理は、密閉
容器中に植物系物質を入れ、そこにオゾンを吹き込み、
浸透せて処理する。その際の吹き込むオゾン量は内容物
と等モルのオゾンを吹き込んだ。
【0026】例えば杉の場合、杉の平均分子量を200
と仮定し、試料10gを処理する場合には0.5モルの
オゾンが必要であり、一方使用したオゾン発生器の性能
から毎分500mlの流量で酸素を流したときのオゾン
発生量は毎分0.306ミリモルであることから、16
3.4分間オゾン処理を行えば、木粉量と当量のオゾン
で処理したことになる。
【0027】温度計、冷却菅及び撹拌装置の付いた10
0ml容量の三口フラスコにポリエチレングリコール
4.8gとエチレングリコール1.2g、濃硫酸0.1
8gを秤取り、これを撹拌混合する。この混合液に前記
のようにしてオゾン処理した乾燥杉心材部おが屑2.0
gを添加して更に撹拌する。オゾン処理した乾燥杉心材
部おが屑が溶媒によく混合したのを確認してから、撹拌
下に系内温度を150℃にまで昇温し、同温度で180
分間反応を行い、次いで冷却して黒色の高粘性生成物を
得た。
【0028】この生成物を定量的にG3のガラスフィル
ターに移し、ジオキサン/水(8/2vol)混合液で
洗浄濾過した結果、若干の未溶解物をフィルター上に得
た。未溶解物の入ったフィルターを乾燥機中で110±
5℃、24時間乾燥して得た未溶解物の乾燥重量は0.
052g(残渣率:2.6%)であった。以後の液化に
おいて、液化生成物中ジオキサン/水(8/2vol)
混合液に溶解しない物質を、液化における残渣と定義す
る。また、仕込み木質材料の乾燥重量に対する残渣の乾
燥重量パーセントを残渣率と定義する。
【0029】なお、濾液からジオキサン/水混合液を蒸
発させた高粘性生成物はジメチルホルムアミド、フェノ
ール、テトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド等に
完溶する物質であり、メチルアルコール、アセトンなど
にほとんど溶解する物質であった。
【0030】次に、前述のようにしてオゾン処理を行っ
たおが屑を用い、同様の方法で液化(系内温度を150
℃に昇温した後の反応)を10分間から180分まで変
化させ、残渣率の経時的変化を確認した。この結果得ら
れた反応時間と残渣率との関係を図1に示す。図1から
明らかな通り、この実施例において、反応時間40分以
降は残渣率2%程度の液化生成物を得た。この生成物の
可溶部は前記と同様の溶媒に可溶であった。
【0031】また、この実施例において得られた木材液
化物を、ゲル浸透クロマトグラフィにより分析した。そ
の結果、反応時間開始から100分までの間で、後述す
る比較例に比べて早く低分子化する傾向が見られた。こ
のゲル浸透クロマトグラフィによる分析には、ウォータ
ーズ社製ポンプ600E、同社製示差屈折検出器41
0、ヒューレットパッカード社製ダイオードアレイ検出
器を用いた。分析条件は木材液化物をジメチルホルムア
ミドで溶解し、ポンプ流速1.0ml/min、カラム
温度50℃,溶離液には、0.01mol/L臭化リチ
ウム添加ジメチルホルムアミドを使用した。
【0032】(比較例1)前記実施例においてオゾン処
理を行っていないおが屑を用い、同様の方法で液化(系
内温度を150℃に昇温した後の反応)を10分間から
120分まで変化させ、残渣率の経時的変化を確認し
た。この結果得られた反応時間と残渣率との関係を図1
に示す。
【0033】図1から明らかな通り、この比較例におい
ては、反応時間50分付近で残渣率2%程度の液化生成
物を得るが、以降残渣率が高くなり、120分では4
7.6%の残渣が残った。この生成物の可溶部は前記実
施例と同様の溶媒に可溶であった。
【0034】また、この比較例において得られた木材液
化物を、前記実施例において得られた木材炭化物と同様
の方法及び条件でゲル浸透クロマトグラフィにより分析
した。その結果、反応時間開始から100分までの間で
は、前記実施例において得られた木材炭化物に比べて、
低分子化する時間が明らかに遅いことが確認された。
【0035】
【発明の効果】本発明によれば、植物系物質から種々の
樹脂原料となる樹脂原料組成物を得る際に、前もってオ
ゾン処理を植物系物質に施す工程を導入することによ
り、解決課題となっていた液化中に起きる縮合反応によ
る高分子化を防ぐことができ、長時間の液化反応が可能
となり、従来よりも多量の植物系物質を液化物に配合す
ることが可能となる。さらに、原料である植物系物質が
多量の水分を含む場合には、反応中に系外に簡単に排出
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による実施例と比較例による植物系物質
からの樹脂原料組成物の製造方法における反応時間と残
渣率との関係とを示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−106128(JP,A) 特開 昭64−45440(JP,A) 特開 平11−80367(JP,A) 森田光博,坂田功,「木材学会誌」, 34(11),(1988)p.910−916 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08H 5/02 - 5/04 B09B 3/00 C08J 3/02 - 3/11 C08L 97/00 - 97/02

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 植物系から樹脂原料組成物を製造する方
    法において、オゾン処理を施した植物系物質とアルコー
    ル類と酸類とを混合し、常圧下、アルコール類の融点以
    上沸点以下の温度範囲で加熱することにより植物系物質
    を前記酸類により分解すると共に、この分解による生成
    物を前記アルコール類と反応させ、かつ溶解させること
    により液状の樹脂原料組成物を得ることを特徴とする植
    物系物質からの樹脂原料組成物の製造方法。
  2. 【請求項2】 植物系から樹脂原料組成物を製造する方
    法において、オゾン処理を施した植物系物質とフェノー
    ル類と酸類とを混合し、常圧下、フェノール類の融点以
    上沸点以下の温度範囲で加熱することにより植物系物質
    を前記酸類により分解すると共に、この分解による生成
    物を前記フェノール類と反応させ、かつ溶解させること
    により液状の樹脂原料組成物を得ることを特徴とする植
    物系物質からの樹脂原料組成物の製造方法。
  3. 【請求項3】 植物系から樹脂原料組成物を製造する方
    法において、オゾン処理を施した植物系物質と環状炭酸
    類と酸類とを混合し、常圧下、環状炭酸類の融点以上沸
    点以下の温度範囲で加熱することにより植物系物質を前
    記酸類により分解すると共に、この分解による生成物を
    前記環状炭酸類と反応させ、かつ溶解させることにより
    液状の樹脂原料組成物を得ることを特徴とする植物系物
    質からの樹脂原料組成物の製造方法。
  4. 【請求項4】 植物系から樹脂原料組成物を製造する方
    法において、オゾン処理を施した植物系物質とアルコー
    ル類、フェノール類あるいは環状炭酸類から選ばれる少
    なくも2種の化合物の混合物と酸類とを混合し、液化溶
    媒の融点以上沸点以下の温度範囲で加熱することにより
    オゾン処理を施した植物系物質を酸類により分解すると
    共に、この分解による生成物をアルコール類、フェノー
    ル類あるいは環状炭酸類から選ばれる少なくも2種の化
    合物を混合した混合物と反応させ、かつ溶解させること
    により液状の樹脂原料組成物を得ることを特徴とする植
    物系物質からの樹脂原料組成物の製造方法。
  5. 【請求項5】 植物系物質の水分を除去するために、植
    物系物質の水分を減圧下又は常圧下に加熱蒸発させ系外
    に除去する工程あるいは水と共沸する共沸溶媒を添加し
    水分を系外に除去する工程を組み入れた請求項1〜4の
    何れかに記載の植物系物質からの樹脂原料組成物の製造
    方法。
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森田光博,坂田功,「木材学会誌」,34(11),(1988)p.910−916

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