JP2885038B2 - 繊維強化熱可塑性樹脂シ−ト及びその製造方法 - Google Patents
繊維強化熱可塑性樹脂シ−ト及びその製造方法Info
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Description
形や高速圧縮成形等に用いられる繊維強化熱可塑性樹脂
の成形用シート材料及びその製造方法に関するものであ
る。
して、ガラス繊維、炭素繊維などの無機繊維、アラミド
繊維、ポリエチレン繊維などの有機繊維、ボロン繊維に
代表される金属繊維などの強化繊維を、一方向に配列し
た後に組合わせたものや織物、組物、編物、不織布など
にしたものを、エポキシ、不飽和ポリエステルなどの熱
硬化性樹脂、または、ポリエチレン、ポリプロピレン、
ポリエ−テルエ−テルケトンなどの熱可塑性樹脂をマト
リックスとして複合し、プレス成形などによって成形し
たものが用いられている。
化性樹脂を用いたFRPとして、例えばSMC(シ−ト
モ−ルディングコンパウンド)成形品が用いられてい
る。SMC成形品は、まず長さが約25mmの強化繊維
よりなる不織布マットなどに半硬化状態の熱硬化性樹脂
を含浸させたシ−ト状材料(SMC)を作製し、これを
所定の金型に設置して約5分ほど押圧して得られる。し
かし、SMC成形品は熱硬化性樹脂を用いているため、
脆性で、マトリックスにクラックが入り易く、衝撃強度
が充分に発揮できない等の問題を有する。このため、熱
硬化性樹脂をゴム変性によって高靭性化させる方法が提
案されているが、ゴム変性させた場合には成形品の剛性
や耐熱性が低下し、FRPとして充分な特性が得られた
とはいえない。また、熱硬化性樹脂は分解され難く再使
用することが不可能に近いため、環境保護の観点からも
大きな問題を有する。
用いたFRPとしては、例えばスタンパブルシ−ト成形
品が用いられている。スタンパブルシ−ト成形品は、非
連続(例えば、繊維長が25mm)や連続の強化繊維よ
りなる不織布マットなどに熱可塑性樹脂を含浸させたシ
−ト状材料(スタンパブルシ−ト)を一度遠赤外線ヒ−
タ−で熱可塑性樹脂の融点以上に加熱し、所定の温度の
金型に積層した後、1分乃至2分ほど押圧して得られ
る。スタンパブルシ−ト成形品は熱可塑性樹脂を用いて
いるため、上記のSMC成形品と比較し、靭性に富んで
おり、クラックが入り難いという利点がある。また、熱
可塑性樹脂は溶融することにより再使用することが可能
であり、環境保護の観点からも望ましい。しかし、上記
スタンパブルシ−ト成形品は強化繊維の体積含有率を大
きくすることが困難なため得られる成形品の強度は比較
的低く、特に深く絞られた場合などにはシ−トが大きく
引き伸ばされるため、強化繊維が損傷を受け強度が更に
低下したり、肉厚が局部的に低下するという問題点があ
る。また、一方向の強化繊維で補強した熱可塑性樹脂シ
−トでプレス成形を行なった場合、強度、弾性率などに
異方性を生じることとなる。
塑性樹脂シ−ト用材料を成形して得られた成形品が用い
られているが、織物の強化繊維を用いた場合には強度及
び弾性率は共に充分な成形品が得られるが、強化繊維と
して織物を用いているため立体で湾曲した部分等で折り
目を生じることがある。この対策として、例えば熱可塑
性樹脂シ−ト用材料の周囲に所定の張力を与えながら成
形する方法(プラスチック成形技術、第9巻、第1号別
冊、田中寿弘、1992年)が採られているが、操作が
煩雑となっている。編物の強化繊維を用いた場合には賦
形性には優れるが、強度、弾性率が不充分となる。
7146には、充分な強度、弾性率で異方性を生じない
ようにし、立体で湾曲した部分にも追従できる熱可塑性
樹脂シ−トとして、強化繊維をランダムに配したスタン
パブルシ−トと織物の強化繊維を用いた熱可塑性樹脂シ
−トとをサンドイッチ構造にしたものが提案されている
が、この場合には樹脂を強化繊維に充分含浸させるため
に高い成形圧力が必要な上、積層に手間が掛かる等操作
上の問題がある。
び弾性率を有しながら、低い成形圧力で容易に成形でき
る成形用シート材料、並びに、該成形用シート材料の製
造方法は、未だ得られていないのが実状である。
維及び熱可塑性樹脂からなり、異方性がなく、充分な強
度及び弾性率を有しながら、低い成形圧力で容易に成形
できる繊維強化熱可塑性樹脂シートを得るために、強化
繊維と熱可塑性樹脂よりなる中間体の構成及びその配合
方法について鋭意検討した結果、まず特定の要件を満た
した強化繊維の70%以上が熱可塑性樹脂により濡らさ
れた状態のテープ状材料(中間体)を作製し、次にこの
テープ状材料が均一に分散するようにしてシート状材料
を作製した場合には、その後の成形工程において低い成
形圧力で容易に成形品を得ることができ、且つ得た成形
品は異方性なく、極めて優れた強度及び弾性率を有する
ことを見出した。
ねて検討した結果、本発明を完成するに至ったものであ
る。
可塑性樹脂と強化繊維からなる繊維強化熱可塑性樹脂シ
ートであって、下記のA〜Dの要件を満たし且つ上記熱
可塑性樹脂中に上記強化繊維が均一に分散されているこ
とを特徴とする繊維強化熱可塑性樹脂シート、 A.上記強化繊維が実質的に無撚であり、 B.上記強化繊維の平均繊維長が10mm乃至50mm
であり、 C.上記繊維強化熱可塑性樹脂シート中の上記強化繊維
の体積含有率が30%乃至80%であり、 D.強化繊維の少なくとも70%が上記熱可塑性樹脂に
より濡らされた状態である。並びに、繊維強化熱可塑性
樹脂シートの製造方法であって、強化繊維と熱可塑性樹
脂からなり且つ下記のA〜Dの要件を満たすテープ状材
料を作製する工程と、該テープ状材料を切断し、均一に
金型内に分散する工程、および該金型内で加熱加圧成形
する工程とを含むことを特徴とする請求項1記載の繊維
強化熱可塑性樹脂シートの製造方法を提供するものであ
る。 A.上記強化繊維が実質的に無撚であり、 B.上記強化繊維の平均繊維長が10mm乃至50mm
であり、 C.上記テープ状材料中の上記強化繊維の体積含有率が
30%乃至80%であり、 D.上記テープ状材料中の強化繊維の少なくとも70%
が上記熱可塑性樹脂により濡らされた状態である。
いられる熱可塑性樹脂の素材としては、ナイロン6、ナ
イロン12、ナイロン66等に代表されるポリアミド樹
脂、ポリエチレンテレフタレ−トやポリブチレンテレフ
タレ−トなどのポリエステル樹脂、ポリエチレンやポリ
プロピレンなどのポリオレフィン系樹脂、ポリエ−テル
エ−テルケトン樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹
脂、ポリエ−テルイミド樹脂、ポリカ−ボネ−ト樹脂な
どが挙げられるが、特にこれらに限定されるものではな
い。なお、物性ならびに価格の点からポリオレフィン系
樹脂を、また、靭性の点からナイロン6などを選択する
のが好ましい。
いられる強化繊維の素材としては、ガラス繊維、炭素繊
維などの無機繊維、アラミド繊維、ポリエチレン繊維な
どの有機繊維、更に、ボロン繊維、アルミナ繊維などの
金属繊維などがあるが、特に、これらに限定されるもの
ではない。なお、用途に応じて適宜選択するのが好まし
く、例えば、非磁性が必要な場合には炭素繊維などを、
静電性が必要な場合には金属繊維などを用いると有効で
あるが、通常は性能ならびにコストの点からガラス繊維
を用いることが好ましい。また、これらの強化繊維を2
種類以上を混合して用いてもよい。
いられる強化繊維は、実質的に無撚であることが必要で
ある。強化繊維に撚がある場合、繊維強化熱可塑性樹脂
シートの強度及び弾性率が低下するため好ましくない。
いられる強化繊維の長さは、10mm乃至50mmであ
ることが必要である。強化繊維の長さが10mm未満の
場合には強化繊維によるシートの強化効率が低下し、5
0mmを超える場合には強化繊維を熱可塑性樹脂中に均
一に分散させることが困難となるためである。また、上
記の強化効率と均一分散の点から強化繊維の長さは15
mm乃至45mmであればより好ましい。
いて強化繊維が熱可塑性樹脂中に均一に分散されている
こととは、強化繊維の分布状態に斑がなく、且つ、強化
繊維に方向性がない状態にあることをいう。ここで、強
化繊維の分布状態に斑がないとは、繊維強化熱可塑性樹
脂シ−トについて、例えば、2g乃至3gの試料を任意
に5箇所以上抽出し、JIS K7052に従って計測
した体積含有率の最大値と最小値の差が3%以内である
ことをいう。但し、上記評価法は強化繊維の種類によっ
て異なるので特に限定されるものではなく、上記と実質
的に同様の分布状態であればよい。また、強化繊維に方
向性がない状態とは、繊維強化熱可塑性樹脂シートを目
視により観察した場合に、殆どの強化繊維の長手方向が
互いに非平行に存在することをいう。
強化繊維の体積含有率は、30%乃至80%であること
が必要である。体積含有率が30%未満の場合、目的の
物性を得ることが困難であり、体積含有率が80%を超
える場合、成形の際に成形品表層に強化繊維が暴露し易
く成形品の外観を損なう可能性があるためである。な
お、本発明の製造方法において用いられるテープ状材料
中の強化繊維の体積含有率としては、30%乃至80%
であることが必要であるが、その理由は上記と同様であ
る。
造方法においてテープ状材料を均一に分散させる工程と
は、例えばテープ状材料を箱のような空間で空気などに
よって飛翔させたり、液状流体内で撹拌させてから堆積
させることにより均一に分散させる工程をいうが、特に
これらに限定される訳ではない。
造方法において用いられるテ−プ状材料中の強化繊維
は、その総本数の少なくとも70%が熱可塑性樹脂によ
り濡らされた状態であることが必要である。濡らされた
状態が70%未満の場合、シート状材料を作製する際に
強化繊維の毛羽などにより作業性が損なわれたり、暴露
した強化繊維が損傷を受け強度の低下などを生じ、また
プレス成形などで該シ−トの成形を行なう場合、強化繊
維と熱可塑性樹脂の一体化に高い成形圧力、及び/叉
は、長い成形時間が必要とされるためである。なお、こ
こでいう濡らされた状態とは、任意に選択したテ−プ状
材料の断面において強化繊維の周囲長の50%以上が樹
脂と接触した状態にあることをいい、該状態にある強化
繊維の含有率(%)は、該断面にある強化繊維の総本数
に対する百分率で示す。
例えば、本発明のテ−プ状材料を構成する熱可塑性樹脂
の少なくとも一部を溶融・固化させて一体化させたり、
熱可塑性バインダ−やエラストマ−などでテ−プの一部
あるいは全部を固着して一体化させて作製するが、作製
方法は特にこれらに限定されるものではない。
形する場合の成形圧力は、強化繊維と熱可塑性樹脂との
組み合わせ等によって選択する必要があるが、5kgf
/cm2 乃至50kgf/cm2 が好ましい。成形方法
としてはホットスタンピング成形、高速圧縮成形などが
考えられるが、その際、成形圧力が5kgf/cm2以
下では、材料流動が完全に行なわれず、強化繊維の均一
分散が困難となり、成形圧力が50kgf/cm2 以上
では、材料流動により大量のバリが発生するため好まし
くない。
明するが、本発明はこれらに何等限定されるものではな
い。
た。シート状材料の含浸状態は、5枚のシ−ト状材料を
用いて、各シ−ト状材料の角部(4点)と中央部(1
点)の5点について、各点ごとに幅20mm、長さ20
mmの試料を5個づつ計25個採取し、その各試料の断
面において観察される強化繊維の内、周囲長の50%以
上が樹脂と接触した状態にある強化繊維の含有率(%)
の平均値を求め、その平均値が95%以上の場合は○、
75〜95%の場合は△、75%未満の場合は×とし
た。シート状材料のボイドは、上記と同様に試料を採取
し、その各試料の断面において認められる直径0.1m
m以上のボイドの個数のシート1枚あたりの平均値を求
め、その平均値が1個以下の場合は○、2〜10個の場
合は△とした。シ−ト状材料の強度及び弾性率は、JI
S K 7055に規定される曲げ試験方法(ガラス繊
維強化プラスチックの曲げ試験方法)のA法により曲げ
強さ、曲げ弾性率を測定し、その平均値が実施例1で得
られたシート状材料の値と同程度の場合は○、半分程度
の場合は△、それ以下の場合は×とした。シ−ト状材料
のうきは、幅250mm、長さ250mmのシ−ト状材
料5枚の表面を目視により観察した場合に、ガラス繊維
がシ−ト状成形材料の表面に暴露していると認められる
箇所の個数を求め、シート状材料1枚あたりの平均値が
0個の場合は○、1〜3個の場合は△、4個以上の場合
は×とした。シート状材料の表面の光沢は、目視によっ
て認められる白色蛍光灯(18ワット)の投影状態(鉛
直下1mに設置したシ−ト状成形材料に映る白色蛍光灯
の境界状態)を観察し、実施例1で得られたシート状材
料での観察結果と比較して、同程度の場合は○、少し悪
い場合は△、悪い場合は×とした。シート状材料の分散
状態は、5枚のシート状材料を用いて、各シ−ト状材料
の角部(4点)と中央部(1点)の計5点について、各
点ごとに幅20mm、長さ20mmの試料を5個づつ計
25個採取し、その各試料中のガラス繊維の体積含有率
(JIS K 7052に従う)の最大値と最小値の差
(%)を測定し、さらにシ−ト状成形材料の軟X線写真
より得られるガラス繊維の状態の評価を併せ、総合的に
判断した。上記体積含有率の最大値と最小値の差の測定
値の平均値が3%以内で、且つガラス繊維の状態が良好
な場合は○、それ以外の場合は×とした。
を完了するまでの時間と成形材料の取り扱いを総合的に
判断した。成形品のガラス繊維の分布状態は、半球の成
形品5個について頂点(1点)と周囲長を4分割する点
(4点)の計5点について幅約10mm、長さ約10m
mの試料を1個採取し、その試料中のガラス繊維の体積
含有率(JIS K 7052に従う)の最大値と最小
値の差(%)を測定し、その差が3%以内の場合は○、
3%を超える場合は×とした。成形品の静的強度は、イ
ンストロン型万能試験機のロ−ドセルに半球状(φ1
2.7mm)の成形品を設置し、クロスヘッド速度10
mm/分で半球状の成形品の頂点部を押圧し、その時に
得られた最大荷重値を測定し、実施例2で得られた成形
品での測定結果と比較して、同程度の場合は○、少し悪
い場合は△、悪い場合は×とした。成形品の衝撃強度
は、ASTM D3029(方式FB)に準拠した落錘
衝撃試験を行ない、その際に得られた最大衝撃荷重値を
測定し、実施例2で得られた成形品での測定結果と比較
して、同程度の場合は○、少し悪い場合は△、悪い場合
は×とした。
り(ガラス繊維の体積含有率45%)、ガラス繊維がポ
リプロピレン樹脂に70%だけ濡らされた状態の厚さ
0.1mm、幅10mmのテ−プ状材料を平均長さ20
mmに切断し、これをプレス成形で成形温度210℃、
成形圧力10kgf/cm2 、成形時間10分の条件で
厚さ3.5mmのシ−ト状成形材料を作製した。上記シ
−ト状成形材料について、その断面状態、物性、外観を
評価し、その結果を表1に示した。
5mmに切断し、これを実施例1と同様にプレス成形を
行ない厚さ3.5mmのシ−ト状成形材料を作製した。
上記シ−ト状成形材料について、その断面状態、物性、
外観を評価し、その結果を表1に示した。
60mmに切断し、これを実施例1と同様にプレス成形
を行ない厚さ3.5mmのシ−ト状成形材料を作製し
た。上記シ−ト状成形材料について、その断面状態、物
性、外観を評価し、その結果を表1に示した。
例1と同様のテ−プ状材料を平均長さ20mmに切断
し、これを実施例1と同様にプレス成形を行ない、厚さ
3.5mmのシ−ト状成形材料を作製した。上記シ−ト
状成形材料について、その断面状態、物性、外観を評価
し、その結果を表1に示した。
例1と同様のテ−プ状材料を平均長さ20mmに切断
し、これを実施例1と同様にプレス成形を行ない、厚さ
3.5mmのシ−ト状成形材料を作製した。上記シ−ト
状成形材料について、その断面状態、物性、外観を評価
し、その結果を表1に示した。
だけ濡らされた状態であること以外は実施例1と同様の
テ−プ状材料を平均長さ20mmに切断し、これを実施
例1同様にプレス成形を行ない厚さ3.5mmのシ−ト
状成形材料を作製した。上記シ−ト状成形材料につい
て、その断面状態、物性、外観を評価し、その結果を表
1に示した。
当な大きさに切り出し、遠赤外線ヒ−タで220℃まで
加熱した後、表面温度60℃に設定した型に設置し、成
形圧力10kgf/cm2 で1分間加圧し、半径50m
m、肉厚1mmの半球状の成形品を得た。上記成形時の
手間、並びに、上記成形品についてのガラス繊維の分布
状態、静的強度、衝撃強度を評価し、その結果を表2に
示した。
いて、実施例2と同様に成形し、半球状の成形品を得
た。上記成形時の手間、並びに、上記成形品についての
ガラス繊維の分布状態、静的強度、衝撃強度を評価し、
その結果を表2に示した。
こと以外は実施例1と同じのガラス繊維とポリプロピレ
ン樹脂とからなるシ−ト状成形材料を実施例2と同一条
件で成形し、半球状の成形品を得た。上記成形時の手
間、並びに、上記成形品についてのガラス繊維の分布状
態、静的強度、衝撃強度を評価し、その結果を表2に示
した。
マットに不飽和ポリエステル樹脂を含浸させてから半硬
化状態にした成形材料(ガラス繊維の体積含有率45
%)を表面温度120℃に設定した型に設置し、成形圧
力10kgf/cm2 で20分間加圧し、半球状の成形
品を得た。上記成形時の手間、並びに、上記成形品につ
いてのガラス繊維の分布状態、静的強度、衝撃強度を評
価し、その結果を表2に示した。
糸26本/吋)に不飽和ポリエステル樹脂を含浸させた
プリプレグ(ガラス繊維の体積含有率45%)を表面温
度120℃の金型に経緯交互に4層だけ設置し、成形圧
力10kgf/cm2 で20分間加圧し、半球状の成形
品を得た。上記成形時の手間、並びに、上記成形品につ
いてのガラス繊維の分布状態、静的強度、衝撃強度を評
価し、その結果を表2に示した。
なく、充分な強度及び弾性率を有し、耐衝撃性にも優れ
た繊維強化熱可塑性樹脂シ−ト、並びに、低い成形圧力
で容易に製造することが可能な上記繊維強化熱可塑性樹
脂シ−トの製造方法を提供するものである。また、本発
明の繊維強化熱可塑性樹脂シ−トは上記のような優れた
特性を有するにもかかわらず、低い成形圧力で容易に成
形することができ、また、得られた成形品は異方性がな
く、高い強度、弾性率及び耐衝撃性を有する。よって、
本発明の繊維強化熱可塑性樹脂シ−トは、例えばバンパ
ービーム、ボンネットのフード、シートシェルなどの自
動車部材やバイク、スノーモービル、水上バイクなどの
外板、またバタ材、コンクリートを打ち込むときの型枠
等の建材、桟橋のあて板や構造材の補強材、さらにガー
ドレール、水槽、安全靴の先芯などに適用することがで
きる。このように、当該分野における本発明の意義は大
きく、本発明の効果は極めて大である。
Claims (2)
- 【請求項1】 熱可塑性樹脂と強化繊維からなる繊維強
化熱可塑性樹脂シートであって、下記のA〜Dの要件を
満たし且つ上記熱可塑性樹脂中に上記強化繊維が均一に
分散されていることを特徴とする繊維強化熱可塑性樹脂
シート。 A.上記強化繊維が実質的に無撚であり、 B.上記強化繊維の平均繊維長が10mm乃至50mm
であり、 C.上記繊維強化熱可塑性樹脂シート中の上記強化繊維
の体積含有率が30%乃至80%であり、 D.強化繊維の少なくとも70%が上記熱可塑性樹脂に
より濡らされた状態である。 - 【請求項2】 繊維強化熱可塑性樹脂シートの製造方法
であって、強化繊維と熱可塑性樹脂からなり且つ下記の
A〜Dの要件を満たすテープ状材料を作製する工程と、
該テープ状材料を切断し、均一に金型内に分散する工
程、および該金型内で加熱加圧成形する工程とを含むこ
とを特徴とする請求項1記載の繊維強化熱可塑性樹脂シ
ートの製造方法。 A.上記強化繊維が実質的に無撚であり、 B.上記強化繊維の平均繊維長が10mm乃至50mm
であり、 C.上記テープ状材料中の上記強化繊維の体積含有率が
30%乃至80%であり、 D.上記テープ状材料中の強化繊維の少なくとも70%
が上記熱可塑性樹脂により濡らされた状態である。
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---|---|---|---|
JP5312183A JP2885038B2 (ja) | 1993-12-13 | 1993-12-13 | 繊維強化熱可塑性樹脂シ−ト及びその製造方法 |
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---|---|---|---|
JP5312183A JP2885038B2 (ja) | 1993-12-13 | 1993-12-13 | 繊維強化熱可塑性樹脂シ−ト及びその製造方法 |
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Publication Number | Publication Date |
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JPH07164439A JPH07164439A (ja) | 1995-06-27 |
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JP5312183A Expired - Lifetime JP2885038B2 (ja) | 1993-12-13 | 1993-12-13 | 繊維強化熱可塑性樹脂シ−ト及びその製造方法 |
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