JPH05320830A - フェライト系耐熱鋳鋼およびその製造方法 - Google Patents

フェライト系耐熱鋳鋼およびその製造方法

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JPH05320830A
JPH05320830A JP15451492A JP15451492A JPH05320830A JP H05320830 A JPH05320830 A JP H05320830A JP 15451492 A JP15451492 A JP 15451492A JP 15451492 A JP15451492 A JP 15451492A JP H05320830 A JPH05320830 A JP H05320830A
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JP
Japan
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test
cast steel
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oxidation
heat
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Kiwa Genma
喜和 弦間
Masami Suzuki
正実 鈴木
Shinji Kato
真治 加藤
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Toyota Motor Corp
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Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐酸化性、機械加工性及び組織的安定性を犠
牲にすることなく耐熱性の向上を図り、自動車用エンジ
ン排気系への適用性を高める。 【構成】 重量%で、C: 0.05 〜0.5 ,Si :1.0 〜
2.0 ,Mn :0.6 未満,P:0.04未満,S:0.04未満,
Ni :0.5 未満,Cr :10〜20,V:0.1 〜1.0,Nb
:0.5 〜1.0 ,Mo : 0.10 〜0.50,W:0.01未満よ
り成り、所望によりこれにAl :0.01〜0.50をさらに添
加し、鋳造後、 850〜1000℃×1〜5時間保持し、引き
続いて700 ℃以下の温度まで徐冷する焼なまし処理を施
す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、フェライト系耐熱鋳鋼
に係り、特に自動車用エンジンの排気系のエキゾースト
マニホールドやタービンハウジング等に用いて好適な耐
熱鋳鋼に関する。
【0002】
【従来の技術】この種のエキゾーストマニホールドやタ
ービンハウジングには、従来一般には高Si 球状黒鉛鋳
鉄、ニレジスト等が用いられていたが、自動車用エンジ
ンの高出力化、低燃費化が進む中で、より耐熱性に優れ
た材料の使用が望まれるようになってきている。耐熱性
に優れた材料としては、高Ni 高Cr 系のオーステナイ
ト系耐熱鋼が良く知られているが、これらは鋳造性や機
械加工性に劣り、生産性とコストの点で実用性に乏しい
という問題があった。
【0003】そこで最近、適度の鋳造性と機械加工性と
を備えているところから、高Cr フェライト系耐熱鋳鋼
が注目され、その利用が図られている。しかしながら、
このフェライト系耐熱鋳鋼は、 550〜650 ℃を越えると
高温強度が急激に低下し上記した最近のエンジンのもと
では、いま一つ耐熱性が不足するという問題があった。
そこで、例えば特開平1-159354号公報には、重量%で
C:0.06〜0.20 , Mn: 0.3〜1.0 ,Si : 0.4〜2.0
,Cr :15〜22を基本組成として、これにNb,V,N
i ,Mo ,W等の耐熱性付与元素を0.01〜1.0 %程度添
加したフェライト系耐熱鋳鋼が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記公
報に提案されたフェライト系耐熱鋳鋼によれば、Wを含
んでいるため、フェライト系耐熱鋳鋼のせっかくの特長
である耐酸化性が犠牲になり、またMn を比較的多く含
んでいるため、硬さが上昇して機械加工性が阻害され、
その上、Ni を比較的多く含んでいるため、共析変態温
度が低下してオーステナイトが析出し組織的安定性が阻
害されるところとなり、充分な満足度が得られないとい
う問題があった。
【0005】本発明は、上記従来の問題を解決すること
を課題としてなされたもので、その目的とするところ
は、耐酸化性、機械加工性、組織的安定性等を犠牲にす
ることなく耐熱性の向上を図り、もって自動車用エンジ
ンの排気系への適用性を高めたフェライト系耐熱鋳鋼を
提供し、併せてその製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明にかゝるフェライト系耐熱鋳鋼は、その基本
成分を、重量%(wt%)で、C: 0.05 〜0.5 ,Si :
1.0〜2.0 ,Mn : 0.6未満,P:0.04未満,S:0.04
未満,Ni :0.5 未満,Cr :10〜20,V:0.1〜1.0
,Nb : 0.5〜1.0 ,Mo : 0.1〜0.5 ,W:0.01未
満から成るように構成したことを特徴とする。
【0007】本発明にかゝるフェライト系耐熱鋳鋼は、
結晶粒の微細化を促進して耐酸化性をより向上させる目
的で、上記基本成分にAl 0.01〜0.50wt%をさらに添加
するようにしても良いものである。
【0008】また、本発明にかゝるフェライト系耐熱鋳
鋼の製造方法は、上記成分を有する素材を鋳造した後、
850〜1000℃に1〜5時間保持し、引き続いて700 ℃以
下の温度まで徐冷する焼なまし処理を施すようにしたこ
とを特徴とする。
【0009】こゝで、本発明における成分限定理由につ
いて説明すると、Cは、強度と靭性の向上および溶湯の
流動性(鋳造性)の改善に有効であるが、0.05wt%未満
ではそれらの効果が充分でなく、一方0.50wt%を越える
と耐酸化性を悪化させかつ共析変態温度を下げてオース
テナイトの析出をもたらすので、これを 0.05 〜0.50wt
%とした。
【0010】Si は、耐酸化性を改善し、共析変態温度
を上昇させ、また脱酸剤として有効であるが、1.0 wt%
未満ではそれらの効果が充分でなく、一方2.0 wt%を越
えると低温(常温)での靭性を悪化させかつ高温での強
度を低下させるので、これを1.0〜2.0 wt%とした。
【0011】Mn は、パーライト組織の形成元素である
ことから、本発明のように基地をフェライト組織とする
耐熱鋳鋼には余り好ましくなく、また硬さを上昇させて
機械加工性を阻害するので、これを0.6 wt%未満と低く
抑えた。
【0012】P,Sは、0.04wt%以上では熱亀裂(ヒー
トクラック)の発生を助長するので、これを0.04wt%未
満とした。
【0013】Cr は、耐酸化性を改善しかつ共析変態温
度を上昇させることからきわめて重要な元素であるが、
10wt%未満ではそれらの効果が充分でなく、一方20wt%
を越えると低温での靭性を低下させ、かつ粗大な一次炭
化物の晶出を促して機械加工性を著しく悪化させるの
で、これを10〜20wt%とした。
【0014】Vは、共析変態温度を大きく上昇させ、か
つCr に優先して炭化物を形成して、機械加工性を悪化
させるCr の一次炭化物の形成を抑制することから、本
発明において特に重要な元素の一つであるが、0.1 wt%
未満ではそれらの効果が充分でなく、一方1.0 wt%を越
えると耐酸化性の悪化を招きかつ高温での強度を低下さ
せるので、これを0.1 〜1.0 wt%とした。
【0015】Nb は、Vと同様に共析変態温度を大きく
上昇させ、かつCr に優先して炭化物を形成して、機械
加工性を悪化させるCr の一次炭化物の形成を抑制し、
しかも高温における二次炭化物の析出を抑制して耐酸化
性を向上させる効果を有するが、0.5 wt%未満ではそれ
らの効果が充分でなく、一方1.0 wt%を越えると多量の
炭化物を形成して母相中のC量を著しく減少させ、強度
低下を招くので、これを0.5 〜1.0 wt%とした。
【0016】Mo は、強度を向上させかつ共析変態温度
を上昇させる効果を有するが、0.10wt %未満ではそれ
らの効果が充分でなく、一方0.50wt%を越えると低温で
の靭性を低下させかつ耐酸化性を悪化させるので、これ
を 0.10 〜0.50wt%とした。
【0017】Wは、蒸気圧が高くて、耐酸化性にとって
有効である緻密なCr 酸化膜を破壊して耐酸化性を著し
く悪化させ、かつ低温での靭性も低下させるので、本発
明ではこれを0.01wt%未満の低い値に抑えた。
【0018】Al は、結晶粒を微細化して熱疲労寿命を
著しく延長させるが、0.01wt%未満ではそれらの効果が
充分でなく、一方0.50wt%を越えると低温での靭性を低
下させるので、これを0.01〜0.50wt%とした。
【0019】
【作用】上記のように構成したフェライト系耐熱鋳鋼に
おいては、Mn を低く抑えたので機械加工性の悪化が抑
えられ、かつW,Ni を微量に抑えたので耐酸化性、組
織的安定性の悪化が抑えられる。一方、C,Si ,Cr
,V,Nb ,Mo を所定の割合で含有させたので、所
望の耐熱性を確保できる。またAl を添加した場合は、
結晶粒が微細化して、特に耐酸化性、耐熱疲労性がより
向上する。さらに、鋳造後に所定の温度に保持し引続い
て徐冷する焼なまし処理を施すことにより、マルテンサ
イトが分解して組織的に安定なフェライト組織となると
共に、内部応力が緩和され、耐熱性はもとより機械加工
性、耐酸化性等に優れた材料を安定して得ることができ
るようになる。
【0020】
【実施例】以下、本発明の実施例を添付図面も参照して
説明する。
【0021】実施例1 表1に示すように、Al の含有量を種々に変化させた供
試材1〜8、および汎用の高Si 球状黒鉛鋳鉄、ニレジ
スト、耐熱鋼鋳鋼品(JIS SCH 1)に相当する供試材9
A、9B、9Cを鋳造し、供試材1〜8については930
℃×3時間保持→650 ℃まで炉冷(徐冷)の焼なまし処
理を施し、高Si 鋳鉄である供試材9Aおよびニレジス
トである供試材9Bについては鋳造まゝとし、SCH 1で
ある供試材9Cについては850 ℃×2時間保持→600 ℃
まで炉冷の焼なまし処理を施し、その後、これら供試材
から所定の試験片を採取してそれぞれを酸化試験、熱疲
労試験、引張り試験、ミクロ組織試験に供した。こゝ
で、酸化試験は試験片を1000℃に100 時間保持した後、
酸化減量を測定する方法により、熱疲労試験は直径10m
m、長さ15mmの切欠付試験片を両端固定し、250 ℃から9
50 ℃の熱サイクルを与えて破断するまでの繰返し数を
求める方法により、引張り試験は室温でそれぞれ行っ
た。なお、表中、※印を付したものは比較材を表してい
る。
【0022】
【表1】
【0023】図1は、酸化試験の結果を示したものであ
る。同図に示す結果より、本発明の範囲に含まれる供試
材1〜7は、何れも比較材である供試材9A〜9Cに比
して酸化減量が著しく小さく、耐酸化性に優れているこ
とが分る。また本発明に含まれる供試材1〜7の中での
比較より、Al 含有量が0から0.10wt%まで増加するほ
ど酸化減量が小さくなっており、Al が耐酸化性の向上
に有効に作用することが明らかとなった。
【0024】図2は、熱疲労試験の結果を示したもので
ある。同図に示す結果より、本発明の範囲に含まれる供
試材1〜7は、何れも比較材である供試材9A〜9Cに
比して熱疲労寿命が著しく増大している。また本発明に
含まれる供試材1〜7の中での比較より、Al のわずか
の添加が熱疲労寿命を大きく増大させることが明らかと
なった。
【0025】図3は、引張り試験の結果を示したもので
ある。同図に示す結果より、室温での機械的性質特に伸
びは、Al 含有量が0.50wt%までは高値に維持される
が、Al 含有量が0.06wt%になると大きく低下してお
り、この面から、Al 含有量としては0.50wt%以下に抑
えるのが望ましいことが分る。
【0026】図4および図5は、供試材1(Al 0%)
と供試材3(Al 0.05wt%)についてのミクロ組織を示
したものである。これより、Al を0.05wt%含有する供
試材3(図5)は、Al を含まない供試材1(図4)よ
りも結晶粒が細かくなっており、上記耐酸化性および熱
疲労寿命がAl 含有量の増加と共にともに向上した理由
は、この結晶粒の微細化によると推量される。
【0027】実施例2 表2に示すように、Cの含有量を種々に変化させた供試
材11〜17を鋳造し、実施例1における供試材1〜8
に対すると同様の熱処理を施した後、これら供試材から
試験片を採取し、950 ℃での高温引張り試験および共析
変態点の測定試験に供した。
【0028】
【表2】
【0029】図6は高温引張り試験の結果を、図7は共
析変態温度の試験結果をそれぞれ示したものである。両
図に示す結果より、高温引張り強さはC含有量が0.05wt
%より低くなると急激に低下し、一方、共析変態温度は
C含有量が0.50wt%を超えると急激に低下しており、し
たがって、C含有量としては0.05〜0.50wt%範囲とする
のが望ましいことが分る。
【0030】実施例3 表3に示すように、Si の含有量を種々に変化させた供
試材21〜25を鋳造し、実施例1における供試材1〜
8に対すると同様の熱処理を施した後、これら供試材か
ら試験片を採取し、酸化試験および引張り試験に供し
た。酸化試験は試験片を 950℃に100 時間保持した後、
酸化減量を測定する方法により、引張り試験は室温でそ
れぞれ行った。
【0031】
【表3】
【0032】図8は酸化試験の結果を、図9は引張り試
験の結果をそれぞれ示したものである。両図に示す結果
より、酸化減量はSi 含有量1.0 wt%未満で著しく増大
し、一方、室温の伸び率はSi 含有量2.0 wt%を超える
と著しく低下しており、したがって、Si 含有量として
は1.0 〜2.0 wt%の範囲とするのが望ましいことが分
る。
【0033】実施例4 表4に示すように、Cr の含有量を種々に変化させた供
試材31〜35を鋳造し、実施例1における供試材1〜
8に対すると同様の熱処理を施した後、これら供試材か
ら試験片を採取し、共析変態温度の測定試験および引張
り試験に供した。なお、引張り試験は室温で行った。
【0034】
【表4】
【0035】図10は共析変態温度の測定試験の結果
を、図11は引張り試験の結果をそれぞれ示したもので
ある。両図に示す結果より、共析変態温度はCr 含有量
10wt%未満で大きく低下し、一方、室温の伸び率はCr
含有量が20wt%を超えると著しく低下しており、したが
って、Cr 含有量としては10〜20wt%の範囲とするのが
望ましいことが分る。
【0036】実施例5 表5に示すように、Vの含有量を種々に変化させた供試
材41〜46を鋳造し、実施例1における供試材1〜8
に対すると同様の熱処理を施した後、これら供試材から
試験片を採取し、共析変態温度の測定試験および酸化試
験に供した。なお、酸化試験は試験片を 950℃に100 時
間保持した後、酸化減量を測定する方法により行った。
【0037】
【表5】
【0038】図12は共析変態温度の測定試験の結果
を、図13は酸化試験の結果をそれぞれ示したものであ
る。両図に示す結果より、共析変態温度はV含有量0.1
wt%未満で大きく低下し、一方、酸化減量はV含有量が
1.0 wt%を超えると著しく増大しており、したがって、
V含有量としては 0.1〜1.0 wt%の範囲とするのが望ま
しいことが分る。
【0039】実施例6 表6に示すように、Nb の含有量を種々に変化させた供
試材51〜54を鋳造し、実施例1における供試材1〜
8に対すると同様の熱処理を施した後、これら供試材か
ら試験片を採取し、酸化試験および高温引張り試験に供
した。なお、酸化試験は試験片を 950℃に100 時間保持
した後、酸化減量を測定する方法により、高温引張り試
験は 950℃で行った。
【0040】
【表6】
【0041】図14は酸化試験の結果を、図15は高温
引張り試験の結果をそれぞれ示したものである。両図に
示す結果より、酸化減量はNb 含有量 0.5wt%未満で大
きく増大し、一方、高温引張り強さはNb 含有量が1.0
wt%を超えると著しく低下しており、したがって、Nb
含有量としては 0.5〜1.0 wt%の範囲とするのが望まし
いことが分る。
【0042】実施例7 表7に示すように、Mo の含有量を種々に変化させた供
試材61〜65を鋳造し、実施例1における供試材1〜
8に対すると同様の熱処理を施した後、これら供試材か
ら試験片を採取し、高温引張り試験および酸化試験に供
した。なお、高温引張り試験は 950℃で、酸化試験は試
験片を 950℃に100 時間保持した後、酸化減量を測定す
る方法により行った。
【0043】
【表7】
【0044】図16は酸化試験の結果を、図17は高温
引張り試験の結果をそれぞれ示したものである。両図に
示す結果より、高温引張り強さはMo 含有量が 0.1wt%
を未満では著しく低下し、一方、酸化減量はMo 含有量
0.5wt%を超えると著しく増大しており、したがって、
Mo 含有量としては 0.1〜0.5 wt%の範囲とするのが望
ましいことが分る。
【0045】実施例8 表8に示すように、Wの含有量を種々に変化させた供試
材71〜73を鋳造し、実施例1における供試材1〜8
に対すると同様の熱処理を施した後、これら供試材から
試験片を採取し、酸化試験に供した。なお、酸化試験は
試験片を 950℃に100 時間保持した後、酸化減量を測定
する方法により行った。
【0046】
【表8】
【0047】図18は酸化試験の結果を示したものであ
る。同図に示す結果より、酸化減量はW含有量0.01wt%
を超えると著しく増大しており、したがって、W含有量
としては0.01wt%以下に抑えるのが望ましいことが分
る。
【0048】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明に
かゝるフェライト系耐熱鋳鋼によれば、Mn を低く抑え
かつW,Ni を微量に抑える一方、C,Si ,Cr ,
V,Nb,Mo を所定の割合で含有させたので、機械加
工性、耐酸化性、組織的安定性を損なうことなく耐熱性
を向上させることができる効果がある。またAl を添加
した場合は、結晶粒が微細化して、耐酸化性と耐熱疲労
性がより一層向上する効果がある。さらに、本発明にか
ゝるフェライト系耐熱鋳鋼の製造方法によれば、鋳造後
に所定の温度に保持し引続いて徐冷する焼なまし処理を
施すことにより、組織的に安定なフェライト組織となる
と共に、内部応力が緩和され、耐熱性はもとより機械加
工性、耐酸化性に優れた材料を安定して得ることができ
る効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】Al 含有量を変化させた本発明にかゝるフェラ
イト系耐熱鋳鋼の耐酸化性を汎用の比較材と対比して示
すグラフである。
【図2】Al 含有量を変化させた本発明にかゝるフェラ
イト系耐熱鋳鋼の耐熱疲労性を汎用の比較材と対比して
示すグラフである。
【図3】本フェライト系耐熱鋳鋼の機械的性質、特に伸
び率に及ぼすAl 含有量の影響を示すグラフである。
【図4】Al を含まない本フェライト系耐熱鋳鋼の金属
組織を示す顕微鏡写真である。
【図5】Al を含む本フェライト系耐熱鋳鋼の金属組織
を示す顕微鏡写真である。
【図6】本フェライト系耐熱鋳鋼の機械的性質、特に伸
び率に及ぼすC含有量の影響を示すグラフである。
【図7】本フェライト系耐熱鋳鋼の共析変態温度に及ぼ
すC含有量の影響を示すグラフである。
【図8】本フェライト系耐熱鋳鋼の耐酸化性に及ぼすS
i 含有量の影響を示すグラフである。
【図9】本フェライト系耐熱鋳鋼の機械的性質、特に伸
び率に及ぼすSi 含有量の影響を示すグラフである。
【図10】本フェライト系耐熱鋳鋼の共析変態温度に及
ぼすCr 含有量の影響を示すグラフである。
【図11】本フェライト系耐熱鋳鋼の機械的性質、特に
伸び率に及ぼすCr 含有量の影響を示すグラフである。
【図12】本フェライト系耐熱鋳鋼の共析変態温度に及
ぼすV含有量の影響を示すグラフである。
【図13】本フェライト系耐熱鋳鋼の耐酸化性に及ぼす
V含有量の影響を示すグラフである。
【図14】本フェライト系耐熱鋳鋼の耐酸化性に及ぼす
Nb 含有量の影響を示すグラフである。
【図15】本フェライト系耐熱鋳鋼の機械的性質、特に
引張り強さに及ぼすNb 含有量の影響を示すグラフであ
る。
【図16】本フェライト系耐熱鋳鋼の機械的性質、特に
引張り強さに及ぼすMo 含有量の影響を示すグラフであ
る。
【図17】本フェライト系耐熱鋳鋼の耐酸化性に及ぼす
Mo 含有量の影響を示すグラフである。
【図18】本フェライト系耐熱鋳鋼の耐酸化性に及ぼす
W含有量の影響を示すグラフである。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量%で、C: 0.05 〜0.5 ,Si :
    1.0〜2.0 ,Mn : 0.6未満,P:0.04未満,S:0.04
    未満,Ni :0.5 未満,Cr :10〜20,V:0.1 〜1.0
    ,Nb : 0.5〜1.0 ,Mo : 0.1〜0.5 ,W:0.01未
    満から成ることを特徴とするフェライト系耐熱鋳鋼。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のフェライト系耐熱鋳鋼
    において、Al :0.01〜0.50重量%をさらに添加したも
    の。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の成分を有する
    素材を鋳造した後、850〜1000℃で1〜5時間保持し、
    引き続いて700 ℃以下の温度まで徐冷する焼なまし処理
    を施すことを特徴とするフェライト系耐熱鋳鋼の製造方
    法。
JP15451492A 1992-05-21 1992-05-21 フェライト系耐熱鋳鋼およびその製造方法 Pending JPH05320830A (ja)

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