JP3127360B2 - 交換可能な橋梁用弾性支承装置とその据付方法 - Google Patents

交換可能な橋梁用弾性支承装置とその据付方法

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JP3127360B2 JP08344499A JP34449996A JP3127360B2 JP 3127360 B2 JP3127360 B2 JP 3127360B2 JP 08344499 A JP08344499 A JP 08344499A JP 34449996 A JP34449996 A JP 34449996A JP 3127360 B2 JP3127360 B2 JP 3127360B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、道路橋,鉄橋等の
橋梁と橋脚または橋台等の支持台との間に設けられる交
換可能な橋梁用弾性支承装置および、その据付方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】橋梁用弾性支承装置を介して、橋脚(及
び橋台)の上部に橋梁を支持させる支持構造として、橋
梁を橋脚の上方から吊り下してこの橋脚上部に載置させ
る施工方法(これを第1の施工方法という)と、橋梁を
橋脚上部において組立て、この橋梁の上下方向厚み部の
中間部に形成してあり、橋梁幅方向一側が開口した係合
孔部を、前記橋脚上部の水平な支持台に挿入して支持さ
せる施工方法(これを第2の施工方法という)とがあ
る。
【0003】前記第1と第2のいずれの施工方法におい
ても、橋梁は、橋梁用弾性支承装置を介して橋脚上部に
支持される。また、橋梁は施工後熱収縮、その他の原因
で橋軸方向に収縮するので、前記弾性支承装置は、その
設置から前記橋梁における橋軸方向の収縮が終了するま
での期間、ゴム層の下部を橋梁収縮方向と同方向にせん
断変形させた状態を保持させ、その橋軸方向の収縮が終
了した時点で前記せん断変形状態を解除し、中立の位置
にセットできるようにしている。また、この弾性支承装
置は、長期間使用による耐久限界時、または地震による
破壊等によりその交換が必要になる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前記第2の施工方法に
おける、従来の弾性支承装置の支持構造にあっては、弾
性支承体は、橋梁と橋脚とに固着されて容易に離脱でき
ない構造であると共に、弾性支承体の横移動を制限する
移動制限部材も橋脚上部に離脱不可的に固着されてお
り、さらに、橋脚上部の支持台と、この支持台を挿入す
る橋梁の係合孔部の天井部と底面との間には、弾性支承
装置を交換する場合において、橋梁を持上げるために必
要となる間隙が存在せず、前記の諸理由から弾性支承体
の容易な交換は不可能に近く、その交換のためには大掛
かりな改修工事が必要であった。
【0005】本発明は、第2施工方法において、前述の
課題を解決した橋梁用弾性支承装置とその据付方法を提
供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記の課題を解決するた
め、本発明は、橋梁1の厚み部に、当該橋梁1の幅方向
一側に開口すると共に、この橋梁1の幅方向に向けて所
定深さの係合孔部2が形成されており前記係合孔部2に
橋脚3上部の支持台4が挿入され、支持台上面4aと前
記係合孔部天井との間に弾性支承体5を介装してなる橋
梁用弾性支承装置において、支持台上面4a又は橋梁下
面側に、前記弾性支承体5を挾んで橋軸直角方向の側部
に移動制限部材6を着脱可能に取付けると共に、橋軸方
向に保持部材7を設けて前記弾性支承体5を予備せん断
変形させた状態を保持するストッパを、前記保持部材7
と前記弾性支承体5との間隙41に介装可能に設け、さ
らに、前記支持台上面4aに予備せん断付与装置の反力
受け部材10を設け、前記支持台4の下面4bと前記係
合孔部2の底部との間には、前記弾性支承体5の上部
と、前記係合孔部2の天井係合部との係合部寸法Lより
も大の可動間隙寸法Lが形成されている構成を特徴と
する。前記反力受け部材10と前記移動制限部材6の一
方又は両方を含む予備せん断付与装置を前記支持台4に
設けるのに代えて、前記橋梁1側に設けてもよい。
【0007】また、本発明の交換可能な橋梁用弾性支承
装置の据付方法は、橋梁1の厚み部に、当該橋梁1の幅
方向一側に開口すると共に、橋梁1の幅方向に向けて所
定深さに形成された係合孔部2を橋脚3の支持台4に挿
入し、支持台4の上面4aに設けた弾性支承体5で前記
橋梁1を支持させ、このとき、前記支持台4の下面4b
と前記係合孔部2の底部との間に、前記弾性支承体5の
上部と、前記係合孔部2の天井部との係合部寸法Lより
も大の可動間隙寸法L を形成し、かつ支持台4の上
面又は橋梁下面側に着脱自在に設けた移動制限部材6に
より前記弾性支承体5の橋軸直角方向の側部を挾み、支
持台上面4aに設けた反力受け部材10に係止した流体
圧ジャッキにより弾性支承体5を橋軸方向にせん断変形
させた状態で支持台上面4aに設けた保持部材7と、前
記弾性支承体5の間隙41にストッパを介在させ、橋梁
1を構築して一定期間経過の後、前記ストッパによる予
備せん断変形を解除し、弾性支承体5の交換に際し、弾
性支承体5を係合孔部天井部から分離すると共に、前記
L<L 1 の寸法差を利用して橋梁1を持上げて弾性支承
体5と係合孔部天井部との係合を解除し、前記移動制限
部材6を支持台上面4aから取外すと共に、前記弾性支
承体5を支持台上面4aから取外して交換することを特
徴とする。前記反力受け部材10を含む予備せん断付与
装置を前記支持台4に設けるのに代えて、前記橋梁1側
に設けてもよい。
【0008】本発明によると、L<L 1 の寸法差を利用
して橋梁1を持上げると共に、移動制限部材6を支持台
上面4a又は橋梁下面側から取外すことで、弾性支承体
5を橋梁1から切り離すことができ、かつこの弾性支承
体5を支持台上面4aから横方向に移動させるうえでの
障害をなくし、迅速、かつ容易に弾性支承体5の交換作
業が行なわれ、弾性支承体5の交換に際し、他の構造物
への影響を及ぼすことがなく、橋脚上部の支持構造の大
掛りな改修工事を必要としない。
【0009】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施形態を図を参照
して説明する。図1〜図3において、橋脚3の上部に
は、当該橋脚3で支持される橋梁1の具体例としての道
路橋14の橋軸方向と直角方向に伸長する支持台4が設
けられ、橋脚3と支持台4とで橋軸直角断面が略T字形
に構成されている。道路橋14は、上面が所定の幅を
有した道路面14aとされ、道路面14aの両側端に起
立側縁部14bが設けられており、道路面14aと道路
橋下面14cとの間は所定の強度を持たせるべく所定の
肉厚を有した構成とされている。この道路橋14は、橋
軸方向に複数分割された鋼製の分割橋梁を橋脚3の上部
でボルト,溶接等で結合して橋梁(後述する)を構成
し、こうして組まれた鋼製橋梁にコンクリートを充填す
ることで構築されている。
【0010】道路橋14は、所定間隔毎に前記橋脚3の
上部で支持されるもので、本発明の場合の支持構造とし
て、図示例では、橋脚3が立設される間隔に対応して、
かつ、道路橋14の側端に開口部16が臨むようにし
て、当該道路橋14の肉厚部を切除することにより所定
幅の係合孔部2が橋軸直角方向に所定深さに設けられて
いる。そして、橋脚3の上部の支持台4を開口部16を
介して係合孔部2に挿入位置させ、支持台上面4aに設
置した弾性支承体5を係合孔部2の天井部2aに当てが
うことにより、道路橋14は前記弾性支承体5を介して
橋脚3の支持台4に支持されている。
【0011】図1は橋脚3上部から橋軸直角方向の両側
に水平に突出する支持台4に両側車線を構成する第1と
第2の道路橋14,14を平行に支持させた斜視図であ
り、図2は片側の支持台4に片側の車線を構成する道路
橋14を支持させた状態の斜視図であり、図3は図1に
おけるA−A位置での縦断面図、図4は図3の一部破断
平面図、図5は図3の半截拡大図、図6は図5に示す弾
性支承装置の拡大図、図7は弾性支承装置の斜視図であ
る。
【0012】本発明の実施形態においては、前記道路橋
14の弾性支承構造において、前記弾性支承体5を交換
容易に設置してある点に特徴があり、以下これを詳細に
説明する。
【0013】橋脚3の上端において、支持台(左右対称
の片持梁構造であるので、以下では、その片側の支持台
を例に説明する)4は、水平な上面4aを有し、この上
面に所定の間隔をあけて、2つの弾性支承体5が配設さ
れている。支持台4の下面4bは、先端の所定範囲に亘
る肉薄先端下面4cと、先端下面4cの内端に続く中間
部傾斜下面4dとなっており、傾斜下面4dの下端は、
橋脚3の両側上端に連なっている。支持台4において、
水平な上面4aと傾斜下面4dの間における肉厚部に
は、支持台4を橋軸長手方向に貫通する貫通孔17が設
けられている。
【0014】図3に示す道路橋14の係合孔部2に橋脚
3の支持台4が挿入された状態において、係合孔部2の
天井面2aと支持台上面4aとの間には所定寸法の間隙
20が形成されていて、この間隙20を介して弾性支承
体5が配設されており、また支持台下面4bと係合孔部
底面2bとの間にも間隙21が形成されており、この間
隙21及び前記貫通孔17には図3、図4に示すように
係合孔部2の両側壁2cに伸びる移動制限プレート22
が配設されており、その両側が両側壁2cに固着されて
いる。
【0015】次に、弾性支承体5の交換可能な据付構造
を説明する。支持台上面4aには図7に示すように支承
用鋼板23が固定されており、支承用鋼板23の上面に
示す配置で、かつ溶接その他の固着手段で、かつ鋼製ベ
ースプレート24が固着されており、鋼製ベースプレー
ト24上に鋼製下部プレート25の下面が可動自在に
置され、この鋼製下部プレート25上に平面矩形の弾性
支承体5が載置され、固定されている。
【0016】前記鋼製下部プレート25の橋軸方向の両
端部において、対向面にテーパ面が形成された隆起部2
6が設けられている。また前記両側の隆起部26と所定
の間隔をあけて保持部材7が両側に2個ずつ配置され、
鋼製ベースプレート24上に固着されている。保持部材
7は保持ブロック本体7aと、この保持ブロック本体7
aに開設されたネジ穴にせん断変形保持ストッパの具体
例としてのせん断変形保持ボルト7bが螺合されてお
り、このボルト7bを締めることにより、ボルト先端で
鋼製下部プレート25の隆起部26の外側面を押圧でき
るように設けられている。
【0017】また、図7に示すように鋼製下部プレート
25の橋軸方向に設けられる一対の保持部材7の間にお
いて、支承用鋼板23の上面に固着ボルト27により反
力受け部材10が着脱自在に設けられている。反力受け
部材10は、図10に示すせん断変形付与装置の一具体
例としての流体圧ジャッキ28を係止するためのもので
ある。この反力受け部材10は、支承用鋼板23の上面
に載置され、前記固着ボルト27を挿通して支承用鋼板
23に固定されるプレート10aと、プレート上面に起
立設した平面コ字状の反力受け枠10bと、その背面の
補強枠10cとからなる。そして、図10に示す流体圧
ジャッキ28を反力受け枠10bに上方から着脱自在に
設置し、係合部材30を介して作動軸28aの先端で鋼
製下部プレート25の一側の隆起部26の外側面を押圧
できる構成とされている。
【0018】また、弾性支承体5の橋軸直角方向の両側
部において、鋼製ベースプレート24上面に移動制限部
材6が固着ボルト27により着脱自在に設けられてい
る。移動制限部材6は、図7に示すとおり、前記固着ボ
ルト27が着脱自在に挿通しており鋼製ベースプレート
24上に固着されるプレート6aと、プレート6a上面
に平行に起立し、連結フレーム6cで連結されたストッ
パ板6bとから構成されている。そして、プレート6a
の内端部を鋼製下部プレート25の側縁に係合し、かつ
ストッパ板6bを弾性支承体5の側面に対向させること
により、地震発生時等における弾性支承体5の橋軸直角
方向への許容限界を超えるせん断変形を、この移動制限
部材6により阻止して前記弾性支承体5の破壊を防止す
る構造とされている。なお、移動制限部材6は鋼製ベー
スプレート24の上面ではなく、後述の鋼製橋梁35の
下部フレーム35a側に取付けてもよい。
【0019】次に、弾性支承体5は、鋼製下部プレート
25に載置され、その中心部の係合孔31に弾性支承体
下面の係合突起32を係合してあり、また、弾性支承体
5の上部には、上面中央部に上向きに突出する横断面円
形の係合突起33を有する鋼製上部プレート34が一体
的に固着されている。また、弾性支承体5は、ゴムのよ
うな弾性材料からなる弾性材料層の中に鋼板等の複数の
中間金属板(図示せず)を介在させ、両者を一体に積層
固着して構成されている。なお、弾性材料層と中間金属
板に軸方向の透孔が設けられ、この透孔に円柱状の鉛か
らなる塑性変形型エネルギー吸収用の抵抗部材を複数装
着して弾性支承体5が構成されることがあるが、この構
成については図示を省略する。
【0020】道路橋14は、鋼製橋梁35とコンクリー
ト36との合成構造(図8以下に示す)であり、道路橋
14の係合孔部2の天井面2aを形成する鋼製橋梁35
の下部フレーム35aの下面には、複数の固着ボルト2
7により鋼製取付けプレート37が固着されている。こ
の鋼製取付けプレート37の中心部には横断面円形の係
合孔38が開設されており、この係合孔38に鋼製上部
プレート34の係合突起33を係合寸法L(図8に示
す)の深さ嵌合し、かつ鋼製上部プレート34のねじ挿
通孔を挿通して、固着ボルト27を鋼製取付けプレート
37のネジ穴に着脱自在に螺合することにより、弾性支
承体5と道路橋14の鋼製橋梁35とを一体化できる。
(図9に示す)
【0021】橋脚3の支持台4の下面4bは、図3で説
明したように、肉薄先端下面4cと中間部傾斜下面4d
とが形成され、これに対応して、支持台4が挿入される
係合孔部2の底面2bも前記支持台下面4bの形状と略
相似形状となるように形成されていて、段上底面部2c
と傾斜底面部2dとが設けられている。したがって、支
持台下面4bと係合孔部底面2bとの間には略均一寸法
の間隙21が形成されており、また間隙21において、
段上底面部2cに所定幅,所定板厚の移動制限プレート
22が載置されている。この移動制限プレート22は、
前記支持台下面4bと係合孔部底面2bとの間隙21の
上下方向隙間を埋めることにより、この間隙21を介し
て支持台4に対し振動等で道路橋14が大きく持上がる
おそれをなくすためである。移動制限プレート22の両
端は図4で説明したように係合孔部2が形成される鋼製
橋梁35の一部である両側壁2cに溶接で固着されてい
る。
【0022】また、支持台4の基端部の貫通孔17にも
移動制限プレート22が挿通され、貫通孔17から突出
したプレート両端が係合孔部2の両側壁2cに溶接で固
着されている。この貫通孔17を貫通する移動制限プレ
ート22により、地震等で道路橋14が水平方向に移動
して支持台4から外れるのが阻止され、かつ他方の移動
制限プレート22とともに道路橋14の持上がりを防止
することができる。
【0023】また、前記支持台下面4bと移動制限プレ
ート22の間及び、他方の移動制限プレート22と貫通
孔17の天井面17aとの間にそれぞれ寸法L1 の可
動間隙19が形成されており、この可動間隙寸法L
(図8に示す)は、係合寸法Lより少し大に設けられて
いる。なお、係合孔部2の底面2bの端部から開口部1
6までの間において、係合孔部両側壁2cには、対向し
て若干の足場用リブ40が突設してあり、この足場用リ
ブ40を利用して作業者は作業できる。(図3、図4、
図5参照)
【0024】本発明における弾性支承装置の据付け、交
換手順を説明する。図7に示すように、鋼製ベースプレ
ート24上に、鋼製下部プレート25と弾性支承体5と
鋼製上部プレート34とが一体化されて載置され、鋼製
下部プレート25の橋軸方向の両側において、鋼製ベー
スプレート24上に保持部材7が、同じく鋼製下部プレ
ート25の橋軸直角方向の両側において、鋼製ベースプ
レート24上に移動制限部材6が順次ボルトにより取付
けられたうえ、この鋼製ベースプレート24が支承用鋼
板23の上面に溶接等の固着手段で固着される。次に、
支承用鋼板23に反力受け部材10がボルトにより取付
けられる。
【0025】続いて、図8、図9に示す手順で道路橋1
4の鋼製橋梁35の下部フレーム35aに取付けた鋼製
取付けプレート37の係合孔38に弾性支承体5の鋼製
上部プレート34上面の係合突起33を係合させる(こ
のときの係合寸法はLである)。その後、鋼製橋梁35
の外部にコンクリート36を打設し、道路橋14を構築
する。
【0026】次に、図10に示すように反力受け部材1
0の反力受け枠10bに流体圧ジャッキ28をセット
し、係合部材30の係合段部30aを鋼製下部プレート
25の隆起部26に係合させ、流体圧ジャッキ28の作
動杆28aを係合部材30に当てがったうえ伸長動作さ
せる。それにより弾性支承体5の上部は、鋼製上部プレ
ート34が、係合突起33と係合孔38との係合及び、
固着ボルト27により鋼製取付けプレート37に固着さ
れていることにより、弾性支承体5の上部を固定側とし
て、鋼製下部プレート25を相対的に橋梁収縮方向に移
させることで、前記弾性支承体5を予備せん断変形さ
せる。このとき、図11に示すように流体圧ジャッキ2
8側の保持部材7と鋼製下部プレート25との間隙41
は拡がるので、その拡大した分、予備せん断変形保持ボ
ルト7bを螺進させて、その先端で隆起部26の外側面
を押圧する。それに対応して流体圧ジャッキ28の設置
側と反対側の保持部材7と鋼製下部プレート25の間隙
41aは狭まるので、その縮小した分、図示左側の予備
せん断変形保持ボルト7bを螺退させる。こうして、弾
性支承体5に予備せん断変形を与えた後は、流体圧ジャ
ッキ28を反力受け部材10から取外しても前記保持部
材7により弾性支承体5の予備せん断変形状態が保持さ
れて、弾性支承装置の据付けが終了する。
【0027】前述のようにして、弾性支承体5が予備せ
ん断変形が保持された状態でコンクリートが硬化により
収縮し、又は鋼製橋梁35が温度条件で収縮するなどの
現象が生じるのに十分な、一定の期間が経過した後、前
記螺進させた側(ジャッキ設置側)の予備せん断変形保
持ボルト7bを後退させ、逆に反対側の予備せん断変形
保持ボルト7bを螺進させることで、弾性支承体5は予
備せん断変形が解除されて正常姿態となり、以後この状
態を保持する。(図6参照)なお、前記反力受け部材1
0は、支持台4の上面でなく鋼製橋梁35の下面側に取
付けてもよい。
【0028】地震その他による弾性支承体5の損傷、弾
発強度の低下等により当該弾性支承体5を新しいものと
交換する必要が生じたときは、次の手順でその交換作業
を行なう。 鋼製上部プレート34を鋼製取付けプレ
ート37に固定して固着しているボルト27を緩めるこ
とにより弾性支承体5を鋼製橋梁35から分離する。
図12に示すように橋脚3の支持台上面4aに持上げ
用流体圧ジャッキ42を設置して、その作動杆42aの
先端を道路橋14の係合孔部天井面2aを構成する下部
フレーム35aに当てがい、ジャッキを駆動して作動杆
42aを伸長し、係合孔38と係合突起33の係合部寸
法Lより少し高く(約25mm以上)係合孔部天井面2
aを持上げる。それにより、鋼製取付けプレート37の
係合孔38から鋼製上部プレート34の係合突起33が
脱嵌する。また、このとき、係合寸法Lよりも、可動間
隙寸法Lが大に設けてあることにより、移動制限プ
レート22の上面が支持台4の下面4bや貫通孔天井面
17aにぶつからず、前記係合孔部天井面2aをL寸法
持上げるうえでの不具合は生じない。 弾性支承体5
を橋軸直角方向に水平に引出す側に位置する移動制限部
材6の固着ボルト27を緩めることにより、その引出し
側に位置する前記移動制限部材6を取外す。 図13
に示すように支持台上面4aと鋼製ベースプレート24
との段差を埋めるガイドレール43を支持台上面4aに
設置したうえ、このガイドレール43上を沿って鋼製下
部プレート25付きの弾性支承体5を支持台上面4aに
おいて橋軸直角方向に引き抜く。 新しい弾性支承体
5の交換作業を前記〜と反対の作業順序で実施す
る。これで弾性支承体5の交換作業が終了する。
【0029】前記実施形態においては、鋼製下部プレー
ト25を押圧して弾性支承体5に予備せん断変形を与え
る予備せん断変形付与装置として、保持部材7と流体圧
ジャッキ28の反力受部材10を支持台4側に設けた例
が示されているが、これらの各部材は鋼製橋梁35側に
固定することによっても、図示例と同様に弾性支承耐5
に予備せん断変形を与えることができる。(但し、図示
省略する)
【0030】また、本発明において、道路橋14の例で
説明したが、それに限らず鉄橋その他の橋梁でよい。ま
た、道路橋14は、鋼製橋梁35とコンクリート36の
合成構造の例が示されているが、図示構造でなくてもよ
い。また、前記の鋼製橋梁35も長尺一体物を地上で組
立てる方法もあるが、それに限らず、前述のように橋軸
直角方向に複数分割された各分割橋梁部材を吊り上げ
て、この分割橋梁部材を橋脚3上部の支持台4の上方又
は、横方向から移動させて支持台4に持ち来し、支持台
4において各分割橋梁部材をボルト,溶接等で組立てる
ことにより、実質的に図示と同様の鋼製橋梁35を構築
し、これにコンクリート36を打設して道路橋14を構
築することができる(但し、図示省略)。
【0031】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によると、
橋梁用弾性支承装置における弾性支承体が地震等で損傷
しあるいは、その他の事情により交換の必要が生じたと
き、従来は不可能とされていた当該弾性支承体の交換を
容易、確実に行なうことができるという効果があり、か
つその据付作業を容易に行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】両側車線用の道路橋を架設した橋脚上部の破断
斜視図である。
【図2】片側車線用の道路橋を架設した橋脚上部の破断
斜視図である。
【図3】図2のA−A線断面図である。
【図4】図3の一部破断平面図である。
【図5】図3の半載拡大図である。
【図6】図5のBーB線拡大断面図である。
【図7】弾性支承装置の斜視図である。
【図8】鋼製橋梁を弾性支承装置へ据付ける途中の橋軸
直角方向側断面図である。
【図9】弾性支承装置の据付終了時の橋軸直角方向側断
面図である。
【図10】弾性支承装置の予備せん断変形途中の橋軸直
角方向側断面図である。
【図11】弾性支承装置の予備せん断変形終了時の図1
0と異なる位置での橋軸直角方向側断面図である。
【図12】弾性支承体交換のため弾性支承装置と鋼製橋
梁を分離する途中の橋軸方向側断面図である。
【図13】弾性支承体を設置位置から取外す途中の橋軸
方向側断面図である。
【符号の説明】
1 橋梁 2 係合孔部 2a 天井 2b 底面 3 橋脚 4 支持台 4a 下面 4b 上面 5 弾性支承体 6 移動制限部材 7 保持部材 10 反力受け部材 12 係合孔 13 係合突起 14 道路橋 16 開口部 17 貫通孔 20 間隙 21 間隙 22 移動制限プレート 23 支承用鋼板 24 鋼製ベースプレート 25 鋼製下部プレート 26 隆起部 27 固着ボルト 28 流体圧ジャッキ 30 係合部材 31 係合孔 32 係合突起 33 係合突起 34 鋼製上部プレート 35 鋼製橋梁 36 コンクリート 37 鋼製取付けプレート 38 係合孔 40 足場用リブ 41 間隙 42 持上げ用流体圧ジャッキ 43 ガイドレール

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 橋梁1の厚み部に、当該橋梁1の幅方向
    一側に開口すると共に、この橋梁1の幅方向に向けて所
    定深さの係合孔部2が形成されており、前記係合孔部2
    に橋脚3上部の支持台4が挿入され、支持台上面4aと
    前記係合孔部天井との間に弾性支承体5を介装してなる
    橋梁用弾性支承装置において、支持台上面4a又は橋梁
    下面側に、前記弾性支承体5を挾んで橋軸直角方向の側
    部に移動制限部材6を着脱可能に取付けると共に、橋軸
    方向に保持部材7を設けて前記弾性支承体5を予備せん
    断変形させた状態を保持するストッパを、前記保持部材
    7と前記弾性支承体5との間隙41に介装可能に設け、
    さらに、前記支持台上面4aに予備せん断付与装置の反
    力受け部材10を設け、前記支持台4の下面4bと前記
    係合孔部2の底部との間には、前記弾性支承体5の上部
    と、前記係合孔部2の天井係合部との係合部寸法Lより
    も大の可動間隙寸法L が形成されている構成を特徴
    とする交換可能な橋梁用弾性支承装置。
  2. 【請求項2】 前記反力受け部材10と前記移動制限部
    材6の一方又は両方を含む予備せん断付与装置を前記支
    持台4側に設けるのに代えて、前記橋梁1側に設けるこ
    とを特徴とする請求項1記載の交換可能な橋梁用弾性支
    承装置。
  3. 【請求項3】 橋梁1の厚み部に、当該橋梁1の幅方向
    一側に開口すると共に、この橋梁1の幅方向に向けて所
    定深さに形成された係合孔部2を橋脚3の支持台4に挿
    入し、支持台4の上面4aに設けた弾性支承体5で前記
    橋梁1を支持させ、このとき、前記支持台4の下面4b
    と前記係合孔部2の底部との間に、前記弾性支承体5の
    上部と、前記係合孔部2の天井部との係合部寸法Lより
    も大の可動間隙寸法L を形成し、かつ支持台4の上
    面又は橋梁下面側に着脱自在に設けた移動制限部材6に
    より前記弾性支承体5の橋軸直角方向の側部を挾み、支
    持台上面4aに設けた反力受け部材10に係止した流体
    圧ジャッキにより弾性支承体5を橋軸方向にせん断変形
    させた状態で支持台上面に設けた保持部材7と、前記弾
    性支承体5の間隙41にストッパを介在させ、橋梁1を
    構築して一定期間経過の後、前記ストッパによる予備せ
    ん断変形を解除し、弾性支承体5の交換に際し、弾性支
    承体5を係合孔部天井部から分離すると共に、前記L<
    の寸法差を利用して橋梁1を持上げて弾性支承体
    5と係合孔部天井部との係合を解除し、前記移動制限部
    材6を支持台上面又は橋梁下面側から取外すと共に、前
    記弾性支承体5を支持台上面から取外して交換すること
    を特徴とする交換可能な橋梁用弾性支承装置の据付方
    法。
  4. 【請求項4】 前記反力受け部材10を含む予備せん断
    付与装置を前記支持台4に設けるのに代えて、前記橋梁
    1側に設けることを特徴とする請求項3記載の交換可能
    な橋梁用弾性支承装置の据付方法。
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