JP3121478B2 - フェライト系耐熱鋳鋼およびその製造方法 - Google Patents

フェライト系耐熱鋳鋼およびその製造方法

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    • C22METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
    • C22CALLOYS
    • C22C38/00Ferrous alloys, e.g. steel alloys
    • C22C38/60Ferrous alloys, e.g. steel alloys containing lead, selenium, tellurium, or antimony, or more than 0.04% by weight of sulfur

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車用エンジンの排
気系部品等に好適な耐熱鋳鋼に関し、特に被削性に優れ
ていると同時に、靱性、耐熱疲労性に優れ、安価なコス
トで製造可能なフェライト系耐熱鋳鋼およびその製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、車両用特に自動車エンジンにおい
ては、低燃費化、低公害化を達成するために燃焼改善が
図られており、その結果として排気ガス温度が上昇する
傾向にある。このため、エキゾーストマニホルド、ター
ボチャージャーのタービンハウジングや排気ガス浄化装
置用部品等の排気系部品には、従来主に使用されてきた
高ケイ素球状黒鉛鋳鉄に代わって、フェライト系耐熱鋳
鋼が使用されるようになってきている。しかし、フェラ
イト系耐熱鋳鋼は、従来の高ケイ素球状黒鉛鋳鉄に比べ
て耐熱性は優れるが、被削性が格段に悪いために、加工
コストが高く、生産性が劣るという欠点があった。鋼の
被削性を改善する方法としては、硫黄の添加が有効であ
ることが知られており、例えばJISのフェライト系ス
テンレス鋼では、硫黄を0.15%以上含有するSUS
430Fがある(例えば、ステンレス鋼便覧、416
頁)。
【0003】しかし、従来のフェライト系耐熱鋳鋼にお
いては、硫黄を添加すると耐熱疲労性が低下するため
に、硫黄の含有量が不可避不純物程度以下の少量に限定
されている。例えば、JIS規格のフェライト系耐熱鋳
鋼(SCH1)、特開平1ー159355ならびに特開
平2ー175841号に開示されているフェライト系耐
熱鋳鋼では、それぞれ硫黄含有量が0.04%以下に限
定されている。例外的に、特開平5ー594987号で
は、重量%でC:0.05〜0.5、Si:1〜2,C
r:10〜20を基本組成として、これにNb、V、M
nなどの耐熱性付与元素を0.1〜1重量%程度添加し
たフェライト系耐熱鋳鋼において、硫黄の含有量を0.
2重量%まで高めても良いとされている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記特
開平5ー59498号で提案されているフェライト系耐
熱鋳鋼では、硫黄を添加するとSCH1に比べて被削性
は向上するが、靱性および耐熱疲労性に劣っていた。す
なわち、排気系部品鋳物の製造工程で機械的衝撃が加わ
ると割れやすく、また、使用状態で引張の熱応力が集中
して作用する箇所では亀裂が発生しやすくなる問題があ
った。
【0005】また、硫黄を添加しない従来のフェライト
系耐熱鋳鋼においては、高ケイ素球状黒鉛鋳鉄に比べ
て、被削性が著しく劣るという問題があった。そこで、
硫黄を添加した従来のフェライト系耐熱鋳鋼の問題を解
決するために、この耐熱鋳鋼に硫黄を添加したときの靱
性の変化、および靱性と硫化物の分布との関係、さらに
熱疲労による亀裂発生に対する抵抗性(以下、耐熱疲労
性)と靱性および引張強度特性の関係について検討し
た。
【0006】まず硫黄添加による靱性の低下を、室温か
ら300℃の温度範囲でシャルピー衝撃試験を行って調
べた。その結果、フェライト系耐熱鋳鋼は室温から30
0℃の温度範囲に、フェライト系合金で一般に認められ
ている延性ー脆性遷移温度(以下、遷移温度、例えばス
テンレス便覧、154頁)を有し、硫黄の添加は遷移温
度以下での衝撃値を低下させるが、それと同時に遷移温
度以上の温度での衝撃値(以下、中温靱性)を著しく低
下させることが判明した。したがって、フェライト系耐
熱鋳鋼の被削性を改善するため硫黄を添加する場合に
は、中温靱性に注目してその低下を抑制することが重要
であることが明らかとなった。
【0007】次に、硫化物の分布と中温靱性との関係を
検討した結果、特開平5ー59498号においては、硫
黄添加の有無によらず凝固時にNb炭化物がデンドライ
ト間隙にネットワーク状に晶出するが、硫黄を添加した
場合には硫化物がNb炭化物と共存して晶出し、デンド
ライト間隙を脆化させるために、中温靱性が著しく低下
することが判明した。従って、硫黄添加による中温靱性
の低下を抑制するためには、凝固時に晶出する硫化物を
偏在させることなく均一に分布させることが重要であ
り、そのためには、Nbの添加量を、凝固時にNb炭化
物がデンドライト間隙にネットワーク状に晶出しない程
度の少量に抑える必要があることが判明した。
【0008】さらに、耐熱疲労性と靱性および引張強度
特性の関係を調べた結果、硫黄を添加すると耐熱疲労性
は低下するが、室温から高温までの耐力、引張強さ、伸
び等引張強度特性はほとんど変化せず、両者の間に相関
性は見られなかった。これに対して、耐熱疲労性の低下
と、中温靱性の低下とは良く対応することが判明した。
従って、硫黄を添加したフェライト系耐熱鋳鋼において
は、耐熱疲労性を向上させるためにも、中温靱性(以
下、単に靱性)の低下を抑制することが極めて重要であ
ることが明らかとなった。
【0009】本発明者等は、上記した知見をもとに以下
の点に着眼した。すなわち、本発明者等は、フェライト
系耐熱鋳鋼の凝固組織の形成過程と、晶出する硫化物の
分布および靱性との関係について、予備的な検討を行っ
た。まず、フェライト系耐熱鋳鋼の凝固組織の形成過程
を調べた結果、合金組成によって、(1)前記したNb
炭化物のように、凝固中に炭化物がデンドライト間隙に
晶出する場合(以下、炭化物晶出凝固)、(2)凝固時
にフェライト相(以下、α)のみが晶出し、α単相て凝
固が終了する場合(以下、α単相凝固)、(3)凝固時
にαが初晶として晶出した後、初晶αの一部と残りの液
相の一部とが包晶反応を起こしてオーステナイト相(以
下、γ)が晶出し、αとγの混合相で凝固が終了する場
合(以下、包晶凝固)、(4)(3)と同様に凝固途中
で包晶反応は生じるがγ単相で凝固が終了する場合(γ
単相凝固)の大きく4通りの過程があることが分かっ
た。
【0010】次に、上記4通りの凝固過程の異なるフェ
ライト系耐熱鋳鋼に、硫黄を添加したときの硫化物の分
布と靱性の関係を調べた。その結果、(1)の炭化物晶
出凝固においては、前述のNb炭化物が晶出する場合と
同様、硫化物が炭化物に沿って晶出し、デンドライト間
隙に密に偏在してこれを脆化させるため、硫黄添加量が
多くなると靱性が急激に低下する。(2)のα単相凝固
においては、硫化物が主にαの結晶粒界に沿って晶出
し、結晶粒界に密に偏在してこれを脆化させるため、硫
黄添加量が多くなるとともに靱性が急激に低下する。
(4)のγ単相凝固においては、硫化物が主にγの結晶
粒界に沿って晶出し、結晶粒界に密に偏在してこれを脆
化させるため、硫黄添加量が多くなるとともに靱性が急
激に低下する。これらに比べて、(3)の包晶凝固にお
いては、硫化物が特定の組織に沿って偏在することがな
く、ほぼ均一に分散するため、硫黄を添加しても靱性の
低下が抑制されることを見いだした。
【0011】本発明者等は、この新しい知見をもとに、
フェライト系耐熱鋳鋼において、硫黄以外の合金成分を
包晶凝固が生じるように、かつ耐熱疲労性に影響を及ぼ
す共析変態温度、高温耐力も高めるように調整し、これ
に硫黄を添加することによって、硫黄を添加しない従来
鋼よりも被削性に優れ、また硫黄を添加した従来鋼と同
等以上の被削性を有するように硫黄を添加しても、従来
鋼よりも靱性に優れ、さらに耐熱疲労性にも優れたフェ
ライト系耐熱鋳鋼を実現するに至った。
【0012】本発明は、硫黄添加により被削性を改善す
ると同時に、硫黄添加による靱性の低下を、包晶反応を
利用して凝固時に晶出する硫化物の分布を制御すること
によって抑制し、さらに硫黄以外の合金成分を、靱性、
共析変態温度、高温耐力を高めるように配合し、耐熱疲
労性にも優れたフェライト系耐熱鋳鋼およびその製造方
法を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
(第1発明の構成)本第1発明にかかるフェライト系耐
熱鋳鋼は、重量%で、C:0.1〜0.4,Si:0.
5〜2.0,Mn:1.0以下、S:0.06〜0.2
0、Ni:1.0以下、Cr:13〜20,V:0.2
〜1.0と、Nb:0.1〜0.4および/またはM
o:0.1〜2.0を含有し、残部実質的にFeおよび
不可避不純物からなるように構成され、フェライト母材
中に硫化物が分散したことを特徴とする。
【0014】以下、本第1発明における各合金元素の組
成範囲の限定理由について詳細に説明する。 (1)C Cは、凝固時に包晶反応を生じさせるために不可欠な元
素であるとともに、高温強度の向上、溶湯の流動性(鋳
造性)の改善に有効である。13%以上のCrを含有す
る本発明のフェライト系耐熱鋳鋼においては、その量が
0.1%未満では包晶反応がほとんど起こらなくなり、
また高温強度、鋳造性の改善効果も充分でない。一方、
0.4%を越えても、包晶反応がほとんど起こらなくな
ってγ単相凝固となって靱性が低下するばかりでなく、
共析変態温度も低下するので、これを0.1〜0.4%
とした。
【0015】(2)Si Siは、耐酸化性を向上し、共析変態温度を上昇させ、
かつ鋳造性の改善、脱酸剤としての効果等もある。0.
5%未満ではこのような効果が充分でなく、一方2.0
%を越えると、靱性を低下させ、また包晶反応を起こり
にくくするので、これを0.5〜2.0%とした。
【0016】(3)Mn Mnは、硫黄と結合して硫化物を形成し、被削性を改善
する元素であり、また溶湯の脱酸、鋳造性の改善効果も
あるので、添加することが望ましい。ただし、Mnを添
加しない場合でも、硫黄は主としてCrと結合して硫化
物を形成し、Mnを添加したときと同等の被削性改善効
果が得られる。一方、Mnはオーステナイト形成元素で
あり、添加量が多くなると共析変態温度が低下し、ま
た、耐酸化性も劣化するので、これを1.0%以下とし
た。
【0017】(4)S Sは主として、Mn、Fe、Crと結合して硫化物を形
成し、被削性を向上する上で極めて重要な元素である。
その含有量が0.06%未満では、その効果が充分でな
く、一方0.2%を越えてもさらなる効果が期待できな
いと同時に、耐酸化性が劣化するので、これを0.06
〜0.2%とした。
【0018】(5)Cr Crは、耐酸化性を改善し、かつ共析変態温度を上昇さ
せることから、極めて重要な元素であるが、13%未満
ではそれらの効果が充分でなく、一方20%を越えると
包晶凝固が起こりにくくなり、靱性が低下するので、こ
れを13〜20%とした。
【0019】(6)V Vは、共析変態温度を大きく上昇させる効果が極めて大
きい。また、包晶反応で晶出したγは、凝固後の冷却
中、あるいは鋳造した後の熱処理によってαとCr炭化
物に分解し、このCr炭化物は靱性を低下させるが、V
は凝固後の冷却中にCrに優先して炭化物を形成してC
r炭化物の析出を抑制するため、靱性を向上させる効果
もある。これらの効果は、0.2%未満では充分ではな
く、一方1.0%を越えると耐酸化性が著しく劣化する
ので、これを0.2〜1.0%とした。
【0020】(7)Nb Nbは、Vと同様に共析変態温度を上昇させる効果が極
めて大きく、また少量の添加で高温耐力を向上させる効
果がある。しかし、0.1%未満ではそれらの効果は充
分でなく、一方、0.4%を越えると凝固時にNb炭化
物がデンドライト間隙に網目状に晶出し、硫化物がこれ
に沿って晶出するため、靱性が著しく低下し、また高温
強度も低下するので、これを0.1〜0.4%とした。
【0021】(8)Mo Moは、Vと同様に共析変態温度を上昇させる効果があ
り、またフェライト相へ固溶して高温耐力を改善するも
効果も有するので、Vと複合添加して、あるいはNbと
合わせて複合添加することにより、これらの特性を改善
できるが、0.1未満ではそれらの効果は充分でなく、
一方2%を越えると包晶反応が起こらなくなるので、こ
れを0.1〜2%とした。なお、Wも、Moと同様の効
果があり、Moの代わりとして添加しても良い。ただ
し、Moと同等の効果を得るためには、Moの2倍の添
加量が必要である。
【0022】(9)Ni Niは、この種のフェライト系耐熱鋳鋼ではある程度の
量が不純物として混入することは避けられず、また包晶
反応を起こしやすくする効果や、αに固溶して靱性を高
める効果もあるが、共析変態温度を下げるので、これを
1.0%以下とした。
【0023】(第2発明の構成)本第2発明にかかるフ
ェライト系耐熱鋳鋼は、第1発明に記載のフェライト系
耐熱鋳鋼において、Te:0.01〜0.1重量%およ
び/またはAl:0.01〜0.5重量%をさらに添加
したものであることを特徴とする。本第2発明にかかる
フェライト系耐熱鋳鋼は、第1発明に記載のフェライト
系耐熱鋳鋼の被削性や耐熱疲労性を一層改善するもので
あり、各合金元素の組成範囲の限定理由は以下の通りで
ある。
【0024】(1)Te Teは、Mn、FeおよびCrの硫化物に付着して、被
削性を向上させるが、0.01%未満ではその効果が充
分ではなく、一方、0.1%を越えてもさらなる改善効
果がなく、経済性が悪くなるので、これを0.01〜
0.1%とした。
【0025】(2)Al Alは、硫化物の分布をより均一化して被削性を向上さ
せ、また耐酸化性を向上させるが、0.01%未満では
それらの効果が充分でなく、一方0.5%を越えると鋳
造性を悪化させるので、これを0.01〜0.5%とし
た。
【0026】(第3発明の構成)本第3発明にかかるフ
ェライト系耐熱鋳鋼の製造方法は、請求項1または請求
項2に記載の成分を有する素材を鋳造した後、750〜
1000℃で焼なまし処理を施したことを特徴とする。
【作用】
(第1発明の作用)本第1発明にかかるフェライト系耐
熱鋳鋼においては、Nbを添加しないか、あるいはその
添加量を少量に抑えることにより、凝固時にNb炭化物
がほとんど晶出しないため、硫化物がNb炭化物に沿っ
て晶出するのを阻止できる。また、硫黄以外の合金元素
を、凝固時にαと液相とが反応してγが晶出する包晶凝
固が生じ、αとγの混合相で凝固が終了するように調整
することにより、硫化物をほぼ均一に分布させることが
できるため、硫黄を添加しても靱性の低下が抑制され
る。さらに、硫黄を0.06%以上含有させることによ
り被削性が著しく向上し、またVを添加することにより
靱性および共析変態温度を高めることができるので、耐
熱疲労性にも優れたフェライト系耐熱鋳鋼が得られるよ
うになる。
【0027】(第2発明の作用)本第2発明にかかるフ
ェライト系耐熱鋳鋼においては、第1発明のフェライト
系耐熱鋳鋼の作用に加えてTeやAlを添加しているの
で被削性が向上し、さらにAlを添加した場合には耐酸
化性を向上して耐熱疲労性を改善することが可能とな
る。 (第3発明の作用)前記第1発明または第2発明におい
ては、αとγの混合相で凝固が終了する包晶凝固が生じ
ることを特徴とする。このため、凝固直後のγは、鋳造
後の冷却速度が小さい場合にはαに変態するが、鋳造後
の冷却速度が大きい場合にはマルテンサイトに変態して
母材の硬さが上昇し、被削性が低下する。本第3発明に
かかるフェライト系耐熱鋳鋼の製造方法は、このような
場合に、鋳造後に750℃〜1000℃の温度範囲で加
熱して、マルテンサイトをαへ変態させる焼まなし処理
を施すことによりフェライト系耐熱鋳鋼の硬さを充分に
軟化させるものである。
【0028】
【効果】
(第1発明の効果)本第1発明にかかるフェライト系耐
熱鋳鋼によれば、従来の硫黄含有量が不可避不純物程度
以下の少量に限定されているフェライト系耐熱鋳鋼に比
較して、硫黄を添加したことによってMn、Feあるい
はCrを主成分とする硫化物が分散するために被削性が
大幅に改善される。また、硫黄を添加した従来のフェラ
イト系耐熱鋳鋼に比較して、Nbを添加しないか、その
添加量を少量に抑えることにより、凝固時にNb炭化物
がほとんど晶出しないのでデンドライト間隙への硫化物
の偏在がなくなり、また硫黄以外の合金成分を、凝固時
にαと液相とが反応してγが晶出して、αとγの混合相
で凝固が終了する包晶凝固生じるように組み合わせるこ
とによって、硫化物をほぼ均一に分散させることができ
るため、硫黄添加による靱性の低下を小さくできる。ま
た、Nbを添加しないか、あるいは添加量を少量に抑え
たことによる共析変態温度の低下が、Vの添加、あるい
はMoの添加で補完され、さらにこれらの元素の添加に
より靱性、あるいは高温耐力が向上することによって、
従来の硫黄を添加したフェライト系耐熱鋳鋼と同等以上
の耐熱疲労性を付与することができる。
【0029】(第2発明の効果)本第2発明にかかるフ
ェライト系耐熱鋳鋼によれば、第1発明のフェライト系
耐熱鋳鋼の効果に加えてTeやAlを添加しているので
被削性や耐熱疲労性を改善することができる。 (第3発明の効果)本第3発明にかかるフェライト系耐
熱鋳鋼の製造方法によれば、鋳造後に750℃〜100
0℃の温度範囲で加熱して、マルテンサイトをαに変態
させる焼まなし処理を施しているので硬さが充分に軟化
し、フェライト系耐熱鋳鋼の被削性を一層向上させるこ
とができる。
【0030】
【実施例】以下、本発明の実施例を添付図面にもとづい
て説明する。まず、重量%で0.2C−1.5Si−
0.6Mn−0.020以下P−16Cr−0.4V−
0.7Nb−0.2Mo−0.05Ce−残部Feから
なる従来鋼について、硫黄添加による靱性の変化、およ
び硫黄添加による耐熱疲労性の変化と靱性、引張強度特
性との関係を調べた。試験材は高周波溶解、砂型鋳造に
より作製し、930℃で3時間の焼なまし処理を行った
ものである。
【0031】図1は、硫黄を添加せず不可避不純物とし
てSが0.02%含有されている合金と、硫黄を添加
し、Sが0.1%含有されている合金について、−40
℃から300℃の温度範囲でのシャルピー衝撃試験(J
IS4号試験片)を行い、硫黄添加の靱性におよぼす影
響を調べた結果である。硫黄添加の有無によらず、衝撃
値は室温付近では極めて小さいが、高温になると急激に
上昇しており、これらの合金が延性−脆性遷移温度を有
することが分かる。また、硫黄を添加するとすべての温
度で衝撃値は低下するが、その低下の度合いは、脆性破
壊が生じる室温付近の温度よりも、遷移温度以上の高温
側で極めて大きいことから、硫黄を添加したときには高
温域での靱性(中温靱性)の低下を抑制することが極め
て重要であることが明らかである。
【0032】図2は、硫黄添加による耐熱疲労性の変化
と、靱性および引張強度特性の関係を調べた結果であ
る。熱疲労試験は、直径10mm,長さ25mmの平行部を
有する試験片を用いて、試験片の両端を完全に拘束した
状態で250℃から950℃の熱サイクルを繰り返し与
え、破断するまでの寿命を求める方法によった。引張試
験は、直径10mm、長さ50mmの平行部を有する試験片
を用いた。この結果から、硫黄添加量が多くなると熱疲
労寿命が低下することが明らかである。また、硫黄を添
加しても引張強度、伸びはいずれの試験温度においても
ほとんど変わらないが、300℃での衝撃値は低下して
おり、硫黄添加による耐熱疲労性の低下と靱性の低下と
は良く一致する。従って、耐熱疲労性を低下させないた
めにも、硫黄添加による靱性の低下を抑制することが重
要であることが明らかである。
【0033】次に、従来鋼の問題点を解決し、本実施例
において硫化物の分布を制御する手法を見いだすため
に、フェライト系耐熱鋳鋼の凝固組織の形成過程と、硫
化物の分布との関係を調べた。すなわち、従来鋼の組成
を1.0Si−0.6Mn−16.0Cr−残部Feと
して、これに炭素を種々の割合で添加した合金、および
これらに硫黄を0.15%添加した合金を溶解し、凝固
終了直後に急冷したときの組織を光学顕微鏡で調べた。
また、炭素を0.2%としてNbを0.7%添加した合
金についても同様の試験を行った。さらに、以上の合金
の中で前記した4通りの凝固過程の異なる合金について
硫黄の添加量を種々変化させた場合の靱性の変化を調べ
た。
【0034】図3は、組織観察の結果から、Fe−1.
0Si−0.6Mn−16.0Cr−C系合金の凝固過
程を、状態図で示したものである。炭素量が0.1%以
下の合金(領域I)は、凝固時にαだけが晶出し、α単
相で凝固が終了するα単相凝固合金である。炭素量が
0.1〜0.4%の範囲の合金(領域II)は、凝固時に
αが初晶として晶出した後、初晶αの一部と残りの液相
とが包晶反応を起こしてγが晶出し、αとγの混合相で
凝固が終了する包晶凝固合金である。炭素量が0.4%
以上の合金(領域III )は、領域IIと同様に凝固途中で
包晶反応は生じるが、その後αがγへ変態してγ単相で
凝固が終了するγ単相凝固合金である。このように、フ
ェライト系耐熱鋳鋼の最も基本的な成分であるFe、S
i、Mn、Cr、Cからなる合金の凝固過程は、上述の
3つの凝固過程に大きく分類されることがわかる。
【0035】図4は、図3の領域I の組成である0.0
5%Cの合金に、硫黄を0.15%添加した合金の硫化
物の分布を示す金属組織であり、α単相凝固合金では、
硫化物の一部がαの結晶粒界に沿って連続的に晶出する
ことがわかる。
【0036】図5は、図3の領域IIの組成である0.2
%Cの合金に、硫黄を0.15%添加した合金の金属組
織である。図4のように硫化物が結晶粒界に沿って存在
することはなく、包晶凝固合金では、硫化物がほぼ均一
に晶出することがわかる。
【0037】図6は、図3の領域III の組成である0.
5%Cの合金に、硫黄を0.15%添加した合金の金属
組織であり、γ単相凝固合金では、硫化物の一部がγの
結晶粒界に沿って連続的に晶出することがわかる。
【0038】図7は、炭素が0.2%でNbを0.7%
添加した合金に、硫黄を0.15%添加した合金の金属
組織である。硫黄を添加しない場合、この合金の凝固過
程は、凝固時にNb炭化物がデンドライト間隙にネット
ワーク状に晶出する炭化物晶出凝固であり、硫黄を添加
すると、硫化物がNb炭化物に沿って晶出している。こ
のようにNbを多量に添加したフェライト系耐熱鋳鋼
は、炭化物晶出凝固となり、硫化物が炭化物に沿って晶
出し、偏在することがわかる。
【0039】図8は、前記した図4〜図7に該当する4
つの凝固過程を有する合金について、硫黄添加量を変え
たときの300℃での衝撃値の変化を調べたものであ
る。α単相凝固合金では、硫黄を添加しないときの靱性
は高いが、硫黄を0.05%以上添加すると急激に低下
する。γ単相凝固合金、および炭化物晶出凝固合金で
は、硫黄を添加しない場合でも靱性が低く、硫黄を0.
05%以上添加するとさらに靱性が著しく低下する。こ
れらに対して、包晶凝固合金では、硫黄を添加しても靱
性の低下が小さい。以上の結果から、フェライト系耐熱
鋳鋼において、包晶凝固を生じるように成分を調整すれ
ば、硫黄添加による靱性の低下が抑制されるという新し
い知見が得られた。
【0040】上記した知見をもとに、硫黄添加による靱
性の低下が小さい包晶凝固合金で、被削性に優れ、同時
に共析変態温度、高温耐力にも優れた本発明合金の基本
組成を選定するために、重量%で0.2C−1.0Si
−0.6Mn−16.0Cr−残部Feを基本組成とし
て、これにV、Nb、Mo、W、Sを種々の割合で添加
した合金を溶解、鋳造し、諸特性に及ぼすこれらの元素
の影響を調査した。共析変態温度は直径10mm、長さ3
0mmの試験片を用いた熱膨張測定により、高温耐力は直
径8mm,高さ12mmの試験片を用いた900℃での圧縮
試験により調べた。被削性は旋削試験を行い、切削距離
600mにおける工具の逃げ面摩耗幅を求める方法によ
った。
【0041】図9は、共析変態温度に及ぼすV、Nb、
Mo、Wの影響を調べたものである。これより、共析変
態温度はいずれの元素を含有させても、それらの含有量
が増すに従って直線的に上昇している。特に、VとNb
は、0.1%以上含有させると共析変態温度の上昇が著
しく大きいことが明らかである。また、Wの添加で、M
oと同じ効果を得るには、Moの2倍の量が必要である
こともわかる。
【0042】図10は、靱性に及ぼすV、Nb、Moの
影響を調べたものである。Vは、その含有量が0.2〜
1.0%の範囲で、靱性を向上させる効果があり、0.
2%以上含有させることが望ましいことが明らかであ
る。また、Moは、2.0%までの範囲ではほとんど影
響はないが、Nbは含有量が0.4%を越えると著しく
低下させるので、これを0.4%以下に抑えることが望
ましいことも明らかである。
【0043】図11は、Nb含有量と凝固時に晶出する
Nb炭化物の量の関係を調べたものである。Nb炭化物
の量は、その面積率を光学顕微鏡組織を画像解析して測
定したものであり、Nb含有量が0.4%を越えるとN
b炭化物の量が急激に増加し、凝固過程が炭化物晶出凝
固になるので、図10の靱性を劣化させる作用も合わせ
て、これを0.4%以下に抑えることが望ましいことが
明らかである。
【0044】図12は、高温耐力に及ぼすMo、Vおよ
びNbの影響を調べたものであり、Moは高温耐力を向
上させる効果があることが明らかである。また、Vは
1.0%まではほとんど悪影響がなく、Nbは0.1〜
0.4%において高温耐力が向上している。
【0045】図13は、被削性に及ぼす硫黄含有量の影
響を調べたものである。硫黄が0.06%以上になると
工具の逃げ面摩耗幅が急激に減少している。従って、被
削性を向上させるためには、硫黄を0.06%以上含有
させる必要があることが明らかである。
【0046】上記の知見をもとに、表1および表2に示
すごとき組成を有する本実施例材1〜14および比較材
1〜3を溶解、鋳造して、これらの被削性、靱性、共析
変態温度、高温耐力および耐熱疲労性を比較検討した。
これらの特性の評価試験方法は既に述べてきた方法と同
様であり、各試験は800℃で3時間の焼なまし処理を
施してから行った。また、硫化物の分布を光学顕微鏡に
より観察した。また、本実施例材について硬さ試験を行
って、前記焼なまし材の硬さを鋳放材と比較した。
【0047】
【表1】
【0048】
【表2】
【0049】表3は、被削性試験の結果を示したもので
ある。これより、本実施例材はいずれも、硫黄が0.0
4%以下に限定されている比較材1(SCH1)に比し
て被削性が著しく優れており、硫黄を0.2%まで高め
ても良いとされている比較材2と同じ硫黄量で同等以上
の被削性を有し、また比較材3(高Si球状黒鉛鋳鉄)
に匹敵するほどの被削性を有することが明らかになっ
た。また、Te、Alを含有するものがこれらを含有し
ないものよりも被削性に優れている。
【0050】
【表3】
【0051】表4は、300℃での衝撃試験の結果を示
したものである。本実施例材はいずれも比較材2に比し
て衝撃値が大きく、靱性が著しく優れていることが明ら
かである。
【0052】
【表4】
【0053】表5は、共析変態温度を測定した結果を示
したものである。本実施例材の共析変態温度はいずれ
も、比較材1、比較材3に比して高く、また比較材2に
比してもほぼ同等であることが明らかである。
【0054】
【表5】
【0055】表6は、高温耐力を測定した結果を示した
ものである。本実施例材はいずれも比較材2に同等以上
の高温耐力を有しており、特にMoを添加したものは、
大部分のものがこれを添加しないものより高温耐力に優
れている。
【0056】
【表6】
【0057】表7は、熱疲労試験の結果を示したもので
ある。本実施例材はいずれも、比較材1、比較材3に比
して、破断するまでの繰り返し数が極めて多く、耐熱疲
労性に著しく優れていることが明らかである。また、比
較材2に比しても、極めて優れた耐熱疲労性を有するこ
とが明らかである。また、本実施例材の中でAlを含有
するものは、これを含有しないものよりも耐熱疲労性に
優れている。
【0058】
【表7】
【0059】図14は、本実施例材2と比較材2の金属
組織を光学顕微鏡で観察した結果を示したものであり、
左側は腐食なしで、右側は腐食してから観察したもので
ある。比較材においては、Nb炭化物がネットワーク状
に存在し、硫化物はこれらNb炭化物に沿って偏在して
いるのに比べて実施例材2においては硫化物がほぼ均一
に分布していることが明らかである。表8は、硬さ試験
の結果を示したものである。本実施例材1、9、12は
鋳放し状態でも充分硬さは低いが、800℃、3時間の
焼なまし処理によってさらに硬さが低下すること、ま
た、本実施例材2、3、5は、鋳放し状態でマルテンサ
イトの量が多いために比較的硬さは高いが、焼なまし処
理によってマルテンサイトがフエライト化し、充分軟化
することが明らかになった。また、焼なまし処理は75
0〜1000℃、1〜5時間の条件においても同様の結
果を示した。
【0060】
【表8】
【0061】
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例材の衝撃値に及ぼす硫黄添加の影響を示
した図である。
【図2】実施例材の耐熱疲労性、中温靱性および引張強
度に及ぼす硫黄添加の影響を示した図である。
【図3】Fe−1.0Si−0.6Mn−16.0Cr
−C系合金の凝固過程を状態図で示した図である。
【図4】図3の領域I の組成の合金の金属組織を示す図
である。
【図5】図3の領域IIの組成の合金の金属組織を示す図
である。
【図6】図3の領域III の組成の合金の金属組織を示す
図である。
【図7】Fe−0.2C−0.7Nb−0.15S系合
金の金属組織を示す図である。
【図8】実施例材の衝撃値に及ぼす硫黄添加の影響を示
す図である。
【図9】実施例材の共折変態温度に及ぼすV、Nb、M
oおよびWの影響を示す図である。
【図10】実施例材の靱性に及ぼすV、NbおよびMo
の影響を示す図である。
【図11】実施例材のNb含有量と凝固時に晶出するN
b炭化物の量の関係を示す図である。
【図12】実施例材の高温耐力に及ぼすV、Nbおよび
Moの影響を示す図である。
【図13】実施例材の被削性に及ぼす硫黄添加の影響を
示す図である。
【図14】実施例材と比較材の金属組織を示す図であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伊藤 三史 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41 番地の1株式会社 豊田中央研究所内 (72)発明者 鈴木 正実 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (72)発明者 弦間 喜和 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 審査官 長者 義久 (56)参考文献 特開 昭54−116317(JP,A) 特開 昭52−20922(JP,A) 特開 平5−59498(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C22C 38/00 - 38/60 C21D 6/00 101

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量%で、C:0.1〜0.4,Si:
    0.5〜2.0,Mn:1.0以下、S:0.06〜
    0.20、Ni:1.0以下、Cr:13〜20,V:
    0.2〜1.0と、Nb:0.1〜0.4および/また
    はMo:0.1〜2.0を含有し、残部実質的にFeお
    よび不可避不純物からなるように構成され、フェライト
    母材中に硫化物が分散したことを特徴とするフェライト
    系耐熱鋳鋼。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のフェライト系耐熱鋳鋼
    において、Te:0.01〜0.1重量%および/また
    はAl:0.01〜0.5重量%をさらに添加したも
    の。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載の成分を
    有する素材を鋳造した後、750〜1000℃で焼なま
    し処理を施したことを特徴とするフェライト系耐熱鋳鋼
    の製造方法。
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