JP3127107B2 - 球の探傷装置 - Google Patents

球の探傷装置

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JP3127107B2 JP07315295A JP31529595A JP3127107B2 JP 3127107 B2 JP3127107 B2 JP 3127107B2 JP 07315295 A JP07315295 A JP 07315295A JP 31529595 A JP31529595 A JP 31529595A JP 3127107 B2 JP3127107 B2 JP 3127107B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ベアリングの鋼
球やパチンコ玉、あるいは合成樹脂製の球等の傷を検出
するための球の探傷装置に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、ベアリングの鋼球の傷を検出す
るために、図に示すような装置が用いられている。同
図において、レーザービーム71は、投光器72から射
出され、鋼球73に入射して、ここで反射され、受光素
子74に入射する。この受光素子74は、光を入射する
と、この光のレベルに対応する信号を出力する。
【0003】鋼球73の表面に傷があった場合は、この
傷によって、光が乱反射するので、受光素子74に入射
する光のレベルが低下する。このため、受光素子74の
出力を監視していれば、鋼球73の傷を検出することが
できる。
【0004】図は、別の装置を示している。この装置
では、投光器の射出口75と受光素子74を近接して並
設しており、レーザービーム71を鋼球73の表面に対
して垂直に入反射させている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、鋼球73の
表面が凸面であるから、この鋼球73の表面でレーザー
ビームが反射されると、このレーザービームは拡がる。
このため、受光素子にはレーザービームの極一部しか入
射せず、その受光面に入射する光は、鋼球73の表面の
極狭い範囲で反射されたものに過ぎない。したがって、
受光素子によって一度に検出しうる鋼球73の表面の範
囲は、極めて狭い。
【0006】これに対処するには、鋼球73を図及び
に示すように各矢印A,Bの方向で共に回転させ
て、受光素子によって、鋼球73の表面全体を順次走査
せねばならない。ところが、この様にすると、長時間を
費やしてしまう。あるいは、時間を節減するために、検
査を鋼球73の表面の一部分に限定すると、鋼球の傷を
検出できないことがある。
【0007】そこで、この発明の課題は、球の表面全体
を速やかに検出することが可能な球の探傷装置を提供す
ることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、この発明の球の探傷装置においては、水平かつ平行
に配置される第1、第2回転軸間にそれ等の回転軸で下
から支える球を配置し、その球の一部を第2回転軸の外
周に設けたV形溝に入り込ませて予め定められた球の位
置を保持しつつ、外周に溝の無い細長い第1回転軸と、
前記V形溝を設けた第2回転軸を一方向に共に回転させ
て支持した球を一方向に回転させる回転手段と、この球
に光を照射する投光器と、1本のラインに沿って並設さ
れた複数の受光素子を有し、これらの受光素子によっ
て、球の表面の細長い帯状部分で反射された投光器から
の光を受光する受光器と、この受光器の各受光素子の出
力に基づいて、この球の傷の有無を判断する判定手段と
を備えている。
【0009】このような装置によれば、受光の各受光
素子を並設しているので、これらの受光素子には、球の
表面上に仮想される1本の細長い帯状部分で反射された
光が入射する。したがって、これらの受光素子の出力に
基づいて、球の表面上に仮想される1本の細長い帯状部
分についての傷の有無を一度に判定することができる。
【0010】そして、球を一方向に回転させているの
で、球の表面上に仮想される1本の細長い帯状部分は、
この球の表面上を移動する。これによって、球の表面を
広い範囲にわたって速やかに検査することが可能にな
る。
【0011】複数の受光を球の回転中心に沿って間隔
を開けて配置し、これらの受光によって、球の表面の
それぞれの部分を検出すれば、より短時間の検出が可能
になる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を添
付図面を参照して詳細に説明する。
【0013】図1は、この発明の探傷装置の一実施形態
を概略的に示している。また、図2は、この装置を上方
から見て示している。
【0014】第1及び第2回転軸1,2は、相互に間隔
を開けて平行に並設され、一方向に共に回転される。第
2回転軸2の左端近傍には、V形溝2aを形成してお
り、このV形溝2aと第1回転軸1の間に鋼球3を配置
し、この鋼球3の位置を保持しつつ、この鋼球3を回転
させている。
【0015】投光器4及び受光器5は、相互に間隔を開
けて鋼球3の上方に配置されている。投光器4は、レー
ザービーム6を鋼球3に向けて射出する。このレーザー
ビーム6は、鋼球3で反射されて拡がり、受光器5に入
射する。
【0016】受光器5は、図3に示すように1本のライ
ン7の両側に複数の受光素子8を交互に並設したもので
あり、これらの受光素子8に鋼球3で反射されたレーザ
ービーム6が入射する。これらの受光素子8を1本のラ
イン7に沿って配置しているので、これらの受光素子8
に入射する光は、図2に示す鋼球3の表面上の細長い帯
状部分9で反射されたものである。したがって、この受
光器5によって一度に検出される範囲は、鋼球3の表面
上の細長い帯状部分9である。
【0017】また、鋼球3が回転すると、細長い帯状部
分9は、この鋼球3の表面上を移動する。この細長い帯
状部分9は、第1及び第2回転軸1,2と平行であり、
これらの回転軸1,2の回転方向と直交する。このた
め、鋼球3が一回転するだけで、受光器5は、この鋼球
3の表面の大部分を検出することができる。
【0018】判定部11は、受光器5の各受光素子8の
出力を入力して、これらの受光素子8の出力レベルを予
め定められたしきい値と比較しており、鋼球3が一回転
する間に、これらの出力レベルのうちのいずれかがしき
い値未満になると、鋼球3の表面に傷があるものと判定
する。この判定がなされた場合は、鋼球3を不良品とし
て排除する。
【0019】このように受光器5の各受光素子8を並設
し、これらの受光素子8によって鋼球3の表面上の細長
い帯状部分9を検出しているので、鋼球3の一回転の期
間に、鋼球3の表面の大部分について傷の有無を判定す
ることができる。
【0020】
【0021】また、鋼球3の表面上の細長い帯状部分9
の両端に近づく程、この細長い帯状部分9からの反射光
は拡がる傾向にあり、受光器5の受光レベルが低下す
る。したがって、受光器5の各受光素子8のうちの両端
に近いもの程、受光レベルが低下する。このため、各受
光素子8毎に、それぞれのしきい値を適宜に設定し、こ
れらの受光素子8の出力レベルをそれぞれのしきい値と
比較して、鋼球3の表面の傷の有無を判定しても構わな
い。
【0022】あるいは、各受光素子8の両端の受光レベ
ルの低下を少しでも補償するために、図4に示すように
弧を描く一点鎖線12に沿って、これらの受光素子8を
並設し(これにより鋼球3から各受光素子までの距離が
平均化される)、レーザービーム6の拡がりの程度が小
さいうちに、両端に近い各受光素子8にレーザービーム
6を入射させても良い。
【0023】図5は、この発明の探傷装置の他の実施形
態を示している。この装置では、第1投光器22と第1
受光器21、第2投光器24と第2受光器23、及び第
3投光器26と第3受光器25と言う3組を設けてい
る。第1投光器22から射出されたレーザービーム27
は、鋼球3の左斜め上で反射し、第1受光器21に入射
する。また、第2投光器24から射出されたレーザービ
ーム28は、鋼球3の真上付近で反射し、第2受光器2
3に入射する。さらに、第3投光器26から射出された
レーザービーム29は、鋼球3の右斜め上で反射し、第
3受光器25に入射する。
【0024】第1乃至第3受光器21,23,25によ
って検出される鋼球3の表面上の細長い帯状部分は、相
互に連なり、鋼球3の表面上で半弧を描く。このため、
鋼球3の一回転の期間に、第1乃至第3受光器21,2
3,25は、鋼球3の表面全体を検出することができ
る。この場合も、第1乃至第3受光器21,23,25
の各受光素子毎に、受光素子の出力レベルとしきい値を
比較して、傷の有無を判定する。
【0025】なお、この発明は、上記各実施形態に限定
されるものでなく、多様に変形させることができる。ま
た、上記各実施形態における受光素子は、例えばフォト
ダイオードやフォトトランジスタ等であって、受光レベ
ルを検出できるものであれば、どの様な種類のものでも
構わない。さらに、この発明は、鋼球の傷ばかりでな
く、合成樹脂製の球や真珠等の傷の検出にも適用するこ
とができる。
【0026】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、球の表面全体を速やかに検出して、傷の有無を判定
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の探傷装置の一実施形態を概略的に示
す図
【図2】図1の装置を上方から見て示す図
【図3】図1の装置における受光器の各受光素子の配列
を示す図
【図4】図1の装置における受光器の各受光素子の配列
の他の例を示す図
【図5】この発明の探傷装置の他の実施形態を概略的に
示す図
【図6】従来の装置を概略的に示す図
【図7】従来の他の装置を概略的に示す図
【符号の説明】
1 第1回転軸 2 第2回転軸 3 鋼球 4 投光器 5 受光器 6 レーザービーム 8 受光素子 11 判定部

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水平かつ平行に配置される第1、第2回
    転軸間にそれ等の回転軸で下から支える球を配置し、そ
    の球の一部を第2回転軸の外周に設けたV形溝に入り込
    ませて予め定められた球の位置を保持しつつ、外周に溝
    の無い細長い第1回転軸と、前記V形溝を設けた第2回
    転軸を一方向に共に回転させて支持した球を一方向に回
    転させる回転手段と、 この球に光を照射する投光器と、 1本のラインに沿って並設された複数の受光素子を有
    し、これらの受光素子によって、球の表面の細長い帯状
    部分で反射された投光器からの光を受光する受光器と、 この受光器の各受光素子の出力に基づいて、前記球の傷
    の有無を判定する判定手段とを備える球の探傷装置。
  2. 【請求項2】 複数の受光を球の回転中心に沿って間
    隔を開けて配置した請求項1に記載の球の探傷装置。
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