JP3122653B2 - 籾殻粉砕装置 - Google Patents

籾殻粉砕装置

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JP3122653B2 JP11145595A JP14559599A JP3122653B2 JP 3122653 B2 JP3122653 B2 JP 3122653B2 JP 11145595 A JP11145595 A JP 11145595A JP 14559599 A JP14559599 A JP 14559599A JP 3122653 B2 JP3122653 B2 JP 3122653B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は籾殻粉砕装置、詳
しくは籾殻を効率よく粉砕し、しかも長時間の連続運転
が可能な籾殻粉砕装置に関する。
【0002】
【従来技術】従来より、この種の籾殻の粉砕装置として
は、特開平8−281136号公報に開示されたものが
ある。この籾殻粉砕装置は、図7および図8に示すよう
に、籾殻を吸い込み管28から吸い込み、粉砕する粉砕
部21と、粉砕された籾殻を粉砕部21から排出する排
出管30とを備えている。排出管30から排出された籾
殻は、分級されて、重量の重いものは粗粉砕物集積部3
1で、軽いものは細粉砕物集積部32にそれぞれ集積さ
れる。図7中33は吸引用のファンを示す。粉砕部21
は、図8に示すように、軸線を水平にした薄い円盤を立
てた形状のケーシング22と、このケーシングの開口さ
れた側面を閉止する円板状のカバー23とを有してい
る。ケーシング22内には、水平軸を中心として回転自
在となるように回転円盤24が装着されている。すなわ
ち、この回転円盤24の回転軸はケーシング22に軸受
けを介して回転自在に支持されている。この回転円盤2
4には、複数の回転刃25がその回転軸を中心にして同
心円状に複数列突設されている。また、このカバー23
の内面(回転円盤24に対向する面)には、複数の角形
固定刃26が同心円状に複数列突設されている。これら
の回転刃25と固定刃26とは対向して配設され、これ
らが協動して籾殻を粉砕することとなる。また、カバー
23の中心部には籾殻の供給口27が設けられている。
粉砕された籾殻は、ケーシング22の下部に設けられて
いる排出口29より排出され、次の粗粉砕物集積部31
に搬送される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記粉
砕装置では、多量に供給された籾殻中を回転刃が高速度
で回転するため、ケーシング内で回転刃または固定刃と
籾殻との接触、籾殻同士の接触での摩擦熱が蓄積して、
ケーシング内の温度が上昇し、長時間運転を継続するこ
とができないという問題点があった。また、濾過布等で
分離される籾殻の微粉末は、吸湿性が大きく、濾過布な
どに付着させたまま一昼夜程度放置すると、吸湿し、す
ぐに目詰まりを起こす等の問題点があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、内部に籾殻が供給される空間を画成する本体と、本
体に回転自在に支持された回転円盤と、回転円盤に固設
され、回転円盤の回転軸線と平行に延在して上記空間に
向かって突出する複数の回転刃と、本体に固設され、回
転円盤の回転軸線と平行に延在して上記空間に向かって
突出する複数の固定刃とを備え、空気とともに空間に供
給された籾殻をこれら複数の回転刃および固定刃が協動
して粉砕する籾殻粉砕装置において、上記回転刃の回転
方向に向かう前面を、回転刃で回転円盤の回転軸線を含
む断面よりも大面積とした籾殻粉砕装置である。
【0005】請求項2に記載の発明は、上記回転円盤の
半径方向外端には粉砕された籾殻の排出口が設けられ、
この排出口には、所定径の孔が多数穿孔された排出板が
装着された請求項1に記載の籾殻粉砕装置である。
【0006】請求項3に記載の発明は、上記排出口に連
通して通路が設けられ、この通路には排出された籾殻を
その粒度に応じて分級する分級部材が配設された請求項
2に記載の籾殻粉砕装置である。
【0007】請求項4に記載の発明は、上記分級部材に
より分級されることにより、もっとも小さい粒度となっ
た籾殻の微粉末を捕集する収納袋を備えた請求項3に記
載の籾殻粉砕装置である。
【0008】
【作用】請求項1に記載の発明によれば、外部から空気
とともに籾殻を本体内部の空間に供給し、回転円盤を駆
動回転することにより、籾殻は回転刃、固定刃に衝突
し、切断・粉砕される。この場合、回転刃の回転方向に
向かう前面を、回転刃で回転円盤の回転軸線を含む断面
よりも大面積としているため、回転時に大きな面積で空
気流を形成することができる。すなわち、上記回転刃に
よれば外部から供給される空気量を増すことができる結
果、装置内部での空冷効果を得ることができる。
【0009】この発明に係る籾殻粉砕装置においては、
回転円盤を駆動装置により高速で回転させると、回転円
盤に立設している回転刃により供給側から排気側に向け
て空気が流動する。この空気の流動を利用して籾殻を本
体部内に供給する。すなわち、回転刃の回転に伴い、本
体内部空間が負圧となる。このため、空気は、例えば籾
殻ホッパ、供給シュート、供給口を介して本体内部空間
に吸引される。この際、この吸引される空気に同伴され
て籾殻が空間内に供給される。空間内に供給された籾殻
は、ブレード状の回転刃と衝突し、衝撃粉砕(裁断も含
む)されるとともに、上方に跳ね上げられ固定刃(セグ
メント状突起)に衝突し粉砕される。このように回転刃
と固定刃との協動により粉砕された籾殻は、気流に乗り
放射外方の多孔板に衝突する。そして、この多孔板の開
口部より小さい籾殻は通過し、気流とともに粉砕装置外
に排出される。大きいサイズの籾殻は跳ね返されて再度
回転刃により多孔板の開口部を通過可能なサイズまで粉
砕される。
【0010】請求項2に記載の発明では、回転刃および
固定刃の協動により粉砕された籾殻は、排出口から排出
される。このとき、排出口には、所定径の孔が多数穿孔
された排出板が装着されているため、この孔よりも小さ
く粉砕された籾殻のみが排出されることとなる。よっ
て、この排出板の孔の径を変えることにより、籾殻粉砕
装置の粉砕能力を適宜設定することができる。
【0011】請求項3に記載の発明では、排出された籾
殻は分級部材よりその粒度に応じて分級される。この結
果、粒度の小さい微粉末を分離して回収することができ
る。
【0012】請求項4に記載の発明では、収納袋によ
り、分級されてもっとも小さい粒度となった籾殻の微粉
末を捕集する。よって、補集された籾殻微粉末の管理が
容易となる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、この発明に係る籾殻粉砕装
置の一実施例を図面を参照して説明する。図1〜図5に
はこの発明に係る籾殻粉砕装置の一実施例を示してい
る。これらの図において、籾殻粉砕装置1は、架台の上
に立設された粉砕機構部を有している。この粉砕機構部
の上方には籾殻ホッパ13が配設され、籾殻ホッパ13
と粉砕機構部の内部とはシュート11により接続されて
いる。粉砕機構部は、薄い円盤形状の本体ケーシング2
をその軸線を水平にして架台上に立設してある。本体ケ
ーシングの内部には所定容量の空間が画成され、その一
側面は円形の蓋7で開閉自在に構成されている。
【0014】この蓋7と本体ケーシング2との間に画成
される内部空間には回転円盤5が回転自在に支持されて
いる。すなわち、回転円盤5はその回転軸6を水平に位
置した状態で本体ケーシング2に片持ち状態で回転自在
に支持され、駆動モータにより回転駆動される構成であ
る。駆動モータは架台上で粉砕機構部に近接して固設さ
れている。円形の回転円盤5の蓋7との対向面には、そ
の円中心から半径方向に所定距離だけ離れて複数列とな
るように、各列は円周方向に沿って複数の回転刃(ブレ
ード)4が突設されている。これらの回転刃は一定長さ
を有し、その断面が略台形であって、回転方向前面が後
面よりも大きい面積となるように半径方向に対して斜め
にカットされている。
【0015】一方、これらの回転刃4に対向して複数の
固定刃8が上記蓋7内面に突設されている。各固定刃8
は断面略矩形で一定の長さを有している。これらの固定
刃8は蓋7の内面であって、その中心から所定距離だけ
半径方向に離れた複数位置に、同心円状に形成されてい
る。各半径位置での固定刃8は、複数の固定刃(セグメ
ント状突起)8により構成され、これら複数の固定刃8
が蓋7の中心から所定距離だけ離れて円周方向に沿って
配設されている。そして、これらの固定刃8と上記回転
刃4との間には所定の隙間が形成されることとなり、こ
の隙間に籾殻が供給されることとなる。蓋7の中心部に
は供給口8が開口形成され、この供給口8、上記シュー
ト11を介して本体ケーシング2の内部空間は籾殻ホッ
パ13に連通、接続されている。このシュート11、供
給口9を通って空間内に供給された籾殻は、これらの回
転刃4と固定刃8とにより切断、粉砕されることとな
る。
【0016】粉砕された籾殻を排出するための排出口1
0は、本体ケーシング2の下部に開口されており、この
排出口10の入口には排出板として多孔板(パンチング
メタル)3が装着されている。多孔板3には所定径の孔
が多数穿孔されている。粉砕機構部の下方、すなわち架
台の下には分級部材が配設されている。例えば排出口1
0に連通して所定方向に延びる排出路が構成され、この
排出路の延在方向にあって所定距離毎にその天井から図
示していない複数のカーテン(または邪魔板でもよい)
が垂下されている。これらのカーテンは所定高さまで垂
下され、排出される籾殻を落下させるものである。ま
た、これらのカーテンをくぐり抜けた排出路の排出端に
は収納袋17が設置されている。この収納袋は籾殻微粉
末を補集することができる合成繊維製の袋である。
【0017】この籾殻粉砕装置1においては、内周側突
起と外周側突起との間に円周方向に沿って形成される各
溝内を高速(例えば3000rpm)でブレード4が回
転すると、蓋7の中心部から吸い込まれた空気は複雑な
流路を形成し放射外方の排出口10から排出路に流出す
ることとなる。籾殻はこの空気流とともにケーシング内
の空間に吸い込まれ、この気流中の籾殻は互いに接触す
る回数が増加し、かつ、回転刃、固定刃に衝突し、切
断、粉砕が促進されることとなる。衝撃などによる籾殻
の微粉末への粉砕が進行するものである。そして、多孔
板3を通過した気流と粉砕物は、分級部材を構成してい
る分級ケース15内の側面16または分級ケース内の天
井部より吊り下げられている邪魔板(図示していない)
に衝突し、流速が遅くなるとともに、流れる方向が変化
する。この際に気流中の粗い粒子は落下し、微粒子は気
流とともに分級ケース15外に排出される。この分級ケ
ース15の排出口には収納袋17が取り付けられてお
り、気流に同伴される微粉を収納袋17に捕集すること
ができる。
【0018】この発明に係る回転刃4(角形ブレード)
は、籾殻を裁断するとともにファンの羽根の作用をす
る。よって、供給された籾殻は回転刃4の回転により空
気搬送されることとなる。また、この場合、各回転刃
(ブレード)4の前面は表面積が後面よりも大きいた
め、回転による空気量を増大させることができる。よっ
て、この増大した空気流により回転円盤5、回転刃4、
固定刃8などが常に冷却されることとなる。この結果、
回転刃4、固定刃8と籾殻との衝突、接触、また、籾殻
同士の接触による摩擦熱の発生による粉砕機構部内部の
高温化を阻止することができる。つまり、冷却効果が高
くなり内部温度を下げる効果を有しているので、籾殻粉
砕装置1自体の連続運転が可能となる。
【0019】なお、回転刃(ブレード)の形状は、粉砕
装置の温度上昇を防止し、籾殻の供給および裁断を行う
形状のものであれば、特に限定されない。回転刃の本数
および回転円盤の回転数は、粉砕量に応じて適宜、決め
ることができる。回転刃は、この回転刃の回転方向の面
がやや内側の傾斜して立設されているが、逆方向に傾斜
させても良い。蓋7には、放射状に複数のウェブ14ま
たは突起を有する構造としておけば、この蓋7付近の気
流が乱され、籾殻同士の接触の機会が多くなるととも
に、蓋7の摩耗を防止することが可能である。回転円盤
3と本体部2との間に設ける多孔板(または金網)3の
開口径については、粉砕すべき最大粒径に応じて決めれ
ば良く、特に限定されない。多孔板(または金網)の強
度については、衝突する籾殻の衝撃、または高速で移動
している籾殻粉砕粉との摩擦に耐えうるものである必要
がある。この実施例においては、開口径5mmの多孔板
を使用している。
【0020】粉砕物の分級は、粉砕装置の排出される粉
砕物を同伴した排気を分級ケース15内に導入すること
により、排気の流路が急激に拡大し、流速が急激に減速
するため径の大きい粒子を分離し、次いで分級ケース1
5内の衝突板または衝突板を兼ねた側壁16に衝突させ
流速を減速するとともに、流速の向きを変更または反転
させる。この際、流速の減速と遠心力により排気内の粗
粒子を分離する。排気内の微粒子は、分離されずに排気
に同伴されて分級ケース15外に排出される。分級ケー
ス15の出口には、空気抜きを設けた収納袋17が設け
てあり、収納袋17の空気抜きより排気のみが外部に排
出され、収納袋17内には、分離された微粉分が残留す
ることとなる。
【0021】籾殻の供給は、籾殻ホッパの出口に籾殻を
定量的に抜き出すことができる揺動式または振動式の供
給機12を設けることができる。この場合、ホッパ13
からの抜き出し量を調整することができる。このため、
従来のようにホッパ13の抜き出し口に設けているゲー
ト(図示していない)の開口面積を調整する必要がない
ので、ホッパ内の架橋現象によるホッパ詰まりを防止す
ることができる。使用する揺動式または振動式の供給機
としては、市販のユーラスモータを使用した振動式の供
給機またはカム機構を用いた揺動式の供給機などを用い
ることができる。特に揺動式供給機は、カムの原歯車の
駆動を回転円盤の駆動モータを歯車およびベルト式の減
速機構を用いて行うことができるので好適である。
【0022】
【発明の効果】この発明に係る籾殻粉砕装置では、回転
刃が風を起こす羽根の効果を有しているため、外部に搬
送用のファンを設ける必要がない。粉砕装置の温度上昇
を防止する効果を有しているため、連続運転が可能であ
る。籾殻ホッパの出口に振動式または揺動式の定量供給
機を設けているので、籾殻粉砕装置に籾殻を定量的に供
給することができる。籾殻粉砕装置の運転を安定させる
ことができるばかりでなく、籾殻ホッパの詰まりを防止
することが可能となった。吸湿性の大きい微粉を分離す
る手段が、微粉を収納する収納袋に空気抜を設けている
ため、微粉分を付着させたまま放置することがなく、微
粉分を有効に回収することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例に係る籾殻粉砕装置を示す
模式図である。
【図2】この発明の一実施例に係る籾殻粉砕装置を示す
縦断面図である。
【図3】図2のA−A矢視図である。
【図4】図2のB−B矢視図である。
【図5】この発明の一実施例に係る籾殻粉砕装置の蓋の
壁面の一部分を示す正面図である。
【図6】この発明の一実施例に係る回転刃の一部を示す
斜視図である。
【図7】従来の籾殻粉砕装置を示す正面図である。
【図8】従来の籾殻粉砕装置の粉砕機構を示す断面図で
ある。
【符号の説明】
1:籾殻粉砕装置 10:排出口 2:本体ケーシング 12:供給機 3:多孔板(排出板) 15:分級ケース 4:回転刃(ブレード) 16:衝突板 5:回転板 17:収納袋 7:蓋 8:固定刃 9:供給口

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内部に籾殻が供給される空間を画成する
    本体と、 本体に回転自在に支持された回転円盤と、 回転円盤に固設され、回転円盤の回転軸線と平行に延在
    して上記空間に向かって突出する複数の回転刃と、 本体に固設され、回転円盤の回転軸線と平行に延在して
    上記空間に向かって突出する複数の固定刃とを備え、空
    気とともに空間に供給された籾殻をこれら複数の回転刃
    および固定刃が協動して粉砕する籾殻粉砕装置におい
    て、 上記回転刃の回転方向に向かう前面を、回転刃で回転円
    盤の回転軸線を含む断面よりも大面積とした籾殻粉砕装
    置。
  2. 【請求項2】 上記回転円盤の半径方向外端には粉砕さ
    れた籾殻の排出口が設けられ、この排出口には、所定径
    の孔が多数穿孔された排出板が装着された請求項1に記
    載の籾殻粉砕装置。
  3. 【請求項3】 上記排出口に連通して通路が設けられ、
    この通路には排出された籾殻をその粒度に応じて分級す
    る分級部材が配設された請求項2に記載の籾殻粉砕装
    置。
  4. 【請求項4】 上記分級部材により分級されることによ
    り、もっとも小さい粒度となった籾殻の微粉末を捕集す
    る収納袋を備えた請求項3に記載の籾殻粉砕装置。
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