JP3128738B2 - 単一の素材で構成されるfrpとその製造方法 - Google Patents

単一の素材で構成されるfrpとその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、マトリックス樹脂、
強化材ともに同じ熱可塑性樹脂を使用した、単一の素材
から構成されるFRPとその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】FRP(繊維強化プラスチック)は、軽
くて強いことから、浴槽や船舶、自動車用外装部品など
に使用されている材料で、マトリックス樹脂と強化材か
ら構成される複合材料である。マトリックス樹脂および
強化材の素材は、用途や生産性などに応じて適宜選択さ
れる。
【0003】従来より、マトリックス樹脂としては、不
飽和ポリエステル樹脂やエポキシ樹脂、ビニルエステル
樹脂などの熱硬化性樹脂が、また強化材としては、ガラ
ス繊維や炭素繊維などの無機系繊維が主に使用されてい
るが、近年では、溶剤臭がしないなど作業環境がクリー
ンなことから、マトリックス樹脂にポリプロピレンやナ
イロンなどの熱可塑性樹脂が用いられたり、より軽量化
を図るためにアラミド繊維など有機系繊維も強化材とし
て利用されている。
【0004】成形方法としては、マトリックス樹脂が熱
硬化性樹脂の場合、基本的には、強化材となる繊維に、
あらかじめ硬化剤を混合した液状の樹脂を含浸させたの
ち、加熱硬化させて成形する。また、マトリックス樹脂
が熱可塑性樹脂の場合には、樹脂を加熱溶融させながら
圧力をかけて強化材間に含浸させたのち、冷却して成形
する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】FRPは異なる素材同
士を巧みに組み合わせ、複合することによって、単独の
素材では果たし得ない性能を実現している材料である。
しかしながら、使用済み製品あるいは製造工程で発生す
る廃棄物をどう処理するか、いわゆる資源の有効利用・
リサイクルという面では、まだよい解決方法が見出され
ていない。その原因は、マトリックス樹脂が熱硬化性樹
脂の場合、一旦硬化したものは、加熱溶融したり、溶剤
に溶かしたりできなくなる性質のものであるため、再び
成形材料として使用できないということ、そして、異な
る素材同士がミクロンレベルで複合されているために、
それぞれを分離回収するのは極めて困難であることによ
る。
【0006】また、マトリックス樹脂が熱可塑性樹脂の
場合には、加熱溶融できるので、再度成形材料として利
用できる可能性があるが、一度成形されたものは大きさ
や形状が限定されるうえ、再成形時には強化材の疎密や
破損が起こること、そしてやはり異素材同士の複合であ
るため分離回収はできないなど、現実的には再利用は困
難である。
【0007】このようにFRPのリサイクルには様々な
問題点があるために、現状では、各成形メーカーが自社
内において、未使用の不良品や端材を粉砕してバージン
材料中に混ぜるなどしている以外、ほとんど行われてい
ない。
【0008】この発明は、上記事情に鑑みてなされたも
ので、マトリックス樹脂および強化材ともに同じ素材の
熱可塑性樹脂を用いることで、分離回収する必要のな
い、再利用可能なFRPとその製造方法を提供すること
を目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するに
あたり、単一の素材として、熱可塑性樹脂であり、且つ
高強度・高弾性率繊維としても利用可能な樹脂を用い
る。そして、FRPとする方法については、樹脂に溶媒
を含ませたり、あるいは樹脂を溶媒に溶かしたものを、
繊維やフィルム等の強化材と混合したり、積層したのち
に、融点以下の温度で加熱、加圧することにより融着さ
せて一体化する方法による。以下、この発明について添
付図面を参照しながら詳細に説明する。
【0010】この発明に適用可能な樹脂の条件として
は、上述のように熱可塑性樹脂であり、高強度・高弾性
率繊維になり得ること、そして繊維の融点以下の温度で
膨潤、溶解する揮発性溶媒が存在するものであれば何で
もよい。また、溶媒の選択については、この条件を満た
すものであれば何を用いてもよいが、できるだけ加熱に
より揮発、除去しやすいものが望ましい。
【0011】以下、この発明のFRPの成形手順につい
て説明する。ここでは、マトリックス樹脂および強化材
として超高分子量ポリエチレン(以下、UHMwPEと
表記する)樹脂および繊維を、また、溶媒としてデカリ
ン(デカヒドロナフタレン)を用いた場合で説明する。
【0012】1番目の方法として、樹脂に溶媒を含ませ
たものをマトリックス樹脂として成形する方法について
説明する。まず、粉末状のUHMwPEとデカリンを混
合する。このとき、UHMwPE粉末はデカリンに溶け
るわけではなく、若干のデカリンを吸収しつつ、デカリ
ン中に分散している状態になる(図1参照)。そして、
混合物全体としてはペースト状となる。混合割合につい
ては、両者が十分に混ざり合い、強化材との混合や積層
が可能であれば特に制限されない。そして、この混合物
に、強化材となる短繊維状のUHMwPEを一定量混合
して分散させるか(図1)、あるいはクロスやマットな
どの強化材と積層したもの(図2)などを、成形型内で
加熱加圧する。加熱加圧することで、混合物中に含まれ
る溶媒の作用により、UHMwPE粉末および強化材繊
維の表面が膨潤して溶け、互いに融着する。更に加熱を
続けると、今度は溶媒が徐々に揮散して行き、溶けてい
た部分も次第に固化して成形は完了する。
【0013】UHMwPE繊維の融点は、UHMwPE
粉末-デカリン混合物中では、デカリンによる作用のた
め、110〜120℃ぐらいとなる。一方のUHMwP
E粉末−デカリン混合物の融点は、それよりも低い10
0℃前後であるので、UHMwPE繊維の融点以下の温
度で、強度を損なわずに成形することが可能である。
【0014】次に、2番目の方法として、樹脂を溶媒に
とかしたものをマトリックス樹脂として成形する方法に
ついて説明する。まず、UHMwPEをデカリン中に投
入して加温し、均一な溶液とする。このときのUHMw
PEは、前述の方法で用いた混合物とは異なり、デカリ
ンに完全に溶けた状態となる。UHMwPEとデカリン
の割合については、UHMwPEが均一に溶解し、強化
材との混合や積層が可能であれば特に制限されない。こ
の溶液は、高温のままの状態で使用してもよいし、一旦
冷却したのち、必要なときに再び加熱して使用してもよ
い。そして、この溶液に強化材となる短繊維状のUHM
wPEを一定量混合して分散させるか、あるいは溶液を
クロスやマット状の強化材と積層したものを、成形型内
で加熱加圧して成形する。この方法においても前述の方
法と同様の効果により複合化が可能となる。
【0015】以上の成形方法に用いる強化材の形状につ
いては、高強度・高弾性率であれば繊維でも、テープ状
のものでもよく、それらを一定方向に引き揃えて束にし
たり、角度をつけて積層したり、あるいは短繊維のよう
に特定の長さにカットしたり、織編物や不織布などのテ
キスタイルとしてもよい。繊維の径やテープの厚さにつ
いては、特に制限はないが、溶媒が内部まで浸透し過ぎ
ないよう、支障のない範囲で径の大きいもの、厚みのあ
るものの方が望ましい。
【0016】
【発明の効果】この発明は、一種類のみの熱可塑性樹脂
で、充分な複合効果を有するFRPの成形を可能にする
という、全く新しい概念に基づくものであり、これによ
り、リサイクル性に優れたFRPを成形できるようにな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明のFRPの製造工程中、マトリックス
樹脂となる樹脂粉末と溶媒との混合物に、更に短繊維状
の強化材を分散させた段階を示す図である。
【図2】この発明のFRPの製造工程中、マトリックス
樹脂となる樹脂粉末と溶媒との混合物と、クロス状の強
化材とを積層した段階を示す図である。
【符号の説明】
1 樹脂粉末 2 溶媒 3 短繊維状の強化材 4 クロス状の強化材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI // B29K 23:00 101:12 105:06 B29L 9:00 (72)発明者 高松 周一 富山県東砺波郡福野町岩武新35−1番地 富山県工業技術センター生活工学研究 所内 (56)参考文献 特開 平7−42049(JP,A) 特開 平6−10255(JP,A) 特開 平5−220853(JP,A) 特開 昭63−296927(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B29C 70/00 - 70/88

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 強化材として超高分子量ポリエチレンか
    らなる繊維やフィルムを用い、またマトリックス樹脂と
    して強化材と同じ超高分子量ポリエチレンに溶媒を含ま
    せたものを用い、両者を混合あるいは積層したのち、加
    熱、加圧することにより複合化することを特徴とする、
    単一の素材から構成されるFRPの製造方法。
  2. 【請求項2】 強化材として超高分子量ポリエチレンか
    らなる繊維やフィルムを用い、またマトリックス樹脂と
    して強化材と同じ超高分子量ポリエチレンを溶媒に溶か
    したものを用い、両者を混合あるいは積層したのち、加
    熱、加圧することにより融着させて複合化することを特
    徴とする、単一の素材から構成されるFRPの製造方
    法。
  3. 【請求項3】 強化材およびマトリックス樹脂に同じ超
    高分子量ポリエチレンを用いることにより、単一の素材
    から構成されることを特徴とする、請求項1記載の製造
    方法によって成形されたFRP。
  4. 【請求項4】 強化材およびマトリックス樹脂に同じ超
    高分子量ポリエチレンを用いることにより、単一の素材
    から構成されることを特徴とする、請求項2記載の製造
    方法によって成形されたFRP。
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