JP3027555B2 - 鋼板とコンクリートのサンドイッチ合成床版及びその継手構造 - Google Patents
鋼板とコンクリートのサンドイッチ合成床版及びその継手構造Info
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の間にコンクリートを打設して形成される鋼板とコンク
リートのサンドイッチ合成床版及びその継手構造に関
し、特に、上鋼板と下鋼板との間に打設されるコンクリ
ートの自重による変形に対処することを目的とする。
ンクリートを打設して形成される合成床版は、橋梁床版
に代表されるが、コンクリート自体の重みにより、この
床版にはたわみなどの大きな変形が生じる。
鋼板と下鋼板の間に梁材を入れるという手段が講じられ
ている。
ため、施工中の現場コンクリートの流動性が阻害され、
また、施工中の自重たわみの変形に対処する上げ越しも
容易でないという問題点が存在する。さらには、完成形
においても等方性版でなくなるため、構造解析も複雑と
なる等の欠点が挙げられる。
鋼板との間に入れた梁材によって生じる課題、すなわ
ち、施工中の現場コンクリートの流動性が阻害され、ま
た、施工中の自重のたわみの変形に対処する上げ越しの
困難さを以下述べるところにより解決し、上鋼板と下鋼
板との間に打設されるコンクリートの自重による変形に
対処することのできる鋼板とコンクリートのサンドイッ
チ合成床版を提供するとともに、この合成床版の継手構
造を提供するものである。
段を以下に述べる。
面から挿通したボルトにナットを付けて締め付けること
により取り付けるとともに、ボルト先端部には上鋼板と
の間隙を保つナットを取り付け、かつ、そり上げた状態
での下鋼板に、該状態での下鋼板のボルト穴に挿通され
たボルト先端部に対応する位置にボルト穴を穿孔した上
鋼板を、該ボルト穴に下鋼板に挿通されたボルトの先端
部を挿通し、上方よりナットを付けて締め付けることに
より一体化して所定の上げ越しを行い、これを支持体に
架け渡し、その後、適宜に形成したコンクリート打設穴
よりコンクリートを打設することを特徴とする鋼板とコ
ンクリートのサンドイッチ合成床版を提供する。
下面から挿通したボルトにナットを付けて締め付けるこ
とにより取り付けるとともに、ボルト先端部には上鋼板
との間隙を保つナットを付けた下鋼板に、下鋼板のボル
ト穴に挿通されたボルト先端部に対応し、かつ、そり上
げ時のボルト先端の広がりに対応できる大きさのボルト
穴を穿孔した上鋼板を、該ボルト穴に下鋼板に挿通され
たボルトの先端を挿通した後、下鋼板をそり上げ、上方
よりナツトを付けて締め付けることにより一体化して所
定の上げ越しを行い、これを支持体に架け渡し、その
後、適宜に形成したコンクリート打設穴よりコンクリー
トを打設することを特徴とする鋼板とコンクリートのサ
ンドイッチ合成床版を提供する。
して、下鋼板添接板を隣り合う下鋼板の端部を延伸した
添接板継代部の下面に配置し、予め穿孔された添接板継
代部と下鋼板添接板のボルト穴にボルトを挿通し、ナッ
トを付けて締め付けて、隣り合う下鋼板を接続するとと
もに、隣り合う上鋼板の端部上面に突出した上鋼板と下
鋼板を挿通するボルト先端部に対応するボルト穴を穿孔
した上鋼板添接板を、該ボルト穴にボルト先端部を挿通
することにより隣り合う上鋼板に配置し、ボルト先端部
にナットを付けて締め付けて接続し、隣り合うパネルを
連続することを特徴とする鋼板とコンクリートのサンド
イッチ合成床版の継手構造を提供する。
に基づき説明する。
記載の発明の実施の形態について説明する。
の断面図、図3は、下鋼板をそり上げた状態を示す断面
図、図4は、上下鋼板を一体化した状態を示す断面図、
図5は、コンクリート打設後の状態を示す断面図であ
る。
ルト中心間隔L1でボルト穴1aが穿設され、上鋼板2
は、図2に示すごとく、ボルト中心間隔L2を変えて一
定間隔でボルト穴2aが穿設されている。上鋼板2のボ
ルト穴2aのボルト中心間隔を変えるのは、ボルト穴2
aが、後述するように、下鋼板1をそり上げたとき、下
鋼板1に挿通されたボルトの先端部に対応できるように
するためである。ボルト中心間隔L1に対するボルト中
心間隔L2は、下鋼板1をどのくらいそり上げるかによ
り定まる。なお、図において、ボルト穴の間隔は、説明
上誇張して描いてある。
ル、コンクリート厚さ150〜200ミリメートル、上
下鋼板厚6ミリメートル、高力ボルトM22、ボルト中
心間隔が橋軸、幅員方向とも300ミリメートルの条件
のもとで、上下鋼板間にコンクリートを打設すると、6
〜12ミリメートルのたわみが生じる。このたわみを考
慮して上下鋼板の上げ越しを行うと、ボルト中心間隔は
L2〉L1となり、ちなみに、支間3メートル、コンク
リート厚さ160ミリメートル、上下鋼板厚6ミリメー
トル、高力ボルトM22の条件の場合、下鋼板が300
ミリメートルのボルト中心間隔のときは上鋼板のボルト
中心間隔は300.9ミリメートルとなる。
一体化される。
上げ、この状態でワッシャー3aを付けたボルト3を通
し、ワッシャー4、ナット5を付けて、締め付けること
により、下鋼板1にボルト3を取り付け、ボルト3の先
端部には、後述するように上鋼板2を取り付けたとき
に、上鋼板2との間にコンクリート厚みのための間隙を
確保するナット6、ワッシャー7を取り付ける。なお、
下鋼板1のそり上げは、ボルト3を挿通し、ワッシャー
4、ナット5、ナット6、ワッシャー7を取り付けた後
に行ってもよい。
りを入れて、下鋼板1に上鋼板2に穿孔されたボルト穴
2aに下鋼板1に挿通されているボルト3の先端部を挿
通させてかぶせ、上鋼板2から突出しているボルト3の
先端部にワッシャー8、ナット9を付け、締め付けるこ
とにより下鋼板1と上鋼板2とを一体化する。かくして
上げ越しパネルが形成される。なお、上鋼板2はボルト
3に挿通、設置させると鋼板自重により自然とそりが入
る。
にあっては桁上に架け渡し、その後、上鋼板2に適宜に
形成されたコンクリート打設穴たとえば継手部上方より
コンクリートを打設する。上述のように下鋼板1と上鋼
板2とからなる床版は、コンクリート自重によるたわみ
分を考慮して上げ越して形成されているので、コンクリ
ート打設後は、図5に示すように、下鋼板1には引張り
力が働き、上鋼板2には圧縮力が働いて、全体的に等方
性版として挙動する。かくして鋼板とコンクリートのサ
ンドイッチ合成床版が形成される。
対して少し大きめのワッシャーたとえば、高力ボルトM
22に対してM24用のものを用いると、全体が強固な
フィレーンディール構造体となり、より有効な構造とな
る。
2に記載の発明の実施の形態について説明する。
の断面図、図8は、下鋼板にボルトを挿通した状態を示
す断面図、図9は、下鋼板に上鋼板をかぶせた状態を示
す断面図、図10は、上下鋼板をそり上げた状態を示す
断面図、図11は、上下鋼板を一体化した状態を示す断
面図、図12は、コンクリート打設後の状態を示す断面
図である。
ボルト中心間隔L1でボルト穴11aが穿設され、上鋼
板12は、図7に示すごとく、所定のボルト中心間隔は
下鋼板11のものと同じであるが、穴の径をボルトに対
する正規の大きさではなく、大きめに、すなわち、そり
上げ時のボルト先端の広がりに対応できるような大きさ
にボルト穴12aが穿設されている。
うにして一体化される。
面からワッシャー13aを付けたボルト13を挿通し、
ワッシャー14、ナット15を付けて締め付けることに
より、下鋼板11にボルト13を取り付けるとともに、
後述するように上鋼板12を取り付けたときに、上鋼板
12との間にコンクリート厚みのための間隙を確保する
ナット15、ワッシャー14をボルト13の先端部に取
り付けた後、図9に示すように上方から上鋼板12を、
下鋼板11に、上鋼板12の長孔のボルト穴12aに下
鋼板11に挿通されているボルト13の先端部を挿通す
ることによりかぶせる。
は、下鋼板11のボルト穴の中心間隔と同じであるが、
その径を大きめに穿孔してあるので、下鋼板11から無
数に突出するボルト13のボルト穴12aの挿通を容易
にする。
を、予め算出したコンクリート自重によるたわみを考慮
してそり上げる。このとき、上鋼板12もそり上がる
が、上鋼板12のボルト穴12aは、ボルト先端の広が
りに対応できるような大きさに穿孔されているので、下
鋼板11より無数に突出するボルト13が放射状に広が
ってもその広がりはボルト穴12a内で納まる。
1に示すように、上鋼板12から突出しているボルト先
端部にワッシャー17、ナット18を付け、締め付ける
ことにより、下鋼板11と上鋼板12とを一体化する。
かくして上げ越しパネルが形成される。
にあっては桁上に架け渡し、その後、上鋼板12に適宜
に形成されたコンクリート打設穴たとえば継手部上方よ
り、コンクリートを打設する。上述のように下鋼板11
と上鋼板12とからなるパネルは、コンクリート自重に
よるたわみ分を考慮して上げ越して形成されているの
で、コンクリート打設後は、図12に示すように下鋼板
11には引張り力が働き、上鋼板12には圧縮力が働い
て、全体的に等方性版として挙動する。かくして鋼板と
コンクリートのサンドイッチ合成床版が形成される。
施の形態においてもボルトに対して少し大きめのワッシ
ャーを使用すれば、全体が強固なフィレーンディール構
造体となり、より有効な構造となる。
項3に記載の発明の実施の形態について説明する。
た状態を示す断面図、図14は、さらに上鋼板を接続し
た継手構造の断面図である。
かの実施の形態を示したと同様のパネルで、継手部にあ
って、下鋼板21、21には、隣り合う端部は、添接板
継代部21b、21bが延伸して形成されている。
のその下面には、図13に示すように、下鋼板添接板2
3を配置し、予め穿孔されたボルト穴に下鋼板添接板2
3側よりワッシャー25aを付けたボルト25を挿通
し、このボルト25にワッシャー26、ナット27を付
けて締め付けることにより、下鋼板21、21を接続す
る。ボルトは美観と塗装を容易にするため、トルシャボ
ルト又は打ち込みボルトを使用するとよい。
合う床版20、20の下鋼板21、21と上鋼板22、
22とを一体化するために挿通されたワッシャー28a
を付けたボルト28を利用して行う。図13に示すよう
に、隣り合う床版20、20の端部において、上鋼板2
2、22から突出したボルト28、28に先端部にはワ
ッシャー、ナットが付けられておらず、このボルト2
8、28の先端部に、図14に示すように、予めボルト
穴を穿孔した上鋼板添接板24をボルト穴にボルト2
8、28の先端部を挿通することにより配置し、上方よ
りボルト28の先端部にワッシャー29、29、ナット
30、30を付けて締め付けることにより上鋼板22、
22を接続する。
を連続する継手構造が形成される。
ぎの効果を有する。
下鋼板をそり上げた状態での下鋼板のボルト穴に挿通さ
れたボルトの先端部に対応するために、中心間隔を変え
て穿孔してあるので、そり上げた下鋼板のボルト先端部
に上鋼板のボルト穴を合わせることができ、容易に上げ
越しパネルを形成できる。
ルトに対する正規の大きさよりも大きめに穿孔してある
ので、下鋼板から無数に突出するボルトを容易に挿通さ
せることができ、かつ、上げ越しによって生ずるボルト
の放射状の広がりをボルト穴で治めることができる。
うに梁材を使用しないので、打設するコンクリートの流
動性を阻害しない。なお、使用するワッシャーをボルト
に対して少し大きめのものとすることにより、全体が強
固なフィレーンディール構造体となり、より有効な構造
となる。
う下鋼板の端部を延伸した添接板継代部の下面に配置し
てボルト止めする下鋼板同士の接続は、上鋼板の接続前
に行うことができるので、作業が容易であり、上鋼板の
上面に突出した上鋼板と下鋼板を挿通するボルトに添接
板を配置してボルト止めする上鋼板同士の接続は、上鋼
板用添接ボルトを別途設ける必要がないので、作業量を
大幅に省力化することができる。
図である。
図である。
上げた状態の断面図である。
体化した状態の断面図である。
打設後の状態の断面図である。
図である。
図である。
トを挿通した状態の断面図である。
板をかぶせた状態の断面図である。
そり上げた状態の断面図である。
一体化した状態の断面図である。
ト打設後の状態の断面図である。
ける下鋼板を接続した状態の断面図である。
ける下鋼板と上鋼板とを接続した継手構造を示す断面図
である。
Claims (3)
- 【請求項1】 所定の間隔でボルト穴を穿孔し、下面か
ら挿通したボルトにナットを付けて締め付けることによ
り取り付けるとともに、ボルト先端部には上鋼板との間
隙を保つナットを取り付け、かつ、そり上げた状態での
下鋼板に、該状態での下鋼板のボルト穴に挿通されたボ
ルト先端部に対応する位置にボルト穴を穿孔した上鋼板
を、該ボルト穴に下鋼板に挿通されたボルトの先端部を
挿通し、上方よりナットを付けて締め付けることにより
一体化して所定の上げ越しを行い、これを支持体に架け
渡し、その後、適宜に形成したコンクリート打設穴より
コンクリートを打設することを特徴とする鋼板とコンク
リートのサンドイッチ合成床版。 - 【請求項2】 所定の間隔でボルト穴を穿孔し、下面か
ら挿通したボルトにナットを付けて締め付けることによ
り取り付けるとともに、ボルト先端部には上鋼板との間
隙を保つナットを付けた下鋼板に、下鋼板のボルト穴に
挿通されたボルト先端部に対応し、かつ、そり上げ時の
ボルト先端の広がりに対応できる大きさのボルト穴を穿
孔した上鋼板を、該ボルト穴に下鋼板に挿通されたボル
トの先端を挿通した後、下鋼板をそり上げ、上方よりナ
ツトを付けて締め付けることにより一体化して所定の上
げ越しを行い、これを支持体に架け渡し、その後、適宜
に形成したコンクリート打設穴よりコンクリートを打設
することを特徴とする鋼板とコンクリートのサンドイッ
チ合成床版。 - 【請求項3】 請求項1又は2に記載した鋼板とコンク
リートのサンドイッチ合成床版の継手部にあって、下鋼
板添接板を隣り合う下鋼板の端部を延伸した添接板継代
部の下面に配置し、予め穿孔された添接板継代部と下鋼
板添接板のボルト穴にボルトを挿通し、ナットを付けて
締め付けて、隣り合う下鋼板を接続するとともに、隣り
合う上鋼板の端部上面に突出した上鋼板と下鋼板を挿通
するボルト先端部に対応するボルト穴を穿孔した上鋼板
添接板を、該ボルト穴にボルト先端部を挿通することに
より隣り合う上鋼板に配置し、ボルト先端部にナットを
付けて締め付けて接続し、隣り合うパネルを連続するこ
とを特徴とする鋼板とコンクリートのサンドイッチ合成
床版の継手構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9236479A JP3027555B2 (ja) | 1997-08-19 | 1997-08-19 | 鋼板とコンクリートのサンドイッチ合成床版及びその継手構造 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9236479A JP3027555B2 (ja) | 1997-08-19 | 1997-08-19 | 鋼板とコンクリートのサンドイッチ合成床版及びその継手構造 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1161742A JPH1161742A (ja) | 1999-03-05 |
JP3027555B2 true JP3027555B2 (ja) | 2000-04-04 |
Family
ID=17001352
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9236479A Expired - Lifetime JP3027555B2 (ja) | 1997-08-19 | 1997-08-19 | 鋼板とコンクリートのサンドイッチ合成床版及びその継手構造 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3027555B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR102223273B1 (ko) * | 2018-11-30 | 2021-03-08 | 주식회사 포스코 | 강판 콘크리트 합성벽체 |
-
1997
- 1997-08-19 JP JP9236479A patent/JP3027555B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH1161742A (ja) | 1999-03-05 |
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