JP2000198158A - 繊維補強材 - Google Patents

繊維補強材

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JP2000198158A
JP2000198158A JP247799A JP247799A JP2000198158A JP 2000198158 A JP2000198158 A JP 2000198158A JP 247799 A JP247799 A JP 247799A JP 247799 A JP247799 A JP 247799A JP 2000198158 A JP2000198158 A JP 2000198158A
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heat
fiber
nonwoven fabric
sheet
fusible
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JP247799A
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Tomoo Sano
智雄 佐野
Shiro Asada
史朗 浅田
Akihiro Ito
彰浩 伊藤
Shigeji Hayashi
繁次 林
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 プラスチックやコンクリートの強化材として
使用する繊維補強材であって、強化する方向を選択する
ことができ、樹脂含浸性に優れており、適用し得る樹脂
の種類の制限を受けることがなく、形状追従性に優れて
おり、製造が容易である等の特性を備えた繊維補強材を
提供すること。 【解決手段】 繊維糸条を一方向に引き揃えてなるシー
ト状物1と、熱融着成分と非熱融着性繊維とで形成され
ている熱融着性不織布2とを、該熱融着性不織布2の熱
融着能によって熱接着積層してなる繊維補強材3。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、強化プラスチック
成形品を成形するときやコンクリート構造物の補修・補
強を行なうときに、強化材として使用する繊維補強材に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】繊維補強材を強化材として使用する強化
プラスチック成形品の成形方法の1つとしてハンドレイ
アップ法がある。このハンドレイアップ法による成形方
法は、主として大型構造物からなる成形品や複雑な形状
の成形品の製造に利用されており、繊維補強材として織
布やマットが使用されている。
【0003】しかるに、上記の織布やマットからなる繊
維補強材を使用するときには、該補強材の形態から特に
高強度を要する方向を選択的に強化することができな
い。このために、特に高強度を要する方向を選択的に強
化するときには、一方向クロスと呼ばれる特殊な織物を
繊維補強材としたり、或いは強化繊維に熱硬化性樹脂を
含浸させたシートからなるプリプレグを繊維補強材とし
て使用することによって対処している。
【0004】又近年、長繊維の繊維補強材を用いたコン
クリート構造物の補修・補強工法が注目されている。こ
のコンクリート構造物の補修・補強工法の多くは、長繊
維を一方向或いは多方向に配列、固定してシート状にし
た補強材をハンドレイアップによってコンクリート構造
物に貼り付けるものであり、このシート状をなす繊維補
強材として、例えば長繊維糸条を配列させたシート状物
を少量の樹脂と裏打ちの形状支持体とによって保持した
いわゆるトウシート(特開平3−222734号公報)
や、長繊維糸条を配列させたシート状物に熱硬化性樹脂
を含浸させたシートからなるプリプレグ(特開平3−2
12568号公報)等がある。
【0005】ところで、上記のハンドレイアップ法によ
る強化プラスチック成形品の成形方法において、繊維補
強材としてプリプレグを用いる成形方法は、プリプレグ
自体が強化繊維に熱硬化性樹脂樹脂を含浸させたもので
あることから、この熱硬化性樹脂樹脂の存在のためにハ
ンドレイアップ法による強化プラスチック成形品の成形
工程で適用し得る樹脂の選択が自由でない、強化繊維に
含浸させてある熱硬化性樹脂を硬化させるために十分な
熱処理を行わなければならない、強化繊維に含浸させて
ある熱硬化性樹脂の粘度が高いために気泡を含んだ成形
品が成形され易い、プリプレグのドレープ性が不足する
ために複雑な形状に追従させた成形品の成形が容易でな
い等の欠点がある。
【0006】又、長繊維の繊維補強材を用いたコンクリ
ート構造物の補修・補強工法において、補強材として上
記のトウシートやプリプレグを使用するものにあって
は、これらのトウシートやプリプレグが既に樹脂を含ん
でいるものであるために、コンクリート構造物の補修・
補強工程で使用し得る樹脂の種類が限定されるだけでな
く、この補修・補強工程で使用する樹脂の含浸性が悪い
等の問題がある。更にプリプレグを使用するものにあっ
ては、強化繊維に予め含浸させてある樹脂を熱硬化させ
るための熱源の設定を行なわなければならない等の煩雑
な作業を必要とする。
【0007】更に、特開平9−132852号公報に
は、熱可塑性樹脂による繊維シートを該繊維の状態を維
持する程度に溶融し、これを他方の繊維糸状を一方向に
引き揃えてなるシート状物と溶融接着させた繊維補強材
について説明されている。しかしながら、熱可塑性樹脂
による繊維シートにおける繊維の形状を保ちつつ該繊維
シートを他方のシート状物と溶融接着し得る温度はその
適用範囲が狭く、従って繊維補強材の製造工程での温度
制御を厳密に行わなければならないという製造上の煩雑
さがある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従って本発明が解決し
ようとする課題は、特に高強度を要する方向を選択的に
強化することができる、樹脂含浸性に優れている、未反
応樹脂成分を含有しないいわゆるドライタイプのもので
あるためにこれに適用し得る樹脂の種類が限定されな
い、複雑な形状への追従性に優れている等の特性を備え
ており、しかも繊維補強材を得るときの熱接着積層工程
での設定温度を広範囲にすることが可能であるために厳
密な温度制御をする必要がなく、容易に製造し得る繊維
補強材を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の課題は、以下に記
載する構成による本発明の繊維補強材によって解決する
ことができる。すなわち本発明は、繊維糸条を一方向に
引き揃えてなるシート状物と、該シート状物の表,裏の
うちの少なくとも一方の面に積層されている熱融着性不
織布とからなる繊維補強材であって、前記シート状物と
熱融着性不織布とが、該熱融着性不織布の熱融着能によ
って熱接着積層されており、しかも前記熱融着性不織布
は、該熱融着性不織布を前記シート状物に熱接着積層す
るときの加熱温度で溶融又は軟化して該熱融着性不織布
に熱融着能をもたらす熱融着成分と、該熱融着性不織布
を前記シート状物に熱接着積層するときの加熱温度以下
の温度の融点又は軟化点を有さない非熱融着性繊維とで
形成されている繊維補強材からなる。
【0010】上記の構成を備えてなる本発明の繊維補強
材においては、熱融着性不織布における熱融着成分が1
〜40g/m2 であり、非熱融着性繊維が5〜100g
/m2 であることが好ましい。
【0011】又、本発明の繊維補強材においては、熱融
着性不織布における熱融着成分が、50〜200℃の範
囲内の融点を有する低融点熱可塑性樹脂であることが好
ましい。
【0012】更に本発明の繊維補強材においては、繊維
糸条を一方向に引き揃えてなるシート状物の該繊維糸条
が炭素繊維の糸条であることが好ましい。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の繊維補強材において、プ
ラスチックやコンクリートを強化する作用を果たす強化
繊維は、繊維糸条を一方向に引き揃えてなるシート状物
を形成しているところの繊維糸条である。
【0014】このシート状物を形成している繊維糸条
は、強化プラスチック成形品用の強化繊維として一般に
知られている繊維によるものであればよく、例えば炭素
繊維、ガラス繊維、アラミド繊維等の高強度有機繊維や
無機繊維、更には金属繊維等が挙げられる。特に高い比
強度、比弾性率を具備していることから炭素繊維による
糸条が好適である。又このシート状物を形成している繊
維糸条は、2種以上のハイブリッドにしたものであって
もよい。
【0015】熱融着性不織布は、上記の繊維糸条を一方
向に引き揃えてなるシート状物のシート形態を維持させ
るためのものであり、強化繊維としての繊維糸条を一方
向に引き揃えてなるシート状物の表,裏のうちの少なく
とも一方の面に積層されていればよく、シート状物の
表,裏両面に熱融着性不織布を積層するときには、それ
ぞれの面に異なる種類の熱融着性不織布を積層してもよ
い。
【0016】本発明の繊維補強材は、上記の繊維糸条を
一方向に引き揃えてなるシート状物と熱融着性不織布と
を、該熱融着性不織布の熱融着能によって熱接着積層さ
せたものであり、熱融着性不織布が、該熱融着性不織布
を前記シート状物に熱接着積層するときの加熱温度で溶
融又は軟化して該熱融着性不織布に熱融着能をもたらす
熱融着成分と、該熱融着性不織布を前記シート状物に熱
接着積層するときの加熱温度以下の温度の融点又は軟化
点を有さない非熱融着性繊維とからなる。
【0017】熱融着性不織布に熱融着能をもたらす熱融
着成分としては、例えば低融点熱可塑性樹脂や、加熱温
度にて軟化しかつ室温で半固形〜固形になる高分子量モ
ノマー又はオリゴマー等を挙げることができる。特に室
温下での安定性に優れていることから、低融点熱可塑性
樹脂が好適である。
【0018】低融点熱可塑性樹脂の融点は、熱融着性不
織布の室温でのシート形状の保全性や、熱融着性不織布
の製造時の加熱の容易さ等から、50℃〜200℃の範
囲内であることが望ましく、例えばポリエチレン樹脂、
ポリプロピレン樹脂、ポリアミド樹脂等が好適である。
【0019】熱融着性不織布における熱融着成分の存在
形態は特に限定されるものではなく、常温で固体である
ときには、例えば繊維状、粒状、或いは非熱融着性繊維
の表面に付着した状態等を挙げることができる。
【0020】熱融着性不織布中の熱融着成分が1g/m
2 未満になると、強化繊維である繊維糸条を一方向に引
き揃えてなるシート状物との熱接着力が弱くなるため
に、該シート状物と熱融着性不織布とを熱接着積層した
ときの接着力が不十分になることがある。又、熱融着成
分が40g/m2 を超えると、繊維糸条を一方向に引き
揃えてなるシート状物と熱融着性不織布とを熱接着積層
するときの加熱によって熱融着成分が面状に広がってフ
ィルム化してしまい、得られる繊維補強材の樹脂の含浸
性を悪化させるようになる恐れがある。このために、熱
融着性不織布中の熱融着成分は、1〜40g/m2 程度
が好適である。
【0021】熱融着性不織布中の非熱融着性繊維は、該
熱融着性不織布の形態安定性を高め、かつ繊維糸条を一
方向に引き揃えてなるシート状物と熱融着性不織布とを
熱接着積層するときの加熱によって熱融着成分がフィル
ム化するのを防ぐ機能を果たす。
【0022】従って、熱融着性不織布中に上記の非熱融
着性繊維が存在していないと、繊維補強材の製造工程に
おいて、熱融着性不織布の形態安定性が不十分になった
り、或いは樹脂含浸性の悪い繊維補強材になったりす
る。
【0023】非熱融着性繊維は、繊維補強材を製造する
ときの加熱温度以下の温度の融点又は軟化点を有さない
もの、つまり繊維糸条を一方向に引き揃えてなるシート
状物と熱融着性不織布とを該該熱融着性不織布の熱融着
能によって熱接着積層するときの加熱温度以下の温度の
融点又は軟化点を有さないものであればよく、例えば繊
維糸条を一方向に引き揃えてなるシート状物と熱融着性
不織布とを該該熱融着性不織布の熱融着能によって熱接
着積層するときの加熱温度よりも高い温度の融点を具備
する結晶性樹脂による繊維、該加熱温度よりも高い温度
のガラス転移温度を具備する非晶性樹脂による繊維、炭
素繊維、金属繊維、ガラス繊維等が挙げられる。
【0024】熱融着性不織布中の非熱融着性繊維が5g
/m2 未満になると、この不織布の形状安定性が低下
し、又不織布自体の製造も困難になる。又100g/m
2 を超えると、繊維糸条を一方向に引き揃えてなるシー
ト状物と熱融着性不織布とを熱接着積層して得られる繊
維補強材のドレープ性が低下してしまい、該繊維補強材
の形状追従性が低下する。従って、熱融着性不織布中の
非熱融着性繊維は、5〜100g/m2 であることが好
ましい。
【0025】熱融着性不織布の製造方法は特に限定され
るものではなく、例えば非熱融着性繊維と熱融着性繊維
とを混合して不織布を形成する方法、融点やガラス転移
点の高い繊維を融点やガラス転移点の比較的低い樹脂で
被覆した芯鞘構造の繊維を使用して不織布を形成する方
法、非熱融着性繊維による不織布に熱融着成分を塗布し
たり或いは付着させたりする方法、非熱融着性繊維によ
る不織布と熱融着性繊維による布帛との重ね合わせ体や
接着積層体にする方法等が挙げられる。又、繊維補強材
を製造するに際して、繊維糸条を一方向に引き揃えてな
るシート状物に対して、非熱融着性繊維による不織布と
熱融着性繊維による布帛とを同時に供給し、これらの非
熱融着性繊維による不織布と熱融着性繊維による布帛と
を重ね合わせて熱融着性不織布として使用することも可
能である。
【0026】
【実施例】以下、本発明の繊維補強材の具体的な構成
を、製造実施例に基づいて説明する。
【0027】実施例1 図1において、フィラメント数12000本、引張弾性
率236GPaの炭素繊維糸条(パイロフィル TR3
0S、三菱レイヨン(株)製)を2.6mm間隔で配置
することにより、幅30cmにわたって炭素繊維糸条が
略均一に密接して厚さ約0.17mmのシート状をなす
ところの繊維糸条を一方向に引き揃えてなるシート状物
1にした後、その片面に厚さ約0.06mmの熱融着性
不織布2を重ね合わせた。なお、この熱融着性不織布2
は、融点180℃のナイロン短繊維と融点120℃のナ
イロン短繊維(重量比率2/1)とによって作製した目
付60g/m2 の不織布である。
【0028】次いで、ヒュージングプレス機での130
℃、30秒間、100kPaの熱圧条件によるプレス成
形により、熱融着性不織布2中の低融点ナイロン短繊維
を熱溶融させることによって、炭素繊維糸条によるシー
ト状物1と熱融着性不織布2とを熱接着積層し、本発明
の1実施例品としての目付366g/m2 の繊維補強材
3を得た。
【0029】得られた繊維補強材3は、その形状安定性
が良好であった。又常温硬化型のエポキシ樹脂組成物を
該繊維補強材3の表面に塗布してその樹脂含浸性を観察
したところ、熱融着性不織布2側と炭素繊維糸条による
シート状物1側とのいずれに含浸用樹脂を塗布しても、
その反対側に至る迄含浸用樹脂が良好に浸透しており、
樹脂含浸性が良好であった。
【0030】更に、PET樹脂フィルム上に常温硬化型
のエポキシ樹脂組成物を塗布した後、上記の繊維補強材
3を該繊維補強材3における炭素繊維糸条によるシート
状物1側がエポキシ樹脂組成物の塗布面と接するように
して載置し、更に常温硬化型のエポキシ樹脂組成物を上
塗りしてから溝切りローラーによる含浸処理を行ない、
引き続いて室温にて1週間放置することにより繊維強化
樹脂板を成形した。
【0031】得られた繊維強化樹脂板の断面を顕微鏡観
察して、繊維補強材3へのエポキシ樹脂組成物の含浸性
をみたところ、繊維強化樹脂板にはボイドの発生が少な
く、エポキシ樹脂組成物が繊維補強材3の全体に亙って
良好に含浸されていることが分かった。
【0032】又、上記の繊維強化樹脂板から切り出した
試験片について、JIS−K7073に準拠する強化繊
維方向の引張試験を行なったところ、繊維体積分率10
0%換算値で3920MPaの引張強度が得られた。
【0033】実施例2 鞘部分が融点110℃のポリプロピレン樹脂、芯部分が
融点165℃のポリプロピレン樹脂からなる芯鞘構造の
ポリプロピレン繊維による目付50g/m2 の不織布を
熱融着性不織布として利用し、それ以外は実施例1の対
応する方法と同様にして、本発明の別の実施例品である
目付355g/m2 の繊維補強材を得た。
【0034】この繊維補強材の形状安定性は良好であっ
た。又該繊維補強材に対する樹脂含浸性を、実施例1と
同様にして常温硬化型のエポキシ樹脂組成物の塗布によ
って観察したところ、熱融着性不織布側と炭素繊維糸条
によるシート状物側とのいずれに含浸用樹脂を塗布して
も、その反対側に至る迄含浸用樹脂が良好に浸透してお
り、樹脂含浸性が良好であった。
【0035】更に、実施例1と同様にして繊維強化樹脂
板を成形して切り出した試験片について、JIS−K7
073に準拠する強化繊維方向の引張試験を行なったと
ころ、繊維体積分率100%換算値で3800MPaの
引張強度が得られた。
【0036】実施例3 低融点ナイロン製不織布(融点120℃、目付20g/
2 )と高融点ナイロン製不織布(融点190℃、目付
45g/m2 )とを重ね合わせて熱融着性不織布として
使用し、この重ね合わせた熱融着性不織布の低融点ナイ
ロン製不織布面が、フィラメント数12000本、引張
弾性率236GPaの炭素繊維糸条(パイロフィル T
R30S、三菱レイヨン(株)製)を幅30cmにわた
って2.6mm間隔で配置してなるシート状物に接する
ようにし、それ以外は実施例1の対応する方法と同様に
して、本発明の更に別の実施例品である目付371g/
2 の繊維補強材を得た。
【0037】この繊維補強材の形状安定性は良好であっ
た。又該繊維補強材に対する樹脂含浸性を、実施例1と
同様にして常温硬化型のエポキシ樹脂組成物の塗布によ
って観察したところ、熱融着性不織布側と炭素繊維糸条
によるシート状物側とのいずれに含浸用樹脂を塗布して
も、その反対側に至る迄含浸用樹脂が良好に浸透してお
り、樹脂含浸性が良好であった。
【0038】更に、実施例1と同様にして繊維強化樹脂
板を成形して切り出した試験片について、JIS−K7
073に準拠する強化繊維方向の引張試験を行なったと
ころ、繊維体積分率100%換算値で3980MPaの
引張強度が得られた。
【0039】比較例1 目付20g/m2 の低融点ナイロン製不織布(融点12
0℃)を熱融着性不織布として使用し、それ以外は実施
例1の対応する方法と同様にして、比較例品としての目
付323g/m2 の繊維補強材を得た。
【0040】この繊維補強材の形状安定性は比較的良好
であった。該繊維補強材に対する樹脂含浸性を、実施例
1と同様にして常温硬化型のエポキシ樹脂組成物によっ
て観察したところ、炭素繊維糸条によるシート状物側か
らの樹脂の含浸はできたものの、裏面側迄は到達しなか
った。又熱融着性不織布側からの樹脂の含浸は非常に悪
かった。
【0041】更に、実施例1と同様にして繊維強化樹脂
板を成形し切り出した試験片について、JIS−K70
73に準拠する強化繊維方向の引張試験を行なったとこ
ろ、繊維体積分率100%換算値で3120MPaの引
張強度であった。
【0042】
【発明の効果】本発明の繊維補強材は、プラスチックや
コンクリートを強化する作用を果たす強化繊維による繊
維糸条を一方向に引き揃えてなるシート状物を、熱融着
成分と非熱融着性繊維とによる熱融着性不織布とを、該
熱融着性不織布が具備する熱融着能によって熱接着積層
することにより、強化繊維による繊維糸条を一方向に引
き揃えてなるシート状物を固定してその形態を安定化さ
せたものであるために、高い形態安定性を具備する。
【0043】上記構成による本発明の繊維補強材は、強
化繊維による繊維糸条を一方向に引き揃えてなるシート
状物と熱融着性不織布とを熱接着積層させるときの許容
加熱温度範囲が、熱可塑性樹脂による繊維シートが繊維
の形状を保ちつつ他方のシート状物と溶融接着し得る加
熱温度範囲と比較して遥かに大きく、従って熱接着積層
させるときの加熱温度に厳密な制御が不要であり、その
製造が容易である。
【0044】又、本発明の繊維補強材は、繊維糸条を一
方向に引き揃えてなるシート状物を、熱融着成分と非熱
融着性繊維とによる熱融着性不織布が具備する熱融着能
によって該熱融着性不織布に固定したものであるため
に、特に高強度を要する方向を選択的に強化することが
できる。
【0045】更に本発明の繊維補強材は、繊維糸条を一
方向に引き揃えてなるシート状物と熱融着性不織布とを
熱接着積層するときの加熱によって、熱融着性不織布中
の熱融着成分がフィルム化することがないために、樹脂
含浸性において優れた性質を具備するものになる。
【0046】更に又本発明の繊維補強材は、未反応樹脂
成分を含有しないいわゆるドライタイプのものであるた
めに、これに適用し得る樹脂の種類を限定されることが
なく、しかもドレープ性に優れたものになるために複雑
な形状への追従性にも優れた機能を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得られた繊維補強材の1部の概略を
拡大して示す斜視図である。
【符号の説明】
1:強化繊維としての繊維糸条を一方向に引き揃えてな
るシート状物 2:熱融着性不織布 3:繊維補強材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 林 繁次 愛知県名古屋市東区砂田橋四丁目1番60号 三菱レイヨン株式会社商品開発研究所内 Fターム(参考) 4F072 AA02 AB10 AB22 AB33 AD23 AG02 AG13 AG16 AH26 AK13 AL17 4F100 AD11A AK01B AK41C AK48 AK53G BA02 BA03 BA07 BA10B BA10C BA22 BA26 BA44 CB02 DG01B DG07A DG15B EC18B GB07 JA04B JB16B JK01 JL00B JL01 JL02 JL12B YY00B 4L047 AA03 AA23 AA28 AB02 BA09 CA03 CA07 CA19 CB01 DA00

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 繊維糸条を一方向に引き揃えてなるシー
    ト状物と、該シート状物の表,裏のうちの少なくとも一
    方の面に積層されている熱融着性不織布とからなる繊維
    補強材であって、前記シート状物と熱融着性不織布と
    が、該熱融着性不織布の熱融着能によって熱接着積層さ
    れており、しかも前記熱融着性不織布は、該熱融着性不
    織布を前記シート状物に熱接着積層するときの加熱温度
    で溶融又は軟化して該熱融着性不織布に熱融着能をもた
    らす熱融着成分と、該熱融着性不織布を前記シート状物
    に熱接着積層するときの加熱温度以下の温度の融点又は
    軟化点を有さない非熱融着性繊維とで形成されているこ
    とを特徴とする繊維補強材。
  2. 【請求項2】 熱融着性不織布における熱融着成分が1
    〜40g/m2 であり、非熱融着性繊維が5〜100g
    /m2 であることを特徴とする請求項1に記載の繊維補
    強材。
  3. 【請求項3】 熱融着性不織布における熱融着成分が、
    50〜200℃の融点を有する低融点熱可塑性樹脂であ
    ることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の繊維
    補強材。
  4. 【請求項4】 繊維糸条を一方向に引き揃えてなるシー
    ト状物の繊維糸条が炭素繊維の糸条であることを特徴と
    する請求項1、請求項2、又は請求項3に記載の繊維補
    強材。
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Cited By (10)

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