JP2006198907A - 繊維強化シート - Google Patents

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Abstract

【課題】緊張に際しての糸切れの問題を解決し、又、施工に際してのボイドの発生回避、樹脂ダレ防止を図り、良好な作業性を確保し、且つ被接着面に対して充分な接着力を得ることのできる、特に、緊張接着工法に基づくコンクリート構造物の補強などに極めて品質安定的に実施することができる繊維強化シートを提供する。
【解決手段】繊維強化シート1にて、強化繊維fにマトリックス樹脂Rが含浸され、硬化された連続した繊維強化プラスチック線材2が複数本、長手方向にスダレ状に引き揃え、その後、線材2が互いに固定用繊維材3にて固定され、更に、その両面又は片面に樹脂含浸用織布6が取り付けられる。
【選択図】図1

Description

本発明は、一般には、シート状補強材を使用した緊張接着技術に関するものであり、特に、土木建築構造物であるコンクリート構造物或いは鋼構造物(本願明細書では、コンクリート構造物、鋼構造物を含めて単に「構造物」という。)の補強に採用される緊張接着工法に好適に使用することのできる繊維強化シートに関するものである。
構造物の補強方法として、近年、既存或いは新設の構造物の表面に連続繊維強化シートを貼り付けたり、巻き付けたりする接着工法が開発されている。
しかしながら、上記接着工法は、単純な接着のみであり、FRP(繊維強化プラスチック)補強材の剥離による構造物の早期破壊により、終局耐力の補強効果には限界がある一方、例えばコンクリート構造物のひび割れ抑制効果にも限界がある。その上、FRP補強材の高い性能が有効に活用されていない場合が多い。又、既存構造物のひび割れ損傷などの回復や死荷重に対する補強はできない。
このような問題を改善するべく、シート状補強材に荷重を付与して緊張し、緊張状態にてシート状補強材を構造物表面に接着する緊張接着工法が用いられつつある。この緊張接着工法にて使用されるシート状補強材は、現在、樹脂を含浸していない繊維を一方向に引き揃えたシート、所謂、強化繊維シート、或いは、幅50mm以上の繊維強化プラスチックの平板を用いている。
しかしながら、樹脂を含浸していない繊維を用いた繊維強化シートでは、製造上の問題或いは取り扱い時の問題から、強化繊維が必ずしも一方向に一様に引き揃えられていない。そのため、緊張力を導入するべく、強化繊維シートに荷重を付与して緊張する際に部分的な糸切れが発生し、充分な緊張力を導入し得ないことがある。つまり、強化繊維シートが緊張に必要な充分な力を発揮できないことがある。通常、緊張力は、最終破断荷重の50%〜15%減程度となっている。
又、繊維強化プラスチック平板を用いる場合には、板幅が広いため接着する際に、接着面にボイドが混入して充分な接着力を得ることが難しいといった問題がある。ボイドの発生を避けるために繊維強化プラスチック平板に孔を開けることが考えられるが、この場合には、繊維強化プラスチック平板の強化繊維を切断することとなり、好ましくない。
そこで、本発明者らは、特許文献1に記載されるように、強化繊維にマトリックス樹脂が含浸され、硬化された連続した繊維強化プラスチック線材を複数本、長手方向にスダレ状に引き揃え、線材を互いに固定用繊維材にて固定した繊維強化シートを提案した。
この繊維強化シートは、緊張に際しての糸切れの問題を解決し、又、施工に際してのボイドの発生も回避して被補強面に対して充分な接着力を得ることができ、特に、緊張接着工法に基づくコンクリート構造物の補強などを極めて作業性良く実施することができる、という利点を有している。
特開2004−197325号公報
しかしながら、本発明者らの更なる研究実験の結果、特許文献1に提示した繊維強化シートは、使用する繊維強化プラスチック線材が形状をもっているため、構造物に接着する際、充分な接着面積を確保するのが、通常作業では難しいという問題があることが分かった。
対策として、多くの樹脂量を供給し、樹脂の厚みをもって、接着力を確保する方法が考えられるが、この方法では作業性が悪く、又コスト面からも好ましくない。
従って、本発明の目的は、緊張に際しての糸切れの問題を解決し、又、施工に際してのボイドの発生抑制、並びに、作業性の改善を図ることができ、しかも、被補強面に対して充分な接着力を得ることのできる、特に、緊張接着工法に基づくコンクリート構造物の補強における作業性を著しく向上させることのできる繊維強化シートを提供することである。
上記目的は本発明に係る繊維強化シートにて達成される。要約すれば、本発明は、強化繊維にマトリックスが含浸され、硬化された連続した繊維強化プラスチック線材を複数本、長手方向にスダレ状に引き揃え、線材を互いに固定用繊維材にて固定したシート状体を形成し、
前記シート状体の少なくとも片面に樹脂含浸用織布を取り付けたことを特徴とする繊維強化シートである。
本発明の一実施態様によると、前記繊維強化プラスチック線材は、線径が0.5〜3mmの円形断面形状あるか、又は、幅が1〜10mm、厚みが0.1〜2mmとされる矩形断面形状である。
本発明の他の実施態様によると、前記各繊維強化プラスチック線材は、互いに0.1〜1.0mmだけ離間している。
本発明の他の実施態様によると、前記繊維強化プラスチック線材は、その表面が粗面とされる。
本発明の他の実施態様によると、前記固定用繊維材は、前記各繊維強化プラスチック線材の長手方向に対して垂直方向に複数本の前記繊維強化プラスチック線材を編みつける横糸である。前記横糸は、ガラス繊維、有機繊維又は樹脂を表面に被覆したガラス繊維からなる糸条とし得る。
本発明の他の実施態様によると、前記固定用繊維材は、前記シート状体の少なくとも片面に配置され、接着されたメッシュ状支持体シートである。
本発明の他の実施態様によると、前記メッシュ状支持体シートは、ガラス繊維からなる糸条を1軸、2軸或いは3軸に配向して形成し、前記糸条表面に被覆された樹脂により前記スダレ状に引き揃えた複数本の繊維強化プラスチック線材に接着される。
本発明の他の実施態様によると、前記樹脂含浸用織布は、ナイロン繊維、ビニロン繊維、ポリエステル繊維、アクリル繊維、ガラス繊維の中のいずれか、又は、それらの複合体を使用して作製した、厚み0.1〜1.0mmの不織布若しくは織物である。
本発明の他の実施態様によると、前記シート状体に、接着剤にて接着されている。
本発明の他の実施態様によると、前記シート状体に、ガラス繊維又は有機繊維のいずれかでスチッティングにより取り付けられている。
本発明の他の実施態様によると、前記繊維強化プラスチック線材の強化繊維は、炭素繊維;ボロン繊維、チタン繊維、スチール繊維などの金属繊維;アラミド、PBO(ポリパラフェニレンベンズビスオキサゾール)、ポリアミド、ポリアリレート、ポリエステルなどの有機繊維;が単独で、又は、複数種混入してハイブリッドにて使用される。また、前記繊維強化プラスチック線材のマトリックス樹脂は、エポキシ樹脂、ビニールエステル樹脂、MMA樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、又はフェノール樹脂の熱硬化性樹脂、又は、ナイロン、ビニロンなどの熱可塑性樹脂が使用可能である。
本発明によれば、緊張に際しての糸切れの問題や、施工に際してのボイド発生回避、樹脂ダレを防止し、被補強面に対して充分な接着力を得ることができ、特に、緊張接着工法に基づくコンクリート構造物の補強などを極めて作業性良く実施することができる。
以下、本発明に係る繊維強化シートを図面に即して更に詳しく説明する。
実施例1
図1及び図2に、本発明の繊維強化シート1の一実施例を示す。繊維強化シート1は、連続した繊維強化プラスチック線材2を複数本、長手方向にスダレ状に引き揃え、各線材2を互いに固定用繊維材3にて固定して形成されるシート状体1Aを有している。
本実施例によれば、前記シート状体1Aのいずれかの片面には全面に亘って、樹脂含浸用織布6が取り付けられる。樹脂含浸用織布6は、図示してはいないが、前記シート状体1Aの両面に取り付けることもできる。
樹脂含浸用織布6としては、詳しくは後述するように、ナイロン、ビニロン、ポリエステル、アクリルなどの有機繊維、又は、ガラス繊維を使用して厚みが0.1mm〜1.0mm程の薄い不織布、又は、織物が好適に使用される。
斯かる構成の繊維強化繊維シート1において、繊維強化プラスチック線材2は、一方向に配向された多数本の連続した強化繊維fにマトリックス樹脂Rが含浸され硬化された細長形状(細径)のものであり、弾性を有している。また、樹脂含浸用織布6自体も弾性を有している。
従って、弾性の繊維強化プラスチック線材2をスダレ状に、即ち、線材2が互いに近接離間して引き揃えられたシート形状とされ、且つ、樹脂含浸用織布6が取り付けられた本実施例の繊維強化シート1は、その長手方向に弾性を有している。
そのために、例えば、繊維強化シート1は、搬送時には、所定半径にて巻き込んだ状態にて持ち運びが可能であり、極めて可搬性に富んでいる。
また、繊維強化シート1は、繊維強化プラスチック線材2をスダレ状に引き揃えて構成されているために、搬送時に、従来の未含浸強化繊維シートのように、強化繊維の配向が乱れたり、また緊張力導入時に、強化繊維の配向乱れに起因した糸切れを生じるといった心配は全くない。
また、本実施例の繊維強化シート1は、樹脂含浸用織布6を有しているために、例えば、緊張接着工法にて繊維強化シート1を使用した場合、マトリックス樹脂が塗布されたコンクリート梁シート貼着面に繊維強化シート1を押し付け接着させたとき、樹脂含浸用織布6がある適正量の樹脂を保持するため、樹脂ダレの発生もなく、スムーズな作業が可能となる。
また、樹脂含浸用織布6に樹脂含浸性を持たせることにより、コンクリート梁シート貼着面に接着された繊維強化シート1の樹脂含浸用織布6の上から更にマトリックス樹脂を塗布し、確実な接着を実施することもできる。
更に説明すると、細径の繊維強化プラスチック線材2は、直径(d)が0.5〜3mmの略円形断面形状(図3(a))であるか、又は、幅(w)が1〜10mm、厚み(t)が0.1〜2mmとされる略矩形断面形状(図3(b))とし得る。勿論、必要に応じて、その他の種々の断面形状とすることができる。また、繊維強化プラスチック線材2は、使用時における接着力を向上させるために、その表面がショットブラストや、金ブラシなどを用いて目荒らしを行い粗面とするのが好ましい。
上述のように、一方向にスダレ状に配列された複数本の線材2から成るシート形態とされる線材、即ち、連続した線材シートにおいて、各線材2は、互いに空隙(g)=0.1〜1.0mmだけ近接離間して、固定用繊維材3にて固定される。また、このようにして形成されたシート状体1A、即ち、繊維強化シート1の長さ(L)及び幅(W1)は、補強される構造物の寸法、形状に応じて適宜決定されるが、取り扱い上の問題から、一般に、全幅(W)は、100〜500mm程度がよく用いられる。又、長さ(L)は、100m以上のものを製造し得るが、使用時においては、適宜切断して使用される。
強化繊維fとしては、炭素繊維;ボロン繊維、チタン繊維、スチール繊維などの金属繊維;更には、アラミド、PBO(ポリパラフェニレンベンズビスオキサゾール)、ポリアミド、ポリアリレート、ポリエステルなどの有機繊維;が単独で、又は、複数種混入してハイブリッドにて使用することができる。
繊維強化プラスチック線材に含浸されるマトリックス樹脂Rは、熱硬化性樹脂又は熱可塑性樹脂を使用することができ、熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、ビニールエステル樹脂,MMA樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、又はフェノール樹脂などが好適に使用され、又、熱可塑性樹脂としては、ナイロン、ビニロンなどが好適に使用可能である。又、樹脂含有量は、30〜70重量%、好ましくは、35〜50重量%とされる。
又、各線材2を固定用繊維材3にて固定する方法としては、図1に示すように、例えば、固定用繊維材3として横糸を使用し、一方向にスダレ状に配列された複数本の線材2から成るシート形態とされる線材、即ち、連続した線材シートを、線材に対して直交して一定の間隔(P)にて打ち込み、編み付ける方法を採用し得る。横糸3の打ち込み間隔(P)は、特に制限されないが、作成された繊維強化シート1の取り扱い性を考慮して、通常5〜20mm間隔の範囲で選定される。
このとき、横糸3は、例えば直径2〜50μmのガラス繊維或いは有機繊維を複数本束ねた糸条とされる。又、有機繊維としては、ナイロン、ビニロンなどが好適に使用される。
各線材2をスダレ状に固定する他の方法としては、図2に示すように、固定用繊維材3としてメッシュ状支持体シートを使用することができる。
つまり、シート形態を成すスダレ状に引き揃えた複数本の線材2、即ち、線材シートの片面、又は、両面を、例えば直径2〜50μmのガラス繊維或いは有機繊維にて作製したメッシュ状の支持体シート3により支持した構成とすることもできる。
この場合には、例えば、2軸構成とされるメッシュ状支持体シート3を構成する縦糸4及び横糸5の表面に低融点タイプの熱可塑性樹脂を予め含浸させておき、メッシュ状支持体シート3をスダレ状線材シートの両面に積層して加熱加圧し、メッシュ状支持体シート3の縦糸4及び横糸5の部分をスダレ状線材シートに溶着する。
メッシュ状支持体シート3は、2軸構成のほかに、ガラス繊維を3軸に配向して形成したり、或いは、ガラス繊維を線材2に対して直交する横糸5のみを配置した、所謂、1軸に配向して形成して前記シート状に引き揃えた複数本の線材2に接着することもできる。
又、上記固定用繊維材3の糸条としては、即ち、図1に示す横糸3、或いは、図2に示すメッシュ状支持体シート3の縦糸4、横糸5としては、例えばガラス繊維を芯部に有し、低融点の熱融着性ポリエステルをその周囲に配したような二重構造の複合繊維も又好ましく用いられる。
次に、樹脂含浸用織布6を各線材2が固定用繊維材3で固定されたシート状体1Aに取り付ける方法としては、図1に示すように、例えば、前記シート状体1Aの表面に薄く、エポキシ樹脂、ビニールエステル樹脂、MMA樹脂などの熱硬化性樹脂の接着剤を塗布し、その塗布面に樹脂含浸用織布6を積層して加熱加圧し接着する方法が好適に使用される。
又、樹脂含浸用織布6を取り付ける他の方法として、織布6が上下2面ある場合、細いガラス繊維、若しくは、ポリエステル繊維、ナイロン繊維など有機繊維のいずれかを用いて作製された糸条にて、各線材2の長さ方向に沿ってスチッティングして、上記シート状体1Aに樹脂含浸用織布6を取り付ける方法も好適に使用される。
又、前記樹脂含浸用織布6に使用される材料としては、ナイロン、ビニロン、ポリエステル、アクリルなどの有機繊維、又は、ガラス繊維を使用して、厚みが0.1mm〜1.0mm程度とされる薄い不織布、又は、平織り、綾織りなどとされる織物が好適に使用される。なお、樹脂含浸用織布6としては、密度及び質量は、それぞれ、密度15〜50(本/25mm、質量50〜200g/mであるのが好ましい。この範囲外であると、少なすぎると含浸する樹脂量が不足し、接着不良の発生頻度が多くなり、多すぎると含浸する樹脂量が多くなり、非経済的になる。
次に、本発明の繊維強化シートの実験例について説明する。
実験例1
本発明の繊維強化シートを使用して、緊張接着工法に従ってコンクリート梁を補強した。
本実験例では、図2を参照して説明した構成の繊維強化シート1を使用した。
繊維強化シート1における繊維強化プラスチック線材2は、強化繊維fとして平均径7μm、収束本数24000本PAN系炭素繊維ストランドを用い、マトリックス樹脂Rとして常温硬化型のエポキシ樹脂を含浸し、硬化して作成した。樹脂含浸量は、40重量%であり、硬化後の繊維強化プラスチック線材2は、直径1.6mmの円断面を有していた。
このようにして得た繊維強化プラスチック線材2を、一方向に引き揃えてスダレ状に配置した後、線材シートの片面に、メッシュ状支持体シート3を接着し、シート状体1Aを作製した。
メッシュ状支持体シート3は、縦糸4及び横糸5としてガラス繊維(番手300d)とされる糸条を用いた2軸メッシュ状支持体シートであった。2軸メッシュ状支持体シート3の縦糸4及び横糸5の間隔は、10mmとした。
メッシュ状支持体シート3の縦糸4及び横糸5には、熱可塑性樹脂を、含有量30重量%の割合で含浸させた。
その後、線材シートにメッシュ状支持体シート3が接着されたシート状体1Aの片面に、常温硬化型のエポキシ樹脂をハケで塗布しながら、薄手の樹脂含浸用織布6を押し付け、ドライヤーで加熱しながら接着した。
樹脂含浸用織布6は、ガラス繊維の平織りクロスで、密度19×18(本/25mm)、厚さ0.21mm、質量200g/mであった。
このようにして作製した繊維強化シート1のスダレ状部、即ち、シート状体1Aは、幅(W1)が200mm、長さ(L)が40mであった。各線材2間の間隙(g)は、0.3〜0.4mmであった。また樹脂含浸用織布6の幅(W2)は、シート状体1Aの幅200mmより両側10mmだけ幅広とされ、220mmであった。
次に、上記繊維強化シート1を使用してコンクリート梁を緊張接着工法により、次のようにして補強した。
先ず、本実験例では、繊維強化シート1をコンクリート梁に接着するに先立って、繊維強化シート1に緊張力10000kg/100mmを導入した。緊張力導入時に、何ら糸切れを発生することがなく、炭素繊維の破断強度近くまで充分な緊張力を導入することができた。
繊維強化シート1が緊張状態に維持された状態にて、コンクリート梁シート貼着面に、マトリックスを塗布し、次いで繊維強化シート1を押し付け接着させ、更に繊維強化シート1の樹脂含浸用織布6の上からマトリックス樹脂を塗布し、確実な接着を実施した。この時、樹脂含浸用織布が、ある適正量の樹脂を保持するため、樹脂ダレの発生もなく、スムーズな作業で実施することができた。また、接着力を上げるため、更に繊維強化シート回り全体をバグフィルムで覆い、真空ポンプでバグフィルム内の空気を抜き、真空圧で梁に押し付けながら接着した。繊維強化シート1の貼着面に、何らボイドを発生することなく、コンクリート梁に極めて良好に接着することができた。
上記実施例1、実験例1では、コンクリート構造物の補強に関して説明したが、本発明の繊維強化シート1は、鋼構造物の補強に際しても同様に適用することができ、同様の作用効果を達成し得る。
本発明の繊維強化シートの一実施例を示す斜視図である。 本発明の繊維強化シートの他の実施例を示す斜視図である。 本発明の繊維強化シートを構成する繊維強化プラスチック線材の断面図である。
符号の説明
1 繊維強化シート
1A シート状体
2 繊維強化プラスチック線材
3 固定用繊維材(横糸、メッシュ支持体シート)
4 メッシュ支持体シートの横糸
5 メッシュ支持体シートの縦糸
6 樹脂含浸用織布
R マトリックス樹脂
f 強化繊維

Claims (13)

  1. 強化繊維にマトリックス樹脂が含浸され、硬化された連続した繊維強化プラスチック線材を複数本、長手方向にスダレ状に引き揃え、線材を互いに固定用繊維材にて固定したシート状体を形成し、
    前記シート状体の少なくとも片面に樹脂含浸用織布を取り付けたことを特徴とする繊維強化シート。
  2. 前記繊維強化プラスチック線材は、線径が0.5〜3mmの円形断面形状あるか、又は幅が1〜10mm、厚みが0.1〜2mmとされる矩形断面形状であることを特徴とする請求項1の繊維強化シート。
  3. 前記各繊維強化プラスチック線材は、互いに0.1〜1.0mmだけ離間していることを特徴とする請求項1又は2の繊維強化シート。
  4. 前記繊維強化プラスチック線材は、その表面が粗面とされることを特徴とする請求項1、2又は3の繊維強化シート。
  5. 前記固定用繊維材は、前記各繊維強化プラスチック線材の長手方向に対して垂直方向に複数本の前記繊維強化プラスチック線材を編みつける横糸であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかの項に記載の繊維強化シート。
  6. 前記横糸は、ガラス繊維、有機繊維又は樹脂を表面に被覆したガラス繊維からなる糸条であることを特徴とする請求項5の繊維強化シート。
  7. 前記固定用繊維材は、前記シート状体の少なくとも片面に配置され、接着されたメッシュ状支持体シートであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかの項に記載の繊維強化シート。
  8. 前記メッシュ状支持体シートは、ガラス繊維からなる糸条を1軸、2軸又は3軸に配向して形成し、前記糸条表面に被覆された樹脂により前記スダレ状に引き揃えた複数本の繊維強化プラスチック線材に接着されることを特徴とする請求項7の繊維強化シート。
  9. 前記樹脂含浸用織布は、ナイロン繊維、ビニロン繊維、ポリエステル繊維、アクリル繊維、ガラス繊維の中のいずれか、又は、それらの複合体を使用して作製した、厚み0.1〜1.0mmの不織布若しくは織物であることを特徴とする請求項1〜8のいずれかの項に記載の繊維強化シート。
  10. 前記樹脂含浸用織布は、前記シート状体に接着剤にて接着されていることを特徴とする請求項1〜9のいずれかの項に記載の繊維強化シート。
  11. 前記樹脂含浸用織布は、前記シート状体に、ガラス繊維若しくは有機繊維のいずれかで作製した糸条にてスチッティングにより取り付けられていることを特徴とする請求項1〜9のいずれかの項に記載の繊維強化シート。
  12. 前記繊維強化プラスチック線材の強化繊維は、炭素繊維;ボロン繊維、チタン繊維、スチール繊維などの金属繊維;アラミド、PBO(ポリパラフェニレンベンズビスオキサゾール)、ポリアミド、ポリアリレート、ポリエステルなどの有機繊維;が単独で、又は、複数種混入してハイブリッドにて使用されることを特徴とする請求項1〜11のいずれかの項に記載の繊維強化シート。
  13. 前記繊維強化プラスチック線材のマトリックス樹脂は、エポキシ樹脂、ビニールエステル樹脂、MMA樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、又はフェノール樹脂の熱硬化性樹脂、又は、ナイロン、ビニロンなどの熱可塑性樹脂であることを特徴とする請求項1〜12のいずれかの項に記載の繊維強化シート。
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