JPH10128866A - 複合材製パイプ及びその製造方法 - Google Patents

複合材製パイプ及びその製造方法

Info

Publication number
JPH10128866A
JPH10128866A JP8304118A JP30411896A JPH10128866A JP H10128866 A JPH10128866 A JP H10128866A JP 8304118 A JP8304118 A JP 8304118A JP 30411896 A JP30411896 A JP 30411896A JP H10128866 A JPH10128866 A JP H10128866A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fiber
fiber yarn
resin
thermoplastic
thermosetting
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP8304118A
Other languages
English (en)
Inventor
Akira Takenaka
亮 竹中
Shigeto Nishida
重人 西田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Showa Marutsutsu Co Ltd
Original Assignee
Showa Marutsutsu Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Showa Marutsutsu Co Ltd filed Critical Showa Marutsutsu Co Ltd
Priority to JP8304118A priority Critical patent/JPH10128866A/ja
Publication of JPH10128866A publication Critical patent/JPH10128866A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Rigid Pipes And Flexible Pipes (AREA)
  • Moulding By Coating Moulds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 リサイクル性を向上させると共に、修理、補
修が容易と成りリターナブル化を図ることのできる複合
材製パイプと、その製造方法の提供を図る。 【解決手段】 繊維糸を棒状マンドレルの長さ方向に対
して縦、横、斜め等の所定の方向毎に各層を形成しなが
ら、積層状に配設して筒状の繊維糸積層1,2,3,4
を形成し、この筒状の繊維糸積層1,2,3,4内に樹
脂5を充填して、繊維糸と樹脂とが一体化したパイプを
形成する。繊維糸と樹脂とには、共に、熱可塑性のもの
を用いるか、或いは、共に熱硬化性のものを用いる。必
要に応じて、繊維糸積層中に、ガラス繊維、ボロン繊
維、炭素繊維等の強化用繊維や綿糸、紙紐等の増量材
を、パイプ重量の30重量%を限度して併用してもよ
い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本願発明は、複合材製パイプ及び
その製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、マトリックスに熱硬化性樹脂
或いは熱可塑性樹脂を使用した複合材料は、ガラス繊維
と不飽和ポリエステルから、近年はボロン繊維、炭素繊
維、アラミド繊維等、高機能繊維の開発が進み、力学的
特性の向上と軽量化を重視した内容が知られ、これらの
特性を生かした種々の繊維強化複合材製パイプが提供さ
れている。
【0003】ところが、これらの繊維強化複合材製パイ
プは、異なる材料の特質を生かし、力学的特性等の種々
の機能の向上を目的として開発が進められた結果、リサ
イクル性に乏しいという欠点を有する。特に、これらの
繊維強化複合材製パイプは、マトリックス樹脂と繊維糸
とが異なる系統の素材によるのが一般的であるため、こ
れらのパイプを樹脂ペレット等に再生することが実質的
に不可能であった。また、パイプの補修や修理も、特性
の異なる複数の素材に応じた方法を採る必要があり、修
理、補修が困難であるという問題も有している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかして本願発明は、
上記の事情に鑑み、リサイクル性を向上させると共に、
修理、補修が容易と成りリターナブル化を図ることので
きる複合材製パイプと、その製造方法を提供せんとする
ものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本願の第1の発明は、熱
硬化性の繊維糸を含む熱硬化性の長尺体が、筒状体の軸
方向に対して縦、横、斜め等の所定の方向に配位されて
少なくとも1つの層をなすように配設されてなる筒状の
繊維糸積層と、この筒状の繊維糸積層内に充填された熱
硬化性樹脂とから構成され、この熱硬化性樹脂が、充填
後に硬化させられることにより、上記熱硬化性の繊維糸
を含む熱硬化性の長尺体と一体化されたものであること
を特徴とする複合材製パイプを提供する。本願の第2の
発明は、熱可塑性の繊維糸を含む熱可塑性の長尺体が、
筒状体の軸方向に対して縦、横、斜め等の所定の方向に
配位されて少なくとも1つの層をなすように配設されて
なる筒状の繊維糸積層と、この筒状の繊維糸積層内に充
填された熱可塑性樹脂とから構成され、この熱可塑性樹
脂が、充填後に硬化させられることにより、上記熱可塑
性の繊維糸を含む熱可塑性の長尺体と一体化されたもの
であることを特徴とする複合材製パイプを提供する。本
願の第3の発明は、上記の第1又は第2の発明に係る複
合材製パイプにおいて、繊維糸積層中に、ガラス繊維、
ボロン繊維、炭素繊維等の強化用繊維や木綿糸、毛糸、
紙テープ、紙紐等の増量材等の異質物が配位され、この
異質物の配合量がパイプ重量の30重量%以下であるこ
とを特徴とするものを提供するものである。
【0006】本願の第4の発明は、熱硬化性の繊維糸を
含む熱硬化性の長尺体を、棒状マンドレルの長さ方向に
対して縦、横、斜め等の所定の方向に少なくとも1つの
層を形成するように配設して基本となる厚みの筒状体を
形成する繊維糸積層工程と、上記棒状マンドレル上にお
いて、上記の筒状体の表面から繊維糸積層内へ圧力をか
けながら熱硬化性樹脂を充填する充填工程と、上記棒状
マンドレル上において、上記の充填工程後の筒状体を加
熱金型で加圧しながら上記熱硬化性樹脂を硬化させ、上
記熱硬化性の繊維糸を含む熱硬化性の長尺体と一体化さ
せる硬化工程とを備えた複合材性パイプの製造方法を提
供する。本願の第5の発明は、熱可塑性の繊維糸を含む
熱可塑性の長尺体を、棒状マンドレルの長さ方向に対し
て縦、横、斜め等の所定の方向に少なくとも1つの層を
形成するように配設して基本となる厚みの筒状体を形成
する繊維糸積層工程と、上記棒状マンドレル上におい
て、上記の筒状体の表面から繊維糸積層内へ圧力をかけ
ながら熱可塑性樹脂を充填する充填工程と、上記棒状マ
ンドレル上において、上記の充填工程後の筒状体を冷却
金型で加圧しながら上記熱可塑性樹脂を硬化させ、上記
熱可塑性の繊維糸を含む熱可塑性の長尺体と一体化させ
る硬化工程とを備えた複合材性パイプの製造方法を提供
する。本願の第6の発明は、上記の第4又は第5の複合
材製パイプの製造方法において、繊維糸積層工程と充填
工程との少なくとも何れか一方の工程にて、ガラス繊
維、ボロン繊維、炭素繊維等の強化用繊維や木綿糸、毛
糸、紙テープ、紙紐等の増量材等の異質物を供給して配
設するものであり、この異質物の配合量がパイプ重量の
30重量%以下であることを特徴とする方法を提供す
る。
【0007】本願の発明においては、熱硬化性繊維糸又
は熱可塑性繊維糸に対して、充填用の樹脂として熱硬化
性樹脂又は熱可塑性樹脂の同系のを用いる。尚、本願の
各発明において、繊維糸を含む熱硬化性の長尺体とは、
繊維糸を供給して配設する形態として繊維糸を単独の形
態で配設した場合の他、プリプレグ等の樹脂含浸繊維集
合体の長尺のリボン状やシート状の形態として供給して
配設した場合も含む意味である。しかして、上記のよう
に同系統のものを用いることによって、パイプを樹脂ペ
レット等に再生すると言ったリサイクルが容易に行うこ
とができることは勿論、リターナブル中の欠損部分を補
修等する場合にも、系統の異なる素材を用いた場合に比
して容易に行い得る。そして、このような同系統のもの
を用いるものであっても、樹脂のみで成形した場合に比
して、熱硬化性繊維糸又は熱可塑性繊維糸を軸方向に種
々の角度で配設することによって、そのパイプのニーズ
に応じた方向性や強度をもたらすことができ、しかも、
樹脂のみで成形されたものと同程度の軽量性を実現する
ことができ、リターナブル化が容易となるものである。
また、前述の繊維糸に、繊維メーカー及び次加工メーカ
ーで発生する繊維糸の規格外品を有効活用することもで
きる。
【0008】そして、繊維糸積層中にガラス繊維、ボロ
ン繊維、炭素繊維等の長尺体又は短尺体からなる強化用
繊維や、木綿糸、毛糸、紙テープ、紙紐、紙粉等の増量
材等の異質物を、繊維糸層間に配位したり、樹脂中へ均
一に分散させたり、前述のプリプレグを用いる場合には
このプリプレグ中に配位したり繊維糸層間への配位と樹
脂中への均一分散とを組み合わせて配設することによっ
て、力学的特性を向上させたり、繊維糸層の厚みを低コ
ストで厚くしたりすることができることはもちろん、こ
の異質物の配合量をパイプ重量の30重量%以下に抑え
ることによって、上記のリサイクルの容易性を大きく損
なうことを防止することができたものである。ここで、
異質物とは、繊維糸積層及び充填用樹脂と異なる素材を
意味する。但し、異質の材料として、熱硬化性の材料を
主材とする第1の発明及び第4の発明にあっては、熱可
塑性繊維糸や熱可塑性樹脂等の熱可塑性の材料を用いる
ことは好ましくなく、熱可塑性の材料を主材とする第2
の発明及び第5の発明にあっては、熱硬化性繊維糸や熱
硬化性樹脂等の熱可塑性の材料を用いることも好ましく
ないものであり、上記に例示した、強化用繊維や植物性
繊維或いは動物性繊維等の天然繊維からなる長尺体や粉
粒体等の熱硬化性でもなく熱可塑性でもない素材を用い
ることが好ましい。また、異質物として、第1の発明及
び第4の発明にあっては熱硬化性樹脂や熱硬化性繊維製
の粉粒体等の繊維糸でもなく充填される液状の樹脂でも
ない形態で熱硬化性樹脂や繊維を混入してもよく、同様
に、第2の発明及び第5の発明にあっては熱可塑性樹脂
や熱可塑性繊維製の粉粒体等の繊維糸でもなく充填され
る液状の樹脂でもない形態で熱可塑性樹脂や繊維を混入
してもよい。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づき本願発明の実
施の形態を説明する。図1は本願発明に係るパイプの断
面図である。
【0010】まず、この実施の形態に係る複合材製パイ
プは、図1に示すように、パイプの内側から第1から第
4までの各繊維糸積層1,2,3,4と、樹脂による表
面層5との5層から構成されている。尚、樹脂は、各繊
維糸による層1,2,3,4の繊維糸間の隙間に対して
充填させることを主目的として付与されるものであるた
め、最外層5は、綺麗な層状とならなくても良い。尚、
各繊維糸は非常に細いため、図では、1本ずつの繊維糸
を図示せず、これらの集合としての層のみを模式図的に
図示したものである。
【0011】この複合材製パイプの構成について詳しく
説明する前に、その製造方法について説明しておく、こ
の複合材製パイプは、長尺体を筒状になす際に用いる種
々の方法を適用することができるが、この実施の形態で
は、所謂プルワインド方式による製造を例示する。具体
的には、固定された断面円形の棒状のマンドレルに対し
て、各繊維糸積層1,2,3,4を構成する繊維糸を引
き出して配設する。
【0012】より具体的な例を挙げれば、まず、第1の
繊維糸積層1を構成する繊維糸を、マンドレルの軸方向
に対して平行に繰り出すと、当該繊維糸はマンドレルの
表面上を先端に向けて軸方向に進む。このとき、マンド
レルの先端側の適宜位置において、繊維糸をマンドレル
の先端方向に引っ張るようにしてもよい。尚、当該繊維
糸は、ボビンから供給されるが、このボビンは、マンド
レルの周囲を取り囲むように多数配設され、マンドレル
の円周方向に多数の第1の繊維糸が配列されるものであ
る。また、マンドレルと離れた位置に配位したボビンか
ら、各繊維糸をマンドレルの周囲に配位されるように案
内してもよい。
【0013】次に、この第1の繊維糸積層1の上に、第
2の繊維糸積層2を構成する繊維糸がボビンから供給さ
れる。この当該繊維糸は、マンドレルの軸方向に対して
直交する方向若しくは傾斜した方向に供給される。尚、
直交する方向に供給した場合でも、第1の繊維糸積層1
の繊維糸が軸方向に進行しているため、第2の繊維糸積
層2の繊維糸はマンドレルの軸方向に対して角度を持っ
たスパイラル状に巻回される。この巻回のリード角は、
繊維糸の種類やパイプに要求される品質等に応じて、供
給の際の角度と、第1の繊維糸積層1を構成する繊維糸
の軸方への進行速度によって適宜の角度に変更され得
る。
【0014】次に、第2の繊維糸積層2の上に、第3の
繊維糸積層3を構成する繊維糸がボビンから供給され
る。この当該繊維糸も、マンドレルの軸方向に対して直
交する方向若しくは傾斜した方向に供給される。尚、直
交する方向に供給した場合でも、第1の繊維糸積層1の
繊維糸が軸方向に進行しているため、第3の繊維糸積層
3の繊維糸はマンドレルの軸方向に対して角度を持った
スパイラル状に巻回される。この巻回のリード角も、上
記の第2の繊維糸2の場合と同様に、適宜の角度に変更
され得る。
【0015】この第2の繊維糸積層2を構成する繊維糸
と、第3の繊維糸積層3を構成する繊維糸との巻回の向
きは、第2を左巻きとして、第3を右巻きとする等、巻
回の向きを異ならしてもよく、同じ向きとしてもよい。
この第2、第3の繊維糸のボビンについても、マンドレ
ルの周りに複数配設することによって実施できる点では
第1の繊維糸積層1の場合と同様であるが、この配設し
たボビンをマンドレルの周囲において回転させることに
よって、各繊維糸がスパイラル状に巻回される点が、第
1の繊維糸積層1の場合と異なる。即ち、複数のボビン
をマンドレルの周囲に配位し、これらのボビンをマンド
レルを中心として時計回り或いは反時計回りに回転させ
る。さらに具体的には、中央にマンドレルの挿通穴を有
する回転体を配位し、この挿通穴にマンドレルを挿通す
る。回転体には、複数のボビンを配位し、各ボビンか
ら、マンドレルの軸方向に対して直交する方向若しくは
傾斜した方向に繊維糸を供給する。繊維糸も、マンドレ
ルの軸方向に対して直交する方向若しくは傾斜した方向
に供給される。第1の繊維糸積層1の繊維糸が軸方向に
進行しているため、或いは、第1の繊維糸積層1の繊維
糸と同様、マンドレルの先端側の適宜位置において、繊
維糸をマンドレルの先端方向に引っ張っているため、マ
ンドレルの周囲にて回転しているボビンから供給された
第2、第3の繊維糸積層2,3の繊維糸は、スパイラル
状に巻回される。
【0016】次に、第3の繊維糸積層3の上に、第4の
繊維糸積層4を構成する繊維糸を繰り出す。供給する方
向は、マンドレルの軸方向に対して平行であり、繊維糸
はマンドレルの先端に向けて軸方向に進む。尚、第4の
繊維糸積層4を構成する繊維糸のボビンは、マンドレル
の周囲を取り囲むように多数配設され、マンドレルの円
周方向に多数の第4の繊維糸が配列されるものである。
また、マンドレルと離れた位置に配位したボビンから、
各繊維糸をマンドレルの周囲に配位されるように案内し
てもよい。
【0017】このように、この実施の形態では、第1乃
至第4の繊維糸が、棒状マンドレルの長さ方向に対して
所定の方向毎に各層(第1の繊維糸積層1、第2の繊維
糸積層2、第3の繊維糸積層3、第4の繊維糸積層4)
を形成しながら、積層状に配設され、これによって、基
本となる厚みを備えた筒状体が形成される。
【0018】次に、この筒状体は、マンドレルの外周に
沿ったまま、次工程の充填工程に送られる。この充填工
程では、充填装置が筒状体の外周に配位され、内側(マ
ンドレルの半径方向)に開いた吐出口から、所定の圧力
で液状の樹脂が供給され、その圧力によって、樹脂が第
1乃至第1の繊維糸積層1,2,3,4内へ充填され
る。
【0019】次に、筒状体は、マンドレルの外周に沿っ
たまま、次工程の硬化工程に送られる。この硬化工程で
は、充填工程後の筒状体を金型で加圧しながら上記樹脂
を硬化させ、繊維糸と一体化させる。この金型によっ
て、パイプの外周の形状の安定性や平滑性が高められ
る。これによって、パイプは完成し、適宜長さに切断さ
れる。尚、この硬化工程では、品質安定等の理由から、
単一の工程で行ってもよいが、複数の工程に分けて実施
する複数ゾーン工程であってもよい。
【0020】図1は、この完成されたパイプの断面を示
すもので、繊維糸が、筒状体の軸方向に対して縦、横、
斜め等の所定の方向毎に各層を形成して積層状に配設さ
れてなる筒状の繊維糸積層1,2,3,4と、この筒状
の繊維糸積層内へ圧力をかけながら充填された樹脂とか
ら構成され、この樹脂が、充填後に冷却金型で加圧しな
がら硬化させられることにより、各層の繊維糸と一体化
された複合材製パイプである。尚、このパイプの両端に
は、金属、合成樹脂並びに複合材料製の保護用の別部材
を、必要に応じて装着してもよい。繊維糸積層の層の数
は1層以上の適宜数に変更でき、各層の厚みや各層の繊
維糸の本数や太さや供給手段も適宜変更できる。また、
巻回の角度等も適宜変更し得る。樹脂は、各層の繊維糸
間に充填されることは勿論、パイプの最外層5を構成す
る。そして、この最外層5の樹脂の表面が、また、場合
によっては繊維糸積層の表面側及び最外層5の樹脂の表
面が、金型によって成形される結果、平滑な表面を得る
ことができる。さらに、使用目的に応じて、外表面を切
削、研磨する等、他の加工手段を併用することも可能で
ある。尚、樹脂の硬化までは、マンドレルに装着した状
態で行うものであるが、硬化後には、マンドレルから取
り外して、外周面や内周面等に対して、種々の処理を施
してもよい。
【0021】ここで、本願の第1、第4の発明では、各
繊維糸積層1,2,3,4に熱硬化性の繊維糸が用いら
れると同時に、樹脂にも熱硬化性の樹脂が用いられる。
そしてこの場合には、金型には、加熱用の金型が用いら
れ、加熱加圧によって、樹脂を硬化させる。熱硬化性の
繊維糸としては、ポリエステル繊維糸等が例示され、熱
硬化性の樹脂としては不飽和ポリエステル樹脂等を例示
し得る。
【0022】本願の第2、第5の発明では、各繊維糸積
層1,2,3,4に熱可塑性の繊維糸が用いられると同
時に、樹脂にも熱可塑性の樹脂が用いられる。そしてこ
の場合には、金型には、冷却用の金型が用いられ、冷却
加圧によって、樹脂を硬化させる。熱可塑性の繊維糸と
しては、ポリアミド繊維糸(ナイロン6、ナイロン6・
6、ナイロン6・12)等が例示され、熱硬化性の樹脂
としてはポリアミド樹脂(ナイロン6、ナイロン6・
6)、ポリイミド樹脂を例示し得る。
【0023】このように、本願発明では、熱硬化性の樹
脂には熱硬化性の繊維糸、熱可塑性の樹脂には熱可塑性
の繊維糸と言うように、同系の素材を用いるものであ
り、より望ましくは、ポリエステル繊維糸には不飽和ポ
リエステル樹脂、ポリアミド繊維糸にはポリアミド樹脂
若しくはポリイミド樹脂と言うように、同種の素材を用
いることが望ましい。
【0024】また、繊維糸積層工程中においては、ガラ
ス繊維、ボロン繊維、炭素繊維、アラミド繊維等の強化
用繊維を供給して配設することができる。この強化用繊
維は繊維糸積層における層間(例えば第2の繊維糸積層
2と第3の繊維糸積層3との間)や、層の内側或いは外
側(例えば第1の繊維糸積層1の内側や、第4の繊維糸
積層4の外側)、各層中の繊維糸間(第4の繊維糸積層
4中の繊維糸と繊維糸との間)に、配位する。また、木
綿糸、毛糸、紙テープ、紙紐、紙粉等の増量材を繊維糸
積層における層間(例えば第2の繊維糸積層2と第3の
繊維糸積層3との間)や、層の内側或いは外側(例えば
第1の繊維糸積層1の内側や、第4の繊維糸積層4の外
側)、各層中の繊維糸間(第4の繊維糸積層4中の繊維
糸と繊維糸との間)に、配位してもよい。供給方法は、
前述の各繊維糸と同様の供給方法を採ることができる。
また、充填樹脂中に短繊維を均一分散する如く、配設す
ることも何ら問題なく実施し得る。さらに、前述のプリ
プレグを用いる場合にはこのプリプレグ中に配位したり
繊維糸層間への配位と樹脂中への均一分散とを組み合わ
せて配設できる。但し、この強化繊維の配合量や増量材
等の異質物は、多量に配合すると、リサイクル性が低下
するおそれがあるため、パイプ重量の30重量%以下と
する。尚、パイプの重量とは、保護用の別部材を除い
た、繊維糸と、強化用繊維や増量材等の異質物と、樹脂
との合計の重量を意味する。繊維糸や強化用繊維は、薬
品、火炎、電気、物理等の処理によって、外表面に微小
な凹凸を形成する等して、表面を改質しておき、充填さ
れる樹脂との一体化を向上させるようにしておくことが
望ましい。この改質は、積層前に行っておいてもよく、
マンドレルへ供給して積層する際に行ってもよい。強化
用繊維や増量材は長尺状或いは短尺状や粉粒体状のもの
をマンドレル上に配設しているが、各繊維糸や強化用繊
維や増量材をプリプレグ等の樹脂含浸繊維集合体の形態
としてマンドレル上に配設することも可能である。
【0025】尚、前述の繊維糸も、パイプの構造を強化
するものであるが、充填用の熱硬化性樹脂又は熱可塑性
樹脂と同系の熱硬化性繊維糸又は熱可塑性繊維糸を用い
る点で、通常の繊維強化プラスチックに用いられる強化
用繊維とは異なるものである。このように、同系統のも
のを用いることによって、樹脂ペレット等に再生すると
言ったリサイクルが容易に行うことができることは勿
論、欠損部分を補修等する場合にも、系統の異なる素材
を用いた場合に比して容易に行い得るようになったもの
である。そして、このような同系統のものを用いるもの
であっても、樹脂のみで成形した場合に比して、熱硬化
性繊維糸又は熱可塑性繊維糸を軸方向に対して種々の角
度で配設することによって、そのパイプのニーズに応じ
た方向性や強度をもたらすことができ、しかも、樹脂の
みで成形されたものと同程度の軽量性を実現することが
できるものである。また、前述の繊維糸に、繊維メーカ
ー及び次加工メーカーで発生する繊維糸の規格外品を有
効活用することもできる。
【0026】本願発明に係るパイプは、流体や粉粒体の
輸送用パイプ、各種ローラー、ディスプレー用部材、ボ
ビン、巻芯等々、筒状の部品や部材として種々の用途に
用いることができるものである。
【0027】
【発明の効果】しかして本願の第1、第2の発明は、上
記の事情に鑑み、リサイクル性を向上させると共に、修
理、補修が容易と成りリターナブル化を図ることのでき
る複合材製パイプを提供することができたものである。
さらに、本願の第3の発明にあっては、上記の利点を損
なうことなく、さらに力学的特性を向上させたり、低コ
ストで増量を図ったりする等、種々の特質を発揮する複
合材製パイプを提供し得たものである。
【0028】また、本願の第4、第5の発明は、上記の
事情に鑑み、リサイクル性を向上させると共に、修理、
補修が容易と成りリターナブル化を図ることのできる複
合材製パイプを連続的に製造する方法を提供することが
できたものである。さらに、本願の第6の発明にあって
は、上記の利点を損なうことなく、さらに力学的特性を
向上させたり、低コストで増量を図ったりする等、種々
の特質を発揮する複合材製パイプの製造方法を提供し得
たものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明に係るパイプの断面図である。
【符号の説明】
1 第1の繊維糸積層 2 第2の繊維糸積層 3 第3の繊維糸積層 4 第4の繊維糸積層 5 樹脂の最外層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B29K 105:08 B29L 23:00

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱硬化性の繊維糸を含む熱硬化性の長尺
    体が、筒状体の軸方向に対して縦、横、斜め等の所定の
    方向に配位されて少なくとも1つの層をなすように配設
    されてなる筒状の繊維糸積層と、 この筒状の繊維糸積層内に充填された熱硬化性樹脂とか
    ら構成され、 この熱硬化性樹脂が、充填後に硬化させられることによ
    り、上記熱硬化性の繊維糸を含む熱硬化性の長尺体と一
    体化されたものであることを特徴とする複合材製パイ
    プ。
  2. 【請求項2】 熱可塑性の繊維糸を含む熱可塑性の長尺
    体が、筒状体の軸方向に対して縦、横、斜め等の所定の
    方向に配位されて少なくとも1つの層をなすように配設
    されてなる筒状の繊維糸積層と、 この筒状の繊維糸積層内に充填された熱可塑性樹脂とか
    ら構成され、 この熱可塑性樹脂が、充填後に硬化させられることによ
    り、上記熱可塑性の繊維糸を含む熱可塑性の長尺体と一
    体化されたものであることを特徴とする複合材製パイ
    プ。
  3. 【請求項3】 繊維糸積層及び/又は充填用樹脂中に、
    ガラス繊維、ボロン繊維、炭素繊維等の強化用繊維や木
    綿糸、毛糸、紙テープ、紙紐等の増量材等の異質物が配
    位され、この異質物の配合量がパイプ重量の30重量%
    以下であることを特徴とする請求項1又は2記載の複合
    材製パイプ。
  4. 【請求項4】 熱硬化性の繊維糸を含む熱硬化性の長尺
    体を、棒状マンドレルの長さ方向に対して縦、横、斜め
    等の所定の方向に少なくとも1つの層を形成するように
    配設して基本となる厚みの筒状体を形成する繊維糸積層
    工程と、 上記棒状マンドレル上において、上記の筒状体の表面か
    ら繊維糸積層内へ圧力をかけながら熱硬化性樹脂を充填
    する充填工程と、 上記棒状マンドレル上において、上記の充填工程後の筒
    状体を加熱金型で加圧しながら上記熱硬化性樹脂を硬化
    させ、上記熱硬化性の繊維糸を含む熱硬化性の長尺体と
    一体化させる硬化工程とを備えた複合材性パイプの製造
    方法。
  5. 【請求項5】 熱可塑性の繊維糸を含む熱可塑性の長尺
    体を、棒状マンドレルの長さ方向に対して縦、横、斜め
    等の所定の方向に少なくとも1つの層を形成するように
    配設して基本となる厚みの筒状体を形成する繊維糸積層
    工程と、 上記棒状マンドレル上において、上記の筒状体の表面か
    ら繊維糸積層内へ圧力をかけながら熱可塑性樹脂を充填
    する充填工程と、 上記棒状マンドレル上において、上記の充填工程後の筒
    状体を冷却金型で加圧しながら上記熱可塑性樹脂を硬化
    させ、上記熱可塑性の繊維糸を含む熱可塑性の長尺体と
    一体化させる硬化工程とを備えた複合材性パイプの製造
    方法。
  6. 【請求項6】 繊維糸積層工程と充填工程との少なくと
    も何れか一方の工程において、ガラス繊維、ボロン繊
    維、炭素繊維等の強化用繊維や木綿糸、毛糸、紙テー
    プ、紙紐等の増量材等の異質物を供給して配設するもの
    であり、この異質物の配合量がパイプ重量の30重量%
    以下であることを特徴とする請求項4又は5記載の複合
    材製パイプの製造方法。
JP8304118A 1996-10-29 1996-10-29 複合材製パイプ及びその製造方法 Pending JPH10128866A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8304118A JPH10128866A (ja) 1996-10-29 1996-10-29 複合材製パイプ及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8304118A JPH10128866A (ja) 1996-10-29 1996-10-29 複合材製パイプ及びその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10128866A true JPH10128866A (ja) 1998-05-19

Family

ID=17929257

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8304118A Pending JPH10128866A (ja) 1996-10-29 1996-10-29 複合材製パイプ及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10128866A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000158549A (ja) * 1998-11-27 2000-06-13 Toyama Prefecture 単一の素材で構成されるfrpとその製造方法
JP2008521650A (ja) * 2004-12-03 2008-06-26 カノフ・ケルン・アンド・コーポレーション プラスティック中空体、特にプラスティックパイプ
CN106079499A (zh) * 2016-06-13 2016-11-09 浙江伟星新型建材股份有限公司 一种纤维绳带协同增强的恒温复合管制备方法

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000158549A (ja) * 1998-11-27 2000-06-13 Toyama Prefecture 単一の素材で構成されるfrpとその製造方法
JP2008521650A (ja) * 2004-12-03 2008-06-26 カノフ・ケルン・アンド・コーポレーション プラスティック中空体、特にプラスティックパイプ
US8137780B2 (en) 2004-12-03 2012-03-20 Knoch, Kern & Co. Plastic hollow body, in particular plastic pipe
CN106079499A (zh) * 2016-06-13 2016-11-09 浙江伟星新型建材股份有限公司 一种纤维绳带协同增强的恒温复合管制备方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TW500658B (en) Process and apparatus for filament winding composite workpieces
JP5416341B2 (ja) 丸形状繊維強化プラスチック線材の製造方法
US20060125156A1 (en) Method of production of composite materials
JPS63189235A (ja) 横断テープのワインディング方法並びに装置
US10041193B2 (en) Sandwich core material
JP6705402B2 (ja) 補強層の製造方法
JP7492824B2 (ja) 複合オーバーラップツールのための熱可塑性複合in-situ溶融処理法
JP2007203723A (ja) 繊維強化プラスチック製管体及びその製造方法
JPH0232133B2 (ja)
KR20160021623A (ko) 필 플라이 적용 frp 리바 제조장치 및 제조방법
JPH10128866A (ja) 複合材製パイプ及びその製造方法
US4685241A (en) Graphite fiber fishing rod
JP5624871B2 (ja) 扁平形状繊維強化プラスチック線材シートの製造方法
CN114375257A (zh) 预浸母卷和分切带及方法
US6468625B1 (en) Laminate configuration for reinforcing glulam beams
US20060214049A1 (en) Non-round profiled pultruded tube
US3676246A (en) Method for longitudinal reinforcing plastic pipes
WO2004030906A1 (en) Composite materials
JP3278097B2 (ja) 管状体
JP2007216554A (ja) 繊維強化合成樹脂パイプ
KR100326550B1 (ko) 에프알피 통의 셸 및 이것의 제조방법
JP2021187094A (ja) 高圧タンクの製造方法
JPH0489346A (ja) コンクリート補強部材及びその製造法
WO2020259951A1 (en) Fibre-reinforced composite tubular shafts and manufacture thereof
JPH10196852A (ja) 複合材製パイプ