JP2000158549A - 単一の素材で構成されるfrpとその製造方法 - Google Patents

単一の素材で構成されるfrpとその製造方法

Info

Publication number
JP2000158549A
JP2000158549A JP10353925A JP35392598A JP2000158549A JP 2000158549 A JP2000158549 A JP 2000158549A JP 10353925 A JP10353925 A JP 10353925A JP 35392598 A JP35392598 A JP 35392598A JP 2000158549 A JP2000158549 A JP 2000158549A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin
fiber
reinforcing material
frp
solvent
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP10353925A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3128738B2 (ja
Inventor
Tokumitsu Sanae
徳光 早苗
Ryoji Kanamaru
亮二 金丸
Shuichi Takamatsu
周一 高松
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyama Prefecture
Original Assignee
Toyama Prefecture
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyama Prefecture filed Critical Toyama Prefecture
Priority to JP10353925A priority Critical patent/JP3128738B2/ja
Publication of JP2000158549A publication Critical patent/JP2000158549A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3128738B2 publication Critical patent/JP3128738B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 マトリックス樹脂、強化材ともに同じ素材の
熱可塑性樹脂で構成することにより、分離回収する必要
のない、リサイクル性に優れた、単一素材からなるFR
Pとその製造方法を提供することを目的とする。 【解決手段】 単一の素材として、熱可塑性樹脂であ
り、且つ高強度・高弾性率繊維としても利用可能な樹脂
を用いる。そして、FRPとする方法については、樹脂
に溶媒を含ませたり、あるいは樹脂を溶媒に溶かしたも
のを、繊維やテープ等の強化材と混合したり、積層した
のちに、強化材の融点以下の温度で加熱、加圧すること
により融着させて複合化する方法による。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、マトリックス樹
脂、強化材ともに同じ熱可塑性樹脂を使用した、単一の
素材から構成されるFRPとその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】FRP(繊維強化プラスチック)は、軽
くて強いことから、浴槽や船舶、自動車用外装部品など
に使用されている材料で、マトリックス樹脂と強化材か
ら構成される複合材料である。マトリックス樹脂および
強化材の素材は、用途や生産性などに応じて適宜選択さ
れる。
【0003】従来より、マトリックス樹脂としては、不
飽和ポリエステル樹脂やエポキシ樹脂、ビニルエステル
樹脂などの熱硬化性樹脂が、また強化材としては、ガラ
ス繊維や炭素繊維などの無機系繊維が主に使用されてい
るが、近年では、溶剤臭がしないなど作業環境がクリー
ンなことから、マトリックス樹脂にポリプロピレンやナ
イロンなどの熱可塑性樹脂が用いられたり、より軽量化
を図るためにアラミド繊維など有機系繊維も強化材とし
て利用されている。
【0004】成形方法としては、マトリックス樹脂が熱
硬化性樹脂の場合、基本的には、強化材となる繊維に、
あらかじめ硬化剤を混合した液状の樹脂を含浸させたの
ち、加熱硬化させて成形する。また、マトリックス樹脂
が熱可塑性樹脂の場合には、樹脂を加熱溶融させながら
圧力をかけて強化材間に含浸させたのち、冷却して成形
する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】FRPは異なる素材同
士を巧みに組み合わせ、複合することによって、単独の
素材では果たし得ない性能を実現している材料である。
しかしながら、使用済み製品あるいは製造工程で発生す
る廃棄物をどう処理するか、いわゆる資源の有効利用・
リサイクルという面では、まだよい解決方法が見出され
ていない。その原因は、マトリックス樹脂が熱硬化性樹
脂の場合、一旦硬化したものは、加熱溶融したり、溶剤
に溶かしたりできなくなる性質のものであるため、再び
成形材料として使用できないということ、そして、異な
る素材同士がミクロンレベルで複合されているために、
それぞれを分離回収するのは極めて困難であることによ
る。
【0006】また、マトリックス樹脂が熱可塑性樹脂の
場合には、加熱溶融できるので、再度成形材料として利
用できる可能性があるが、一度成形されたものは大きさ
や形状が限定されるうえ、再成形時には強化材の疎密や
破損が起こること、そしてやはり異素材同士の複合であ
るため分離回収はできないなど、現実的には再利用は困
難である。
【0007】このようにFRPのリサイクルには様々な
問題点があるために、現状では、各成形メーカーが自社
内において、未使用の不良品や端材を粉砕してバージン
材料中に混ぜるなどしている以外、ほとんど行われてい
ない。
【0008】この発明は、上記事情に鑑みてなされたも
ので、マトリックス樹脂および強化材ともに同じ素材の
熱可塑性樹脂を用いることで、分離回収する必要のな
い、再利用可能なFRPとその製造方法を提供すること
を目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するに
あたり、単一の素材として、熱可塑性樹脂であり、且つ
高強度・高弾性率繊維としても利用可能な樹脂を用い
る。そして、FRPとする方法については、樹脂に溶媒
を含ませたり、あるいは樹脂を溶媒に溶かしたものを、
繊維やフィルム等の強化材と混合したり、積層したのち
に、融点以下の温度で加熱、加圧することにより融着さ
せて一体化する方法による。以下、この発明について添
付図面を参照しながら詳細に説明する。
【0010】この発明に適用可能な樹脂の条件として
は、上述のように熱可塑性樹脂であり、高強度・高弾性
率繊維になり得ること、そして繊維の融点以下の温度で
膨潤、溶解する揮発性溶媒が存在するものであれば何で
もよい。また、溶媒の選択については、この条件を満た
すものであれば何を用いてもよいが、できるだけ加熱に
より揮発、除去しやすいものが望ましい。
【0011】以下、この発明のFRPの成形手順につい
て説明する。ここでは、マトリックス樹脂および強化材
として超高分子量ポリエチレン(以下、UHMwPEと
表記する)樹脂および繊維を、また、溶媒としてデカリ
ン(デカヒドロナフタレン)を用いた場合で説明する。
【0012】1番目の方法として、樹脂に溶媒を含ませ
たものをマトリックス樹脂として成形する方法について
説明する。まず、粉末状のUHMwPEとデカリンを混
合する。このとき、UHMwPE粉末はデカリンに溶け
るわけではなく、若干のデカリンを吸収しつつ、デカリ
ン中に分散している状態になる(図1参照)。そして、
混合物全体としてはペースト状となる。混合割合につい
ては、両者が十分に混ざり合い、強化材との混合や積層
が可能であれば特に制限されない。そして、この混合物
に、強化材となる短繊維状のUHMwPEを一定量混合
して分散させるか(図1)、あるいはクロスやマットな
どの強化材と積層したもの(図2)などを、成形型内で
加熱加圧する。加熱加圧することで、混合物中に含まれ
る溶媒の作用により、UHMwPE粉末および強化材繊
維の表面が膨潤して溶け、互いに融着する。更に加熱を
続けると、今度は溶媒が徐々に揮散して行き、溶けてい
た部分も次第に固化して成形は完了する。
【0013】UHMwPE繊維の融点は、UHMwPE
粉末-デカリン混合物中では、デカリンによる作用のた
め、110〜120℃ぐらいとなる。一方のUHMwP
E粉末−デカリン混合物の融点は、それよりも低い10
0℃前後であるので、UHMwPE繊維の融点以下の温
度で、強度を損なわずに成形することが可能である。
【0014】次に、2番目の方法として、樹脂を溶媒に
とかしたものをマトリックス樹脂として成形する方法に
ついて説明する。まず、UHMwPEをデカリン中に投
入して加温し、均一な溶液とする。このときのUHMw
PEは、前述の方法で用いた混合物とは異なり、デカリ
ンに完全に溶けた状態となる。UHMwPEとデカリン
の割合については、UHMwPEが均一に溶解し、強化
材との混合や積層が可能であれば特に制限されない。こ
の溶液は、高温のままの状態で使用してもよいし、一旦
冷却したのち、必要なときに再び加熱して使用してもよ
い。そして、この溶液に強化材となる短繊維状のUHM
wPEを一定量混合して分散させるか、あるいは溶液を
クロスやマット状の強化材と積層したものを、成形型内
で加熱加圧して成形する。この方法においても前述の方
法と同様の効果により複合化が可能となる。
【0015】以上の成形方法に用いる強化材の形状につ
いては、高強度・高弾性率であれば繊維でも、テープ状
のものでもよく、それらを一定方向に引き揃えて束にし
たり、角度をつけて積層したり、あるいは短繊維のよう
に特定の長さにカットしたり、織編物や不織布などのテ
キスタイルとしてもよい。繊維の径やテープの厚さにつ
いては、特に制限はないが、溶媒が内部まで浸透し過ぎ
ないよう、支障のない範囲で径の大きいもの、厚みのあ
るものの方が望ましい。
【発明の効果】
【0016】この発明は、一種類のみの熱可塑性樹脂
で、充分な複合効果を有するFRPの成形を可能にする
という、全く新しい概念に基づくものであり、これによ
り、リサイクル性に優れたFRPを成形できるようにな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明のFRPの製造工程中、マトリックス
樹脂となる樹脂粉末と溶媒との混合物に、更に短繊維状
の強化材を分散させた段階を示す図である。
【図2】この発明のFRPの製造工程中、マトリックス
樹脂となる樹脂粉末と溶媒との混合物と、クロス状の強
化材とを積層した段階を示す図である。
【符号の説明】
1 樹脂粉末 2 溶媒 3 短繊維状の強化材 4 クロス状の強化材
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年10月1日(1999.10.
1)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項1
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項2
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0001
【補正方法】変更
【補正内容】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、マトリックス樹
脂、強化材ともに全く同一の超高分子量ポリエチレン
使用した、単一の素材から構成されるFRPとその製造
方法に関する。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正内容】
【0008】この発明は、上記事情に鑑みてなされたも
ので、マトリックス樹脂および強化材ともに全く同一の
超高分子量ポリエチレンのみを用いることで、分離回収
する必要のない、再利用可能なFRPとその製造方法を
提供することを目的としている。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正内容】
【0009】上記の課題を解決するにあたり、FRPに
使用する唯一の素材として、熱可塑性樹脂であり、且つ
高強度・高弾性率繊維としても利用可能な超高分子量ポ
リエチレンを用いる。そして、FRPとする方法につい
ては、超高分子量ポリエチレンに溶媒を含ませたり、あ
るいは超高分子量ポリエチレンを溶媒に溶かしたもの
を、超高分子量ポリエチレンの繊維やフィルムと混合し
たり、積層したのちに、繊維やフィルムの融点より30
〜50℃低い温度で加熱、加圧することにより融着させ
て一体化する方法による。以下、この発明について添付
図面を参照しながら詳細に説明する。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正内容】
【0010】
【実施例】この発明に適用可能な樹脂の条件としては、
上述のように熱可塑性樹脂であり、高強度・高弾性率繊
維になり得ること、そして繊維の融点以下の温度で膨
潤、溶解する揮発性溶媒が存在することが必要である。
この条件を満たすのが架橋していない超高分子量ポリエ
チレンである。また、溶媒の選択については、この条件
を満たすものであれば何を用いてもよいが、できるだけ
加熱により揮発、除去しやすいものが望ましい。 ─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年12月28日(1999.12.
28)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 単一の素材で構成されるFRPとその
製造方法
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、マトリックス樹脂、
強化材ともに同じ熱可塑性樹脂を使用した、単一の素材
から構成されるFRPとその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】FRP(繊維強化プラスチック)は、軽
くて強いことから、浴槽や船舶、自動車用外装部品など
に使用されている材料で、マトリックス樹脂と強化材か
ら構成される複合材料である。マトリックス樹脂および
強化材の素材は、用途や生産性などに応じて適宜選択さ
れる。
【0003】従来より、マトリックス樹脂としては、不
飽和ポリエステル樹脂やエポキシ樹脂、ビニルエステル
樹脂などの熱硬化性樹脂が、また強化材としては、ガラ
ス繊維や炭素繊維などの無機系繊維が主に使用されてい
るが、近年では、溶剤臭がしないなど作業環境がクリー
ンなことから、マトリックス樹脂にポリプロピレンやナ
イロンなどの熱可塑性樹脂が用いられたり、より軽量化
を図るためにアラミド繊維など有機系繊維も強化材とし
て利用されている。
【0004】成形方法としては、マトリックス樹脂が熱
硬化性樹脂の場合、基本的には、強化材となる繊維に、
あらかじめ硬化剤を混合した液状の樹脂を含浸させたの
ち、加熱硬化させて成形する。また、マトリックス樹脂
が熱可塑性樹脂の場合には、樹脂を加熱溶融させながら
圧力をかけて強化材間に含浸させたのち、冷却して成形
する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】FRPは異なる素材同
士を巧みに組み合わせ、複合することによって、単独の
素材では果たし得ない性能を実現している材料である。
しかしながら、使用済み製品あるいは製造工程で発生す
る廃棄物をどう処理するか、いわゆる資源の有効利用・
リサイクルという面では、まだよい解決方法が見出され
ていない。その原因は、マトリックス樹脂が熱硬化性樹
脂の場合、一旦硬化したものは、加熱溶融したり、溶剤
に溶かしたりできなくなる性質のものであるため、再び
成形材料として使用できないということ、そして、異な
る素材同士がミクロンレベルで複合されているために、
それぞれを分離回収するのは極めて困難であることによ
る。
【0006】また、マトリックス樹脂が熱可塑性樹脂の
場合には、加熱溶融できるので、再度成形材料として利
用できる可能性があるが、一度成形されたものは大きさ
や形状が限定されるうえ、再成形時には強化材の疎密や
破損が起こること、そしてやはり異素材同士の複合であ
るため分離回収はできないなど、現実的には再利用は困
難である。
【0007】このようにFRPのリサイクルには様々な
問題点があるために、現状では、各成形メーカーが自社
内において、未使用の不良品や端材を粉砕してバージン
材料中に混ぜるなどしている以外、ほとんど行われてい
ない。
【0008】この発明は、上記事情に鑑みてなされたも
ので、マトリックス樹脂および強化材ともに同じ素材の
熱可塑性樹脂を用いることで、分離回収する必要のな
い、再利用可能なFRPとその製造方法を提供すること
を目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するに
あたり、単一の素材として、熱可塑性樹脂であり、且つ
高強度・高弾性率繊維としても利用可能な樹脂を用い
る。そして、FRPとする方法については、樹脂に溶媒
を含ませたり、あるいは樹脂を溶媒に溶かしたものを、
繊維やフィルム等の強化材と混合したり、積層したのち
に、融点以下の温度で加熱、加圧することにより融着さ
せて一体化する方法による。以下、この発明について添
付図面を参照しながら詳細に説明する。
【0010】この発明に適用可能な樹脂の条件として
は、上述のように熱可塑性樹脂であり、高強度・高弾性
率繊維になり得ること、そして繊維の融点以下の温度で
膨潤、溶解する揮発性溶媒が存在するものであれば何で
もよい。また、溶媒の選択については、この条件を満た
すものであれば何を用いてもよいが、できるだけ加熱に
より揮発、除去しやすいものが望ましい。
【0011】以下、この発明のFRPの成形手順につい
て説明する。ここでは、マトリックス樹脂および強化材
として超高分子量ポリエチレン(以下、UHMwPEと
表記する)樹脂および繊維を、また、溶媒としてデカリ
ン(デカヒドロナフタレン)を用いた場合で説明する。
【0012】1番目の方法として、樹脂に溶媒を含ませ
たものをマトリックス樹脂として成形する方法について
説明する。まず、粉末状のUHMwPEとデカリンを混
合する。このとき、UHMwPE粉末はデカリンに溶け
るわけではなく、若干のデカリンを吸収しつつ、デカリ
ン中に分散している状態になる(図1参照)。そして、
混合物全体としてはペースト状となる。混合割合につい
ては、両者が十分に混ざり合い、強化材との混合や積層
が可能であれば特に制限されない。そして、この混合物
に、強化材となる短繊維状のUHMwPEを一定量混合
して分散させるか(図1)、あるいはクロスやマットな
どの強化材と積層したもの(図2)などを、成形型内で
加熱加圧する。加熱加圧することで、混合物中に含まれ
る溶媒の作用により、UHMwPE粉末および強化材繊
維の表面が膨潤して溶け、互いに融着する。更に加熱を
続けると、今度は溶媒が徐々に揮散して行き、溶けてい
た部分も次第に固化して成形は完了する。
【0013】UHMwPE繊維の融点は、UHMwPE
粉末-デカリン混合物中では、デカリンによる作用のた
め、110〜120℃ぐらいとなる。一方のUHMwP
E粉末−デカリン混合物の融点は、それよりも低い10
0℃前後であるので、UHMwPE繊維の融点以下の温
度で、強度を損なわずに成形することが可能である。
【0014】次に、2番目の方法として、樹脂を溶媒に
とかしたものをマトリックス樹脂として成形する方法に
ついて説明する。まず、UHMwPEをデカリン中に投
入して加温し、均一な溶液とする。このときのUHMw
PEは、前述の方法で用いた混合物とは異なり、デカリ
ンに完全に溶けた状態となる。UHMwPEとデカリン
の割合については、UHMwPEが均一に溶解し、強化
材との混合や積層が可能であれば特に制限されない。こ
の溶液は、高温のままの状態で使用してもよいし、一旦
冷却したのち、必要なときに再び加熱して使用してもよ
い。そして、この溶液に強化材となる短繊維状のUHM
wPEを一定量混合して分散させるか、あるいは溶液を
クロスやマット状の強化材と積層したものを、成形型内
で加熱加圧して成形する。この方法においても前述の方
法と同様の効果により複合化が可能となる。
【0015】以上の成形方法に用いる強化材の形状につ
いては、高強度・高弾性率であれば繊維でも、テープ状
のものでもよく、それらを一定方向に引き揃えて束にし
たり、角度をつけて積層したり、あるいは短繊維のよう
に特定の長さにカットしたり、織編物や不織布などのテ
キスタイルとしてもよい。繊維の径やテープの厚さにつ
いては、特に制限はないが、溶媒が内部まで浸透し過ぎ
ないよう、支障のない範囲で径の大きいもの、厚みのあ
るものの方が望ましい。
【0016】
【発明の効果】この発明は、一種類のみの熱可塑性樹脂
で、充分な複合効果を有するFRPの成形を可能にする
という、全く新しい概念に基づくものであり、これによ
り、リサイクル性に優れたFRPを成形できるようにな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明のFRPの製造工程中、マトリックス
樹脂となる樹脂粉末と溶媒との混合物に、更に短繊維状
の強化材を分散させた段階を示す図である。
【図2】この発明のFRPの製造工程中、マトリックス
樹脂となる樹脂粉末と溶媒との混合物と、クロス状の強
化材とを積層した段階を示す図である。
【符号の説明】 1 樹脂粉末 2 溶媒 3 短繊維状の強化材 4 クロス状の強化材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // B29K 101:12 105:06 B29L 9:00 (72)発明者 高松 周一 富山県東砺波郡福野町岩武新35−1番地 富山県工業技術センター生活工学研究所内 Fターム(参考) 4F100 AK01A AK01B AK05 BA01 BA02 DE01A DG01A DG01B DG12B DH02A EH032 EJ173 EJ423 GB08 GB32 JB16A JB16B JK01A JK01B JK07A JK07B JL16 4F204 AA06 AB25 AC03 AC04 AC05 AD16 AG03 FA01 FB01 FB11 FF01 FF05 FG02 FG03 FG09 FN11 FN15 4F205 AA06 AB25 AC03 AC04 AC05 AD16 AG03 HA08 HA14 HA34 HA35 HA36 HA38 HA42 HA43 HB01 HC04 HF01 HK03 HK04 HK16 HT26

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 強化材として熱可塑性樹脂からなる高強
    度・高弾性率の繊維やフィルムを用い、またマトリック
    ス樹脂として強化材と同じ熱可塑性樹脂に溶媒を含ませ
    たものを用い、両者を混合あるいは積層したのち、加
    熱、加圧することにより複合化することを特徴とするF
    RPの製造方法。
  2. 【請求項2】 強化材として熱可塑性樹脂からなる高強
    度・高弾性率の繊維やフィルムを用い、またマトリック
    ス樹脂として強化材と同じ熱可塑性樹脂を溶媒に溶かし
    て糊状にしたものを用い、両者を混合あるいは積層した
    のち、加熱、加圧することにより融着させて複合化する
    ことを特徴とするFRPの製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の製造方法によって成形さ
    れたFRP。
  4. 【請求項4】 請求項2記載の製造方法によって成形さ
    れたFRP。
JP10353925A 1998-11-27 1998-11-27 単一の素材で構成されるfrpとその製造方法 Expired - Fee Related JP3128738B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10353925A JP3128738B2 (ja) 1998-11-27 1998-11-27 単一の素材で構成されるfrpとその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10353925A JP3128738B2 (ja) 1998-11-27 1998-11-27 単一の素材で構成されるfrpとその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000158549A true JP2000158549A (ja) 2000-06-13
JP3128738B2 JP3128738B2 (ja) 2001-01-29

Family

ID=18434155

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10353925A Expired - Fee Related JP3128738B2 (ja) 1998-11-27 1998-11-27 単一の素材で構成されるfrpとその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3128738B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009516603A (ja) * 2005-11-21 2009-04-23 ランクホルスト ピュール コンポシテ ビー.ヴイ. 熱可塑性複合材料の形成方法
JP2010524720A (ja) * 2007-04-18 2010-07-22 ディーエスエム アイピー アセッツ ビー.ブイ. 延伸ポリマー補強要素を含む曲面製品の製造方法およびそれによって得られる製品
JP2012057018A (ja) * 2010-09-08 2012-03-22 Kri Inc 繊維補強複合材料、その製造方法、複合材料成型体及び複合材料成型体の積層体

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS63296927A (ja) * 1987-05-29 1988-12-05 Mitsui Petrochem Ind Ltd 繊維強化樹脂成形体及びその製法
JPH05220853A (ja) * 1992-02-14 1993-08-31 Kuraray Co Ltd 繊維補強樹脂成形物
JPH0610255A (ja) * 1992-02-22 1994-01-18 Carl Freudenberg:Fa 車両用内部装備品の製造方法
JPH06226866A (ja) * 1993-01-29 1994-08-16 Mazda Motor Corp 液晶樹脂複合体の成形方法およびその成形用素材
JPH0742049A (ja) * 1993-05-25 1995-02-10 Basf Corp 繊維強化複合材料及びラミネートの製造に使用するための編地及び繊維強化ラミネートの製法
JPH07186283A (ja) * 1993-12-27 1995-07-25 Toyo Tire & Rubber Co Ltd 熱可塑性樹脂複合材料、その製造法及びそれより得られる成形体
JPH10128866A (ja) * 1996-10-29 1998-05-19 Showa Maruto:Kk 複合材製パイプ及びその製造方法

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS63296927A (ja) * 1987-05-29 1988-12-05 Mitsui Petrochem Ind Ltd 繊維強化樹脂成形体及びその製法
JPH05220853A (ja) * 1992-02-14 1993-08-31 Kuraray Co Ltd 繊維補強樹脂成形物
JPH0610255A (ja) * 1992-02-22 1994-01-18 Carl Freudenberg:Fa 車両用内部装備品の製造方法
JPH06226866A (ja) * 1993-01-29 1994-08-16 Mazda Motor Corp 液晶樹脂複合体の成形方法およびその成形用素材
JPH0742049A (ja) * 1993-05-25 1995-02-10 Basf Corp 繊維強化複合材料及びラミネートの製造に使用するための編地及び繊維強化ラミネートの製法
JPH07186283A (ja) * 1993-12-27 1995-07-25 Toyo Tire & Rubber Co Ltd 熱可塑性樹脂複合材料、その製造法及びそれより得られる成形体
JPH10128866A (ja) * 1996-10-29 1998-05-19 Showa Maruto:Kk 複合材製パイプ及びその製造方法

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009516603A (ja) * 2005-11-21 2009-04-23 ランクホルスト ピュール コンポシテ ビー.ヴイ. 熱可塑性複合材料の形成方法
JP2010524720A (ja) * 2007-04-18 2010-07-22 ディーエスエム アイピー アセッツ ビー.ブイ. 延伸ポリマー補強要素を含む曲面製品の製造方法およびそれによって得られる製品
US10112356B2 (en) 2007-04-18 2018-10-30 Dsm Ip Assets B.V. Method of producing a filament wound curved product and product obtained thereby
JP2012057018A (ja) * 2010-09-08 2012-03-22 Kri Inc 繊維補強複合材料、その製造方法、複合材料成型体及び複合材料成型体の積層体

Also Published As

Publication number Publication date
JP3128738B2 (ja) 2001-01-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4407885A (en) Composite article
Cabrera et al. Processing of all-polypropylene composites for ultimate recyclability
EP1171288B1 (en) Composite comprising structural and non structural fibers
EP2117819B1 (en) Method of processing a composite material
KR101832017B1 (ko) 2차 강인화를 위한 융화성 캐리어
KR101866206B1 (ko) 수지 복합체 및 수지 복합체의 제조 방법
EP1943085A1 (en) A method for producing a fibre-reinforced product
CN105014870B (zh) 一种碳纤维复合材料汽车零部件的制备方法
US20050197023A1 (en) Composite comprising structural and non structural fibers
KR20180125160A (ko) 섬유 강화 수지 중간재, 섬유 강화 수지 성형체, 및 섬유 강화 수지 중간재의 제조 방법
JP3128738B2 (ja) 単一の素材で構成されるfrpとその製造方法
AU654884B2 (en) Method for making preforms
JP5864324B2 (ja) 繊維強化複合体の製造方法
JP2000198158A (ja) 繊維補強材
JP3582804B2 (ja) コンクリート構造物補修・補強用一方向強化繊維材、コンクリート構造物の補修・補強方法及びその補修・補強構造
US11364690B2 (en) Resin-based composite structure and method for forming resin-based composite structure
JPH03288629A (ja) 複合成形物の製造方法
JPH09118760A (ja) プリプレグシート
US20050191478A1 (en) Composite
JP3117564B2 (ja) 繊維複合体の製造方法
JPH10317265A (ja) 一方向強化繊維材、それを用いた成形方法及びその成形物
JP4385462B2 (ja) 熱硬化性樹脂複合体の製造方法
JP2776973B2 (ja) 複合成形物の製造方法
JP2020185773A (ja) 積層体、自動車部品、及び自動車用ホイール、並びに積層体の製造方法
MXPA01009772A (en) Composite comprising structural and non structural fibers

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees