JP2611166B2 - 樹脂原料組成物の製造方法 - Google Patents

樹脂原料組成物の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明は、更新可能な資源である木質系物質を利用
する樹脂原料組成物の製造方法に関するものである。
[従来の技術] 今日、木材工業等において、製材時に発生する樹皮、
おが屑、板屑などの廃棄物の処理が大きな問題となって
いる。また、林業の面においては、いわゆる間伐材の有
効利用が急務となっている。これらは、すべて林業の総
合的活性化の流れの中で新たに見直されなければならな
い問題である。林業の活性化は、換言すれば、木材の素
材としての総合的活用がどの程度可能であるかという点
に尽きる。
化石エネルギー資源の生産・供給面における種々の問
題が発生するにしたがって、更新可能な資源としての木
材等の見直しがなされてはいるが、産業構造の変革の中
で木材活用の低落にともなう林業体系の変化により、木
材は依然としてその生産・供給、活用等あらゆる面で問
題に直面している。この問題を根本的に解決するために
は、木材の活用範囲を拡大して有効需要の喚起を図る必
要がある。
この試みのひとつとして、木材等の木質系物質をフェ
ノール類により変性して樹脂原料組成物を製造する技術
が例えば特開昭61−261358号に開示されている。
これによれば、耐圧反応容器中にたとえばフェノール
100部に対して木材10〜1000部を添加し、200℃〜300℃
で所定時間反応させ、木材などのリグノセルロース物質
を溶液とする技術である。そして、これによって得られ
る最終組成物から、公知の技術によりポリウレタン系、
エポキシ樹脂系その他の樹脂の成形物、発泡体、あるい
は接着剤等が製造される。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら、木材等をフェノール類により変性しよ
うとする上記の従来技術にあっては次のような問題が発
生する。
(イ)木材などの木質系物質を添加したフェノール類を
200℃〜300℃で加熱することが必要であるため、工程に
おいて耐圧反応容器が不可欠であり、反応規模の大きい
商業生産時には、少なからざる設備投資を必要とし、生
産コストが増大する。
(ロ)木材等のフェノール化反応は、発熱反応であり、
反応規模を大きくするほど発熱量が高くなる。例えば、
上記の従来技術において限定された温度範囲中の最低温
度200℃を適用しても、反応初期において急激な発熱が
起るため、大規模の反応スケールとした場合、特に反応
系の温度制御が困難になる一方、反応系中に温度分布が
生じて一部原料が炭化するという問題も発生する。
(ハ)上述の従来技術にあっては、フェノール類と木材
等を均等に混合する前処理工程が必要となる。この工程
は、反応規模を大きくするほど、煩雑で時間を要するも
のとなる。
(ニ)含水率の高い木材等を使用する場合には、適量の
含有水分量まで原料を乾燥するという前処理工程が必要
となる。
[課題を解決するための手段] 本願発明では、木質系物質とフェノール類を酸触媒下
において反応させるとともに、フェノール類の蒸発潜熱
や、融解潜熱あるいは溶媒の蒸発潜熱を利用して発熱に
よる暴走反応を防ぐ一方、木質系材料原料の水分が多い
場合には共沸溶媒の利用により前処理工程なしに水分を
反応系外に除去する構成となすことにより、上記従来の
問題点を解決しようとするものである。
すなわち、本願発明は、 フェノール類を液状にして木質系物質に均一に浸透させ
る工程と、 液状のフェノール類が均一に浸透した木質系物質の分解
の促進ならびにこの分解物とフェノール類との反応の促
進を図るために強酸を添加しこれらを均一に混合する工
程と、 木質系物質中の水分を昇温速度摂氏1〜2度/分の割
合で加熱して蒸発させ、木質系物質中の水分を反応系外
に除去する脱水工程と、 フェノール類が均一に浸透し前記強酸とも均一に混合さ
れかつ脱水された状態の木質系物質を水分の蒸発温度な
いしフェノール類の沸点温度の範囲で加熱し前記木質系
物質を変性させ、すなわち加熱することにより、前記木
質系物質を前記強酸により分解するとともにこの分解に
よる生成物をフェノール類と反応させてフェノール類と
の反応組成物を得る工程と、 を具備することにより、前記目的を達成しようとするも
のである。
ここで得られる樹脂原料組成物は未反応フェノール類
を含むと含まざるにかかわらず、アルデヒド類、エポキ
シ類、イソシアネート類等との反応性を持ち、それらと
の反応生成物は、酸、アルカリ触媒、または加熱により
高分子樹脂物質となる性質を有しており、接着剤、成型
物等の原料となるものである。
この発明の樹脂原料組成物の出発原料物質である木質
系物質にはおが屑、木粉、木材チップ、単板クズ、合板
切りクズ、樹皮等のものを利用できる。
この発明において用いるフェノール類としては、フェ
ノール、o−、m−、p−クレゾール、3,5−、2,3−、
2−6−キシレノール、o−、m−、p−プロピルフェ
ノール、o−、m−、p−ブチルフェノール、o−、m
−、p−セカンダリーブチルフェノール、o−、m−、
p−ターシャリーブチルフェノール、ヘキシルフェノー
ル、フェニルフェノール、オクチルフェノール、ナフト
ール等の一価のフェノール、、カテコール、レゾルシノ
ール、キノール、ビスフェノールA、ビスフェノール
B、ビスフェノールF等の二価のフェノール、ピロガノ
ール、フロログルシル、トリヒドロベンゼン、没食子酸
等の三価フェノールおよびこれらの塩化物等がある。
また、この発明で用いる酸触媒としては、塩酸、硫
酸、硝酸などの鉱酸や、ギ酸、酢酸、p−トルエンスル
ホン酸等の有機酸のようなブレンステッド酸および三フ
ッ化ホウ素、塩化アルミニウム、塩化第二スズのような
ルイス酸あるいはそれらのエーテル、アルコール、フェ
ノール錯体等がある。
この発明においては、上記フェノール類は単独で用い
るかあるいは混合して用いることができる。さらに、反
応初期の発熱による暴走反応を緩和したり、出発物質で
ある木質系物質中の大量の水分を系外に取り除くため
に、水と共沸性の有機溶媒等や生成する樹脂原料組成物
を溶解するような溶媒等を反応初期や反応中に添加する
ことも可能である。
さらに、この発明にあっては、フェノール類100部に
対して木質系物質を0.1〜500部で反応させ、得られる樹
脂原料組成物は、アルデヒド類等と高い反応性を有し、
必要にして十分な樹脂化能を有している。すなわち、木
質系物質とフェノール類との混合比の範囲が広いのも、
この発明の特徴である。因みに上記従来技術にあって
は、フェノール100部に対し10部以下の木質系物質を添
加した場合には、生成物は十分な樹脂化能を有しないの
に対し、この発明にあっては、フェノール100部に対し
て木質系物質は0.1部前後から混合可能である。
[作用] 液状化されたフェノール類は木質系物質に均一に浸透
し、強酸類も均一に混合されるのでフェノール類、強酸
の偏在がなく、局所的暴走なく反応が進行し、さらに脱
水工程により木質系物質から水分を除去しているため、
以降の反応において反応温度の急速な上昇に伴う水の急
激な蒸発が防止でき、常圧下、開放状態にいて木質系物
質から樹脂原料組成物を得ることができる。
[発明の実施例] 以下、実施例にもとづいてこの発明を説明する。
実施例1. 乾燥シラカンバおが屑5gとフェノール40gを、温度
計、等圧形滴下ロート、冷却管および攪拌装置の付いた
四つ口フラスコに秤りとり、油浴により系内温度をフェ
ノールの溶解温度(約45℃)まで上昇させフェノールを
液状にして攪拌を開始する。シラカンバおが屑が液状の
フェノールとよく混合したのを確認してから、温度を1
分間に2℃の割合で上昇させ、30分間にわたって滴下ロ
ートから三ふっ化ほう素フェノール錯塩の70%キシレン
溶液10mlを滴下する。その後、系内温度を135〜140℃ま
で上昇させ、この温度で4時間反応を行い、次いで系内
温度を上昇させてキシレンを系外に取り除き、黒色の液
体を得た。この液体をG3のガラスフィルターで濾過する
と、微量の金属、砂等の無機物質が残差としてフィルタ
ー上に残るだけであった。この濾過液を減圧蒸留し未反
応のフェノールを取り除いて、常温で固体の黒色物質で
ある樹脂原料組成物を得た。この黒色物質は原料シラカ
ンバおが屑とはまったく異なっており、30%水酸化ナト
リウム水溶液、アセトン、フェノール、ジオキサン、テ
トラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド等に可溶の物
質であり、この5%ジメチルスルホキシド溶液をG3のガ
ラスフィルターにより濾過しても残差は認められなかっ
た。
実施例2. おが屑大の粒子からなるカラマツ木粉(含有水分29
%)7g、実施例1において減圧蒸留により回収されたフ
ェノール30gを油浴上に設置した温度計、等圧形滴下ロ
ート、攪拌装置、還流冷却管、水分分離器がついた四ツ
口フラスコに秤り取る。水分分離器をトルエンで満たし
た後、反応系に25mlのトルエンを注入し、1分間に1℃
の割合で加熱を開始した。加熱開始より30分間にわたっ
て滴下装置より5mlの36規定硫酸を滴下し、トルエンが
還流するまで反応温度を上昇させた。還流中に水分分離
器にたまる水分を抜き取りながら、流出水分がなくなる
まで還流を行い、のちに系内のトルエンを取り除きなが
ら温度をフェノールの還流温度まで高めた。この温度で
3時間反応を行ない、黒色の粘ちゅう液体を得た。この
粘ちゅう液体から減圧下に未反応フェノールを取り除い
て得た常温で固体の黒色生成物は、ジオキサン、ジメチ
ルスルホキシド、ジメチルホルムアミド等に可溶の物質
であり、その3%ジメチルホルムアミド溶液をG3のガラ
スフィルターで濾過すると微量の無機残査しか残らなか
った。
このように木質系物質に水分が多く含まれている場合
にも、脱水のための前処理工程なしに水分を除去し、最
終の目的物を得ることができる。
実施例3. 乾燥シラカンバおが屑5g、フェノール5g、フェノール
の希釈剤としてのジオキサン50mlを実施例1による反応
装置に秤り取り、温度を1分間に1℃の割合で上昇させ
ながら36%硫酸5mlを30分にわたって滴下した後、ジオ
キサンの還流温度で3時間反応させた。次いで系内温度
を上昇させ、ジオキサンを系外に除去させながら175〜1
80℃に上げ、その温度で4時間反応させて粘ちゅうな黒
色物質を得た。この物質から減圧蒸留により未反応フェ
ノールを除去して常温で固体の黒色物質を得た。この物
質はフェノールはもとよりジメチルスルホキシド、ジメ
チルホルムアミド等に可溶であり、その3%のジメチル
スルホキシド溶液はG3のガラスフィルターで濾過しても
微量の無機物質残差しかフィルター上に残らなかった。
この実施例において、フェノールに希釈剤を使用し液
状としているため、フェノールは木質系物質に容易に浸
透する。
実施例4. 80メッシュ以下の粉末にした乾燥カラマツ樹皮4gと40
gのフェノールを実施例1と同様の反応容器に秤り取
り、1分間に2℃の割合で系内温度を上昇させながら30
分にわたって36規定硫酸1mlを添加した。この後、温度
をフェノールが還流するまで上昇させ、還流温度で4時
間反応を行って、黒色の液体を得た。この液体から未反
応フェノールを減圧蒸留で取り除き常温で固体の黒色物
質を得た。この液体をG3ガラスフィルターで濾過する
と、フィルター上に微量の金属粉、砂等の無機物質が残
るだけであった。この濾過液から減圧蒸留によりフェノ
ールを取り除いた常温で固体の黒色物質はフェノール、
アセトン、ジオキサン、ジメチルスルホキシド、ジメチ
ルホルムアミド等に溶解し、その5%アセトン溶液をG3
のガラスフィルターで濾過しても残差は認められなかっ
た。
実施例5. 実施例1と同様の反応装置に、乾燥したシラカンガお
が屑5gとビスフェノールA40gを秤り取り、次いでキシレ
ン40mlを添加し、均一に混合してから常温で36規定硫酸
5mlを徐々に添加した。系内温度を上昇させてキシレン
を取り除きながら、ビスフェノールAを溶解した後200
℃まで昇温した。この温度で5時間反応させて、常温で
固体の黒色物質を得た。この黒色物質は30%水酸化ナト
リウム、ジオキサン、フェノール、ジメチルスルホキシ
ド、ジメチルホルムアミド等に溶解し、その3%ジメチ
ルスルホキシド溶液をG3のガラスフィルターで濾過する
と、微量の金属粉、砂等の無機物質だけが残差としてフ
ィルター上に残った。
以上のように、各実施例で得た生成物は、アセトン、
ジオキサン、ジメチルスルホキシド等の溶媒に完溶す
る。したがって、上記溶媒に不溶の木質系物質とは、化
学組成的に異なった物質、すなわち樹脂原料組成物が生
成されたことが確認される。
ところで、上述の各実施例で得られる生成物は、樹脂
原料組成物として広く利用しうるが、その一例を実施例
1の生成物によって説明する。
上記実施例1の生成物4.7gと37%ホルマリン40g、メ
チルアルコール40mlおよび50%水酸化ナトリム水溶液1.
4mlを攪拌装置、温度計、冷却管のついたフラスコ中で
6時間80〜90℃で反応させ、黒色の粘ちゅう物質を得
た。この物質の一部を時計皿に取り、140℃の恒温層中
に2時間放置して靭性のある高分子物質を得た。
さらに、上述の実施例では、未反応フェノールを回収
する場合とそうでない場合を述べたが、未反応フェノー
ルの存在は樹脂化能に大差をおよぼすものではなく、大
規模生産にあたって、コストを考慮して検討すべき問題
である。
また、生成物のフィルタリングは、原料中に種々の夾
雑物が存在するので実施しているプロセスである。
[発明の効果] 以上述べたように、この発明は、木質系物質を酸触媒
の存在下に加熱変性、すなわち、加熱して前記木質系物
質を前記強酸により分解しこの分解による生成物をフェ
ノール類と反応させる一方、その反応過程においてフェ
ノール類の蒸発潜熱や、融解潜熱あるいは溶媒の蒸発潜
熱を利用して発熱による暴走反応を防ぎ、木質系材料原
料の水分が多い場合には共沸溶媒の利用等により水分を
反応系外に取り除くように構成したので、次のような効
果を得ることができる。
(イ)常圧の反応容器が使用でき、装置的に安価とな
り、特に商業的な大規模反応において、コストを低減で
きる。
(ロ)反応温度の制御が容易となり、反応熱による影響
を少なくでき生産効率を高めうる。
(ハ)木質系物質とフェノール類との混合が容易とな
り、全体として反応時間を短縮することが出来る。
(ニ)原料である木質系物質が多量の水分を含む場合に
は、反応中に系外に簡単に排出することができる。

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】木質系物質を常圧下で加熱し、フェノール
    類と反応させてなる樹脂原料組成物の製造方法であっ
    て、 フェノール類を液状にして木質系物質に均一に浸透させ
    る工程と、 液状のフェノール類が均一に浸透した木質系物質の分解
    の促進ならびにこの分解物とフェノール類との反応の促
    進を図るために強酸を添加しこれらを均一に混合する工
    程と、 木質系物質中の水分を加熱蒸発させ、木質系物質中の水
    分を反応系外に除去する脱水工程と、 フェノール類が均一に浸透し前記強酸とも均一に混合さ
    れかつ脱水された状態の木質系物質を水分の蒸発温度な
    いしフェノール類の沸点温度の範囲で加熱することによ
    り、前記木質系物質を前記強酸により分解するとともに
    この分解による生成物をフェノール類と反応させてフェ
    ノール類との反応組成物を得る工程と、 を具備してなる樹脂原料組成物の製造方法。
  2. 【請求項2】請求項1において、フェノール類の融点温
    度が前記脱水工程における水分の蒸発温度より低い場合
    には、 イ.フェノール類を溶解温度で加熱し液状にして木質系
    物質に均一に浸透させる工程、 ロ.ついで、液状のフェノール類が均一に浸透した木質
    系物質の分解の促進ならびにこの分解物とフェノール類
    との反応の促進を図るために強酸を添加しこれらを均一
    に混合する工程、 ハ.前記イ、ロの工程を経た木質系物質をさらに昇温速
    度摂氏1〜2度/分の割合で加熱しその水分を蒸発さ
    せ、木質系物質中の水分を反応系外に除去する脱水工
    程、 ニ.前記各工程を経てフェノール類が均一に浸透し、前
    記強酸とも均一に混合されかつ脱水された状態の木質系
    物質を水分の蒸発温度ないしフェノール類の沸点温度の
    範囲で加熱することにより、前記木質系物質を前記強酸
    により分解するとともにこの分解による生成物をフェノ
    ール類と反応させてフェノール類との反応組成物を得る
    工程、 以上の工程からなる樹脂原料組成物の製造方法。
  3. 【請求項3】請求項1において、フェノール類の融点温
    度が前記脱水工程における水分の蒸発温度より高い場合
    には、 イ.液状のフェノール類が均一に浸透した木質系物質の
    分解の促進ならびにこの分解物とフェノール類との反応
    の促進を図るために強酸を木質系物質とフェノール類に
    添加しこれらを均一に混合する工程、 ロ.ついで木質系物質中の水分を昇温速度摂氏1〜2度
    /分の割合で加熱して蒸発させ、木質系物質中の水分を
    反応系外に除去する脱水工程、 ハ.さらに全体を加熱してフェノール類を液状にし木質
    系物質に均一に浸透させる工程、 ニ.前記各工程を経てフェノール類が均一に浸透し前記
    強酸とも均一に混合されかつ脱水された状態の木質系物
    質を水分の蒸発温度ないしフェノール類の沸点温度の範
    囲で加熱することにより、前記木質系物質を前記強酸に
    より分解するとともにこの分解による生成物をフェノー
    ル類と反応させてフェノール類との反応組成物を得る工
    程、 以上の工程からなる樹脂原料組成物の製造方法。
  4. 【請求項4】請求項1において、 イ.フェノール類を有機溶媒により溶解し液状にして木
    質系物質に均一に浸透させる工程、 ロ.ついで、液状のフェノール類が均一に浸透した木質
    系物質の分解の促進ならびにこの分解物とフェノール類
    との反応の促進を図るために強酸を添加しこれらを均一
    に混合する工程、 ハ.前記イ、ロの工程を経た木質系物質をさらに昇温速
    度摂氏1〜2度/分の割合で加熱しその水分を蒸発さ
    せ、木質系物質中の水分を反応系外に除去する脱水工
    程、 ニ.前記各工程を経てフェノール類が均一に浸透し前記
    強酸とも均一に混合されかつ脱水された状態の木質系物
    質を水分の蒸発温度ないしフェノール類の沸点温度の範
    囲で加熱することにより、前記木質系物質を前記強酸に
    より分解するとともにこの分解による生成物をフェノー
    ル類と反応させてフェノール類との反応組成物を得る工
    程、 以上の工程からなる樹脂原料組成物の製造方法。
  5. 【請求項5】木質系物質の脱水を促進するために、水と
    共沸する溶媒群から選ばれた少なくとも1種の溶媒を添
    加することを特徴とする請求項1ないし4いずれか記載
    の樹脂原料組成物の製造方法。
  6. 【請求項6】蒸留手段により、未反応フェノール類を回
    収する工程を有することを特徴とする請求項1ないし5
    いずれか記載の樹脂原料組成物の製造方法。
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