JP3592141B2 - 既設橋桁支承部の改修方法 - Google Patents

既設橋桁支承部の改修方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は単独では上部構造の慣性力に抵抗できない既設支承で上部構造が下部構造に支持されている既設橋桁において、上部構造の橋軸方向の慣性力に抵抗できるように支承部を改修する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
地震時に上部構造に働く慣性力は支承部が滑り支承でない限り、支承部を介して下部構造に伝達されるため、支承部は慣性力を下部構造に確実に伝達できる構造とされている必要がある。
【0003】
道路橋示方書によれば、大地震時にも支承部に損傷を起こすことなく上部構造と下部構造を健全に保つために、支承部単独で慣性力に抵抗する支承(タイプB)と、落橋防止システムと補完し合って慣性力に抵抗する支承(タイプA)のいずれかを採用しなければならないとされているが、後者の支承の使用は桁長が50m以下で、地震による振動の生じにくい場合等に限られるため、それ以外の場合には前者のタイプBの支承を用いる必要がある。
【0004】
従って桁長が50m以上で、支承部がタイプAの支承で構築されている既設橋桁を改修するには既設の支承をタイプBの支承に変更することが必要になるが、支承が例えばゴムの場合、タイプAとタイプBとでは示方書で規定するゴム厚が相違し、タイプBのゴム厚が大きいため、タイプAのゴム支承をタイプBのゴム支承に変更するには上部構造と下部構造の少なくともいずれか一方を斫る、または上部構造をジャッキアップする必要が生じ、いずれの場合も上部構造を仮の支承で支持することになるため、上部構造を使用状態に置いたまま支承を変更することは不可能であり、ゴム支承の交換には多大な困難を伴う。
【0005】
この発明は上記背景より、タイプA、もしくはそれに相当するゴムその他の既設支承の交換を要せずに、単独で慣性力に抵抗できる支承に変更する方法を提案するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明では上部構造と下部構造の少なくともいずれか一方に、他方との間に橋軸方向に距離を隔てて対向する突起を突設し、突起と上部構造、もしくは下部構造との間に、上部構造と下部構造間の相対変位時の両者の衝突を回避するゴムを介在させることにより、既設支承の交換を要することなく、上部構造の橋軸方向の慣性力に支承部単独で抵抗できるように支承部を改修する。
【0007】
上部構造がT桁、下部構造が橋脚であって、上部構造が下部構造上で一体となって連続的に架設され、下部構造の橋軸方向両側に張り出し、既設支承で下部構造に支持されている部分では、請求項1に記載のように上部構造と下部構造の少なくともいずれか一方に、他方との間に橋軸方向に距離を隔てて対向する突起が、前記他方を橋軸方向に挟み込むように突設され、ゴムが上部構造と下部構造のいずれか一方の両側に配置されて各突起と上部構造、もしくは下部構造との間に介在させられる。併せて下部構造の、上部構造の隣接するウェブ間に、上部構造に橋軸直角方向に係合し得る突起、または上部構造と下部構造のいずれか一方のいずれかの部分に、他方に橋軸直角方向に係合し得る突起が突設され、この突起と上部構造、もしくは下部構造との間に硬質ゴムが配置される。
0008
上部構造が箱桁、下部構造が橋脚であって、上部構造が下部構造上で連続的に架設され、下部構造の橋軸方向両側に張り出し、既設支承で下部構造に支持されている部分では、請求項2に記載のように下部構造の橋軸方向両側位置に突起が突設されると共に、上部構造の、前記下部構造の各突起に橋軸方向に距離を隔てて対向する位置に突起が突設され、ゴムが前記下部構造の各突起と上部構造の各突起との間に配置されて下部構造の突起と上部構造の突起との間に介在させられる。併せて上部構造の幅方向両側位置の、上部構造と下部構造のいずれか一方に、他方に橋軸直角方向に係合し得る突起が突設され、この突起と上部構造、もしくは下部構造との間に硬質ゴムが介在させられる。
0009
請求項1、請求項2の場合、ゴムは上部構造の橋軸方向両側に位置することから、地震時に上部構造と下部構造間の橋軸方向のいずれの向きの相対変位時にも、上部構造の慣性力を圧縮力として負担しながら下部構造に伝達する。
0010
上部構造がT桁、下部構造が橋台であって、上部構造が下部構造の橋軸方向片側にのみ張り出し、既設支承で下部構造に支持されている部分では請求項3に記載のように上部構造と下部構造の少なくともいずれか一方に、他方との間に橋軸方向に距離を隔てて対向する突起が前記他方と橋軸方向に対向するように突設され、ゴムが突起の橋軸方向両側に配置されて上部構造と下部構造のいずれか一方と突起間、並びに突起の開放した側に介在させられる。併せて下部構造の、上部構造の隣接するウェブ間に、上部構造に橋軸直角方向に係合し得る突起、または上部構造と下部構造のいずれか一方のいずれかの部分に、他方に橋軸直角方向に係合し得る突起が突設され、この突起と上部構造、もしくは下部構造との間に硬質ゴムが配置される。
0011
上部構造が箱桁で、下部構造が橋台であって、上部構造が下部構造の橋軸方向片側にのみ張り出し、既設支承で下部構造に支持されている部分では請求項4に記載のように下部構造上の、上部構造の側面位置に突起が突設されると共に、上部構造の側面の、前記下部構造の突起に橋軸方向に対向する位置に突起が突設され、上部構造の底面の、下部構造に橋軸方向に対向する位置、もしくは上部構造の側面の、前記下部構造の突起に橋軸方向に対向する位置に突起が突設され、下部構造の突起と上部構造の側面の突起との間、及び上部構造の底面の突起と下部構造との間、もしくは上部構造の側面の突起と下部構造の突起との間にゴムが介在させられる。併せて上部構造の幅方向両側位置の、上部構造と下部構造のいずれか一方に、他方に橋軸直角方向に係合し得る突起が突設され、この突起と上部構造、もしくは下部構造との間に硬質ゴムが介在させられる。
0012
請求項3の場合には突起の橋軸方向両側に位置するゴムの内、上部構造と下部構造のいずれか一方と突起間に介在するゴムが上部構造と下部構造のいずれか一方と突起が接近する向きの相対変位時に上部構造の慣性力を圧縮力として負担しながら下部構造に伝達し、突起の開放した側に介在するゴムが上部構造と下部構造のいずれか一方と突起が遠ざかる向きの相対変位時に上部構造の慣性力を圧縮力として負担しながら下部構造に伝達する。
0013
請求項1〜請求項4のいずれの場合も上部構造と下部構造のいずれか一方と突起間に介在するゴムが圧縮力を負担しながら、上部構造の慣性力を突起を通じて下部構造に伝達することで、既設支承をタイプBのゴム支承に変更することなく、支承部が単独で上部構造の橋軸方向の慣性力に抵抗することが可能になる。
0014
また突起が上部構造、もしくは下部構造との間に橋軸方向に距離を隔てて対向し、両者間にゴムが介在した形で支承部が形成されることで、タイプBのゴム支承に変更する場合のように上部構造と下部構造間に鉛直方向に間隔を隔てる空間を形成する必要がなく、そのための斫りの必要と上部構造をジャッキアップする必要も生じない。
0015
上部構造のジャッキアップを伴わず、突起が上部構造、もしくは下部構造に対して付加されることで、上部構造を使用状態に置いたまま支承部の改修を遂行することが可能になる。
0016
【発明の実施の形態】
この発明は上部構造1が既設支承5で下部構造2に支持されている既設橋桁において、上部構造1と下部構造2の少なくともいずれか一方に突起3を突設し、突起3と上部構造1や下部構造2間に圧縮変形可能な圧縮ゴム41、または硬質ゴム42のいずれかのゴムを介在させることで、地震時の上部構造1の橋軸方向の慣性力に抵抗可能に支承部を改修する方法である。
0017
突起3は図1に示すように上部構造1と下部構造2の少なくともいずれか一方に、他方との間に橋軸方向に距離を隔てて対向するように突設される。突起3は下部構造2が橋脚の場合は図1に示すように上部構造1、もしくは下部構造2を挟み込むように突設され、橋台の場合は図3に示すように上部構造1、もしくは下部構造2の橋軸方向の片側に突設される。
0018
突起3は鉄筋コンクリート造で構築されることにより、もしくはプレキャストコンクリート製のブロックを上部構造1や下部構造2にPC鋼材やアンカー等を用いて固定することにより、またはブロック状に組み立てられた鋼材を上部構造1や下部構造2にアンカー等により定着させることにより突設される。
0019
突起3が上部構造1や下部構造2を挟み込むように突設される場合は、上部構造1の両側と突起3間、もしくは下部構造2の両側と突起3間にゴムが配置され、上部構造1や下部構造2の片側に突設される場合は、突起3と上部構造1間、もしくは下部構造2間に、または突起3の両側にゴムが配置される。ゴムは突起3と上部構造1、もしくは下部構造2との間にその間隔を埋めるように介在することで、上部構造1と下部構造2間の相対変位時に両者の衝突を回避し、衝突による衝撃力の作用を回避する。
0020
突起3の両側にゴムが配置される場合、上部構造1と下部構造2のいずれか一方と突起3が遠ざかる向きの相対変位時に上部構造1の慣性力を圧縮力として負担しながら下部構造1に伝達できるよう、突起3の開放側の端面に位置するゴムは後述のように突起3を挿通する引張材7が定着されるプレート9と突起3との間に挟み込まれる。
0021
図1,図2は上部構造1が単純T桁の場合で、下部構造2が橋脚である部位の改修例を示す。この場合は既設支承5により各上部構造1の端部が独立して下部構造2に支持されているため、過大な慣性力による上部構造1,1同士の衝突と分離を回避するために両上部構造1,1はコンクリート6やモルタルとPC鋼材等の引張材7によって接合され、一体化される。
0022
接合は上部構造1,1の横桁1a,1a間にコンクリート6やモルタルを充填すると共に、両横桁1a,1aを橋軸方向に貫通する孔を穿設し、その貫通孔に引張材7を挿通し、緊張して両端を定着することにより行われる。
0023
図1,図2では各上部構造1が横桁1a部分で下部構造2に支持されていることから、接合された上部構造1,1の横桁1a,1aを挟み込むようにその両側位置の下部構造2に突起3,3を突設しているが、上部構造1がウェブ1b部分で支持されている場合は下部構造2を挟み込むようにその両側位置の上部構造1に突起3,3を突設することもある。
0024
図1に示すように突起3を横桁1aとの間に橋軸方向に距離を隔てて下部構造2に突設した場合、各突起3と横桁1a間にゴムが介在させられる。圧縮ゴム41と硬質ゴム42は既設支承5が可動支承であるか固定支承であるかによって、または既設支承5を可動支承に改修するか固定支承に改修するかによって使い分けられる。
0025
例えば可動支承の既設支承5を可動支承のまま使用する場合と、固定支承の既設支承5を可動支承に変更する場合は圧縮ゴム41が使用され、固定支承の既設支承5を固定支承のまま使用する場合と、可動支承の既設支承5を固定支承に変更する場合は硬質ゴム42が使用される。
0026
圧縮ゴム41の素材や性能は問われないが、圧縮ゴム41のゴム単体4aは圧縮力の作用方向に圧縮変形できるよう、図17に示すように断面上、内部に空洞4bを有する形をし、圧縮ゴム41はこのゴム単体4aのまま、またはそれを圧縮力作用方向に鋼板4cを挟んで複数個配列させた形で使用される。
0027
圧縮ゴム41は上部構造1の慣性力を圧縮力として負担しながら、圧縮変形可能な範囲で上部構造1と下部構造2間の相対変位を許容する機能を持ち、上部構造1と下部構造2間の全支承部分に使用されることで、全圧縮ゴム41に慣性力を分散させて作用させ、特定の圧縮ゴム41に過大な圧縮力を集中させない働きをする。この場合のゴム単体4aの素材として合成ゴムにカーボンを混入した高減衰ゴムを使用すれば、下部構造2に対する上部構造1の振動を早期に減衰させる機能も持つ。
0028
既設支承5が固定支承の場合に圧縮ゴム41を使用する場合は、既設支承5はそれを定着しているアンカーバーを切断する等により上部構造1、もしくは下部構造2との縁が切られ、可動支承に変更される。
0029
特に既設支承5の固定支承が積層ゴムの場合に、可動支承に変更する場合は図18に示すように積層ゴムの上面と上部構造1間、もしくは積層ゴムの下面と下部構造2間の縁が切られ、上部構造1が下部構造2に対して橋軸方向に自由に相対移動できるよう、絶縁部分に低摩擦材5aが差し込まれる。
0030
固定支承が鋼製支承の場合、鋼製支承は図19に示すように上部構造1に固定される上部支承5bと下部構造2に固定される下部支承5cから構成され、上部支承5bと下部支承5cは橋軸方向に一定距離をおいて互いに係止する形をしていることから、この係止部分であるストッパ、図19の場合は上部支承5bのストッパを破線で示すように切断することにより上部支承5bと下部支承5cが橋軸方向に自由に相対移動できる可動支承に変更される。
0031
上部構造1を橋軸直角方向に下部構造2に固定するために図2に示すように上部構造1と下部構造2が橋軸直角方向に突起3において互いに係合し得るよう、上部構造1が単純T桁の場合は隣接するウェブ1b,1b間に突起3が突設され、橋軸直角方向に突起3と上部構造1、もしくは下部構造2との間に硬質ゴム42が配置される。
0032
上部構造1のウェブ1b部分に、下部構造2に橋軸方向に係合し得る突起3を突設する場合に、上部構造1を橋軸直角方向に下部構造2に固定する場合は図13に示すように突起3とは別の突起10が上部構造1と下部構造2のいずれか一方のいずれかの部分に、他方に橋軸直角方向に係合し得るように突設される。
0033
上部構造1を橋軸直角方向に下部構造2に固定する場合に、橋軸方向に対向する突起3と上部構造1、もしくは下部構造2間に圧縮ゴム41が使用された場合、橋軸方向の慣性力の作用時に上部構造1と下部構造2間に相対変位が生ずることから、橋軸直角方向に対向する突起3と上部構造1、もしくは下部構造2間に配置される硬質ゴム42のいずれか一方の接触面には上部構造1と下部構造2間の橋軸方向の相対変位を許容するための低摩擦材が介在させられる。
0034
図3〜図11は上部構造1が連続桁の場合の支承部の改修例を示す。図3〜図5、図6〜図8は下部構造2が橋台である部位を、図9〜図11は下部構造2が橋脚である部位を示す。
0035
下部構造2が橋台である場合に、下部構造2に突起3を突設する場合、上部構造1の横桁1aの橋軸方向両側に突起3を突設することはできないことから、突起3は橋台の、橋脚寄りの一箇所に突設される。上部構造1に突起3を突設する場合も下部構造2に対向する位置である橋台の、橋脚寄りの位置に突設される。
0036
突起3を下部構造2に突設した図3の場合、横桁1aを貫通させて引張材7を挿通できないため、横桁1aと突起3を接合する引張材7を挿通するために横桁1aには突起3の突設前にケミカルアンカー等のアンカー8が打ち込まれ、アンカー8に対して引張材7が連結される。引張材7の端部は突起3の開放側の端面に突出し、その端面に定着される。突起3の開放側の端面には前記したようにゴムを挟み込むためのプレート9が配置され、引張材7の端部はこのプレート9に定着される。
0037
図3の場合、ゴムは横桁1aと突起3の対向する面との間と、突起3の開放した端面とプレート9との間に挟み込まれるが、圧縮ゴム41を使用するか硬質ゴム42を使用するかは上記の通り、既設支承5が可動であるか固定であるか等によって決まり、既設支承5が固定支承の場合は図3〜図5に示すように硬質ゴム42が使用される。
0038
ゴムが硬質ゴム42の場合は横桁1aと突起3が一体となって挙動するため、引張材7が突起3から縁を切られている必要はないが、図6〜図8に示すように圧縮ゴム41が使用される場合は、圧縮ゴム41の変形可能な範囲で横桁1aと突起3が橋軸方向に相対変位できるよう、突起3がコンクリートの場合はその内部にシースを埋設する、またはアンボンド処理する等により引張材7は突起3に付着しない状態で挿通する。
0039
図9〜図11に示すように下部構造2が橋脚である場合は図1,図2の場合と同様に突起3が突設され、上部構造1、もしくは下部構造2と突起3,3間にゴムが介在させられる。ここでは図1,図2と同様に上部構造1の横桁1aを挟み込むようにその両側位置の下部構造2に突起3,3を突設しているが、下部構造2を挟み込むようにその両側位置の上部構造1に突起3,3を突設することもある。図9〜図11の場合、上部構造1は連続桁であるため、単純桁の場合の上部構造1,1を接合する作業は必要ない。
0040
図3〜図11の場合も、突起3が上部構造1、もしくは下部構造2に橋軸方向に対向しながら、上部構造1を橋軸直角方向に下部構造2に固定するために図4,図5、図7,図8、図10,図11に示すように上部構造1と下部構造2が橋軸直角方向に突起3において互いに係合し得るように隣接するウェブ1b,1b間に突起3が突設される。
0041
図4,図7,図10では平面上、横桁1aがウェブ1bに対して傾斜していることに対応し、突起3のウェブ1b,1b間に位置する部分をZ字形に形成しているが、平面上の横桁1aとウェブ1bの角度に関係なく、ゴムが横桁1aと突起3間、及び突起3とプレート9間で橋軸方向の慣性力を伝達できるように介在していればよいため、必ずしも突起3のウェブ1b,1b間の部分をZ字形に形成する必要はない。
0042
図12〜図16は上部構造1が連続箱桁である場合の支承部の改修例を示す。図12〜図14は下部構造2が橋脚である部位を、図15,図16は下部構造2が橋台である部位を示す。
0043
連続箱桁の場合、上部構造1の底面が平坦であることから、図12に示すように下部構造2の頂部には既設支承5を挟んで橋軸方向両側に突起31,31が突設され、上部構造1の底面には各下部構造2の突起31に橋軸方向に対向して突起32,32が突設される。ここでは下部構造2の突起31を鉄筋コンクリート造で構築し、上部構造1の突起32に鋼材を用いた場合を示している。
0044
各突起31と突起32間には既設支承5の種類等に応じて圧縮ゴム41、または硬質ゴム42が介在させられる。図14は圧縮ゴム41を配置した場合の下部構造2の平面を示す。
0045
上部構造1を橋軸直角方向に下部構造2に固定するために図13に示すように上部構造1の幅方向両側位置の、上部構造1と下部構造2のいずれか一方に他方に係合し得る突起10が突設され、突起10と上部構造1、もしくは下部構造2との間に硬質ゴム42が介在させられる。
0046
連続箱桁の場合、上部構造1には横桁1aがないことから、図15,図16では下部構造2上の、上部構造1の側面位置に鉄筋コンクリート造の突起31を突設し、上部構造1の側面の、突起31に立上り部2a側で対向する位置に鋼材の突起32を突設すると共に、上部構造1の底面の、下部構造2に対向する位置に突起32を突設し、各突起32と突起31間に圧縮ゴム41を介在させている。上部構造1の底面に突設されている突起32は上部構造1の側面の、下部構造2の突起31に橋脚側で対向する位置に突設される場合もある。
0047
図15,図16における下部構造2の突起31は上部構造1の側面位置に突設されることで、橋軸直角方向に上部構造1と下部構造2を係合させ得る突起10の機能も併せ持つ。図16は下部構造2の突起31と上部構造1の側面間に硬質ゴム42を使用した場合を示す。
0048
【発明の効果】
上部構造と下部構造の少なくともいずれか一方に、他方との間に橋軸方向に距離を隔てて対向する突起を突設し、突起と上部構造、もしくは下部構造との間にゴムを介在させることで、ゴムに圧縮力を負担させながら、上部構造の慣性力を突起を通じて下部構造に伝達させるため、既設支承をタイプBのゴム支承に変更することなく、支承部が単独で上部構造の橋軸方向の慣性力に抵抗できるように支承部を改修することができる。
0049
また突起は上部構造、もしくは下部構造との間に橋軸方向に距離を隔てて対向し、両者間にゴムが介在した形で支承部が形成されるため、タイプBのゴム支承に変更する場合のように上部構造と下部構造間に鉛直方向に間隔を隔てる空間を形成する必要がなく、そのための斫りの必要と上部構造をジャッキアップする必要も生じず、上部構造を使用状態に置いたまま改修することが可能になる。
0050
加えて上部構造と下部構造間の全支承部にゴムを使用することで、上部構造の慣性力を下部構造に分散させて作用させることができるため、特定の支承部に過大な圧縮力を集中させる事態を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】上部構造が単純T桁で、下部構造が橋脚の場合の改修例であり、図2のC−C線断面図である。
【図2】図1の橋軸直角方向断面図であり、中心線の左側は図1のA−A線断面図、右側はB−B線断面図である。
【図3】上部構造が連続桁で、下部構造が橋台の場合の改修例であり、図4のA−A線断面図である。
【図4】図3の水平断面図であり、中心線の上側は図3のB−B線断面図、下側はC−C線断面図である。
【図5】図3の橋軸直角方向断面図であり、中心線の左側は図3のD−D線断面図、右側はE−E線断面図である。
【図6】上部構造が連続桁で、下部構造が橋台の場合の他の改修例であり、図7のA−A線断面図である。
【図7】図6の水平断面図であり、中心線の上側は図6のB−B線断面図、下側はC−C線断面図である。
【図8】図6の橋軸直角方向断面図であり、中心線の左側は図6のD−D線断面図、右側はE−E線断面図である。
【図9】上部構造が連続桁で、下部構造が橋脚の場合の改修例であり、図10のA−A線断面図である。
【図10】図9の水平断面図であり、中心線の上側は図9のB−B線断面図、下側はC−C線断面図である。
【図11】図9の橋軸直角方向断面図であり、中心線の左側は図9のD−D線断面図、右側はE−E線断面図である。
【図12】上部構造が連続箱桁で、下部構造が橋脚である場合の改修例を示した立面図である。
【図13】図12の橋軸直角方向断面図である。
【図14】図12のA−A線断面図である。
【図15】上部構造が連続箱桁で、下部構造が橋台である場合の改修例を示した立面図である。
【図16】図15の橋軸直角方向断面図であり、中心線の左側は図15のA−A線断面図、右側はB−B線断面図である。
【図17】(a) はゴム単体を圧縮力作用方向に鋼板を挟んで複数個配列させた圧縮ゴムを示した斜視図、(b) は(a) の立面図である。
【図18】積層ゴムの固定支承を可動支承に変更した様子を示した縦断面図である。
【図19】鋼製の固定支承を可動支承に変更した様子を示した平面図である。
【符号の説明】
1……上部構造、1a……横桁、1b……ウェブ、2……下部構造、2a……立上り部、3……突起、31,32……突起、41……圧縮ゴム、4a……ゴム単体、4b……空洞、4c……鋼板、42……硬質ゴム、5……既設支承、5a……低摩擦材、5b……上部支承、5c……下部支承、6……コンクリート、7……引張材、8……アンカー、9……プレート、10……突起。

Claims (4)

  1. T桁の上部構造が橋脚の下部構造上で一体となって連続的に架設され、下部構造の橋軸方向両側に張り出し、既設支承で下部構造に支持されている既設橋桁において、地震時の上部構造の橋軸方向及び橋軸直角方向の慣性力に抵抗可能に支承部を改修する方法であり、上部構造と下部構造の少なくともいずれか一方に、他方との間に橋軸方向に距離を隔てて対向する突起を、前記他方を橋軸方向に挟み込むように突設、ゴムを前記上部構造と下部構造のいずれか一方の両側に配置して各突起と上部構造、もしくは下部構造との間にゴムを介在させると共に、下部構造の、上部構造の隣接するウェブ間に、上部構造に橋軸直角方向に係合し得る突起、または上部構造と下部構造のいずれか一方のいずれかの部分に、他方に橋軸直角方向に係合し得る突起を突設し、この突起と上部構造、もしくは下部構造との間に硬質ゴムを配置する既設橋桁支承部の改修方法。
  2. 箱桁の上部構造が橋脚の下部構造上で連続的に架設され、下部構造の橋軸方向両側に張り出し、既設支承で下部構造に支持されている既設橋桁において、地震時の上部構造の橋軸方向及び橋軸直角方向の慣性力に抵抗可能に支承部を改修する方法であり、下部構造の橋軸方向両側位置に突起を突設し、上部構造の、前記下部構造の各突起に橋軸方向に距離を隔てて対向する位置に突起を突設、ゴムを前記下部構造の各突起と上部構造の各突起との間に配置して下部構造の突起と上部構造の突起との間にゴムを介在させると共に、上部構造の幅方向両側位置の、上部構造と下部構造のいずれか一方に、他方に橋軸直角方向に係合し得る突起を突設し、この突起と上部構造、もしくは下部構造との間に硬質ゴムを介在させる既設橋桁支承部の改修方法。
  3. T桁の上部構造が橋台の下部構造の橋軸方向片側にのみ張り出し、既設支承で下部構造に支持されている既設橋桁において、地震時の上部構造の橋軸方向及び橋軸直角方向の慣性力に抵抗可能に支承部を改修する方法であり、上部構造と下部構造の少なくともいずれか一方に、他方との間に橋軸方向に距離を隔てて対向する突起を前記他方と橋軸方向に対向するように突設、ゴムを突起の橋軸方向両側に配置して上部構造と下部構造のいずれか一方と突起間、並びに突起の開放した側にゴムを介在させると共に、下部構造の、上部構造の隣接するウェブ間に、上部構造に橋軸直角方向に係合し得る突起、または上部構造と下部構造のいずれか一方のいずれかの部分に、他方に橋軸直角方向に係合し得る突起を突設し、この突起と上部構造、もしくは下部構造との間に硬質ゴムを配置する既設橋桁支承部の改修方法。
  4. 箱桁の上部構造が橋台の下部構造の橋軸方向片側にのみ張り出し、既設支承で下部構造に支持されている既設橋桁において、地震時の上部構造の橋軸方向及び橋軸直角方向の慣性力に抵抗可能に支承部を改修する方法であり、下部構造上の、上部構造の側面位置に突起を突設し、上部構造の側面の、前記下部構造の突起に橋軸方向に対向する位置に突起を突設、上部構造の底面の、下部構造に橋軸方向に対向する位置、もしくは上部構造の側面の、前記下部構造の突起に橋軸方向に対向する位置に突起を突設し、下部構造の突起と上部構造の側面の突起との間、及び上部構造の底面の突起と下部構造との間、もしくは上部構造の側面の突起と下部構造の突起との間にゴムを介在させると共に、上部構造の幅方向両側位置の、上部構造と下部構造のいずれか一方に、他方に橋軸直角方向に係合し得る突起を突設し、この突起と上部構造、もしくは下部構造との間に硬質ゴムを介在させる既設橋桁支承部の改修方法。
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