JP4385462B2 - 熱硬化性樹脂複合体の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は熱硬化性樹脂と通常接着が容易でない他種類の樹脂とを強固に接着することのできる熱硬化性樹脂成型体に関し、この成型体を用いることにより、化粧台、壁パネル、洗面台、浴槽などの住宅設備部材に汎用される他、産業用ライニング加工等に利用できる、他種類の樹脂と熱硬化性樹脂とを積層一体化した熱硬化性樹脂複合体を容易に製造することができる。
【0002】
【従来の技術】
熱硬化性樹脂は化学構造として三次元架橋構造を持っており、不溶不融である為、熱硬化性樹脂板そのものに他種類の樹脂(例えば熱可塑性樹脂)を直接接着することは困難である。未硬化状態の熱硬化性樹脂であっても、溶融熱可塑性樹脂と溶け合わず、また熱硬化性樹脂上に熱可塑性樹脂を溶融状態で直接接触させても、熱可塑性樹脂は冷却後収縮して脱落してしまう。
従って、従来の方法では、熱硬化性樹脂成型板の上に他種類樹脂の成型を行う場合、熱硬化性樹脂と他種類樹脂を別に成型しておき、接着剤で二次加工を行う方法が行われている。この場合、多くの工程が必要となり、時間とコストがかかる、接着剤の選定が難しい、接着剤を均一に塗布することが難しく、接着強度のバラツキが生じ、製品の欠陥につながる等の種々の問題がある。
【0003】
また、熱硬化性樹脂板同士をつきあわせて接合施工するライニング加工の場合、ライニング用の未硬化樹脂(例えばポリエステル樹脂)を用いるが、そのときに下地の熱硬化性樹脂板と容易に接着しないため、サンディングまたはプライマー処理を施す必要があった。
【0004】
一方、特開平10−24497号公報には、透明又は半透明の熱可塑性樹脂層とスチレン系及び/又は変性オレフィン系樹脂接着層とを予め一体成形した後、該成形物を繊維強化熱硬化性樹脂用成形型に配し、最後に繊維強化熱硬化性樹脂を重ねて一体成形する方法が記載され、特開平10−34831号公報には、ゴム製防水シート、熱可塑性樹脂フィルム及び繊維強化材の順で積層一体化した複合シートを予め建築物下地に敷設した後、液状の熱硬化性樹脂を該繊維強化材に含浸、硬化させて複合防水層を得る方法が記載されており、これにより熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂とが熱可塑性接着層又は熱可塑性樹脂フィルムを介して強固な接着強度が得られると記載される。
しかしながら、これらの方法は、熱可塑性樹脂と接着層又はフィルムとを予め一体形成した後に、熱硬化性樹脂を加熱硬化させるものであり、硬化後の熱硬化性樹脂に対して他の樹脂を接着するものではなく、特に現場での二次加工を行う際の上記の問題は解決されない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明では、中間体としての成型体の搬送が容易で取り扱いやすく、低い製造コストで、他の樹脂の二次加工を現場で容易に行うことができる、他種類の樹脂材料と熱硬化性樹脂成型体とを積層一体化した複合体を容易に製造する方法を提案するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記課題は、熱可塑性樹脂フィルムと相溶性のある架橋剤を含む未硬化状態の熱硬化性樹脂材料に該熱可塑性樹脂フィルムを被着させ、加熱硬化成型して得た、熱可塑性樹脂フィルム被着の熱硬化性樹脂成型体により達成されることが見出された。
【0007】
即ち、図1を用いて説明すると、架橋剤3を含む未硬化状態の熱硬化性樹脂材料1aに、熱可塑性樹脂フィルム2を被着させる(a)。ここで、熱硬化性樹脂材料中に含まれる架橋剤3として熱可塑性樹脂フィルム2と相溶性のあるものを選択することにより、未硬化状態の熱硬化性樹脂材料1aと熱可塑性樹脂フィルム2との界面において、熱硬化性樹脂材料中に存在する架橋剤3が熱可塑性樹脂フィルム2中に拡散して(b)、熱可塑性樹脂が膨潤し(c)、これを加熱硬化することにより、架橋剤分子がポリマー化して熱可塑性樹脂分子に絡まり(d)、熱硬化性樹脂材料1と熱可塑性樹脂フィルム2とが接着する(e)ものと推定される。
【0008】
そして、かかる熱可塑性樹脂フィルム2が被着した熱硬化性樹脂成型体10の熱可塑性樹脂フィルム2側に、該フィルム2と相溶性のある他種類の樹脂材料7を接着すことにより、他種類の樹脂材料7と熱硬化性樹脂材料1とを容易に接着することができる(f)。即ち、上記熱可塑性樹脂フィルム2を介在させることにより、該フィルム2と相溶性のある熱可塑性樹脂材料7または同じく相溶性のある熱硬化性樹脂材料7を接着でき、結果的に熱硬化性樹脂材料1と他種類の樹脂材料7とが接着した複合体11を容易に得ることができる。この接着は他種類の樹脂材料7が熱可塑性樹脂の場合には溶融注入、熱硬化性樹脂の場合には未硬化状態で成形設備を用いるだけで達成でき、現場での接着も可能であり、二次加工が容易であるという利点を有する。
【0009】
例えば、熱可塑性樹脂フィルム被着の熱硬化性樹脂成型体10を板材(例えば壁材)とし、該板材を面としてそれに新たな構造体(例えば浴室壁、浴槽)を構成(接着)することができる。また、2枚以上の熱硬化性樹脂成型体10をライニング加工してつなぎ合わせる場合にも、本発明の熱可塑性樹脂フィルム被着の熱硬化性樹脂成型体10の熱可塑性樹脂フィルム2側に、該フィルムと相溶性のある架橋剤を含有する未硬化状態の熱硬化性樹脂材料7bをライニング樹脂として用いることにより、2枚以上の熱硬化性樹脂板をプライマーやサンディング処理を施すことなく確実につなぎ合わせてライニング加工することができる(図2参照)。
【0010】
なお、本発明における「接着」とは、「溶接」と同義であり、高分子鎖の絡み合いにより2つ以上の母材を局部的に一体化することを意味する。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の熱可塑性樹脂フィルム2は、熱硬化性樹脂材料1(より詳細には熱硬化性樹脂材料に含まれる架橋剤3)及び後に接着する他種類の樹脂材料7との相溶性が必要である。この2つへの相溶性を考慮して決定する。
本発明の熱可塑性樹脂フィルム2に用いられる熱可塑性樹脂としては、ポリスチレン(PS)、ハイインパクトポリスチレン(HIPS)、アクリロニトリルスチレン(AS)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、アクリロニトリルエチレンプロピレンスチレン(AES)等のスチレン系樹脂、酢酸ビニル変性ポリエチレン(PVA)、酢酸ビニル変性ポリプロピレン等の変性オレフィン系樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂(PMMA)、ゴム変性ポリメチルメタクリレート樹脂などの変性アクリル系樹脂等が挙げられる。
【0012】
本発明の熱硬化性樹脂材料1は、一般的に架橋剤3を含有し、熱により硬化するものであれば、用いる熱硬化性樹脂の種類は特に限定されず、例えば不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂等が挙げられる。
【0013】
また、上記熱可塑性樹脂フィルム2と相溶性のある架橋剤3としては、該フィルムに用いられる熱可塑性樹脂に応じて適宜選択することができ、例えば、ABS樹脂に対してはスチレン、アクリル樹脂に対してはメチルメタクリレート等が好ましく用いられる。ここに挙げられる架橋剤は溶剤としても働き、熱硬化性樹脂を溶解させる役割を帯びている。熱硬化性樹脂(例えば不飽和ポリエステル)は、その時点でポリマーであり、他の高分子との相溶性はほとんどないが、架橋剤の存在により、熱可塑性樹脂フィルムとの相溶性が得られる。
【0014】
熱硬化性樹脂材料1は、ガラス繊維、ポリアミド、ビニロン、ポリエステル、フェノール、ポリプロピレン、ポリウレタン、ポリエチレン、アラミド等の有機繊維、カーボン繊維、金属繊維、セラミックス繊維などの繊維強化材を含有する繊維強化熱硬化性樹脂材料(以下FRPともいう)であることが好ましい。繊維の形態は、平織り、朱子折りの如き織布又は不織布、マット状等が挙げられ、またガラスロービングをカットしてチョップストランドにして使用することもできる。
その他、消泡剤、低粘剤、贈粘剤、低収縮剤等のFRP樹脂に通常用いられる種々の添加剤を必要に応じて含有することができる。
【0015】
本発明の熱硬化性樹脂成型体10の形態は特に限定的ではなく、用途に応じて適宜設定することができる。
【0016】
本発明の熱可塑性樹脂フィルムの被着した熱硬化性樹脂成型体10は、未硬化状態の熱硬化性樹脂材料1aに上記熱可塑性樹脂フィルム2を被着させた後、熱硬化処理ができるものであれば、従来公知の通常の熱硬化性樹脂の製法を適用することができ、例えばハンドレイアップ法、スプレーアップ法、連続成型法、ワインディング法等を挙げることができる。
【0017】
また図3に示すように、熱可塑性樹脂フィルム2側及び熱可塑性樹脂材料1側の少なくともいずれか一方、より好ましくは両方に、キャリアフィルム5を設けることが好ましい。特に連続成型法により板状の繊維強化熱硬化性樹脂成型体を製造する場合に有効である。キャリアフィルムは完全硬化状態の表面を得るために従来から使用しているセロファン、ナイロン、ビニロン、ポリエステル等を使用することができる。キャリアフィルムを用いた連続成型法においては、強化繊維と未硬化状態の熱硬化性樹脂の積層物とキャリアフィルムの間に使用している熱硬化性樹脂と相溶性のある熱可塑性樹脂のフィルムを挟み込むだけで良い。硬化条件等は従来通りである為、簡便に本発明の繊維強化熱硬化性樹脂板を製造することができる。
【0018】
図4を用いてキャリアフィルムを用いた連続成型法の一例を説明する。
キャリアフィルム5をコンベア代わりに用い、その上に未硬化状態の熱硬化性樹脂1とガラスマット等の繊維強化材4を導入し含浸ローラー21等を用いて含浸させる。その上に、上記熱可塑性樹脂フィルム2とキャリアフィルム5′を被せ挟み込む。硬化炉22の中で加熱硬化させた後、キャリアフィルム5、5′をキャリアフィルム巻き取り装置23により剥がすと、本発明の熱硬化性樹脂成型体10が容易に得られる。必要に応じて、切断装置24により熱硬化性樹脂成型体をカットする。
【0019】
上記のようにして得られた熱硬化性樹脂成型体10の熱可塑性樹脂フィルム2側に、該熱可塑性樹脂フィルム2と相溶性のある樹脂材料7を接着させることにより、熱硬化性樹脂と他種類の樹脂とが事実上接着した複合体11を容易に得ることができる。
【0020】
具体的には、樹脂材料7として熱可塑性樹脂を用いる場合には、溶融状態の熱可塑性樹脂を該熱可塑性フィルム上に通常用いられる方法で注入成形することにより容易に接着することができる。
また、相溶性のある樹脂材料7として熱硬化性樹脂を用いる場合には、熱可塑性樹脂フィルム2と相溶性のある架橋剤を含有させることで、該フィルム2と相溶性のある樹脂材料とすることができる。かかる熱可塑性フィルム2と相溶性のある架橋剤の例は、上記の熱硬化性樹脂材料1に用いられる架橋剤で上記した場合と同様である。未硬化状態の熱硬化性樹脂を該熱可塑性フィルム上に通常用いられる方法に従い注入硬化させることにより、熱硬化性樹脂材料7bを容易に熱可塑性フィルム2に接着することができる。
【0021】
本発明によれば、従来接着体と被着体とを別々に成形し、接着する必要がなくなり、被着体の成形と接着を一つの工程とすることができる。これにより、運送のコストアップにつながる他、接着剤が不要となり、接着剤の選定、塗布に伴う工程管理が不要となり、工程省略によるコストアップも達成される。
例えば、熱硬化性樹脂板の裏側にABSのリブをたてる場合を例に挙げると、従来の方法では熱硬化性樹脂板とリブを別途成形し、表面の改質(プライマー及び/又はサンディング)を行った後、接着剤(主としてエポキシ接着剤)で両者を接着していたのに対し、本発明によれば、熱可塑性フィルムを一体成形した熱硬化性樹脂成型体を溶融注入装置に組み込み、ABS樹脂を熱硬化性樹脂成型体の上で注入成形するだけで接着が完了し、リブを有する熱硬化性樹脂板が容易に製造できる。
【0022】
【実施例】
以下本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0023】
実施例1
〈ハンドレアップ製造法〉
不飽和ポリエステル樹脂(大日本インキ化学工業(株)製 NA-130)100重量部に対し、BPO( 化薬アクゾ(株)製 カドックスB-CH50)1.0重量部、CHP(日本油脂(株)製H-80)0.45重量部加えて樹脂シロップを得た。次にフィルムとしてPETフィルム( ユニチカ(株)社製)を流し、チョップストランド(日東紡製 ロービングER4800)と樹脂を積層した。その上にABSフィルム(三宝樹脂(株)製 厚さ0.13mm)を載せ、更にPETフィルムで挟んで熱硬化(80℃30分、120℃15分)した(Fig.2)。硬化後フィルムを剥がして目的の繊維強化熱硬化性樹脂板を得た。
【0024】
〈連続成形ライン製造法〉
上記ハンドレアップ製造法と同じ樹脂シロップを図4に示すラインに流してガラスと樹脂を積層後、ABSフィルムを載せキャリアフィルムで挟んで通常品と同条件で硬化させた。その後キャリアフィルムを剥がした。
【0025】
このようにして得られた繊維強化熱硬化性樹脂板10に、図5に示すように、ABS樹脂7a(グランドポリマー(株)製)を一軸エクスルーターで繊維強化熱硬化性樹脂板上に置いた20×100×100の鉄製枠25の中に落とした。得られた試験体を放冷した。この操作によりABS樹脂7aを繊維強化熱硬化性樹脂成型体10に接着させた(溶融温度250℃、出口温度240℃)。
試験体は全部でNo.1〜4の4検体作製した。
【0026】
〈試験〉 上記で得られたABS樹脂7aを接着させた繊維強化熱硬化性樹脂板11を試験体として、図6に示す通りの引張試験機((株)丸菱科学機械製作所製)を用いて融着樹脂と繊維強化熱硬化性樹脂板の剥離強度を測定した。
【0027】
比較例
上記実施例1において、接着させる樹脂材料7として、ABS樹脂に替えてポリプロピレン樹脂(以下PP樹脂とする)( グランドポリマー(株)製 )を接着した。これを試験体No.5とする。
また、ライン成型を行った繊維強化熱硬化性樹脂板(熱可塑性樹脂フィルム2なし)に上記実施例1と同様にして図5に示すようにしてABS樹脂を接着した。これを試験体No.6とする。
更に、上記実施例1において、ABSフィルムの代りにポリメチルメタクリレートフィルム(以下PMMAとする)(クラレ(株)製)を用いて繊維強化熱硬化性樹脂板を作製し、上記実施例1と同様にしてABS樹脂を接着した。これを試験体No.7とした。
【0028】
これらの試験体No.5〜7に上記実施例1と同様にして剥離強度試験を行った。
その結果は下記表1に示す通りである。
【0029】
【表1】
【0030】
以上詳細に述べた通り本発明によって製造される繊維強化熱硬化性樹脂板はABS樹脂を接着することができ、試験体No.1〜4の平均で30.7kg/cm2の剥離強度が得られた。
本実施例の試験方法では射出速度、試験体の予熱など管理していない項目が多い。これらの項目は管理すれば剥離強度を改善できる。例えば、射出速度は速ければ、温度低下は避けられるため、より接着しやすくなり剥離強度は改善されると考えられる。
【0031】
これに対してNo.5ではPPというABSと相溶性の無い異素材の接着を試みた。この試験から相溶性の無い樹脂は接着が難しいことを示している。これは、PPの溶解度パラメーターが9.4(cal1/2cm-3/2)であるのに対して、ABSの溶解度パラメーターが8.5(cal1/2cm-3/2)付近であるという事実からも分かる。
No.6では従来のままの繊維強化熱硬化性樹脂板(フィルムを接着していない)へのABS樹脂の接着を試みた。この試験では従来通りの方法では繊維強化熱硬化性樹脂板には接着できないことを示している。これは、FRPが三次元架橋構造で、不溶不融であるため、未硬化状態で架橋剤(スチレン)と相溶性がある場合でも、硬化後には相溶性がないことを示している。
No.7ではFRPとPMMAフィルムの接着を試みた。しかしながら、PMMAフィルムは熱硬化性樹脂(不飽和ポリエステル樹脂)と相溶性が無いため接着できないことを示している。
【0032】
実施例2
上記と同様にして下記表2に示す組み合わせについて実施したところ、実施例1と同様に、十分な剥離強度が得られた。尚、熱硬化性樹脂として不飽和ポリエステルを、接着樹脂として不飽和ポリエステル、ポリスチレンを用いた組合せは、参考例として記載した。
【0033】
【表2】
【0034】
接着するフィルムと接着樹脂を選択する事により接着剤塗布などの二次加工を必要とせず、簡便に他種類の樹脂を接着する事が出来る。
【0035】
【発明の効果】
本発明の熱硬化性樹脂成型体を用いることにより、中間体としての成型体の搬送が容易で取り扱いやすく、低い製造コストで、他種類の樹脂材料を熱硬化性樹脂材料に接着することができ、二次加工を現場で容易に行うことができる。
これにより、熱可塑性樹脂フィルム被着の熱硬化性樹脂成型体10を板材(例えば壁材)とし、該板材を面としてそれに新たな構造体(例えば浴室壁、浴槽)を構成したり、複数の熱硬化性樹脂成型体10をプライマーやサンディング処理を施すことなく確実につなぎ合わせてライニング加工したりすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の概略を模式的に示す図である。
【図2】本発明をライニング加工に適用する態様を模式的に示す図である。
【図3】キャリアフィルムを設けた熱硬化性樹脂成型体を模式的に示す図である。
【図4】連続成型法で熱硬化性樹脂成型体を製造する方法を模式的に示す図である。
【図5】熱硬化性樹脂成型体上に熱可塑性樹脂を接着させる態様を模式的に示す図である。
【図6】実施例で用いた引張試験機を模式的に示す図である。
1 熱硬化性樹脂材料
1a 未硬化状態の熱硬化性樹脂材料
2 熱可塑性樹脂フィルム
3 架橋剤
3′ ポリマー化した架橋剤
4 繊維強化材
5 キャリアフィルム
7 樹脂材料
7a 熱可塑性樹脂材料
7b 熱硬化性樹脂材料
10 熱硬化性樹脂成型体
11 熱硬化性樹脂複合体
21 含浸ローラー
22 硬化炉
23 キャリアフィルム巻き取り装置
24 切断装置
25 鉄製枠
Claims (5)
- 熱可塑性樹脂フィルムと相溶性のある架橋剤を含む未硬化状態の熱硬化性樹脂材料に該熱可塑性樹脂フィルムを被着させ、加熱硬化成型して、熱硬化性樹脂成型体を得ること、
前記得られた熱硬化性樹脂成型体の熱可塑性樹脂フィルム側に、溶融状態の熱可塑性樹脂を注入し接着させて熱硬化性樹脂複合体を得る二次加工を行うこと
を特徴とする熱硬化性樹脂複合体の製造方法。 - 該熱硬化性樹脂材料に用いられる熱硬化性樹脂が、不飽和ポリエステル樹脂である請求項1記載の熱硬化性樹脂複合体の製造方法。
- 該熱硬化性樹脂材料が、ガラス繊維を含有する繊維強化熱硬化性樹脂材料である請求項1又は2記載の熱硬化性樹脂複合体の製造方法。
- 該架橋剤がスチレンである請求項1〜3のいずれかに記載の熱硬化性樹脂複合体の製造方法。
- 該熱可塑性樹脂フィルムに用いられる熱可塑性樹脂が、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS)である請求項1〜4のいずれかに記載の熱硬化性樹脂複合体の製造方法。
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