JP3128707B2 - ルウ用小麦粉及びその製造方法 - Google Patents
ルウ用小麦粉及びその製造方法Info
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Description
ース等ルウを使った食品の製造に適したルウ用小麦粉及
びその製造方法に関する。
通常製法のカレー、ホワイトソース等を製造する場合の
時間の短縮化、製品品質の高度化が期待できるものであ
り、加熱調理工程は必要であってインスタント食品用で
はない。
は、幾多の提案がある。例えば生地の粘弾性を改善し、
増粘効果が優れ、品質が安定し、かつ小麦粉臭がなく食
品の風味を損わないなどの諸特性を供える小麦粉の製造
法として、「小麦に加水して水分含有量を15〜20%
とし、これを75℃〜90℃で加熱し、その後常温で放
冷し、製粉する変性小麦粉の製造方法」(特開昭53−
101548号)がある。また、ケーキ、クッキー、バ
ッター、ルウなどに適したとされる小麦粉としては「小
麦粉を二軸エクストルーダーにより加熱押出し処理を行
う小麦粉の品質改良方法」(特開昭62−55048
号)が提案されている。
は、人件費の高騰、光熱費の節約等の問題からルウ加熱
時間の短縮が要望されているが、前記従来の技術では比
較的短時間で高品質のルウを作ることが困難であった。
ターを充分に炒めてホワイトルウを調整(ルウ加熱)し
た後、さらにこれを牛乳で溶き、ゆっくりと加熱撹拌し
ながら煮沸させて調理加熱するのが一般的な製法であ
る。このとき、ホワイトソース中の小麦粉の濃度は数%
程度であるが、ホワイトソースの品質はルウの出来、不
出来、換言すれば、ルウ調整時の小麦粉の加熱程度によ
って大きく左右される。即ち小麦粉のルウ加熱が十分な
場合は、均質でなめらかな異味のないソースができる
が、ルウ加熱が不十分な場合は、不均質で糊っぽいボッ
テリしたソースになるばかりでなく、小麦粉臭がするな
ど、かなり食感が劣るという問題点があった。
タンパク質成分(主にグルテン、麸)は熱変性し、ま
た、小麦粉中の澱粉成分は、(ルウ加熱時に共存する水
分が少ないために)糊化(α化)することはないが、何
等かの湿熱変化によって、生澱粉とは異った状態にある
ことが経験的に知られている。
ウを使った食品においても、冷凍化、あるいはレトルト
処理等を行ったものが多数見受けられ、これに伴って品
質保全その他について新たな問題点を生じてきた。例え
ば、冷凍グラタンは、通常、冷凍品のままオーブンある
いは電子レンジで解凍再加熱し、かき混ぜることなしに
そのまま喫食する。このため、グラタンソースの不均質
化、分離、離水等の冷凍劣化は、著しくその商品価値を
失墜させることになる。
ウ加熱が不十分な為に失活していない褐変化酵素や、褐
変反応により、肌色程度まで褐変した劣悪なホワイトシ
チューがよく見受けられる。前記従来の小麦粉において
は、短時間で高品質なルウが作れない点に問題点があっ
た。
の原粒を加熱処理した後、製粉し、これにより得た小麦
粉を二軸エクストルーダーで加熱押出し処理し、粉砕、
篩分けを行い所定の粒度の小麦粉とすることにより、前
記従来の問題点を解決したのである。
煮し、又は原粒の水分含量を15〜30%(重量)に調
整した後、所定温度のラジエーターに接触させて、品温
60〜75℃で、3〜10時間湿熱処理した小麦から得
た小麦粉を小麦粉に対し、水を5〜25%(重量)供給
し、品温を60〜120℃とし、押出し圧力を10kg
/cm 2 より小さく、二軸エクストルーダーで加熱押出
し処理し、粉砕、篩分けにより粒径11〜88ミクロン
のものが70%より多い粒度としたことを特徴とするル
ウ用小麦粉である。また他の発明は、小麦を原粒をスチ
ームで直接蒸煮し、又は原粒の水分含量を15〜30%
(重量)に調整した後、所定温度のラジエーターに接触
させて、品温60〜75℃で、3〜10時間湿熱処理し
た後、常法により製粉して得た小麦粉に対し、水を5〜
25%(重量)供給し、品温を60〜120℃とし、押
出し圧力を10kg/cm 2 より小さく二軸エクストル
ーダーにより加熱押出し処理し、ついで前記処理物を粉
砕、篩分けして、粒径11〜88ミクロンのものが70
%より多い粒度とすることを特徴としたルウ用小麦粉の
製造方法である。
て、その水分含量を15%(重量)未満にすると、湿熱
処理の効果がなく、30%(重量)を越えると製粉が不
可能になる。また品温を60℃未満にすると湿熱処理の
効果がなく、品温が75℃を越えると製粉作業が困難に
なり(効率が悪い)、蒸れ臭が生じやすくなる。更に処
理時間を3時間未満にすると湿熱処理の効果がなく、処
理時間が10時間を越えると製粉作業が困難になる(効
率低下)。
し処理において、小麦粉に対し水の供給量が5%(重
量)未満になると、タンパク質の熱変性が不十分とな
り、摩擦熱により澱粉粒が損傷を受け、最終食品(ソー
スなど)の粘度が低下する。一方、小麦粉に対する水の
供給量が25%(重量)を越えると、澱粉が部分的に糊
化し、団子状となり、作業が困難になる。
ク質の熱変性が不十分となり、品温を120℃より高く
すると、焦付き易くなる。
すると、摩擦熱により過熱して、澱粉が部分的に糊化
し、団子状となり、作業が困難になる。また澱粉粒が損
傷を受けて、最終食品(ソースなど)の粘度が低下す
る。
麦粉の粒度において、粒径11〜88ミクロンのものが
70%(重量)以下で、粒径11ミクロン未満のものが
20%(重量)より多い場合には、過剰な粉砕により澱
粉粒の損傷を受けたものが多くなり、最終食品(ソース
など)の粘度が低下する。前記に反し、粒径11〜88
ミクロンのものが70%(重量)以下で、粒径88ミク
ロンを越えるものが20%より多い場合には、最終食品
(ソースなど)が不均質で舌ざわりがざらつくものと認
められた。
製粉すると共に、二軸エクストルーダーにより加熱押出
し処理するので、従来の小麦粉の熱処理品に較べて、小
麦の色調が劣化せず、蒸れ臭が少ないなどの効果があ
る。また二軸エクストルーダーのみの処理によるものに
較べて冷凍劣化しにくいという効果がある。
合には、離水が少なく、レトルト食品に使用した場合に
は褐変が少ないなどの諸効果がある。
より品温65℃とし、保温槽で5時間保持した。このと
きの水分は18%であった。その後直ちにテストミルに
てロール挽砕、篩分けにより湿熱処理小麦粉を得た。
ダー(東芝機械株式会社TEM−50、6バレル、L/
D=20、スクリューはすべてフォワード)にて以下の
条件で加熱押出し処理を行った。
砕、篩分けして11〜88ミクロンのものが82%のル
ウ用小麦粉(水分13.6%、灰分0.39%、蛋白
8.9%)を得た。
二軸エクストルーダーによる加熱押出し処理を行わずに
製粉し、未処理小麦粉(水分13.8%、灰分0.38
%、蛋白9.0%)を得た。
ルーダー(東芝機械株式会社TEM−50、6バレル、
L/D=20、スクリューはすべてフォワード)にて以
下の条件で加熱押出し処理を行ない、実施例1と同様に
押出物を粉砕、篩分けして2軸エクストルーダー処理小
麦粉(水分13.5%、灰分0.40%、蛋白8.7
%)を得た。
より品温65℃とし、保温槽で3時間保持した。このと
きの水分は17%であった。その後直ちにテストミルに
てロール挽砕、篩分けして湿熱処理小麦粉(水分14.
0%、灰分0.39%、蛋白8.8%)を得た。
を1:1で混ぜ合わせ、110℃で5分間加熱攪拌して
ホワイトルウを作った。前記ホワイトルウ90gを、コ
ンソメ10g、牛乳500cc、水1400ccととも
に鍋に入れて加熱攪拌し、沸騰後、弱火で5分保持し、
さらに湯を加えて元の量の90%に調整し、表面にラッ
プをして放冷し、ホワイトソースを得た。
で凍結し、30℃の恒温槽解凍を1サイクルとして、1
日1サイクル、合計5サイクル冷凍劣化処理を行った。
ースを分取して密封し、前記の冷凍劣化処理を行った。
次に、解凍品を遠心分離(2000rpm、10分)で
離水を分離し、元のホワイトソース重量に対する離水量
を%で示した。
加熱後、10人の被験者のパネルテストにより食感を調
べた。
例1、2について行い、表1の結果を得た。
く、食感良好であった。
0℃、20分間レトルト処理を行った。
り、ホワイトソースの色差(△E)を測定した。
ソースのL,a,b値)−(レトルト処理前のホワイト
ソースのL,a,b値)。
中で5分間加熱後、10人の被験者のパネルテストによ
り食感を調べた。
比較例1、3について行い、表2の結果を得た。
く、食感良好であった。
処理し、製粉後、2軸エクストルーダーによる加熱押出
し処理を行い、押出物を得た。さらに、前記押出物をレ
ッチミル(スクリーン0.5mm、1000rpm)で
粉砕し、ルウ用小麦粉を得た。
測定し、表3に示した。
処理し、製粉後、2軸エクストルーダー処理を行い、押
出物をレッチミル(スクリーン1.0mm、1000r
pm)で粉砕し、得られたルウ用小麦粉の粒度を表3に
示した。
処理し、製粉後、2軸エクストルーダー処理を行い、押
出物をレッチミル(スクリーン0.2mm、1000r
pm)で粉砕し、得られたルウ用小麦粉の粒度を表3に
示した。
粉を用いて、冷凍ソーステストのホワイトソースの製造
法にしたがってホワイトソースを製造した。ホワイトソ
ースの試験評価法は、下記のソース粘度測定、および官
能試験により評価し、表4の結果を得た。
た。
被験者のパネルテストにより食感を調べた。
Claims (2)
- 【請求項1】 原粒をスチームで直接蒸煮し、又は原粒
の水分含量を15〜30%(重量)に調整した後、所定
温度のラジエーターに接触させて、品温60〜75℃
で、3〜10時間湿熱処理した小麦から得た小麦粉を小
麦粉に対し、水を5〜25%(重量)供給し、品温を6
0〜120℃とし、押出し圧力を10kg/cm 2 より
小さく、二軸エクストルーダーで加熱押出し処理し、粉
砕、篩分けにより粒径11〜88ミクロンのものが70
%より多い粒度としたことを特徴とするルウ用小麦粉。 - 【請求項2】 小麦を原粒をスチームで直接蒸煮し、又
は原粒の水分含量を15〜30%(重量)に調整した
後、所定温度のラジエーターに接触させて、品温60〜
75℃で、3〜10時間湿熱処理した後、常法により製
粉して得た小麦粉に対し、水を5〜25%(重量)供給
し、品温を60〜120℃とし、押出し圧力を10kg
/cm 2 より小さく二軸エクストルーダーにより加熱押
出し処理し、ついで前記処理物を粉砕、篩分けして、粒
径11〜88ミクロンのものが70%より多い粒度とす
ることを特徴としたルウ用小麦粉の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP04101920A JP3128707B2 (ja) | 1992-03-27 | 1992-03-27 | ルウ用小麦粉及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP04101920A JP3128707B2 (ja) | 1992-03-27 | 1992-03-27 | ルウ用小麦粉及びその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05268888A JPH05268888A (ja) | 1993-10-19 |
JP3128707B2 true JP3128707B2 (ja) | 2001-01-29 |
Family
ID=14313351
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP04101920A Expired - Lifetime JP3128707B2 (ja) | 1992-03-27 | 1992-03-27 | ルウ用小麦粉及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3128707B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2014025058A1 (ja) * | 2012-08-10 | 2014-02-13 | 株式会社明治 | ルウ及びその原料の製造方法、ルウ、クリームソース、並びに冷凍食品 |
US20140287130A1 (en) * | 2013-03-25 | 2014-09-25 | Corn Products Development, Inc. | Heat-moisture treated flours for improved retort efficiency |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS53101548A (en) * | 1977-02-18 | 1978-09-05 | Yokoyama Seifun Kk | Production of modified wheat flour |
JPS6255048A (ja) * | 1985-08-12 | 1987-03-10 | Tech Res Assoc Extru Cook Food Ind | 小麦粉の品質改良方法 |
-
1992
- 1992-03-27 JP JP04101920A patent/JP3128707B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH05268888A (ja) | 1993-10-19 |
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